| Login |
2017/09/14
今まで気にしたことがなかったのですが、今年はとても気に入ったフルーツがありました。

mirabelleミラベル)という西洋スモモです。

いかにもフランス語と感じさせる単語。日本語訳があるのではないかと調べたのですが、ミラベルと呼ぶしかないみたいでした。英語でもmirabelle plumと呼ぶようです。

少し前に友人が作ってくれたミラベルのタルトが素晴らしく美味しいと感激したので、短い間に2度作ってもらっていました。




前回に書いた「ブドウ収穫をしている人たちのために、ワイン農家が用意していた料理」で書いた農家が作っていたのはミラベルを使ったクラフティーでした。

クラフティーなら、私はサクランボのシーズンにはよく作っています。ミラベルでも作れるならと、この後さっそく作りました。簡単に作れて美味しい♪

ミラベルが余ったのでジャムを作ろうかと思うと友人に相談したら、ジャムの中でもミラベルのは最高なのだと言われたので、これまた作ってしまった。


ミラベル・ジャムのレシピ

サクランボで作る私のクラフティーのレシピでは、種は取り除かないので、ミラベルもそのまま入れました。ですので、クラフティーを作るのは簡単だったのですが、ミラベルのジャムでは種を取り除く作業に時間がかなりました。でも、小さな種が入っている果物をこすのに比べたらずっと楽でした。

作った写真は撮らなかったので、使ったレシピの紹介に入っている画像はこちらでご覧ください

材料:
  • ミラベル 1キロ
  • グラニュー糖 500~750グラム(甘くしたくない場合は少し減らす)
  • レモン 1個

作り方:
  1. ミラベルは洗ってから種を抜き、砂糖とレモン汁を入れてかき混ぜ、冷蔵庫で一晩寝かせる(12時間以上)。
  2. 翌日、鍋に入れて再びかき混ぜ、煮る。灰汁が出てきたら取り除く。煮ている時には、かき混ぜて焦げないようにする。沸騰してから20分くらいでジャムになる。
普通にジャムを作る時は、果物と砂糖の割合は1対1。でもミラベルは果実のままでもかなり甘いので、レシピの砂糖の分量は控えめにします。確かに、フルーツで作るジャムの中で一番美味しいと言われたのも理解できると思うおいしさに出来上がりました。


ミラベルは日本では手に入りにくい?

フランスでのミラベルの産地として有名なのはロレーヌ地方なのだそう。ドイツに近くて、アルザス地方に隣接している地域です。こういう感じのフルーツだと南仏で生産されるイメージがあるのですが、そんなに日照が良くなくても育つのかな?...

ミラベルは、日本で生産して売っているものは市販されていないような感じがしました。日本で農業をしている友人にミラベルの木を植えて育ててみたら? と言いたくなって調べてみたら、苗は日本でも売っていました。でも、お高い...。




ミラベルは気にしたことがなかった

フランスにはプラムの類いが色々あるので、名前をちゃんと覚えていなくて、ミラベルに注目したことがなかったらしい。それと、ミラベルは出回る期間は短いそうなので、売っているフルーツを見かけることが少なかったかもしれない。

今まで「mirabelle(ミラベル)」と聞くと、アルコール度が高い果実酒を思い浮かべていました。

自家製でミラベルのブランデーを作っている人も多いので、馴染みのある名前。

梅酒のように作るわけなので、ミラベルは甘味がないプラムなのだろうという印象を持っていました。

ところが、このフルーツは酸っぱさが全くなくて、とても甘いのです。

もっと早くからお気に入りにしたかった...。先日行った朝市で農家直売のミラベルを買ったときには、これが最後で、もうシーズンは終わりだと言われたのでした。

ミラベルをジャムにすれば数年でも保存しておけるそうなので、もっと作っておきたかった...。





  


ブログ内リンク:
サクランボのクラフティー 2005/06/21
アプリコットは皮をむかないでデザートを作るのか? 2006/08/11
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
フランスの万能フルーツ!初秋の果実「ミラベル」 とは?
Confiture de mirabelles... l'or des lorrains !!!
Recettes à base de mirabelles
☆ Wikipédia: Mirabelle » Mirabelle de Lorraine


にほんブログ村 グルメブログ フランス料理(グルメ)へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (2) | Top
この記事のURL | Rédiger
2016/12/15
私がデジカメ写真を撮るようになってから、栗の実を撮影したのはこれ1枚だけだったようです ↓



シャブリの町の八百屋さんで撮影していました。ブルゴーニュワインの銘柄にもなっているシャブリの産地の中心になっている町です、

栗にしては値段が高いと思って写真をとっていたのか? あるいは、マロンと呼ばれる高級な栗があるのだ、と一緒に旅行していた友人が教えてくれたからだったのか?

この町にはワインビジネスで経済的に潤っている人たちが住んでいるからなのか、この八百屋さんも高級な食材も扱っているのです。珍しい野菜なども売られているので、陳列されているものを眺めるだけでも楽しめてしまいます。このときは、森で採れる野生キノコなども写真に収めていました。

シリーズ記事目次 【栗のマロンには不思議がいっぱい!目次へ
その6

ここのところ栗について書いています。日本では、マロンと呼ばれる栗はイガの中に1つだけ実が入っている栗だと言われていると聞いて、そんな珍しい栗だからマロンは高いのかと思ったのですが、そうでもないらしい。結局のところ、フランスでは大きくて見事な栗が「マロン」として売られているのではないかと思い始めているところです。


安いマロンもある...

上に入れた写真では、栗にはMarron(マロン)と書いてあって、1キロ5.50ユーロ。600円くらいですね。10年前に撮っているので、今はもっと高いのかな。もう生栗を売るシーズンは終わっているので、今のお値段は探しても出てきませんでした。

2008年の新聞記事が見つかったので呼んでみたら、その年は栗の不作だったらしくて栗の値段が高騰していると書いてありました。貧しい人たちの食べ物だった栗が、今ではぜいたく品になってしまったという内容の記事。

スーパーでも1キロ850円もするマロンが売られているのもあるとのこと。パリでは、bouche de Bétizacという品種の栗(マロンにされている品種のはず)が、1キロ12.8ユーロ(1,500円)という法外な値段で売られていた、などと書いてありました。

マロングラッセは高価だというのはありますが、それ以外の栗はフランスでは余りにも高かったら買い手が少ないと思うのですけれど。来客があったときに栗を使った料理を出しても、野生のキノコを出すときのようには感激してもらえませんから。


材料費がこのくらい高いマロンで加工食品を作ったら、そのお値段も高くなると思うのですが、そうでもないのです。

例えば、こちら ↓
左は、栗の食品を作っているを有名メーカーのマロンのピューレです。

439グラム入りの缶が、250円くらい。

商品画像を拡大してみると、正面に書いてある文字で、材料は「シャテーニュ」と水だと分かります。

つまり、商品を手に取って眺めてみただけで、マロンとシャテーニュの文字が並んでいるわけなのですよね...。


前回に書いたように(フランスでは、どのような栗を「マロン」と呼ぶのか)、栗をマロンと呼ぶためには業界では基準がありました。栗の仕切り率が12%以上あったら、「マロン」ではなくて「シャテーニュ」になります。

その条件をクリアーしていない栗でも、「マロン」という文字を入れて売って問題がないのだろうか?


栗の加工食品や料理の名前はどうなっている?

フランスにある栗の加工食品や料理名で、マロンとシャテーニュという言葉がどう使い分けられているかを眺めてみました。マロンもシャテーニュも栗には違いないのですが、なんとなく法則のようなものがあるように感じたので最後に書いてみます。

なお、フランス南部にある栗の生産地では、昔から栗をたくさん食べていたようで、色々なものがありましたので加えておきます。食べ物の名前はその地域で使われていた言葉なので、文字を見ただけでは私には想像もできませんけれど。


一般的に知られている食品
Marrons chauds


Châtaigne
s grillées


焼き栗
※ 秋から冬にかけての街頭にある屋台には「マロン・ショー」と書いてあることが多いですが、「châtaignes grillées(焼きシャテーニュ)」と書いてあることもあります。家で作ることもありますので、シャテーニュは使わないということはありません。

Marrons (Confits) Entiers

ホールマロン
サバトン社のMarrons Entiers: マロン (日本代理店情報: マロン
クレマン・フォジエ社の「Marrons Confits Entiers au Sirop」の原料: 
マロン

Marrons précuits

ボイル剥栗

Farine de châtaigne

栗の粉(シャテーニュ)

Wiki仏語
  
※ 調べまくって確認したわけではありませんが、栗を小麦粉のようにしたものは、絶対にマロンという文字は使わないように感じます。
※ 乾燥させた栗で作る栗粉は、昔のコルシカ島ではよく使われていました。たいていは、下に入れるPulendaにしていたのだそう。
Crème de marrons

マロン・クリーム

Wiki仏語
クレマン・フォジエ社の「Crème de Marrons de l'Ardèche」の原料: シャテーニュ(50%)、砂糖、グルコースシロップ、マロングラッセ、バニラ ほか (日本代理店情報: 栗)
サバトン社の「Confiture de Châtaigne - Crème de Marrons」: シャテーニュ

Confiture de châtaignes

シャテーニュ・ジャム

Pâte de Marrons

マロン・ペースト
クレマン・フォジエ社の Purée de Marrons Natureの原料: シャテーニュ

Purée de marrons

マロン・ピューレ
サバトン社フランスPurée de Marrons: シャテーニュ (日本代理店情報: マロン
クレマン・フォジエ社の
Purée de Marrons Nature: シャテーニュ
スイーツ
Marron glacé

マロングラッセ

Wiki仏語
Wiki日本語
 
クレマン・フォジエ社の「Marrons Glacés Gros Cassés Frais」の材料: マロン、シロップ、バニラ

Mont-blanc

モンブラン

Wiki仏語
Wiki日本語
マロン・クリームを使ったケーキ。アルザス地方では「torche aux marrons」と呼ばれる。

Bonbons à la Crème
de Marrons de l'Ardèche

アルデッシュのマロン・クリーム飴

フランスのメーカーサイト
原料: マロン・クリーム(25%)シャテーニュ(50%) ほか
料理
Dinde aux marrons

七面鳥の栗添え

Wiki仏語
※ レシピとしては、「Dinde aux châtaignes」も存在しています。

Velouté de potimarron
aux
châtaignes

シャテーニュ入り南瓜のヴルーテ(スープ)
※ こちらもマロンを入れた料理名にしているものもあります(Velouté de marrons) 。私の個人的な感覚ですが、マロンよりシャテーニュの方がアトラクティブです。こちらは、亡き3つ星シェフのレシピVelouté de Châtaignes

アルデッシュ県栗生産者委員会(Comité Interprofessionnel de la Chataîgne d'Ardèche)のレシピ:
Recettes
アルコール飲料
Liqueur de Châtaigne

シャテ-ニュのリキュール

栗の生産地にある伝統的な加工食品と郷土料理
Pulenda

Wiki仏語

※ 栗(シャテーニュ)の粉で作ったパン

Ardéchois à la crème de marrons


Wiki仏語

マロン・クリームとラム酒で作られたケーキ

Bajana

別名:
Soupe de châtaignes des Cevennes

Wiki仏語

※ 乾燥させた栗で作る伝統的なスープ

Lou Pisadou

Wiki仏語

マロン・クリームで作るガレット

Castagnou

Wiki仏語

シャテーニュ・リキュール(ないしシロップ)
に白ワインを加えてつくるキールのような食前酒


Pietra

Wiki仏語


※ モルトとシャテーニュの粉で作ったビール


マロンとシャテーニュの使い分けは?

眺めてみて、私はこんな風な規則があるのではないかと思いました。


1栗が原型を留めていて、何かを作る材料として売る場合

栗がマロンであるかシャテーニュであるかを明確にしている。
【例: ホール・マロン、栗の粉】

2マロン・グラッセ

大きくて見事で、割れない栗が好ましいので、マロンを原料とするが原則である。一般向けのレシピでも、材料にはマロンを指定している。安く売っているマロン・グラッセではシャテーニュを使っている場合もあるのではないかと疑うのだが。

3定着している料理名

マロンを原料に使っているか否かは気にせずに「マロン」という言葉を使う傾向がある。
【例: 焼き栗のマロン・ショー、七面鳥のマロン詰め】

4栗のジャム

Crème de marrons(マロン・クリーム)もConfiture de châtaignes(シャテーニュのジャム)も同じような栗のジャムだが、マロンという言葉を出すときには「クレーム」を使い、シャテーニュなら「コンフィチュール(ジャムのこと)」と組み合わせることが多いように感じた。ただし、「マロンのジャム」となっている場合もある。

マロン・クリームは、本来はマロングラッセを入れたジャムだが、商品化されているものでも入れない場合もあると言われる。一般向けのレシピでは、マロングラッセは入れない方が多いように感じた。

クレーム・ド・マロン(マロン・クリームのこと)という名前には「マロン」の文字が入っているわけだが、マロンでなくてシャテーニュで作ることもあり、その場合にマロングラッセが入っていなければ「マロン」とは無関係なわけで、コンフィチュール・ド・シャテーニュ(シャテーニュのジャム)とすべきなのだが、クレーム・ド・マロンは定着した名前なので気にしないようだ。

5マロン・クリームを使ってあれば「マロン」が付いた料理になる

ケーキなどの材料にマロン・クリームを使っているときには、シャテーニュで作っていても「マロン」としているようだ。

マロン・クリームに類似したペーストやピューレは、マロン・クリームを連想させるために「マロン」という言葉を使っているように感じる。

5栗の粉を使った料理

栗の粉(Farine de châtaigne) がシャテーニュなので、料理でもシャテーニュを使う。
【例: Soupe de châtaignes】

6栗で作ったアルコール飲料

マロンと付けているものは無いように感じた。自然に生えている栗の木から取れるシャテーニュの方が野性味があって美味しいのではないか、と私は感じる。

7推察: かなり、いい加減に使い分けているのではないだろうか?...

マロングラッセ、大量にマロンを使う料理を除けば、「マロン」を味わうのだとは意識しない方が良いのではないか?



ここにリストアップしたクレーム・ド・マロン(日本ではマロン・クリームと呼ばれているらしい)に私は余り馴染みがありません。フランスで栗の産地を旅行したときには買って帰ったような気がしますが、食べたのかどうかの記憶もありません。

どんなものなのかなと調べてみたら、面白い誕生の歴史があったのです。それを後で書くことにします。

続き:  日本で言われるマロングラッセのお話しは、フランス的な冗談では?

★ シリーズ記事目次: 栗のマロンには不思議がいっぱい!



