| Login |
2006/04/29
ノルマンディー地方を旅行したとき、ギイ・ド・モーパッサン(1850-1893)が生まれたというお城を見学しました。



手前に見えるのはモーパッサンの像。生誕150年を記念して2000年に置かれたそうです。

この城を目の前にして、ふと、モーパッサンの代表作を一つあげるとしたら日本人は何と答えるだろうか? と考えました。

やはり『女の一生』かな?... ふと、原題は”Une vie”で、「女の」というのはないのを思い出しました。

でも、忠実に『一生』と訳したらタイトルとしては変ですよね。フランス語では『ユンヌ・ヴィ』というのがとても良い響きだし、意味深げに感じると思う。翻訳者はさんざん迷ったのだろうな...。

モーパッサンの作品


◆モーパッサンが生まれた城

少し古くなっていたフランス語のガイドブックを持っていたのですが、このお城のヴィジットは見るものが大してないのに入場料が高い、と貶してありました。

確かに...。モーパッサンが生まれた城と言っても、ほとんど何もモーパッサンをしのばせるものがないのです。モーパッサンのファンがはるばる遣って来たら、がっかりしてしまうかも知れないです。

そもそも、モーパッサンがこの城で生まれたかどうかというのも確かではないのです。出生届けにはそう書いてあるのですが、城なんかではなくて、別のつまらない所で出生したという説もある。

お城自体も、フランスには幾らでも遠くから行くに値する城があるので、どうということもない...。

ただし、手入れの良い庭がありました。フランス式庭園ではなくて、むしろイギリス式。これの見学と、チャペルの内部の見学の方がモーパッサンより価値がありました。


◆何もないところこそガイドの腕の見せどころ!

ガイドのおばさんは門番という感じだったのですが、4ヶ国語でガイドできるのだとか。

もちろんモーパッサンについても説明はありました。当然ではありますが、彼女はモーパッサンがこの城で生まれたと断言していました。

私には、ガイドなしで見学したら見過ごしてしまうような所の説明が面白かったです。

特に気に入ってしまったのは、レンガのお話し。

この地方では余り石が切り出せないのでレンガを多く使っているのです。ブルゴーニュではレンガづくりの家があるのはブレス地方くらいで、ほとんど見かけないので珍しかった。

下の写真が、今回の私が学んだこと。



レンガでつくられた塀です。

レンガに埋め込まれている模様のように見える白いもの(石です)は、レンガを補強するためのテクニックなのだそうです。

石を互い違いに縦横に置くというもの。

もちろん、壁の厚さがある大きな石です。これを埋め込むことによってレンガが崩れないのだそうです。

たぶん以前にも見たことがあるだろうし、ひょっとしたら既に説明してもらっていたかも知れません。忘れないようにブログでメモしておきます。

ついでに、もう一つ学んだこと。

こちらは建物の壁。中央の白い石を挟んで、色の違うレンガが使われていました。




左のレンガの色の方がきれいですよね。野外で焼いたレンガ。右は工場で大量生産されたレンガ。そう聞くと、よけいに安っぽく見えました。

この城の修復の段階で、一部に大量生産の安物のレンガが使われてていました。

城の左手の塔の屋根が火事で焼けてしまったという話しも面白かった。

戦争中にアメリカ軍が城に駐屯していたそうなのですが、ある夜、暖炉の薪が燃えないので、車のガソリンをぶっかけたら火事になってしまったのだそうです。

全く、アメリカ人って、とんでもないことをする!!!




Guy de Maupassantに関して:

Site de l'association des amis de Guy de Maupassant  ⇒  Où est né Maupassant ?

☆!TETES HAUTES! :Polémique autour de la naissance de l'écrivain français, Guy de Maupassant.

