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2014/12/05
昨年の冬に帰国したとき、友達がお気に入りのレストランで一緒にランチを食べようということになりました。彼女が仕事でも関係しているレストラン。シェフが数年フランスで修行していたそうで、話しもはずむのではないかとのこと。

日本のフレンチレストランは気取っているので好きではありません。でも、このシェフに会って、私の先入観は消えました。

とても気さくな男性で、まるでフランスのレストランで食事しているようにリラックスして料理を楽しめました。私たちのグループしかいなかったので、シェフともおしゃべりできて楽しかった。調理法などを聞くと、それに使った道具まで持ってきて見せてくれたりもしたのです。


調理場で働かないと、料理の評価はできないものなんだ....

フランスで修行したとしたら、有名レストランの裏話も聞けるかと思って、あのシェフはどう思いますか? などと質問したりもしてみました。

とりあえず、ブルゴーニュの有名シェフについて聞きました。すると、「僕、知らないんです」とおっしゃる。私だって知っているようなシェフを、フランス料理のプロが知らないというのはありえないではないですか?!

でも、話しているうちに分かりました。彼が「知らない」というのは、そのレストランでは修行していない、という意味なのでした。本を読んで勉強したくらいでは、足りないらしい。

なるほどね...。プロは違う!

メチャメチャに高いレストランなので行ったことがないけれど、気になっている3つ星シェフがいるので、その人のことを聞きました。半年とおっしゃっていたかな、そこで働いたのだそうです。

そのレストランで食事したことがあるフランス人に美味しかったかどうか聞いてみたときの返事が少し微妙だったのです。彼女は「Il faut aimer.」と答えたのでした。直訳したら「好きにならなきゃいけない」なのだけど、なんと訳せば良いのかな? 好きか嫌いかに分かれる、というニュアンスではないかと思います。

かなり独創的な料理を作るシェフなのです。私は、なんとなく、メディアが騒いでいるだけじゃないかという疑いを持っていました。紹介された日本人シェフが、そのレストランで働いたとしたら、お話しを聞きたいではないですか?

怖い人なのですって。ご機嫌が悪そうだと分かると、調理場の人たちは床にひれ伏した、と言います。実際、皿を投げて窓ガラスを割ってしまったこともあったのだそう。それじゃ危ないから、ひれ伏しますよね。

フランスの調理場は軍隊みたいに厳しい、とフランスで聞いたことがあります。シェフが何か言うたびに、みんなが「ウィ~、シェ~フ!」と大声で返事している場面はテレビで見たことがあります。調理チームのことを、軍隊や地方警察署で使う「brigade」と言ったのではなかったでしたっけ?

その話しはともかく、すごい内輪話を聞かせてもらいました。それを聞いたら、彼が修行したところでない限りは「そのレストランは知りません」と言うのが当然だと思いました。

うまみを出しにくい食材も上手く料理する腕で知られているシェフなのですが、実は、化学調味料をかなり使っているのですって。テレビの取材班が来ると、調理場のスタッフは大きな缶を隠していたのだそう。

でも、使っている調味料というのは、私もお気に入りにしているメーカーのブイヨンなのでした。なんとなく嬉しい。3つ星シェフもご愛用なら、私のチョイスも悪くなかった、と思ったりして。

でも、フランスでは、最もポピュラーなコンソメの素なのです...。


私のお気に入りのコンソメの素を日本で探す

私が常に台所に置いているのはマギー社のチキンコンソメで、これです ↓

https://www.maggi.fr/fond-de-volaille
Fond de Volaille | MAGGI France

私のレパートリーにしている人参の料理に、これが必要なのです:
にんじんのグラッセはフランス人には珍しい?  2010/02/25

それから、フレンチドレッシングについて書いて発見したレシピで、ドレッシングにチキン・コンソメをほんの少し入れるという日本式ドレッシングがフランス人に評判が良いので、それにも必要になりました:
フレンチドレッシングは、フランスのドレッシングではなかった 2013/07/29


マジーのチキン・コンソメを日本で探す

日本に帰国したとき、いつもチキンの味がないのが不満でした。フランスでは放し飼いのニワトリしか買わないのですが、日本で買うのはブロイラーだからだと思います。ふと、それならコンソメで味をしみこませてしまえば良いではないか、 と思いつきました。

日本では何でも売っているので、同じものが手に入るのだろうと思っていました。ところが、何軒か店をまわってみたのですが、チキンと名が付いているのは「タンドリーチキン」というのしかありません。



タンドリーチキンとは何のことか分からなかったのですが、これのことのようです。スパイスが入っていて特殊に見えるのですが、日本ではよく使う人が多いのでしょうか?

レシピも出てきたので、ポピュラーな料理なのでしょうね:
タンドリーチキンのレシピ・作り方(人気順)

でも、私が欲しいのはそれではない。

マギーにはフォン・ド・ヴォーや魚のスープの素もありますが、日本ではチキンのコンソメがないのは不思議。だって、コンソメと言ったら、チキンのが最もポピュラーではないですか?

ネットショップで探してみたら、やはりチキンのコンソメは見つかりました:
マギーのコンソメを楽天市場で検索

でも、私がフランスで買っているのと見た目が違う...。


私が買っていたのは、缶に入っている粉状のタイプで、好きなだけ使えるようになっています。右側の業務用というのが近い感じがする。でも、説明を読んだらびっくり。

最終加工地がニュージーランドだと書いてあるのです。

別にニュージーランドだったら不味いだろうと言うわけではないのですが、一番上に入れたメーカーのフランス・サイトの説明ではフランスで生産されたと書いてあるのです。

としたら、同じ味でない可能性がある...。


産業革命によって、女性は家事の手間をはぶくようになった?

ニュージーランドというのが出てきたのが気になったので、Wikipediaで調べてみました。

マギー(Maggi )はスイス人のJulius Maggi(ジュリアス・マギー)という人が作ったもので、今はネスレ・グループに入っている会社でした。ネスレは国際企業ですが、スイスの会社ですよね。マギーはフランスの商品だと思っていたのですが、スイスか...。

日本のネスレ社のサイトに、マギーのブイヨンが誕生した経緯が書かれていて興味深かったです。19世紀末、女性も社会進出するようになった時代、料理に時間をかけずにすむブイヨンが人気を呼んだのだそうです。

私がフランスで買うチキン・コンソメが日本で市販されているものと同じなのかどうかは分かりません。日本にいるのだからと、中華料理で使うチキン・コンソメを買ってしまったので。でも、国際企業だったら、どの国でも同じレシピで作っているのでしょうね。



ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで食べる鳥肉と卵(鶏、鴨、ウズラ、鳩、卵など)

外部リンク:
☆ 仏仏辞典: brigade
☆ Wikipédia: Julius Maggi
☆ ネスレ: マギーのこだわり


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2013/07/31
ここのところ、日本で「フレンチ」という言葉が付いた食品のことを書いています。

フレンチドレッシングは、フランスのドレッシングではなかった 2013/07/30
フレンチトーストをフランス人は嫌う? 2013/07/28

前回の日記「ディジョン・マスタードとは?」は、イギリスでフレンチマスタードというものを見たので、それが何なのか気になったために、そのイントロとして書いたのでした。


イギリス人が使うマスタードには2種類あるの?