ブログ内リンク:
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
chataignes et marrons produits du terroir français specialites regionales
Quelques préparations culinaires à base de Châtaignes et Marron
☆ Le marron: Va t-il prendre une châtaigne | Dâme châtaigne - Châtaignes
☆ ladepeche.fr: La châtaigne fruit du pauvre hier, fruit de luxe aujourd'hui - 30-10-2008


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 グルメブログ フランス料理(グルメ)へ
にほんブログ村



カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (5) | Top
この記事のURL | Rédiger
2016/12/12
フランスでは、栗は「シャテーニュ」と呼ばれたり、「マロン」と呼ばれたりします。さらに、マロニエという木があって、その実は栗に似た形をしていて「マロン」と呼ばれますば、こちらは食用にはなりません。ややっこしい...。

シリーズ記事目次 【栗のマロンには不思議がいっぱい!目次へ
その5


私が気になって書き始めたのは、食べる栗のシャテーニュとマロンがどう違うかです。

すでに書いたことを整理してみます:
  • マロニエはセイヨウトチノキ。
  • マロニエの果実「マロン」は、食べることができない。
  • マロニエと栗の木(シャテニエ)は、咲く花が全く違うなどの特徴があるので見分けることができる。
  • フランスにマロニエが入ったのは1615年というのが定説。

  • 栗の木はシャテニエ、食べられないマロンと呼ぶ実がなる木はマロニエ。しかし、辞書にある「マロニエ」には「栽培された栗の木」という記述がある。栗の木には、マロンと呼ばれる実がなる品種があり、その木のことを業界では「マロニエ」と呼んだりしているのだ。

  • 日本では、イガの中に栗が1つだけあるものを「マロン」だとする定義が定着している。
  • フランスでも、本来のマロンはイガの中に実が1つだけの栗だったらしい。この場合のマロンは、イガの中の外側にある胚珠が発育不全なために、中央の1つの実が残って大きくて丸い栗の実になったケース。
  • フランス語のmarron(マロン)の語原はラテン語。
  • 16世紀のフランスでは、イタリア語から入った言葉の「マロン」と呼ぶ栗が美味しいとの評判があった。
  • 私の憶測: 小麦が収穫できない地域ではシャテーニュが小麦粉の代わりに庶民の栄養源となっていたために、悪いイメージがあるので、大きくて美味しい栗はマロンと呼んだのではないか。


日本では「イガの中に実が1つ」の栗をマロンと呼ぶと言われているのですが、フランスでのマロンの定義はどうなのかということを今回は書こうとしています。

インターネットで検索すると、栗のマロンとシャテーニュがどう違うかを書いたフランスの情報はたくさんあるのですが、読んでいると混乱してくるので難航しました。植物関係の用語は、フランス語でも日本語でも、私には何のことかよく分からないので...。

勇気づけられたのは、ヨーロッパ栗を輸入している菓子メーカー「仏蘭西焼菓子調進所 足立音衛門」のサイトに入っている情報でした。私がそうではないかと推察していたことを的確に示していると思えたのです。「ヨーロッパ栗へのこだわり」に書かれている「マロン(イタリア語でマローネ)」が何であるかの説明は、こうなっていました:
  • 基本的に毬の中に栗の実が一つ程度入った大粒の栗で、中央部に割れ目のないものを指すと言われています。
この「割れ目がないもの」というのが、フランスでマロンと呼ばれるときの最大のポイントになっているように私には思えたのです。つまり、イガの中に実が1つであるか否かは、二の次というわけです。




フランスの栗栽培者には、マロンとシャテーニュの区別は簡単

フランス人でも、栗のマロンとシャテーニュの違いがどこにあるのか分かっていないようです。でも、栗を栽培して収穫する職業に携わる人たち(農業者ではなくて、castanéiculteurと呼ぶと学びました)や、栗を扱う業界の人たちにとっては、この2種類の栗の区別は非常に明白なのだそうです。

最も単純な説明は、これ:
  • マロンは、栽培されている栗の木から収穫される。
  • 自然に生えている栗の木から取れる実は、シャテーニュ。

マロンは、品種改良したり、接ぎ木したりして栽培している栗の木から取れる栗の実ということになります。接ぎ木した栗の木であることがポイントらしい。

でも、フランスの栗栽培では、平地の果樹園のようなところに栗の木をたくさん植えているというより、山の中で自然に生えているように見える栗林であることも多いのです。

栽培されている栗がマロンであるというだけではなくて、まだ裏がありそう...。

マロンとは何かを簡潔に説明している栗栽培農家の人の声がありました。


Châtaigne ou marron ?

「シャテーニュとマロンはどう違うのですか?」と聞かれて、「ハッ、ハア~」と言って2人で笑っているところを見ると、よくされる質問なのでしょうね。

彼女が言っているマロンと呼ばれる栗の定義:
  • 栗の木には、マロンとされる実がなる品種と、シャテーニュとされる実がなる品種がある。
  • マロンとされるのは、皮が1つで、仕切られていない。つまり、胚芽は1つ。
言葉だけでは理解できないので、図や写真で説明しているのを探しました。まず、「仕切られていない」というのは何のことなのかが第一の疑問です!


Q 1. これは何の絵?

まず、ややっこしいのは、食べる栗のマロンと、食べられないマロニエの実(マロン)がよく似ていることです。つまり、マロニエの実のマロンには「仕切りがない」のです。似ているから、両方とも「マロン」と呼ばれるのでしょうけれど。

栗の木とマロニエの樹木としての違いを見せる画像を、このページの最後に入れておきます

栗のマロンとシャテーニュの違いを説明しているサイトでは、判で押したように、こんな絵が入っていました。




Marron(マロン)と書いてあるだけでは、栗の実なのか、マロニエの実なのか分かりません。

描かれているマロンは食べられないマロニエの実だということもあり得ますが、両方とも栗の絵だと私は思いました。

栗の特徴は、頭のてっぺんにトーチ(たいまつ)の先みたいになっていると学んだのですが、上の絵には両方ともそれが見えるからです。

これが、栗のトーチと呼ばれる部分 ↓


マロニエの実の方は、頭のてっぺんがツルンとしているのだそうです(画像入りサイト)。

2つの絵を示しているのは、栗のシャテーニュとマロンの違いを説明するために入れているのですから、描かれているのはマロンとシャテーニュの違いを見せるための2種類の栗を示しているのだろう、と想像します。

しかし...

この2つの絵は何を見せようとしているのでしょう? イガの中に栗が1つだけなのがマロンだというのを示しているなら、イガを輪切りにした絵となります。でも、私には、栗を輪切りにしたようにしか見えないのですけれど...。


◆ フランスの栗業界でのマロンの定義

確信できたのは、マロンとシャテーニュは栗の木の品種で区別されているということでした。つまり、栗の木には、マロンが収穫できる品種と、シャテーニュとされる実がなる品種がある。

栗業界のサイトが示しているマロンとシャテーニュの違いは、下の絵でした。それを見せながらしている説明によって、市場に出る栗をマロンかシャテーニュかを決めている定義が分かります。


技術者は次のように用語を使う。
マロン marron は、仕切られている果実 fruit cloisonné (果実の仁 amande が複数の2番目の皮 deuxième peaux によって2つに分割されている)が12%未満である栗の木の品種。
シャテーニュ châtaigne は、仕切られている果実の割合が12%以上の品種。
☆ もう少し詳しい情報: Fructification chataignier 

図の上に描かれているのは、イガの中に栗が3つ入っているのだ分かります。下は、また同じような絵。ここでも「仕切られている」ことがポイントなわけです。

マロンが何であるかの説明ですが、1本の栗の木から取れる実で「fruit cloisonné(仕切られている果実)」の割合が12%未満なら「マロン」がなる栗の木の品種とされる。つまり、全部がそうでなくてもマロンで良いということになるわけですね。

※ 前回の記事「イガの中に実が1つだけの栗がマロンって、本当なの?」を書きながら、イタリア語の情報をフランス語に自動翻訳させて読んだのですが、イタリアでも「12%」でボーダーラインをひいていました。フランスとイタリアの基準が同じということは、欧州連合(EU)で決めているのかと思ったのですが、この定義がフランスで使われるようになったのは1954年であるという情報がありました。


Q 2. 「仕切られている」って、何が分割されているということ?

仕切られていない実がマロンで、仕切られていたらシャテーニュとされる。
それは分かりました。

シャテーニュとマロンの輪切りの絵でも、それを示していると考えられます。

「仕切られている」と訳したのですが、たいていは「cloisonné」という単語を使っています。仕切られていることを示す名詞はcloisonnement。仕切っているのはcloison(隔壁)。

こういう単語は、マンションが3つの部屋に「区切られている」とか、諸国間に市場の「障壁」があるとかいう時に使う単語なので、イメージはわきます。

でも、仕切られている、分割されている栗とは、何のこと?
何が仕切られているの?

イガの中に幾つかの栗の実が入っているのがシャテーニュ、ということ?
あるいは、1つの栗の実の中身を問題にしていて、その中で何かが幾つかに分かれているということ?

前者だとすると、イガの中に実が1つしか入っていないものがマロンである、という日本での定義になります。そうではないと主張するには抵抗があるので、日本の定義通りだと仮定した場合を考えてみます。


Q 3. イガの中に複数の栗が入っていたら、
    それは仕切られているということ?

イガの中に栗が3つ入っている場合、「3つに区切られている」という言い方をするのは不自然ではないですか? 日本人は「イガの中に3個の栗が入っている」と言いますよね?

でも、フランス人的感覚だと、3つに分かれていると言うのかもしれない。日本人のフランス語教師が、日本とフランスでは捉え方が違うのだ言っていたことを思い出しました。

何の例だったか忘れたので、ある地方に県が幾つあるかというのをどう表現しているかを例に出します。例えば、「ブルゴーニュ地方は4つの県に分かれている」という表現がフランスでは普通です。日本では、「東北地方には6つの県がある」とか「6県からなる」というような言い方をしませんか?

そういう捉え方の違いがあるとしたら、イガの中の栗も「3つに分かれている」というような捉え方をフランスではするのかもしれない...。

英語と仏語でページを入れている栗の苗木を売っているサイトでは、仕切れレている(cloisonnement)を英語ページではdividingとしていました。英語に直しても分けられているという意味ですから、何が仕切られているのかは分からない。

マロンとされる栗が収穫できる栗の木の品種があるわけなので、マロンとされる品種の栗の画像を探しました。

仕切り率が5%以下として売っている「Belle épine」という品種:
Plants de châtaigniers variété Belle épine英語ページ

ここに入っている栗の写真では、イガの中に栗が3つ入っています。もし1つでないのが5%以下の品種なら、イガの中に1つしか実がない写真を入れるのが普通ではないですか? 売っている苗木に全部同じ写真を使っているのかと疑ったのですが、ちゃんと品種ごとに違う写真を入れているのです。

もう1つの植木屋さんで、同じ品種と思われるものに入っている写真でも、イガの中に1つの写真ではありません:
Vente Châtaignier 'Marron Belle Epine' (Castanea sativa)

マロンとはイガの中に1つしか実がない栗である、という定義は疑いたくなってきます...。


Q 4. アマンド(仁)とは、なに?

栗の実の中に「amande(アマンド)」が1つしかない栗が「マロン」なのだ、という説明がありました。つまり、日本で言われているように「イガの中に栗の実が1つあるのがマロン」ではなくて、1つなのは「アマンド」。

では、アマンドとは何なのか?

「アマンド」というフランス語を聞いては真っ先に思い浮かべるのは、ナッツのアーモンドです。amandeを仏和大辞典でひくと、植物用語として「(梅や桃などの果実の核にある)」という訳語が入っていました。それに相当するのだろうと判断。

仁(じん)とは何か?
  • 種子の中にある「仁(じん)」と呼ばれる部分は、子葉となるための胚と、胚の栄養分である胚乳とからなる。
  • いわゆる食べられる木の実となり、栗などの堅果類、アーモンドなどの核果類、カシューナッツなどの熱帯果樹などいくつかに分類される。
  • かぼちゃの種やごまなどは、果実以外の植物の「種」であり、「種子類」と分類される。

さっきの絵(こちら)で、シャテーニュの絵では2つに分かれていましたが、これはアマンドが2つある、ということなのかな?...

アマンドが1つなのをマロンと呼ぶと説明している情報で、よく似たシャテーニュの絵に「amande(アマンド)」と書き加えているのが、こちらの絵

でも、専門家が書いたものではないらしいので、これが本当に正しいのかは分かりません。

栗の場合のアマンド(仁)が何なのかは放置することにします。私の興味は、「マロン」と呼ばれる栗は、イガの中に1つ入っているものなのか、栗の実の中が分かれていることを意味するのかどうか、ということなので。


Q 5. 栗を仕切っているtan(タン皮)とは、なに?

問題にされている仕切りですが、何が仕切っているかというと、tanタン皮)だというのは確かなようです。

仏和辞典で「タン皮」と訳されていたわけですが、それが何なのか分からないので、マロンとシャテーニュの違いを説明しているサイトに書かれている「タン皮」が何であるかの説明を読んで、謎解きゲームの開始 ♪
  • 2番目の皮。
  • ベージュ色の薄い皮で、苦い。
  • 普通の栗の木ではタン皮ができてしまうが、栗の中にタン皮があると苦いので、それがないマロンが美味しいとされる。
  • タン皮が発達しすぎると、実の中が亀裂してしまう場合がある。

もしも「仕切られている」というのをイガの中に複数の実があることだとすると、その仕切りになっているのは堅い鬼皮で、そんなものを食べて苦いなどと言うはずはありません。だとしたら、栗を仕切っているタン皮とは栗の渋皮のこと...

下は、芽が出始めている栗の断面図です。



この図の右にある皮の部分に対する単語で、外側はpéricarpe(果皮、種子を包む果実の部分)とあるのは、鬼皮のことだろうと思います(情報)。その内側と思われる部分がtan(タン皮)ですが、これは渋皮ですよね?

としたら、一番初めに入れた絵にあったシャテーニュの絵では、渋皮で仕切られていることを見せていることになります。

でも、栗の実の中に渋皮がありましたっけ?!

日本語で栗の詳しい情報が見つけることができなかったのですが、ドングリは詳しく書いていらっしゃる方があり、「大泉緑地の奇妙なドングリ」に入っている図6-3-3が「仕切られている」というのと同じなのではないかと思いました。

しかも、説明してくださっているのです。渋皮を取り除いた栗を食べたときに、渋皮が口の中に残る感覚がすることがあるのは、これと同じです、と。

そういうのがtan(タン皮)で、それがないのがマロンということなのではないと思って良いのではないでしょうか? つまり、フランスの栗業界では、イガの中に実が1つかどうかの問題にしていない?!



日本の栗は、はっきりと栗の実の中で亀裂しているのが多いのかも知れないと思いました。「渋皮煮」をキーワードにして画像検索すると、その典型的なものが入っていました。


渋皮煮を楽天市場で検索

九州の知人が作った渋皮煮を味わったときは、余りの美味しさに驚いたのですが、亀裂が入っている栗だったら、渋皮煮には問題ないとしても、マロングラッセを作ることはできないだろうと思います。


栗が割れると困る代表は、マロングラッセ

栗の実の中にあるのは薄い皮とはいえ、仕切りになっているタン皮(tan)には少し苦みがあるので、お菓子を作るには望ましくない。逆に、料理で使う栗では、それが独特の風味を出すことにもなる。そこでマロンとシャテーニュを使い分けるの意味があるのではないでしょうか?