Guy de Maupassant (1850-1893) を巡って

にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 建築物 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2006/04/28
フランス人って、異常なくらいに古い家を修復するのが好きだと、いつも感心しています。

先日、友達の家の夕食に招待されたので行ったら、また工事中なので呆れました。

少し前にダイニングキッチンの修理が完了したのですが、今度は隣にあるサロンの工事が始まっていたのでした。ご主人が定年退職してから、大々的なリフォームの始まりになったらしい。

2百年か3百年前に建てられた家です。確かに、古い家は、磨いて、リフォームすると価値がでてきます。やる価値はある!

ダイニングキッチンのリフォームはみごとでした。

部屋の壁をはずして部屋を大きくし、壁紙を剥がし、いま流行りの石積みが見える壁にして、さらに料理がしやすいシステムキッチンになりました。工事をしたら壁の裏から巨大な暖炉も出てきたので、見違えるほど立派な部屋!

というのも、リフォームする前はせせっこましくて、貧しい家のような風采だったのです。ひと昔前の庶民の家は、暖房の効率を良くするのが第一だったので無理はないのです。

でも、工事が続く中で生活するのって大変。まして工事費を安くするために自分も働くから、よけいに大変・・・。

フランス人って、自分の生活のためには働くのを惜しまないと、つくづく感心します。つまり、お金のために働くときは、できるだけ働かないようにするのだけれど!


◆大工さんへの思いやり!

下は、先日見た工事中の部屋です。



この部屋にあった細々したものは片付けられていて、大きな家具が2つだけに透明のビニールですっぽり被せられていました。

・・・という、どうということのない工事風景なのですが、暖炉の上にはボトルが何本か並んでいる!

とてもフランス的だと思って写真におさめました。

お酒のボトルは、片付け忘れたのではありません。工事をする人に飲ませる食前酒のボトルなのですから!

一日の仕事が終わったら、彼らが引き上げる前に一杯ご馳走するというわけです。

一杯とは言わず、数杯が普通でしょうけれど! それに、昼食と夕食の前にそれぞれ食前酒タイムをやっているはず。生粋の田舎の人のお家なので、ちゃんと伝統的にやっていると思う。

日本でも同じように家をリフォームする工事はありますが、こんな風にする家はないのではないでしょうか? それとも、今でも田舎でも、やはり大工さんにはフランスのようにお酒でねぎらったのでしょうか?


◆自分好みの空間に身をおきたい

それにしても、フランス人ってリフォームが好きなのだと思う。自分が住む空間を自分好みにしないと気がすまないらしい。

例えば、在日フランス大使館。日本にいたときには、仕事がら、よく行ったのですが、大使が変わると、インテリアもがらりと変わる。 よくそんなところに予算が取れるものだと感心しました。

たぶん、色々な職場でも、新しく赴任したトップはインテリアを変えているのではないでしょうか?

でも、これはフランス人に限らないのかな?...

パリの超高級ホテルのルポルタージュを見ていたら、カーテンの色や何かまで指定するお客さんもあるそうで、ご到着前には大々的にインテリアを変えていましたから。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランス人の古民家を修復する情熱、建築技術
★ 目次: クイズを出した記事一覧


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: フランス人 | Comment (2) | Top
この記事のURL | Rédiger
2006/04/24
帰国の日がせまってくると、友達がさかんに食事に招待してくれるので忙しくなります。

ホームメードのフォアグラ、エスカルゴなど...。しばらくフランスの食事から遠くなってしまうので、心残りがないように、色々食べさせてくれます。

彼らにしてみると、世界一だと思っているフランスの料理やワインがなくなるというのは、刑務所に入るくらいに辛いだろうと同情してくれているみたい。

日本とフランスを頻繁に行き来しているのだし、またすぐにフランスに帰ってくるのだし... と思うのですが、別れの前に食事に招待するのは友情のあかしのジェスチャーらしい。

「私たちをlaisser tomber(見捨てる)するの」なんて言って、大げさに別れを惜しんでくれるのがフランス的だと感じます。

先日行った家では、食事を始める前に「今日の夕食は、○○(私のファーストネーム)の出発を...」というようなことをホストが言い出したので、爆笑。

だって、その後は「pour fêter(祝うために)」と続くだろうと予想される文章。それじゃ、まるで私がいなくなるのを喜んでいるみたい!

