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2017/07/22
ブルゴーニュには有名な郷土料理が幾つもあるのですが、自分で作ろうと思ったことは全くありませんでした。

例えば、ブッフ・ブルギニョン(Bœuf bourguignon)という牛肉の赤ワイン煮込み。「ブルギニョン」というのが「ブルゴーニュ風」という意味です。

この料理は作る友人が多くて、それぞれが自分のレシピは最高だという自負を持っています。それで、彼らの聖域を侵さないために、ブルゴーニュの郷土料理は絶対に作らないことにしていたのです。

ブルゴーニュのB&B民宿に泊まったとき、夕食にブッフ・ブルギニョンが出されたことがありました。なんだ、これ?! と思ってしまうシロモノ。経営者は他に地方からブルゴーニュに移住して来た夫婦なのでした。レシピを知らなかったのか? 残り物を出してきたから肉がなかったのか?... ともかく、この料理は牛肉の煮込みのはずなのに、ほとんどスープという状態なのでした。

南仏料理のラタトゥイユというのは日本でも人気があるらしくて、何回か日本で食べたことがあるのですが、本場の「おいしい♪」と思う作り方にはほど遠いと思いました。何でもなさそうに思える料理なのですが、これは美味しいとうならせるには、コツがあるのですよね...。

そういう経験があるので、よそ者が知らない土地の郷土料理を作るのは邪道なのだ、と私は結論していたのです。

でも、1つだけ、例外として、作ってみたいと長年思っていたブルゴーニュの郷土料理がありました。


シュー皮で作るチーズ風味のグージェール

作ってみたいと思っていたブルゴーニュのスペシャリティは、食前酒のときに出される「グージェールgougère)」というおつまみです。

頻繁に付き合っている友人仲間では、グージェールを作る人がいないし、ブルゴーニュにある店で買っても美味しいとうならせるレベルのものは少ないからです。

1度くらい作る実験しても良いのではないかと思い立って、グージェールを作ってみることにしました。

きっかけは単純。直売農家で買っている美味しい卵が余っていて、賞味期限が過ぎないうちに使わないともったいない、と思ったからです。高級食材を使うわけではないので、失敗したら、捨ててしまって、2度と作らないことにすれば良いわけですから!

グージェールgougère)」は、見た目はシュークリームのようなものですが、チーズが入っていて、全く甘くはありません。これとよく合うお酒は白ワイン、シャンパン、クレマン。

レストランやレセプションで出されることもありますが、パン屋さんやケーキ屋さんでも売っています。でも、よく食べるせいなので、美味しいのと不味いのとの差を感じています。

シャブリのカフェで食べたグジェールについて書いた過去の記事 ↓


★ もうシャブリのブドウ畑には霜はおりない?
2013/06/02


グージェールはいつ誕生した?

グージェールは2口くらいで食べられるくらいの大きさなのが普通ですが、大型サイズも売っています。



クロンヌ(冠)と呼ぶ、大きな輪の形のもあり(こういう形に作ります)、それが昔には一般的なブルゴーニュのグージェールだった、という記述もありました。お上品に小さいサイズで作るよりは、大きく作ってしまった方が楽ですから、昔はそれが一般的だったかもしれないとも思います。

グージェールが何時どこで誕生したのかははっきりとはしていないようです。

ブルゴーニュであることは確か。その地方の中でも北で、パリ寄りにあるヨンヌ県で生まれたというのが有力なようです。白ワインのシャブリの産地ですので、グージェールとはよく合うはず。県内にあるFlogny-la-Chapelle村では、ここでグージェールが生まれたのだとして、毎年グージェール祭りを開催していました。

登場したのは19世紀始めと言われます。1571年の文献には「グージェール」という文字が記載されているのですが、これはデザートとして食べるものだったのだそう。としたら、シュークリームではないですか?

20世紀に入ってから、小さな形のグージェールが人気を呼んでフランス全土に広まったようです。

でも、このおつまみが最も普及しているのは、シャブリの産地、コート・ドール県のワイン産地、それからシャンパンの産地のように感じています。ブルゴーニュ南部出身の友人は、子どもの頃にグージェールは見かけていなかったと言っていました。


グージェールのおいしさを決めるのは、
  パリっと焼きあがっていて、上質のチーズを使っていること


表面がカリっと焼けているのが美味しいのですが、味は使っているチーズによっても決まると感じています。

店で売っているのは、原価を安くするために、グリュイエールやエメンタールなどのハードタイプのチーズが多いと感じます。でも、美味しいのはコンテチーズで作ったグージェールです。

チーズの味が薄いのもある。それで、買ってきて家で食べるときには、コンテチーズを小さく切ったものを差し込んでオーブンで軽く焼いてから食べています。

このグージェールというおつまみは、焼きたてのように暖かい方がずっと美味しいので、どっちみちオーブンで焼き直すのは必須なのです。それに、フランスで買うチーズは日本で買うようには高くはないので、コンテはグラタン料理用にいつもストックしています。

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グージェールは食べる機会が多いだけに、私は拘りを持っています。美味しいのを作って売っている店は何軒かマークしているのですが、簡単に買いに行ける場所にはない。近所で売っているのは気に入らないので、買う気にもなりません。

それで、自分でグージェールを作ってみたらどうだろうか、と以前から思っていたのです。でも、pâte à chouxと呼ぶシュー皮をうまく膨らませるのは難しいらしい...。

作ってみようと思う気をそがれたのは、家にある昔のパン焼き窯に火を入れて料理をするパーティを開いたとき。招待客の1人がグージェールを下ごしらえして持ってきてくれたのですが、全く膨らまなくて、見るも無残な出来ばえだったのでした。


グージェールを作ってみた

インターネットで、フランスのサイトが紹介しているグジェールのレシピを探してみたら、たくさん出てきました。ブルゴーニュ地方のスペシャリティなのですが、フランスで全国的に知られているらしい。

チョイスがあると迷う。面倒くさいので、ブルゴーニュのコート・ドール県でワインを醸造しているドメーヌのサイトが紹介しているレシピを選ぶことにしました。たぶん、お婆さん時代から家に伝わっているレシピなのだろうと思ったので信頼する気になったのです。

印刷したレシピを見せて、「これで作ろうと思うのだけど」とフランス人に聞いてみたら、「なに、これ? グージェール・ブルジニョンヌ?!...」と反応されてしまったのでした。

何を言われたのか、私は分からなかった! サイトにあった印刷画面では「ブルゴーニュ風」というのを「bourgignonne(ブルニョンヌ)」と書いてあって、正しくは「bourguignonne(ブルニョンヌ)」と綴るべきだったのでした。

「u」が抜けていたなんて、どうだって良いではないですか? フランス人が正しいフランス語を書けないのを嬉しく思ってしまうのです。私はたくさんスペルミスをしでかすので!

ともかく、レシピ自体は悪くなさそうだと言われたので、それで作ってみました。

嘘みたいに簡単に作れてしまうのでした! 膨らし粉を入れるわけでもないのに、オーブンに入れたら見事に(!)膨らんでくれました。



これは、まだオーブンの中で焼いていた状態。まだ焼き色が薄すぎます。

試食させた友人たちから、こんなに美味しいグージェールは初めて食べたとまで絶賛されたので、私の料理のレパートリーにいれようと思いました。材料は常に家にあるものしか必要ではないし、生地も短時間で作れてしまうので便利。


採用したグージェールのレシピ

もっと美味しくすることを研究する余地はあるでしょうが、地元ブルゴーニュのサイトにあったレシピをメモしておきます。材料の分量が多少異なった2つのレシピを紹介しますが、私が今回に使ったものは最初に出している分量の方です。

Gougères Bourguignonnes
ブルゴーニュ風グージェール
(25個分)

材料:
  • 水: 25 cl(250 ml) ないし 15 cl(150 ml)
  • 小麦粉: 125 g ないし 150 g
  • 卵: 4個
  • バター: 100 g
  • チーズ: 125 g  ないし 120 g(コンテ ないし グリュイエール)
  • 塩: 1つまみ
  • 胡椒: 1つまみ
  • ナツメグ: 1つまみ(入れなくても良い)

作り方:
  1. 鍋に、水、バター(さいの目に切ったもの)、塩、コショウ、ナツメグを入れ、沸騰させる。
  2. 鍋を火から外し、小麦粉を一気に入れ、木のヘラで強くかき混ぜる。
  3. 鍋を火にかけ、1分か2分加熱して水分を飛ばし、生地が鍋にへばりつかないまでにする。
  4. 鍋を火から外し、かき混ぜながら卵を1個ずつ加える。
  5. 小さく四角に切ったチーズを生地に加える。
  6. サラダオイルを塗った鉄板に、スプーンで生地をのせる。光沢を出すために溶き卵を生地の表面に塗ると良いが、しなくてもOK。
  7. オーブンに入れ、200~210度で、20分から25分焼く。
  8. 焼きあがったら、オーブンのドアをほんの少し開けておいて冷ます。それをしないと、シュー皮がしぼんでしまう。


作ってみた感想

生地を作るのに必要な時間は20分くらい。木ヘラでかき混ぜるので、かなり力がいります。卵を入れる過程ではボールに移して泡立て器でかき混ぜてしまいましたが、結果には影響なかったようです。

きれいな形にするためには、絞り袋を使うと良いのかもしれませんが、生地がふんわりしなくなってしまうのが心配なので、ティースプーン2個で形を整えました。

最後に上に卵黄を刷毛で塗った方が、仕上がりはきれいな色になると思います。今回はやらなかったのですが、食べてみた感じからいって、細工はしない方が良いと思いました。使ったチーズも卵もバターも質の良いものだったので、風味としてはそれで充分だったからです。