マロングラッセというお菓子は、障壁のないマロンで作るのは理解できます。実の中で仕切りになっている薄皮があると、栗の実が崩れやすいだろうと想像できますから。

大きい栗で作ればマロングラッセは見事ですが、それよりも亀裂する可能性が少ない栗を選ぶ方が重要だろうと思います。実が割れてしまったら、ずっと安い価格に下げなければ売れません。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【送料無料】マロングラッセ20個入
価格:5400円(税込、送料無料) (2016/12/5時点)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

イタリア栗マロングラッセ 割れ お徳用1kg
価格:2690円(税込、送料別) (2016/12/5時点)



◆ 「仕切られている」とは、栗の実の中が区切られていることだろうと判断

フランスのサイトの情報を眺めていると、日本と同じように、イガの中に果実が1つなのがマロンだという人もいました。でも、実際に販売されている栗に関しては、業界の人たちが言う「fruit non cloisonné(仕切りがない果実)」がマロンとされていているはず。

ヨーロッパ栗へのこだわり」のページにあった、マロンは「中央部に割れ目のないものを指す」というのは、フランスで「仕切られていない」と表現されているのと同じことなのだろうと思いました。

仕切られている栗というのは、下の断面図に見えるようね薄い皮が栗の実の中にあるということでは?



私は栗を売る仕事には無縁なので、マロンの定義なんかどうでも良いではないかと思い始めたとき、栗の産地として名高いコート・ダジュールのイゾラで栗の収穫をしているニュースがYouTubeに入っているのに出会いました。どうでも良いと思いながらも、まだしつこく探求を止められなかったわけですが!...

ご覧ください! 私の推察は間違っていなかった... かもしれませんよ~♪


ISOLA RECOLTE CHATAIGNES

栗を収穫している人が、実をナイフで割って「果肉(chair)しかない」と言って見せているのです。テロップのおかげで、2つに切った栗の断面はほとんど見えないのが残念。彼はこう言っています。

この栗からはマロングラッセが作れますよ。
シャテーニュは、中部が仕切られている(cloisonné)。

栗を扱うプロにとって、イガの中に実が1つしか入っていないことより、実の中に薄皮が入っていないことの方が重要だということになりませんか?

栗の苗木を扱っている会社のサイトにある売れ行きトップ3の1つになっていたVerdale(仕切り率 > 5%)は、その品種の栗の写真を入れているのですが、栗の中身に分割が入っていないのを見せるために輪切りにしたものが入っています。

ついでに、この動画を見て、もう1つ発見しました。犬も歩けば棒にあたる。無知でもネットでサーフィンしていれば棒にあたる...。

昨日の日記「辞書が頼りにできないと困る...」で、栽培されている栗の木をマロニエというのは本当なのだろうか、と書いたのですが、このニュースの中では、栗を売る人もアナウンサーも、マロンができる栗の木をマロニエと呼んでいました。私は栗の産地とは無縁なので聞いたことがなかったのですが、栗の木も「マロニエ」と呼ばれるようです。


マロンという栗であるかどうかは、気にすることはない?

もしも栗業界で基準になているマロンの定義で「12%未満」というのが、栗の実の中が薄皮で仕切られていないことを意味しているとしたら、イガの中に実が1つかどうか、実が大きいかどうかというのは全く無視していることになります。

現在のフランス国内で流通している栗では、12%のボーダーラインは超さない品種が半部以上で、むしろ栗の実の中に薄皮がたくさんある品種の方が珍しいような感じで書いている記事もありました。そうかも知れないという気もします。栽培するなら、美味しいとされるマロンの苗を植えるでしょうから。

生栗をマロンだとして高い値段で売るときには、見事にふっくらとした大きな栗なのではないでしょうか?

マロンもシャテーニュも、栗であることには違いありません。マロンとして売られている栗が特別なものだとして飛びつかなくても良いということ?... 栗の産地の人たちは、「マロンはツーリスト向け」などと言っているらしいのです。

マロンなんかどうでも良いと思ってしまいながらも、謎が次々でてくる栗のお話しはまだ続けます。


続き:  栗のマロンとシャテーニュ、言葉の使い分けは?

★ シリーズ記事目次: 栗のマロンには不思議がいっぱい!



シャテニエ
Châtaignier
ブナ科 クリ属
マロニエ
Marronnier
トチノキ科 トチノキ属
果実:
 ・シャテーニュ(châtaigne)
 ・マロン(marron)
果実:
 ・マロン(marron)
Graine de Marron



続き:  栗のマロンとシャテーニュ、言葉の使い分けは?

★ シリーズ記事目次: 栗のマロンには不思議がいっぱい!

マロングラッセのメーカーの製造過程で、イガの中に実が1つだけの栗を使っているわけではないことが見える動画を入れた記事:
マロングラッセを作るのには20日間もかかる <その8>





ブログ内リンク:
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
【栗のシャテーニュとマロンの違い】
☆ Chataigniers Noyers Coulié: Fructification chataignier 
☆ Esprit de Pays Dordogne-Périgord: La Châtaigne  un peu de botanique
La châtaigne et le marron
Marrons ou châtaignes, quelle différence
Châtaignes et marrons en Cévennes
☆ Terroirsdechefs.com : Le Marron et la Châtaigne, chauds ou glacés
☆Gustave La châtaigne et le marron
☆ Futura Planète: Définition  Châtaignier - Castanea sativa
   » Quelle est la différence entre une châtaigne et un marron
大泉緑地の奇妙なドングリ その2

【栗業界サイトの情報】
Comité Interprofessionnel de la Chataîgne d'Ardèche
   » Châtaignes et marrons ?
Castagnades (Parc Naturel Régional des Monts d'Ardèche): Tout savoir sur... la châtaigne d'Ardèche
Confrérie de la Châtaigne d'Ardèche
LA CHATAIGNE EN ARDECHE
Variétés de châtaignes & marrons en Cévennes
Connaissance de la châtaigne

【単語、語源】
☆ CNRTL / Etymologie: Châtaigne  | Marron
☆ Wikipedia: (仏)Châtaigne » (伊) Castagna
☆ Wikipedia: (仏) Marron (fruit) » マロン (植物)

【シャテニエ / 栗の木】
☆ Faculté de Biologie: La CHÂTAIGNE : un akène
☆ Cairn.info : Classer et nommer les fruits du châtaignier ou la construction d'un lien à la naturea
châtaigniers oubliés
☆ SECRETS DE JARDINS: CHATAIGNIER
☆ Nature Gastronomique et Médicinale: Le Châtaignier
☆ YouTube: Sur la route des châtaignes - Les carnets de Julie
☆ Encyclopédie de Diderot et d'Alembert: CHATAIGNES
☆ Chataigniers Noyers Coulié: Plants issus de greffes sur P.G. résistants
☆ 果物ナビ: くり 栗 Chestnut
果実の種と核と仁の違いを教えて下さい。

【栗の接ぎ木】
☆ YouTube: greffe(s) Au coeur de la châtaigneraie
☆ YouTube: 岡山県森林研究所
足立音衛門: 西洋と東洋が交差するトルコ共和国に栗を訪ねて


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (5) | Top
この記事のURL | Rédiger
2016/12/09
『ターヘル・アナトミア』を翻訳した『解體新書』が刊行されたのは1774年ですか。よく訳したな... と、しみじみ思ってしまいます。長崎に出島があって、オランダ人に分からないことを聞けたかもしれないですが、その言葉を話すからといって母国語の、まして専門用語などは正確には教えてくれないのですよね。

さらに、明治時代になって外国に留学した日本人たちも、よくサバイバルできたと感心します。文化が違うと、置き換えられない言葉がたくさんありすぎる。訳語を作れない場合でも感覚的に分かれば良いとしても、感覚的に分かるのさえ難しいことも多々あります!

そもそも、辞書というのは信頼できるものなのか? この夏、19世紀のフランスの国語辞書を手に入れた友人が、読んでみると愉快なのだと話しました。開いて見せてくれたのは「黒人」の項目。知能が劣っている人間だと書いてあるのです。「この時代の人たちにとっての認識がそうだったから、そうなっているのだ」と笑っていました。

「それじゃ~! 日本人は何だと書いてあるの?」と私。友人は「ジャポネ」を探す。体が小さいと書いてありました。それしか特徴を見いだせなかったのでしょうかね...。みんなで大笑いしました。

現代になっても、日本語を母国語にしている人にとって、英語以外の外国語を勉強するのは大変だと思います。なにしろ、頼りにできる辞書がない! 私が特殊なフランス語の訳語を探すときは、英和・和英辞典で確認して、それから英仏・仏英辞典で確認、あるいはその逆をしないとなりません。


私が使っているフランス語の辞書

和仏辞典で頼れるのは小学館ロベール仏和大辞典だけ。ハードカバーの辞書は持ち歩けないほど大きいので、フランス用と日本用に2冊買いました。それが入った電子辞書が登場したときには、ハードカバー1冊買う値段なのに、他にもたくさんの辞書が入っているので驚きました。

小学館ロベール仏和大辞典
ハードカバー
カシオ電子辞書 エクスワード
フランス語モデル XD-Y7200 コンテンツ100


でも、この仏和大辞典は刊行されてから30年近くもたつのに、一度も改訂されていないのです。

ここのところ栗についてブログに書きながら、栗に関連した植物関係の用語の日本語訳が見つからないので困っております。

それで、パソコンにインストールしてあるプチ・ロワイヤル仏和辞典もひいてみました。

いつもは全く使っていないのです。

知りたい単語は、必ずと言ってよいほど入っていないので、買ってから1週間もしないうちに投資したことを後悔した辞書なのですが、間違っていることまで書いてあるとは知らなかった!


シリーズ記事目次 【栗のマロンには不思議がいっぱい!目次へ
その4


ありえへんことが書いてある?

栗について書いていたら、次々と分からないことが出てきているのですが、とりあえず栗を指すシャテーニュとマロンがどう違うのかを調べています。こういうことだと思うということを書いた記事をブログに入れたのですが、やはり私の解釈が正しいのかどうか確信が持てない。それでアップロードした記事は引っ込めて、また調べております。

色々なフランスのサイトに入っている文章を読むと、ますます混乱してくるのです。インターネットで情報を得られるのは便利なのですが、誰でも公開できるために間違ったことも入っているわけで、どれが本当なのか分からなくなってしまう...。

いつもは使わない辞書なのですが、栗に関する単語を使っている例文の中に、私が知りたい単語が入っているかと調べたわけですが、やはり小さな辞書には入っていませんでした。

ところが、基本的な単語の訳文で首を傾げることが書いてあったのです。私が???と思った箇所を赤字にしてみます。

châtaigne
❶栗の実  [参考] ふつうは食用にしない. 食用のクリはmarronという

châtaignier
❶栗の木

marron
❶栗(の実)
❹マロニエの実(= marron d’Inde)  [参考] 栗の木châtaignierの実は本来châtaigneというが,食用という観点からはふつうmarronと呼ぶ.マロニエmarronnierの実もmarronだが,こちらは食べられない

marronnier
❶〖植〗マロニエ(= marronnier d’Inde) [参考] パリの街路樹はマロニエが多く5月に花をつける
(栽培された)栗の木
[プチ・ロワイヤル仏和(第4版)・和仏(第3版)辞典]

大先生が書いていらっしゃる辞書なので文句はつけられませんが、「châtaigne(シャテーニュ)は食べない」というのは間違いだと思うのですけれど...。実際に「シャテーニュ」として栗の実が売られているし、料理の名前にも使われているのですから。

書いた方は、栗は「マロン」と呼ばれると確信していらっしゃるようですね。私は栗の木の下に実が落ちていたら、シャテーニュと言う人の方が多いのではないかと思うのですけど、統計をとったわけではないので分かりません。

マロニエという木の実である「マロニエ」は食べられないと書いてある部分もあるのですが、marronnier(マロニエ)の訳に「(栽培された)栗の木」というところでひっかかりました。

マロニエはトチノキ科で、栗の木はブナ科ですよね。マロニエを「栗の木」と言ってしまって良いのでしょうか?

パリの並木道にあるマロニエも栽培しているわけですよね。この辞書をフランス語の勉強に使っている日本人が、marronnierの項目だけ見た後にパリに行って、マロニエの実を拾って食べてしまったらどうするの?! お腹をこわして、数日間は苦しむようですよ。

でも、この部分は間違いではないらしいのでした。仏仏辞典にある「marronnier」の項目でも「Châtaignier cultivé」書いてあるのです。「日常的な使い方では」と付けている辞書もありましたが。これは「栽培された栗の木」としか訳せません。

全く混乱してしまう。栽培されている栗の木の中には「マロン」と呼ぶ栗が収穫できる品種があるというのは分かったところなのですが、そういう栗の実がなる木をmarronnierと呼ぶのでしょうか? そういう栗の木を栽培している人はそう呼んでいるのかな?...

フランスの画家テオドール・ルソーの作品に、「栗の並木」とでも訳せる作品がありました。


L’Allée des châtaigniers, Théodore Rousseau

マロニエの並木はパリでよく見ますが、栗の木で並木を作るなんて知らなかった。こういうのを「栽培された栗の木」として「マロニエ」と呼ぶのかな? これは全く確かめようがないので、あきらめて放置します。インターネットでmarronnierとchâtaignierをキーワードにして検索したら、この2つは違うものだ、という記事しか出てこないでしょうから。

食べるための栗を、フランス人はマロンと呼ぶのが普通なのかという方は気になる。料理や加工食品の名前ではマロンという文字がよく出てくるので、そうかな... という気もしてきます。

でも、少なくとも生の栗については、シャテーニュという言葉を使う方が多い、と私は思うのですけど。例えば、AOC/AOP(原産地呼称)を取っているアルデッシュ県の栗でも、その認定呼称の名称は「Chataîgne d'Ardèche(アルデッシュのシャテーニュ)」です。そこの栗業界が作っている組織のサイトでは、シャテーニュとマロンとの違いを示すときにマロンという単語を使っているだけで、他ではシャテーニュで統一しているように感じました。

わからん!

そもそも、私は栗とは無縁なのです。ブルゴーニュ地方で栗の木が生えているのは、ごく限られた地域です。酸性度が必要なのではないかな。ブドウ栽培に適しているような土壌では栗は育たないと思う。日本にいるときは東京だし、栗の木を見ることは滅多にないわけです。

栗を食べることも非常に少ないです。日本の栗の和菓子はさっぱりしていて美味しいと思うので、見かけたら買っているように思います。でも、フランスで栗のケーキは買わないです。フランス料理は胃にもたれるので、デザートで栗を食べる気にはならないので。レストランや友人の家で、栗が付け合わせになっている料理を食べたことがあるかどうかさえ記憶にありません。

そんなわけで、今までは全く興味がなかった栗なのに、調べていると次々と不思議なことが出てくるのです。

辞書では専門用語の意味が分からないし、植物学や栗業界に詳しい人も友人の中にはいないので、私の疑問に答えくれるフランス人がいない...。ブルゴーニュでは栗を食べる文化がなかったので、栗のことを友人に質問したら、冷たい答えも返ってきました。あんな不味いものなんかどうでも良いじゃない? マロングラッセなんてメチャメチャに高いから買わない!

J'en ai marre des marrons...
Ce n’est pas marrant, les marrons...

