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2007/01/29
数日前に1泊で行ったパリでのことです。待ち合わせの時間前に昼食にさける時間は1時間足らず。食事をするか、食べないで済ますか、と迷いました。

通りかかった道に日本料理店がありました。

日本食だと早く食べられるはず。でも、フランスでニセモノの日本食レストランを経験しているので、ニセモノだったら食べないほうがマシだと思いました。

パリにある日本食レストランの8割は、中国人などが経営するニセモノ日本食レストランなのだと聞いていました。そんな数字を出されるまでもなく、日本料理とは名ばかりのレストランを経験しています。

でも、パリのような都会なら、ホンモノに出会えるはずなのです。

本物の日本料理なのかどうかを判定するために、店の前に出ていたメニューを眺めました。

昼の刺身定食15ユーロが気に入りました。でも、その値段って、パリの中華系日本食レストランの値段のように安いのです。ここは本物ではない可能性が高いと思って、立ち去ろうと思いました。

そのとき、店から日本人の男性が出てきて、挨拶してきました。呼び込みをしようとしたのではなくて、たまたま外に出てきたときにいた私に挨拶してくれたという自然さ。

思わず、「ここは本物の日本料理ですか?」と、聞いてしまいました!

そんな失礼なことを口走ってしまった私に、「本物ですよ~♪」と、笑顔で答えてくれました。

店長さんなのか、板前さんなのか分かりませんが、日本で出会うような日本人。つまり、まったく外国崩れしていない日本人なのに好感を覚えました。

それで、入ることに決定。


◆久しぶりに出合った本物の日本食レストラン!

パリのJETROが本物のの日本食を出すと判定したレストランに与えるマーク
12月1日の日記(農林水産省が海外日本食レストラン認証に動き出した)でJETROが「日本食レストラン推奨制度」を始めたと書いたのですが、そのお墨付きをもらっていたレストランでした。

右のマークが、JETRO認定レストランの印です。

JETROの認証制度は、パリの日本食レストラン50軒くらいが認定を受けたとのことでした。

追記:
日本食レストランの認証制度は消滅したような感じがします。「日本食レストラン価値向上委員会のサイト」というのがあったのでリンクを入れていたのですが、リンクが切れています。


私が注文した刺身定食です。



このお刺身の盛り付け方に感激しました。どうということのない料理だと思われるでしょうけれど、フランスにあるニセモノの日本食レストランで出てくる刺身だと、サーモンが弁当箱に重なって詰まっていたりするのです。

味噌汁も深みのある味。

ご飯はカリフォルニアの「輝き」という米だとのことでした。ニセモノの店で出されるパサパサ米とは全く違います!

「ホンモノですか?」などと聞いてしまったご主人に弁解。「ホンモノに出会えて嬉しい」とお礼を言いました。

ご主人は、ニセモノ日本食レストランでは食事したことがないので知らないとのこと。それはそうですよね。不味い料理を研究する必要はないですもの!

どんなに酷い日本料理が出てくるのかを説明してしまいました。

ニセモノ日本食レストランは「自然に淘汰されますよ」、と涼しい顔でおっしゃっていました。

そうだと思う。フランス人は味に厳しいのですから、珍しさが消えたらニセモノには見向きもしなくなると思う。

立ち去ろうとしたとき、カウンターにお寿司があったので、これも写真にとらせていただきました。



パリの外れにあるレストランなので、また行く機会があるかどうか分かりませんが、気に入ったお店になりました。

ご主人が清々しい方だったのも嬉しかったのだとも思います。

パリのような大都会だと、住んでいる日本人はかなり肩を張って生きなければならないらしくて、コンプレックスの裏返しで、変に外国崩れした日本人が多いのです。

数年前、パリで1週間ほど滞在したとき、時間があったので日本食レストランめぐりをしてみたことがありました。自分は日本料理を食べる必要はないのですが、フランス人を連れて行くのに何処が良いかを探りたかったのです。

パリに住む日本人が「ここが一番おいしい」というお店に行ってみたのですが、何だか奇妙な雰囲気...。外国崩れの日本人が経営していたのです。日本人なんかバカにしているという口ぶりをされてショックを受けました。

それが鼻についてしまって、料理のおいしさは全く味わえませんでした...。

日本料理がホンモノという以外に、変に外国崩れしていない雰囲気も大事なのだな... と、今回行ったパリのレストランで思いました。


◆ニセモノの日本料理

私は外国にいても日本食が恋しくなるということはありません。わざわざ日本食レストランに行く必要は全く感じません。ところが、最近のフランスは日本食ブーム。フランス人たちが私と一緒に日本食レストランに行きたいと言うので、折に触れて行かざるをえなくなりました。

でも、ひどいのにばかり出会うのです...。

実は、このパリのレストランに行く数日前、フランス人と一緒に、とある日本食レストランに入っていました。

焼き鳥定食をとったのですが、まずいのなんのって!...