それでは、こういう場合、フランス語で何と言うのが適切なのか? と興味を持って耳をそばだてたのですが、相手も思い浮かばなかったらしい。「そうじゃなくて...、つまり...」と言葉をつまらせただけでした。

「いつまで日本にいるの?」とか、色々別れを惜しむことをみんなが言うので、日本には「水さかずき」でお別れをするというのがあって... などと言うと、「じゃあ...」とワインを下げるマネをされてしまいました。


◆ワインセラーでお選別を選ぶ

食事が始まる前、ご主人がセラーを私に見せると言いました。

よその家のセラーに降りて行くのは大好きです。

このお家は200年以上前に建てられて建物なので、地下のセラーも広くて、なかなか立派でした。完全な石造りで、アーチ型の天井。

ブルゴーニュで石造りの古い家を売るときには、近いにワインセラーがないとかなり値段が下がると思う。この家のは合格点でした。中はワインの箱も散らかっていてゴッチャゴチャでしたけど。

庭の洋ナシで作ったお酒をプレゼントしたいから選びなさいとのこと。

たくさんあるので迷ったけれど、荷物にならないように一番小さい瓶を選びました。

それが、これ。



可愛いでしょう?

瓶をきれいにふいて、1991年という仕込んだときの年号を書いて、蝋でボトルの口を塞いで持ってきてくれたものを撮影しました。手持ちの蝋は古くなっていたので上手くできなかったそうですので、念のため説明しておきます。

この洋ナシのお酒は、日本でいえば梅酒のようなもの。ただし、ナシの実は瓶を木に縛っておいて、瓶の中で大きくなっています。

かなり難しいのだそうですが、ご主人はこれを作るのが得意なのです。

お譲ちゃんが、洋ナシのお酒をたくさん作った年の写真を見せてくれたので、持ち帰ってスキャナしました。

お酒がなくなったら、新しい洋ナシのブランデーを継ぎ足していきます。

瓶は可愛いのですが、液体部分は少なかったな...。別の瓶で注ぎ足し用のお酒を下さると言われたのですが、空になったらフランスに持ち帰ってお酒をたそうと思います。



明日からパリに向かって出発します。パリから飛行機に乗るなら1泊だけで良いのですが、ついでに数日旅行してから日本に向かうことにしました。


◆日本でも洋梨のブランデーは飲まれているのだろうか?

フランスでは洋梨(ポワール)のブランデーは良く知られているお酒です。果実入りのものも売られています。

日本では余り見かけないように思うのですが、市場には出ているのでした。

グレイグース ラ・ポワール 700ml 40度

グレイグース ラ・ポワール 700ml 40度
価格:4,284円(税込、送料別)



洋ナシのブランデーを楽天市場で検索

ブログ内リンク:
★ 目次: 蒸留酒をつくるアランビック見学
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ 
にほんブログ村
にほんブログ村 トラコミュ フランスのお酒 (ワインなど)へ
フランスのお酒 (ワインなど)



2006/04/23
突然春になりました。

ものすごい勢いで木々の葉が伸び、色々な花が咲き出しています。毎日新しい発見! 一日で植物がこれだけ成長するのかと驚きます。


これから夏になるまで、一番美しい季節...。



左の写真:
私が植えたシダレ桜。「日本の品種」と明記されフランスで売られていた品種です。

中央の写真:
同じくシダレ桜の形の木なですが、フランスの品種らしい。お花好きなフランス人の家でも見かけるサクランボウがならない桜の木です。でも花が小さいし、その花は葉に負けてしまっている。余り美しいと思わないのですが...。