乗りかけてしまった船なので、栗のお話しはまだ続けます。


追記:

この記事をアップロードしてから少し後、南仏で栗を収穫しているニュースの動画を見たら、アナウンサーも栗栽培をしている男性も、マロンのなる木のことを「マロニエ」と呼んでいました。そういう風に紛らわしいから、並木になっているようなマロニエの木のことをmarronnier d'Inde、その実はmarron d'Indeと呼ぶことがあるのですね。

ついでに、そのニュースに出てきた人、つまりこの分野でのプロが、栗を見せながらマロンとシャテーニュの違いを説明していました。この違いについて、私の解釈は間違っているとフランス人に言われていたのですが、私の方が合っているのではないかと思えました。それで、保留にしていたマロンとシャテーニュの違いについての記事を書きあげることにします。


続きへ ⇒  フランスでは、どのような栗を「マロン」と呼ぶのか

★ シリーズ記事目次: 栗のマロンには不思議がいっぱい!



ブログ内リンク:
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (2) | Top
この記事のURL | Rédiger
2016/12/03
食べる栗を表す言葉は、フランスでは「シャテーニュ」と「マロン」があります。トチノキの一種のマロニエという木になる実も「マロン」と呼ばれ、綴りも同じでmarronです。

それに、マロンも栗の実としてシャテーニュの一種ではあるので、それを「シャテーニュ(châtaigne)」と呼ぶことも出来ます。逆に、マロニエの実を「シャテーニュ」と言ったら間違いになります。

ややっこしい。

栗のマロンとは何なのか?

食べられる実がなる栗の木(châtaigner)と、食べられない実がなるマロニエ(marronnier)の違いについて書いた「食べられないマロンがなる木、マロニエ」の続きです。

シリーズ記事目次 【栗のマロンには不思議がいっぱい! 目次へ
その3






日本で「マロン」と言ったら、
  毬(いが)の中に実が1つしか入っていない栗のことらしい


ブログに入れてくださったコメントで、とても興味深いことを教えていただいたことがありました。

マロングラッセなどに使う「マロン」というのは、イガの中に実が1つしか入っていない栗のことです、というものでした。

私はフランスで聞いたことがなかったのですが、これが日本の情報では定義になっているので驚きました。しかも、例外なく毬(いが)に入っている実の数でマロンとシャテーニュを分けているのでした。

インターネットに入っていた情報を少し並べてみます。私が引っかかった部分を赤字にします。

マロン
 Wikipedia
フランス語で大型のヨーロッパグリ(Castanea sativa)の実。本来はトチノキ科の木であるマロニエ(仏: marronnier、学名:Aesculus hippocastanum)の実。
マロン (植物) 
Wikipedia
イガの中に2~3個の小さな種子が入っているのがシャテーニュ、1つの大きな種子が入っているのがマロンと呼ばれる。
マロングラッセ
Wikipedia
フランス語でマロン(Marron)とは、イガの中に一つだけ入っている大きくて丸い栗のことである。
フランスの食ネタ帳イガの中にひとつの粒しか入っていないものがマロン、3つの実に分かれている小粒のものがシャテーニュと呼ばれるそうです。クレーム・ド・マロンやマロングラッセを作るために使われるのは、マロンではなくて、シャテーニュ
All Aboutchâtaigneとmarronの違いは複雑で、いろいろ細かい定義があるようですが、要は、bouge(ボグ/イガ)の中に入っている実が小さくていくつかの実に別れている小型の栗をchâtaigne、大きいものがmarronと考えればいいでしょう。

これら説明を読んだ方々が書いている記事は、ネットに無数に入っているようです。

それでも、栗を扱う日本の食品業界では、「イガの中に実が1つだけ入ったマロンを使用しています」という風にしては売っていないように見えました。



フランスで栗が売られているときは、「マロン」と書いてあるものの方が「シャテーニュ」より大きいようには思います。でも、イガの中に1つしか入っていなかったと思うほどには大きくなかったような...。

私は何かを言われれば「本当なのだろうか?」というところからスタートしてしまうのですが、全員が「実が1つ」ということに疑いを持っていらっしゃらないらしいのを見て、私は日本人にしてはへそ曲がりすぎるのだと、またしても反省。

コメントをいただいてから、フランスでは何をもってマロンと呼ぶのかも調べたのでした。フランスには正式に「マロン」と呼べる「シャテーニュ」の定義があったのですが(どのくらい市場で守られているかは知りませんが)、日本とは違うのです。どうして違うのだろうか、私がフランス情報を読み違えているのかと調べまくってしましました。


どこから日本では「イガの中にある実が1つなのがマロンだ」ということになったのか?

Wikipediaの「マロングラッセ」の項目で出典として挙がっていましたので、この本の中の記載からだったのではないでしょうか? 66頁にあるのだそうです。

大森 由紀子著『フランス菓子図鑑 お菓子の名前と由来』世界文化社


Wikipediaの日本語ページでフランスについて書かれていることに関しては、7割が正しくないと思って読んだ方が安全だと思っているのですが、料理研究家の方が言われているなら、何か理由があってのことのはず。

日本語で「マロン」という言葉を使うときには、フランスで「マロン(marron)」と呼ばれる栗とは同じにしてはいけないのだと学んだわけですが、気になる...。


イガの中に栗が1つあるのが「マロン」という定義

フランスでも、栗の実に「マロン」という言葉を使い始めたときには、そうだったのだろうという気はしました。

栗の木(châtaignier シャテニエ)の実は「シャテーニュ(châtaigne)」と呼ばれるのが自然。フランス語では果実の名前の語尾を変化させて樹木の名前にしますから。リンゴ(pomme)がなる木はpommierという具合。

それなのに、特定の栗の実を「シャテーニュ」ではなくて「マロン(marron)」と呼んだのですから、何か理由があったはずです。

Les plantes et leurs noms: Histoires insolites』と題された植物のガイドブックがあり、その中にある栗の木(Châtaigner)のところで、「マロン」とは何なのかが書かれています:
⇒ この部分(41ページ)

マロンとは、イガの中の外側にある2つの胚珠の発育不全によって生じた大きくて丸いchâtaigne(栗の実)である。

つまり、イガの中に実が1つしかないのがマロンというわけです!

この本の著者は、野生植物に詳しい民族植物学者・作家のFrançois Couplanなので、植物学的にはマロンの定義はそうなのでしょう。

Littré(19世紀末の仏語の仏仏辞典)でも同じような説明をしています:
« marron », définition dans le dictionnaire Littré

これは、日本で言われていることと一致していて、Wikipediaの仏語ページにある「Marron (fruit)」も、この文献から引用しているらしい定義が入っています。ただし、もう1つのマロンの定義も挙げていて、それが現代のフランスで栗の生産や加工に係わる関係者が言うマロンの定義になっているのですが、それは次回に書くことにします。


イガの中に実が1つだけ入っている栗があるのなら、どんなものなのか見てみたい!

ところが、なかなかフランスのサイトでは見つからないのでした。本当を言って、そんなのは無いのではないかとも思っていたのです。

もう画像検索するのは止めようと思ったら、1つ見つかりました。



でも、どのサイトでも栗のイメージ写真として使っているだけなので、これがどんな品種なのか、そもそも食べられる栗なのかさえも分からない。

画像があるということは、存在しているということなので、また探す。

YouTubeに入っているフランスでのマロンの収穫を見せる動画で、イガの中に1つしか実が入っていないような栗もチラリと映し出されているものがありました。でも、同じ映像の中で、マロンとしながらも、イガの中に複数の実が入っている栗も出てきていましたので、何だか分からない...。

そうしたら、なんのことはないのでした。


イタリアが浮上!

Wikipediaでフランスの「Châtaigne(シャテーニュ)」の項目からリンクされているイタリア語のページ「Castagna」には、こんな写真が入っていたのです。



日本で言われるイガの中に実が1つだという「マロン」は、これなんだと思えますよね?

この栗の実に関する記事では、生栗の写真としては、これしか入っていませんでした。イタリアでは、イガの中に栗が1つしかないものが代表的なのかな?...

Wikipediaの「ヨーロッパグリ」にリンクしているイタリア語の項目「Castanea sativa」にも、またまたイガの中に実が1つしかない栗が登場!

イタリアでマロンとされる品種の栗のようです。

 

イタリアでもフランスと同様に栗の呼び名には2つあり、シャテーニュはCastagna(複数形はcastagne)で、マロンはMarrone(複数形はmarroni)。

イタリア語のページをフランス語に自動翻訳して読んだだけですが、マロンの方はイガに入っている栗の数は1つか2つで、普通の栗に比べて栽培が難しく、生産性が低い、と書かれてありました。マロンとシャテーニュの違いはフランスで言われていることと同じ。

マロンに関するフランス情報では、実が1つと書いてあったのには出会っていません。2から5つなどと書いているサイトもありました。イタリアでは1つしか入っていない品種の栗が多いのでしょうか?

【フランス直輸入】BOISSIER ボワシエマロングラッセ ナチュラル 8個...
マロンは、イタリアのトリノ産の高級栗をはじめとする有名産地の大粒マロンのみを使用!




◆ 「リヨンのマロンとは?

16世紀のフランスでは、すでにリヨンの市場で売られている「マロン」と呼ばれる栗がもてはやされていたらしい。リヨン市で生産されていたわけではなく、近くにあるサヴォア地方のような山間部があるので栗の集まる場所だったからのようです。

「Marrons de Lyon(リヨンのマロン)」という名前の品種がありました。「リヨン」という地名の他に「金色の」と付けて「Marron Doré de Lyon」とも呼ばれている美味しい栗のようです。

この品種ならイガの中に実が1つなのかと画像を探してら、そうでもないのですよね...:
こちら とか こちら

でも、こちらだと実は1つに見える。でも、入っている画像を拡大すると、実を1つだけ残して撮影しているようにも見える...。

ここまで来て、自分なりに結論を出すことにしました。

マロンというのは、本来はイガの中に1つしか実がない栗のことなのだけれど、それを選んでいたら現代の生産者は商売にならないので、大きな実が入っている程度ならマロンの仲間として認めることにした。それでは曖昧すぎるので、何を持ってマロンとするかの基準も決めた。


同じ栗の実なのに、なぜマロンという名前で呼ぶのか?

イガの中に実が1つだけな栗を「マロン」とするのは、本来の定義だったのかもしれないと思えてきました。

またまた、私の勝手な憶測です。

昔のフランスでは、小麦が充分に生産できない山岳地域(特にセヴェンヌ山脈がある地方)では、乾燥した栗で作った粉でパンを作ったりして食べることもあったそうで、栗の木には「Arbre à pain(パンの木)」 というあだ名もついていました。でも、「Arbre à saucisses(ソーセージの木)」というのもある。家畜(特に豚)に食べさせていたからです。ドングリを食べさせて豚を太らせたのは有名ですが、栗があればそれも食べさせるでしょうね。

栗が豚の餌にもなっていたなら、人間が食べるにはイメージが悪い。それで、美味しくて大きな実の栗は「シャテーニュ」ではなくて、「マロン」という別の名前で呼んだのではないでしょうか? そういう栗が、イタリアから入ったということもあり得る...。


ともかく、マロンの方がシャテーニュよりは大きな栗であることは確かだと思っていました。... というのは都会人の妄想である、と書いている業界の人もいたのですけれだ。

でも、大きいからって美味しいという理由にはならないと思うのです。その点で、フランスでマロンとシャテーニュを区分する定義の方が納得できます。上に書いた自動翻訳させたイタリア情報でも、フランスと同じように12%でボーダーラインをひくという定義をしていました。

日本では、なぜかそれを言っていないのです。これだけ検索したのに、1度も出会いませんでした。不思議...。
その12%とは何なのかを次回に書きます。



追記:

日本の情報では、フランスやイタリアで言われるマロンの定義を出しているところが見つからなかったと書いたのですが、すぐに入ったコメントで教えていただいた日本のメーカーのサイトに、それが入っていることを知りました♪

イタリアでは「マローネ」と呼ばれるマロンの説明です。

仏蘭西焼菓子調進所 足立音衛門」の「ヨーロッパ栗へのこだわり」のページでは、シャテーニュ(イタリアではカスターニャ)とマロン(イタリアではマローネ)の違いについて、こういう風に説明されていました:

音衛門の製品では、この「カスターニャ」種と「マローネ」種、二つの種類のイタリア栗を使っております。こちらの二種ですが、双方とも「ヨーロッパグリ(Castanea sativa)」の中の一種となります。両者の違いを簡単に説明すれば、カスターニャは毬の中に複数の栗の実が入った日本でもお馴染みの栗に近い見た目の栗、マローネは基本的に毬の中に栗の実が一つ程度入った大粒の栗で、中央部に割れ目のないものを指すと言われています。


私が推察したように、マロンは「基本的には」イガの中に1つだけ栗が入っているものであること。そして、中央部に「割れ目がない」ことがポイントなのです!

さすが、この道のプロの方はきちんとしたご説明をなさると感心しました。

この「割れ目がないこと」を表現する単語が曲者なのです。普通に使われる単語なのに、植物では特別な意味を持っていることに気がつくまでに私は苦労しましたし、それがイガの中に栗が1つしか入っていないことを意味すると受け取られても無理ないのです。





続きへ ⇒  辞書が頼りにできないと困る...

★ シリーズ記事目次: 栗のマロンには不思議がいっぱい!

ブログ内リンク:
胡椒の値段をつり上がらせた豚 2006/01/08
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
La châtaigne ou anciennement appelé « Arbre à pain »
Le chataîgnier l'arbre à pain, providence de nos ancêtres
Châtaignes et marrons en Cévennes
☆ Wiktionnaire: marron
ヨーロッパ栗へのこだわり » 栗を訪ねて イタリアムアベリーノ編

【マロンの語源】
☆ Bibliothèque municipale de Lyon: Marrons et châtaignes
☆ CNRTL: Etymologie de MARRON
☆ Etymologie-occitane: Marron


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (7) | Top
この記事のURL | Rédiger
2013/12/02
ここのところフランスでの果物貯蔵法について書きながら、日本でも同じようにする伝統があるのか知りたいと思っていました。

食べ物にこだわるフランスならではの伝統?」でお見せしたリンゴや洋ナシを並べて貯蔵した棚は、長野に行ったとき、古民家を買われた方のお家を見せていただいたときに見たものを連想させていました。



家を買われたばかりのときなので、物置には片付けていない色々な小道具がありました。前に住んでいた方が、いらないからと置いていかれたのだそう。こんな貴重なものを惜しげなくあげてしまうの?... と、羨ましくなった見学。

これは蚕棚(かいこだな)だそうです。 リンゴをのせて貯蔵棚に使うということができるのかどうか? フランス式に木の部分が多くないと適さないようにも見えます。果物保存棚に木を使うのは、適度に湿気があるのが良いらしいので。


日本では果物をどう保管していたの?

さらに日本の保存方法を考えたら、素晴らしいものがあったことを思い出しました。

台所の床の木を持ち上げると、そこが貯蔵庫になっているというシステム。

フランスでは、少なくとも昔の家には存在しないのではないかな?...