レシピではチーズの分量が多すぎるのではないかと思って、少し量を減らしたコンテチーズにしたのですが、やはりたくさん入れた方が美味しいです。

オーブンで1回では焼ききれない量の生地ができたので、2回目ではチーズを少し加えました。生地の中にコンテを加え、さらに、表面にもチーズをのせて焦がした方が良いのではないかと思ったので、薄くスライスしたチーズを上にのせてみました。

それが、下の写真で左側に見えるもの(オーブンに入れて焼く前の状態)。右側のは1回目で焼いたものです。




レシピは色々ある

インターネットでレシピを探していたら、日本のサイトにもグジェールのレシピが入っていました。日本のワイン好きの人たちには知られているのかもしれない。

でも、日本情報のレシピで不思議に思ったのは、強力小麦粉を使うものがあったことでした。グージェールは軽く食べられることが魅力なので、強力小麦粉を使うというのは私には違和感がありすぎるのですけど...。ざっとフランスのレシピを閲覧した限りでは、強力小麦粉を使うというのは出てきませんした。


ブルゴーニュに住んでいるという女性がグージェールを作っている動画があったので入れておきます。最後には自分で試食しているので、どんな感じか見えますので。


[Recette apéritifs] les Gougères bourguignonnes

ブログ内リンク:
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム)に関して書いた日記
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
グジェール!ワインに最適、生粋のブルゴーニュなお隣さんレシピ
黒こしょうとコンテのグジェールレシピ
グジェールの作り方とレシピ
☆ Flogny-la-Chapelle: La Gougère
☆ Domaine Jean-Noël Gagnard: Gougères Bourguignonnes
☆ Marie Claire: Gougère
☆ Femme Actuelle: Gougère bourguignonne
☆ Cuisine Campagne: Gougère bourguignonne
☆ Marmiton: Recette de Gougères au fromage
☆ Papilles et Pupilles: Gougères au fromage
☆ Journal des femmes: Recette de Gougères
Mystère autour du lieu de naissance de la gougère, spécialité culinaire icaunaise


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2016/01/03

シリーズ記事目次 【フランスのワイン産地】 目次へ
その6


もう10年近く前になりますが、リヨンという町に数日滞在することになったときには張り切りました。ブルゴーニュ地方から南仏に行くときにはリヨンを通るのですが、ちゃんと町を観光するのはその時が初めてだったように思います。

なぜ張り切ったかと言うと、リヨンが美食の町だと聞いていたからです。

そういう町らしい料理を食べたいと言っら連れていってもらったレストランで出てきた料理を見て、ギャフンとしました。


ブションと呼ばれるレストラン



こういう料理を「美食」と言うとは思っていなかったのです! 美味しかったし、庶民的なレストランは和気あいあいとした雰囲気で楽しかったのですけど...。

その後にも、やっぱり同じ感じの料理を食べました。これでは高速道路のカフェテリアとか、大学の学食で出てくるような料理ではないですか?... つまり、お腹をいっぱいにするために食べる料理だと私は思うのです。いくら味が良くても、ガストロノミーと呼ぶ気にはならない。

ブルゴーニュも昔は胃の負担が大きい料理だったのですが、この頃にはずいぶん見た目がおいしそうで、消化も良い料理になってきていたので、美食の町と言われるところでまだ伝統的なフランス料理が出るのは腑に落ちない。

リヨンは美食の町と言われるくらいなのだから、もっと洗練された、いわゆる、「わぁ~、フランス料理♪」と叫ぶようなのかないの?... そう言ったら、こういうのがリヨンの郷土料理で、そういう料理を出すレストランを「bouchon(ブション)」と呼んで、それがリヨンならではの食事なのだと言われました。

前回の日記で、リヨンの町はボージョレーで潤されていると書いたのですが(「リヨンには3つの川が流れている」と言ったのは誰?)、ボージョレーはガストロノミーというときには持ち出さないワインなので、リヨンに行って食べたものを思い出してしまったのです。

ブションの料理にはボージョレーが本当に良く合う! 上に入れた写真でも、ボージョレーのテーブルワインを飲んでいたのが分かります。


リヨンが美食の町だと言ったのはキュルノンスキー

なぜリヨンが美食の町なの? という疑問を持ちました。この言い方は日本で覚えたので、日本人がそう言っているのかと思いました。日本でフランスのシェフといえば、リヨンにレストランを持つポール・ボキューズが有名ですから。

でも、フランスでも言われるのでした:
Lyon est la capitale mondiale de la gastronomie.

だいぶ後になって、このフレーズを言ったのはキュルノンスキー(Curnonsky1872~1956年)だと知りました。本名はMaurice Edmond Sailland。

「スキー」で終わっている名前だとロシア人かと思ってしまうのですが、これはジャーナリストとしてデビューしたときに考えられたペンネームでした。「キュルノン」の部分はラテン語で「Cur non」で、フランス語にすると「Pourquoi pas(英語でWhy not)」の意味。それにスキーを付けて、「スキーでどうかね?」という感じになる。当時は、露仏同盟が終結し、パリではロシアバレーが流行っていたので、ロシア風のペンネームが流行っていたのだそう。それで、○○スキーという名前にするよりは、こんなふざけた名前にした。


彼は「Prince des gastronomes(美食家のプリンス)」と呼ばれています。雑誌Le Bon Gîte et la Bonne Tableが主催したコンクールで、食の専門家たちによる投票でそのタイトルを与えられたのだそう(1927年)。

なぜか日本では、王子ではなくて王様で、「食通の王」とされているようです。

プリンスだと、もっと上がいそうな印象を感じになってしまうからでしょうか? 逆に、どうしてプリンスだったのかなとも思ってしまう。

プリンスと言えば『星の王子さま(Le Petit Prince)』。それを書いたサン=テグジュペリはリヨン生まれの人で、リヨン空港の名前にもなっています(Aéroport de Lyon-Saint-Exupéry)。

でも、『星の王子さま』が書かれたのは1943年で、キュルノンスキーが称号をもらったのよりずっと後なので、それにあやかったという可能性はゼロ。

「食通の王様」と言われるより王子の方がイメージが良いからだったのかな...。でも、有名なシェフのオーギュスト・エスコフィエは「roi des cuisiniers(料理人の王)」と呼ばれているので、王様と呼ぶと滑稽になるわけでもないらしい。わからん...。

 キュルノンスキー著 美食の歓び (中公文庫BIBLIO)


ともかく、美食家として名を遺したキュルノンスキー。ミシュランのガイドブックが1926年に創刊されたのにも携わっていたのだそうです。

母親に死なれ、父親に捨てられた彼はおばあさんに育てられたとのこと。パリに出てジャーナリストになったのですが、毎年冬にリヨンに数週間滞在していたそうです。

どんな時代だったかというと、1929年のウォール街大暴落に始まった世界大恐慌。1939年には第二次世界大戦が勃発していますから、50歳を過ぎたキュルノンスキーが生きた世界は暗かったと思う。


キュルノンスキーに世界一と言わせたのは、どんな料理は?

キュルノンスキーが「リヨンが美食の町だ」と言ったのは、1934年のある日、リヨンにあるMarius Vettardのレストランで夕食を終えたときだったそうです。
  • リヨンはガストロノミーにおいて世界の首都だ。フランスとナバラ(スペイン東北部の地方)にあるレストランはほとんど全部行ったけれど、リヨンよりも堪能したところはなかった。
そこまで言い切ってしまいますか。何を食べて言ったのかが気になります。私がリヨンで食べたブションの料理? それとも、洗練された料理?

このときキュルノンスキーさんが召し上がった料理は、カワカマスのクネル(こんなの?)、ザリガニのグラタン(こんな料理かな...)、ローヌ河の川ハゼの小魚唐揚げ(これですね)とありました。

なるほど...。地元だから手に入るという食材を使った庶民的な料理ですが、おいしく調理したら感激しそう。

クネル(quenelle)という料理も、ホームメイドだったら美味しいですが、普通にスーパーなどで売っているのは食べない方が良いほどの料理だと思います。ザリガニでソースを作った「Quenelle de brochet sauce Nantua」というのがリヨン料理として私でも知っているくらい有名ですが、これを美味しく作るのは難しいだろうと思います。

それをリヨンのブションで作っているのを見せている動画がありました。


Quenelle de Brochet Sauce Nantua - Recette

今は,、ザリガニも川ハゼの小魚もなかなか手に入らない食材ですね...。

キュルノンスキーは上品なフランス料理を評価したわけではないのは確かそう。彼が名言を残したときに食べた料理はこれしか紹介されていなかったのですが、その後には肉料理が出たのではないでしょうか。それから、当然ながらチーズとデザートはあったはず。キュルノンスキーさんは食欲旺盛だったのだろうな...。

彼は、身長1メートル85、体重は120キロという巨体だったそうです!