右の写真:
サクランボウを収穫するための、普通にフランスで見られる桜の木の花。


ついでに、今のフランスで庭に見られる木々の写真を入れます。



左の写真:
「日本の...」と付いている花で、フランスでよく見かける木。
ボケだと思っているのですが、違うでしょうか?
秋になると、不釣合いなほど大きな実ができます。この木の名前(cognassier)を辞書でひくと「マルメロ、ボケ、カリン」と出てきます。カリンだったら食べられるのかとも思いますが、怖いので食べてみたことはありません。

中央の写真:
「日本のモミジ」として売られていた木。私は「詐欺だ!」と思ったモミジです。
なにしろ、葉がちぢてていてモミジ型の葉にならないので、いじけている! 今のこの状態よりもちぢれて、ほとんど線状になってしまいます。それでも、数枚の葉は普通に広がった葉にはなるので、土が合わないのかな?... とも思うのですが。
それに、このモミジ、秋になっても紅葉しない!

右の写真:
ノワゼット(ヘーゲルナッツ)の若葉。
今の時期、出てきたばかりの小さな若葉がとても美しいと感じます。人間でも同じかなな?... 小さなうちはみんな可愛い!

にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 植物 | Comment (2) | Top
この記事のURL | Rédiger
2006/04/23
牧場が草だけの風景というのは寂しいものです。少しずつ家畜の姿が見られるようになってきましたが、ようやくみんな外に出てきたように感じました。

ここブルゴーニュをドライブしていて一番多く見かけるのは放牧されている牛の姿。

5月になると、PCのデスクトップにはこの写真を入れます。たまたまフランス人が見たら、こんなありふれた風景のどこが良いの? と言われてしまったことがありました。

でも、私は日本では牧場を見ないで育ったし、日本の山や海は美しいので、フランスの自然の風景の中では牧場が一番好きなのです。

そこにいるのは、ブルゴーニュが原産地のシャロレー種の牛です。

日本でも飼育されようとしたことがあったそうなのですが、気が荒いのでダメだったとか聞いて驚いたことがあります。牧場で見ている限り、とても穏やかな牛たちなのです。



フランスの農家で話しを聞いていると、牛一頭につき牧場の面積が1ヘクタールくらいあると感じています。日本では、それほどの土地を与えてくれなかったので、欲求不満になってしまったのではないでしょうか?...

シャロレー種の牛は肉牛です。ここ地元ブルゴーニュでは、フランスの肉牛の中でも最高の味だと言われています。


数日前に食べたお肉の写真を入れておきます。



Côte de Boeuf と呼ばれる骨付きの部分で(部分を示す場所を入れてあります)、1キロ余りありました。

数日前はまだ外でバーベキューをするにはまだ寒かったので、暖炉の薪の火で焼きました。

私が一番好きな部分。外側がこんがりやけて、中は血がしたたるくらいに生焼けというのが最高!

牧場で牛を見るのが好きなどと書いておきながら、残酷な私...。

ブログ内リンク:
★ 目次: シャロレー種の牛について書いた記事


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 肉類 | Comment (4) | Top
この記事のURL | Rédiger
2006/04/22
フランスのAOCワイン・ランク付けは、まずブドウ畑の場所によってしまいます。それでも、普通なら高い評価を得られないような場所で素晴らしいワインを作っている例はあります。

昨日の日記で書いたジュヴレ・シャンベルタンという銘柄のワインは、特級でも一級のランクでもなくても、お客様に出せば喜ばれます。

ブルゴーニュには、もっとずっと下のランクになってしまう村の名がついた銘柄もあるのですが、そこにもこだわりのワイン農家はあります。

目隠しテストをしたら、いくら達人でも畑を想像できないと思う。ガメー種なのに、どう味わってもピノ・ノワール種のブドウに感じるワインもある。

こういう話しは書き出すとまた長くなるので、別の機会におしゃべりします。


◆質が高いワインなら、いつでも買い手はいる!

