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2005/05/29

「フランス人は簡単には微笑まない」シリーズ目次
6. 笑顔を見せてもらえるなら命も惜しくない


なぜフランス人は日本人のように笑みを浮かべたりしないのか考えてしまう私なのですが、おもしろいと思う話しにであったことがありました。


【6】 笑顔を見せてもらえるなら命も惜しくない

中世の騎馬試合に関しての話しです。



私の子どもの頃の愛読書の一つは『アイバンホー』でしたから、騎馬試合などというのには親しみがあります。

騎馬試合では、戦う前の騎士が最も美しいと思う女性を選び、彼女に「あなたのために戦います」というようなことを言います。

騎馬試合

女性はハンカチか何かを騎士に投げる。
騎馬試合
騎士はそのハンカチを剣に結びつけて、厳かに戦いに向かう...。

騎馬試合では歴史的に名高い騎士も命を落としています。それほど危険なゲームです。

さて、戦いに勝った騎士は、命を捧げた女性の前に行って祝福してもらいます。

ここで、クエスチョン。
選ばれた女性は騎士に何をしてあげるのでしょうか?

答え: 女性は騎士に微笑みかける。

これが命がけで戦ったご褒美! それしかない。

つまり! 騎士は、愛する人ににっこりしてもらうことを勝ちとるだけの目的で命をかけたのでした。

つまり! にっこりしてあげるということは、命をかけるほどの価値があるのでした!

となると、私がやたらにニコニコするのはもったいないことなのであります!

考えてみると、フランスが誇るガラントリー(galanterie: フランス人独特の女性への気配り)の精神が薄れる前の世代のフランス人男性(50歳以上かな?)は、こちらを笑わせようとけなげな努力をしているように思えます。

わたしがニコニコしていると喜ばれるのは、その努力をする前にこちらが微笑みかけたりするからなのでしょうか?...

笑いかけてあげなければ、相手はもっと努力するのでしょうか?...

だからと言って、私がおいそれと笑わないようにしても、私の笑顔をみたいからと命をかける男性が現れるはずはありませんが...。


ひとり言:
初めてフランス人に「イヴァノエの話しは・・・」と言われたときには何の話しかと思ってしまいました。スコットの小説『アイバンホー(Ivanhoe)』のことなのです。フランス語で発音すると「イヴァノエ(Ivanhoé)」。綴りを見れば当然なのですが、子どものときに読んだ本ですから原題の綴りなんて知りませんでした。アイバンホーで馴染んでしまっているので、なんだかしまりがない主人公の名前に聞こえてしまいます...。
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「フランス人は簡単には微笑まない」シリーズは今回で終わりです。

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2005/05/28

「フランス人は簡単には微笑まない」シリーズ目次
5. 笑顔が嬉しい


いつも友人に言っているのです。フランス人は友達にするには良いけれど、一緒に仕事はしたくない...。

だって、あんなに楽しい人たちなのに、仕事となったら全く面白くない顔をしているのですから!

無理もありません。フランス語の「労働(travail)」という言葉。語源となっているラテン語tripalium には「拷問の道具」という意味があるのです。労働を楽しむ気分にはなれないのでしょう。


【5】 笑顔が嬉しい

私は、日本人の中では、言いたいことを言ってしまう性格をしていると見られるはず。でもフランス人の基準からいくと、かなり穏やかな性格の人間と受け取られています。

フランス人の上司に喧嘩をふっかけるようなことを言ってしまった私。でも、同じフランス人を相手にするときでも、友達ならいつもニコニコ顔でいます。

フランス人には、それがかなり珍しく見えるようです。

私の笑顔は良い、とよく言われます。

私を見ていると心が休まる、ともよく言われます。

病気で苦しんでいるとか、家庭がうまくいっていないとか、不幸がある人にはセラピー効果もあるらしい。ほんとうに、しんみりと私の笑顔のことを褒めます。

怪我をして病院に長く入院していたとき、看護婦さんたちは暇があると私の病室に遊びに来て言っていました。

「患者さんが、みんな、あなたみたいにニコニコしていてくらたらどんなにいいか...」

フランス人でもこんなに献身的で、我慢強い人たちがいたのだと発見した病院生活。看護婦さんたちは、そう思うだろうな。フランス人の患者というのは、みんな看護婦さんたちに文句ばかり言っていて、ニコリともしないでしょうから。


◆笑顔の写真が撮りたいと言われて...

