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2017/09/22
お気に入りレストランでの食事」で書いたレストランに行ったのは、買い付けに行ったワイン農家で試飲した後だったのですが、レストランに入ると、またまたワインを飲む必要(?!)があります。

食前酒も兼ねて、まず白ワインを注文。

この日は、昼食の後にまだまだ予定があったので、ずっしりくるワインは飲みたくありませんでした。それで、ワインリストにあった地元マコネの白ワインを飲むことにしました。マコネというのは、ブルゴーニュ南部にあるマコン市周辺の地域を指します。

マコン・ミリー・ラマルティーヌ(Mâcon Milly-Lamartine)というアペラシオンの白ワインを選びました。



ブルゴーニュ南部で生産されているAOC/AOPマコネの白ワインは、軽くて飲みやすいために私は水代わりに飲んでいます。毎日飲んでいるワインなので、家では飲まないアペラシオンを選んだのでした。

マコネ地域で買い付けに行くワイン農家は何軒もあるのですが、マコン・ミリー・ラマルティーヌを作っているところはないので、飲むのはレストランでとなっています。

マコン市とミリー・ラマルティーヌ村の周辺地域で作られるワイン。

Alphonse de Lamartine
このワインは、名前に惹かれるのです。

ラマルティーヌというのは、政治家の活動もしていたロマン派の詩人アルフォンス・ド・ラマルティーヌAlphonse de Lamartine 1790~1869年)の名前です。

ラマルティーヌが生まれたのはマコン市。この町に行くと、町の中心には彼の彫像もあるし、公立高校の名前もラマルティーヌだし、商店などの名前にも使われていて、ラマルティーヌだらけ。

日本では余り知られていない詩人ではないかと思うのですが、Wikipediaでは日本語の項目で「アルフォンス・ド・ラマルティーヌ」ができていました。

詩人のラマルティーヌは、マコン市から近いところにあるミリー・ラマルティーヌ村にある小さな城で幼少期を過ごしていました。


Milly-Lamartine

Château de Milly


ミリー・ラマルティーヌという村の名前に、村にゆかりがあるラマルティーヌが入っているのが気になりました。この村の名前はミリーだったのですが、20世紀初頭に「ラマルティーヌ」も加えたとのことなので、ラマルティーヌが住んでいた頃にはミリー村だったわけです。


このアペラシオンは久しぶりに飲みました。前回に飲んだ時にとても気に入った記憶があったので選んだのですが、やはりとても美味しかった。

どんなワインなのか、私はうまく説明できないので、詳しく紹介しているショップをご覧ください。


このワインは、誠実に作っているドメーヌらしいと感じたのですが、お手頃価格ですね。日本で買うときのために覚えておこうと思ってリンクを入れておきました。

ブルゴーニュにいるとき、フランスの硬水を受け付けない体の私が、水代わりに飲むのはマコネの白ワインです。でも、日本にいるときには、そのランクのブルゴーニュワインが3,000円を超える値段で売っていたりするので、好きではないボルドーを飲むことが多くなってしまっているのです。


マコン・ミリー・ラマルティーヌを楽天市場で検索


 【楽天市場】人気の銘醸ワインが勢揃い!ブルゴーニュ特集

ブログ内リンク:
フランスの詩人ラマルティーヌの墓地 2009/04/16 
★ 目次: 文学者・哲学者、映画・ドキュメンタリー
★ 目次: フランスのワイン産地、アペラシオン、セパージュ
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
Lamartine (Alphonse de) poète et vigneron à Mâcon (Bourgogne)
☆ Wikipédia: Milly-Lamartine ⇒ Château de Milly
Alphonse de LAMARTINE à Mâcon et Milly
Vin Mâcon Milly-Lamartine blanc


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2017/09/11
先週の末、ブルゴーニュ南部のマコネと呼ぶワイン産地で、白ワインとクレマン・ド・ブルゴーニュというスパークリングワインを作っているドメーヌに行きました。

手摘みでブドウの収穫をしているのを確認

行ったのは、安くて美味しいワインを作っているけれど、安い料金で買えるのが魅力のお気に入り農家です。ただし、赤ワインはつくっていない。

この農家では、ブドウは機械では収穫しないで、全て手で摘むと聞いていたのですが、収穫期に行ってみると、それが確認できました。

手でブドウを収穫するときに使うケースが、門を入ってすぐの所に重ねてある。




収穫の真っ最中だったのですが、ブドウ圧縮の担当らしいお爺さんはドメーヌにいたので、普段と変わらずに、おしゃべりしながら試飲させてくれました。



近々結婚する娘さんがいる友人が、結婚披露パーティーのためにワインが必要なので、行くついでに買ってきて欲しいと言われていたので、車のトランクがぎっしりになるほどワインを積み込みました。

1泊旅行だったので、衣料を入れたスーツケースもあったのだけれど、それは後部座席に移す。ワインは外から見えるようにはしません! 泥棒をしようと思わせてしまうことは罪だと思うし。

絞り終えたブドウが出たらしく、農家の中庭には搾りかすを摘んだトラックがありました。



これを見ても、手で摘んだブドウだと分かります。

以前によく行っていたマコネのワイン農家では、収穫期に行ったときに、収穫したブドウを入れたトラクターだったか、絞りカスだったか忘れましたが、覗いてみたら、ブドウの枝や葉っぱ、おまけにエスカルゴも混じっていたのでした。人間が摘まないと、色々なものが入ってしまうのですよね。

その農家では、農薬をできるだけ使わないようにしたら、ブドウ畑にエスカルゴが戻って来たと嬉しそうに話していました。日本でもよく知られているエスカルゴですが、食用にされるカタツムリには幾つか種類があって、本物は「ブルゴーニュのエスカルゴ」と呼ばれる品種です。ワインの産地のブルゴーニュ。昔はブドウ畑にエスカルゴがたくさんいたのだそう。


★ 目次: エスカルゴについて書いた記事

コート・ドールで高級ワインを作るドメーヌでは、運び込まれたブドウをベルトコンベヤーに乗せて、質の悪いブドウの実や混じってしまったものを取り除く作業をします。でも、安い価格で売るワインを作る農家では、そんなことはしていられない。

でもね... ワインにするときにはエスカルゴは混ぜないで欲しい...。その後にも何回か行ったと思いますが、数年前からワインの買い付けには行かなくなりました。大学で醸造学も勉強した息子さん2人が後を継いで機械化したのですが、学歴もないお父さんが作っていたときのワインは余りにも素晴らしく美味しかったので、そのギャップが耐えられないからです。

息子さんの代になっても、定評のあるワインガイドブックでお勧めワインに選ばれていたので、質は良いのは間違いない。でも、あのエスカルゴたちが脳裏に刻まれてしまったから足が遠のいたのかな...。


発泡酒のクレマン・ド・ブルゴーニュ

今回行ったドメーヌでは、クレマンが絶品です。下手なシャンパンよりはずっと美味しくて、シャンパンよりはずっと安い。クレマン・ド・ブルゴーニュとシャンパンを並べてプロに目隠しテストさせても、クレマンの方が美味しいという結果が出てしまうこともあるのです。

つまり、シャンパンといっても口当たりがかなり悪いのもあるということ。ただし、来客に出すときには、やはりランクが下がるので、シャンパンを振る舞ってくれた♪  という感じにはならないのが難点ではあります。

クレマンは気軽に帰るので飲む機会が多いのですが、私が気に入っているのはブルゴーニュ南部で作られているもの。シャンパーニュ地方と接するブルゴーニュ北部でもたくさん作っているのですが、南部の方が気候が温暖なので、ブドウが完熟しているせいか、不愉快になる酸っぱさがないのです。

となると、ブドウ栽培産地としては北限のシャンパーニュ地方で素晴らしいシャンパンが生産できる理由が理解できない...。ブドウの収穫は早くからなされてしまうのですよね。それで、醸造法としても、クレマン・ド・ブルゴーニュと同じなのだから分からない...。何か秘密はあるのだろうな...。

シャンパンとクレマン・ド・ブルゴーニュの違いは何かと注意してみたら、シャンパンの方が気泡が細かいと感じました。

日本にいるときにネットショップでクレマン・ド・ブルゴーニュを選ぶとしたら、これかなと思ったのは、こちら ↓



ちょっと安すぎるので不安になる。でも、日本ではクレマン・ド・ブルゴーニュはそんなに高い値段を付けないで売っているらしい。

クレマン・ド・ブルゴーニュを楽天市場で検索

デイリーワインとして飲むには、私はマコネの白ワインが好きで、日本に帰ったときに持って行ったワインが無くなると買っています。

日本で買うときも、ブルゴーニュワインに関しては、ワインをブレンドしてしまうネゴシアンとワイン農協は名前を見てはじき出すことができるのですが、マコネの白ワインはなぜかやたらに高い値段で日本では売っていると感じていました。美味しいワインだと分かるなら高い値段を払いますが、これをそんな価格で売るのかと怒りたくなるワインも売っている...。でも、クレマンはリーズナブル・プライスで販売されているのなら、それを買うことにしてしまおうかと思いました。


ブドウ収穫の真っ盛りだったこの農家。収穫の仕事をしてくれている人たちにふるまう料理を作っているキッチンを覗いたので、そこで見た料理の写真入れる記事を、続きで書きます。

続き:
ブドウ収穫をしている人たちのために、ワイン農家が用意していた料理

 【楽天市場】人気の銘醸ワインが勢揃い!ブルゴーニュ特集 

ブログ内リンク:
★ 目次: ブドウ畑の作業、ワイン醸造法など
★ 目次: シャンパンとスパークリングワイン
★ 目次: フランスのワイン産地、アペラシオン、セパージュ
★ 目次: ドメーヌやワイナリーの訪問記
★ 目次: 今年のミレジムは? (ブルゴーニュ・ワイン)
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
本物のエスカルゴとは? 2014/07/11


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2017/09/10
ワインの買い付けなどを目的にした旅行から戻りました。

ワインの醸造農家に行くには微妙な時期。今年のブルゴーニュでは、今がブドウの収穫期なので、お邪魔をしてしまうからです。電話で行きたいと連絡するよりは、いきなり行ってしまって、受け入れてくれる余裕がなかったら別のお気に入り農家に行くということで出かけてみました。

ワイン産地に行くので、ブドウの収穫風景を見たいので畑が広がっている地域を少しドライブしました。

ブルゴーニュ南部のマコネという産地では、収穫が終わってしまったのか、まだ始まっていないかという感じ。ともかく、畑にはブドウの収穫をしている人たちやトラクターはまばら。

マコネから北上してコート・ド・ニュイと呼ばれる地域に到着したのは、夕方6時過ぎ。ブドウの収穫が始まっているとしても、もう仕事を終えた時間でしょうから、ブドウ畑は静かなものでした。


ロマネ・コンティRomanée-Contiのブドウ畑

ロマネ・コンティのブドウ畑は、まだ収穫が始まっていませんでした。



夕日があたっていて逆光になってしまった。畑の逆の方向に歩いて行く時間もないので、ちらりと眺めただけ。

この日はエシェゾーが作られる地域に泊まりました。朝食の時、家のマダムが、大学生の息子さんは朝7時に家を出てブドウの収穫のアルバイトに向かったと話していました。彼は幼馴染のワイン農家でいつも収穫を手伝っているのですが、今年は9月8日から始まったとのこと。

息子さんが収穫に出たということは、このコート・ド・ニュイと呼ばれる地域では、ブドウ収穫が始まっていることを期待して家を出ました。

普段は静かなブドウ畑には車がたくさん止まって、大勢の姿も見えて活気づいていました。こんなにブドウ収穫で賑わっている時期に来たのは久しぶりです。


クロ・ド・ヴジョClos de Vougeotのブドウ畑

この写真に見える道を進んで左に折れると、クロ・ド・ブジョ城の正面の入り口があります。そこに車を止めてブドウ畑に近づいたわけなのですが、車がたくさん止まっていて、人も百人近いのではないかと思うほど見えました。



こんなに建物のそばまで畑があるとは知らなかった。



アフリカ系の人たちがとても多いと感じました。フランス語以外の言葉ばかりが聞こえてきます。言葉も通じないので、通訳できる人を探したりもしていました。

ということは、フランスには住んでいない人たち? 難民は働いてはいけないことになっているはずですが、ブドウの収穫には人出不足なので、特例を出したのかな?... あるいは、出稼ぎにアフリカ大陸から来た? 東欧から働きに来る人たちは多いという話しは聞いていたけれど。





変な天候の年だったのですが、ここのブドウはとても元気そうに見えました。ピノ・ノワール種のブドウはたわわに実っています。




以前に来たことがあったかなと思ってしまう場所に来たついでに、建物の裏側に回ってみました。屋根が広い。瓦を交換するときには大変だろうな...。



ここはフランス革命が勃発する前にはシトー会修道院だったのですが、その時代には、このあたりは果樹園として使われていて、ブドウ畑ではなかったのだそう。ということは、ブドウ畑にするほどには土壌が良くなかったということでしょうね。

クロ・ド・ブジョは50ヘクタールあって、ブルゴーニュワインの特級ランクができるブドウ畑の面積としては最も広いのだそうです。もっとも、畑は区画に分かれていて、持ち主は百人余りいます。生産者にもよるので、クロ・ド・ブジョのワインは当たりはずれが大きいと感じます。

地元ブルゴーニュの地方テレビでは、今年はブドウがたくさんなっていないのだと強調する報道をしているのですけど、少なくともここに限っては全く悪くはないように見えました。ニュースでは、生産量は少ないけど、ワインの質は良いだろう、と付け加えています。ワインを高く売るための宣伝かと勘ぐりたくなる!



clos(クロ)というのは囲われた農地のこと。ここは50ヘクタールあり、「Vougeot村にある囲われた農地」なわけですが、少しややっこしいアペラシオン。

ヴジョ村のクロという土地については「Clos de Vougeot」と呼びます。その畑で作られるのは特級ランクのワインなのですが、そのアペラシオンが統一されていない。

Clos de Vougeot(クロ・ド・ヴージョ)でも、「の」の意味を持つ「de」は無しにしてClos Vougeot(クロ・ド・ブジョ)でも良いそうなのです。しかも単語の間にハイフンを入れて、Clos-de-VougeotとしたりClos-Vougeotとしている場合もあります。「V」を小文字にしているワイン情報もありましたが、これは気にしないことにする。

「de」を入れても入れなくても同じなのだそうです。フランス政府の法律文書では、「Clos de VougeotないしClos Vougeot」となっていました。

フランス語で聞く限りは「ド」は軽く発音するので、余り気にはなりません。でも、書いてある文字を見たら「de」が無いのは偽物ではないかと疑わないかな?