いづれにしても、こだわりの生産者がつくるワインはとても高いです。

それでも、今のフランス・ワインの不況も乗り越えて経営していけるのは、こういう質の高いワインをつくっているところなのですよね。

飛び込んできた驚くべきニュースがありました。

ボルドーのAOCを持つワインが、大量に蒸留してアルコールにされるというのです。

売れ残りを置いておいたら場所ふさぎなだけ。それで蒸留してしまうわけなのですが、少し前から聞かれるこのニュース。初めて聞いたときには、「どうして?」と思ってしまいました。

だって、ワインが飲まれなくなっているとき、もっとアルコール度が高いブランデーを作ったって売れるわけがないではないですか?

ブランデーにしているのではなくて、医療用のアルコールに使うとか、燃料に使うとかいうアルコールにされるのでした。

今回の決定は、32万ヘクトリットル。ボルドーAOCワイン年間生産量の10%にも相当するんですって! 史上最高の量だとか。

ああ、もったいない!...

フランスも、昔のように酒飲み運転を大目に見るようにしなくちゃ、お国の産業がつぶれますよ~!

あるいは、フランスでワインを作られているみなさん、国際競争に勝てるような質の高いワインばかりをつくりましょうよ!

フランスのAOCランク付けを見直そうという動きがあるそうですが、どこまで進んでいるのでしょうか?...



Distillation d'urgence de 320.000 hectolitres de vin de Bordeaux
Les viticulteurs des appellations bordeaux et bordeaux supérieur ont décidé de distiller d'urgence 320.000 hectolitres - soit près de 10% d'une récolte annuelle - pour réduire les excédents qui pèsent sur le marché.

ブログ内リンク:
★ 目次: ワインの歴史、ワインビジネス、飲酒規制、ワイン文化など
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へにほんブログ村にほんブログ村 トラコミュ フランスのお酒 (ワインなど)へ
フランスのお酒 (ワインなど)



2006/04/21
ジュヴレ・シャンベルタンのブドウ畑を散歩(2006/04/17)」で書いたように、ブドウ畑の手入れをしていた人たちとおしゃべりしました。

2ウーブレの畑で4人が働いていました。「ウーヴレ(ouvrée)」というのはブルゴーニュのブドウ畑の広さを表す時に使う単位。一人が1日で耕せる畑の面積を1ウーブレ(428平方メートル)としています。

ですから、かなり小さな区画。そこに4人も入っていたので余裕があるのでしょうか? 手を休めてしまって、おしゃべりの相手をしてくれてしまいました。

話しているうちに、この畑が普通とは少し違うことに気がつきました。ここに来る前に、ブルゴーニュ大学の実験ブドウ畑に立ち寄って、なんだか奇妙に見えるブドウの木を見ていたので気になったのかも知れません。



この畑でまず驚いたのは、ブドウのツルを張る針金が高くまでつくられていたことでした。写真で見えるでしょうか? 4段階の針金になっています。

そんなに高いところまでツルが伸びても大丈夫なように針金を張っているのは異常です。

普通はブドウのツルが伸びてきたら切ります。伸ばしていったら、ブドウの実も余分についてしまうからです。夏にワイン農家に行ったら、ご主人が言っていました。

「どんどんツルが伸びてきてしまう。ツルを切ったのに夜の間に伸びてしまう、もうイタチゴッコだ・・・」

ところが、この畑でははツルは切らないで、伸ばしたままにするのだ。だから針金を高くまで張ってあるのだ、と言う説明。

びっくりしました。

そんなことをして... という顔をした私に、畑で作業していた人が説明してくれました。

ここの畑のブドウの木は、1本の木に3つくらいのブドウの房しかできないように剪定していたのです。

確かに、ここのブドウの木は極端に低いのは気がついていました。特に、剪定して残された枝が極端に低い!