いつかロシアを旅行していて、ドイツ人の高齢者グループと一緒になったときのこと。

私の写真をとって良いかと聞く男性がありました。私の笑顔が素晴らしいから写真を撮りたいと言うのです。

私が彼らと目があったときに微笑みかけたのは事実です。でも、私が大きな麦わら帽子をかぶっているのが滑稽だから写真をとりたいのではないか、と勘ぐりました。

ドイツ人は、みんなで私の笑顔が良いと話していたのだと説明します。

彼のグループの人たちも、みんな「そうだ、そうだ」という顔をして、嬉しそうに私を見ています。

本当に彼らは喜んでいる。麦藁帽子をからかっているのではない...。

それで、にっこり笑って写真におさまってあげました。

だから、日本人の笑顔が嬉しいのはヨーロッパ人に共通しているのではないかと思います。


◆笑顔にほっとさせられた思い出

なんとなく彼らの気持ちが分かるような気もするのです。

1年ぶりでフランスから帰国するとき、ソウル経由にして韓国人の友達に会いに行ったことがありました。

ソウル空港に着いた私は、いいしれぬ安堵感を味わいました。

そこで働いている人たちの穏やかな表情。どこからともなく沸いてくる笑顔。

東洋に帰って来たのだ... と実感しました!

これと対比して考えてしまうのは、パリの地下鉄に乗ったとき。まわりにいる人たちはみんな悪者に見えてしまうので緊張します。

何が違うのかな?...

続き:
その6: 笑顔を見せてもらえるなら命も惜しくない

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「フランス人は簡単には微笑まない」シリーズは6話からなっています。


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2005/05/27

「フランス人は簡単には微笑まない」シリーズ目次
4. 笑顔の作り方を知らないの?!


フランス人の上司から、最近は無愛想になったと言われた私の話し(5月26日の日記)の続きです。

彼だってニコニコなんかはしていないのです。

特にひどいのは月曜の朝。苦虫をつぶしたような顔でオフィスに入ってくるのです。

最悪は、フランス本社から社長が来て帰ったあとの週末明け。その顔を見ただけで帰りたくなってしまうような思いをしました。

社長が来ていたときには、私のボスは毎晩遅くまで接待したりして非常にハードに働いています。家もないがしろにしていたのでしょう。それで、社長が帰ったあとの週末は家庭サービスに努めるようです。

そうなると、仕事の疲れに家庭での疲れが重なって、どうしようもないくらいに疲れるらしい。フランス人のだんな様って大変なのだなと思ったものです。


【4】 笑顔の作り方を知らないの?!

「あなただってニコニコして欲しい」と私は言ってしまいました。

この社長、悪い人ではないのです。それに、彼にとっての私はフランス語で話せるという貴重な人間なので、かなり尊重してくれていました。

私の言い分はもっともだと認めてくれて、この次からニコニコしてオフィスに顔を出すと言います。

その次の朝、私はぎょっとしてしまいました。

オフィスに顔を出した社長は、私の顔を見ると「ボンジュール」と言いながらニコッと笑顔をつくったのです。

こんな笑顔は見たことがありませんでした。

顔がひきつっている。

余りにも不自然...。

なんなのだろう?... この笑顔は?!

そんな顔をされたら、出会いがしらに嫌味を言われたのと同じくらい不愉快になってしまいます。

「笑顔になっていない」などとまでは言えないので、「そんなに無理しなくて良い」と冗談のように言いました。

本当に、笑顔なんか無理につくってくれない方がましだと思ったのです!

私たち日本人が笑いたくなくてもニッコリできるのに、彼はできないのだろうか?... と真剣に考えてしまいました。普段は私に冗談を言って笑ったりもする人なのですが、ニコッというのができないらしい...。

この社長は、後にも先にも見たことがないくらいきつい性格の人でした。フランス人だからといって、彼のように笑顔をつくれないとは全く言い切れません。

それでもフランス人は、おかしいことがなければニコリとはしない人が多いような気がします。やたらに愛想が良いフランス人を見ると、私は不信感を持ってしまうようになりました。

その後、なぜヨーロッパの人はなぜやたらに笑顔をつくったりはしないのかということに関係があると思われる歴史的背景を知りました。

その話は次に書きます。


続き:
その5: 笑顔が嬉しい

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2005/05/26

「フランス人は簡単には微笑まない」シリーズ目次
3. フランス人にはニコニコなんかしていられない!