彼が「リヨンが世界で最も美食の町だ」と言った言葉にもニュアンスがあるのではないかな?... 彼は、あちこちで食べたけれどと言ってから「Je n'ai jamais mieux mangé qu'à Lyon」と言ったそうなのです。リヨンのレストランの料理が一番洗練されているとか、最も美味しいと言っていたわけではないのですよね。食べた後で満足する度合では、リヨンほど満足するところは他にはなかった、というニュアンスの言葉だと思うのです。大食漢のフランス人にとっての食後の満足感というのは、おいしかった+お腹がいっぱいになって心地良いなのだろうと思うの思うのです。

日本人が料理をほめるときに「美味しい」という以外のバリエーションが少なすぎて不満だとブログに書いたことがあるのですが、食事を終えた食通のフランスの友達が「ボリュームがあった」と言うのも気に入らなくている私です。「美味しい」のと「ボリュームがあった」というのはイコールにはならないのだから、レストランを出ながら「copieuxだった」と言うのは止めて欲しいと言ったことがあるのですが、フランス人はお腹もいっぱいにならないと「美味しい」にはならないのだろうと思います。

ところで、有名な「Lyon est la capitale mondiale de la gastronomie」というフレーズをキュルノンスキーが発したのは1935年だという記述もあったのですが、その年、彼は『Lyon, capitale mondiale de la gastronomie』と題した書籍をMarcel E. Grancherと共著で出版しているので、そちらを歴史として取ったのだろうと思います。


リヨンの美食文化を築いた「メール」たち

リヨンで初めて郷土料理を食べた私は、こういう料理を「美食」とは呼んで欲しくないと思ってしまったのですが、今回リヨンの美食の歴史を少し調べてみたら面白い。フランス料理の神髄が見えてきそうなので、ちゃんと勉強してみたいと思いました。


Gourmandises ! : Histoire de la gastronomie à Lyon

リヨンの美食の歴史は、ローマの古代都市時代に遡るのだそう。フランソワ・ラブレー『パンタグリュエル物語』は1532年にリヨンで発行されていて、リヨンの郷土料理になっているものがゾロゾロ出てくるようです。ラブレーの世界の食べ物がリヨン料理の前進だったら、私がリヨンで食べたブションの料理も納得ができます。

リヨン料理の評判が定着したのは18世紀。キュルノンスキーがリヨンは世界一だと言う前に、作家などいろいろな人たちがここの料理を絶賛していました。

キュルノンスキーの時代のリヨンでは、母親を意味する「Mères(メール)」と呼ばれる女性シェフたちが活躍していました。1933年のミシュランガイドでは、Mère Brazierと呼ばれたEugénie Brazierと、Mère Bourgeoisと呼ばれたMarie Bourgeoisを、女性で初めての3つ星シェフに選んでいました。

リヨンのメールという言い方は友人の会話に出てきていました。3つ星レストランのジョルジュ・ブランに行ったとき、彼の母親はメールだったとか、ブルゴーニュの田舎でカフェレストランをしている素晴らしく美味しい料理を作る女性が以前はリヨンでメールだったのだ、とか。母親が母親だったというのは変な表現。でも、その言い方から特別な意味があるとは思ったものの調べてみたことがなかったのでした。

リヨンは絹織物産業で栄えた町で、貧しい家庭の女性たちがブルジョワ階級の家に調理人として働き、その後に庶民が行けるレストランを始めたというパターンが多かったようです。つまり、お金持ちの料理と庶民の料理の融合を生み出した。

キュルノンスキーの時代は、リヨンの絹織物産業は衰退していたでしょうから、やはり庶民的なレストランに需要があっただろうと思います。なぜリヨンの絹織物産業はだめになったのかと聞いたら、日本に市場を奪われたのだと返事されたっけ...。でも、昔の話なので、リヨンの人から恨みがましい感じでは言われなかったので救われました。

リヨンは地方都市で、周辺から良い食材が入ったというのも美食文化が育つのを助けただろうと思います。当時のリヨン市長も美食の町にすることに熱心だったようです。

ブションには気取らない雰囲気があって、上出来の家庭料理を出してくれる調理人がメール。「お母さん」と呼ぶに相応しかったのでしよね。

メールと呼ばれた調理人の中に、一風変わった女性がいました。Mère Bizolonと呼ばれたClotilde Bizolon(1871~1940年)。「Maman des poilus(ポワリュたちのママ)」とも呼ばれたそうです。ポワリュというのは第一次世界大戦のときの兵隊さんに対する親しみをこめた呼び名です。ビゾロン母さんは彼らに無料で食事をふるまうという慈善事業をしていたからでした。

彼女は夫に死なれた後、息子がの第一次世界大戦で戦死されて一人ぼっちになりました。フランスは勝てると楽天的に戦争を始めて、大量の死者を出したのです。ビゾロン母さんは兵隊さんたちを他人とは思えなかったのでしょうね。

レジオンドヌール勲章を受賞したメール・ビソロン(1925年)

第一次世界大戦中、兵士たちに食事をふるまう

第二次世界大戦が始まったときも、ビゾロン母さんは兵隊さんたちへの慈善事業を再開したそうです。でも、彼女は何が原因だったのか暗殺されてしまっているのでした...。


リヨンのメールというのは、「肝っ玉母さん」という感じなのではないかと思います。私が出会ったリヨンでメールをやっていたという女性は、そんな感じでした。とっても優しいのだけれど、意思表示は強くて、気に入らない男性客なんかとは喧嘩してしまうという人。

彼女の料理は何度も食べに行きました。ご主人が捕まえてきたエスカルゴの生クリーム料理が素晴らしくおいしくて、大量には食べられない私でもエスカルゴを30個くらい前菜で食べてしまったのを思い出します。男性たちはその倍は食べていましたけど。

彼女が亡くなってしまったのは残念。ああいう風に、母さんの料理というのを出す調理人は減っていますね。それは、フランスでも、日本でも同じですけど...。

リヨンのメールの伝統を持つブションと呼ばれる庶民的なレストランも偽物が多くなってきたので、本物を残そうという運動もあるようです。ああいう家庭的な料理をレトルトなどを温めただけで出されたらたまらないだろうな...。

ブションの魅力は、アットホームな雰囲気にもあるのだろうと思います。私がリヨンのブションで何回か食事したときは、観光客がリヨンらしいレストランだから来ているという雰囲気はなくて、地元の人たちがこういう料理を好きだから来ているという風に見えました。

ブションの雰囲気を伝えている動画を入れておきます。


Un Bouchon de Lyon

ついでに、リヨンの有名な郷土料理を作るのを次々と見せているレストランの動画も。リヨンの朝市の施設内にあるブションだそうです。


Bouchon Lyonnais .Restaurant .à Lyon le Resto Halles.à voir absolument

リヨンのブションで初めて食事した私は、なぜこういうのをフランスの美食と言うのかと不満に思ってしまったのですが、調べたりして書きながら、こういうのがフランス料理の根底を築いているのだという認識を改めました。つまり、おいしい料理というのは、お母さんが心を込めて作ってくれる料理。素朴だし、ありふれているし、安い材料も使っている。でも、何度食べても美味しいと感じさせる料理。それが本物かもしれないな...。

私の場合は、そういう料理を堪能するためには胃袋を丈夫にしないといけない! 最近の先端のフレンチは、見た目が美しくて、お皿の上にはどっさりとは乗っていない料理になっているので、私には助かるのですけど。

でも、見た目だけ気取っている料理は、素朴な家庭料理の下にランクしているのだけは事実です!

★ シリーズ記事目次: フランスのワイン産地

ブログ内リンク:
「リヨンには3つの川が流れている」と言ったのは誰? 2015/12/26
ボージョレー農家のマション 2006/06/11
ワイン関連用語: ショピンヌ chopine 2006/03/25
驚くほど美味しかったブルゴーニュ南部の郷土料理、フリチュール 2014/07/28
フランスで問題にされているレストランの手抜き料理 2015/06/12
フランス人って、どうしてこんなに食べられるのだろう?... 【2】 2006/05/28
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
☆ Wikipédia: Cuisine lyonnaise » Mère (restauration)
La Gastronomie Lyonnaise
Cuisine des Gones
Les “véritables” bouchons lyonnais sont-ils amenés à disparaître
美食の町-リヨンの歴史1 | リヨンの歴史2 | リヨンの郷土料理
美食の町 リヨンを旅する
レ・メールの事
リヨンの郷土料理ってどんなの??
美食の街、リヨンで食べたいリヨンの伝統料理
☆ Wikipédia: Histoire de la soierie à Lyon
Maurice Edmond Saillant dit Curnonsky
☆ Wikipédia: Curnonsky
Lyon People Juin 2012 by lyonpeople (page 91)
Gourmandises ! Histoire de la gastronomie à Lyon - exposition aux musées Gadagne
キュルノンスキーとは
キュルノンスキー氏について


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2013/03/25

シリーズ記事目次 【晴れ間をねらってワインの買い付け旅行】 目次へ
その4


前回の日記「ワイン農協の門戸開放イベント」に書いたイベントでは、試飲会場として使われた醸造所の入口には、地元のケータリングの店がテントを張ってスペースを設けていました。

昼食時間になったら、テーブルとイスをしつらえて簡易食堂にするのかもしれない。

ショーケースには美味しそうな料理が並んでいました。



私たちはレストランに昼食の予約を入れていたので、ここで食べることはパス。
でも、良い香りを放っている鍋が気になりました。


Saucisson au gène



ワインを作るときのブドウの絞りかすと赤ワインで煮込んだソーセージ。

絞りかすからはマールという蒸留酒を作ったりもしますが、ワインの産地では料理にも使うのです。

でも、ワイン農家に知り合いでもいない限りは入手できません。ブドウを圧縮した後には絞りかすがたくさんできるので、ほとんどは捨ててしまうのだろうと思うのですけど。

ブドウの収穫期に知り合いのワイン農家に行ったとき、村はずれまで捨てに行くトラクターに乗せてもらったことがありました。ここに捨てるという場所ができていて、業者が引き取りに来る、と言っていたような...。

ゴミ捨て場に行ってしまったものからは料理は作らないでしょうけれど、肥料か何かを作るのかも知れない。

ブドウ収穫期にワイナリーを見学したときの写真:
搾りかすのブドウ
収穫が終わったばかりのシャブリのワイン農家に行きました 2009/10/07

普通の人には手に入らないブドウの絞りかすを使って煮込んだソーセージ。美味しそう! 独特の良い香りが漂っています。

ワインにするために絞った後のブドウを使う料理は、ブルゴーニュのワインイベントで見たことがあったような気がします。どこかで食べたことがあるように思うのですが、記憶はあいまい...。

この料理は持ち帰りもできるというので、後で買うことにしました。旅行から帰った夜、これを温めれば夕食になるのですから便利ではないですか?


帰りがけにまた立ち寄ったら、お店の人がいない。

受付けにいた人が、店の人を探してきてくれました。

ワイングラスを片手にご主人が戻ってくる。
すみません。試飲のお邪魔をしてしまったわけだ!