一緒にいたフランス人は日本に行ったときに食べた焼き鳥が気に入っていたのですが、ここのは全然違うとがっかりしていました。

タレは、みたらし団子のタレを使っていたと思う。奇妙に甘ったるい味でした。

ここは鉄板焼きが売り物のレストランだったらしくて、店内は煙が充満していました。

アメリカで人気を呼んだベニハナというレストランが作ったパフォーマンスらしいのですが、フランスでもホンモノとニセモノの鉄板焼きレストランができました。



日本人ではないことは明らかな板前さんが、両手に木製の胡椒入れを持って、それを振り回して音を出すパフォーマンスをしていました。バカバカしいこと・・・。

鉄板焼きは、華々しく火をあげたりするパフォーマンス。面白くて良いですけれど、ちゃんとするのには装置が必要なのですよ...。一緒にいたフランス人は、油の跳ね返りを受けながら食事するなんて...、と貶していました。

ともかく、料理はまずいし、煙いし、うるさい。

私たちは半分くらい料理を残して、早々にお店を引き上げました。


◆惨めになってしまった私...

こんなレストランに連れて行ってしまって、まずいものを食べさせてしまった申し訳なさでいっぱいでした...。

仕事を手伝ってくれていたフランス人へのお礼にご馳走するつもりだったのに、まともそうなフレンチのレストランは予約でいっぱいになっていたので、席がとれた日本食レストランに入ってしまったのでした。

お礼にご馳走したかったのは台無し...。

パリでホンモノの日本料理に出会ってやたらに感激してしまったのは、このニセモノ・レストランのショックの反動だったと思います。

ランチメニューとは違って夜の料理は高いだろうけれど、フランス人には、こういう日本料理をご馳走したかった...。

追記:
2009年5月、Yahoo! ニュースのフランスのコーナーに、「「日本食街」規制の動き=アジア系集中、住民が懸念-パリ」というニュースが入ってこの日記をリンクしてくださったせいでアクセスが急増してしまいました...。


ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの日本食ブーム
★ ブログ内のカテゴリ: フランスで作る和食


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2007/01/17
先日の日記で書いた夫婦喧嘩したお友達カップルについて、近況報告が入ってきました。

この先は、その日記を読まれていないと何のことだか分からないので、日記のリンクを入れておきます。

友人たちの細工があった夕食会

喧嘩別れしていた二人が一緒に住みだしたのはいつだったか覚えていませんが、10年以内なのは確か。二人とも再婚。もっとも、フランスの場合、法律的に結婚するかどうかはどうでも良いことなので、彼らが籍を入れているのかどうかは知りません。

ご主人の方はすっきりした別れだったけれど、奥さんの方はかなり心が傷ついた別れだったと聞いています。

フランス人たちを見ていると、くっついたり、別れたりが余りにも頻繁なので、気が合わなかったら無理に一緒に生活する必要はない、という感覚になっています。

でも、お正月から別居していると来た二人は、はたから見るとお似合いカップルなのです...。

その後、家出した奥さんはアパートを探しているというニュースが入ってきたので、よりはもどらないのかな?... と思い出していました。

ところが、やっとギクシャクしていた関係が消えたようで、二人で仲良くしているのを目撃したとの報告が入りました。

ニュースをもたらしたのは、この日のディナーをしたお家のご主人。

「あいつ、Mon petit coeur なんて連発して...」と笑います。

私も、「ハートのときだけ言っていたのが面白かった」、と笑いました。

「君も気がついた?!」

誰だって気がつきますよ。あんなに「僕のハート」と連発されたら!