東京にあるフランス企業で秘書として働きだしてから1年くらいたったある日、フランス人の社長から言われてしまいました。

「あなたはいつも微笑んでいたのに、最近はどうしたの?」

確かにそうだったのですが、理由はあったのです。


【3】 フランス人にはニコニコなんかしていられない!

この会社で、私は想像を絶するくらい酷使されていたのです! ニコニコなんかしていられません。

フランス企業の小さな日本支店。従業員は数人しかいません。社長秘書と言っても名ばかりでした。

秘書業務はオマケのようなもの。商品の価格管理や通関業務を任され、社長がいないときはほぼ社長代理。

おまけに夕方のゴミ集めまで私の役割でした。

仕事をこなせばこなすほど、別の仕事も任されるようになりました。

もっと条件の良い会社に転職したときには、私の仕事を補うために、社長は女性を3人雇いました。そのくらい働いていたのです!

残業ばかりの毎日だったのですが、私の通勤時間は片道2時間近くかかりました。それで、残業手当がなくなるより健康を害したくないと思って、月に数回はホテルに泊まっていました。

自分がいなければ会社がメチャメチャになると思うのは、張り合いがあります。女性としては、感謝したくなるくらい。

私のボスは若くて社長になった人なので、非常に仕事熱心。働き者の私と良いコンビのように見えました。

ところが、そんな風に平社員が働くというのはフランス人には奇妙らしいと分かったときにはショックでした。

半年くらいたったら、「あなたは残業しすぎだ」とボスからお小言をくらいました。

私の残業手当が多くなっているために、給料が女性にしては高すぎることが問題になったのです。日本人の男性社員がやっかみを入れたらしい。そういう日本の風習を守らなければならない、とフランス人ビジネスマンは思っているようです。

そこで仕事を減らしてくれるのが当然の処置。ところが、そんなことは考えない私のボスは、平社員の私が、仕事があるからといって頑張ってしまうのが「おかしい」と思うらしいのです。

酷いことを言われました。

そんなに残業するのは、私には一家団欒を楽しむ家族がいないからか?
仕事が終わってから会うような友達がいないのか?

つまり私は不幸な人間なので、仕事に情熱を燃やしている、という風に見られていたようなのです!

これには驚きました...。

そんな言い方ってないでしょう。私は自分を犠牲にして働いていたのですから。それを上司が評価してくれなかったら、こんなに寂しいことはありません。

でもフランス人はそう思うのでしょうね。フランス人の秘書なら、残業はしないで帰ってしまう。だからボスとしては、仕事を減らすしかない。という図式があるのです。やってくれるのに部下の仕事を減らすのは愚かだ...。

パリに戻った彼の家に遊びにいったら、「フランスで働くのは大変だ。日本は良かった...」とぼやいていました。彼に与えられたフランス人秘書は仕事をこなしてくれないので、自分が残業してやるしかない。それで、パリに来てから5キロくらい痩せたと言っていました。

ともかく「残業しすぎだ」と言われた私は、「仕事が多すぎる!」と文句を言うようになりました。

ハードな仕事をするが楽しいみたいに見られるなら、ニコニコなんかするのはやめました。お給料だって値上げ交渉しないと上げてくれない。

フランス人の上司を持つと、文句を言わなければいけないようだと悟ったのです。

おかげさまで、この会社で働いていた数年の間に私のフランス語はかなり上達しました。必死で言いたいことを言おうとすると、語学は上達するものですから。

「あなたはいつも微笑んでいたのに、最近はどうしたの?」と言われた私。「あなたと働いたから」と答えてしまいました!

この頃のことを友達に話すときには、「日本人の上司なら、疲れたでしょう、もう帰りなさい、なんて言ってくれるのに...」と言ってしまいます。でも日本人の上司でも、そういう思いやりがない人はいるのでしょうね?...


続き:
その4: 笑顔の作り方を知らないの?!
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2005/05/20

「フランス人は簡単には微笑まない」シリーズ目次
2. フランス人が写真をとるとき、なんと言って笑わせるか


5月17の日記(その1)で、フランス人を写真に撮ろうとすると、なかなか笑ってくれないので困るという話を書きました。

そもそも、写真をとるときに「チーズ!」と言って笑顔をつくる人をフランスで見たことがないのです。


【2】 フランス人が写真をとるとき、なんと言って笑わせるか

それでもフランス人は英語では「チーズ」と言うのは知っているようで、「笑って!」と私が言うと、ふざけて「カマンベール」などと言った友達もありました。

チーズをフランス語で「フロマージュ」にしても、その代表的なチーズ「カマンベール」にしても、口は笑った形にはなりません!