ワインのイベントは雰囲気が好き。ほろ酔い気分なので、みんなが上機嫌で冗談を連発するのですから。

味見をさせてくれました。



値段も聞かないで買ったのですが、大きなソーセージに干しブドウのようなものも付けてくれて、1本10ユーロ。安い♪

ソーセージを温めなおして、暖炉で焼いたジャガイモを添えて食べました。安物のソーセージを使うのでしょうけれど、すばらしく美味しかったです。

その翌日は、残ったソーセージを小さく切って、冷たいままオツマミに。これも、非常においしい。

買ったソーセージにはピスタッチオが入っていなかったので、それを入れたので味がよけいに引き立っていました。

あたたかくしても、冷たいままでも良いのだ、と説明されたのですが、本当にそう。


この料理は「gène(ジェンヌ)で煮たソーセージだ」と言われたのですが、Saucisson au gèneと呼ばれる料理のようです。

どうやら、ボージョレーの郷土料理のよう。

ブドウ収穫期にブドウの絞りかすができて、それでマールという蒸留酒を作るとき、あるいはボージョレー・ヌーヴォーの祝いなどで作られた伝統的な料理のようです。

ところで、gène(ジェンヌ)とはブドウの絞りかすのことなのですが、私には、絞りかすは「マール(marc de raisin)」という言葉の方が馴染みがあります。

加熱して食べるソーセージ1本に、それを覆うくらいのジェンヌ/マール、それから赤ワインをボトル1本で40分くらい煮込むのが伝統的な調理法のようです。

それに痛めたベーコン100グラムを入れるというレシピもありました。でも、この料理が美味しいのは、ソーセージの脂身がブドウの絞りかすに移るからのよう。だから、ベーコンを入れるのは邪道ではないかな?

いずれにしても簡単料理。

赤ワインだけで作っても、この味にはならないのでしょうね。庭で哀れな状態にしか育たない私のブドウで作ってみる?

でも、失敗する可能性が大きい料理には挑戦しないに限る!

ブドウ収穫の時期にワイン農家に行ったとき、絞りかすを分けてもらうのが一番だろうな...。そんなことを考えてしまうのは、こんなに簡単に作れる伝統料理なのに、めったに出会うことがないからです。

続きへ: お気に入りにしたワイン農家に行く

ブログ内リンク:
【ブドウの絞りかす、マールについて】
★ 目次: 蒸留酒をつくるアランビック見学
ポマール村で見たもの 2014/09/20

★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理

外部リンク:
☆ Wikipédia: Gène (gastronomie)
☆ Wikipédia: Marc de raisin
☆ レシピ:  Recette du saucisson au gène : une spécialité beaujolaise !
☆ Saucisson au gène
☆ レシピ: Saucisson au gene


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2011/12/02

【シュークルート その2】


前回の日記でフランスではシュークルートの本場はアルザス地方だと書いたのですが、フランス中で非常によく浸透している料理です。なんとなく南仏では余り食べないのではないかな... と言う気はしますが。

大勢で食べるときには便利な料理。初めから全部作ったら大変でしょうが、お肉屋さんで材料を売っているので、それを鍋に入れて簡単に作れてしまいます。

ちょっとありふれすぎているのが欠点。お客様を呼んだときにシュークルートを出したら、よほど美味しいのでない限りは感激してもらえないだろうと思います。材料費がそれほどかからないのも分かっているので、ご馳走を出してくれたという印象も与えない...。

ところが、こんなシュークルートだったら招待客をあっと言わせるだろうな、と思うのに出会いました。昨年の冬のことです。


ローストして食べるシュークルート

お肉屋さんの店先で目に飛び込んできて、迷わず買ってしまったシュークルートのバリエーション↓



伝統的なシュークルートと材料が同じなのですが、キャベツを真ん中に入れて、ソーセージや肉で巻いてありました。

これをオーブンで焼きます。



黙ってこれを出したらシュークルートと思う人はいないはずですが、切ってみると...

シュークルートなのです↓



輪切りにして出しました。



変わっているだけではなくて、忘れられない美味しさでした。

普通のシュークルートに入っているソーセージは茹でたものになるわけですが、焼くと風味が出るのです。

でも、たまに行くことがある町の肉屋さんでしか見たことがありません。 しかも、シュークルートは冬の料理なので、冬にしか作らないはず...。


この秋には買いそこなった...

10月末にその肉屋さんがある町の近くまで行ったので、少し遠回りして立ち寄ってみました。

ところが、ご主人は「シュークルートのシーズンになったことをすかり忘れていましたよ」と、おっしゃる。

確かに今年は暖かかったのです。残念がると、明日また来てくれれば用意しておく、と言われました。でも、そのためにもう1泊するわけにもいかない...。諦めました。

冬が終わらないうちに、また行く機会があるといいな...。

あれは、あの肉屋さんでしか作らないのだろうか?... インターネットで調べてみたら、お肉屋さんのサイトに同じような姿のものがありました。こちらは「Rôti de porc à la choucroute」と名づけています。

レシピも出てこなかったので、そんなに広まっている調理法ではないように思いました。

発酵したキャベツをソーセージなどでしっかり巻いているので、何か特殊な道具がないと家庭では作るのが無理ではないかな?...

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2011/12/01

【シュークルート その1】


冬の料理、シュークルートchoucroute)が美味しい季節。

数年前の今ごろ、クリスマス気分を味わいにアルザス地方に行ったとき、あちこちのレストランでシュークルートの食べ比べをしました。



お肉やソーセージに隠れてしまっていますが、その下にあるのが塩で発酵させたキャベツで、そのキャベツをシュークルートと呼びます。

どっさり出されるのが特徴。シュークルートは北アフリカ料理のクスクスと並んで、お腹をいっぱいにさせる料理の代表選手です。

そうフランス人は言うのですが、私が感じるには、こういう料理の方が胃にすんなり入っていくので、伝統的なこってりとしたフランス料理に比べたら、お腹が膨れて困るということはないと思うのですけれど。

少し酸っぱいキャベツが、私たちには漬物のような感じがするので、ソーセージや肉が消化しやすくなってしまうようにも思います。

シュークルートはフランスでは非常にポピュラーな料理で、肉屋さんに行くと鍋に入れて煮れば出来上がりという材料を売っています。

缶詰のシュークルートでさえ、けっこう美味しいのがあるので驚きます。

肉屋さんで野生のキジを買ったとき、シュークルートと一緒にローストにすると美味しいのだと言われ、試してみたことがありました。

この少し酸っぱいキャベツには不思議な力があるのかもしれません。ジビエなんか料理できないと思ったのに、このときのキジはとても美味しく出来上がりました。


どっちが本物?

シュークルートの本場は、ドイツ国境に近いアルザス地方です。

・・・というのはフランス人が言うことで、ドイツ人はドイツ料理と言うでしょうね。日本でもドイツ語で「ザワークラウトSauerkraut)」と呼ばれる方が一般的だと感じます。

「シュー」と耳で聞くと、フランス語のキャベツ(chou)を思い浮かべます。

シュークリームの「シュー」。

キャベツの料理なので、すんなり「キャベツ」だから「シュー」だと思ってしまったのですが、「シュークルート」はドイツ語の「Sauerkraut(酸っぱいキャベツ)」からできた言葉なのだそうです。

そういわれると、この字面をフランス語風に読んだら「シュークルート」になりそう。

しかも「シュー」の部分は「酸っぱい」で、「クルート」がキャベツ。

ドイツ語圏文化の料理なわけですが、シュークルートとザワークラウトには違いが何かしらあるのでしょうか?


ドイツから移民してきた女性が「フランスのシュークルートは本物じゃない!」と言っていました。何とかいうソーセージを必ず入れなければいけないのに、それがないのが欠点らしい。

私が作るシュークルートは美味しいのだとおっしゃり、材料がそろったときに招待してくれると言われました。でも、あいにく私は日本に帰ってしまったときに食事会が催されたのです。

フランスに戻ってから、本物のシュークルートをご馳走になった人たちにどんなだったか聞いてみました。

食べられなかったのは残念なことではなかったと言われました。というより、いなくてラッキーだったそうです。ものすご~く、不味かったのだそう!

本物を上手に作るドイツ人もいるはずですが、彼女はお料理が得意ではないとは思っていたのです。一度、もったいぶってご馳走してくれた手作りケーキが、どうやって焼いたのだろうと思うほど美味しくなかったから...。

というわけで、ドイツ人がいうところの最高のシュークルートは味わっていません。でも、アルザスに行ったときには、さすが地元なのでびっくりするほど美味しかったです。

ところが去年、それよりも美味しいと思うシュークルート料理に出会いました。かなり独創的なもの。その話しを次回の日記で書きます。

― 続く ―


ブログ内の関連記事:
★ 旅行記目次: クリスマスシーズンのアルザス旅行
クスクスを食べに行った日のこと: (1) クスクスという料理 2008/09/16
フランス人のお気に入り料理のトップになった「クスクス」が出た食事会 2011/09/22
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理


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2011/09/01

アレジア周辺の観光】 その8
フラヴィニー・シュール・オズラン村 (2)


ブルゴーニュに住む人がフラヴィニーという村の名前を聞いたら、まず思い浮かべるものがあります。


フラヴィニーといったらアニスのボンボン

この村では、Anis de Flavigny「フラヴィニーのアニス」という飴がつくられています。

グリーンアニスを砂糖シロップでコーティングした飴で、グリーンピースくらいの粒です。

飴とかキャンディーとかいう呼び方だとピンとこないのですが、フランス語だとボンボンとなります。


美しい村を訪問したときに、その土地の特産品があるのは嬉しいものです。ブティックに入ってみました。

 
ブティックの入口

フラヴィニーのアニスは昔の修道院を工場として使っているので、売店の中も昔の立派な暖炉などがあってとても立派。

フラヴィニーのアニスは、大きなビニール袋に入ったものもありますが、きれいな絵が描かれているパッケージはお土産にも適しているます。

ブルゴーニュ地方を旅行していて観光地にあるお土産屋さんに入ったら、どこでも売っているのではないかと思うほど有名なキャンディーです。パリの国際空港でもおいているかもしれません。