台所の床は、厚さ10センチくらいある大きな石畳みだったりすることも多いですから、そんなものを持ち上げるわけにはいかない。

ともかく、日本の昔にもフランスのような果物貯蔵棚があったというのは見つけられませんでした。

そもそも、リンゴが普及するようになったのは明治時代に入ってからだった。

現代の日本では、どうしているのかとみると、リンゴは新聞紙に包んでからビニール袋に入れ、それを冷蔵庫で保存するというものが目立ちました:
りんごを長持ちさせる方法

日本らしいリンゴ保存法にも行き当たりました。

まず、雪の中に埋めてしまうというもの。そうやって保存したリンゴを今の時期に売っているはずはありませんが、どんな風にしているのかを写真入りで説明しているショップを入れておきます。

雪に埋めて保管したリンゴは、雪室倉入りだし、などという名を付けて市販されていました。 おいしそうに聞こえる命名ではありませんか?


氷温貯蔵というのもありました。食品の氷結点ぎりぎりの温度で、凍結していない状態を保った貯蔵法なのだそう。


果物だけではなくて、色々な食品の保存に使われているようです:
「氷温」をキーワードにして食品を検索


CAりんごの発想はフランスで生まれていた

去年の夏、長野に行ったとき、前年の秋に採れたというリンゴを出されたとき、やたらに美味しいので驚きました。1年近くたっているとは信じられない新鮮さだったのです。

フランスの伝統的な果物貯蔵室で保管したリンゴは、味が濃厚になって、香りも凝縮されるので、採りたてよいかえっておいしくなるのだ、と書かれていました。そういうリンゴを食べたことはないので分らないのですが、長野で食べたのは少し違っていたのではないかと思う。1年前のだから美味しくなったというより、採りたてのときのような新鮮さを感じたのです。

そのリンゴを出してくださった方に聞いてみると、農協の特別な装置で保管しているリンゴなのだと説明されました。

何か特別な技術があるのだろうと思ったのですが、今回フランスの果物貯蔵法について書きながら、その特別な装置というのはCA貯蔵技術と呼ばれるものだったのではないか、と思いました。

私は初めて聞いた言葉。よく知られているのかも知れないけれど、「CAりんご」なるものが何であるか詳しく説明している店もありました。

CAとは、controlled atmosphere storage の略語でした。

ハイテクといえば日本。日本で開発された技術なのかと思ったのですが、そうではなかった。

なんと、このコンセプトはフランスで生まれたのだそうです。果実の熟成とアトモスフィア(雰囲気と訳すとピンとこないのだけれど)に関係があることを発見したBérardが、1821年、モモ、洋ナシ、リンゴなどを1カ月~3カ月保存できたという研究発表をして注目を集めたのだそう。

なるほど、ルイ14世もヴェルサイユ宮殿の一角に果樹園を持っていて、シーズンより早く収穫する技術を開発したし、各地の城には大きな果物保存室を持っていた国だから、そういう研究が発達しても無理ないですね。

フルーツとして食べるブドウも長期保存できる方法があった」で書いた特殊なブドウ貯蔵法は19世紀半ばに考案されて、地域の産業を発展させていました。19世紀には鉄道も登場していますから、遠くまで農産物を運ぶことができるようになったので、貯蔵法も工夫される時代だったのでしょう。

CA貯蔵は、イギリス、アメリカなどで研究が進められ、20世紀半ばに普及していました。一般的には、低温で、二酸化炭素濃度を2~8%に高め、酸素濃度を2~7%に下げ、温度は0~3℃、湿度80~95%にする方法がとられているのだそう。フランスの伝統的な 果実保存室も、結局はそいういう環境に調整していたわけではないですか?

それにしても、雪に埋めて保存したリンゴに「雪室」とか「倉」とかいう言葉を使っているのに対して、「CAりんご」という命名は味気ないと思ってしまいます。遺伝子組み換えをしたリンゴみたいなものを私は連想してしまいました。

何か美味しそうに感じる名前はなかったのかな?...

日本では「ら・ふらんす」などという飛んでもない名の洋ナシがあったりするのだから。

CAも化学的に調整してしまったという不気味さは出さずに、フランスの伝統的な方法です、などというのを強調した命名のが美味しそうに感じるのではないかな?...

フランスの伝統的な貯蔵法で使われていた単語を使って、フルイティエ貯蔵りんご、シャンブルりんご、とか...。ダメかな?...

 シリーズ記事: フランスの伝統的な果物貯蔵方法 【目次




外部リンク
Fraîcheur des pommes 2 à 4 fois plus longue en AC-ULO
CA貯蔵の現状とCA装置の開発
☆ りんごミュージアム: 日本の歴史 | 世界の歴史
☆ くだもの・科学・健康ジャーナル: 果物の貯蔵技術
☆ シリーズ記事目次: 商品にフランスのイメージを持たせた命名 2013/08/01

ブログ内リンク
★ 目次: クイズを出した記事一覧
★ 目次: アンティーク、蚤の市などについて書いた記事
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2013/07/15
今年の私の庭ではフランボワーズが豊作らしい。無農薬の畑と言うよりは、放ったらかし部分なのですが、例年より大きな実がたくさんついています。



フランスではframboise(フランボワーズ)と呼ぶフルーツなのですが、日本語ではラズベリーになるらしい。フランボワーズ、西洋木苺とも呼んでいますね。日本で見たことがあったかどうか記憶にないのですが、フランスではありふれたフルーツです。

冬になる前に、膝の位置まで剪定しておけば、毎年元気に育ってくれます。これから、どんどん実がなる様子。


フランボワーズのムース・グラッセ

フランボワーズが見事に実ったので、とりあえず1キロくらい収穫してシャーベットを作りました。



左側のは、今がシーズンのサクランボのクラフティー。前日に友達が来たときに作ったものの残りです。
レシピにあったサクランボの分量を倍にして作ったので、サクランボだらけ!

シャーベットを作るつもりだったのですが、アイスクリームメーカーについてきたレシピを見たら、ソフトクリーム風のものをいつも作っていたような気がしたので、それにしました。

イチゴ用のレシピで、名前は「Mousse glacée à la fraise」。イチゴの冷たいムース、というところでしょうか? シャーベットとアイスクリームの中間のようなものができあがります。

久しぶりにレシピの本を開いたら、水で濡らしたらしくて、かなり傷んでいる。それで、レシピをメモしておきます。
Mousse glacée à la fraise

材料
・イチゴ 500 g
・シロップ 300 cc
・レモン 1個 (しぼり汁)
・卵白 2個
・生クリーム 50 cc

作り方
(1)シロップを作る。
鍋に水200 cc、砂糖200グラムを加えて加熱し、木のスプーンでかき混ぜる。沸騰してから1分たったらシロップのできあがり。冷ましておく。
(2)イチゴをつぶして、それにレモン汁とシロップを加える。
(3)卵白を攪拌機で強く泡立てる。
(4)(2)に(3)を加え、さらに生クリームを加えてかき混ぜる。
(5)(4)をアイスクリームメーカーに入れる。
私の器具では出来上がったことを知らせるランプが点滅したらできあがり(45~55分)。


フランボワーズは種が多いので、シノワという道具で裏ごしする必要があります。 力がなくてもできるのは救われます。

種を取り除くので量が減るので、イチゴの倍として、1キロ使ってみました。

このレシピの問題は、卵の白身だけを使うこと。

マヨネーズを同時に作ると、黄身を使うので問題は解消されます。

あるいは、バニラ・アイスは黄身2個と、丸ごとの卵1個使うので、無駄がでなくて良い。


アイスクリームメーカー

アイスクリームは、電気器具を使うと簡単にできてしまう。

私が持っているのは、右に入れたような形のアイスクリームメーカーです。

もう15年前くらいに買ったものなのですが、数年前に蓋の部分を床に落として、プラスチックが割れてしまいました。

しっかり蓋をして、中にあるプロペラのようなものが回らないといけないのですが、片方が蓋を固定できない。仕方がないのでガムテープでとめて電源を入れているのですが、それでも大丈夫なようです。

それでも、もう買い換えないといけないかなと思って、最近は何か画期的なアイスクリームメーカーができているのか少し調べてみました。

上に入れた象印のアイスクリームメーカーは、私が持っているPhilips社のものによく似た単純な形状なのですが、少し驚きました。下の鍋のような部分をそのまま冷凍庫に入れて冷やすようなのです。

場所を取るではないですか? 日本の商品というのは、小型で、場所をとらないアイディア商品なのが特徴だと思っていたのに。

私が持っている形のは、もうフランスでは聖像されていないらしくて、同じメーカーでは左に入れたものが最新版のようでした。

どこが改良されたのかは分りません。

でも、冷凍したディスクを鍋のような部分に入れるというシステムは同じらしい。これだと、鍋の底の大きさのもので、高さが5センチくらいなので、冷凍庫の中で場所をとらなくて便利なのです。

私は常に冷凍庫に入れっぱなしにしています。そうすれば、いつでも思い立ったときにアイスクリームやシャーベットが作れるので。

でも、確かに、底だけで冷やすより、鍋全体で冷やす象印の方式の方が早くできあがって良いのかな?...

象印の方は20分でアイスクリームができあがる、と書いてありました。フィリップス社のは30~50分。その違いか...。でも、撹拌してアイスクリームを作る努力をするのは器具なのだから、そんなに急いでくれなくても良いのですけどね。

最新型でも魅力的に感じる点はなかったので、ガムテープでとめて使い続けることにしました。そもそも、単純な電気器具のはずなのですよ。冷たくして、かき混ぜるだけなのだから。

ところで、日本とフランスを比較して、もう1つ気になることがありました。

日本では「アイスクリームメーカー」と呼ぶらしい道具は、フランスではSorbetièreで、「シャーベットメーカー」と訳せるような単語なのです。私のは撹拌の速度が違うシャーベット用とアイスクリーム用のボタンがあるので、両方とも作れます。日本のも同じだと思う。

アイスクリームとシャーベット。どちらの方が食べられる頻度が多いのだろうか? でも、フランス語で「アイスクリーム(glace)」という単語から器具の名前を付けると、glaceには氷の意味もあるので紛らわしくなってしまうので避けられたのかもしれない...。Glacièreというと、アイスボックス、氷室などの意味になってしまうし。


アイスクリームは、個別の器に入れて保存することにした

1キロのフランボワーズで作ったアイスクリームは、友人たちを招いた食事会もあったので、あっという間になくなりました。

美味しいと褒めてもらったので、気を良くして、また作ることにしました。



これで1回分にちょうど良い量のはず。多すぎたとしても、甘味が抑えられるので好ましい。

久しぶりにアイスクリームを作ったのですが、思い出したことがありました。

作ったアイスクリームをタッパのような容器に入れると、少し解凍してからでないとスプーンですくえないのです。

チーズを出したころに冷凍庫からアイスクリームを出すわけですが、みんながチーズを食べる時間がやたらにかかることがあるのです。すると、アイスクリームが溶けすぎてしまう。

出した後にも、おしゃべりを続けられていると、さらに溶けすぎてしまう。

そもそも、フランス人たちが集まって食事をするときには、日本では想像もつかないくらい長々と食事が続くのです。食前酒から始まって、デザートが出るまでに6時間くらいかかったって普通なのですから。

それで、去年だったか、おととしだったかに思いついた工夫がありました。

アイスクリームやシャーベットを、一人前用にちょうど良い大きさの容器に入れてから保存する、という方法。

これだと、デザートになったときに冷凍庫から出してきて、のたのたと食卓に運んでいって、少したってから食べ始めるように言えばOK。

何に入れるかが問題。容器を冷凍してしまうわけですから、割れそうな食器は使えない。それで、オーブンに入れても大丈夫なものに入れることにしました。




でも、問題は、これだと量が少なすぎるのです。

フランスのレストランでアイスクリームをデザートに選ぶと、たいていは大きなボール型にしたものを3つ出してきます。この容器だと、1個半分かな?...


パリで有名なベルティヨンのアイスクリームを食べる 2011/10/30

ケーキなどに添えるなら私の容器で良いのですが、アイスクリームやシャーベットだけ出すときには小さすぎる。2種類作っておけば、2つづつ出しても変ではないけれど。


他の果実も豊作?

こちらも、そろそろ何かにしなければいけないカシスの実。

 

下はグロゼイユ。去年はそのまま冷凍してしまいました。解凍しても形がそのままなので、飾りつけにはきれいで便利でした。

 


今年はユズにも鈴なりで花が咲き、実が膨らんできています。

 

左に写っているのは去年の秋になった、たった1個のユズの実。小さいし、もったいないので収穫しないで飾りとして保存しました。今年は食べられるくらいに実が大きくなるかな?... 
ブログ内リンク:
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2012/11/06

シリーズ記事 【フランス人にとっての米】 目次へ
その4


フランスに和食ブームが起こりだした頃、フランス人たちに日本料理を食べさせるようになったのですが、デザートがない。

それで、栗の茶巾絞りを作ってみることにしました。

スペイン産の美味しそうな栗を売っていたので、それを1キロ買いました。

インターネットでレシピを調べ、まる1日かけて栗を裏ごしをして… と、大変な努力をして完成♪

たくさんできました。ほんのりとした栗の香りが出て、中津川のはこんな感じだったな... と喜びました。

さっそくフランス人たちに出してみると、「栗はね...」と言って、誰も喜んではくれません。

仕方がない、という感じで、ひとり1個食べてくれただけ。

フランス人たちには淡白すぎる菓子だったかもしれない。翌日は、残っていた茶巾しぼりを油で揚げてみました。

味見してみると、悪くない♪

でも、やはり、全く人気なし。前日に食べた人は、手も伸ばしてくれない!

フランス語にはétouffe-chrétienという表現があります。私が作った栗の菓子を食べさせたフランス人からは、この表現が返ってきました(涙)。

口に入れるとモソモソしている、重すぎる、こってりしすぎているなどの理由で、喉がつまりそうで、お腹を膨らませるには効果がある、というようなお菓子を貶すときなどに使う表現です。

なぜétouffe-chrétienと呼ぶのかはよく分かりません。文字通りみれば、キリスト教徒を窒息されるという風に受け取れる、奇妙な言葉です。
ここでキリスト教徒というのは、単に人間を指すとするのが一般説。ただし、イスラム文化圏の菓子は
身がしまっているので(アラブ菓子の画像を検索、それを食べさせられたキリスト教文化圏の人は、窒息させようとしているのかと思ってしまうからできた表現だ、と言う人もいます。
仏仏辞典の例文: C'est de l'étouffe-chrétien, sa bûche aux marrons !
1つしかない例文に選ばれていたのは、栗のクリスマスケーキでした!