イギリスに滞在していたとき、レストランに行くと、テーブルには2種類のマスタードが置いてあるのが気になりました。

塩と胡椒が置いてあるように、マスタードもテーブルに備えてある。

イギリスでは、シンプソンズのローストビーフを食べに連れていってもらったことが1回あっただけで、あとはすべて庶民的なレストランにしか入らなかったせいかもしれません。でも、フランスでは、庶民的なレストランでも、マスタードの瓶がテーブルに備えてあるというのは珍しいと思うのです。マスタードを欲しがる人が多いステーキ専門店ならありそうな気はしますが...。

マスタードがおいてあることよりも異様に感じたのは、必ず2種類のマスタードがあることでした。

黄色い、フランスで普通に見るマスタードは「イングリッシュ・マスタード」、茶色がかって色が濃い方は「フレンチ・マスタード」と呼ばれていました。

フランスでも、普通のマスタードは茶色ではなくて、黄色です。なぜフレンチマスタードが茶色なの?!...

ディジョン・マスタードには、ディジョンの特産カシスが入ったカシスマスタードというのもあって、それはピンク色をしています。

でも、普通のマスタードといったら、黄色でないと気持ち悪いではないですか?

ほとんど茶色に見えるフレンチマスタードは、全く美味しそうに見えませんでした。

それを「フランスの」と呼ぶのは、イギリス人はフランスに反感があるからかな?... と興味深く思ったのですが、わざわざ2種類おいているからには、茶色のマスタードが好きなイギリス人もいるからなのでしょう。

イギリスに通っていたのはずいぶん前のことなので、私の記憶がいい加減になっている可能性があります。

それで、インターネットで確認してみたのですが、やはりイギリスのレストランでは、イギリス風とフランス風という2種類のマスタードを置いている、という日本人の報告が幾つも見つかりました。

インターネットで調べてみました。なぜ2種類置く必要があるのかという理由は分からなかったのですが、英国風とフランス風のマスタードの違いについては答えが出てきました。

・イングリッシュマスタード: ブラウンマスタードとホワイトマスタードをブレンドする
・フレンチマスタード: カラシの種子をすりつぶし、ぶどうジュースや酢を加えて練りあげる

何となく違いが分かったような、分らないような...。

私のことなので、テーブルに置かれていた2種類の味がどう違うのか味見してみたはずだと思うのですが、味の違いについては記憶がありません。頭に焼きついているのは、テーブルに置かれた不思議な2つのポットだけ...。

イギリスでは色によって区別して呼んでいるような感じさえしました。フレンチマスタードと書いてあっても、フランス産なのかどうかは分かりませんし...。

でも、イギリスでもマスタードを作っていることは確かなのでした。

探してみたら、Colman'sというメーカーのマスタードがでてきました。

イギリス王室御用達に指定されているマスタードだという記述があったのですが、ほんとうなの?!...

スーパーで売っている安物マスタードの瓶に見えてしまったのですけど...。でも、いかにもイギリス的、つまり食欲をそそられないデザインではある... 。

まあ、イギリス王室の食卓に、この黄色い瓶が置かれているという光景はありえなくて、お上品にマスタードを器に入れているのでしょうけど。

ともかく、イギリス独特のマスタードは、フランスのマスタードよりはピリっとして、辛口のマスタードらしいというのは分かりました。

イギリスに旅行したフランス人が、イングリッシュ・マスタードは、ディジョン・マスタードに比べたら10倍からくて、たくさんつけてしまうと涙が出てくるほどだった、とブログに書いていました。

イギリスでいうイギリス風とフランス風で区別するマスタードは、色だけではなくて、そこに違いがあるのでしょうね。

イギリスに半年留学した日本の友達が、「イギリス料理には2種類ある」と言っていました。しょっぱすぎて不味いか、塩が足りなくて味がないか、の2種類。

彼女は、イングリッシュマスタードの素晴らしさを発見していなかったのだろうと思いました。何にでも超辛マスタードをつけて食べていたら、塩が足りないとか多すぎるとかなんて不満に思ったりはしなかったはずですから!


アメリカ製品に「フランチマスタード」がある?

検索を続けていたら、日本では「フレンチマスタード」という名前のマスタードが売られていることを発見♪

でも、これはアメリカのFrench'sというメーカーの商品で、Francis Frenchという名の人が作ったマスタードなのでした。

だから「フランスの」とは無関係。

ホットドックに使うのに便利そうで、安いのが特徴のカラシに見えます。

オリジナル商品の綴りは「French's Mustard」なのですが、日本のショップでは「French's Masterd」とカタカナ英語風に表記していたりもしていました

「フレンチさんのマスタード」なのに「フレンチマスタード」にしてしまうくらいですから、どうでも良いのでしょうね...。

ともかく、イギリスで見たマスタードには「French mustard」と書いてあったように思うので、これとは違うのは確かだと思います。

イギリスに存在する茶色のフレンチマスタードが何なのか、私が突き止めたとしても何の役にもたたないので、探究は放棄します。

内部リンク:
★ 目次: 商品にフランスのイメージを持たせた命名

外部リンク:
☆ All About [イギリス] : 「コルマンズ」のピリッと美味しいマスタード
The History of FRENCH's® Foods and FRENCH's Classic Yellow Mustard



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2013/07/30
ヨーロッパの人にディジョンの話しをすると、たいてい「Moutarde de Dijon(ディジョンのマスタード)」と、その国の訛りがあるフランス語を返してくるので驚いた時期がありました。

ディジョンはブルゴーニュ公国の都だった美しい街。それなのに、ディジョンという名を聞いて、マスタードなんかを連想されるのは不快。でも、ディジョンは観光地としてよりも、高級マスタードの産地として名が知られているようなのでした。

アルザス地方のレストランで郷土料理のシュークルートを食べたとき、マスタードがついてきた一緒に食べたら非常に味がひきたつので驚きました。ブルゴーニュにいるとマスタードをやたらに使うのですが、シュークルートに合うのは想像もしていなかったのです。