スーパーでもたくさん売っているので、ここで買う必要もないのですが、せっかく生産しているところに来たので何か珍しいのがあったら買いたい。最近は色々なフレーバーのボンボンが作られています。


ミックスのパッケージが気に入る

色々なフレーバーのボンボンを自由に試食できるようになっていました。日本ではどうということがありませんが、フランスではこんな風に気前の良い店は珍しいのです。

敷地内にあるカロリング朝の教会を見学するのも無料。良心的な会社だと思いました。

ボーヌ市にあるマスタードの工場を見学したときには、一人10ユーロの参加費が必要でした。ガイドしてもらえるし、立派な試食があったし、小さなお土産もくれたので、見学し終わったときには満足しましたが。

でも、工場見学というのは宣伝の一種なのですから、無料で良いと思うのです。無料見学だとお土産を買っていくものだと思います。この日も観光客たちはブティックでたくさん買い物していました。

ブティックを物色していたら、ここでしか買えないだろうと思えるものが見つかりました。

びっくりパックとも訳せるような名前がついていて、色々な味のものが入っているのです。

不揃い品などを大きな袋に詰めて売ってしまおうというものらしい。重さによって値段がついているので、色々な大きさのがあり、これがお買い得なのか計算できませんでしたが、おそらく値段も安くなっているのだろうと思います。

生産者がいうにはフラヴィニーのアニスは2粒ずつ食べるものだそうですが、つまんだときに何のフレーバーなのか分からずに一粒つまむ方が楽しいではないですか?

迷わず、これにしました。



買ったのはビニール袋に入っているだけのものだったので、陶器の入れ物に入れたらちょうど良い量なのでした。

右に入れているのは、一緒に買ったジンジャー味のもの。ABという文字が見えますが、これは有機栽培食品として認可されていることを示すマークです。

創業200年とか歌えそうな老舗なのですが、時代のトレンドにも合わせて発展している会社のようです。

ミックスパックにの中には割れた飴も入っていたので、中に入っているアニスの種を見ることもできました。




アニスの薬効

ところで、アニスと聞いて思い浮かびますか?


アニスの風味はフランスではなじみがあります。

ところがアニスには種類があるらしい。

フラヴィニーのボンボンが使っているのは、野菜のフェンネルや、木の実のスターアニス(八角)ではなくて、学名がPimpinella anisumという植物なのだそうです。

アニスの風味は日本ではなじんだことがなかったのですが、慣れると好きになりました。


お腹をこわしたときには、アニスのお酒を飲むと下痢がおさまるので、薬用効果もあるのだろうと思います。

アニスの酒とはパスティスの類いの食前酒です。私は不純物が入っていない右のメーカーのを愛用しています。つまり、薬として!

パスティスは透明のお酒なのですが、それに冷たい水を入れて食前酒にします。でも、下痢止めとして飲むときは、ストレート。

エジプト旅行をしたときもこれを持っていったので、3週間の旅行中お腹をこわすことがありませんでした。


ところで、アニスというのは南の方の植物という気がします。ブルゴーニュ地方にあるフラヴィニー村でアニスの特産品があるのは不思議。

フラヴィニー村がある地域はアレシアの戦いの場だったと書いたのですが、その時代にできた特産品だとすると納得できます。

カエサルが兵士の治療のためにアニスの種を持ち込み、その時からアニスのボンボンが作られたと言われています。


カロリング朝の教会

フラヴィニー村に行ったのは、アニスのボンボンを作っている会社の敷地内にある教会を久しぶりに見学したかったからです。

いつでもオープンしているわけではないので、観光客が多い夏に行くことにしたのでした。

ブティックから少し奥に入ると教会があります。フランク王国時代のカロリング朝(751年―987年)につくられた教会はとても珍しいのです。



石棺の上に鳥のフンがたくさんあるので、上を見上げたら
ツバメの巣がありました。



8月中旬のことです。今年の秋は1カ月くらい早くきたので、もうそろそろツバメたちは南に飛んでいくのではないかと思っていた時期。こんなときに赤ちゃんを育てていても大丈夫なのだろうかと心配してしまいました。


情報リンク:

フラヴィニーのアニスとフラヴィニー村については、フラヴィニーのアニスのオフィシャルサイトが日本語で詳しく説明しています。
フラヴィニーのアニス


― フラヴィニー村の続きへ ―


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2010/12/19

シリーズ記事 【パリ滞在記 2010年冬(目次
その11
レストラン (1)


前回の日記に書いた博物館の見学が終わった後、友人とランチをとることになっていました。博物館にほど近いベルシー村には、レストランが軒を連ねているのですが(前回の日記の最後に入れた写真)、気にいる店がないので避けたいと思いました。

ここは昔倉庫だった建物が残されているので、高層建築がなく、村のような雰囲気がある一帯です。史跡として登録されているそうですが、観光客のためというよりパリ市民のための空間に見えます。

それなのに、数あるレストランは観光客向けのように味気ない料理を出す店しか見当たりません。何となく東京によくある繁華街のレストランに見えてしまう...。


アヴェロンの郷土料理レストラン

少し足をのばして、フランスの南西部ミディ・ピレネ地方にあるアヴェロン県(Aveyron)の郷土料理を出す店に行くことにしました。

今回行って気がついたのですが、ミシュラン推薦マークが出ていました。星を持っているのではなくて、安くておいしい料理を出すカテゴリーのはず。

ビストロ風の店です。ウエーターさんたちはキビキビとプロらしく働いるだけでななく、来ている人たちも感じが良くて、アットホームな雰囲気があるのも気に入っています。



余り目立たない通りに面しているので、来るのはほとんど常連さんたちではないでしょうか。特に、このときはランチだったのでそう感じました。


アリゴーaligot

このレストランの自慢料理は、アリゴーという料理です。

Aligotと書くのですが、ブルゴーニュにあるワインの名前にAligoté(アリゴテ)があるので、一度聞いたら覚えてしまいました。

 

アリゴーは、ジャガイモのピューレ、フレッシュなトームというチーズ(tome fraîche )、ニンニクから作られる料理。

上に入れた写真に見られるような粘りのある状態にこねあげるのが特徴です。

☆ レシピ: L'Aligot de l'Aubrac
☆ テレビの報道: L'aligot, plat emblématique de l'Aubrac



この日、何を食べようかと迷っていると、お隣に1人でテーブルを構えていた男性のところに料理が運ばれてきました。

それがここの店のお得意料理、ソーセージ1本にアリゴーがついているというものでした。この人はいつも、ここでランチをとるときにはこれにしているのだそう。

それにしようかなとも思ったのですが、1年近く前に来たときにアリゴーは食べていたので、別の料理にすることにしました。

いかにも山岳地帯の料理。ちょっと胃に重いかなという気もします。

チーズを世界中から集めたグルメMAP!フランス産チーズを検索



この日、私が食べた料理をメモしておきます。

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2010/04/14

シリーズ記事【シャンパーニュ地方旅行記(目次】 その4
ランスの街


ランスの街かどで、満開の桜の花を見ました。

日本の桜

博物館の庭です。以前に行ったとき、この博物館のガイドさんが「これは日本の桜ですよ」と言って、「故郷がなつかしいでしょう」と、ひと枝折って私にくださった思い出があります。

船に乗って遥々フランスに来なければならなかった時代ではないのですから、桜の花を見て涙するほどの感激はなかったのですが、ガイドさんの優しい心づかいが嬉しかったです。

桜の花を見て、前回ランスに行ったのも同じ季節だったのに気がつきました。


ビスキュイ・ローズ・ド・ランスという、ランスの名物お菓子

桜のピンク色といえば、ランスには有名なお菓子があります。

Biscuits roses de Reims(ビスキュイ・ローズ・ド・ランス)というもの。

淡いピンク色のお菓子です。


フォシェの「ビスキュイ・ローズ」を検索


これを何と説明したら良いのでしょう?

「ビスキュイ」というのはビスケットとかクッキーのことなのですが、固めのメレンゲのようなお菓子と表現した方が近いような…。

ランスはシャンパンの街。シャンパンと一緒に食べると相性が良いというのがビスキュイ・ローズ・ド・ランス。

でも、食前酒でシャンパンを飲むとき、これを食べているとお腹の中で膨らんでくるみたいに感じるので、その後の食事が進まなくなるので困るのですけど…。

ランスに行ったときにしか買えないということはありません。大きなスーパーでも売っているのではなかったかな? 紅茶やコーヒー豆を売っているしゃれた店にもよく置いてあります。おやつのときに、紅茶と一緒に食べるのにも良いかも知れないですね。

この有名なビスキュイを作っているFossier社では、色々なバリエーションも作っていますが、最も有名なのは、次の動画に出てくる形です。


Le Biscuit Rose


下はランスの街にあったケーキ屋さんのショーウインドーなのですが、黄色い矢印を入れたケーキがそれを使っているように見えます。

ケーキ

この写真を撮ったのは、さすがランスの街らしい立派なケーキ屋さんだな、と思ったからでした。ランス市はシャンパン産業で潤っているので、お金持ちが多い町と言われているのです。

お金持ちが多い町は、ケーキ屋さんやお肉屋さんなどの食料品店を見ると、それが如実に分かって面白いです。

パリにはトップレベルの食材を扱う店があるのは、もちろんのこと。ブルゴーニュ地方でも、ワイン産業で潤っているボーヌやシャブリの町では美味しい食材が並んでいますね。お金持ちが老後を過ごす理想の地と言われるイタリア国境に近いマントンでも、それを感じました。

▶ 続き: シャンパーニュ・アルデーヌ地方の不思議






ブログ内リンク:
★ 目次: シャンパンとスパークリングワイン
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理

外部リンク:
Biscuit rose de Reims ;ビスキュイ・ローズ・ドゥ・ランスの起源は?