でも、「clos(クロを付けない「Vougeot」というアペラシオン(特級ランクはない)も同じブジョ村にあるので紛らわしい。ブルゴーニュワイン委員会のサイトでは「Clos de Vougeot」と表記しているので、その方が一般的なのではないでしょうか?



「Vougeot」をカタカナ表記でどうするかも、日本語では問題になります。私の耳には「ヴジョー」あるいは「ヴージョ」と聞こえるのですが、ブルゴーニュワイン委員会のサイトでは「クロ・ド・ヴジョ」としていたので、それに合わせて書きました。

日本のワインショップでは、「ヴージョ」と表記するのが一般的なように感じました。

試しに楽天市場で検索してみると、「ヴジョ」と表記しているショップも無くはない、という感じでした。

「クロ ヴージョ」で検索
「クロ ヴジョ」で検索

日本のサイトのワイン情報で「ヴァージョ」と書いてあるページがありましたが、これは間違いなのは私でも分かる。


クロ・ド・ブジョ城の裏側に回って散歩したのですが、もとの場所に戻ると、あんなに大勢いた人たちの姿は全く見えなくなっていました。収穫をする人たちは別の場所に移動したらしい。1台だけ車がいて、何かを運んでいたのですが、ケータリングの食事の配達のようでした。


シャンベルタンChambertinのブドウ畑

このあたりは特級ランク「グラン・クリュ」のブルゴーニュワインもできる地域です。



人間の手でブドウを収穫しなければならないという規制があるので、働いている人の数が多い。たいていは、働く人たちは自分の車か、ドメーヌがチャーターしたワゴン車やバスなどで来るので、車の数も多い。

働いている人たちはかがみこんで作業するので、遠くからは人影が見えないこともありますが、車を見るとブドウ収穫をしている畑だと分かります。



午前11時ころに通りかかったので、休憩しながら軽食を食べている人たちのグループもありました。



高校生の頃に、ワインを作っている親友の家でブドウの収穫を手伝っていたという年配の友人は、昔のブドウ収穫は楽しかったのだと語っています。最近は、見張り役が後ろから「クープ、クープ(切れ、切れ)」とけしかけて来たりするらしいし、美味しいものをたくさん食べさせてくれるところも少なくなったと聞きます。

そういう思い出話しをした人は、昔は必ず美人が仲間にいたけれど、最近は働く女の子がいない、とも言っていました。今回はブドウ収穫者をたくさん見たのですが、そうかもしれないな...。


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★ 目次: ブドウ畑の作業、ワイン醸造法など
★ 目次: フランスのワイン産地、アペラシオン、セパージュ
★ 目次: ロマネ・コンティのブドウ畑ウオッチング
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
ブルゴーニュワイン委員会: コート・ド・ニュイ -Côte de Nuitsとオート・コート・ド・ニュイ -Hautes Côtes de Nuits
シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョ Château du Clos Vougeot
☆ Vins de Bourgogne:  Clos de Vougeot
Clos de Vougeot Grand Cru de la Côte de Nuits (Bourgogne)
Nuits-Saint-Georges : les Hospices entament leurs vendanges 08/09/2017


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2017/07/20
暑かったり、寒かったりで、気温の差が激しい今年の夏。

ワインの買い付けに行くという友人たちから誘われたので、一緒に出けました。天気予報では最高気温が35度と出てきたので、そんな時には出かけたくないとは思ったのですが、乗せてもらう車の乗り心地は悪くないはず。


ハイテク車

車に乗せてくれた友人は、出張することが多いので、会社の経費で自動車を買ってもらっています。2年か3年ごと、気に入った最新式の車を選んでいて、オプションを付けるのも自由。

最近手に入れたのは、プジョー 3008というモデルでした。



今回の車で面白かったのは、車体の外に付いているとう外部カメラによる制御システムでした。将来には運転手が何もしなくても自動で運転される車ができると聞いていたのですが、その前段階かなと思う車に乗ったわけです。

車の外側にカメラがついていて、それが自動的に車の運転を制御する機能に連携していました。車が白線を超えたら、自動的に方向転換して戻る。前方の車に近づきそうになったら、自動的にブレーキがかかり、遠ざかったらもとのスピードに戻る。縦列駐車も自動的にさせることができるのだそうですが、それはまだ使いこなせていないとのこと。

でも、そういうハイテクのメカニズムは、故障したら怖いではないですか?...

その前の車は、運転席にだけマッサージ装置があったのですが、今度のは助手席にもついていました。運転席と助手席に間にはワインが3本入るという冷蔵庫もある。走り続けていないと十分に冷たくならない感じがしましたけど...。

車の前方には、大きな画面でナビゲーターや、車の外側にあるカメラの画面がある。スピーターを通して電話ができるようにしてあるiPhoneも付けている。音楽はUSBに入っていて、連続200時間分の曲が入っているのだそう。車内で香りを流すボタンもある。何だか遊び過ぎではないですか? 車好きの人は面白がるのでしょうけれど...。




ボージョレー

この日に行くことにしていたのは、ブドウを栽培してワインを作っている農家2軒。昼前、つまり食前酒タイムに到着したのはボージョレーの丘の上にある農家でした。

家を出るとすぐにブドウ畑が広がっています。庭にしているスペースに大きなビニールプールが設置されていて、その横に寝椅子が3つありました。



このイスに寝て寛ぐと、プールが目の前に見えるわけです。人の背丈くらいの高さがあるプールなので、その向こうにあるブドウ畑はほとんど見えないはず。

私だったら、イスを置く方向を逆にして、ブドウ畑と、その向こうに広がるボージョレーの丘を見れるようにしますけどね...。ブドウ畑は見慣れているし、仕事の場だからプールを眺めたいのか?...

ブドウの木は元気そうでした。まだ色づいてはいませんでしたが、もう実はかなり大きくなっています。

雨が降らないので、実が余り膨らんでいないのだそう。ブドウの収穫は早めで、おそらく8月にするだろうとのこと。それまでに雨が降ってくれることを期待しているそうです。



ワインづくりをしている男性3人がお相手をしてくれて、試飲をしました。よく行くところだし、作っているワインはボージョレーのクリュ1種類だけなので、試飲というよりは、ワインを飲んだという感じ。

こういう暑いときは、朝の6時前からブドウ畑に出て、午前10時には仕事を終えるのだそう。その後になると、もう畑で働くどころではなくなってしまうとのこと。

一緒にでかけた友人のうちの1人は、このボージョレーのワイン農家に先月にも買い付けに来ていて、そのときにロゼも買っていました。少し前に彼らの家で食事したとき、そのロゼを試飲したのですが、出来が素晴らしいくて、とても飲みやすかったのでした。
それで、私もロゼも買う予定で行ったのですけれど、もう全部売り切れてしまっていました。ほんの少ししか作らないので無理はない...。


中庭があるレストランで昼食

正午を回ったのでワイン農家にはおいとまして、近くの町に出て食事をすることにしました。

車の中は冷房がきいているので涼しいのですが、外に出ると、もう何もしたくないくらい暑い。それで、スペイン料理とイタリア料理のレストランで、色々な小皿料理をとって、みんなで突っついて食べることにしました。

行ってみると、レストランの建物の裏側には大きな木々やパラソルで日をよけたスペースがある。そこにあるテーブルを選びました。木陰にはなっているのだけれど、やはり暑い...。

私は、生ハムとマッシュルームのさっぱりしていそうなピザを選びました。ピザ生地も自家製だと書いてあったので、食べたくなったのです。

みんなは暑くて食欲がないと言っていたくせに、かなりの数の料理を注文していました。タパスを中心にした小皿料理と言っても、フランスのサイズ。かなりのボリューム! もうたくさんだと私は思ったのに、みんなは生ハムやチーズのピザなどを追加注文していました。

飲んだのはスペインの白とロゼのワイン。そんなに美味しくはなかったけれど、こういう暑い日には冷たいワインしか飲む気にならないので満足。

軽い食事で良かったし、料理も美味しかった、とみんなは満足していました。私は、自分が注文したピザとデザートを食べれば十分だったと思ったのだけれど...。


ワインのボトルを割っちゃった

昼食の後には、連絡していたもう1軒のワイン農家の方に行きました。ブルゴーニュ南部のマコネというワイン産地で白ワインを買うのが目的。

いつものように醸造所で試飲をしたのですが、食事の後にさらにワインをたくさん飲む気にはならないし、暑いとそんなに飲む気にはならない。でも、まだ醸造中のワインなども試飲しました。

車のトランクは、私たちが買ったワインで満杯状態。

最後に、お得意さんに対するサービスで、マコネでは最高とされているプイィ・フュッセの白ワインのマグノムという大きなボトルをプレゼントされて、それをトランクに入れました。

家に帰りついてから、ワインを降ろす作業をするためにトランクを開ける。

最新型の車なので、トランクはボタン1つで開くシステムなのですが、開けたら積み荷が滑り落ちて、大きなボトルが飛び出して割れちゃった!

手でトランクを開ける方式だったら、滑りそうだというところで抑えることができたと思うのですよ。だから、ハイテクの車には問題があるのだ! 思ってしまった...。

地面には、割れたボトルから流れ出したワインの臭いがプンプン。でも、無事に到着したお祝いに飲んでいたワインを飲み干したときには、もう地面にこぼれた大量のワインはすっかり乾いていました。



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2017/06/05
お天気も良さそうだということで、お気に入りにした農家にリキュールを買いに行くことにしました。

その途中で通りブドウ畑を少し眺めてみることにしました。



聖霊降臨祭の翌日の月曜日で休日なのに、畑で働いている人の姿がチラホラ見えました。自然を相手にする農家では、週末とか休日とかは言っていられないのだろう、と思いました。

でも、後で聞いたら、年に1日だけ労働者が休日に無報酬労働をさせてしまう「journée de solidarité(連帯の日)」は、まだ一部で続いているのだそう。

この変な法律は、2003年の猛暑でたくさんの高齢者が亡くなったのを受けて、翌年に作られました。労働者が無給で1日余分に働くことによって得られる増収分を高齢者介護拡充予算に充てるというのが目的。反対も大きかったので、いったんは実施されても長続きはしていないだろうと思っていたのですけれど、まだ続いていましたか。




ブドウ畑での作業は、伸びたツルを切るのと、支える針金を持ち上げる作業だったかな。のんびりしている時間に余裕がなかったので、畑で働いている人のところまで行ってみる余裕はありませんでした。


この日、車を降りてブドウ畑に立ったら、ほのかに変な匂いが漂っていました。雨が上がって天気が良くなった日。こういう時には、薬を撒いたのだろうと思います。

ワイン農家の人が、農薬を撒くと、その後48時間は畑に入ってはいけないと言われていると話していました。関係ない人は何時やったか知らないので、ブドウ畑を散歩するのも物騒だな... と思ったのです。でも、臭うものなのだと気がついた次第。

そんなに長くはいるつもりはないので、ブドウが房を付け始めているかだけ確認しました。



暖かかった早春が過ぎてから急に寒くなったので、被害が受けたブドウ畑が多かったと言われていましたが、眺めたところブドウの木は元気そうに見えました。

ブドウを栽培している人の話しだと、怖いのは寒さで新芽がやられることよりも、雹が降って木を台無しにされることなのだそう。




コート・ドールの丘の後ろに控えた山を登ると、ブドウ畑はほとんど姿を消して、果実を栽培している地域になります。


リキュール製造農家の一般公開日

この3連休の週末に出かけたのは、お気に入りにしたリキュールを作っている農家がオープン・ファームをしていたからでした。

何かしらイベントをしているはず。リキュールを作るデモンストレーションをしていて、その香りが漂っているのだろうと思って行ったのですが、いつもと何も変わらない静かな様子。しかも、おしゃべりが楽しいおばあさんは、この日にはいなかったのでがっかり。

試飲する部屋も、普段とは全く変わらず。県の観光情報にも載せていたのだから、何かしらすべきですよ~! 売っているキュールでキールを作って試飲させるとか、おつまみを出すとか、製造方法を見せる写真を張ったパネルを並べるとか...。

こんな一般公開のイベントをした農家に出会ったのは初めて...。

ただし、農家の人が、やって来た人に製造所を案内していました。ご主人らしき人は数人を相手にかなり詳しい説明をしていたようですが、私たちのグループは娘さんらしき女性のごく簡単な説明。



この製造所は、行ったときにドアが開いていれば覗けてしまうので、見せてもらってもつまらない。この日に聞いたことくらいなら、買い付けに来たときに話してもらえる内容なのですけど。

でも、買い付けに行くのが目的だったので、イベントに面白みがなかったのは文句は言いません。この後に何処で食事をすれば良いかと聞いたら、教えてもらったレストランがとても気に入ったので感謝。

私がいつも使っているミシュランガイドのアプリには入っていないレストランだったので、教えてもらわなかったら行くことはなかったと思う。

続き:
★ 運河の港にあったレストランで昼食 2017/06/08

ブログ内リンク:
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★ 目次: 今年のミレジムは? (ブルゴーニュ・ワイン)
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
Lundi de Pentecôte et journée de solidarité
無給労働日の「連帯の日」の混乱とEU憲法拒否の関係
☆ ジェトロ: フランスの特殊な労働時間の取り扱い


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2017/05/18
5月になって初めてだったと思いますが、青空が広がって、夏のように清々しいと感じた日がありました。久しぶりに浴びる太陽の光が嬉しい。日本で「夏」といったら、暑くてたまらないイメージですけれど...。

その日は、友人とレストランでランチをすることにしていました。



こういう日にはレストランのテラス席で食事したい、しかもイタリア料理、ということで意見が一致しました。

皆も外で食事をしたいと思うでしょうから、席が空いていない恐れもあるので心配したのですが、行くことにしたイタリアンレストランではテラスには1人も座っていないのでした。店の中には客がちらほら...。

久しぶりに行った店なのですが、ご主人は私たちの好みまで覚えていて、「トリュフづくしのメニューがありますよ」と言う。でも、簡単に平日ランチをとるつもりだったので、高価なトリュフは断りました。


非常に美味しいイタリアワインだったのだけれど...