カマンベールは、フランス人にとっても代表的なチーズのようです。
円グラフのことも、フランス語では「カマンベール」と言います。


ところで私は「はい、チーズ」と言うのだと思っていたのですが、英語ではSay cheese ! と言うのだそうです。「セイ」を日本語で「ハイ」にしてしまったのに感心しました。


◆ウイスティティー!

フランスには写真を撮るときに笑わせる単語がないのだろうか?、とフランス観光省のお役人に聞いたら、「ある」と言われました。

Ouistiti(ウイスティティー)

これを教えてくれたのは冗談を連発するお友達なので、自分はさらにこう言っているのだとご披露してくれました。

Ouistiti, Sexe !  (ウイスティティー セックス!)

二番目の単語は日本語と同じ意味がありますから、ちょっと言う気にはなりません。

でも確かに、「チーズ」とか「ウイスティティー」とか言って口を広げた馬鹿な顔をしてシャッターが切られるのを待っているより、この方が収まりが良いと感じます。

この友達の他には「ウイスティティー」と言っているのは見たことがありません。

それでもフランスでデジカメ写真をプリントする会社がサイト名を Wistiti(発音はOuistitiと同じになる)としているので、この言葉はある程度は使われている可能性があると思いました。

別の友達に聞いたら「ウイスティティー」と言うのを見たことはないと答えたのですが、笑いを誘う動物なので、思い浮かべただけでも笑みがわいてくる。だから、とても良い、と言っていました。

ウイスティティーは猿の仲間で、日本語では「マーモセット」とか「キヌザル」と訳されています。

話し言葉では「一風変わった人」という意味で使われるそうです。

私はウイスティティーという動物は見たことがないのでインターネットで探したら、きれいなポスターの写真がでてきました。
こちらをクリックしてください

日本語では「マーモット」とか「キヌザル」と訳されています。

ペットにするには可愛いようで、 Common Marmosets World という日本語のサイトもありました。


◆キュイ、キュイ

四角い箱のような写真機で写真を撮った時代には、その中に小鳥が入っていると言われたそうです。

「鳥が飛び出してくるから、こっちを見ていて」というわけです。

それで、チーズの代わりに、小鳥の鳴き声「cuicui(キュイキュイ)」と言う人もいるようです。


◆日本人は「チーズ」と言ったり、Vサインをしたりするけれど

フランスに来ている日本人が写真をとっているのを見ていると、Vサインをよくしています。これもフランスではあまり見かけません。

それでもテレビで映像をとっているときに、若い男の子たちがアナウンサーの後ろでVサインをしてカメラに笑いかけているのは時々見るような気もします。

次回は、私が「フランス人は笑顔の作り方を知らないのだ!」と思ったときのエピソードをご披露しようかと思っています。


続き:
その3: フランス人にはニコニコなんかしていられない!
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「フランス人は簡単には微笑まない」シリーズは6話からなっています。



情報リンク:

★ 世界の「はい、チーズ!(笑顔の写真を撮るときどう言う?)
異なる文化を楽しみながら学ぶ事典というサイトで、世界各国の人々が「チーズ」と言うか、Vサインをするかという問題を取り上げています。

★ Say cheese ! と題されたブログの 2005年3月21日の日記
「はい、チーズ」より良い笑顔になる言葉がないか探した結論が紹介されています。その他にも「はい、チーズ」にまつわる話があったと思うのですが見つかりませんでした。

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2005/05/17

「フランス人は簡単には微笑まない」シリーズ目次
1. 笑顔の写真が欲しいのに...

フランス人はよく笑います。

友人たちで集まる食事会が4時間も6時間も、それよりもっと長く続くことがよくあるのは、よくしゃべり、よく笑って楽しめるからでもあります。

食事会で笑いが途絶えると、誰かがhistoire drôle(おかしな話)という一口小話をやって、みんなを笑わせたりもします。

一口小話が何であるかを書くと長くなるので、いつか書きます。まあ、短い落語のようなものだと思ってください。

フランス人はHの発音ができないはずなのに、笑うときだけは「ワッハハ」などと、ハ行の音を発音できる。

よく笑います。実によく笑う。笑うことを楽しんでいます。

それなのに...