ディナーをオーガナイズした彼らの親友の目から見れば、ハートを引き合いに出すのは奥さんを追い出したご主人のラブコールだったのは見え見えだったのだそうです。

奥さんに酷いことを言ってしまったと深く反省していたとのこと。

この日ブッフ・ブルギニョンを作っていたのも、奥さんのために作ったのだ、と断言。奥さんの大好物なのだそうです。

私がストーリーを勝手に作ってしまった可能性がなきにしもあらずだと思っていたのですが、私が考えたストーリーそのままなのでした。

その料理をする前に、家の中を大掃除までしていたのを親友は目撃していました! ほとんど毎日立ち寄っているという仲なので、なんでも見ているのです!

家出した奥さんが帰ってくるのを待って、家の中をきれいにお掃除して、たぶんお花なんか飾ったりして、大好きな料理の香りを漂わせておくという努力。

なんと可愛いこと!... 私たちは笑ってしまいました♪

それなら、夕食会に奥さんが姿を現わしたとき、あんな苦虫をつぶしたみたいな顔をしなくても良かったのに! 私たちの手前、「俺が追い出したんだ!」という強がりだったのでしょうか?...

ともかく、めでたし、めでたしのようです。

友達の立場としては彼らの意思を尊重するから何も言えないのでそっとしておいたのですが、みんな二人が仲直りするのを待っていたのでした。

コメントを入れてくださった方々、ご心配をかけました!...
なんて、私があやまることもない?!♪

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスに結婚に関する風習、夫婦・家族関係


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カテゴリー: フランス人 | Comment (6) | Top
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2007/01/16
フランスの家庭に必ずある台所用品の一つに、パンを切るための包丁があります。

こんな包丁です ↓

 ドライザック スーパースライサー4517-26センチ

上にリンクしたのはゾーリンゲン ドライザック社のナイフでした。いかにも切れそう! ドイツの料理がおいしいかどうかは別にして、ドイツの調理器具は優れているので、私も色々持っています。

でも、9,550円ですって! ナイフ1つに、こんなお金をかける方があるのですか?!...

普通のパン切りナイフなら、私も持っています!

・・・と、自慢できることではありません。フランスでパン切りナイフを持っていない家庭はないはずですから。

でも、上にリンクしたナイフはケーキも切れるらしい。パンを切るのは普通のナイフでも切れるのですが、ケーキをサクッと切れるナイフは欲しかったのです。

でも私は、こんなに高価なナイフを身分ではありません...。

日本の家庭では、パンを切る専用ナイフなんか持たないですよね... と書こうと思って、念のために楽天市場を検索してみたら、150点余りも出てきました。

「パン切り包丁」をキーワードにして検索

ということは、お持ちになっていらっしゃる方も多いのでしょうか?...

この検索をしたおかげで、パンを切るナイフは「ブレッドナイフ」と呼ぶらしいことを知りました。

日々努力してフランス語を勉強しなければならない身ですが、日本語も勉強しないといけない...。今日も一つ学びました。

それはさておき、今日お見せしたかったのは、こちらのパン切り包丁です。



数日前に夕飯をご馳走になりに行ったお家で、食前酒を飲んでいたとき、この道具が目に飛び込んできていました。

見たことがなかった...。

食事が始まるときに、何なのかが分かりました。

近所にあるパン屋さんが倒産して、店にあったものを競売にかけたので行ったら、これがあったので買った、という話しでした。

年代もののパン切りナイフなのでした。今でも使っているパン屋さんはあるのでしょうけれど、私は見たことがなかったように思います。

その場にいた友人たちの中には、「懐かしいな~」と言う人たちがいました。

バゲットを2つに切るのに使っていたのだそうです。つまり、バゲットを1本は必要ないので、半分買う人がいる。そういう人がいたら、これでグサっと切ったらしい。

このお家の娘さんが、私たちのためにパンを切ってくれました。フランスパンは食事が始まる直前に切るのがポイント。そうでないと、切り口が乾燥してパンがおいしくなくなりますから。

よく切れました!

木製の台で固定されているので、梃子の作用でザクと切れるようです。

よくできている! と感心してしまいました。

この写真で歯が見えるでしょうか? かなり木目の荒い波型をしているのにご注目ください。

普通に見るパン切り包丁、否、ブレッドナイフは、もっと歯が細かくできています。

上にリンクした現代のパン切り包丁を開いて、そのページに出てくるナイフの写真をクリックすると、ナイフの歯がよく見えます。

木目は細かいけれど、昔のブレッドナイフに近い波型も存在していました。果たして、どちらの方がよく切れるのか?...