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フランスのお酒 (ワインなど)



2010/04/03
毎年日にちが変わる復活祭(イースター)。今年は4月4日(日)です。

その前の金曜日、つまり昨日ですが、ブルゴーニュで一番大きな町ディジョンの朝市に行きました。


朝市の異様な雰囲気

いつになく人がごったがえしています。いつもは見かけないような高級食材もたくさん並んでいる。

それで、気がつきました。
そうか~。みんな、復活祭で食べるご馳走の材料を仕入れるのだ~!



クリスチャンでもない限り、クリスマスのようにはお祝いしないものだと思っていたのですが、お祝いをする人はけっこう多いのですね。復活祭の時期には春休みのようなもので存在するので、信仰心は別にしても、遠く離れている家族も集まってご馳走を食べるのでしょう。

フランスって、伝統的な衣装を着たりする祭りは日本とは比較にならないくらい消滅しているのですが、ご馳走を食べる習慣だけは、ちゃんと残っているらしい!

もっとも、同じように家族が集まるクリスマスとは違うと感じます。たまたま「クリスマスは一人で過ごすのだ」などとう友人に言うと、「クリスマスを一人で過ごすなんて、とんでもない!」と反応されて、「うちにいらっしゃい」と言われます。でも、「復活祭はどうやって過ごすの?」などと聞かれたことはありません。

ブルゴーニュ地方の行政中心地ディジョンの町はブルジョワの町と言われているので、復活祭だからご馳走を食べるという習慣が色濃く残っているのではないかとも思います。今までだって、復活祭の前の朝市に行っていたと思うのですが、こんな風にご馳走を食べるクリスマス前のような雰囲気になっていると感じたことはなかったように思います。




ディジョンの復活祭には、ジャンボン・ペルシエがつきもの

普通、フランスの復活祭のご馳走と言えば子ヒツジ料理が有名なのですが、ディジョンの町の人々は復活祭にはジャンボン・ペルシエ(Jambon persillé)という前菜を食べるのが習慣なのだのだそうです。

ディジョンを離れても、ブルゴーニュ地方ではそういう習慣があったかも知れせん。昔は、ジャンボン・ペルシエのことを「復活祭のハム(Jambon de Pâques」」と呼んでいたそうです。

そうは聞いていたのですが、本当に、そして未だに、そうなのだ!、と確認しました。大きな朝市なので、お肉屋さんがたくさん入っているのですが、どの店でもジャヤンボン・ペルシエをたくさん並べていました。

丸く作ったのや、四角にしたの。大きなの、家庭用の小さなサイズ、など・・・。

写真を撮りまくったので、その中の一部をお見せします。



↑ エスカルゴと並んでいるところ、ブルゴーニュですね…。



↑ 復活祭らしい卵(チョコレートかな?)をあしらったりしているのが、いつものジャンボン・ペルシエとは違うところ!
右側に写っているのが、オーソドックスな子ヒツジ肉です。

こんなにたくさんの肉屋さんで売っていたら、卵を飾りに付けたくらいでは競争に勝てない。とはいえ、ジャンボン・ペルシエは、材料や作り方によって大きな差があります。地元の人だったら、「私の好みはこの店」というのを持っているでしょうね。

努力賞をあげたくなる店がありました。こちら ↓



復活祭のシンボルは、卵、ウサギ、アヒルなどがあるのですが、こちらのお店では卵とアヒルの形になっていました。ジャンボン・ペルシエはテリーヌ型に入れてつくるのですが、どうやって形にしたのだろう?…

ブルゴーニュの郷土料理ジャンボン・ペルシエについて書いた過去の日記:
友人の家でご馳走になった夕食
*この中にリンクしたpepe犬さんのブログが、同じディジョンの朝市で売られていたジャンボン・ペルシエの画像をたくさん入れていらっしゃいます。


ジャンボン・ペルシエとは?

ジャンボンというのは、ハム、豚のもも肉の部分のこと。


ペルシエというのは、刻みパセリを散らしたという意味です。
ですので、パセリがたくさん入った、一種のハムと言えば良いでしょうか?

レストランで前菜として出てくるときは、一切れとか、二切れです。店で買うときもスライスしてもらます。

丸ごとテリーヌ型に入ったものを買って切り分けて食べるときは、こんな風になります ↓



ジャンボン・ペルシエをどうやって作るのか、この際調べてみたら、色々ありすぎて、どれが正統派なのか分かりません。

とりあえず、本物に見えたレシピを一つリンクしておきます。
ブルゴーニュ地方の民宿サイトにあったレシピ:
Jambon persillé
*ジャンボン・ペルシエの歴史についても書いてあります。

上にリンクしたサイトでは、豚もも肉、子牛(飛節と足の部分)、玉ねぎ、ニンニク、エシャロット、白ワイン、ビネガー、ハーブなどが材料として並んでいます。友人の中には自分で作る人もいますが、大変な手間がかかるので、おいそれとは作れない料理だと思います。

ジャンボン・ペルシエなどというブルゴーニュの郷土料理なんかは日本では知られていないと思ったのですが、ちゃんと市販されていました。いつも、日本では何でも売っているのだ、と感心します!

 ジャンボンペルシェと林檎のコンポート



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2009/11/19

シリーズ記事目次: 【ノルマンディー旅行(2009年秋)】 その14


前回の日記に書いたように、ワインは生産されていないと思っていたノルマンディーでも、ブドウを栽培してワインをつくっている農家がありました。

それでも、ノルマンディーのアルコール飲料といえば、やはりリンゴから作ったお酒です。なかでも有名なのは、シードルカルヴァドス

私の場合、シードルよりはカルヴァドスの方が飲む機会が多いです。


シードルの思い出

とは言え、シードルを毎日飲む生活をしたことがあります。

フランスで骨折したときに入ったリハビリセンターでは、食事のときに飲めるアルコール飲料はシードルだけだったのです。私が入るほんの少し前にアル中患者が問題をおこしたそうで、ワインは禁止になり、シードルにされていたのでした。

ワインよりはシードルの方がずっとアルコール度が低いのです。リハビリセンターに入る前に入院していた公立病院では、飛行機の中でだされるようなワインをもらうことができたのですが…。

リハビリセンターにいた3週間は、毎日、昼と夜の食事でシードルを飲んでいました。友人たちは同情して、お見舞いでワインの差し入れをしてくれましたが、それを食堂で飲むわけにはいきませんでした。

というわけで、私には思い出があるシードルです。リハビリセンターでは、食事もおいしかったし、部屋もパリの3つ星程度のホテルよりは広くて快適な個室だったし、お友達もできて楽しかったので、シードルに悪いイメージを持たないですみました。

そうでなかったら、きっとシードルを見ただけでアレルギーをおこしてしまったと思います!


クレープ専門のレストランには余り行かない理由

シードルを飲むのは、クレープを食べるときくらいです。クレープ専門レストラン(Crêperie: クレプリー)には余り入らないので、シードルを飲む機会も少なくなります。

なぜクレプリーに入らないかというと、理由は2つあります。

第1の理由は、繊細な味を楽しむ料理ではないこと。

頻繁に外食する生活はしていないので、レストランに行くときは、自分では絶対にできないというような料理を食べたくなります。

フランスのクレープ専門レストランでは、Sarrasinという粉(「そば粉」と訳されるのですが、日本のそば粉と全く同じものなのでしょうか?)を使ったクレープでメイン料理を食べ、その後に小麦粉を使った甘いクレープでデザートというコースになります。

つまり、変化に乏しい食事になってしまうではないですか?!

パリに近い町で食べたクレープ
メインで食べるソバ粉のクレープ

下もメイン料理のクレープですが、こういう形になっていると、もっと寂しい!...

中に何が入っていたのかは覚えていません

2つの写真のクレープとも、シードルを飲んでいます。こういう風に、クレープ専門レストランでは素焼きのお茶碗のようなものを出します。なぜグラスを使わないのだろうかと疑問に思っているのですが、理由は見つけていません。


クレープ専門レストランに行かない第2の理由は、幻のクレープを求めてしまうから。

ブルターニュ地方を旅行したときにクレープの食べ歩きをして、本場のクレープはこんなにおいしいものかとショックを受けてしまったのです。

フランスの大きな町には、どこにでもクレープ専門レストラン(クレプリー)があります。ピザ屋さんと同じで、安上がりな食事ができるからだとも思います。

観光地などには、信じられないくらい不味いクレープを出す店もたくさんあるので、注意が必要です! というか、私は観光地にあるクレプリーには、他にチョイスがない場合を除いては入らないようにしています。

クレープはフランス料理と見られますが、本場はブルターニュ地方かノルマンディー地方です。この2つの地方は、シードルの主要産地です。

どちらが先になるのか、鶏と卵の関係でしょうが、郷土料理というのは地元のお酒が合うものだと思います。例えば、ワインの産地ブルゴーニュの伝統的な郷土料理はこってりしていて、地元のワインがよく合います。アルコール度の低いシードルを飲みながら食べる、というのは考えられません!