フランス人というのは、あまり笑わない国民なのではないか?... と思ってしまうことがあるのです。

彼らが笑うのは、おかしいとき。

おかしくないときは、笑わない。

おかしくなければ笑わないのは当然ではあるのですが、私たち日本人は、どんな顔をしてもよいか分からないときに笑顔をつくってしまう。

歩いていてころんだら、つい、照れ隠しに笑ってしまう。

日本人は、よく笑う国民なのではないでしょうか?

今日は、「フランス人は笑わない」シリーズの一番目のお話しです。


【1】 笑顔の写真が欲しいのに...

フランス人がおかしくなくても笑ってくれないと、私は困るのです。

というのも、私は記事に使うために写真をとることがあるからであります。

「幸せな○○さん!」という内容の記事につける写真を欲しいのに、その人がしかめっ面をしていては困る!

まず、フランス人は写真を余りとらないので、緊張してしまうらしい。

まして、「自分は日本に行く!」となると、余計に緊張してしまって笑顔なんかつくれないらしい。

よく、こう言う人がいるのです。写真が行くのであって、自分が行くのではないのに!...

ともかく、写真を撮られるときには「チーズ!」という習慣もあまりない。

プロのカメラマン、それも人物をとる人は、写真のテクニックだけではないと痛感します。自然な顔をさせるようなことを言ったり、したりする技術もかなりハイレベルにあるのだろうと思います。

私は下手なものですから、人物ではずい分失敗作をつくってしまっています。

笑うかな~...、笑うかな~...と思ってカメラを構えて待っていると、ますます苦虫をつぶしたように緊張してしまう...。

笑わせるようなことを言うと、奇妙に顔を引きつったりする...。それは笑顔ではありませんってば!

しゃべらせると、変な形に口を開いた写真になってしまう。

フランス語の発音はそういうものらしいですよ。微妙に音を出すので、口を尖らせたり、変な具合に口を横に開いたりするのです。そんな口の形をした顔は使い物になりません。

緊張されると、ある程度はきれいな人が本当に醜い顔になったりしてしまっている。

こんな写真は間違っても使えない、と思う写真が山のようにできました。

デジカメで写真が撮れるようになった今は良いのですが、フィルムで撮っていたころには、ずいぶん散財させられました...。

本当は、どんなボツ写真があるか、その苦虫の度合いがどんなにすごいものであるかお見せしたかったのですが、見つかりませんでした。

考えてみれば当然のことなのです。

そんな写真は役にたたないので捨てていたのでした...。

ある程度はどんなものかお見せできる写真があったので入れてみます。

下は、高齢者夫婦の幸せな顔を撮りたかったときの写真。1年の半分近くをキャンピングカーに乗ってヴァカンスを過ごしているという陽気な夫婦の写真です。

まず、笑ってくれない場合の例:
  


まあ、これでも笑顔をつくろうと努力しているのは見えるので、この写真は捨てなかったようです。

次は笑ってくれた写真:



余り笑顔になっていませんよね?

でも、ましな方の写真です。

このときは、本当にどうしようもないスライドがたくさんできました...。

ついでに、もう一枚お見せします。

パーティーでワインも入っているし、友達が大勢集まって陽気なときだったので、にこやかに笑っています。



でも、右はじの人...、どうしたのでしょう?...

そんなしかめっ面する理由は、なんにもないのですよ。

写真に撮られることが分かっているのだから、無理にでもにっこりしても良いではありませんか!

続き:
その2: フランス人が写真をとるとき、なんと言って笑わせるか
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2005/05/16
フランス人は日本人と違うなと感じることの一つに、作り笑いをしないということがあります。

このテーマで6つの連続した日記を書いたので一覧にしておきます。

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2005/05/15
現在活躍しているフランス人ピアニストの中で、私が一番気になるのはエレーヌ・グリモー(Hélène Grimaud)という女性ピアニストです。

と言っても、彼女はアメリカに住んでいて、英語の方が流暢ではないかと思ってしまうほどなのですが。

フランスでは余りコンサートをしていません。それでも彼女はフランスでもかなり人気があります。

というのも、彼女は大変な美人なのです。

フランスの男性好みの美女ではないかと思います。ただ顔立ちが良いというのではなくて、個性があって、こういう人をガールフレンドにしたら大変そう... という感じ。



彼女はオオカミ好きとして知られています。アメリカではオオカミ保護センター(Wolf Conservation Center)までつくってしまったくらいなのです。それで、よけいに神秘的な魅力があるのかも知れません。