それにしても、1本から3つの房しか取れないようにしているなんて!... それがワインになったら、ほとんど消えてしまいますよ...。

1ヘクタールの畑からできるワインの量は15~18ヘクトリットルということでした。私には想像できない量の単位ですが、極端に少ないというのは分かります。

さらに、年に10回畑の畝を耕すのだという話し。このあたりの高級ワインができるブドウ畑では、昔ながらに馬で耕すのが復活しつつあるのですが、ここはそうではありませんでした。でも10回というのは多いです。畝を耕してあげれば、ブドウも気持ちよく育つ...。

最も驚いたのは、この畑のブドウから作られるのはジュヴレ・シャンベルタンだったこと。特級(グラン・クリュ)にも1級(プルミエ・クリュ)にもランクされていなくて、ただ村の名前がついたランクです。

「ただのジュヴレ・シャンベルタン?!」
思わず私は言ってしまいました。

ジュヴレ・シャンベルタンというのは、とても人気がある銘柄です。それでも、このあたりを散歩していると、ため息が出るようなものすごいワインがつくられているブドウ畑がたくさんあるので、そんなにブドウがとれないような作り方をしているのに、「ただのジュブレ・シャンベルタン?」と驚いてしまったわけです。

この畑の所有者はドメーヌ・ルロワ。この畑からつくられるワインは日本でも売られていました。


ルロワのワインを検索
ジュブレ・シャンベルタンを検索

こんな勾配のない畑から最高級をつくっているワインを味わってみたい! と思ったのですが、私には手の出ない超高級品でした...。

このワインを味わった方がいらしたら、ご感想を教えくださったら嬉しいです!

ワインの産地ブルゴーニュに住む不幸かも知れません。お店に行ってワインを1本買うという習慣はない。生産者のところに行って、12本入りのケースより少ない量を買うなんてことはできない。... となると、ちょっと味わってみたいというワインを買う機会は無くなってしまうのです!


Une ouvrée représente la surface en vignes que pouvait travailler un ouvrier en une journée, soit 428 m2.
出所: Dossier de presse, Vente des Vins des Hospices de Beaune


ブログ内の関連記事:
★ 目次: ブドウ畑の作業、ワイン醸造法など
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へにほんブログ村にほんブログ村 トラコミュ フランスのお酒 (ワインなど)へ
フランスのお酒 (ワインなど)



2006/04/20


「あれ、フランスのご隠居さんも盆栽を育てているの?!」と思われるでしょうか?

これは、盆栽をつくる仕事をしているお家の庭なだけです。

フランスでも盆栽は売られているのです。

「盆栽」は、フランス語では「ボンザイ(bonsaï)」。bonsai と綴ると「ボンゼ」と発音してしまうので、語尾の i は ï になっています。でも s はそのままなので「ザイ」と発音されてしまっています。

なんだか「万歳(バンザイ! というのもフランスで耳にします)」と言われているみたいで、余り楽しい言葉に聞こえないのですが...。



大きな園芸センターにはボンザイ・コーナーがあります。



盆栽のための肥料も売られているし、盆栽を育てる本もたくさん出版されています。

でもフランスで見る盆栽は、小さな木が小さな鉢に入っているだけで、なんだか風情がないのですよね...。長年かけて育てた努力は見えるのですけれど。

日本で見る立派な盆栽は、自然を縮小した芸術作品になっていますもの...。


◆なぜ、ブドウの木を盆栽にしないのか?

いつも、そう思ってしまうのです。

フランスでは質の高いワインをつくろうとするので、ブドウの実がなるのを極力少なくします。そのためには、ブドウの木を極力低くします。

樹齢50年などという古いブドウの木から作られるワインには「vieille vigne(古いブドウ畑)」と明記して貴重なワインとして珍重されるのも、古いブドウの木には実が余りつかないからです。

ブルゴーニュでも、高級ワインが生産されるブドウ畑の木は特に低くできています。

まだ葉がでないうちのブドウの木など、まさに盆栽のよう! 幹が太くて、短くて、どう見ても盆栽の姿...。

ブドウの木には花が咲くし、実がなるし、秋には紅葉したりもします。こんなに見ていて楽しい盆栽というのはないと思うのです!