1カ月かけてブルターニュ一周旅行したときには、地元の観光案内所がおいしいクレープを出すレストランのリストをくれました。それをもとに食べ歩いたのです。皮がパリっと焼けていて、クレープのふちはレースのようにきれいでした...。

サラザンのクレープの皮も、何がどう違うのか分からないですが、おいしかったです。どこでも同じでしょうね。パスタも、イタリアでは具が何もなくてもおいしような絶品に出会えますから。

たまにはクレプリーで食事をすることもあるのですが、ブルターニュで食べたときのクレープの味には再会していません。


ノルマンディーで行ったクレプリー

今回のノルマンディー旅行では、1回しかクレープ専門レストランに入りませんでした。

どうも私の頭の中では、クレープがおいしいのはブルターニュと決めつけてしまったところがあります。1カ月も旅行していたので食べ歩けたわけですので、今回の短いノルマンディー旅行ではおいしいクレープを探すのは無理だと諦めていました。

それでも、ノルマンディーに来たのだから1回くらいは食べなければ、と思ってクレープの昼食をしました。

昔の水車小屋を使った建物でしたので、川を見下ろす景色が良かったです。

クレープ屋さんからの眺め

デザートで食べたクレープ ↓

クレープのデザート(リンゴとカルヴァドス)

よくあるクレープなのですが、リンゴとカルヴァドス。カルヴァドスはリンゴからつくったブランデーですので、相性が良いことこの上ない、という組み合わせ。

当然ながらカルヴァドスはフランベしてくるのだろうと思ったのですが、そうではありませんでした。リンゴのコンポートに、ほんの少し、香りづけ程度にカルヴァドスを混ぜ込んだ様子。

そうすれば材料費が安くなるな… などと感心。フランベにするとお酒をかなり使いますから。このレストランでのお支払いはとても安くて、普通にとるランチの3分の1くらいだったので、文句はありません。

でも、せっかくの地元のお酒であるカルヴァドスをフランベしてくれなかったのは、寂しい…。

正直言って、私が家で作るクレープの方がずっとおいしいと思ってしまいました。朝市で生乳を買ったときにクレープをつくろうと思いたつことが多いし、原価計算なんかしないで作りますから。

ノルマンディーにも、びっくりするほど美味しいクレープが食べられるレストランがあるはずですが、探している時間がありませんでした。

入ったレストランは、昼過ぎに入ることにした博物館のすぐ近くにあったからという理由でした。


クレープは自宅でも簡単にできる

デザートとして食べる甘いクレープは大好きです。

クレープを焼く電気製品を持っているので、自宅でもときどき作ります。

 
美味しいクレープがおうちで作れます♪【送料無料】手作りクレープ用ホットプレート

私が作ったクレープ ↓

グラン・マルニエでフランベ

ちょっと焦げてしまっていますね。炎が見えるのでとっておいた写真です。

グラン・マルニエでフランベしています。

柚子マーマレードをのせたクレープのことをブログに書いたこともありました:
ユズ・マーマレードのクレープ



ノルマンディーでは、クレープを食べることよりは、リンゴ酒を作っている農家を訪問することの方に興味を持ちました。クレープはフランスどこでも食べられますが、シードルやカルヴァドスを作っている農家はおいそれとは行けませんので!

脱線ばかりしていましたが、次の日記はリンゴ酒の醸造をしている農家に行ったお話しを書きます。

- 続く -


ブログ内リンク:
★ 目次: ゴーフル、ゴーフレット、ガレットなど紛らわしい菓子の名前
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理


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2009/10/23

シリーズ記事 【プロヴァンス旅行 2009年秋】 目次へ
その2


レストランで何を食べるかを選ぶときには、自分が好きな食材を使ったものの中で、自分の家では食べないものを第一条件にしています。

気をそそられるものがなかったら、何だか分からないものを注文します。


トローのステーキ

前回の日記に書いたレ・ボー・ド・プロヴァンス村のレストランに入ったときも、迷わずにこれを注文しました。



注文したとおりにsaignant(レア)で焼いてくれたのが嬉しかったので、食べかけて切り口が見えるところを写真でおさめました。

「なあんだ、ただのステーキとフライドポテト?」とはおっしゃらないでください!

お品書きをめくっていて目をひかれた文字は、これでした。

文字にミスがありますが許してあげてください

トローの骨つきあばら肉のステーキなのです。
フランスでも、トローを食べられる地域はかなり限られているはず。

taureauトロー)とは、去勢されていない雄牛のこと。

闘牛に使われる牛の種類なのです。南仏には闘牛場がありますので、この牛を食べる文化があるらしい。

以前にもプロヴァンスで食べたことはあったと思いますが、今回のは肉が柔らかったし、焼き加減も良かったので、とてもおいしかったです。

トローでも最悪なのは、闘牛場で命を落とした牛の肉ではないでしょうか? 極度のストレスで固くなってしまった肉などはおいしいはずはないと思うのですが、闘牛が終わった後に売り出される肉はファンには人気がある貴重な食材なのだとか。

私が食べたのは、闘牛用のではなくて、食肉として飼育されたトローだったはずです。


野良猫の親子と分け合って食べた

ところで、「コート(côte)」と呼ばれる骨付きあばら肉は大きな部分です。このレストランではトローの薄切り肉の煮込み料理もあったのですが、コートの方は美味しい部分なので、こちらを注文しました。

上に入れた写真は断面図を見せる角度で撮影したので大きさは見えないと思うのですが、かなり大きな肉でした。

幸いにも、中庭で食事していたレストランにはノラ猫親子が現れたので、彼ら親子と分け合って食べました。



ウエートレスの女性は、猫の親子を見ると追い払っていたのですが、しっかりと戻ってきました。

骨つきの残り肉をあげたら食べてくれると思ったのですが、庭を汚さないようにという配慮と、ウエートレスさんに見つからないようにという配慮で、肉を小さく切ってあげるので大変でした。

レストラン側にしては、衛生に悪いとクレームをつけるお客さんのために追い払いたかったのでしょうけど、いいじゃないですか?...

私のところでお腹いっぱいになる肉を食べた親子は、食事が終わったテーブルに行って、子どもたちになぜてもらっていました。

ホームレスの生活は厳しいだろうけど、親子猫ちゃんには元気に生き延びてもらいたい...。


トロー(taureau)と呼ばれる牛がいた

食事を終えてから村を出たのですが、平野に降りると、牧場のかなたにトローたちの姿が見えました。

taureaux

ごめんね。お仲間を食べちゃった…。

ちなみに、写真に写っている白いものは、カメラを向けたら飛んできて入った鳥たちです。私には見かけない鳥なのですが、サギかな?...


プロヴァンスで食べる「トロー」と呼ばれる牛は、こういう黒い牛のはず。闘牛に登場する牛ですが、正確に言うと「Taureau de Camargue(カマルグのトロー)」と呼ばれる品種の牛でしょうか?

* カマルグとは、フランスで最も大きい面積を誇るアルル市に属している地中海に面した湿地帯で、フランスで生産される米の産地であり、フラミンゴなども生息している自然の宝庫です。

フランスの牛には色々な種類があります:
☆ Wikipédia フランスの牛の品種一覧ページ: Race bovine française


普通の牛でも、去勢されていないオス牛は「トロー(taureau)」と呼ばれます。

ブルゴーニュで見るトローと呼ばれるシャロレー種の肉牛については、
過去の日記に写真を入れてあります ↓
「雄牛がいる牧場には入るな」と言われて 2006/05/06

でも、こういう雄牛は種付け用であって、あまり食用にはしないではないでしょうか? 少なくともブルゴーニュではトローという名を残した肉料理は食べたことがありません。

去勢されていない雄牛も食用になるのだそうですが、乳がでなくなった乳牛と同じように、安物の肉となって市場に出るのか?... トローは、普通のオス牛(ブッフ)より肉が固いと言われます。




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2008/08/01

シリーズ記事 【夏の誕生パーティー】 目次へ
その5


昼から始まって夜まで続くホームパーティーでは、夕食は軽く出します。お昼にたらふく食べてしまっているし、そもそも昼食が終ってからそれほど時間がたたないうちに夕食になるのですから、そんなにご馳走を容易する必要はないのです。

たいていは、昼の食事がたくさん余っているので、それを食べる。ここで招待客が夕食まで残ってあげないと、パーティーを主催した家族は残り物を1週間も1か月も食べ続けるという羽目になってしまうと思います。

残り物だけでは悪いので、何か新たに料理を加えたりはします。冬だと、一番簡単に大量にできるのがオニオンスープかな?・・・


ピストゥー・スープ

前回の日記で書いた誕生パーティーの夕食では、マルセイユに長く住んでいた人が作ったプロヴァンス料理でした。

スープ・オ・ピストゥー (soupe au pistou)という名のスープです。

大鍋で作ったスープ!

バジルの香りが強くて、いかにもプロヴァンスらしい料理です。

ピストゥーというペーストを作って(オリーブオイル、ニンニク、バジルが欠かせない原料)、それを野菜スープに入れるというものらしい。

ペースト状にしたピストゥーも市販されています ↓

 ピストー【バジルペースト】



前々回の日記で写真を入れた、パーティーの準備で疲れて眠りこんでしまったお隣の家のご主人も、この時間くらいまでは活躍していました。

「スープだぞ~!」と召集をかけるのは軍隊で行われるらしくて、それ風にラッパを鳴らしていました。

スープを知らせるラッパ

食事を知らせる軍隊の歌があるらしくて、それを歌っている人たちもいました。

ちなみに、写真の手前に見えるのは、メシュイにした羊や、イノシシの肉の残りをバーベキューで温めたものです。


1か月くらい前には、滞在のお礼にピストゥーをふるまわれていた

このプロヴァンス料理のスープ・オ・ピストゥーは、ブルゴーニュでは食べる機会は皆無というほどの郷土料理です。ところが、1か月くらい前に、マルセイユから友人夫婦が来ていたので、ご馳走になっていました。

このときは、ブルゴーニュで一番大きな町ディジョンの朝市に一緒に行って、スープの材料の買い出しをしました。

材料集めが大変なのです。なにしろ南仏では普通な材料を、これだけ北の地方で見つけようというわけですから。

これは野菜スープなのですが、色々な豆が必要らしくて、市場を歩きまわって探し集めていました。名前は忘れましたが、必要なのに見つからない豆もあったとか。

材料が揃ったところで写真をとっておかなかったのを後悔します。私などは使ったこともない豆があったのでした。

覚えたのは、ココというインゲン豆。フランス語では「アリコ・ココ(haricots coco)」と韻を踏んでいる名前なので、一度聞けば覚えてしまいます!