初めのうち、私は彼女が美人だからもてはやされているのだと抵抗を感じていたのですが、コンサートに行ってからは印象が変わりました。この人の演奏には何か惹き付けられる魅力があるのです。

シンプルなパンタロン姿で、子どもがはにかむような表情を見せて舞台に登場したエレーヌ。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番でした。ピアノの惹き方にはかなり男性的な力強さがあります。

指使いを見て驚きました。

指が恐ろしく長い! というのをまず感じたのですが、その指が、まるでオオカミが爪で引っ掻くような動きをしたのです。手前から鍵盤の奥に動く。野生的な情熱を感じました。

優れたピアニストは、ピアノの先生が教えるような手の形では弾いてはいないとは思っていました。でも、こんな動きを見たのは初めてです。

それが、なぜかテレビで見る彼女の演奏では見えないのが不思議...。下に彼女が演奏しているところをビデオで見れるリンクを張りますが、それを見ても、コンサートで見たオオカミの指の動きは見えません。


◆一風変わったピアニストの自叙伝

5月9日の日記(夢と現実のギャップから「パリ症候群」は生まれる? )で、私が住んだエクス・アン・プロヴァンスは何か孤独を感じさせる町だったと書いたのですが、エレーヌ・グリモーはこの町で生まれています。

彼女は半生を語る自叙伝も出版していて、日本語版の紹介では次のようになっています。

 野生のしらべ

「15歳でCDデビューを果たし、天才少女とうたわれたピアニスト、エレーヌ・グレモー。苦悩と迷い、あこがれと確信にみちた半生をみずみずしく綴った自伝的エッセイ。学校に溶け込めない、友だちができない、勉強も習い事も、うまくいかない。自分の気持ちを表現できない。私の居場所はここではない「どこかべつの場所」…。度重なる自傷行為やひきこもりと闘う彼女を救い、癒したのは、本と自然とピアノ、そしてオオカミだった。今、エレーヌは、世界中の子どもたちのすこやかな精神のために、惜しみなく手をさしのべる」

この本の中で彼女は、「私は子ども時代には何のノスタルジーを持っていない(Je n'ai aucune nostalgie de l'enfance.)」などと語っています。

あのエクス・アン・プロヴァンスという町は、やはり冷たさのある町なのかな、と思ってしまいました。でも、それを推進力にしたエレーヌと、そこから何も見出さなかった私との差を感じてしまいます...。天才と凡人の差...。

エレーヌは15歳で初めてのCDを出してしまうほどの天才でした。私はもっと長い年月ピアノを弾いたのですが、全く上達しませんでした...。


◆母国より日本の方が頻繁に来ている!

フランスで彼女のコンサートに行くのは容易ではありません。

かなりのエレーヌ・ファンが私の友達の中にいるのですが、はるばるコンサートに行ったら彼女の都合でキャンセル。その後に、ようやくディジョンでコンサートがあったときに演奏を聞けて感激していました。

ところが、彼女が初めて日本でコンサートを開いたのは17年前で、頻繁に来日しているようです。

今年も6月末から各地でコンサートをするようです。2月に来日したばかりのようなのに!

そうなのですよね...。

日本では、世界の名だたる演奏者のコンサートが開かれるのですから。

私も日本でコンサート通いした頃には、主だったピアニストはすべて生で聞くことができたように思います。

それでも気難しいエレーヌ。フランスだけではなくて、日本でもコンサート・キャンセルをやっているようです。

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エレーヌ・グリモーに関するリンク:

日本で発売しているエレーヌ・グリモーのCD


ドイツ・グラモフォン(Deutsche Grammophon)のエレーヌ・グリモー情報(英語、仏語): ビデオ、CDの視聴、プロフィール、写真などが豊富に入っています。
最近のプロモーションビデオ(Hélène Grimaud/Promo Video: Rachmaninov and Chopin )  
* ビデオが直接開くはずです。


CD紹介: Hélène Grimaud: Rachmaninov, Chopin

CD紹介: Hélène Grimaud: Credo


エレーヌ・グリモーのオフィシャルサイト(Hélène Grimaud’s Official Website)