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★ 目次: パン、パン屋、昔のパン焼き窯など
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ


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2007/01/14
フランスでは、クリスマスから正月にかけての時期に4万トンものチョコレートが消費されるのだそうです。

数字が大きくなるとピンときません。フランスの人口は6,000万人なので、一人当たりどのくらいチョコレートを食べるのか計算してください。



写真の下に写っているのが、プレゼントで持っていったりするチョコレートの箱です。

写真の上にあるのは、「クリスマス・チョコレート 50%引き」の表示。

スーパーで売れ残りのチョコレートを安売りしていたのです。

箱には「クリスマス」という文字はなかったのですが、こういう大きな箱のチョコレートにはクリスマス用のイメージが強いのでしょうか?

たたき売りしないと、お店は困るわけです。

半額などと聞くと嬉しくなりますが、誰も買っている様子はありません。

そうですよね。クリスマスからお正月にかけてチョコレートだらけなのだったら、もう欲しくない! というわけでしょう。

誰も買わないなら、私が...。

もうすぐ日本に帰るので、お土産にちょうど良い! 箱は平べったいので、スーツケースに入れやすいです。凱旋門のきれいな夜景が入ったパッケージのなどは、フランス土産にはもってこいに見える。

・・・ と思ったのですが、買うのはやめました。

2月の日本は、バレンタインでチョコレートだらけのはずだというのを思い出したのです。もらった人が喜ぶはずがないではないですか?

・・・ と思うのは、バレンタインデーにチョコレートを贈ったことのない私の発想。

フランスで売れ残りのクリスマス・チョコレートを安く大量に買って、日本に持って行って義理チョコとして皆に配る!

できすぎたように良いタイミングではありませんか?!

でも、なんだか人と同じことをするのが嫌いな、へそ曲がりの私...。

クリスマスの時期にも、こういう大きな箱に入ったチョコレートは買ったことがなかったような気がします。



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★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
★ 目次: プレゼントや土産物に関して書いた記事


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2007/01/13
ニュースでは、連日、そう言っています。ついでに、地球の温暖化現象への不安も報道しています。

神妙な顔をして「地球の温暖化、心配ですね...」と言わなければいけないのですが、寒さが厳しくない冬を喜んでしまっています。

ブルゴーニュは大陸性気候なので、例年の冬の寒さにはすさまじいものがあるのですから!


◆家庭菜園で収穫したサラダ菜が出てきた夕食

数日前に行った友達の家で出された料理。「新年の挨拶に行こう」と誘われて行ったのですが、やはり予期していたように「食べていらっしゃいな」となりました。

それで出されたメイン料理です。



左にあるサラダにご注目ください。

家庭菜園でとれたサラダ菜だったのです!

温室の中ではなくて、路地栽培。ビニールのようなもので被せているとのことでしたが、1月になってブルゴーニュの家庭菜園でサラダ菜が育つなんて思ってもいませんでした!

この写真に写っているチーズは、モンドールというチーズです。モンドールについては、すでにブログで書いているので省略。

今の時期にしか食べられないチーズで簡単フォンデュー 2006/02/09



オーブンに入れて焼いている時間がやたらに長いので心配してしまったら、冷凍していたモン・ドールだと教えてくれました。

たまたまやってきた人に「一緒に食べましょうよ」となる機会が多いフランスでは、どこの家でも不意の来客に備えている感じがしています。

というわけで冷凍チーズだったのですが、そう聞かなかったら分からないほどおいしかったです。つまり、モン・ドールは冷凍しても大丈夫なのだ、ということを学びました。


◆小さな農家のようなお家

ついでに、不意の来客となった私たちに出してくれたこの日の料理をご紹介しておきます。

日本の農家は規模が小さいので、ここのお家は日本なら農家になってしまうのではないかと思っています。趣味でやっているだけなのに、なんでも自家製なのです!

何にでも興味を持ってしまって、何でも聞いてしまう癖がある私は、「お宅で買うのはお塩だけではないの?」などと言ってしまったことがありました。そうしたら、「そんなことはない!」と言って、買うものをあげていました!

つまり、自分の家で手に入らないものを列挙できるくらい、何でも生産しているお家なののです!