17日のブログ(ジュヴレ・シャンベルタンのブドウ畑を散歩)」の続きで剪定したブドウの木のことを書きかけているのですが、入れる写真を眺めているうちに盆栽のことを考えてしまいました...。

にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


2006/04/19


私が植えた八重桜。いつ咲くのかと思っていたのですが、一挙に満開になりました。

青空をバックにして撮影したいと待つこと数日。幸いにも寒いので、満開状態は動きませんでした。

今朝、青空が広がったので撮影したのが上の写真です。

このとき写真をとって良かった。

理由1: 青空はすぐに消えてしまった。

理由2: すぐ近くにリスがやって来たのを発見した。こちらの写真は失敗! すごい勢いで動くんですもの!


同じく「日本の」と付いて売られていた枝垂桜の方は、霜でやられてはいなかった、と安心できる程度の蕾のままです。




◆ サクランボウがならない桜の木なんて! と言われてしまうと...

フランス人に、「日本にはお花見の習慣があって...」と話すとき、「でもサクランボウはならない」と言うと、「どうしてそんなものをたくさん植えるのか?」という顔をされてしまいます。

サクランボウがなる桜の木の花というのは、眺めていて美しいものではないので、日本の見事な桜が想像できないのだと思う。

その点、リンゴの木の方が花は美しいかも知れません。リンゴの産地ノルマンディーに住む友達が遊びに来るように誘ったときには、リンゴ畑を散歩して... などと言っていました。

リンゴの花は大きいし、香りも強いので、リンゴ畑を散歩すると心地よいのですよね。


◆ フランスにも、実がならなくても花を見る木がある

桜と同じ時期に花を開いた庭木がありました。



Groseiller à fleur(グロゼイエ・ア・フレール)と呼ぶ庭木です。日本でも存在するとは思うのですが、訳語が見つかりませんでした。

groseillerとはグロゼイユ(グーズベリー)の木のこと。fleurとは花。つまり、花をめでるグーズベリー。

木の名前が同じなので、料理に付け合せたりジュレ(ジャムみたいなもの)にしたりする小さな赤い実を付けるグロゼイユと同じ種類なのでしょうね。

食べられる実はならないけれど、鮮やかなピンク色の花をたくさん付けるので華やか。

これは、お花が好きなところに共通点がある友達からもらいました。

彼女と私の違いは、彼女はフランス人なので度胸があること。散歩しているとき、道路にはみだしている庭木なんかを遠慮なく頂戴しているのです! それで、彼女のお家の庭には色々なコレクションが植わっています♪

「挿し木にすると、すぐに根付くから」と言われたとおり、本当に簡単に根付いて、翌年には花をたつけました。それから、どんどん育つ。さらに枝を切って挿し木にしても、また元気に育つ!

あんまり枝がたくさんあるから切って花瓶に活けると、水の吸い込みも良く元気に長持ち。

こんなに便利な庭木はありません!

実を食べるグロゼイエの方を見たら、やはり花のようなものがついていました。



左が今の状態。右は7月に撮影したもの

葉は似ている。もう実になりかけているのかな?... こんな風に気をつけないと、いつの間にか実ができて、その実が赤くなったら初めて注目するという存在です。

やはりフランス人には食べられる実がなる方が良いのでしょうね。

グロゼイエ・ア・フレールは、あちこちで見かける花ではありません。手間がいらずに育つし、きれいだと思うのだけれど...。

にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 植物 | Comment (12) | Top
この記事のURL | Rédiger
2006/04/18
ブルゴーニュ南部にある寒村を散策していたとき、家々の壁にデコボコがあることに気がつきました。



普通なら、石造りの家でも、壁の表面は平らになるように石が積み重ねられています。ところが、不揃いに石が飛び出している壁の家があちこちにあるのです。

少し離れた村にも行ったのですが、ここにも凸凹壁の家がある。

もう、気になってしまいました!