ワインはお給仕をしている経営者のご主人に任せ、白のイタリアワインとだけリクエストしました。お勧めで持ってきてくれたワインが非常に美味しい。料理が出てくる前から食前酒として飲み始めました。

写真を撮ったので名前を確認すると「Feudi di San Gregorio Fiano di Avellino 2015」

ワイナリーの片仮名表記が分かったので、情報を探してみる。
☆ フェウディ ディ サングレゴリオで検索

同じボトルが見つかりました。


ショップの説明によると、かなり評判の良いワイナリーのようでした。このワインのブドウの品種はfiano(フィアーノ種)なのだそう。でも、イタリアワインはイタリアに旅行したときに飲むくらいなので、ワイナリーの名前やブドウの品種を思えるために調べてみたわけではありません。このワインを探してみたのは、幾らくらいで売っているのか知りたかっただけなのです。


◆ フランスの不況は深刻なんだな...

お給仕をしていたオーナーのイタリア人夫妻は、お客が少ないので暇だったのか、頻繁に店の外に出てきてきました。つまり、私たちのそばでウロチョロしているわけなので、余り感じが良くない...。

私がレストランに入ったときには、人の動きがある場所が嫌い。トイレのそばとか、調理場からの通り道にある席は避けるのですが、店の入り口にあるテラス席も同じように避けるべきなのだ、と気がついた次第です。

そばに来られて不快に感じたのは、特にオーナーの奥様らしいイタリア人女性でした。通りかかる人たちに挨拶して、つまりは呼び込みをしているつもりらしい。フランスでそういうことをやったら嫌われるだけだと思うのだけれど...。

手持無沙汰なら調理場で手伝えば良いのに、と友人に言ったら、レストランのオーナーの奥さんは皿洗いなんかしないよ、と返事されました。それなら、家に残って、ソファーに寝っ転がってテレビでも見ていたら良いのに...。

閑古鳥が鳴いているのを感じたレストランだったのですが、ここだけではないようなのでした。

私たちが食事したレストランは、車が立ち入り禁止の細い道路に張り出したテラス席だったのですが、向かい側にはクレープ屋さんがあります。



こちらで食事をしたことはないのですが、安さが人気なのか、テラス席で食事をしている人たちがかなりいたのを記憶しています。でも、この日は誰もいない。店では客が来ないことが分かっているのか、テーブル席は2つ3つ作っていただけで、後は折りたたんだまま。店には人影が見えたのですが、私たちが食事をしている間中、人の出入りは全くありませんでした。

不況だからかな?... この店の前に出している看板には、9.90ユーロ(約1,200円)とフランスのレストランにしては非常に安いランチメニューもあったのですけど...。

あたりを見回していると、この歩行者天国の細い道にある数軒のレストランでは、どこでもお客がいない様子...。


 ぼられたのかと疑ってしまった...

私たちが食事をしたイタリアンレストランでは、ご主人もよく出てきて話しかけてきました。

美味しいかと聞いてくるので、友人は料理もワインも美味しいと繰り返していました。

私は、以前はもう少し洗練された料理を出してきたなと思ったのですけれど...。その証拠に、この日の私は料理の写真を1枚も撮っていませんでした。

シェフが変わったらしい。それでも、久しぶりに青空が広がった日にテラス席での食事が嬉しいのは確か。楽しい気分になれば、料理も格別に美味しく感じます。

店のご主人は、お客が減っていることを嘆いていました。大統領選挙の前だったので、現政権が悪いのだ! という議論をふっかけてくるのではないかと心配したのですが、さすがにお客に政治の話しはしないというブレーキはあった様子。

TripAdvisorのサイトが気に入らん、とおっしゃる。悪意で書いている人たちがいるとか、なんとか...。ああいうサイトに書いてあるコメントは信用できないとか返事をしました。私たちがワインも料理も美味しいと言っているので、コメントを入れて欲しいと言ってきました。

イタリア系の人たちは、そういう発想をするものなのかな...。以前にも、同じ町の別のイタリアンで食事したとき、お勘定をするカウンターで「美味しかった」とお礼を言ったら、食後酒を振る舞ってくれて、TripAdvisorに良いコメントを書き込んでくれと頼まれたことがあったのを思い出しました。


お勘定をするとき、少なからず驚きました。私たちがとった平日ランチメニューは1人18ユーロだったのですが、ワインが38ユーロとなっていたのです。

飲んだワインは美味しかったのですけど、イタリアワインがそんなにするとは思っていなかった。日本円にして5,000円くらい。ブルゴーニュワインだって、そう悪くないのが選べるお値段ですよ...。

私たちが「美味しい」と連発したので、値段をふっかけたのではないかと疑ってしまいました。友達はTripAdvisorに何か書き込んであげると言っていたのですが、やめたみたい。遠からぬ将来、このレストランは閉店になっているのではないか、と私たちは思いました。


食事をした後、腹ごなしをするために街を少し散歩しました。

街の中にあるショッピングストリートを通ると、閉店になっている店ばかりなので驚きました。少し前に『フランスの地方都市にはなぜシャッター通りがないのか』という本の題名を見ていたので、余計に気になったのです。フランスには「シャッター通り」と呼べるものがたくさん目につくけどな...。あるいは、フランスの商店が閉まるときにはシャッターを下ろさないものだったっけ?...、と思って眺めました。

そのことついて、続きで書きます。


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2017/04/23
今年は、例年より3週間くらい春の花が咲くのが早い年になりました。近所の人がツバメを見たと教えてくれたの4月3日。


フランスでは、5月1日にスズランを売る習慣があります。その頃、もう春だな... と感じる時期でもあるのです。



スズランの産地では、その時期に花が咲くように調整します。寒い年だと花を咲かせるために暖房するのですけれど、今年は逆。スズランを寒い部屋に入れて成長をストップさせているというニュースがありました。


昨年は6月になってもまだ寒かったので、今年は良い年と思ったのですが、そうではなかった...。

4月中旬を過ぎたら氷点下が3日続き、庭で芽を伸ばしていた木々や、花を付けていた木が寒さでやられてしまいました。



左手に写っているのはライラックで、無事。みじめなのは、たくさん房を付けていた藤です。何とか持ちこたえて欲しいと思ったのだけれど、紫色が見えていた花も全て枯れてしまいました。お化けみたいで哀れ...。

同じ場所でも温度が違ったりするのか、全く平気な植物と、黒く焼けてしまった木々とに分かれました。クルミ、イチョウ、アカシアも全滅みたい。でも、植物は年がたてば生き返ってくるはず...。


ブドウ畑では被害対策

寒波はブドウ畑も直撃しました。新芽を出てきた時期に霜にやられるのが怖いのですよね。コート・ドール県の北の方をドライブしていたら、ブドウ畑の回りに干し草が置かれていて、そこから煙が立ち上っていました。夜の間に干し草を燃して畑を温めていたらしい。

ストーブのようなものを畑にたくさん置いたところもありました。夜の畑に火が燃えているのは美しくはありますけれど、寒くて見に行く気にはならなかった...。


ブルゴーニュ地方のワイン産地の中心地ボーヌ市に近いサン・ロマンのブドウ畑を見せる4月20日のニュースです。


Gel dans les vignes : des braseros pour sauver les bourgeons



シャブリの産地はブルゴーニュの北にあって寒いので、気温が下がると火を炊いたり、水を散水したりする装置が整っているのですが、それでも今年は3日間の寒さでブドウ畑の2割は被害を受けたとのこと。


Le gel, ennemi des vignerons


4月20日の寒さでは、シャンパーニュ地方、ブルゴーニュ地方、ヴァレ・ド・ラ・ロワール地方の他、南仏のラングドック・ルシヨン地方でも霜の被害があったそうです。


フランスでは、5月中旬までは氷点下になる日の恐れがあると言われています。でも、6月になってからでも霜の被害があった年もありました。今年は早々と暖かくなってしまって、植物たちがそれに合わせて成長してしまったからいけなかったのでしょうね。

来週になるまでは、まだ朝晩の冷え込みは厳しいようです。とはいえ、青空が広がっている日が多いので、春は満喫できます。小鳥たちも賑やかにさえずっているし、霜で黒くなってしまった以外の木々は美しい新緑。

ブログ内リンク:
もうシャブリのブドウ畑には霜はおりない? 2013/06/02
★ 目次: 今年のミレジムは? (ブルゴーニュ・ワイン)
★ 目次: ブドウ畑の作業、ワイン醸造法など
本格的な春になることを告げる「氷の聖人たち」 2015/05/15
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記

外部リンク:
Le Monde: Coup de froid sur les vignes françaises 20.04.2017
Vins de France: Le gel frappe durement plusieurs vignobles en France 20/04/2017
ladepeche.fr: Les gels printaniers tombent sur vignobles et arbres fruitiers 20/04/2017


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フランスのお酒 (ワインなど)



2017/04/16
旅行したとき目的地に到着したお祝いに飲むため、あるいはピクニックをするために、冷たく冷えた白ワインを持って行くことがあります。

シャンパンを持って行くなら問題はなし。でも、ワインだと、あれ! コルク栓抜きの道具を持ってきたっけ? と慌てることがあります。誰かしら持っているので、持って行ったワインが飲めなかったことはありませんが。

今回のシリーズで書きながら色々と情報を眺めていたら、コルク栓抜きは、誰が、いつ発明されたか、というのがでてきたのでメモしておきます。

シリーズ記事 【フランスの食事の歴史】目次へ
その10


ワインオープナー

「コルク栓抜き」と書いたのですが、日本ではどう言うのが一般的なのでしょうか?

フランス語だと、tire-bouchonで、つまり栓を引っこ抜くという意味。日本語に「栓抜き」というのがありますが、あれはビールのキャップなどを抜く道具ですよね。

Wikipediaでは、仏語のtire-bouchonからリンクされていたのは「コルクスクリュー」でした。

でも、スクリュー式でないものもあるではないですか? 


どういう名称で売っているかを調べたら、
ワインオープナー」という呼び名が気に入りました。




ワインオープナーが発明されたのは、いつ?

登場したのは17世紀、おそらく1630年頃だろうとのことでした。tire-bouchonという用語が文献に現れたのは1718年らしい。

正式に特許として認められたのは、1795年で、取得したのはSamuel Henshall。

ワインのコルク抜きという道具を発案したのはイギリス人なのだそうです。

ワインをボトル詰めするようになったら、しっかりと打ち込まれているコルクを抜く道具も必要になったわけなのですね。

それで、初めて登場したワインオープナーはどういうものだったか知りたくなりました。

まさか、こんな道具ではないですよね?!


Rob Higgs


初めて登場したコルク抜きは、スクリュー式の道具だったようです。

ピストルに弾を埋め込む装置にそんなのがあって、そこから発想を得たようなのです。

道具の名前から調べたら、こんなシステムらしい。


コルク抜きをフランス人が発明したのではないのはフランス人たちには面白くないようですが、彼らは木のワイン樽を考え出したのは自分たちの祖先のゴロワ(ガリア人)だったというのを誇りにしています。つまり、古代ローマ人でさえも思いつかなかったというわけ。



ワインオープナーには色々な形がある

ワインオープナーには色々な形があって面白いので、コレクションしている人たちもいますね。


Collectionneur de Tire-bouchons ( Collector of corkscrews )


よく見るタイプなのですが、下のような形のオープナーは「シャルル・ド・ゴール」と呼ぶタイプなのだそうです。


Tire Bouchon "Charles De Gaulle" Argenté


頭のある人体に見える。2つの取っ手は両腕を挙げたような形になり、ド・ゴールがそういうポーズで演説をしたから似ている、ということなのだそうです。そういう風に演説している姿は、こちらとかこちら

ド・ゴール将軍は、オーバーな演説口調をする人で、そうやって手をあげている姿が浮かぶので納得できました。


道具がなくても、ワインのコルクを抜くことができる

コルク抜きの道具がないと、ワインボトルが開けられないと思われませんか?

始めに登場したワインオープナーの画像がないかと探していたら、それは見つからなかったのですが、コルク抜きがなくてもワインは開けられるという情報がたくさん出てきました。

コルクに釘を入れてペンチで引っ張るとか、ボトルの底を割ってしまうなどというのまであったのですが、定番らしき方法がありました。

本当なのかなと疑いたくなるのですが、この方法を紹介している動画が幾つもあったので、知る人ぞ知るのテクニックのようです。

下の動画は、アル中のホームレスか誰かにワインをプレゼントした、という悪戯なのでしょうか?


Ouvrir une bouteille de vin sans tire bouchon

どこの国のことなのか分かりません。フランス語のコメントで、自分のお爺さんは1930年代にこの方法でワインを開けていたよ、と書いている人がいました。


道具として使うのは、靴です!

もっと真面目にテクニックを紹介しているのは、こちら。


Comment ouvrir une bouteille sans tir bouchon

始めに靴底でボトルを叩いていますが、それは余り効果がないという説明。ボトルに靴を履かせてしまって、横にした状態にして壁で叩くという方法です。コルクが飛び出してきたら、手で抜きます。


靴の踵が良いクッションになるようです、

ボトルをそのまま木の幹にぶつけているのがありましたが、木の皮は痛んでしまったし、叩く回数も多くないとコルクが飛び出してこないようです。


Comment ouvrir une bouteille de vin sans tire-bouchon


コルクに鍵を差し込んで、それを靴底で叩いて、それから鍵をスクリューオープナーのようにして引っこ抜くという方法もありましたが、これは力がいりそう!


INCROYABLE !! ouvrir une bouteille sans tire bouchon A VOIR !!!


ワインボトルは静かにしておいたものを飲みたいですが、ワインオープナーがなくて困ったときのために覚えておくと、役にたつことがあるかもしれない!