フォアグラのパテの後に出された前菜をご覧ください。ウサギのテリーヌです。



少し前に、飼っていたウサギ11羽をテリーヌにしたのだそうです。
ウサギでテリーヌを作るには骨を除く必要があるので、作るのは大変なのだそうです。


フォアグラより自家製ウサギのパテの方が珍しくて、私はこれを堪能しました。

その後に出たメイン料理は、すでに書いたように焼いたモン・ドールでした。

普通、チーズを使った料理を食べた後は、コースに従ってチーズを食べよう、ということにはなりません。

でも、この日は、またチーズが出てきました。



これも自家製です。

といっても、牛までは飼ってはいないので、知り合いの農家でミルクをもらって、奥さんがフレッシュ・チーズにするのです。

デザートはアイスクリームでした。不意の来客にこれだけ出せるのですから、田舎の生活は良いものです!

ブログ内の関連記事:
目次: 乳製品(チーズ、バター)に関して書いた日記


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2007/01/06
暮れだったのか、新年だったのか、友人たちが集まった食事会のあとで夫婦喧嘩した友達カップルがありました。

人を介して話しを聞いたので真相は分かりません。ご主人は、彼が奥さんを追い出したのだと息巻いているとのこと。現実は、奥さんが怒って飛び出したのかも知れません。

ともかく、新年が1週間過ぎた今、まだ奥さんは帰ってきていないらしい。

たぶんお酒に酔っ払った勢いがあったのが原因だったと思う。前々からのうっぷんがたまっていたのなら、その機会に別れることができたので良かったけれど、一時的にカーッとなって家出したのなら残念...。

この秋に、お酒に酔ってしまうのが心配だと日記に書いたことがある女性です。そんな写真を見せてしまったのを気に咎めているのでリンクはしませんが、この日記を覚えていらっしゃる方があったら、家出してしまったのは彼女のことです。

その別れた夫婦の親友が夕食会を開きました。

その家の女の子が、冬休みが終わる前にフォンデューを食べたい、と言ったから、と私は誘われました。それから、奥さんに出て行かれた人は一人でいるので、ついでに食事に招待した、と聞いていました。

ところが、私がお家に到着して食前酒を振舞われたとき、家出している奥さんにも電話して招待してみたのだと言う。

ご主人の方は、それを知らないという設定。

ほほ~ん! 今夜はどうなるか?...


◆食事が始まる

そのうち、当のご主人も一人でやってきました。みんなで食前酒を飲んでいたのですが、家出した彼女の方はなかなかやって来ない。

もう夜の9時を過ぎていたと思います。

やはり気が重くて来ないのだろうな... と思い始めたとき、ドアをノックする音が聞こえました。

私は真っ先にイスから飛び上がって行って、彼女を抱擁して「新年おめでとう~!」とやりました。

彼女には勇気がいりますよ。オーバーに歓迎してあげよう、と私を待ち構えていたのです。

彼女が来ることは全く知らせていなかったご主人は、ブッチョウズラ。「なんだ、おまえなんかが来て...」というのが見え見えの、形だけの挨拶をしています。

かなり気の荒らそうな男性なのです。こういう人が怒ったら恐ろしいことを言うのだろうな... などと思いました。

もう遅かったので、すぐに食卓に移って食事を始めました。

彼女とおしゃべりを楽しむ友人たちと、直接会話をするのを避けているカップルがいるという、なんとなくギクシャクした雰囲気...。

でも、私たち友人仲間には分かっていたのです。彼らはお酒に酔っ払った勢いで喧嘩したけれど、ご主人がいつまでもそっけなくしているはずはないだろう、と。


◆「僕のハート」という表現

食事が終わったら、トランプをして遊ぶことになりました。

「うそつき」という、いたって簡単なゲーム。

1枚のカードを出して、みんながそれと同じ種類のカードを出す。例えば、ハートが出ていたら、ハートのカードを出す。裏返しに出すので、何を出しても良いわけです。違うのを出したと思う人がいたら、「うそつき~!」とやる。

言われた人が本当に違う種類のカードを出していたら、テーブルの上にのっているカードを全部持たなければならない。ちゃんと出していたのだったら、「うそつき」と言った人がテーブルの上にあったカードをもらう。

家出した奥さんは、ご主人に「うそつき!」を連発していました。ほとんどやけになって言っているみたい。それで彼女は、毎回カードがたまっていってしまう。皆で大笑いの連続でした。