それで、アルザスには特別なマスタードがあるのだろうと思って、ウエーターさんにマスタードのメーカーはどこなのか聞いてみたのでした。

そうしたら、得意げな顔で「ディジョンのマスタードです」と返事されたので、ぎゃふん! このときも、ディジョンのマスタードは優れている、という定評があるのだろうと思いました。


マスタードをたっぷり使う料理

それにしても、アルザスで味わったディジョンマスタードが美味しかったのは意外...。でも、考えてみると、こういう風に肉やソーセージにマスタードをつけて食べるという経験に乏しい私だったのでした。

イギリスやアメリカなどでは、ステーキを食べるときにマスタードをつけるのが普通なのかもしれませんが、そうする人はブルゴーニュでは多くない感じがします。マスタードは、不味いステーキは食べられるようにしますが、ステーキそのものが美味しいときは肉の味を減少させてしまいますから。

それでも、ブルゴーニュ地方ではマスタードをたくさん消費します。前回の日記で書いたサラダドレッシングでも使いますが、そんなものの消費量は知れています。

肉にまぶして焼いたりするのにマスタードを使うのです。ウサギや豚肉に使うのが定番かな。焼くとパサパサになってしまう肉にマスタードを塗ると、味が閉じ込められて見違えるように美味しくなります。

スーパーでも業務用マスタードのような大瓶が売られているのですが、こういう料理を作る人たちではないかな?...



ディジョンマスタードのポピュラーなメーカーであるアモラ社(AMORA)が作ったレシピ動画のようです。 PR用だからマスタードをたっぷり使っていると思われるかもしれませんが、フランスには、こういう風にマスタードをべったりと塗ってしまうレシピがあります。

マスタードの原料となるカラシは、ディジョン近郊でたくさん栽培されていて、ディジョン市内で生産されるマスタードは大きな生産量を誇っていたのだそう。

でも、大規模生産をする会社が市場を獲得していき、フランス企業が外国資本に負けてしまうという最近の傾向に打ちのめされています。今なお健在なのは、「ディジョンのマスタード」と呼ぶマスタードの製造法だけ...。


マスタードの語源

マスタードは、フランス語ではMoutarde(ムタルド)。英語のMustard(マスタード)は、アングロ=ノルマン語のmustarde、中世のフランス語でmostardeから来ているようです。

こうした言葉の起源には、次の2つが有力とされています。

(1) ラテン語の「mustum ardens 」から。
火が燃えるように激しい(ardens)、ブドウのしぼり汁(mustum)の意味。 フランス語にすると「moût ardent」。
古代ローマ人は、つぶしたカラシの種子をブドウの果汁に入れたので、飛び上がるようにきつかった。

(2)Moult me tarde」から 。
ブルゴーニュ公国のPhilippe le Hardi(フィリップ豪胆公)が、1383年にフランス国王の依頼で、包囲されていたフランドル公国を解放するために出陣するとき、ディジョンから兵士を調達し、旗に「Moult me tarde」の文字を入れた旗を持ち、ディジョン軍に感謝するためにに町にこの文字を使用する許可を与えた、というもの。「おおいに気がせく」という意味なのですが、「Moult me tarde de rentrer à Dijon(ディジョンに早く帰りたいと気が急く)」を意味するのでしょう。


中世には、すでにブルゴーニュはマスタードの産地としての評判があったようですが、「Moult me tarde」がつまって「Moutarde」になったという2番目の説は、ディジョンのこじつけの可能性が強いと言われています。
 

最高のディジョンマスタードを作っているのはファロー社

現在、地元ブルゴーニュでは、ディジョン・マスタードの中で最も優れたものを作っているのはファロー社(Edmond Fallot)だという、ゆるぎない地位があります。



工場で大量生産されるようになったマスタード製造会社の中で、家内工業的な小規模生産でディジョンマスタードを作っているのは、このファロー社だけなのです。

昔ながらに、カラシの種を石臼でひいているのも、ここだけ。

ディジョンマスタードやビネガーを作っているメーカーなのですが、ファロー社の工場はブルゴーニュワインのメッカ、ボーヌ市にあります。

ディジョンマスタードのメーカーは色々ありますが、ここのマスタードを味わうと、他のマスタードは何なのだろうと思うくらいに美味しいので、他社のマスタードを買う気にはなりません。

ファローのマスタードは小規模生産なので、日本にはほとんど入っていない感じがします。

ネットショップで探せば、この会社が作っているマスタードのバリエーションがいくらか見つかります:
ファロ社のマスタードを楽天市場で検索


ファロー社を見学したときのこと

お気に入りのメーカーなので、見学したことがありました。いきなり行ってもだめで、 ツーリストオフィスで時間を指定して予約する必要がありました。

ファロー社の創業は1840年なのだそう。今では近代化されているのですが、昔に工場で使っていた道具がミニ博物館のように展示されているので興味深かったです。



ガイドさんが、マスタードについて詳しく説明してくれました。

色々なことを学んだのに、すぐにブログにメモしなかったので忘れてしまったのが残念...。

でも、私が行ったときには工場での生産過程の見学は翌年にできるようになると言われたので、また行き直そうと思っていたのでした。

マスタードづくりの体験もします。

単純にマスタードを作るなら、小道具の石臼でできてしまうのでした。



できあがったら、少し寝かせて熟成させる必要があるそうで、マスタードの味見は完成品で行われました。



実は、このヴィジットの参加費は一人10ユーロ。 確認したら、今でも値上がりはしていませんでした。10歳以上の子どもは8ユーロ。

子どもにマスタードのことを学ばせようという親が、子ども2人連れて行ったら、5,000円くらい支払うことになります。ちょっと高すぎませんか?

日本で工場見学するといったら、PRなのだから無料なのが普通ではないかと思って、私は不満だったのですが、最後の試食で満足。 マスタードの風味を違いを色々と味わえました。

小さな会社なので、従業員が試食のお皿を用意することなどできないはずで、ケータリングを利用していると思います。とすると、入場料くらいは費用がかかってしまうでしょうね。

最後にマスタードの小瓶をお土産にしてくれたので、ヴィジットが高すぎると思っていた気持ちは消えました。

見学が終わったときには商品を並べている場所に入りました。たくさん買いたがった見学者が多かったのですが、在庫がない! 本当に家内工業的な会社なのだな...、と好感を持ちました。

ファロー社(Moutarderie Fallot)についての動画があったので入れます:




ディジョンの観光スポットになっているマスタードの店

日本で有名なディジョン・マスタードといったら、マイユMaille)の方ではないでしょうか?

検索したら、日本語で書かれたラベルの商品もあるので驚きました! そんなにたくさん日本に入っているのですか?...