ワインオープナーがいつできたかより、こちらの方を面白がってしまいました。


続く

シリーズ記事【フランスの食事の歴史】目次




ブログ内リンク:
★ 目次: ワイングッズ、ワインのボトル、グラス、コルクなど
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
Le Tire-bouchon : Histoire D'une Invention
Petite histoire du tire-bouchon
La mystérieuse beauté des tire-bouchons anciens
Origines du tire-bouchon
Le tire-bouchon, toute une histoire du sérieux à l’insolite !
Who Made That Corkscrew
☆ Tire-bourre
☆ Musée Gourmandise: Tirebouchons
Musée du tire-bouchon à Ménerbes
Musée du Tire-Bouchon
☆ Dico du Vin: Tire-bouchon
Connaissez-vous la véritable origine du tire-bouchon ?
ヴィンテージ・コルクスクリュー


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フランスのお酒 (ワインなど)



2016/10/06
秋になっても夏のような陽気の日が多かったのですが、もう最低気温は零度になったようです。今年の秋は寒くなかったので、やっと集中暖房のスイッチを入れたところ。暖房費が1カ月分くらい浮いたのではないかな。地球が温暖化したらちょうど良いと私は思ってしまう...。


🍇 私のお水がなくなった...

ブログに何度も書いてしまっていますが、フランスの水が飲めない私。水代わりに呑んでいる軽い白ワイン(つまり安いという意味ですが)はマコネの村の名前が付いたものと決めています。ストックがなくなってしまったので、お気に入りにしているワイン農家の1軒に買い出しに行きました。

日本には輸出していないので、同じ銘柄を入れると、これ ↓


マコネの白ワインが好きなのですが、日本には余り入ってために競争がないせいか、日本で買おうとするとやたらに高い気がしていました。このくらいだったら悪くないと思いました。

でも、私の飲料水用に買うマコン・シャルネはボトル詰めしていないもので、お友達プライスにしてもらってボトル1本分が500円くらいかな...。そのくらいでないと、貧しい私などは水代わりには飲めまん。


🍇 発酵過程のワインを味見

行ったワイン農家では、前日にブドウの収穫を終えたところだと話していました。機械は使わずに人手で収穫するので、広い畑を持っているわけではないのに2週間かかったのだそう。

醸造段階に入ったワインを飲んでみるかと聞かれたので、「もちろん♪」と答えました。美味しいというものではありませんが、一般の人には貴重ですから楽しい。

プイィ・フュイッセのタンクから出してくれました。PFがそのマーク。



かなり色が濃くて濁っていました。

糖分がアルコールに変わる発酵が終わっていない状態のワインを、フランスでは「bourru(ブーリュ)」と呼びます。

もう少したったら何とか味わえるようになるのでしょうが、これはごく初期段階らしてくて、1口だけ記念に飲んで捨てました。ボージョレー・ヌーヴォーの段階でも、たくさん飲むと頭が痛くなったり、お腹が痛く鳴ったりするのだと脅かされているので。ワイン農家の奥さんも、味見はご主人に任せていて、自分は飲まないと言っていました。

この段階だと、今年のワインがどうなるかなんて私には全く分かりません。絞りたてといってもジュースでは全くないし、ワインでもないのですから。

全く甘味は感じませんでした。畑にあった摘み残しのブドウの房を食べさせてもらったのですが、甘くて美味しかったのに。


発酵途中のワインを樽から出して飲ませてもらうことは時々あるのですが、こんなに飲めないことがあったかな?... ブログで書いていたこともあったはずなので探してみました。

ブドウ収穫が終わったばかりのブルゴーニュ南部で、新酒を味わう 2009/09/13
持ち帰りで売っているくらいなので、もう少し発酵が進んだ状態のものを試飲したのだろうと思います。自分で書いて忘れていたのですが、甘いの(Vin doux)とピリピリするのVin piquantと2種類があった。

☆ 2015年のブルゴーニュワインは素晴らしいだろうと確信した 2015/09/23
ボージョレーのワイン農家での試飲。


もしかすると、この日に飲ませてもらったのは、まだ「bourru(ブーリュ)」とは呼ばない段階だったのかもしれない。ブーリュというのは、最終発酵段階の澱(おり)の多いワインのことなのだそうなので。


🍇 マコネのワイン産地をドライブ

冷え込むので注意という天気予報だったので冬のコートを来て出かけましたが、素晴らしい青空だった。買い付け仲間で行った私たちは、ついでに観光も楽しみました。



見えているロマネスク教会は、以前にはワイン農協がこじんまりとした試飲所を作っていたので気に入っていたのですが、教会が修復されたら追い出されてしまいました。おまけに、今回も教会のドアは閉ざされたまま...。

こんなところにワイン農協の出店を出していても買い物客はほとんどこなかっただろうと思いますが、ワインを飲む田舎のカフェとしての機能は果たしていたようでした。

ここでゴーフレット・マコネに出会ったので懐かしい教会です。地元の人がおつまみとして差し入れていたのをご馳走になったのでした。

ゴーフレット・マコネについて書いた記事:
クイズ: キシュノットとは? 2009/02/02

良き伝統は消えていく。おまけに、クリスチャンも減ったので、辺鄙なところにある教会は泥棒が怖いからドアを閉ざしていることが多いのです。

でも、大好きなロマネスク教会の内部も幾つか見学しました。


🍇 マコネのワイン産地では未だ収穫が終わっていなかった

ワイン農家でブドウの収穫が前日に終わったと聞いて驚いていたのですが、まだ続けている畑もあるようでした。ブドウを積んだトラクターに何台も会ったのです。

記録のために車の中から写真を撮っておきました。


2016年10月7日、ブルゴーニュ南部マコネ地域で撮影

摘んだブドウを無造作に荷台に乗せているところからして、安いワインができるブドウ畑でしょうね。

マコネはブルゴーニュ地方の中でもボーヌのあたりより南に位置するので、ブドウの収穫も早く終わるのだろうと思っていたのだけれど、やはり今年は異常なのでしょうね。


【楽天市場】人気の銘醸ワインが勢揃い!ブルゴーニュ特集




ブログ内リンク:
★ 目次: 今年のミレジムは? (ブルゴーニュ・ワイン)
★ 目次: ドメーヌ訪問記
★ 目次: フランスのワイン産地、アペラシオン、セパージュ
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
☆ La Revue du vin de France: Définition bourru
☆ Encyclopédie du vin:  bourru
☆ Wikipédia: Vin bourru
ブリュ Bourru Vin Nouveau
ヴァンダンジュの今だけ。甘く発泡するブーリュ Bourru est arrivé


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フランスのお酒 (ワインなど)



2016/09/23
ずっと続いていた悪天候の反動なのか、9月には清々しい夏のような日が多くなりました。9月末になっても集中暖房を入れないで、たまに暖炉に火を燃す程度で済んでいる年を今まで経験したことがあっただろうか?...

でも、いつの間にか、ツバメたちは1羽残らず旅立っていきました。

素晴らしいお天気の金曜日。レストランのテラス席で昼食をとってから、コート・ド・ニュイのブドウ畑を見に行くことにしました。


ブルゴーニュワインのブドウ収穫が始まった

収穫が始まったばかりなので、ランクの低いワインを作る畑から始めたのではないかと思ったのですが、ジュブレ・シャンベルタンの畑で収穫を終えたばかりの人たちがいました。



手摘みの収穫なのにトラクターが運ばれているのが奇妙。聞いてみたら、収穫したカゴを乗せてあぜ道を走るためのものなのだそう。収穫では運び屋さの役割があって、その役割をする人は賃金が多少高いけれど、かなりの重労働なのだと聞いています。

下は昨年に撮った写真ですが、こういう役割の仕事をする代わりになるトラクターなわけです。


収穫が始まったコート・ド・ニュイのブドウ畑。今年は当たり年では?♪ 2015/09/04

でも、畑がぬかっているときは、やはり人間が担ぎださなければならないのだそう。


モンラッシェの畑では、収穫するには大きすぎるハサミを持った人たちが働いているので奇妙。収穫は3日先で、その前に枯れたブドウの枝や株を切っていたのでした。昔より病気の株が多くなったなどとおっしゃっていました。

ブルゴーニュのブドウ畑で収穫する人たちには、昔ながらの陽気さが残っています。フレンドリーで、おしゃべりもしてくれる。

畑の中に1人でいた女性が話しかけてきました。



彼女はロマネ・コンティのドメーヌで働いているけれど、ブドウの収穫はせず、食事係りなのだそう。

昔のワイン農家は、ブドウ収穫者たちにたくさん食べさせて、たくさん働いてもらうということをしていたのですが、食べさせたり、宿泊させてりするのは農家にとっては大変なので、やらないとことが多くなっています。ロマネ・コンティのところでは未だ食事を出しているとは思わなかった。

でも、野菜と肉料理はケータリングの業者にやらせ、彼女はそれ以外の食べ物を担当するとのこと。

ワイン畑はモンラッシェらしい。高すぎて手が出ないワインだと言ったら、「高すぎて買うことなんかできませんよ~!」とおっしゃる。

どんなのか調べてみました。


私が飲んだ思い出があるモンラッシェは、DRCのではないグラン・クリュでしたが、DRCのはこんなに高くなっているのですか?! それではドメーヌがマダムに飲ませてくれなくても無理はない...。


ロマネ・コンティのブドウ畑は、収穫が終わった後のように見えてしまった

今年のワインの出来がどうなるのか見るために、同じ畑を見ることにしています。

ロマネ・コンティの畑には十字架が立っているので、間違いようがないのです。それに、買って飲めないとしたら、タダで見れるだけでも何となく嬉しいではないですか?




近づいてブドウの木を見たら、もう収穫が終わってしまったのかと思いました。積み残した程度しかブドウの房がないのです。



奇妙...。世界で一番高いと言われるワインを早々と収穫してしまうはずはありません。道に沿って歩きながら畑を眺めてみました。すると、たくさん房が付いているところもある。



やはり収穫は未だ始まってはいないのだろうと思いました。写真を拡大して眺めたら、地面にはブドウの房が落ちていたので、失格の房を取り除いたからやたらに量が少なかったのだろうとも思います。

葉が少ないのも気になったのですが、秋に実が日差しをいっぱい受けるように葉を剪定したのかな?...

それにしても、ブドウの房が少なすぎる...。

今年は雨が多かったので、病気を退治する農薬を使わないオーガニックのワインを作る農家は痛手だと聞いていました。ロマネ・コンティも農薬の使用は最低限にしているでしょうから、ブドウの収穫量は少ないのでしょうね。

追記:
DRCでは、ドメーヌが所有するブドウ畑を9月28日から30日にかけて収穫をしていました。私は1週間早く行ったようです。


2016年のワインは、生産量が少ないことだけは確からしい

ブルゴーニュワインやシャンパンの生産量が少ないというのは地元なので聞いているわけですが、フランス全体としても10%減だそうです。

ブルゴーニュワインの産地のブドウ収穫予想では、生産者平均で20~27%減。特に被害が大きかったシャブリでは、例年の半分しか生産できないとか。

幾つかのブドウ畑を見てみましたが、ブドウの房が付いているところと、少ないところとの差が目立ちました。

この後、果実酒を作っている農家に行ったので話しを聞いたら、同じ畑の中でも果実が全く実っていない部分と、普通に実ったところとがあると言っていました。春先に霜や雹の被害があったのが原因らしい。

今年のブルゴーニュワインは極端に収穫は少ないようです。ニュースでは、ブドウ畑からブドウの木を引っこ抜かれたと言って、畑をパトロールしている農家の人たちまで登場。そこまでやるかな?...

でも、今年は質の高いワインはできるとニュースでは言っています。

今年の天気はずっと変でした。暖冬のあと、雨ばかりの春。ワイン産地では、霜や雹の被害が出たりもした。夏らしい天気もなくて、雨が全く降らない時期もありました。でも、ブドウの収穫期には「秋晴れ」という良い天気だったので、それはブドウにとっては良いことだったかもしれない。

でも、素晴らしい上質のワインができるとまで言うのは行き過ぎではないかな...。生産量が少ないとなったら高い値段で売らなければならない。としたら、今年のワインは上質なのだと強調するのがマーケティングではないですか?


Vendanges Malgré les aléas climatiques, le millésime 2016 devrait être de grande qualité  - France 3 Bourgogne 21/09/2016

  【楽天市場】人気の銘醸ワインが勢揃い!ブルゴーニュ特集

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★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
Vosne-Romanée Le domaine de la Romanée-Conti termine ses vendanges ce vendredi 29/09/2016
Immersion dans les vendanges de la Romanée-Conti 29/09/2016


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フランスのお酒 (ワインなど)



2016/07/16
先日、生産者直売価格で買うためにチーズ工房に行ったら、ブティックで売っている地元ブルゴーニュのワインの中に目を引かれたラベルがありました。


Montre Cul(モントル・キュ)という名のブルゴーニュワイン



どうしてこんな名前になっているのかを調べるために写真をとったのですが、ピントが合っていない!

日本でも売っていたので、画像をお借りします。



先日書いた「食前酒キール誕生の歴史」で、キール市長が「cul」という下品な言葉を使っていたことを書いたすぐ後だったので面白いと思ったのです。

フランス語でculとは、俗語で「お尻」のこと。「ケツ」と訳した方がぴったりすると思います。外国人女性がそう言ったら飛び上がられてしまう可能性があるので、教科書にあるようにfessesと言うべきでしょうけれど、発するのは避ける言葉だと思っています。

このワインには、それに「montrer(見せる)」の二人称命令形か三人称の形と思える単語が付いています。さらに、それが何であるかを見せる絵まで付いている!