かなり長い時間かけて、こんなゲームをしていたのは、彼らが和んでくるのを友人たちが待っていたからでしょうか? 12時を回ったころから眠くなってきた私は、早く家に引き上げたくなっていたのですが。

そのうち、兆しが現れてきました。

ご主人がハートのカードを奥さんに渡すとき、「Mon petit coeur」なんて言いだしたのです。「僕のハートちゃん」みたいな言葉。

トランプのハートのことを言っているわけなのですが、フランス人が恋人や伴侶や子どもを呼ぶときに「私の心臓」という表現があるのです。

そもそも、ハートのカードを出すときに「僕の」なんてつける必要はないのですよ。

つまり、裏がある!

しかも、トランプには、クラブだって、ダイヤだって、スペードだってあるのに、ご主人が口にするのはハートのときだけ。こういうの、暗号なのでしょうね?

奥さんの方も、だんな様の心が開いたのを感じないはずはありません。

面白いな...、などと私は感心して眺めてしまいました。

だって、日本の男性だったら、こういうのはできないですよ。日本でも若い人なら歯が浮くようなことも言えるかも知れませんが、この日の彼らは50歳を超えた人たちなのです。

夜もふけて、というか朝も近づいて、やっとお開きになりました。彼らが二人そろってお家に帰ったのは間違いないと思います。


◆もう一つのサイン?

奥さんを追い出したというご主人は、この日の昼食にはブッフ・ブルギジョンという料理を作っていました。

煮込みがたりなくてお昼には食べられなかったので、午後4時ころになってから食べてしまったとのこと。それで、私たちの夕食が始まるのが9時ころになっても、ちっともお腹はすいていないのだと言っていたのでした。

ブッフ・ブルギニョン?!

どうしてそんな料理を作っていたのかと不思議に思ってしまいました。

牛肉を赤ワインで煮込むブルゴーニュの郷土料理なのですが、かなり手間がかかる料理なのです。前の晩から肉を赤ワインに漬け込んで、色々な野菜などを入れて煮込む。しかも、大量につくるのが普通です。

ですから、奥さんを追い出して一人になっている男性なんかが、ちょっと作ってみようという料理ではないのですよ。

仲直りしたように見えた二人を見て、ご主人がなぜブッフ・ブルギニョンなんかを作ったのかが分かったように思いました。

もうそろそろ奥さんが帰ってくるのではないかと期待したのではないでしょうか? それで、彼女がいつ帰ってきても出せるようなブッフ・ブルギニョンなんかを作っていた。... という筋書き。

寒い冬にやって来た人を迎えるには、こんな心も体が温まってしまう料理はありません。

今回は友達が取り計らってくれたわけですが、それがなくても彼らは仲直りしたのではないかな?...

奥さんがひょっこり現れて、「ちょっと洋服を取りに来た」とかなんとか言う。すると、ご主人が「ブッフ・ブルギニョンがあるから、食べていかないか?」なんて言う...。

「そんなもの作ったの? それじゃ、食べていこうかしら...」なんて、奥さんが答える。

だって、めったにつくらないご馳走なのですから、「食べ物に惹かれただけ」というジェスチャーはやりやすいのです。

しかも、ブッフ・ブルギニョンは、食べ残したら、翌日にまた火を入れる。それを繰り返して何日かたってしまっても大丈夫。つまり、奥さんが姿を現わすまで置いておける料理なのです。賢い!

日本のだんな様たちは、こんな気がきいたことができるのでしょうかね?

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2007/01/05
前回の日記「やどり木の下で新年を祝うフランス」に書いた大晦日のパーティーでは、トリュッフをたくさん持って登場した友達がありました。

トリュフ採りを趣味にしている人。この日、大晦日なのに朝からトリュフ探しをしていたらしい。

色々な種類のトリュフが採れたので大満足の様子。さっそくお皿に入れて、どれが何という種類のトリュフかと説明を始めました。



ブルゴーニュで取れるトリュフは「ブルゴーニュのトリュフ」と呼ばれるのですが、「ペリゴールのトリュフ」と呼ばれる種類のものも見つかるのだそうです。

ブルゴーニュのトリュフについて説明するパンフレットも作ってきて、みんなに一冊ずつプレゼントしてくれました。

見本を見せてくれたり、トリュフについて学べる小冊子をくれたりしたのは嬉しいけれど、本物が欲しいと思うではないですか? でも、ちゃんとお土産も用意してくれていました!