マイユのマスタードを楽天市場で検索

ディジョンの町にはマイユの美しいブティックがあるので、日本の観光ガイドブックにも書いてあると思います。

ブルゴーニュ地方、コート・ドール県の県庁所在地ディジョンに行ったら、ここに行くと良いですよ、という感じで。

言い伝えによれば、1720年にマルセイユでペストが大流行したとき、アントワーヌ・マイユ氏がペストの予防薬として考案したビネガーが評判を呼んだのがマイユ社の始まりなのだそう。

ディジョン市にあるマイユの店は、1845年に開店。 美しい旧市街をつらぬく目抜き通りに、マイユの古めかしい店があります。



店のショーウインドーには古いマスタードの壺のコレクションが並んでいて、観光スポットに相応しい場所でした。ところが最近は模様替え。コレクションはほとんどなくなってしまって、現代的で派手な店構えになったので、写真をとっても面白くなりました。ここに入れたのは、昔の店構えで、2004年に撮影しています。

でも、内部に入れば、今でもて美しい内装ではないかと思います。

この店では買えるフレッシュなマスタードは、瓶詰めとは全く違った風味があって素晴らしいです。日本のカラシやワサビを思わせる鋭い風味なのです。

フレッシュ・マスタードは、生ビールのような装置でマスタードを絞り出してくれます。



普通のマイユの瓶詰めなら、スーパーで買った方が安いのかもしれないけれど、観光客は行く価値がある、と思うのはパッケージ。マスタードなんて安い商品なのに、美しく包装してくれるのです。



日本だったら、きれいに包装してくれるのは何でもないことですが、フランスではよほどの高級店に行かないと、こんな風に器用に包める店員さんはいません!


ディジョン市内で生産されるディジョンマスタードは、3年前からなくなった

フランスでは、王手企業が勢力を伸ばし、さらに国際競争にも次々と敗れています。

フレンチマスタードの王者ディジョンマスタードにしても、しかり。マイユは、古い歴史を持つアモラ社(Amora)を吸収して、現在ではAmora Mailleというのが会社名。 この企業は1996年にダノンに合併されましたが、1999年にはUnilever(ユニリーバ)に買収されています。ユニリーバは、一般消費財メーカーとしては世界第3位に位置する、オランダとイギリスに本拠を置く多国籍企業。

こんなことを書いたのは、ディジョンの友達が、「マイユはオランダのマスタードだからね...」と言っていたので、調べてみたかったからです。

マイユのオフィシャルサイトには日本語ページもあって、充実した情報を載せています。でも、気になったのはサイトに入っていた「豆知識」のページ。

「ディジョンマスタードとは?」と題して説明があるのですが、次のように書かれているのです:

ペースト状のマスタードの代表的存在として『ディジョンマスタード』があります。マスタードの都として名高いブルゴーニュ地方のディジョンでは、現在でも全世界のペースト状マスタードの約半分、フランス全体の80%が製造されています。...

ひっかかったのは、ディジョンでマスタードが製造されている、という点。 ちなみに、フランス語ページでは同様の文章は見つかりませんでした。

「ディジョン」を「ブルゴーニュ地方」と置き換えれば間違ってはいないはず。フランス国内で生産されるマスタードの90%がブルゴーニュ地方で生産される、と記載しているフランス語サイトの記述がありましたので。

でも、ディジョン市内に残っていた唯一のマスタード工場は、2009年に閉鎖されています。だから、現在、ブルゴーニュの行政中心地である大都市ディジョン市内には、マスタードを製造する工場は存在しません。

最後に残っていたディジョン市内のマスタード工場は、マイユ社が吸収した旧アモラ社(Amora)の施設でした。2009年の夏に工場は閉鎖され、ディジョンから15キロくらい離れた郊外に移転しました。 日本の感覚からいえば、その程度の距離は同じ市町村と認識しても抵抗はないのですが。

もちろん、アモラの工場閉鎖が閉鎖されると分かった当時、ディジョンの人たちはそういう事態になることに大反対。

アモラのマスタードは、ディジョンで商標登録をしたのがマイユのブティック開店より前の1919年だし、1939年にはフランス市場で最大の生産量を誇ったそうなので、ディジョンの人たちにはアモラのマスタードに思い入れがあるのでしょう。

当時、ディジョン市役所の建物であり、昔はブルゴーニュ公国の宮殿だった部分にある階段には、工場移転反対をアピールする飾りつけになっていました。


2009年2月撮影

この美しい階段がそんな風に変身したのは、前にも後にも見たことがありません。市としても、市民と一緒に工場移転に反対を訴えたのでしょう。

でも、企業の決断を市民のセンチメンタルな感情で動かすことはできません。昔の運送手段として、ディジョン市の外れにある運河のほとりにあったアモラの工場は便利だったわけですが、そんなメリットは現代では無意味ですから、移転も仕方なかっただろうと思います。


ディジョンマスタードと呼ぶのだけれど...

ディジョンのマスタード(Moutarde de Dijon)は不幸を背負った、とも言われます。

フランスには原産地統制呼称(AOC: アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)があって、食品の原産地を特定し、さらに製造法も厳しく規制する品質保証制度があります。

ところが、ディジョンマスタードはAOCを獲得していません。

ディジョンマスタードと呼んで売るための条件は、1937年のデクレで定めた原料と製造法だけ。従って、その製造法に従って作ったマスタードなら、ディジョンで生産されるか、ブルゴーニュで生産されるかは全く問われないわけです。

日本産でも、ディジョンマスタードと呼んで商品化できてしまうわけですね。

フランスの食品は、名称を使うことにこだわることが多くのですけど。

例えば、シャンパーニュ地方で生産されたスパークリングワインでないと「シャンパン(フランス語ではシャンパーニュ)」と呼んではいけないとか、コニャック地方で生産されたブランデーでないと「コニャック」と呼んではいけないとかがあります。

町の名前をとって「ディジョン・マスタード」などと呼ばないで、「ブルゴーニュ・マスタード」としていたら、AOCを獲得することができたかも知れないのに...。

現在、フランス産のマスタードで使われる原料のカラシは、8割がカナダから輸出されているのだそう。その他、アメリカ、ハンガリー、ルーマニア、デンマークからも。

ブルゴーニュ地方で生産されているカラシの畑は、3,150ヘクタールなのだそうです(2009年)。

菜の花と見分けが難しそうなカラシの花。ブルゴーニュにいながら、マスタードの原料の畑を見たことがありません。あるいは、たとえ見ていても菜の花畑だと思ったはず。


ブルゴーニュ・マスタードができた

私がお気に入りにしているマスタードメーカーのファロー社では、最近、「Moutarde de Bourgogne(ブルゴーニュ・マスタード)」と呼ぶマスタードを作りました。

ブルゴーニュ地方で生産されたカラシの種、ブルゴーニュのAOC白ワインを使うという、100%ブルゴーニュ産のマスタード。

欧州連合の品質保証である「保護指定地域表示(IGP: Indication géographique protégée)」を獲得しています。

ブルゴーニュ・マスタードを楽天市場で検索

もちろんブルゴーニュ・マスタードを買いましたが、数々あるファローのマスタードの中で、これは飛びぬけて好きという気にはなりませんでした。ファローのマスタードは、たとえカナダの種を使っていても美味しいので!