クリにはクリスマスの思い出がある

せっかく私が作ったのに、食べないのも悪いと思ったのでしょう。

なぜ栗が嫌いなのかを説明してくれました。

前回の日記(大食漢なのに、ただお腹をいっぱいにする料理は嫌うフランス人)で、クネーデルとう料理をフランス人が嫌うという話しを書いたのですが、それと同じように感じられるものとして、フランスには栗があったのでした。

フランスが食料自給率も100%にはいかなくて貧しかった時代、つまり中年以上の年齢の人たちが子どもだったころには、クリスマスのご馳走というと、栗を詰めた七面鳥と決まっていたのだそうです。

栗を見ると、その料理を思い出してしまうのだそう。

今は普通に食べるフォアグラなどは、昔のフランスではクリスマスにだけ食べるご馳走でした。日本の数の子と同じ。

七面鳥もクリスマスのご馳走だったはずなのに、ただ大きいから選ばれたという食材らしいのです。

色々な家禽類が食材となっているフランスでは、七面鳥はパサパサしていて、食べて喜ぶほど美味しいというようには受け取られていないようです。パサパサしている、とフランス人たちは言います。

それでも私は、七面鳥のもも肉のローストを作って売っている肉屋さんのが気にいて、ひところは行くたびに買っていたりしたので、調理法によっては不味いとは思わないのですが。

クリスマスの七面鳥にうんざりしていた、と語る友人たちの話しを聞いていると、その料理が栗の詰め物だったことに恨みがあるらしいのです。

美食にこだわる人が言うなら理解できるのですが、お腹いっぱい食べられることが食事の満足度を決定するという感じの男性でも同じことを言うので不思議です。


フランスは、少子化政策のおかげでベビーブームは長く続きました。日本でいう団塊の世代の人たちは、子どもが10人くらいいる家庭で育ったのが普通だったようです。

インターネットで検索してみると、七面鳥の栗詰めのレシピはたくさん出てくるので、今でも作る人たちはいるのだと思います。

七面鳥は大きな鳥ですが、大家族で食べるには小さかったかもしれない。

ちなみに、七面鳥1羽の料理が6人分となっているのが多かったです。

クリスマスには30人くらい集まったでしょうね。でも、七面鳥を5羽も焼くことは難しいはず。かなりたくさん栗を食べさせたのではないかな?...

つまり、食欲旺盛な子どもたちのお腹に栗をたくさん突っ込んで、「お腹いっぱいで嬉しいでしょう?」という母親の作戦料理だった、という恨みがある?

あるいは、子どものとき、クリスマスに腹いっぱいにさせられるのが辛かったという思い出なのかもしれないという気もします。

たくさん食べると感心するフランス人なのですが、子どもたちは、それっぽっちしか食べないで大丈夫なの? と思うような子が多いのです。礼儀正しくしていなければならない席でないと、さっさと食べて姿を消してしまう子もいます。たくさん食べられるようになるのは、大学生くらいの年齢になってからではないかな?...

それから、栗には貧しい人の食べ物、というイメージがあるのかもしれないとも思います。

昔に飢饉があったとき、フランスの何処かの地方では、幸いにも栗の木がたくさんあったので、栗がパンの代わりになってくれた、という話しを聞いたこともありましたので。


栗の産地では、事情が異なるかもしれない

 
私は栗が好きです。

でも、フランスにいるときには、皆無といって良いくらい食べる機会はありません。

そもそも、ブルゴーニュ地方では、栗の木が育つ土地はかなり限られているのです。

八百屋さんに行っても、近郊でとれた産物がないので、栗は余り売っていません。

フランスでも、栗の産地もあって、そこには特産品があるので、地方によっては栗をよく食べるのかも知れない。

コルシカ島に行ったときには、小麦粉のように見える栗のパウダーが特産だと言われました。

非常に手間がかかって作る貴重なものと言われ、やたらに高かったのですが買いました。 でも、レシピを探すのが面倒だったので、そのままになり、有効期限が過ぎてしまった…。




栗といえば…

栗が嫌いという人も、マロングラッセは美味しいと言うのですから勝手すぎます!

口当たりが良くて、しっとりしたものにすると、評価が変わるのかも知れない。

それは良いのですけど、よく分からないことがあります。

フランス語で、食用にする栗はChâtaigne(シャテーニュ)と呼びます。
栗の木は Châtaignier(シャテニエ)。

ところが、その栗から作った菓子はマロングラッセ(Marron glacé)と呼ばれている。

栗の木になっている栗のことを「Marron(マロン)」と呼んでしまうと、フランス人から「Châtaigne(シャテーニュ)だ」と直されます。

マロン(Marron)というのは、街路樹などに多いマロニエの木(marronnier)の果実を指し、これは食べません。

マロニエはセイヨウトチノキ。日本のトチノキの実はお菓子にされたりしますよね。フランスの秋には、栗にそっくりのマロニエの実がたくさん落ちているのですが、あれは食べられないのかな?…

それにしても、シャテーニュとマロンが区別されているのに、シャテーニュから作ったものが、なぜマロンと呼ばれるのだろう?…

マロングラッセだけではなくて、ジャムのようにしたものも「crème de marrons」とマロンの文字が使われています。
 
甘いものにするとマロンになるのかな、と思うと、そうでもない。

クリスマス料理である七面鳥の栗詰めの料理は、Dinde farcie aux marronsと呼んだり、Dinde farcie aux châtaignesと呼んだりしています。

私が栗の実をマロンと呼ぶと注意されるのに、いい加減ではないですか?!



結局のところ、私のフランスの友人たちが嫌いなものというのは、貧しかった子ども時代に食べさせられたものがトラウマになっているのではないかな?...

- 続く -




追記(2016年12月)

この記事にいただいたコメントから、マロンという栗は何なのかを知りたくなりました。調べていたら、次々と不思議に思ってしまうことに出会ったので、ますます混乱! 調べたことをシリーズ記事にして書きました。

★ シリーズ記事目次: 栗のマロンには不思議がいっぱい!

ブログ内リンク:
★ 目次: 郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ

【栗が嫌われることについて書いた過去の記事】
フランスで最高のクリスマス料理: シャポン 2005/12/05

外部リンク:
フランス料理 レシピ 七面鳥の栗詰め(Dinde aux Marrons)
Expression « Un étouffe-chrétien »
マロングラッセ & 「ラ・トラヴィアータ」


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (12) | Top
この記事のURL | Rédiger
2012/10/24

シリーズ記事 【山小屋に滞在したサヴォワ地方の旅行記】 目次へ
その15 山の中のレストラン (4)


少し前の日記で、フランスのサヴォワ地方の旅行記を書いていた中で、山奥のレストランで出されて喜んだデザート(右の写真)のことを書きました。

フランスで「ミルティーユ(myrtille)」と呼ぶ果実をのせて焼いたタルト(Tarte aux myrtilles)です。

この日記には、レストランに行った前日、ミルティーユがたくさんあると聞いて、山に登った話しも付け加えていました。

フランスでミルティーユと呼ぶ果実を「ブルーベリー」として書いたこの記事に、albifronsさんがコメントを入れてくださいました。

「日本で言うところのブルーベリーは、アメリカ原産です。
ヨーロッパでのブルーベリーはおそらくビルベリーではないでしょうか?」


実は、書きながら、フランスで「ミルティーユ」と呼ぶ果実を「ブルーベリー」と呼んで良いのだろうかと気になってはいたのです。

私がアルプスの山で見た果樹は樹高が低いし、果実も小粒。フランスの八百屋さんで見かけるミルティーユとは違っているとも感じていました。

山で見たミルティーユがブルーベリーとは違う品種だとなると、私の疑問は解決♪

タルトの写真を入れて書いた日記のタイトルは「ブルーベリーのタルト」としていたのですが、次のように訂正しました:
野生のミルティーユ(ビルベリー) 2012/10/22


ビルベリーという名前を私は聞いたことがなかったので興味を持ち、少し調べてみたのでメモしておきます。いつものことながら、どうでも良いことも知りたくなってしまう私!...


ビルベリーとは?

私がモンブランを望む山の中で見た果樹は、ビルベリー(Bilberry)という品種であることは間違いがないようです。

ビルベリーは、ブルーベリーと同様に、ツツジ科スノキ属の植物。栽培用のブルーベリーより樹高も低くて、実も小粒。それは、以下の情報からも確認できました。
☆ Wikipedia: ビルベリー
☆ ブルーベリー研究室: ブルーベリーの種類

私は耳にしたことがなかったのですが、日本人にビルベリーと言って通じるのでしょうか?

常識がないと自覚している私なので、楽天市場で検索してみました:
ビルベリーを検索

サプリメントなど、食べ物でない商品がゾロ~っと出てきたので驚きました。

ビルベリーはブルーベリーよりも薬効効果がある、として日本では注目されているようです。

日本では、山に登ればビルベリーがあって、それをケーキにして食べる、などということがないから、果実として食べる側面は隠れているのも当然かもしれない...。


ミルティーユとは?

ブルーベリーと、それによく似たビルベリーが存在する、ということは分かりました。
だとしたら、疑問がわいてきます。

フランスで「ミルティーユ(myrtille)」と呼ぶ果実は、ブルーベリー(blueberry)と訳せば良いのか、ビルベリー(bilberry)と訳せば良いのか?

仏和辞典でmyrtilleをひくと、訳語は「ブルーベリー」となっています。

Bilberry(ビルベリー)をGoogle翻訳でフランス語に訳させると、myrtille(ミルティーユ)と出ました。でも、ちゃんとした辞書で調べなければ信じられないので、オックスフォード英仏辞典でひくと、やはりmyrtilleとしか出てこない!

ならば、逆に!
オックスフォード仏英辞典でmyrtilleをひくと、訳語にはbilberryとblueberryの両方が出ました。

英語が日本語にもなったブルーベリーと、ビルベリーの両方に対して、フランス語では「ミルティーユ」と呼ぶ、とみて良いようです。
 
フランスで言うところのミルティーユは、幾つもの種類があるようです:
☆ Tela Botanica: Myrtilleの検索結果

フランス語で、野生のミルティーユだと特定したいなら、「野生の」という形容詞をつけて「myrtille sauvage」というしかない。

そうなると、フランスではミルティーユと簡単に呼ぶ植物を、海の向こうにあるだけなイギリスでは、なぜブルーベリーとビルベリーに分類しているのだろう?... 食べた感じでは、何か違うかな、という程度で、そっくりの果実なのですから、単語を分けなくても良いのに...。

でも、そこまで調べていると際限がなくなってしまうので、これを追及するのは放棄。


フランスで最大の野生ミルティーユの産地はアルデッシュ県

フランスで、野生ミルティーユの収穫量が最も多いのはアルデッシュ県(Ardèche)なのだそう。 年間400トン!

正確にいうと、標高600メートル以上の地域(県の面積の3分の1を占める)が産地。 アルデッシュ県は、私が行ったサヴォア地方と同じローヌ・アルプ地方に入っていますが、もう少し内陸部にあります。

自然公園もあるので、収穫は他の地域よりも厳しい収穫規則が定められていました。それに、野生といっても、収穫量を上げる努力もしているそうです。灌木を切るほか、ヒースや、ジュネ(エニシダ属の植物)などを取り除く、など。

アルデッシュ野生ミルティーユのサイトによると、フランス人のミルティーユ消費量は大したことがないのだそうです。フランス人ひとり当たりの年間消費量は2グラムなのに対して、ドイツ人は年間500グラムを食べる!

確かに、ミルティーユはフランスではよく知られた果実だし、好きという人も多いのですが、生産地から離れたブルゴーニュなどでは、ジャム以外は、シーズンのときに栽培されたものを店で売っているのを見かける程度だと感じます。

ドイツ人がよく食べるのは、太陽の光が不足している国なので、目をよくするミルティーユを体が求めるせいかなと思ったのですが、これは私の勝手な憶測。

でも、体が求めるものを食べるのが最も健康に良い、つまり、食べたいと思うものを食べていれば良い、という主張が好きなのです。

ミルティーユは北欧の森でたくさん採れるのだそう。ドイツ以上に太陽の光が不足していそうな国々。自然は生物が共存できるようになっているのですよね。変に人間が自然に逆らった開発をして欲しくない...。


Vaccinium myrtillus

フランス語はブルーベリーもビルベリーもミルティーユと呼ぶわけですが、野生のミルティーユであることを示すには、学名で「Vaccinium myrtillus」として特定できるのが分かりました。専門家でなければ使わない単語だろうと思いますが。

ミルティーユ(myrtille)という単語も、Vaccinium myrtillusから作られた単語だそう。

Vaccinium myrtillusは、学名なので英語にも存在していて、一般的には、bilberryのほか、European blueberryとも呼ぶ、という記述がありました。

あれ、まあ! 英語ではブルーベリーとは区別してビルベリーだと言っていたのに、ヨーロッパ種ブルーベリーと呼ぶなんて、いい加減ではないですか?!  フランス語でも、ヨーロッパ種のミルティーユと呼んでいましたけど。

さて、Vaccinium myrtillusを日本語で何というのかを見たら、「セイヨウスノキ(西洋酸の木)」という単語が出てきました。セイヨウスノキは、一般にビルベリー、ハイデルベリー、ワートルベリーと呼ばれるのだそう。

そんなにコロコロと単語を変えられると、私の小さな頭は混乱してしまう!...
それでもめげずに、「スノキ」とは何だ? と調べる。

ツツジ科に、ブルーベリーやビルベリーが分類されるスノキ属(すのきぞく)というのがあって、スノキ属の学名はVacciniumなのでした。ここで、野生のミルティーユの学名「Vaccinium myrtillus」に戻ってきたので、なあ~んだ、となりました。

だいぶ分かってはきたのですが、私の問題は解決していません!


ミルティーユは、ブルーベリーなの? ビルベリーなの?

サヴォワ地方のレストランで食べたのは「ミルティーユのタルト」だった、と書いてしまえば簡単だったわけですが、ミルティーユが日本語になっているのかどうか分からない。

デザートを運んできてくれた人は「ミルティーユのタルトです」とだけ言っていたのですから、栽培されたブルーベリーだったのか、山に自生していたビルベリーだったのか、私は断言できないのです。

山の中の食材を使っているレストランなので、当然ながら、山でとったミルティーユ(つまり、ビルベリー)だとほぼ確信はしていました。

レストランが、はっきりと「野生ミルティーユのタルトです」と言って出した方が観光客は喜ぶと思うけれど、そういう気取ったことはしないレストランでした。

チーズも、AOCの折り紙つきルブルションの出来たての状態で出されたのですが、メニューには、ただ「カイエ」とだけ書いてありました。何のチーズかと質問したので教えてもらっただけ。聞かなかったら、そこらへんで作ったただのチーズだと思って食べてしまうところでした。


日本には、かなりフランス語が入っているので、「ミルティーユ」で通じるのかもしれない。

楽天市場で検索してみました:
ミルティーユを検索

検索にヒットしてくるものはあったのですが、日本にミルティーユという単語が定着しているようには見えませんでした。

フランスでつくられたタルトでも、「ブルーベリーのタルト」と呼んでいます。


私の勝手な結論

正確に知ろうと調べたらきりがないので、次のように結論することにしました。フランスのサイトで得た情報をまとめてみたものです。

Vaccinium myrtillus:  ビルベリー

フランス語のミルティーユ(Myrtille)は、Vaccinium myrtillusから来ている単語。
樹高が約30cm。
品種は450種類くらいあり、その一部が高山に自生している。

Vaccinium corymbosum:  ブルーベリー

北アメリカ原産。
樹高は約1.5m。
種類は450くらいある。
Vaccinium corymbosumのミルティーユは、Myrtille d'Amérique、Bleuet à corymbes、Corymbelle、Myrtille arbustive、Myrtille géante、Grande myrtilleなどと呼んで、区別できる。

始めのは「アメリカのミルティーユ」。最後の2つの呼称は「大きなミルティーユ」という、いい加減な呼び名! ミルティーユをBleuet(ブルエ)と呼ぶ地方もあるのは知らなかった。ブルエと聞いたら、私は野に咲く青い花を思い浮かべてしまうのですけど。

この北アメリカ原産のブルーベリーがヨーロッパ(ドイツ)に入ったのは1934年。フランスでは1980年代から本格的に栽培が始まり、現在では市販されているミルティーユの大半はこの品種である。


つまり、フランス語で「ミルティーユ」と呼ぶ果実は、ブルーベリーなのか、ビルベリーなのかは、説明されなければ特定できないことになります。ただし、野生のミルティーユはビルベリーで、店で買うものはブルーベリーの可能性が高いとは言えるのでしょう。

結局のところ、フランスで、野生だか栽培物だか分からないミルティーユのタルトを出されたときは、「ミルティーユのタルトを食べました」と言うしかないのではないのかな?...