飛んでもない名前のワインではないですか?
なぜこんな名前になっているのか調べてみました。

ディジョン市の西部にあるワイン生産地なのだそう。標高257~307メートルの土地で、勾配は13%ある。そういう傾斜地のブドウ畑で働く女性はこの絵のようになってしまう、ということなのでした。

この地域のリュー・ディ(区画の通称)がMontreculなのだそう。

AOC/AOPブルゴーニュとして販売できる地域になっており、それに付けることができる名称は、Montrecul、Montre-cul、Montre cul、en Montre-culがあるようです。

どんな場所なのか、写真を眺めました。この程度の勾配なら、他にもいくらでもありそうに見えるのですけど...。

https://climatsdebourgogne.wordpress.com/2015/05/28/montrecul/
Montrecul – Les Climats de Bourgogne en images


全部で16ヘクタールと狭い地域とのこと。今では赤ワインになるプノ・ノワール種のブドウしか栽培されていないようですが、昔は白ワインも生産していて、ムルソーに匹敵するくらい優れていると言われていたのだそう。

ムルソーはブルゴーニュ白ワインの中でトップクラスなのです。それなのに、この地域で白ワインになるブドウ品種を栽培するのを止めてしまったのかは分かりませんでした。


お尻を見せるという名前の銘柄でワインを作っているドメーヌは他にもあるので、どんなデザインのラベルにしているのか調べてみました。

「モントル キュ」を楽天市場で検索


下のは同じ発想のものですね ↓


それではハシタナイというわけでしょうか? ニワトリの絵にしているのもありました ↓




他にも変な名前のブルゴーニュワインはある

飛んでもないと思うのは、
シャブリの一級ランクにある「L’Homme mortロム・モール)」 。

そのまま読めば、死んだ人間。ボトルに手を伸ばすにも抵抗があるではないですか?!

こちらもブドウ畑の区画がある地域の通称から付いた名前でした。この地域にはガロ・ローマ時代の遺跡があって、骸骨が入ったメロヴィング朝の石棺が幾つか発掘したので場所の名前になったのだそう。

地域の名前が先にできていて、それではワインは売れないから別の地域名にしようということにはならなかったのでしょうね。


もう1つ、あれ? と思ったブルゴーニュワインは、ボーヌの「Clos des Mouchesクロ・デ・ムーシュ)」。


mouches(ムーシュ)と言われれば、蠅のことだと思ってしまいます。clos(クロ)というのは、塀で囲まれたブドウ畑。つまり、ハエがたかったブドウ畑ということ?!

ところが、昔はミツバチのことを「蜜にたかるハエ(ムーシュ)」という言い方をしていたようなのです。ですから、これは「蜜蜂の畑」と読み取るべきなのでした。

この2つのワインについては、すでにブログで書いていました:
ブルゴーニュならでは? 面白い自転車を発見♪ 2014/09/01


もっと変なことがラベルに書いてあるワインもある

モントル・キュの言われを調べていたら、もっと飛んでもない文字や絵が描かれているラベルのワインがあることを知りました。余り度がすぎると、ラベルで勝負している質の悪いワインに見えてしまいませんか?

そういうワインのラベルを紹介している情報がありました。


Top 20 des étiquettes de vin les plus marrantes, l’humour millesimé

Les dix vins les plus méchants de France

フランスのワインを並べているようなのですが、こんな名前でワインを市場に出すとは信じられないようなのも入っています。

... と思ったら、大ヒットもあった。


究極の命名は「Vin de Merde」?

ワインがひどく不味いとき、「こんなのはvin de merdeだ!」と怒ったりするときにも使われる言葉。それがワインの名前になっていました。

Merdeとは糞のこと。とても下品な言葉なのですが、フランス人は悔しがるときに、女性でも「くそ~!」と平気で言います。試験を受けに行く人などに「グッド・ラック」と言葉をかけてあげるときにも、縁起担ぎらしくて「メルド」と相手に言ってあげたりもします。発音するのは止めて、Mだけ言ったりもしますが。

不味いという定評があるラングドックのワインは、安く売っているのですが、外国には安いワインがあるので競争に勝てない。売りさばくのにも苦労していると聞きます。それなら、逆手にして「Le Vin de Merde」と命名してしまうという発想だったのだそうです。アイディアを思いついたのはレストラン経営者でした。

飛んでもない命名なのでニュースで騒がれ、売り出したときに用意していたボトル5,000本は数日で無くなり、追加で7,500本作ったとのこと。一時的な流行ではなくて、今でも市場に出ています。

飲んでみると、そう悪いワインではないということでも人気があるらしい。


Le "Vin de Merde" du Languedoc

実は、最近、このワインの産地に近いところに行っていた友達が帰ってきて、Le Vin de Merdeをお土産に買ってプレゼントにしようと思ったのに店では品切れだった、と言われたのです。フランス人はジョークが好きなので、こんなワインを面白がって買う人も多いのだろうと思います。

プレゼントをもらった人が包装をといて取り出すと、ラベルに「Le vin de Merde」と書いてある。もらった人は「Merde !(なんてこった!)」と叫ぶ、という筋書きかな?...



ブログ内リンク:
★ 目次: 珍しいアルコール飲料
★ 目次: フランスのワイン産地、アペラシオン、セパージュ
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
Dijon a aussi son vin !
☆ Les Climats de Bourgogne en images: Montre-Cul
☆ Wikipédia: Bourgogne montrecul
Etiquettes de vin un peu osées : la Société des Alcools du Québec préfère l’éthique à la quéquette
☆ BIVB: Bourgogne Montrecul ブルゴーニュ・モントルキュル
Vin et cul : une réalité à regarder en face
Un vin de merde qui a du succès !


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フランスのお酒 (ワインなど)



2016/07/12
ここのところ、カシスから作るリキュール「クレーム・ド・カシス」について書いてきたのですが、私がいる家の庭にもカシスが実ってきています。かなり黒い色になってきたので、今日、明日のうちに収穫しなければ...。




クレーム・ド・カシスを作る家もある

ブルゴーニュの食前酒キールを作るにはクレーム・ド・カシスが必要です。でも、アルコール飲料なので大量に消費するとお金がかかる。それで、庭がある田舎ではカシスを植えておいて、自分でリキュール作っているお年寄りもいます。

クレーム・ド・カシスは、蒸留酒にカシスの実を入れて作るのですが、カシスを瓶に入れて日向に置いておくと発酵するのだ、という男性がいました。

それを撮影したのが、下の写真。



美味しいリキュールが出来上がるとも思えなかったのですけど...。この家が作ったリキュールは飲んではみなかったように思うのですけれど、他で飲んだ自家製のクレーム・ド・カシスは、はっきり言って美味しくなかったです。

やはり、メーカーには秘伝があって、それが美味しいかどうか、甘すぎないかなど、色々な違いがあります。

 ☆ クレーム・ド・カシスを楽天市場で検索


ノワール・ド・ブルゴーニュ種のカシス

評判の良いクレーム・ド・カシスを買いに行く」に書いた農家のクレーム・ド・カシスは、カシスの風味が見事に出ていたのですが、それはノワール・ド・ブルゴーニュ種のカシスから作っているからなのだろうと思いました。

*カシス・リキュール(1000ml)
価格:4685円(税込、送料別)



私の庭にあるカシスも、ノワール・ド・ブルゴーニュ種なのです。

それなら、一度くらいは自家製を作って実験してみても良いかなと思って、フランスの情報でレシピを探してみました。カシスはたくさんなるし、自家製でもらった蒸留酒はたくさんあるので、失敗して捨てることになっても惜しげはないし。


クレーム・ド・カシスの作り方

フランス情報を調べたのですが、こちらのレシピが写真入りで分かりやすかったです:

レシピ
☆ cuisine-facile.com: Crème de cassis

材料:
  • カシス 700 g
  • 特徴がでないフルーツから作ったスピリッツ 600 m
  • カシスの葉 2枚(なくても良い)
  • グラニュー糖 500 g
  • 水 300 ml


作り方:
  1. 瓶にカシスの葉とカシスを入れ、オードヴィを入れる(カシスがすっかり浸っていること)。

  2. 蓋をして日陰で3カ月寝かせる(寒いところや冷蔵庫に入れてはいけない)。

  3. 3カ月してアルコール飲料が赤くなってらかし、ザルでカシスを取り除く。実からはエキスが出ているので、実を絞る必要はない。

  4. 鍋に砂糖500グラムと水300 mlを入れ、110℃の強火で約10分間煮る。それを100℃以下になるように5~10分おく。

  5. シロップにカシスの液を静かに加える。それをカシス液を入れていた容器に戻す。またシロップが入っていた鍋に液体を入れる。これを数回繰り返してシロップとカシス液がよく混ざるようにする。

  6. 最後にスプーンでかき混ぜるが、やりすぎると砂糖が固まってしまうので注意する。

  7. 出来上がったクレーム・ド・カシスをボトルに移して保管する。

※ 同じ作り方作った香りの強いフルーツ(フランボワーズ、野イチゴ)は良いクレームになる。
※ イチゴを使うときは、大きさによって2つないし4つに切ってから漬け込む。


レシピ  Crème de cassis de Dijon
  • カシスの葉 6枚
  • カシス 1キロ
  • 90度のアルコール リキュールグラスに1杯
  • 13度のワイン 1リットル(タンニンが多く、こくのあるワイン)
  • グラニュー糖 800グラム

レシピ  Crème de cassis
  • カシス 2キロ
  • 60度のアルコール
  • 砂糖 1キロ
  • 水 50cl


レシピ  La vrai crème de Cassis Maison
  • 完熟のカシス 1.5キロ
  • 赤ワイン ボトル2本
  • 粉砂糖 2キロ


漬け込むカシスですが、そのまま入れる、果皮あ破れないように少しだけ潰して入れる、ジュースにしてから入れる、という方法がありました。種がアルコール飲料と触れると苦くなるので避けるということだけでは共通しているようです。

レシピ は同じサイトに入っていたのですが、Crème de cassis de Dijonの方は「ディジョンの」と付いています。でも、特にブルゴーニュのレシピを紹介しているサイトではないので、ディジョンのクレーム・ド・カシスはワインを使うということになるのかどうかは分かりません。IGクレーム・ド・カシス・ド・ディジョンには製造法の規定があるのですが、ワインを使うとは書いてないし...。


追記:

コメントでご指摘をいただきました。ここではフランスのサイトにあったレシピをご紹介したのですが、日本で自家製のアルコール飲料を作ると、色々と法律があるようですのでお注意ください!

家で酒を作るのは,酒税法違反なので違法。梅酒や甘酒は例外だが,ワインやビールは不可能


クレーム・ド・カシスについて書いた今回の連続記事

 ★ 評判の良いクレーム・ド・カシスを買いに行く 2016/06/21
 ★ 食前酒キール誕生の歴史 2016/07/05
 ★ ディジョンのカシス vs ブルゴーニュのカシス 2016/07/09
 ★ 自家製のクレーム・ド・カシスを作るレシピ 2016/07/12




ブログ内リンク:
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など
  ⇒ キール、カシス
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 蒸留酒をつくるアランビック見学
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ


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フランスのお酒 (ワインなど)



2016/07/09
前回の日記「食前酒キール誕生の歴史」に書いたように、食前酒のキールを作るために必要なリキュールの「クレーム・ド・カシス」とディジョン市は切っても切れない関係にあります。


◆ 「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョンクレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ

「クレーム・ド・カシス」という名が付いたリキュールの中でも、「ディジョン(Dijon)」の文字が入った「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン(crème de cassis de Dijon) 」が本物なのだ、と私は思っていました。

例えば、大量生産されている中では一番美味しいと感じるガブリエル ブティエの商品も、その名称で売られています。

ところが、「評判の良いクレーム・ド・カシスを買いに行く」で書いたジョワネさんのクレーム・ド・カシスを買って帰って、さっそくキールを作ったときに気がつきました。

ボトルに「Crème de Cassis de Bourgogne(クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ)」と書いてあるのです。


これは日本で同じものを販売している楽天市場の画像をお借りして入れたのですが、ジャン・バティスト・ジョアネ社のホームページでも同じラベルでした。

あれ、あれ...。「クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ」という名前を見たことがなかったように思ったのですが、調べてみたら... 他にもあるのでした...。


私が買ったジャン・バティスト・ジョアネさんのクレーム・ド・カシスは、カシスの風味が見事にでていて気にいったのですが、ひょっとして邪道のを買ってしまったのだろうか?...

気になったので、「クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ」とは何なのかを調べてみました。


IGとIGP

「カシス・ド・ブルゴーニュ」という名称は、2015年1月に政府が与える食品の品質保証として認定を受けていたのでした。

地理的表示の保証なのですが、それが何であるかで、また混乱させられました。

品質保証の名称に関するフランスの情報では、IG(Indication géographique)を獲得したと書いてあったり、IGP(Indication géographique protégée)を獲得したと書いてあったりするのです。

Logo IGPIGPはEUが1992年に定めた食品品質保証で、AOC/AOP(原産地統制呼称)の次にステータスがあるマーク(右のロゴ)として目にしています。

保護地理的表示。英語ならPGI(Protected Geographical Indication)。

☆ コトバンク: IGP(アイジーピー)


IGP「P(保護された)」が付かない「IG」というのは見たことがありませんでした。

Pがあったり、なかったりって、どういうことなの?...

結局、IGPは農産物やワインにしか与えないマークなので、クレーム・ド・カシスのようなリキュールやスピリッツには「IG」が与えられる、ということのようです。

でもIGはIGPと同じ基準の品質保証なので、IGPと書いていていることがあるようです。

それで1つの問題は解決したことにして、「クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ」と「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」がどう違うのかを探すことにしました。

ところが、「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン(Crème de Cassis de Dijon」の方も、2013年にIGを獲得していたのでした。

紛らわしすぎるではないですか?!


「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」として売れるのは4社だけ?