ココ豆は、見た目も忘れられない姿をしています ↓

アリコ・ココという名の豆


夏にスープ?・・・ と思ったのだけれど

フランスでは、スープは冬の家庭料理と決まっています。マルセイユの友達が来のは恐ろしく寒かった6月だったので、スープも受け入れられる季節ではありましたが、いちおう夏なのに、なぜスープ? と思ってしまったのでした。

10人くらい集まる食事会になったので、スープが冷めないように私が日本から持ってきた土鍋を使うように勧めました。

ところが・・・

生ぬるい状態のスープで食べても良い料理なのだそうです。数時間前に仕上げたスープは、温め直すこともなく、生ぬるい感じで出されました。

土鍋だったので完全に冷めてはいなかったのが良かったのかな?・・・ すばらしく美味しいスープでした。

冷めてしまっても味が落ちないスープというのは便利なものだと思いました。熱々のスープでなければ、夏にも食べられますよね? スペイン料理で冷たいスープがありますが、そんな風に冷蔵庫の場所をとって冷たくする必要もない。

きわめて便利なスープだと思いました!


スープ・オ・ピストゥーのレシピは色々ある

このスープは、バジルの香りが強くするのが特徴の野菜スープです。スープと言っても、汁は少なくて、ほとんど野菜の煮込みにできあがります。

まず、パスタを入れるか、ジャガイモを入れるかという二つに分かれるそうです。

マルセイユから来た友達のは、ジャガイモを入れていました。
それで少し、トロ味がでます。

マルセイユから来た友達が作ったスープ

誕生パーティーで出たスープの方は、マカロニのようなパスタが入っていました。
本場の材料を探しまわらずに、家庭菜園にあった野菜ばかりで作ったそうです。

誕生パーティーで出されたスープ

上にまぶしたチーズも違いがありますね。私の家で作ったのはパルメザンチーズですが、パーティーの方はグリエールチーズのようでした。

南仏独特の野菜を使わなかったパーティーのスープでしたが、なかなかおいしいものでした。

お給仕が終ってひと段落したころ、早くもおかわりを所望する人たちが現れたのですが、途中でなくなってしまったようです。

他にも食べるものはたくさんあったので問題はなかったのですが、食べすぎた後の食事って、いくら大食漢のフランス人でもさっぱりした野菜スープは良いものなのですね。


スープ・オ・ピストゥーの作り方
いつか作ってみたいと思ったので、レシピを探してみました。

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2008/03/31
ブルゴーニュで一番大きな町はディジョン市。
・・・と言っても、人口は20万人にも満たない、のどかな町ですが!

幾つか名産物があるディジョンですが、前回の日記(フランスにも柚子が進出? と思ったのだけれど・・・)で書いた食事をしたとき、いかにもディジョンらしいデザートをいただきました。



クレーム・ド・カシスで焼いた洋ナシ。
付け合わせはパン・デピスの入ったアイスクリーム。

カシスとパン・デピスは、ディジョンを代表する食材なのです。


◆カシス

ここブルゴーニュでは、本当によくカシスを使います。

そもそも、カシスの木はブルゴーニュの土地に合っているのではないでしょうか? 挿し木すると、もう翌年には実を収穫できてしまいまうのですから!




ブルゴーニュの食前酒「キール」も、白ワイン(正式にはアリゴテに限ります!)に、カシスのリキュール(クレーム・ド・カシス)で作ります。

いつも同じではつまらないというわけで、カシス以外の果物のリキュールを使ったりもしますが、かなり例外的です。

 情熱のオーガニックカシスリキュール


カシスの風味を付けた洋ナシのデザートはブルゴーニュでは食べる機会が多いのですが、このレストランのはとても上品に仕上がっていました。

伝統的には赤ワインで梨を煮るので、色も味も濃くなってしまうのがいけないのかも知れません。

レシピを探してみたら、今は亡きベルナール・ロワゾー氏のレシピが出てきたのでリンクしておきます。
☆ Poires Rôties au Coulis de Cassis



◆パン・デピス

洋ナシのデザートの付け合わせは、パン・デピスが入ったアイスクリームでした。

パン・デピスはディジョンのお土産としても定番なのですが、普通は、下のようなパウンドケーキとして売られています。


ずっしり蜂蜜の入った手作りパン フランス産 パン ド エピスPAIN D'EPICE

パン・デピスはフランスでは珍しくはないのですが、ディジョンのがおいしいということになっています。

私のレストランでは、それを砕いてアイスクリームに入れています。シェフはレシピを公表しているので、私の友達の中にはそれを作る人もいます。

奇抜な取り合わせですが、おいしいアイスクリームになります。

常々、パン・デピスとは何のスパイスからなるのか気になっていたのですが、
それを売っているお店が紹介していました ↓


フランス産 高級スパイス(パン デピス)


ディジョンが誇るパン・デピスは、日本にも紹介されていたのでした♪

 フランスの地方で巡り逢ったパンとお菓子の本格派レシピ


ブログ内の関連記事:
ブルゴーニュ白ワイン「アリゴテ」と食前酒キールの関係 2009/03/03
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2007/12/14

シリーズ記事目次 【フランスで「スープ」と呼ばれる料理、土鍋】 目次へ
その3


私がフランス人たちを家に招待して食事を出すときには、見た目を工夫しています。お料理が上手なわけではないので、そんなところで努力しているわけです。

日本の食器も、かなりフランスに運びこんでいます。
そして、冬を演出できるのは土鍋。

土鍋は、いかにも日本的に見えますが、フランス料理でも煮込み料理を作るときには重宝します。

例えば、ブルゴーニュの郷土料理「コッコヴァン」。


◆コッコヴァン

下ごしらえを終わって、煮込む段階になったコッコヴァンです。



これは友人が下ごしらえしたものですので、念のため。
こういう郷土料理には私は手を出しません。

彼らの聖域を荒らすようで申し訳ないから!
というより、友人それぞれが「このレシピが一番!」というのを持っているので、私が作ったって、どうせ褒めてもらえないだろうと思うからです。

コッコヴァン(coq au vin)とは雄鶏の赤ワイン煮です。ただし、白ワインで作るレシピもあります。

肉屋さんで鶏肉をブツ切りにしてもらいます。



このお肉は3キロ強ありましたが、5キロくらいのもあるそうです。小さいのは避けるべきですが、余り大きすぎるのも気持ち悪い。3キロくらいのが適当ではないでしょうか?

雄鶏を一晩ブルゴーニュの赤ワインにつけておいて、それからコトコト煮ます。

大きな雄鶏を使うのが正式。雄鶏は肉が固いので、長く煮込んでも身が締まっていておいしいのです。

料理の名前にあるcoq(コック)とは雄鶏の意味ですから、普通に売られている鶏肉である「poulet(若鶏)」を使った料理は、ブルゴーニュの人は認めません!

でも、コックは、どこでも売っているという食材ではありません。 たいてい大きく育てるので、身が硬いです。それで、コッコヴァンのようにコトコトとワインで煮る料理にするのに向いているわけです。

ついでに、コックとして売られていた鶏の写真も入れておきます。



先日の日記(水車小屋では眠れない?)でお話しした朝市に行ったときに撮影した写真です。

1羽12ユーロ(約2,000円)で売っていました。
さすが鶏の産地なので安いです。自分で毛をむしれるなら、肉屋さんで買うより安いと思いました。この雄鶏たちは、さらに大きく育てるために売られていたのですが。

コックって、きれいなトリでしょう?
これを食べるなんて! トサカの部分が珍味だなんて言う人がいたりして!

... と言いながら写真を入れてしまうなんて残酷でした...。


◆フランス人も土鍋を欲しがる

テーブルの上にのせた土鍋はゴトゴト煮続けているので、コッコヴァンはいかにも美味しそうに見えます。

しばらくして、蓋を開けてお代わりをするときにも、始めと同じくらい暖かい。このとき、たいていのフランス人は驚きます!

「日本から土鍋を持ってきて」、とも頼まれたこともあるのですが、こんなにがさばって重い物を運んでくるのは大変です。それに、一人に持ってきてあげたら、同じ友達グループの他の人から言われたときに持って来ないわけにはいかなくなるのも問題になります...。

それで、「パリの中国人ショップで売っているわよ」などと、冷たい返事をしてしまいました。確かにフランスでも売っているのです。でも、売っているのは柄もない土色トーンで、いたって味気ない土鍋です。

「でも、持ってきてあげなければならないかな?...」などと悩んでいたら、「そんな大きなものを頼むなんて、厚かましすぎる」という友達がいたので、気にしないことにしました。


◆フランスにも土鍋のようなものがあった

できあがったコッコヴァンの写真をとっていませんでした。

下の日記で、レストランで食べたものの写真を入れていましたので、ご興味があったらご覧ください。煮込んでいくと、こってりとしたトロミが出るのがコッコヴァンの出来上がりの姿です。

ブルゴーニュの郷土料理

チーズ・フォンデューの鍋に似たものを使っていました。
今この写真を見て、これって土鍋のようなものではないか、と気がついたのでした。

こういう土でできたものは、スペインが本場ではないでしょうか? スペインを旅行したときに、こういう土でできたオーブン皿を買ったことがありました。

いづれにしても、土鍋に比べたら味気ないですね...。
それに、こういう土鍋には蓋は存在しないと思います。


土鍋は荷物になるのですが、この冬は、自分ように、また一つ持っていくことにしました。小さいのがあるのも便利だと感じ始めたのです。

続き:
フランス人に喜ばれるお土産: 土鍋

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