Universal Classicsのサイトのエレーヌ・グリモー情報
* 詳しい日本公演スケジュールもありました。

ブログ内リンク:
★ 目次: クラシック音楽



2005/05/14
日本で会社を辞めてフランスに留学することにしたとき、フランス人の上司から「あなたがフランスに行ったら、水をえた魚のようになるだろう」と言われました。他人と同じようにふるまわなければいけない日本社会が息苦しいと私が感じていたことを察してくれたようです。

とはいえ、フランスに来てみると、日本のヌクヌクと生活できるのもまた一つの魅力だと感じるようになりました。

フランスが住みやすい国なのかどうか考えて日記を幾つか書いたので、ページへのリンクを一覧にしておきます。

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2005/05/13

シリーズ記事目次 【フランスは住みやすい国か? パリは花の都か?】 目次へ
その7


フランスに比べて、日本は商品についてくるマニュアルが非常によくできていると思います。カラーのことも多いし、漫画なんかも書いてあって、ひと目で分かるようになっている。

ところがフランスの場合、勉強好きな人でもマニュアルなんか読む気がしなくなるような説明書がついてきます。

電化製品を買って分厚い説明書が付いていると思いきや、何カ国語のバージョンが一緒になって1冊になっているので、フランス語の部分はほんの少し。しかも、見ただけでムシズが走るような小さな字で書いてある。

かなり教養がある人でも分かりづらいと言っています。文章なんか読むのが苦手な人は、なおさら理解できないはずです。それでも、改善される様子はありません。

それでも、説明書がついていれば、まだ良い方だとも言えます。


◆パソコンは買ったけれど...

この冬、フランス人の友達がパソコンを買いました。

一緒にパソコン教室に通っている近所の人は、昔のテレビみたいに奥行きのある大きなパソコンを買ったけれど、友達は最新型の薄型。そう自慢していました。

ところが数日たつと、パソコンが動かないくて悪戦苦闘しているので見て欲しいと私に泣きついてきました。

彼らの家に行ってみると、デスクトップ・パソコンやプリンターが入っていた大きな箱があって、書斎は物置部屋のように雑然としていました。箱を片付ける余裕もなかったようです。

「パソコンって難しいのね。気が狂ってしまいそう!...」、と友達。

パソコンは、デンと机の上に載っていました。デンとしていると思ったのは、タワーの部分が時代遅れみたいに大きかったからです。

何が問題なのかと思っていたのですが、電源を入れても、画面が出ないのです。

思えば、私はいつもノートパソコンなので、配線なんかしないでもすぐに使えたのでした。役に立てそうもない助っ人でした...。

それでも、紙ぺら一枚に書いた配線説明書を念入りに見て、配線を確認。フランスの電気製品のコードはケチったみたいに短すぎることが多いのですが、それは問題なかった。

配線図は非常に分かりにくかったのですが、ご主人は日曜大工が得意なので、これで間違いないと言う。

「間違いないのだろう」、ということになりました。

でも、Windowsの「ようこそ」画面は出てこない。

「こういうときは、コンセントを抜いて、電源を入れなおすと良いのだ」、などと、私は知ったかぶりをしてみたりしました。

何度やり直しても、ダメ...。

CD-ROMが付いているので、それを入れないと起動しないのかも知れない、と思って入れてみました。

初めの画面は見えるけど、先には進まない。

何枚かあるCD-ROMが、何のためにあるのかも分からないのです。リカバリー用のものがあるとして、私が目を付けたのは、初めの立ち上げに必要か、あるいは使用説明書が入っているように思えたCDでした。

でも、何も出てこないのですから、何のためのCDなのかも分からない...。

そもそも、説明書らしきものは、配線説明の紙以外には、なんにもないのです! ガリ版刷りのような紙一枚だけ!

こういう場合、インターネットでメーカーのサイトを見たら、何かヒントのようなことが書いてある可能性があります。でも、見るわけにはいかない。あいにく商店が休みの日曜日だったので、買ったお店に電話するわけにもいきません。

「マニュアルが一緒についてくるものだから、お店に電話して、入れ忘れたのではないか聞くべきだ」、と言って私は引き上げました。


◆なぜパソコンが立ち上がらなかったのか

お店に電話したら、マニュアルは何もなくて普通なのだと分かったそうです。

いくら消費者に不親切なフランスでも、こんなことって、あるのでしょうか? 私の友達のように、パソコンは初めてという人もたくさんいるはずなのに。

でも、あのパソコンにはクレームが多いのだと言って、配線図が間違っていることをすぐに教えてくれたそうです。

指示されたように繋ぎなおしたら、パソコンに画面があっさりと浮かび出た。

「それなら、売るときに教えてあげれば良かったのに...」と思うのは、日本人です。

サービスの悪いフランスでは、電話に出た店員が、こんな風にすぐに解決法を教えてくれるなどというのは、奇跡として喜ぶべきなのです!