報道を幾つか読んで、裏が見えてきました。ブルゴーニュでクレーム・ド・カシスを作っている業界が2分しているのです。

前回の日記「食前酒キール誕生の歴史」に書いたように、クレーム・ド・カシスを考案したのはLejay-Lagoute社(ルジェ・ラグート社)で、1841年のことでした。

それが大成功したために同じようなリキュールを作る会社が増え、1860年にはコート・ドール県内の29社がカシスでリキュールを作っていたそう。それに伴って、さらに19世紀末にブドウ畑に壊滅的な被害を与えたフィロキセラ禍によって、ブルゴーニュ地方にあったブドウ畑をカシス(くろすぐり)に切り替えるのも盛んになったようです。

カシスの生産者組合の歴史を追ってみます。

1912年、コート・ドール県カシス生産者組合連合 Union des Syndicats de producteurs de cassis de la Côte d'Orが誕生。この組織には、ディジョン市から西に30キロほどの所にあるソンベルノン村(Sombernon)周辺地域から、ワイン産地で言えばコート・ド・ボーヌ地域までの組合が入っていて、その数は約50。

1955年、カシス・ド・ディジョンの業界委員会 Comité Interprofessionnel du Cassis de Dijonが誕生し、県内での果実栽培やクレーム・ド・カシスの普及に努める。

1997年、伝統的にカシスの品種であるカシス・ド・ブルゴーニュ種を守る業界組合 Syndicat Interprofessionnel de Défense du Cassis en Bourgogneが創設される。

カシス・ド・ブルゴーニュ種のカシスにこだわる運動が「クレーム・ド・カシス・ド・ブルオーニュ」という名でリキュールを生産しているようです。


ノワール・ド・ブルゴーニュ種にこだわるのがカシス・ド・ブルゴーニュ

カシスは昔からブルゴーニュ地方で生産されていた歴史があるとして、ジョアネさんたちは抵抗して生産者組合を作っていて、それで「クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ」という名称でIGを獲得したということのようです。もともとはAOC/AOPの獲得を狙っていたようです。

ところで、「カシス・ド・ブルゴーニュ」と「カシス・ド・ディジョン」の違いはどこにあるのか?

政府の品質保証を受けたからには、産地の規制だけではなくて、どういう基準で生産するのかが公開されていました。専門家ではないので規制の違いによって生み出すであろう味などは分かりませんが、最大の違いは何から作るかにあるようです。


IG カシス・ド・ブルゴーニュ
  • カシスの品種としてはノワール・ド・ブルゴーニュ(Noir de Bourgogne)だとするわることに意気込みがあるようす。この品種と、受粉用としてRoyal de Naplesという品種を主要品種としている。
  • 3つの品種(Blackdown、Andega、Andorine)を使うことも認めているが、割合は主要品種の量の30%を上限。
  • ブルゴーニュ地方のコート・ドール県とソーヌ・エ・ロワール県の市町村をカシスの生産地とリキュールの醸造地と限定。


IG カシス・ド・ディジョン
  • カシスの2つの主要品種の使用度は25%以上とすること、と穏やか。
  • 漬け込み作業ではフランボワーズ(ラズベリー)ないしグロゼイユ(フサスグリ)を少量(カシスの実1トンあたり50Kg以下)、カシスの芽をごく少量(1トンあたり2Kg以下)を混ぜることも認めている。
  • 醸造地を、コート・ドール県のディジョン市に限定。

IGクレーム・ド・カシス・ド・ディジョンを獲得したのは、ディジョン市の大手メーカーたちが作っている団体。生産量も、外国に輸出されるのも大手メーカーが主力となっているようです。

クレーム・ド・カシス・ド・ディジョンは、カシスの品種にはあまりこだわらず、ディジョン市内で生産しているということで正統派のリキュールなのだとしているようです。

フランスの市町村の区分は細かいので、都市といえば農業ができるような農村地帯はほとんど入っていません。ディジョン市内に工場があるのは疑わしいと思ったのですが、次の4社が醸造所をディジョン市内に持っているのでした。
  • Lejay-Lagoute(ルジェ・ラグート)
  • Briottet(ブリオッテ)
  • Boudier(ガブリエル・ブディエ)
  • L'Héritier-Guyot(レリティエ・ギュイヨ)

つまり、「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」という名称のリキュールは、これらの会社が独占しているということ?

農産物はテロワールに左右されますから、どこで生産されたかというのは大きな意味を持つと思う。品種、生産方法が限定されていたり、伝統を守っているかも大事。でも、工場がどこにあるかということに価値があるのでしょうか?...

例えば、日本でカシスの生産量が大きいのは青森県なのだそうで、国内生産の7割を占めているとのこと。リキュールは生産していないようなのですが、それを輸入してディジョン市内で生産したとして、青森で作るのより美味しいのができるということもないと思うのですけどね...。

日本からカシスを輸入するのは難しいでしょうけれど、物価が安い東欧から輸入しているということはないかとも勘ぐります。輸入するには果実を冷凍してしまうかもしれないのだから、大きな問題だと思うけれど...。


ともかく、クレーム・ド・カシスの生産において、大手企業の存在は大きいようです。

クレーム・ド・カシス・ド・ディジョンは年間1,200万本が生産されていて(2012年)、そのうち400万本が外国に輸出されている。これは、ブルゴーニュ地方全体のクレーム・ド・カシスの生産量の85%を占めているのだそうです。


大きな違いはカシスの品種の違いにあるようなのでした。レリティエ・ギュイヨ社では、2種類のクレーム・ド・カシスを販売しています。


右の方は、「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」の文字は小さくて、ノワール・ド・ブルゴーニュ種という文字を大きくしています。2種類に分けているというのは良心的だと思います。


◆ 「カシス・ド・ディジョンならディジョン産なのか?

政府から品質保証のアペラシオンとして認証されたら、その規定を守らない場合には同じ名前を使えないはず。それなのに、ディジョンではないところで醸造しているのではないかと思われる「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」も販売されていました。

例えば、下はアルザス地方にあるの会社が作っている「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」。ディジョンに醸造所を持っているのかな?... 



私は、ディジョンだから最高のクレーム・ド・カシスができるとは思っていなにので気にしませんが。


「カシス・ド・ディジョン」グループが、ディジョン以外で製造するメーカーが名称を使うことに反対運動をしているのかどうかは知りませんが、「カシス・ド・ブルゴーニュ」グループには圧力をかけているようです。「ブルゴーニュ」などという名前で広めたら、クレーム・ド・カシスの伝統を乱すとして裁判にかけているとか...。カシスの品種の名前に「ブルゴーニュ」の文字が入っているのだから良いではないか、とも思ってしまうのですが...。


ノワール・ド・ブルゴーニュ

評判の良いクレーム・ド・カシスを買いに行く」で書いたジョワネさんのクレーム・ド・カシスは、カシスの風味が濃厚で、普通に市販されているのとは全然違うので驚きました。色々なクレーム・ド・カシスを飲んでいるので、違いはIGだのなんだと言われなくても違いは明瞭に分かるのです。

この農家が持っている畑に植えられているカシスの品種は、やはりノワール・ド・ブルゴーニュ(Noir de Bourgogne)だと言われました。応対してくださったマダムは、これに決まっているという感じでおっしゃっていました。これが本物のクレーム・ド・カシスにするカシスの品種なのです。

私の庭に植えているのも、この品種 ↓

 

これ以外の品種のカシスはどうなのかは知りませんが、ともかく濃厚なカシスです。もちろん、そのままで果物として食べることなどできないし、ブルゴーニュ名物のカシスのシャーベットを作るにも、かなりレシピには苦労します。

石灰岩の水はけの良い土地に合うのでしょうね。私のカシスは、何にもしなくても毎年元気に実をつけます。

ただし、ノワール・ド・ブルゴーニュは生産性は低い品種なのだそうです。その年の天候によりますが、生産量は1ヘクタールあたり3トンで、これはBlackdown種のカシスに比べれば半分に過ぎないのだそう。

そのために、ブルゴーニュ地方でのカシス生産ではノワール・ド・ブルゴーニュ種のカシスの栽培が減少したので、地元の農業会議所なども運動を起こして、この品種の復活に努力したのだそうです。

今では、ブルゴーニュ地方で生産されているカシスの畑の中で、ノワール・ド・ブルゴーニュ種の栽培は75%を占め、この品種のフランス国内生産量の3分の2を占めているそうです。

今年の悪天候のお陰で、ブルゴーニュ地方ではブドウと同様にカシスの栽培も打撃を受けているというニュースが流れていました。


Cassis : après les gelées du printemps, la récolte 2016 s'annonce en baisse  07 juillet 2016

今年は少し遅れてカシスの収穫時期になったのだそう。

ここに登場しているのはカシス・ド・ブルゴーニュ種のカシスを50ヘクタールの農地で栽培している農家ですが、例年の70~75%少ない生産量になると話しています。いつもなら1ヘクタールあたり2トンのカシスを収穫できるのに、今年はたった500キロ。

ブルゴーニュ地方にはカシス畑が700ヘクタールあり、国内生産の2割を占めていると報道していました。


世界的に有名になると、何が本物か、誰がその知名度を利用できる権利があるかで問題がおきます。

シャンパン業界は、シャンパーニュ地方で生産した発泡性ワインでないと名前を使えないとしているのは、少しヒステリックではないかとも感じてしまうのですが、仕方ないでしょうね。

ディジョンでは、「ディジョンのマスタード」の問題もあって、これは過去に書いていました:
ディジョン・マスタードとは? 2013/07/30

ノルマンディー地方のチーズ「カマンベール」は完全に大手企業に飲まれてしまったというのを書きました:
★ シリーズ日記: カマンベールチーズは複雑!  2010/07/25

AOC/AOPカマンベール・ド・ノルマンディーを作っている大手メーカーの中で、スーパーでも簡単に買えるのでお気に入りにしていると書いていたメーカーが、つい最近、大手食品グループに買収されてしまったので追記を入れました:
カマンベールといえば、グランドルジュ(Graindorge) 2010/07/25


大企業が市場を独占していく時代、ブルゴーニュの名産カシスの戦争はどうなるのでしょうね?...


ところで私の庭にあるのはノワール・ド・ブルゴーニュ種のカシス。雹が降ることはなかったので、いつもの年と同じように実がなっています。

クレーム・ド・カシスを作ったらどうなるかと思ってレシピを探したので、次回にご紹介します。

クレーム・ド・カシスについて書いた今回の連続記事

 ★ 評判の良いクレーム・ド・カシスを買いに行く 2016/06/21
 ★ 食前酒キール誕生の歴史 2016/07/05
 ★ ディジョンのカシス vs ブルゴーニュのカシス 2016/07/09
 ★ 自家製のクレーム・ド・カシスを作るレシピ 2016/07/12





ブログ内リンク:
ブルゴーニュ白ワイン「アリゴテ」と食前酒キールの関係 2009/03/03
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など ⇒ キール、カシス
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
★ 目次: 今年のミレジムは? (ブルゴーニュ・ワイン)

外部リンク:
☆ INAO: Cassis de Bourgogne | Cassis de Dijon
☆ コート・ドール県農業会議所: IGP «Cassis de Bourgogne»  | IGP "Cassis de Dijon"
La crème de cassis de Bourgogne : IGP
Pourquoi une guerre du cassis en Bourgogne ? 22/11/2013
Côte d'Or  Cassis  la guerre continue 07/02/2015

☆ Wikipedia: Appellation d'origine contrôlée(AOC) = アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ
☆ Wikipedia: Appellation d'origine protégée(AOP) = 保護原産地呼称
☆ Wikipédia: Indication géographique protégée
☆ コトバンク: IGP(アイジーピー)
☆ Wikipédia: Institut national de l'origine et de la qualité(INAO)  = 原産地呼称委員会
☆ Wikipedia: Indication géographique(IG) =  地理的表示
☆ Wikipedia: Institut national de la propriété industrielle(INPI) = 産業財産庁
Carole Delga lance les Indications Géographiques «IG» pour les produits manufacturés et ressources naturelles 03/06/2015

Cassissier Noir de Bourgogne
☆ Chambre d'Agriculture de Côte d'Or: Cassis  | La filière cassis en Bourgogne
一般社団法人 日本カシス協会


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フランスのお酒 (ワインなど)


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2016/07/05
食前酒として飲むカクテルの中で、フランスで最も飲まれているのは、パスティスなどの名前で知られるアニス酒なのだそうです。.

それに続いて飲まれているのは、キール(Kir)とのこと。

パスティスはアニス酒に冷水を加えるだけ、キールはカシスのリキュールに白ワインを入れるだけでと簡単に作れる食前酒なので、飲む人は多いかも知れない。

キールはブルゴーニュ地方の食前酒なので地元では飲む機会が多いのですが、全国的にそんなに飲まれているのかな?... という気はします。

前々から気になっていて、ブログにもチラホラと書いていたキール酒について調べてみました。


カシスにこだわるディジョン市

カシスをアルコール飲料に浸して作ったリキュールを「クレーム・ド・カシス(crème de cassis)」と呼びます。これを作るために最も良い品種は「ノワール・ド・ブルゴーニュ(Noir de Bourgogne)」で、こちらにもブルゴーニュの文字が入っています。

カシス(クロスグリ)は、ブルーニュ地方の州都ともいえるディジョン市のシンボルの1つになっています。

食前酒 キール
カシスの実

ディジョンらしいデザート 2008/03/31
ディジョンの市電も
カシスの色を採用

ディジョンのトラムはカシス色 2012/09/07


カシスのリキュールを使う食前酒のキールは、ディジョンの市長を長年務めたキールさんの名前。ですから、カシスとディジョンは切っても切れない関係にあります。


La crème de cassis, délice de Bourgogne

ブドウの栽培に適しているブルゴーニュでは、カシスが育ちやすいのではないかと感じます。私の庭にあるノワール・ド・ブルゴーニュ種のカシスも、秋に膝の高さに切るという手入れだけで元気に育っていますので。


本物のキール酒とは?

フランスのどこでも、カフェで食前酒を飲もうと思ったときにキールを注文すれば出てくるのかもしれません。でも、「キール」と言って出されても、美味しいかどうかは、かなり差があります!