あるいは、面倒なので、ビルベリーもブルーベリーと呼んでしまうか...。

楽天市場で商品名を眺めてみると、野生種ブルーベリーというのもかなりあります:
ブルーベリーを検索ビルベリーにはサプリメントのイメージが強いので、外国から輸入したビルベリーは「ブルーベリー」として売っているようにも見えました。野生種ブルーベリー、ワイルドブルーベリーなどというのがあります。

追記:
この点に関して、albifronsからの詳しいご報告をいただきました。始めに入っているコメントをご覧ください。



日本にある野生のブルーベリー・ファミリー

コメントで、日本にもブルーベリーの種類の木が自生していることを教えていただきました。

クロマメノキ(黒豆の木、学名:Vaccinium uliginosum)】

フランス語ではMyrtille des marais(沼のミルティーユ)。

別名は、Myrtille de loup(狼のミルティーユ)、orcette、airelle des marais、airelle bleue、embrune。

クロマメノキという名を私は聞いたことがありませんでした。

楽天市場で検索してみると、ある程度の数がヒット:
クロマメノキを検索

でも、苗木かサプリメントのようなものばかり。ビルベリーの扱いと似ていますね...。

フランスのmyrtille des maraisないしmyrtille de loupを使ったレシピーを探してみると、非常に少ない。

そのまま食べても余りおいしくないのかな?... あるいは、フランスでは区別せずに、ミルティーユとして料理に使っている可能性もある。


【ハスカップ(学名: Lonicera caerulea var.)】

これは私も聞いたことがある名前。

市場にもたくさん出ていました。
ハスカップを楽天市場で検索

ハスカップの実を見ると、少しブルーベリーに似ています。

でも、ブルーベリーはツツジ科スノキ属なのに、ハスカップはスイカズラ科スイカズラ属なのだそうです。

フランス語ではChèvrefeuille bleu(青スイカズラ)と呼んでいます。ミルティーユの文字は付いていません。その品種の中に、食用となる実がなる種類(ロシア原産)もあって栽培もされているのだそうですが、フランスには普及していないそうで、この植物のレシピも見つかりませんでした。

普通のスイカズラ(chèvrefeuille)はフランスでポピュラーな植物です。自然に生えているのも多いし、香りが良いので庭に植えたりもします。 この植物の実は有毒なのだそう。

ハスカップなら良いけれど(アイヌ語らしい)、「青いスイカズラ」と呼ばれると、食用にするのは怖い気がするのですけど...。

庭に咲いているスイカズラの写真を入れた過去の日記:
香りを放つスイカズラ 2009/06/01




内部リンク:
野生のミルティーユ(ビルベリー) 2012/10/22
クイズ: 200年近く前からあるブドウ畑は、何が違うのでしょうか? 2011/08/02 ブルーベリーの育て方に言及したコメント
ディジョンの町で見たもの 2011/08/02 買ったミルティーユ

情報リンク:
ブルーベリー の育て方&栽培 ブルーベリー ノート
☆ 果実ナビ: ブルーベリー Blueberry


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村

[続きを読む  Lire la suite...]


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (3) | Top
この記事のURL | Rédiger
2012/10/22

シリーズ記事 【山小屋に滞在したサヴォワ地方の旅行記】 目次へ
その14 山の中のレストラン (3)


ありあわせのもので良いなら食べさせてくれる、と言われて夕食をとった山の中のレストラン。

前回の日記に書いたように、ここでしか食べられないチーズを食べて満足したのですが、デザートもアルプスならではのものだったので感激しました。

ミルティーユのタルトです♪



「食材はすべて近くの生産物を使っている」とメニューに書いてあったので、このミルティーユも山で採れたものだったはず。

小粒で味がしまっていて、素晴らしく美味しかった!

ところで、ミルティーユ(myrtille)ブルーベリーのことだと思っていたのですが、コメントで「ビルベリー」と呼ぶのが正しいと教えていただきました。

それで、ブルーベリーと書いたところをフランス語のミルティーユに直して更新しています。後に入れる日記で書くように、ミルティーユをビルベリーに置き換えるのには少し抵抗があるからです


実は、日本でブルーベリーが目に良いとかとか言われてブームになって以来、ブルーベリーは好きではない果物になっていました。

いつもそうなのですが、「健康に良い」とか「長生きできる」とか言われると、とたんに食欲がなくなる私なのです。

山奥にあったレストランで出されたタルトを食べて、ブルーベリーが好きになった気がしていたのですが、これはブルーベリーではなくて、ビルベリーだったわけです!

似ているけれど、品種は違うのでした。


山小屋滞在中のミルティーユ探し

アルプスの山小屋で開かれるバースデーパーティーの準備も終わって、子豚を焼きだせば良いだけになった午後には、散歩をかねて、山にミルティーユ探しに出かけました。

山小屋の裏手を少しあがったところには、ミルティーユがいくらでもある、と言われたのです。

少し山を登ると、テーブルなど設置して整備された一角があって、そこにはミルティーユらしき植物がいっぱい生えていました。



こんなにびっしりと生えているのは想像していませんでした。
そこらじゅうミルティーユだかけ!

この辺りにはヒースの花も咲いているのが目に付きました。ヒースといえば、私には『嵐が丘』を読みながら想像した植物。ブルターニュ地方に行ったときに、初めてヒースの野原を見て感激しました。アルプスの山の中にもあるのは意外でした。

ミルティーユは、貧弱な土壌が向いているそうで、ヒースと同じ環境を好むと書いてあったので、納得。



庭に植えたミルティーユの木とは違って、背が低い。写真に入れた矢印が示す灌木なのですが、本当にミルティーユなのだろうか?

実がたくさんなっていたら、ミルティーユだと確信できるのですが、実が見えません。

でも、少しついていた実を見ると、フランスでは八百屋さんでもよく売っているミルティーユに見えます。

 

山小屋に戻ってから聞いてみたら、この場所で間違いなかったようでした。

その場で実を食べてみればミルティーユかどうか判別できたはずですが、ボツボツとついているだけだったので、なんとなく食べてみる気がしませんでした。

これを書きながら調べていたら、野生のミルティーユをそのまま食べるのには危険があるのだそう。キツネの排泄物がかかっていると、寄生虫エキノコックスによって肝臓障害が出るらしいです。食べてみなくて良かった...。

木の背丈が低いだけではなくて、見慣れていたふっくらとした市販のミルティーユよりも、かなり小さい実でした。

ここは標高1,500メートルくらいの高山。だから背丈も特に低くて、実も小さいのかな?...

たくさんなっているときに来たとしても、こんな小さな実をとるのは大変だろうな...。ブドウの収穫は重労働だと言われるのですが、ミルティーユを収穫する方が手間がかかるのでは?


ブルーベリーには栽培種と野生種がある?

日本でも山にあるブルーベリーは小さいのだろうかと調べてみたら、野生には生えていないように見えました。

日本には、20世紀半ばにアメリカから入ったらしい。

ブルーベリーは酸性土壌の高山に育つそうなので、日本は最適な土地があるのではないかと思ったのですが、野生はないのでしょうか?

ただし、栽培されている野生種のブルーベリーも存在することを確認しました。
ブルーベリーを楽天市場で検索

アルプスの山の中で見たミルティーユの木は、花がついていないツツジに似ていると思ったのですが、ブルーベリーはツツジ科の植物なのですね。

世界中に150種類以上のブルーベリーが存在するのだそう。
☆ ブルーベリー研究室: ブルーベリーの種類

※追記: コメントで日本にどんな野生種があるか教えていただきました。


遭難者が出るかもしれなかった?

たくさんあると言われて、収穫する道具やレジ袋も用意していたのだけれど、採るほどには実がなっていませんでした。

出かける前、「もうミルティーユがとれるシーズンは終わっている」と言っていた人がいたのですが、彼女が正しかったようです。

自分では収穫できなかったので、レストランで出してくれたのは余計に嬉しかったのでした。

このミルティーユ探しでは、もっと高いところまで登ったら実がなっているのではないかと思った人たちがいました。

私は迷子になるのが怖いので一緒に行くのは止めました。

山小屋に戻ると、パーティーのメイン料理にする子豚の丸焼きが始まりました。

ところが、しばらくたっても、ちょっと上まで山に登ってみるはずの人たちが帰ってこない。

夕闇もせまって寒くなってきたので、豚の丸焼きを眺めていた人たちは上着を羽織りだします。

心配性の私と、子豚の丸焼き係だったマダムが、何人足りないか聞き込みを始めました。でも、これだけ大勢集まっていると、誰がいなくなっているか把握しきれません。

私は、上の方まで行ってみるという人の中に、ミルティーユを収穫する道具を持っていた人がいたことも気になりました。

この道具のことを「これは何でしょう?」クイズにしていたのですが、正解を出してくださった方があったので、答えを入れました。

クイズ: アルプスの山小屋にあったもの。これは何でしょう? 2012/10/16

これをリュックに入れていたのです。

崖か何かで足を踏み外した時、鋭そうな鉄の針が背中に刺さったら、動けなくなるのではないか?...

そんなことになったら、あんなものを持って行こうと言った私に責任がある...。それに、パーティーが始まる夜に、みんなで山に捜索に出る事態になったら困るではないですか?...


これ以上みんなが帰って来なかったら、なんとかする必要があるのではないかとヤキモキし始めたとき、山登り組が帰ってきました。

メンバーは5人。見晴らしの良いところに到着したまでは良かったのですが、降りるときに道を変えようということになってのがいけなかったらしい。

地図は持っていたけれど、山の中の道は分かりにくい。歩きやすいハイキングコースからは外れてしまって、降りてみたら、ここは違う、と、また登ったり... を繰り返しながら、ようやく山小屋までの道を見つけた、いうことだったらしい。

遭難しそうになったメンバーには、山登りなんかできるはずがない中年の男性が一人入っていて、彼は見るも哀れなほど汗だくの姿になっていました。

登山靴と杖で、5人の中では唯一の完全武装だったのですけど。

でも、山歩きなんかしたことがない。
今回の旅行のために買った登山用の杖に助けられたそうです。

みんなから筋肉痛の心配をされて、アスピリンなんかを飲んでいました。

山って怖いのですよね。
こんな風に、簡単に遭難してしまうこともあるのではないでしょうか?...

ともかく、私は冒険に参加しないで良かった!

上まで登った彼らも、やはりミルティーユをたくさん見つけることはできなかったそうだし。


追記:
ミルティーユについて、続きを加えました。
ブルーベリー、ビルベリー、ミルティーユ: 違いは?  2012/10/24




9月下旬に行ったサヴォワ地方の旅行記は長くなってしまったのですが、今回で終わりにします。

私にはアルプスの山々は遠い存在。でも、帰り道、意外に早く帰ってこれてしまったので、そんなに遠くはないのだ... と、今回、認識を新たにしました。思えば、ブルゴーニュ地方でも、南の方では、晴れた日にモンブランが見える場所もあるのでした。

 

ブログ内リンク:
★ 目次: 郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村

[続きを読む  Lire la suite...]


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (10) | Top
この記事のURL | Rédiger
2012/09/07
むかし、日本から毎年ブルゴーニュに通っていたころ、この地方では最大規模だけれど中世からの古都ディジョンの街は、10年1日のごとく変わらないと思っていました。大きなニュースは、目抜き通りの評判の良いケーキ屋さんがマクドナルドになる! と騒がれた程度。

ディジョンの町は眠っているようで、日が落ちると、人影もまばらで静まり返っていました。ところが、数年前、社会党の市長になってからは、街はどんどん変わっていきました。

歩行者天国が増えたのは目覚ましい変化。旧市街の中心にあるブルゴーニュ公国時代の宮殿の前にある広場は、醜い駐車場だったのに、すっきりと美しい広場に生まれ変わりました。カフェのテラスも規制が緩んだのか、あちこちに出来て、街は活気づきました。

政権が変わると、こんなに街が変わるものかな?... パリも同じですね。


路面電車

長々と続いていた工事が終盤を迎えて、ついに「トラム」と呼ぶ路面電車が9月から走るようになりました。



ディジョンなんて小さな町なのに路面電車なんかいらないと思っていたのですが、バスのように排気ガスを出したり、音がうるさかったりしないので、悪くないと思いました。

ディジョンのトラムは、なかなか格好が良く見えました。

景観を美しくするためには電気を地面に通した方が良いのですが、ボルドーで実験的にやってみたら故障ばかり。それで、ディジョンの路面電車は上に電線を張り巡らせています。

路面に芝生を植えたり、並木を作ったりして、色々工夫の跡が見えました。


ディジョンのシンボルはカシス

昔はディジョンにも路面電車が走っていて、時代の流れで廃止されたのが復興したわけです。でも、現代の路面電車は昔のと違って美しいですね。

車体はカシスの実の色になっていました。工事の柵も同じ色だったのですが、始めはブルゴーニュなので赤ワインの樽にたまるリ・ド・ヴァンと呼ぶ色かと思ったのですが、カシスの色だったのでした。

カシスというフルーツ、ディジョンのシンボルなのです。

デザートでもカシスを使ったものが多い。

カシスを楽天市場で検索


それに、なによりも、ディジョンで流行らせたキールという食前酒に使うのは、クレーム・ド・カシスと呼ぶカシスのリキュールです。

クレーム・ド・カシスには、美味しいの、まずいのと色々ありますが、地元で手軽に買えるメーカーで最も定評があるのは、右に入れたボトル。

なぜか日本には余り輸出されていないようです...。
ガブリエル・ブディエのクレーム・ド・カシスを検索


ついでに、ディジョンの話題をもう1つ書きます:
ディジョンの名物フクロウ


ブログ内リンク:
ディジョンらしいデザート 2008/03/31
ブルゴーニュ白ワイン「アリゴテ」と食前酒キールの関係 2009/03/03
★ 目次: 郷土料理、地方特産食品、外国料理
フランスでは路面電車の設置ブーム 2010/04/13
★ 目次: 乗り物に関して書いた記事(自動車、自転車、船など)
★ 目次: 色について書いた記事

情報リンク:
Le Tram - Grand Dijon


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2011/10/08

シリーズ記事 【2011年秋: フランシュ・コンテ地方の旅行】 目次へ
その14
B&B民宿 (5)


出発の朝、宿の庭を散歩していたら、トレーラがあって、その中に少し傷のある美しくはないリンゴがたくさん入っていました。

家畜の餌にでもするのだろうな…。

民宿のご主人が「今朝はリンゴジュースづくりをするので…」と挨拶しながら出ていきました。

「あの痛んだリンゴで?…」とは言わない!