◆パッチって何?!

実は、ご自慢のパソコンが、私は他にも欠陥があるように思えてなりませんでした。売れ残りの安物だったのかとも思ったのですが、バーゲンに出ていた商品ではないと言っていました。

電源を入れただけで、ものすごい音がするのです!

オーク材の机に載せているから、余計に音が反響して大きくなるのかも知れません。でも私なら、こんな騒音には耐え切れません!

普通なら、パソコンが働きすぎで熱くなってきたら扇風機のようなものが回る音がするのですが、彼らのパソコンは何もしないのに一生懸命冷やしている。

その後、パソコンを売っている店で同じ商品を見たので、店員に聞いてみました。友達が買ったのと同じFNACというチェーン店なので相談に乗ってくれました。

FNACの店員は、かなり優秀なのです。事情を話すと、すぐに理解しました。

「ああ、これはクリスマス前に無理に出荷を早めたパソコンなので問題があるのですよ」

本来は、騒音を抑える「パッチ」とかいうものをインストールしてから出荷すべきだったのに、メーカーがそれをする時間がなかった。クリスマスプレゼントにする人も多いので、急がざるを得なかった、という理由。

その店では、お客さんに「パッチ」が入ったCDを渡しているのだと言います。

女性の店員さんは親切そうな人で、そのパッチとやらを私に一つくれるかのように見えました。ところが彼女が声をかけた上司らしい男性が、「買った店でもらえるから」とケチなことを言います。

友達は、また買ったお店に電話しました。

すると、「そんなパッチはない」という返事。

「本社に電話して調べてくれなかったの?」などと思うのは日本人です! フランスにいたら、そんなことを期待してはいけません。

インターネットでダウンロード「できるかも知れない」と言われたそうです。でも彼らは、まだインターネットにつないでいないのです! 彼女の使い方だと、インターネットはしない可能性も高い。

友人夫妻には、音が気になる様子がありません。パソコンを使ったのは初めてなので、そんなものだと思ったのでしょう。それに彼らはフランス人なので、アフター・サービスなんかは期待していない様子。

私がダウンロードしてCDに入れて渡してあげようかと思ったけれど、やめてしまいました。こんな説明書もつけないような不親切なメーカーが、ダウンロードやアップデートを充実させているとは思えないので、探すのは面倒になったのです。


◆もう、放っておこーっと!

それにしても、説明書が何もないというの致命的です。

パソコンの画面が真っ暗になったときはどうすれば良いか、完全にダウンしたときに買ったときの状態に戻すリカバリー作業はどうすれば良いかとか...。

パソコンを使っていたら、何かしらパソコンなしで見れるマニュアルが必要なのです。

パソコンの使い方まで書いたものがないのは妥協するとしても、困ったときに開くマニュアルもないというのは、日本では考えられないことではないでしょうか?

フランスは、サービスセンターに電話すれば親切に教えてくれるような国ではなのです。

別の友達が、パソコンに「ウィルスがあるので検疫をしました」というメッセージが出たので、あわててサービスセンターに電話たときのこと。

検疫というフランス語はquarantaine。「約40」という意味もある。外国に連れて行った犬は40日間検疫所に入れられる、というイメージです。それで彼女も、40日たったらウィルスが出てくると心配したらしい。

やっとつながった電話で相談したら、白痴扱いされて、さんざん馬鹿にされたのだそうです。相当しょげこんでいました。どうすれば良いか、なんて教えてくれない。それで、私に相談してきたのです。

マニュアルもない、サービスセンターにも聞けないとなったら、修理に出すしかないのかも知れません。でも修理に出したら、日本のように1週間で戻って来るようなことはないのです。1カ月くらいは覚悟しておく必要があります。

ともかく、このマニュアルがない友達のパソコンの心配をしてあげたら手におえないと思いました。それでなくても、週末に家に帰ってくる男の子が、ゲームをたくさんインストールして遊んでしまうらしいのです。

私はパソコンに詳しい、なんて顔をするのはやめようと思いました。


こんな話しは、フランスに住んだことがある方だったら、日常茶飯事のことだと思われたでしょうね...。

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