最悪なのは、クレーム・ド・カシスの代わりにカシスのシロップを使ったもの。リキュールはアルコール度が強いので、シロップを使うとアルコールに弱い方には好ましいのかもしれませんけど、安いシロップを使ってケチったと私は思ってしまう...。

パリのカフェでキールを注文したら、ピンク色で、キールとは呼べないと思うシロモノが出てきて飲まずにカフェを出たことがありました。それ以来、パリでキールを注文するのは止めました。

ブルゴーニュの食前酒とはいえ、こだわりがあって美味しいキールを出すカフェが見つかるのはディジョンだと思っています。なんでもない食前酒なのですが、2つの材料の選び方でかなり味が変わってしまうのです。


ブルゴーニュの白ワインはシャルドネ種のブドウで作るのが多いのですが、食前酒のキールを作るにはアリゴテ種を使うのが原則になっています。

クレーム・ド・カシス
アリゴテ
 (ブルゴーニュ白ワイン)
=キール


正式のキールは、クレーム・ド・カシスを3分の1、アリゴテを3分の2という調合になっています。「1対2」と言っても良いと思うのですけど、フランスでは「3分の...」という言い方をします。どうせ目分量でするわけですから、微妙な配合の違いはどうでも良いのだろうとも思う。

でも、最近はアルコール度が強いものをフランス人は飲まなくなってきているので、カシスの分量は5分の1というフランス人も多いようです。

使うワインはアリゴテと限定するのは、これはシャルドネ種の白ワインのようにまろやかではないので、甘口のリキュールとブレンドするのには適しているからです。でも、最近のワイン醸造者は、アリゴテが飲みやすいようなワインにしてしまってきているので、キールを作るのに適した超辛口のアリゴテを探すのには苦労するようになってしまいました。


食前酒キールとして名前を残したディジョン市長

Wikipediaの日本ページでは、食前酒のキールはディジョンの市長だったフェリックス・キールが考案したと書かれていましたが、それは間違い。この飲み物を広めた彼の名前が食前酒に使われたというだけです。

キールという食前酒の歴史についてメモしてますが、その前にキール氏を紹介しておきます。

お名前はFélix Kir(フェリックス・キール 1876~1968年)。ブルゴーニュ地方で教会の司祭から司教座聖堂参事会員(chanoine)にまでなった聖職者なので、地元ではChanoine Kir(シャノワンヌ・キール)と呼ばれています。

キール氏は1945年にディジョンの市長になり、それから再選を重ねて亡くなるまでの20年余りをディジョン市長を務めました。

オート・コート・ド・ニュイにあるドメーヌのサイトに、ドメーヌを訪れたキール氏の写真が入っています。ベンチには食前酒キールを作るために必要がボトル2本とグラスが見えますね。食前酒をつくるために必要なワインを買い付けに来たときの撮影のようです。


Le Domaine Bonnardot

市長とはいえ、soutane(スータン)という聖職者の服を着ていたキールさん。彼については、地元では数々の逸話が語り継がれています。

例えば、議会で共産党の議員から「あなたは神様と言いますが、私は一度も見たことはありません」と言われたキールさんの返事はふるっていました。

Et mon cul, tu l’as pas vu et pourtant il existe !
それで、俺のケツはどうだ。お前は見たことがない。それでも存在しているのだ!

友達とその話題が出たとき、私は言いました。
彼は聖職者だから、奥さんはよく見ていると言い返すわけにもいかないしね。

すると友人は、言いました。
僕だったら、「じゃあ、見せてください」と言い返したけどね。彼はスータンをまくって見せただろう。キールはそういうこともやってしまう人だったから。

独断でディジョンの町に人造湖(これもキール湖と呼ばれる)も作ってしまったような人。湖のオープンは1964年。まだ、都市住民に自然を与えようなどという機運はおきていなかった時代ですから、かなり先駆的な発想でした。もちろん、議会で「賛成の方は手をあげてください」と彼が採決をとろうとしたら、誰も手をあげない。彼は自分で挙手をして、「はい、じゃあ決まりました」と言って計画を進めたのだそう。

川をせき止めて人造湖を作ったのですが、その時に立ち退きになった家の娘だったという人に会ったことがあります。家に交渉に来ていて、ともかく臭くてたまらなかったのだけを覚えていると笑っていました。当時はドライクリーニングがなくてスータンはめったに洗濯できなかったのかな?...

彼は工業化するのは良くないとも考えた人なので、おかげでディジョンには大きな産業などは起きなくて、のどかな地方都市になっています。

キール氏が亡くなったのは1968年4月25日。つまり、フランス人の生き方を大きく変えた五月革命(Mai 68)の直前に亡くなっています。彼はこう社会運動なんかを見るに耐えられなかったからその前に死んだのだろう、とディジョン子たちは冗談を言います。

ともかく、ディジョンっ子にとっては、今でも忘れられない豪快な人だったようです。

コート・ドール県の県議会議員でもあり、国民議会の最長老議員でもあったキール氏。姉妹都市関係を結ぶのが好きで、ディジョンの姉妹都市は20くらいあります。

つまりキール氏は、県内はもとより、パリジャンにも、外国人にも、カシスと白ワインの食前酒を広める機会が多かったわけなのでした。



キール酒を広めたのがキール氏であることは、誰もが認めることです。

ところで、Kir(キール)という単語は、1960年ころから辞書に見られるようになり、プチ・ラルースに入ったのは1976年とのこと。

現在では、白ワインとカシスのカクテルがキールというのは拡大されて、色々なバリエーションができています。

フランスの記事には、日本でも人気があるのだと書いてありました。柑橘類のジュース、冷茶、炭酸水とのカクテルがあり、ミルクとのブレンドもあると書いてありました。炭酸水は想像がつきますが、ミルクとカシスのカクテルなんて存在するの?...


クレーム・ド・カシスの誕生

食前酒のキールに必要なのはクレーム・ド・カシス(crème de cassis)。

このの前身とも言えるカシスのラタフィアは、アンシャンレジームには飲まれていたのに、18世紀に禁止されたという記述がありました。ルイ15世は1746年に狩猟のときに立ち寄ったオーベルジュで気に入っていた、という記述があるそうですが、その後になぜ宮廷で禁止されたたのかは分からない...。

ともかく、ブルゴーニュでは、ボーヌ周辺のブドウ畑の外れにカシスが植えられていたようです。

1841年、ディジョン市のリキュールを作っているAuguste-Denis LAGOUTEが、カシスをアルコールの中に漬けたリキュールを考案しました。アルコール度は15度で、1リットルあたり400グラムの糖分が入っているものだったようです。

現在の社名はLejay-Lagouteとなっています。



それが大成功したために同じものを作る会社が増え、1860年にはコート・ドール県内の29社がカシスでリキュールを作っていたそうです。

県内でのカシス(クロスグリ)の生産も奨励される。当初、カシスはブドウ畑の中や、ブドウ畑の縁に植えられます。1868年からはフィロキセラ禍がブドウ畑に壊滅的被害を与えたので、ブドウは引き抜かれ、代わりにカシスの木が植えられた畑も多かったとのこと。




なお、「クレーム・ド・カシス(crème de cassis)」とは、カシスのクレームなわけですが、クレーム(crème)という言葉はクリームの意味でも使われるのでややっこしい、

シロップ状のリキュールを「クレーム」と呼ぶのだそうで、この意味でクレームという単語が文献に初めて現れたのは1760年となっていました。


食前酒キールの誕生

キール市長にちなんで「キール」という名前が付けられる以前は、白ワインとカシスという感じで「blanc cassis(ブラン・カシス)」、あるいは縮めて「blanc-cass(ブラン・カス)」と呼ばれてました。

「rince-cochon」という呼び名もあった、と書いてありました。直訳で「豚洗い」にはならないスラングですね。口の中をサッパリとさせる飲むもののことを指すそうです。

でも、ディジョン出身でキール大好きの友達に聞いたら、「ランス・コション」なんて呼び名は絶対にしないと返事されました。キールが定着する前に、安いお酒で作っていた時代の言葉なのかもしれません。

白ワインにアリゴテを使わないカクテルは、地元の人は「ブラン・カシス」と呼んで、キールとは区別します。


クレーム・ド・カシスに白ワインを入れたカクテルを誰が考え出したのかには色々な説がありますが、有力とされている説は、ディジョンのカフェでお給仕をしていた人が1904年に始めたというもの。

そのお給仕の人とは、誰か? ボシュエ通りのカフェで働いていたFraivreという名の男性のギャルソンが考えだしたという説、あるいはモンシャペ通りのカフェで働く女性が間違えて作ったという説がありました。

下は、ディジョンのモンシャペ通りにあるカフェで、ここで誕生したというお話しの方。

http://s-www.bienpublic.com/images/CF763E3F-8150-4B9B-8D25-A8FC0303F315/COM_01/photo-1395675383.jpg
Dijon : le blanc cassis ou l’histoire de la serveuse maladroite

ギャルソンが間違えてやってしまった。食前酒は白ワインのストレートか、クレーム・ド・カシスのストレートの注文だったのに、カシスが入っているのに忙しくて気が付かなくて、白ワインを加えてしまった。そうしたら、お客さんに気に入られたというストーリー。間違いから生まれたレシピというのは、フランス料理でよくありますね。

間違いをしてしまったのは、カフェの近くに住む政治家Henri Barabantが、カフェ一緒にいる人達にお酒をおごったときのこと。1904~08年にディジョンの市長でもあった政治家で、彼はレセプションでシャンパンを出すのを節約するために、その代わりとして白ワインとクレーム・ド・カシスのカクテルを出し、それがディジョン市役所の伝統として残ったというストーリー。

キール氏(ディジョン市長在任: 1945~68年)は、この伝統を続けたに過ぎない? もしかしたら、Barabant(ブラバン)と呼ばれていた食前酒になっていたのかもしれなかった?...


キール戦争?

1952年、キール市長はクレーム・ド・カシスを誕生させたリキュールメーカーのLejay-Lagoute社のRoger Damidot氏に、「キール」という名で商品化する権利を与えました。

その4カ月後、同社は「Kir(キール)」と、白ワインの代わりにスパークリングワインのクレマン・ド・ブルゴニュをつかう「Kir royal(キール・ロワイヤル)」を地元ディジョンで商標登録します。

当時は商標とか独占権などというのには神経質ではなかったはず。キール市長が許可を与えたというのも、「キールという名前を使って良いよ」という軽い気持ちでした承諾だったのではないでしょうか。

1955年には、キール市長はHéritier-Guyot社に対して、キールという名前を使う独占権を与えたつもりはないのだから、自分の名前を使っても良いのだ、と言う手紙を出しています。


Héritier-Guyot社は「Kir premier」、「Super kir」、「Hyper kir」と名づけた商品を作ったので、キールの商標登録をしていたLejay-Lagoute社から告訴を受けます。1980年から12年間も、この2つの会社で裁判が続いたのでした。

ついに1992年、「キール」はLejay-Lagouteが所有権を持つ名称だとする判決が下りました。

それまでに告訴は19回あり、裁判費用は800万フラン(2億円くらい?)かかったということ。そこまでしてカシスの名にこだわりますか...。

つまり、今日ではKir® が存在しているわけです。

でも、その名前で商品を販売する権利が制限されているということ。作ったカクテルをキールと呼ぶことには拘束はありません。

でも、この話しを初めて聞いたとき、日本には「キール」という名前のお酒を売っているけどな... と思ったのでした。探してみたら、当時のコマーシャルフィルムが出てきました。


Suntory Kir Royal CM

今は販売されてはいないのではないかと思います。

最近ですが、『À qui profite le Kir® ?(キール®は誰に利益をもたらすか)』と題した探偵小説を出した作家がありました。

本が店頭に並ぶとすぐ、Kir®の権利を持つLejay-Lagoute社から出版した本を回収せよという通知が出版社に来たのだそう。

調べてみたら、この本は販売されているのですが、®は削除されていますね。


クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン

ディジョン控訴院は1923年に「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン(crème de cassis de Dijon) 」という原産地名を特定しましたが、欧州連合がその製造法を規定したのはずっと後で、1989年。

クレーム・ド・カシスは小規模生産のものが私は好きなのですが、大量生産しているメーカーの中で地元の人たちに定評があるのは下のガブリエル ブティエの商品です。



ディジョンの町の土産物店ではよく売っているのですが、日本ではほとんど見かけませんね。
クレーム・ド・カシスを楽天市場で検索

このリキュールには「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」と名前が付いています。この名称に私は馴染みがあるのですが、前回の日記「評判の良いクレーム・ド・カシスを買いに行く」に書いたドメーヌで買ったリキュールのボトルには「クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ」と書いてありました。

ディジョンのと、ブルゴーニュとので、どう違うの?...

それを調べてみたので次に書きますが、キールの名前で戦いああったように、クレーム・ド・カシスにもカシス戦争のようなものがあったのでした!