でも、本物のディジョンマスタードに執着するなら、これしかないという貴重なプロダクトではあります。

2009年にディジョンにあったアモラの工場が閉鎖されてから、ファロー社は頑張っている感じがします。あるいは、ディジョンの人たちが、小規模生産で本物のディジョンマスタードを作っているファローを守ろうという気になってきたのか?...

それまでは、数あるマスタードメーカーの商品の中で、ファローのマスタードを見つけるには苦労していたのですが、最近はディジョンの土産物屋さんでもよく見かけるし、良い食材を扱う店では、必ずファローのマスタードを置くようになったと感じるのです。


最後に、フランスで工場生産されるマスタードの製造過程を見せる動画があったので入れておきます。大量生産される食品には魅力を感じないけれど、マスタードがどういう風に作られるのかよく分るので。


Moutarde preparée - comment c'est fait ? par diem-perdidi


マスタードの話しの続き:
イギリスのレストランに置いてあるフレンチマスタードって、何なの?




ブログ内リンク:
ディジョンの目抜き通りが歩行者天国になった祭り 2013/05/20
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
★ 目次: プレゼントや土産物に関して書いた記事

外部リンク:
☆ Musée de la Vie bourguignonne: Il n'est moutarde qu'à Dijon ?
Dijon moutarde - son histoire, la technique de fabrication
La moutarde de Dijon vient du Canada
La moutarde, de Dijon ? Plus vraiment !
Amora Dijon ferme définitivement ses portes après deux siècles d’activité
La moutarde de Dijon
Comment Unilever veut faire de Maille une marque milliardaire
☆ オフィシャルサイト: La Moutarderie Fallot


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2013/07/29
前回の日記「フレンチトーストをフランス人は嫌う?」でフレンチトーストについて書きながら、他にも「フレンチ」と付けられている食べ物があるな... と考えました。

日本で「フレンチドレッシング」と呼ばれるものが、前々から気になっていたのです。



日本では、バイキングでサラダが置いてあるときに、ドレッシングのチョイスとしてフレンチドレッシングというのもあったような気がします。

フランスで食べているようなパンが「フランスパン」。だとしたら、フレンチ・ドレッシングは、フランスで一般的なサラダドレッシングなのだろうと思うではないですか?

でも、フレンチドレッシングは、フランスの食卓に出る普通のドレッシングと同じとは感じないのです。 何かが違う...。どこに違いがあるのだろう?


フランス人はサラダドレッシングを簡単に作る

フランスのスーパーでもサラダドレッシングを売っていますから買う人もいるのでしょうが、普通は自分で作ります。少なくとも、市販のドレッシングを使っている友人には出会ったことがありません。

家庭では、サラダをよく食べます。

ひと昔前に質素な食事をしていた時代には、サラダが前菜の定番だったと言う人もいましたが、普通は、前菜、メインの後に、お口直し的にサラダが出てきます。そこで口の中をリフレッシュして、チーズ、デザートに進むという具合。

フランス人がどんな風にサラダを準備するかを知ったときは、驚きでした。非常に合理的なのです!

サラダボールの中に調味料を入れてドレッシングを作ります。



塩、コショウ、マスタード、ビネガー、オイルを混ぜるだけ。私は小さな泡立て器を使っていますが、フランス人たちはフォークだけでも器用に混ぜています。

マスタードは入れない人もいますが、これを加えるとビネガーとオイルが分離せずに、マヨネーズに近いとろみがでて固まってくれるので便利です。

ボールに入れたドレッシングができあがったら、水気を切ったサラダ菜やレタスなどを入れる。

食卓にそれを出して、食べる直前にフォークとスプーンでかき混ぜます。だから、早めにサラダを準備してしまっても、野菜がドレッシングを吸ってしまうわけではないので大丈夫なわけです。

「カミカゼ」という品種のレタス

パリでひとり暮らしをしている友人は、こんな風に毎回ドレッシングを作るのが面倒なので、1週間分まとめて作ってしまっていると言っていました。

下に入れる動画に、その作り方がでてきます。

つまり、空き瓶などに材料を入れてシェークするだけでドレッシングができてしまうのです。動画では、大勢集まる食事会のときに大量のドレッシングの作り方として紹介しています。



ペットボトルの目盛を利用して分量をはかり、カクテルのようにシェイクして作ってしまっているのが面白い。

なお、小さな白いポットに入ったものを入れていますが、これは水道水だそうです。私は水を入れることがないのですが、それが普通なのかと調べてみたら、水を入れるレシピも、入れないレシピもありました。

下は私が普通に作るのと同じレシピ。水は入れず、マスタードを入れています。



ともかく、フランスの家庭でドレッシングを作るのは、あっという間にできてしまいます。

ドレッシングに凝ろうと思ったら、ビネガーやオイルを何にするか、ビネガーの代わりにレモンやヨーグルトを使うとか、ハーブなどを入れるとか、マスタードは嫌いだから入れないとか、そういう配合だけの問題。


フレンチドレッシングって、何なの?

フランスで市販されているドレッシングを買おうとしたことがありません。フランス製なら美味しいのだろうと思ってマヨネーズを買ったら不味かったので、そういうものは自分で作ると決めたのです。

マヨネーズを作るのは少し手間がかかりますが、ドレッシングは簡単にできてしまうので買う必要もないし。

日本では、フレンチドレッシングなるものを、たくさん売っていました:
フレンチドレッシングを楽天市場で検索 

フランスで売っているドレッシングが、どういう名前が付いているか注意してみたことがないわけなのですが、「フレンチドレッシング」などという名前にはなっていないと思います。

日本で売っているフレンチドレッシングが気になったので調べてみたら、意外なことを知りました。

フランスで一般的なドレッシング、というのではないのでした!

Wikipediaに「フレンチドレッシング」という項目ができていました。それによると、アメリカで生まれたサラダドレシングなのだそう。

砂糖を加えた「白」と、ケチャップを加えた「赤」の2種類があるというので仰天!