家を見ると壁を見てしまう...。

すると、またあった! と驚く... の繰り返し...。

今までも見たことはあるのでしょうけれど、気にしたことは全くありませんでした。その後に気をつけるようになったら、私のご近所にも一軒ありました。

だから、珍しいものではないはず。それでも、私が気になった村のあたりでは、突起のある壁がやたらにあったのだと思います。

3月28日のブログで、「石づくりの建物にあいている小さな穴は何でしょう?」というクイズを出しましたが、これは壁の表面に穴があいているものでした。

なぜ穴があいているかは知っていたので、それから、なぜデッパリがあるのかを連想してみました。

横に同じ高さで幾つか突起した石が並んでいるのを見て、木の足場を乗せたる支えの石なのかも知れないと、真っ先に思いました。

でも、足場を乗せるほどには奥行きがないのです。

それに、横に並んでいなくて、バラバラに突起石が出ている壁もある...。


◆物知りの人がいたのはラッキー!

やたらに壁に目がいってしまった翌日は、郷土史研究会のヴィジットに参加することになっていました。

教職から引退したか、現役か、という人たちがほどんどで、平均年齢は70歳を超えているというツワモノたちがメンバーのサークルです。

この日のヴィジットには全く関係なかったのですが、見学しながら歩いているときにデコボコ壁があったので、知識がありそうな人に聞いてしまいました。

「この突起物は何なのでしょう?」

さすが郷土史研究会の役員さん! すぐに、教えてくださいました。

気になったときに答えてくれる人がいたのはラッキーでした。普通のブルゴーニュの人に聞いても、誰も答えられなかったと思う。もう、こんな石造りの家は造らなくなっているのですから!


◆ ブルゴーニュ万歳!

家を建てるときのテクニックなのだそうです。

そして、この壁の突起部分は、ブルゴーニュでは特別な使い方をされていたのだ、と話してくださいました。

もしかすると、必要もないのに突起部分をつくっていたのではないか?... と私は思いました。

この突起した石をどう使うか、というお話しには感激してしました。

さすが、ブルゴーニュ! ブルゴーニュ万歳!...

だから私はブルゴーニュが大好きなんです。こんなに楽しい人たちが住んでいる地方って、フランス広しといえど、ここだけだと思う。

他の地方に長く滞在することがあると、1カ月もしないうちに、ブルゴーニュが恋しくてホームシックになる私です...。

ところで、突起部分を表すフランス語の単語を聞いたので、家に帰ってから、それをキーワードにしてインターネットで探しました。かなり時間はかかりましたが、教えていただいたことを裏づけする情報を載せたページが見つかりました。昔の建築を研究して紹介しているサイトでした。

疑っていたわけではなかったのですが、確認してしまいました。だって、余りにもできすぎたお話しだったのですから!

でも、ほんとうなのでした。

この壁のデコボコはフランスの何処でも見られるものではないそうで、それが見られる地方の中にブルゴーニュも入っていました。


◆ クイズ: これはなんでしょう?

私には全く想像もつかなかった壁の突起が何であるかをクイズにします。

質問は2段階。片方だけのご回答も歓迎します♪

クイズ1: この壁の突起部分は、どのような理由のためにあるのでしょうか?

クイズ2: それは何に使われたのでしょうか?

この2番目の質問の答え、つまり石で家を建てていた昔のブルゴーニュの風習まで当ててしまう方があったら、脱帽です!

もっとデッパリを見ないと分からないとおっしゃる方は、下の写真もご覧ください。






昨日のブログ「ジュヴレ・シャンベルタンのブドウ畑を散歩」の続きを書くつもりだったのですが、脱線してしまいました。

というのも、ジュヴレ・シャンベルタン村のあたりに行って、家々の壁に突起があるかどうかに注意したのですが、一つも見つからなかったのです。

このあたりは高級ワインがつくられていて、裕福そうなお屋敷がたくさんあります。そういう家の壁には突起物がないのかも知れない、と思ったのでした。

ブログ内リンク
★ 目次: クイズを出した記事一覧
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: クイズ | Comment (13) | Top
この記事のURL | Rédiger