続き:
ディジョンのカシス vs ブルゴーニュのカシス

クレーム・ド・カシスについて書いた今回の連続記事

 ★ 評判の良いクレーム・ド・カシスを買いに行く 2016/06/21
 ★ 食前酒キール誕生の歴史 2016/07/05
 ★ ディジョンのカシス vs ブルゴーニュのカシス 2016/07/09
 ★ 自家製のクレーム・ド・カシスを作るレシピ 2016/07/12




Le chanoine Kir - Visites privées




ブログ内リンク:
ブルゴーニュ白ワイン「アリゴテ」と食前酒キールの関係 2009/03/03
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
☆ Wikipedia: クレーム・ド・カシス = Crème de cassis
Dijon : le blanc cassis ou l’histoire de la serveuse maladroite
Garçon! Un Kir! Sa véritable histoire
Bourgogne : crême de cassis, kir, spécialités
Quelle est la véritable histoire du kir ?
Dijon et ses maires inoubliables : Kir, l’élu culte !
Lejay Lagoute - Créateur de la Crème de Cassis en 1841
Gabriel Boudier, since 1874  /  ガブリエルブディエ
☆ Cassissium: L'épopée de la Crème de Cassis
☆ Cassissium: Utilisation de la crème de cassis
Petite histoire de la crème de cassis de Dijon
☆ Dijon en 1900: La Crème de Cassis de Dijon
Quand une marque interdit la sortie d’un roman
☆ YouTube: EPICERIE FINE - LE CASSIS DE BOURGOGNE


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フランスのお酒 (ワインなど)



2016/06/21
少し前のコメントで、ブルゴーニュのメーカーが作っているジャムやリキュールが日本で高い評価を受けていると教えていただきました。フランス情報を調べてみると、コンクールで優勝していたりして、地元コート・ドール県でも評判の農家らしいのでした。

それで、いつか行ってみたいと思っていたのですが、機会が訪れました。

ブルゴーニュの食前酒キールを作るために必ずストックしておかなければならないリキュール「クレーム・ド・カシス(Crème de cassis)」がなくなったので買う必要があったのです。このドメーヌでは色々なリキュールやジャムを作っているのですが、特にクレーム・ド・カシスの評判が良いらしいのでした。


ブルゴーニュ白ワイン「アリゴテ」と食前酒キールの関係 2009/03/03


アルスナン村に行ってみる

ブルゴーニュ地方のワイン産地、ボーヌ市とディジョン市の中間にニュイ・サン・ジョルジュ市(Nuits-Saint-Georges)があり、そこから低い山の中に入ったところは「オート・コート・ド・ニュイ(Hautes Côtes de Nuits)」と呼ばれるワイン産地になります。

下はコート・ド・ニュイと呼ばれるワイン産地の地図で、青緑色になっている地域がオート・コート・ド・ニュイです。

Vignobles cotes de nuits


このあたりでは高級ワインができないのですが、土壌はブドウ栽培に向いているからなのか、fruit rougeと呼ばれる果実の名産地となっています。

行くことにしたリキュール醸造農家は、上に入れた地図にも入っているアルスナン村(Arcenant)にあります。村の場所は、Googleマップでこちら

景色の写真を撮らなかったので、Wikipediaに入っていたアルスナン村の写真を入れます。

Village d'Arcenant
Village d'Arcenant

実は、このあたりに行くついでがあったのは、フランスでは商店が閉まっている日曜日。この農家も閉まっているかもしれないけれど行ってみようということになったのです。農家は家族の人数が多いのが普通なので、誰かしらいたら開けてくれるはずですので。


ジャン・バティスト・ジョアネJean Baptiste Joannet

日本では、「ジョアネさん」とか「ジョアネ家」いう名前で紹介されていました。アルスナン村に行ってみると、道路を挟んで2軒のジョアネさんの家がある! 両方ともリキュールを作っているという看板が出ているのですから紛らわしい。

でも、そこに行くまでにナビゲーターで場所を確認するために会社の名前を入れていたので、どちらかはほぼ確実に分かりました。ジャン・バティストというファーストネームがついたジョアネさんのはずなのです。



なんだか普通のお家の佇まい。小規模生産をしていて、美味しいのを作っているのではないかという予感がしました。

年配の女性が出てきて、家の中にある販売所に案内してくださいました。写真を撮られるのは苦手とおっしゃったけど、記念撮影してしまいました。



若夫婦が仕事をしていて、お婆ちゃんは販売のお手伝いというところなのだろうと思いました。とても気さくで感じの良いマダム。口にするものを作っている農家では、人柄が良いと美味しいという鉄則があるのではないかと思っているのです。

いちおう日本に輸出しているのか確かめました。とても感じの良い日本の業者さんが来るのだと話すので、向かいにあった農家の方ではないのだと確認。

ジャムの評判が良いと聞いたと言うと、日本に輸出しているのは「これ」と言って小さな瓶のを見せる。そして、私たちフランス人が買うのは「こっち」と言って大きな瓶のを笑って見せる。

私のお目当てはリキュール。色々な種類がありました。カシス、フランボワーズ、ペッシュ・ド・ヴィーニュ(ブドウ畑の桃)、サクランボ、イチゴ、スロープラム。それから、ラタフィア、ギニョレもある。

カシスは最後に味わうことにして、軽い味のリキュールから試飲させてもらったのですが、びっくりするほど美味しいので驚きました。使っているフルーツの風味と特徴がみごとに出ているのです。

普段は飲まないサクランボがものすごく美味しい。今年のパリ農業コンクールで金賞を取っていたのですが、その価値はあると思いました。

無造作に置かれていた賞状 ↓



農産物のコンクールでは、このパリ農業コンクールで受賞したというのが最も信頼できる目印の1つだと思っています。もっとも、コンクールに出すにはサンプル品をたくさん提供する必要があるので、コンクールで受賞したなどと宣伝しなくても売れるワイン農家は参加しないと言っていましたから、受賞マークだけが全てを決めているわけではありません。

私が好きなペッシュ・ド・ヴィーニュのリキュールは販売量が少ないので、収穫シーズンから日が立たないうちでないと買えないのだそうで。この日は試飲できませんでした。

置いてあるものは全て試飲させてもらいました。カシス以外にも何本か買おうと思いながら、いよいよカシスの試飲。


ノワール・ド・ブルゴーニュの味だ!

カシスは、アルコール度が16度と20度の2種類ありました。本物のキール酒を作るにはアルコール度が高いものを使います。

ここのカシスはすごい! 地元の新聞でベタ褒めにしていたのですが、なるほどと思いました。今まで色々飲んできたクレーム・ド・カシスとは全然違って、カシス(クロスグリ)本来の味が出ているのです。

カシスの品種を確かめてみると、やはりノワール・ド・ブルゴーニュ(Noir de Bourgogne)だけを使っているとの返事。これが本物のクレーム・ド・カシスにする品種なのです。

私の庭に植えているのも、この品種 ↓

 

フランスのスーパーなどでは、非常に安いクレーム・ド・カシスも売られています。でも、カシスというのは曲者で、まずいリキュールは本当にまずくて、キール酒もまずくなるのです。パリのカフェでキールなどを注文したら、「なんだ、これ?」というシロモノで、飲まないで店を出たこともありました。

キールの本場であるブルゴーニュのカフェでも、キールの美味しさには差があります。やはり、キールの本場のディジョン市では、美味しいのを出すカフェやレストランを見つることができる確率は高いですけれど。

ジョアネさんクレーム・ド・カシスを味わったら、他のメーカーのでは物足りなくなるでしょうね...。カシスが苦手な人にはきつすぎるかもしれないけれど。

日本のパティシエさんが、ここのクレーム・ド・カシスから創作意欲がわいてチョコレートを作ったという記事がありましたが、それは問題なく誰にでも気に入られるだろうな、と思いました:
☆ ARDEUR パティシエの独り言: キャレマン カシス

「キャレマン」とは何なのか気になりました。キャレマン・ショコラというのがあって、それはCarrément chocolat。キャレマンとはフランス語でcarrément(完全に、確実に)で、「カシスそのもの」みたいな感じなのかな?...


リキュールのボトルは、伝統的に1リットル入りだった?

実は、近くまで行く機会がなければアルスナン村には行かないと思っていました。インターネットで検索したとき、お値段が少し高いと思ったからです。

ところが私の勘違いだった。このジョアネさんのリキュールのボトルは1リットル入りなのでした。

普通に売っているクレーム・ド・カシスはもっと小さなボトルです。それまでお気に入りにしていたもので確かめてみたら、700ml入りでした。つまり、3割少ない。それでお値段はほぼ同じで20ユーロ(今のレートで2,400円)なのですから、3割安いということになるのでした。

安くて美味しいのなら大満足。

ボトルが大きいと言ったら、マダムは「昔からリキュールは1リットル入りと決まっています」とおっしゃっていました。

ざっと調べてみたら、クレーム・ド・カシスのボトルは全部700ml 入りみたい:
クレーム・ド・カシスを楽天市場で検索

工場で大量生産するメーカーでは、昔は1リットルだったのを小さいボトルにして、値段は同じにするという販売方法をしたのかな?..

それに、ジョアネさんのクレーム・ド・カシスは濃厚なので、普通のより少なめにして飲みやすいキール酒ができます。つまり、かなり節約になる♪ 地元の通の人は、キール酒をつくるには、カシス1に対して、アリゴテの白ワイン2という割合だと言うのですが、ジョアネさんのでその比率にしたらカシスの風味が強すぎる。

カシス1に対して、アリゴテ5でも良いくらいではないかな。とすると、かなり経済的ではないですか?♪ 700mlのボトルなどだと、すぐに無くなってしまうのです。

ジャムは小瓶を輸出していると言っていらっしゃいましたが、リキュールの方は1リットル入りが日本に入っているようです ↓

*カシス・リキュール(1000ml)
価格:4685円(税込、送料別)

*フランボワーズ・リキュール(1000ml)
価格:4685円(税込、送料別)

*フレーズ・リキュール(1000ml)
価格:4843円(税込、送料別)




なんでも見学しちゃう

朝食を食べないのでジャムは必要ないから買わないつもりだったのですが、はやりフルーツの風味が素晴らしいので少し買ってしまいました。

お勘定をするのは別の部屋で、書斎のようなところでした。そこに化石が並んでいるので眺めました。



このあたりは、大昔は海の底だったので、畑を掘るとアンモナイトがたくさん出てくるのだそう。

マダムが小学校時代には美しい文字を書くように習ったのだと言って、時間をかけて勘定書を作成していました。その間も、おしゃべりが止まらない。

途中でお客さんが来たので、奥の商品が並んでいる部屋に行くように誘導して、それが2組もあったのに、そっちのけでおしゃべり。来た人たちは常連さんで、勝手に試飲していたのかな?...


買ったものを段ボールに入れて外に運び出すと、今が盛りのシャクヤクが見えました。花が開くと地面に倒れかけてしまうのですけど、ここではしっかりと木の杭で支えていました。



このくらい支えると、まっすぐ伸びた株になるわけですけど、私はなんとなく抵抗があるけどな...。切り花にして売るわけではないのだから、ここまでしなくても...。

でも、お花は元気そう。今年は雨が多いので、私の地面に倒れているシャクヤクは花が満開になる前に腐ってしまっています。まっすぐ立てておくと花に雨水がたまらないくて良いのかなと思ったので、忘れないように写真をとっておきました。

庭の向こうには醸造所があったのですが、日曜日だし、静まり返っていました。いつかリキュールを作っている時期に来て見学したいな。香りがただよって面白いのではないかと思う。

食品見本市には出店していないように感じましたが、ドメーヌの訪問は歓迎しているようです。


ドメーヌの歴史

応対してくださったマダムとは、色々なおしゃべりを楽しんでしまって、肝心のお仕事の様子について聞くのを忘れてしまいました。

それで、新聞記事に書いてあったことをメモしておきます。

1976年の旱魃(かんばつ)でアルスナン村の赤いベリーの生産量はガタ落ち、おまけに近隣諸国から安い果実が入ったために価格が暴落。このあたりの果実栽培農家は減ったようです。

ジャン・バティスト・ジョアネさんは、1978年、生産している果実をリキュールにして付加価値を付けることにしました。娘さんが2001年から経営に携わるようになり、さらに彼女の娘も経営に加わる。


Liqueurs Jean-Baptiste Joannet à Arcenant : Du champ au pressoir, un concentré d’authenticité

これが後継ぎになった娘さんですが、応対してくれたマダムにそっくり...。

ドメーヌが所有している畑は6ヘクタール。アルスナン村とその周辺に分散しているのは、雹が降ったときには被害を1カ所に集中されないためなのだそう。

パリ農業コンクールへの参加は2013年から。毎年何かしらのリキュールで受賞しているとのこと。


お向かいさんのリキュールはどうなのかな?...

Googleマップで調べてみたら、道路の向かい側にあったお家はGilles Joannet(ジル・ジョアネ)でした。こちらはジャムは作っていなくて、リキュールだけを製造している農家でした。

苗字が同じなので親戚同士だろうと思います。マダムに聞いてみたいとは思ったのですが、気が引けたので遠慮しました。ワイン農家でもそうなのですが、兄弟同士で仲たがいしていたりするケースがあるからです。

調べてみたら、ジルさんがリキュールづくりを始めたのは1984年。ここのクレーム・ド・カシスはパリ農業コンクールで金賞を何度もとっているのでした。2015年のコンクールでは、、このジルさんのが金賞で、ジャン・バティストさんの方は銀賞。このあたりは果実栽培では高品質だという定評があるのですから、両方とも優れたリキュールを作っているとしても不思議はありません。

いつかジルさんの家にも行って美味しいかどうか確かめたいと思いました。でも、問題なのですよね。試飲してみて、やはりジャン・バティストさんの方が好きだなと思った場合、道路を渡っただけでお向かいさんの家に行ったら嫌味になってしまうではないですか。

ジルさんのドメーヌのサイトでは、あちこちの食品見本市に出店しているようでした。私が何度も行ったことがある見本市でも常連さんのようす。クレーム・ド・カシスは必需品なので、私は試飲しているはずなのです。それでお気に入りにしていなかったということは、それほどは気に入らなかったのかもしれない。そこまで買いに行くのが面倒だからだったかも知れないけれど。

フランスのネットショップで売っている価格で比較してみると、ジルさんのカシスの方が2割くらい高い。やはり、マダムが気に入ったからジャン・バティストさんのにするか...。



ジャン・バティスト・ジョアネさんのクレーム・ド・カシスを買ったので、さっそくキール酒にしたとき、気がついたことがありました。

ラベルには「クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ」と書いてあったのです。

お向かいのジルさんのリキュールも同じ表記になっていました。「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」という呼び名はよく知っているのですが、ブルゴーニュと付いているのはなぜなのか? それを調べたので、ブルゴーニュにあるカシス戦争について続きで書きます。

続き:
食前酒キール誕生の歴史


メモ:
ジョアネさんのことを教えていただいたコメントは、3カ月前に入ったもので、
こちらでした。どうもありがとうございます♪

クレーム・ド・カシスについて書いた今回の連続記事

 ★ 評判の良いクレーム・ド・カシスを買いに行く 2016/06/21
 ★ 食前酒キール誕生の歴史 2016/07/05
 ★ ディジョンのカシス vs ブルゴーニュのカシス 2016/07/09
 ★ 自家製のクレーム・ド・カシスを作るレシピ 2016/07/12





ブログ内リンク:
ブルゴーニュ白ワイン「アリゴテ」と食前酒キールの関係 2009/03/03
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など ⇒ キール、カシス
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
Crème de cassis de Bourgogne Jean Baptiste Joannet
Liquoriste d'Arcenant : un savoir-faire intergénérationnel
Liqueurs Jean-Baptiste Joannet à Arcenant Du champ au pressoir, un concentré d’authenticité
神様が力を与えて作らせた ルゴルさんのオ・ドゥ・ヴィとジョアネさんのリキュール
食べる人を「瞬殺」する旨さ ブルゴーニュ地方ジョアネさんのジャム

☆ Wikipedia: クレーム・ド・カシス = Crème de cassis
Gilles Joannet, artisan liquoriste à Arcenant
Les liqueurs de Gilles Joannet
Vin Arcenant


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