アメリカやカナダで「French dressing」と呼ばれるドレッシングは、少し甘いのだそうです。フランスでは絶対に甘味をつけたりはしないのに、なぜ、それに「フレンチ」と付けたの?

上に書いた、フランスで一般的なのは「ヴィネグレットソース」と呼ぶのだそう(フランス語+英語?)。フランスでも、サラダドレッシングには色々なバリエーションがありますが、基本的なのはSauce vinaigrette(ソース・ヴィネグレット)と呼びます。あるいは、単純に vinaigrette(ヴィネグレット)。

フランス語で「ソース・ヴィネグレット(つまり、ビネガーのソース)」と呼ぶわけですが、これも考えてみれば変...。

ベースはオイルの方なのですから。好みによって配分は違いますが、ビネガー1に対して、オイルが2か3の割合です。ビネガーの味になってしまったらドレッシングとしては失敗になるのに、どうして「ヴィネグレット」と呼ぶのかな?...


日本のフレンチドレッシングには甘味がありましたっけ?... 日本のレシピを眺めてみました。

フレンチドレッシングのレシピを検索
簡単~基本のフレンチドレッシング♪
☆ みんなのきょうの料理: 基本のフレンチドレッシング
基本のフレンチ風ドレッシング

やはり、砂糖を入れるレシピが多い。でも、フランスで一般的なドレッシングをフレンチドレッシングと呼んでいることもある。なんだか分りません...。


日本風を取り入れてみた

日本のレシピを眺めていたら、レストラン風の美味しいフレンチドレッシングにするには、コンソメスープの素を少量入れると言うのがありました。

フランスのドレッシングに慣れてしまったので砂糖を入れるのには抵抗がありますが、コンソメスープの素を少し入れるのは試してみました。

先日作ったニンニクのマリネ(簡単にできる新ニンニクのマリネが美味しい)をサラダに入れてみると実験するときに採用。

ニンニクを刻み、ビネガーとワインで作ったマリネ液をほんの少しをビネガーの代わりにしてドレッシングを作りました。それにコンソメスープの素の粉を少々加えてかき混ぜました。

ビネガーの酸っぱさが消えて、美味しくなったような...。フランス人に出したら、コンソメなどというとんでもなものを入れたとは知らないので抵抗がなかったからだと思いますが、「とても美味しくできた」と褒められました。

まだ1回しか試してみないので、研究してみます。

ブログ内リンク:
おいしいサラダはオイルが決める: ルブラン社を訪問 2008/06/25
ディジョン・マスタードとは? 2013/07/30
ライスサラダをパーティーで出すのはケチの象徴? 2012/11/08
★ 目次: 商品にフランスのイメージを持たせた命名
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
☆ 全国マヨネーズ・ドレッシング類協会: ドレッシング類の範囲
Le site des meilleures sauces de salade
Recette de Vinaigrette classique
Astuce: les astuces pour réussir sa sauce vinaigrette ?


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2009/02/11
フランスに住むモロッコ人家庭に遊びに行ったときの写真です。

サロンの色

食前酒をご馳走になったサロンを撮影したものを油絵風に加工してみました。

ピンクや橙色がモロッコらしいと私は感じているのですが、どうでしょう?

歴史を感じさせるフランスの重厚なインテリアも好きですが、こういう思いっきり明るいのも良いなと思いました。

どうも好きになれないのはグレー。19世紀には家の中の壁を灰色にするのが流行っていたそうで、お城の見学をするとそうなっているのを見ることがよくあるのですが、美しいとは思えないのです。

壁が一面に灰色になっている部屋にいたら、私だったら落ち込んでしまいます・・・。


生粋のモロッコ人には日本に通じるものを感じる

友人夫妻は純粋にモロッコ人。ご主人の方はフランスで生まれたので、本来ならフランス国籍なのですが、物心つく年齢に(18歳くらいだったと思う)申請するとフランス人にならなくて良いのだそうです。

私が親しくしているのはご主人の妹の方なのですが、たくさんいる兄弟の中で、彼だけがそういう面倒な手続きをしてまで両親の国籍にしたのだそうです。

年ごろになったら、親戚が見つけたお嫁さん候補をモロッコから呼び寄せました。

頻繁にモロッコに行っているとはいえ(モロッコに別荘を2軒も所有してもいる)、彼はフランス育ちなので、国籍はペーパー上だけのこと。でも、意識的に何か違うのではないでしょうか?

フランス女性的なしたたかさが妹さんに比べて、お兄さんの方は、どことなく日本人気質に通じるものがあるような気がします。

イスラム系文化圏では、奥さんを何人も持てるとか、女性の地位が低いとか言われるのですが、マッチョ―である分、男性は妻を守っているという感じがします。

日本も女性の地位が低いといわれるのですが、純粋に日本文化が残っている田舎では、本家のお婆さんの権威はかなりあると感じています。

このモロッコ人夫婦も、実際に家庭での決定権を持っているのは、にこやかな奥さんの方だと感じます。

外の文化圏から見ると、偏見があって現実を歪んで見てしまうのではないかな?・・・

とはいえ、個人差が大きいでしょうから、彼らを見てモロッコ人気質をさぐりだせるわけではない! そういえば、今日のニュースは、求婚を断ったら火あぶりになりそうになったイスラム系の女性が裁判をおこしているという話しでした。


自家製オリーブオイルをいただく

先日、遊びに行ったとき、ブドウの種から作ったオイルを買ったという話しが出たら、モロッコのオリーブオイルの話しになりました。

奥さんの実家では、市販のオリーブオイルを買うことはなく、オリーブの実を買って、それをひかせてオイルにしているのだそう。それで、とても質が良いとのこと。いつもモロッコから持ってきたものを使っているのだそうです。

そのオイルのおすそわけをもらいました。

キッチンで

冬で、床暖房しているわけでもないのに、奥さんは裸足。私も家の中で室内履き、ましてや靴を履いているのは耐えがたいのですが、裸足にはなれないな・・・。

気前が良いところも、日本に共通しているように感じました。モロッコから持ってきた大きなお皿があまっているからと、それもいただいてしまいました!