リンゴを砕く電動の道具を買ったので、それを使わせて欲しいと言ってきた近所の人たちと一緒にリンゴ絞りをやることにしたのだそう。


自家製のハムやソーセージも作ってしまうお家なので、ジュースも作るのでしょうね。朝食が終わってから庭に出てみると、リンゴ絞りの作業が始まっていました。



中央、後に見える緑のものがリンゴを小さく砕く装置でした。

ブドウの圧縮機のようなものがあるのは目に止めていたのですが、庭の飾りだと思っていました。へぇ、こんなのでリンゴも絞れてしまうのですね。

でも、かなり力を入れてやっています。いくらリンゴを小さく砕いたとしても、ブドウを絞るより力がいるでしょうね。

そんなに苦労してリンゴジュースを作るんだ…。


思えば、リンゴの圧縮作業というのは見たことがなかったかもしれない。

帰ってからリンゴ・ジュースをつくったことがありそうな人に聞いてみました。

ジュースにするには加熱して殺菌するから、リンゴが多少痛んでいるくらいは全く問題がないのだそう。

自家製のジュースを作るのは絞ったままなのだろうと思っていたのですが、確かにそれでは日持ちしないわけですね。

ジュースの殺菌って、どうやってやるのだろう?

野菜畑を持っている人たちが使っている、ゴムのパッキングで密封する瓶に入れて消毒する大きなバケツのような装置は知っています。

それと同じなのかと聞いてみたら、違うのだそう。

今回の旅行で行ったパスツール博物館に陳列されていた下の装置の原理らしい。



でも、今の時代にこんな大がかりな装置を使っているはずがない。

ボトル式の密封容器もあるので、こういうのを使うのかな?...

やっぱり分からない...。

それにしても、加熱してからジュースにするとは考えてみたことがありませんでした。それで美味しいのかな?...

この夏、ワインもブドウジュースを加熱してから作る方法があるのを知ったのを思い出します。



  

ブログ内の関連記事:
シャンパンのブドウ圧縮作業見学 2007/09/03
ノルマンディーでリンゴ酒の醸造農家を訪問 2009/11/20
葡萄ジャムからワインを作るなどという醸造法があったの?! 2011/07/28

★ このシリーズ記事の目次: 2011年秋 フランシュ・コンテ地方の旅行
目次: 旅行したときに書いたシリーズ日記のピックアップ


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2010/10/22
リンゴの木に花がたくさん咲いた時期、間引きしなければいけないのだとは思ったのですが、どうせ実がならない花もあるだろうからと放置していました。

そうしたら、リンゴの実がたくさんついてきました。ここで、少し間引きしなければ、と再び思ったのですが、小さな実をとるのは可愛そう…。

そのままにしていたら、枝がしなるほど実が大きくなってきました。

やはり、間引きすべきだったみたい。道端にあるリンゴの木のように小さな実ばかりになりました。天候が悪かったせいもあるのか、見るからに哀れな姿。

それでも、おいしさには代わりない感じがします。甘さには欠けるだろうと思ったので、とりあえず薄切りにしてサラダに入れてみたのですが、サクサク感がでてすごく美味しい♪

リンゴは便利な果物ですね。豚肉料理の付け合わせとしても定番です。


リンゴのコンポートを作る

せっせと使ったのですが、虫食いを捨てても食べきれないほどあるので、リンゴのコンポートにしました。砂糖を入れて煮るだけなので簡単。



私のは無農薬リンゴです。この作業をしていて感心したのは、リンゴを切っていても、全く変色しないこと。

店で買ったリンゴやナスは、切ったそばから塩水に付けないと変色してしまうではないですか? あれは農薬のせいだと聞いたのですが、本当にそうなんですね。

貧弱なリンゴですが、コンポートも美味しかったです。

そのままだと乳児食みたいなので、先日たくさん作ったブラックベリーのジャムを上に少しのせると目先も変わるので気に入りました。



サイトにあったリンゴのコンポートのレシピ:
Recette Compote de pommes
レモンの皮、シナモン、砂糖、蜂蜜、バニラエッセンスを入れています。

私はリンゴに砂糖を入れただけのコンポートを作ったのですが、蜂蜜やバニラを入れるとおいしそう。リンゴのタルトでもシナモンを入れるのが普通なのですが、なぜかフランス人の中には極端に嫌う人がいるので入れないようになりました。


前触れなしにやってきた友人に食事を出したとき、デザートが何もなかったのでコンポートを使いました。そのまま出すにはありふれすぎているので、アーモンドのスライスをのせて、オーブンで軽く焼いてみました。



どうなるか分からないので、小さなのを作ってバニラアイスクリームに添えることにしました。

オーブンの火加減を間違えずにアーモンドがこんがり焦げてくれていたら、全く悪くない一品だと思いました。コンポートの方は暖まった程度だったのが良かったです。


来年は、やはり間引きして大きなリンゴを育てようかな?…

ちゃんと間引きした年に収穫したリンゴの写真を入れた日記:
フランス王家の紋章がついたリンゴを作る 2006/09/29

ブログ内リンク:
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2010/10/14

秋の味覚 その1


フランスで庭付きの家に住んでいる人たちは、たいてい何かしら果樹を植えているのではないでしょうか?

フランスでは家庭菜園が盛んなのですが、土いじりをする趣味がないとか、時間に余裕がないとかすると、野菜畑の世話はできない。その点、果樹の方は放っておいても大丈夫♪ という利点があります。

なにしろ、フランス人は食べ物を手に入れるのが好き。森や野原で花を摘むのはスズランと黄水仙くらいですが、キノコ狩りに行く人はとても多いです。エスカルゴを取りに行くとか、ハンティングをするのは年配の人が多いのに比べると、キノコ狩りは若い人たちもすると感じます。


クルミは理想的な果樹

私が住んでいる地域には栗の木は全く育たないのですが、その代わりなのか、クルミの木はよく育ちます。自然にどこかから来たクルミの実から芽が出て、いつのまにか大きな木になったりもします。

今の時期、クルミがポロポロ落ちてきます。もう終わりかなと思う時期なのですが、それでもどこかに隠れている実が落ちてくるのは経験済み。

果実にも色々ありますが、果樹を育てていて(といっても、クルミの木には何もしないですが!)、クルミほど便利な実はないのではないでしょうか?

だって、木になっている状態で果皮が開いて、実だけになった状態で落ちてくるのです。つまり、ただ拾えば良いだけ!


明日には落ちてきそうなクルミの実

銀杏などは、臭い皮を除かなければならないので、かなり手間がかかりますよね。たまにフランスでも銀杏の木が庭にある家があるので、果実が食べられると説明するのですが、こんな臭いものを食べる気がしないようです。

今はリンゴや、先日書いたマルメロ(フランスではクワンと呼ぶ)が毎日落ちてきますが、鳥に食われたのとか、痛んだものを寄り分けて捨てなければならないので、けっこう大変です。

ここのところ、クルミを毎日拾っています。一本の木でも、食べきれないくらい取れてしましまうのです。

拾うのは簡単ですが、面倒なのは食べるとき!

常連さんばかりが来る小さな村のカフェなどでは、食前酒を飲む人のためにテーブルの上に食べ放題のクルミを置いていることがあります。経営者の家にクルミの木があるのでしょうね。自分で殻を割って食べてくれるなら、いくらでもどうぞ! というわけらしい。


日本ではクルミは余り食べないのでは?

去年、帰国する時にあり余っているクルミを持っていって、友人たちに食べさせたら好評でした。

考えてみると、日本では殻付きのクルミって、ほとんど出回っていないのでは? 少なくとも、私は東京のデパートなどで売っているのを見たことがないような気がします。

気になったので、楽天市場でクルミを検索してみたのですが、殻付きで売っているものは例外的というくらいに少ないと感じました。

楽天市場でクルミを検索した結果

そんなに探したわけではないのですが、やっと見つけたのは右に入れた信州の殻付きのクルミでした。

ショップの説明によると、信州の東信地方が日本一のクルミの産地なのだそうです。



なるほど…。でも、1キロでこのお値段?! 換算すると、1キロ20ユーロ以上。その値段でフランスで売ったら買う人はいないのではないでしょうか?...


フランスで最高のクルミとは?

フランスで最高のクルミとして知られるのはグルノーブルのクルミでしょう。これとペリゴールのクルミにAOC(原産地統制呼称)が与えられています。

グルノーブルのあたりを旅行したときにクルミを買ったことがあるのですが、やはり大きくて立派でした。つまり、私のところで取れるクルミとは比べ物にならないくらいの見事なクルミでした。

食べてみた味がすごかったかというと、???でした。でも、クルミは割るのが面倒なので、大きいのは良いとは言えます。

オフィシャルサイトによると、グルノーブルのクルミの60%は輸出されているそうです。確かに、地元を離れると、グルノーブルのクルミを売っているのを見かけるのは珍しいと思います。パリのスノッブな人たちなどに需要があるくらいなのではないかな?…

だって、高すぎる! 普通に売っている地元産のクルミだって、形で負けるだけで美味しいですから。

☆ グルノーブルのクルミのオフィシャルサイト: Comité Interprofessionnel de la Noix de Grenoble

思い出せば、グルノーブルのクルミを買ったときも、やたらに高いと思ったのでした。フランスのネットショップで売られているものを調べたら、1キロ5.27ユーロと出てきました。今はユーロが低いので700円くらい。上に入れた日本一のと比較すると、3分の1以下。

AOCクルミが高いといっても、そのくらいでしょうね。そうでなかったら、私が「グルノーブルのクルミってどんなのだろう?」と思う程度で買ったりはしなかったと思います。だって、タダで拾えるし、クルミの木を持っている人に言ったらいくらでもくれるのですから!

ともかく、日本ではクルミが珍しいらしい。友人たちとお酒を飲みとき、おしゃべりをはずませながらクルミの殻を割って食べるのを楽しめました。今年もお土産に持っていこうと思って、せっせと拾っています。今年のは小粒のしかならなかったので残念なのですが…。



クルミについて書いた日記:
クルミの実のなり方で戦争を予知する? 2009/10/01

にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

[続きを読む  Lire la suite...]


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2010/10/07

楽しかった農村散歩 その6目次


ブルゴーニュの村にあった散歩道で見たヤギたちの不思議な行動についてクイズを出したのですが、正解を出していただきました♪  色々考えてくださった皆さま、どうもありがとうございます!

クイズ: なぜ山羊たちは走り去ったのでしょう? 2010/10/01
ヒント: ヤギを夢中にさせる秋の果物とは? 2010/10/06


乳搾りを終えて牧場に戻ってきた山羊たちはある場所を目指して走っていったのですが、それには理由がある、と山羊を飼っている農家のご主人が教えてくださいました。


山羊たちは野生の梨が大好き

牧場の端には野生のナシの木があり、山羊たちはそれを食べようと急いでいたのでした。



自生する梨はヤギたちの大好物なのだそうです。それで、この時期には乳搾りが終わってから山羊たちを小屋から出すと、みんなナシを食べようと張りきって出かけて行く毎日のようでした。

クイズの答えをよせていただいた答えが正解に近づいてきたので、ヒントを入れてみたら、pepe犬さんが、ずばり「梨」と当ててくださいました

まだ「食べ物」とだけヒントを出たとき、日本で山羊を飼っていらっしゃるみほさんが「リンゴ」ではないかというコメントを入れてくださいました。 やはり山羊の気持ちがお分かりになるのですね。

この牧場があるあたりには野生の梨の木があったのですが、野生のリンゴの木があったら山羊たちはリンゴを食べていただろうと思います。

ナシの実は夜のうちに落ちるでしょうから、毎朝牧場に行くと新しいご馳走が地面にあるわけです。と言っても、数には限りがあるので、早い者勝ち、ということらしいです。 やはり若くて元気なヤギが一番早く走るので、たらふく食べられるのは若い子たちなのだそうです。

でも、ヤギたちの牧場には野生のナシの木が何本かあるのだそう。そう農家の人に言われたので牧場の彼方を見ると、少し別の場所に移動していく山羊もいました。

農家から牧場に行くまでの道にも梨の木がありました。それも食べながら牧場に行くのが格別楽しいでしょうね。

もう少ししたら、雌ヤギたちは出産して子育てをします。体力をつけておく必要がある時期、おいしい果物が落ちている。自然って、うまくできているのですね...。


野生の梨って、どんなの?

道端に野生のリンゴの木があるのは見たことがあるのですが、野生の梨というのもあるとは知りませんでした。

見てみたい。
牧場でヤギたちがとどまった場所に行けば、野生のナシの木があるはず。

そこまで見に行こうかとも思ったのですが、牧場の入口からはかなりの距離がありました。朝露で濡れた牧場を歩いたら、靴がビショビショになってしまう。それで、ヤギたちの足跡をたどってみるのは諦めました。

他にも野生のナシの木は生えているはずではないですか?
散歩道を歩き続けながら探してみました。

それらしき果物があちこちに落ちていたのですが、なかなか実がなっているのが見える木は見つかりませんでした。

ようやく見つけた、それらしき木!



地面に落ちていた野生の梨↓


これがナシ? 野生のリンゴといっても良いようなものではないですか?

でも、ヘタのところは梨のよう。匂いを嗅いでみると甘い香りがありました。

後でヤギのチーズを買いに行った時、農家のご主人からそれが野生のナシだと確認をもらいました。


野生の梨は、人間はそのままでは食べない

実はとても固そうです。人間はこのままかじれないでしょうね。

ヤギだけではなくて、森に住む野生動物たちも野生の梨を好んで食べるそうです。

でも人間がそのまま食べられる果物ではないので、果実酒やジャムなどにします。

木によって、おいしいのと、そうでもないのがあるので、選ぶ必要があるようです。

☆ 野生のナシでジャムを作るレシピ: Confiture de poires sauvages
酸味をだすためにリンゴも少し入れて、ひたひたになるくらいの水を加えて鍋で1時間弱火で煮てから、24時間寝かせ、それから裏ごして、砂糖とペクチンを入れてジャムに仕上げる。
普通のジャムを作るより手間がかかりますね…。




日本にも野生のナシは存在するらしい

日本にも野生のナシが存在するのだろうかと思って楽天市場で検索してみると、「ヤマナシ」、「アオナシ」という名前で苗が売られていました

つまり、日本にも野生品種のナシが存在するようです。

大学の研究室のページが出てきました:
野生ナシおよび在来系統の収集、保存と育種母本としての評価

香りヤマナシ(青ナシ)

香りヤマナシ(青ナシ)

価格:1,470円(税込、送料別)



フランスのとは品種が違うかもしれませんね。

☆ フランスの野生の梨: Poirier sauvage(PDFページ)


このときのお散歩の話しは続きます



にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

[続きを読む  Lire la suite...]


カテゴリー: 食材: 果実 | Comment (6) | Top
この記事のURL | Rédiger