楽天市場でオリーブオイルを検索しても、モロッコで絞り込もうとしてみたら何もでてきません。日本では人気がないのかしら?・・・

でも、考えてみると、フランスでも、オリーブオイルは、フランス産、イタリア産、スペイン産、ギリシャ産が目立ちますね。


モロッコ産で有名なのはアルガンオイル

モロッコ産のオイルとして有名なのは、アルガンオイル。これはたくさん売られていました。

パリのお金持ちたちに人気があるのだ、とフランスの友人から教えられて存在を知りました。


オリーブオイルを超える健康と美容に至極のオイル天然100%高級エクストラヴァージンオイル [アルガンオイル] 


数年前モロッコを旅行したとき、小瓶を買ってためしました。

確かに、独特な香りと、とろ味! 高級食材だと感じさせるオイルでした。

でも、栄養素において優れている、ものすごく高価だ、という裏書きがなかったら、日本のゴマ油も肩を並べると思うのですけど・・・。

日本製で匹敵するのは椿油でしょうか?
椿油で揚げた天ぷらをお料理屋さんでご馳走していただいたときの味は、10年以上たつ今も忘れられません・・・。

★ 椿油は高価すぎるからと、ごま油のお勧めブランドを教えてもらったときのことを書いた日記: 日本滞在中にメモした食材



書きながら思い出しました。

去年、ブルゴーニュのオイル工房で買い物をしたとき、アルガンオイルをプレゼントされていたのでした。
★ そのときの日記: おいしいサラダはオイルが決める: ルブラン社を訪問

たくさん買ったからか、おしゃべりがはずんだので気をよくしてくれたのか、ご主人からオイルの小瓶をプレゼントするから選ぶうように言われたので、厚かましくもアルガンオイルをいただいたのでした。

忘れていて、まだ手を付けていませんでした。使わなければ~!

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2008/07/21
最近のフランスは日本食ブームなので、「wasabi」という日本語も定着したみたいです。


ワサビとレフォール

前回の日記で書いたレストランのメニューには「Homard entier – roti au wasabi frais(フレッシュなワサビで焼いた丸ごとオマール」と、ワサビという言葉のまま表示されていました。

でも、フランスで本物の生のワサビが手に入るとしても、高級すぎて使えないのではないでしょうか?




生ワサビで味付けしたというオマールを食べたところ、日本のワサビのようにピリっとしているわけでもなかったので、フランスでraifort(レフォール)と呼ばれる西洋ワサビだろうな、と思いました。

フランス人にお刺身を食べさせるとき、ワサビが何なのか聞かれることがあると、レフォールだと答えています。レフォールはめったに使われるものではありませんが、そう言うと納得してくれるので。

でも、フランス人がレフォールのことをワサビと言うなんて! 最近のフランスでは、レフォールよりワサビの方が有名になったのかな?・・・

あるいは、wasabiという言葉ばを使って、お品書きをよりアトラクティブにしたのか?... 最近の高級レストランのメニューでは日本食材の名前を日本語のまま入れているのをよく目にするのです。


ホースラディッシュ

raifort(レフォール)は、日本語にするとホースラディッシュなのだそうです。

そのレフォールのペーストを小瓶に詰めて売っていたので買ったことがあります。

食品見本市でもったいぶって売っていたので、日本のワサビの代わりに使ってみようと思って買ったのです。でも、日本から持ってきたチューブの方がお刺身に合うのだろうと思って、戸棚に入れて、しばらくしたら忘れてしまって...、賞味期限が切れていたので捨ててしまいました。

期限切れになる前に、味見だけでもしてみれば良かった...。


ホースラディッシュ/パウダー/ [Horseradish]

↑ 粉末でも、私には美味しそうに見えないけれど...。


レフォール(ホースラディッシュ)とはどんな植物?

数年前、フランスの役場の中庭に珍しい野菜の鉢植えが展示されていたのですが、その中にレフォールがありました。

これです ↓

「レフォール」とラベルが付けてあります

根や瓶詰になったものの写真は、WikipediaのRaifortに関するページに入っています。根が大きいものは30センチくらいにもなるのだそうです。

ところで、日本の役場では野菜を展示するなどということはないのではないでしょうか?

フランスは野菜畑を見せるのがちょっとしたブームになっている感じがします。お城の庭に野菜畑を作って見せているのは良いとしても、パリのど真ん中にある中世博物館の庭が野菜畑に変身していたのを見たときにはびっくりしました。


話しをワサビに戻します。

レフォールの学名はArmoracia rusticanaで、こんな根ができるのだそうです。



花の方は、こちら ↓




日本では、「ホースラディッシュ」を清水で育つ「本ワサビ(水ワサビ)」と区別するために、山ワサビ、蝦夷山ワサビ、野ワサビ、根ワサビなどとも呼ばれるのだそうです。

北海道産というワサビは、確かにレフォールに似ているように見えます ↓




レフォール(ホースラディッシュ)は水栽培ではない

思い出せば、フランス人の友達がレフォールの種(種だったのかどうかは不明)を売っていたそうで、庭の畑に植えていたことがありました。

変な葉っぱ! これがワサビ?... と思える葉でした。

日本のワサビと言ったら水栽培だと思っていたので、「畑なんかに植えたらだめ!」と言ったのですが、種の袋には水栽培しろなんて書いていなかったとのこと。

どうやら、西洋ワサビというのは普通に畑に植えるものらしいのでした。

この友達も、ワサビの根らしきものがないので、結局そのまま枯らしておりました。

あんなヒョロヒョロした草にワサビのような根っこができるのは不思議...。

ブログ内の関連記事:
★ 目次: フランスの日本食ブーム
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記

外部リンク
西洋わさび萌え、去年の収穫の話も
☆ Wikipedia: Raifort » ホースラディッシュ


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2008/06/25
日本語にはフレンチ・ドレッシングという言葉がありますが、市販のドレッシングを買って使っているフランス人っているのでしょうか? スーパーなどではドレッシングを売っているので、買う人はいるのだとは思うのですが。

でも、フレンチ・ドレッシングって、あまりにも簡単にできるのです。

サラダボールに調味料を入れて(塩、胡椒、マスタード、オイル、ビネガー)、フォークでかき混ぜるだけ。ソースができたらサラダ菜を入れて、食べるときにそれをフォークとナイフで合えれば良いというものなのです。

ただし、調味料に関しては、それぞれのお家で好みがあります。お酢がきいているとか、お酢の変わりにレモン汁を入れるとか、ヨーグルトを入れるとか、マスタードをやたらに入れるとか(かき混ぜたときによく固まるので便利ではある!)・・・。


おいしいオイルがドレッシングの味を決める

フランスではサラダを食べる機会が多いので、オイルを何種類か持っていると楽しくなります。

オリーブの木は南仏に育つので、オイルというと南仏を想像してしまいます。でも、ここブルゴーニュにも優れたオイルを生産している会社があります。

ルブラン社。高級ブランドで、パリにもブティックがあるそうです。地元なので一度本店に行ってみたいなと思っていたのですが、やっと機会が訪れました。


ルブラン社の工房ヴィジット

この会社の近くに住む人が、とても感じの良い会社で、ブティックに行って工房見学も頼めばさせてくれると言うので行ってみました。

ええ? ここが、あのルブラン社?・・・ と、正直思ってしまった小さな工房。
しかも、ここが会社?! と思ってしまうほどアットホームな応対。

休日だったので、ご主人が工房を案内してくださいました。



昔ながらの石臼でオイルを作っています。全く伝統的な製法。こういう手作りだからこそ、あのびっくりするほど深い香りがでるのでしょうね・・・。

未だにこんな製造法でオイルを作っているところがあったのかと、感激しました。

ふと、こんな小さな工房は絶滅の危機にあるのではないかな?・・・という気もしました。今のうちに味わっておかないと!

最近のヨーロッパ連合は、やたらに衛生基準を厳しくしているのです。フランスの手作りチーズは不衛生だとか、イタリアのマキを燃す窯で焼いたビザは不衛生だとか、叩かれました。両方とも、戦い抜いて禁止は逃れましたが。


ルブラン社のオイル

ルブラン社のオイルは、フランス、しかも地元ブルゴーニュでさえも、めったに扱っている店はないのですが、日本ではちゃんと販売されているので驚きました!

このメーカーを紹介している文章があったので引用させていただきます。

1878年に創業し、代々伝統的な職人芸を守り抜いてきたオイルの老舗メーカーです。かつて地方においては各農家が自作のなたねやクルミ、ヒマワリの種などから絞ってオイルを製造していました。ルブランではその昔ながらの伝統的製法を守り、原料の果実、種子の選抜から製造、出荷まで、一貫した家内工業による手作りによって、昔のような自然の味わい・風味・色を残した、逸品と評されるオイルを作り続けているのです。
― 日本の輸入代理店アルカンのサイト / ルブラン紹介ページより



オイルいろいろ

ついでなので、ルブラン社のオイルの中で、フランスで使われる普通のオイルや私が好きなオイルをご紹介しておきます。

【グレープ・シードル・オイル】
 フランスが誇る名品・ルブラン社の手作りグレープ・シードオイル 500ml

フランスで普通に使われるオイルの代表。ブドウの種に含まれる油を搾油して作っています。フランス語だと、「ブドウの種オイル」と文字を読めば何でできているのか分かる名前なのですが、日本語では「グレープ・シードル」などという言葉が付いた名前になっていることを初めて知りました。

オイルにまでブドウを使うのは、ワインの国だから当然でしょうか? 最も癖がないので、素材の味と香りを活かしたいときにはもってこいのオイル。シーズンの終わりになってしまったホワイト・アスパラガスのマヨネーズも、これで作っています。


【焼き菜種オイル】
 ルブラン コルザオイル(焼きなたねオイル) 250ml

焼いた菜種を使っているオイルです。香ばしい香りがあって、すごい個性です。ずいぶん前のことですが、ルブラン社のオイルはすごい! と発見したのは、このオイルがきっかけだったように思います。


【ピスタピオオイル】
 フランス産:ルブラン社製 ピスタピオオイル230ml

私はやたらにピスタチオが好きなのです。おいしいレストランで食事をしたとき、このオイルを使っているサラダがあって、そんなオイルが存在するなら欲しいと思っていたら、ルブラン社にあったので喜んで買いました。ついでにピスタチオの実も売っていたので買ってしまった・・・。

お値段はお高め。でもグルメが求めるオイルとして注目を集めてきているような気がします。


【オリーブオイル】
 フランス産:ルブランブランドEXVオリーブオイルIGP

もちろん定番のオリーブオイルも作っていました。でも、さすがブルゴーニュで生産されるオリーブではなく、南仏で生産された実を使っています。フランス中部に位置するブルゴーニュ地方でも、園芸店などではオリーブの木を売っているのですが、鑑賞用程度にしか育たないのです。

私はオリーブオイルはイタリア製と決めてしまっていますので買いませんでした。


【ヘーゼルナッツ・オイル】
 ルブラン ヘーゼルナッツオイル 250ml 

オリーブオイルはなくてはならないオイルですが、サラダ用に持つオイルとして次に何? と聞かれたら、ヘーゼルナッツと答えるかもしれません。飽きがこないオイルです♪


【ウオールナッツ・オイル】
 ルブラン:ウォールナッツオイル・くるみ【500ml】

オリーブ、ブドウの種、ヘーゼルナッツのオイルの他に、切らすことがないオイルはクルミかも知れません。特に、胡桃を入れたサラダにはこのオイルがないといけない。

ルブラン社を訪問したときには胡桃を入れた大きな袋がたくさんあって、近郊の農家から運び込まれるのだと説明して工程を教えてもらいました。搾りカスは、今ではエコロジーな家畜の飼料として買い手があるのだそうです。


【アーモンド・オイル】

大好きなオイルです。日本に輸入されていないのだとしたら残念なことですよ~!

最近発見して喜んでいるのは、このオイルをホタテ貝の刺身にほんの少し(本当に、ほんの少し!)たらすこと。フランスのホタテ貝を生で食べるにはブルターニュ産。下手な日本産よりおいしいです。ブルターニュ産のホタテ貝はほんのりアーモンドの甘みがあるので、アーモンド・オイルをたらしてしまうと、それに近い香りがつくのです♪

オイルをかけすぎてしまうと失敗。オイルをかけているのがバレてしまうからです! ホタテ貝のカルパッチョにするときは問題なし。すばらしいのができます!

アーモンド・オイルが賞味期限を過ぎてしまったら化粧品として使えると教えてもらったのですが、残したことがないので実験していません。


楽天市場でルブラン社のオイルを探す


プレゼントまでいただいてしまった♪

この日、たくさんオイルを買ったので、オマケもしていただいてしまいました。

オイルを1本プレゼントしてくださるとのこと。「好きなのを選んで」と言われたので、アルガン・オイルの小瓶を選びました。ちょうど、モロッコで買ったものがなくなってしまったところだったのです。

【アルガン・オイル】

アルガン・オイルがどんなものであるかは、こちらのお店が詳しく紹介しています。

楽天市場でアルガン・オイルを探す

アルガンは超高級オイルです。パリなどではもてはやされていると聞いたので、生産地のモロッコに行ったときに買ってきたのですが、地元でありながらもひどく高い値段でした。

「どのオイルでも好きなのを選んで」と言われ、買っていなかったアルガンはどう? とまで言ってくださったので、お言葉に甘えました♪でも、ルブラン社のはそれより安かったのではないかと思う・・・。私が買ったモロッコのお店は観光地プライスだったのかな?・・・


おしゃべりもはずみ、楽しい工房見学になりました。

ブログ内リンク:
フレンチドレッシングは、フランスのドレッシングではなかった 2013/07/29
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
☆ ルブランのサイト: Huilerie Leblanc et fils (フランス語)


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