トリュフを数個入れた袋を配ってくれました。

こういうお友達って持ちたいものです。ついでに、ご近所に住んでいたら、もっと嬉しいと思う! だって、シーズン中にはトリュフ探しを週に1回や2回はしているはずですから。

貴重なキノコなのでそれほど採れないものなのだと思ったのですが、一度連れて行ってもらったとき、トリュフを捜せる犬がどんどん掘り出すのでびっくりしたことがあります。


◆トリュフの保管方法

下は私がいただいたトリュフは、密封容器に卵を一緒に入れ、ぴったりと蓋を閉めて冷蔵庫で保管しました。



もう食べはじめた後に撮った写真なので、トリュフは切ってあるものも混ざっています。


こうすると卵にトリュフの香りが移って、卵焼きをつくるとトリュフの香りを楽しめるという方法です。とフランス人から教えてもらいました。

確かに蓋を開けると、プーンと香りがするので卵にもしっかり香りが移るというもの。でも、食べてみると、やはり卵焼きにトリュフを少し入れないとつまらない気がします...。だって、香りが移るのは、おもに卵の殻なのではないでしょうか?...

そう思い初めていたとき、よく行くイタリアンレストランで別の方法を教えてもらいました。卵ではなくて、お米と一緒に密封容器に入れるというのです。

お米はリゾットにします。

トリュフの香りがなくなるのは残念ですから、お米は洗わないで使えるものを選びます。

ところで、外国産のお米って洗ってから炊くものなのでしょうか? 日本のお米の食べ方を紹介するフランスのサイトでは、「日本米は水が透明になるまで何度も洗うこと」という注意を書いているので、彼らはお米をそんなに洗わないのではないかと思っているのです。

リゾット用の上質米を売っている日本のお店(下にリンク)を見ても、お米を洗う必要があるのかどうか書いてありませんでした。

 イタリアの有機栽培米リーゾ・カルナローリ ビオロジコ

 アルチェネロ・リゾット米・ネッビオーネ

それにしても、思ってしまうことがあるのです。

卵にしても、お米にしても、トリュフを一緒に入れた密封容器を開けたときに強く漂ってくる香りは素晴らしい!

蓋を閉めて、また後であければ、同じように強く香ってくる!...

それに対して、トリュフを食卓に出してしまうと、この香りをかぐ喜びはすぐに消えます。

ひょっとして、トリュフは食べないで、匂いをかいでいるだけで満足できるのではないか?!...


◆まだ残っているトリュッフをどうするか?

今年はお正月からトリュフをたくさんいただいて幸せです。このくらいあると、ケチケチしないで大胆に食べてしまえますから!

それでも、トリュフを同時に1個以上食べることはないので、そう減ってはいきません。今の時期は、よその家で食事をご馳走になることも多いし。

いつまでもとっておくと香りが落ちてくるので、今夜はトリュフのオムレツにでもしてしまおうかな?...

それとも、細かく刻んだトリュフを練りこんだバターを作って保存するか?...



日本で販売されているトリュフを探す

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで食べるキノコ


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2007/01/02


大晦日のパーティーが開かれた友達の家。大騒ぎが始まる前の静けさです。


◆フランスの元旦の縁起物: ヤドリギ

天井のシャンデリアには大きなヤドリギが付けられていました。

フランスでは新年が明けたときに抱き合って祝うのですが、このヤドリギの下で抱き合って挨拶するというのが本式なのではないでしょうか?

パーティー会場になったお家では毎年ヤドリ木を飾るのですが、友達のインテリアデザイナーが毎年テーマを決めて飾りつけをします。

今年は天井に白い幕を張って、麦わら帽子や昔の台所用品をつる下げていました。

それにしても、こんなに大きなヤドリギはみごと! 重いので、トラクターで運んできたそうです。

ヤドリギはそれだけで下げておけば良いという縁起物ですが、しゃれた飾りにすることもあります。

下は、クリスマスマーケットで見かけて、素敵なので買おうかな... と迷ったのに買わなかった飾り。



モミの木の小枝にヤドリギ、ヒイラギ、松ぼっくりを添えてブーケーにして、園芸用の紐でしばってあります。


◆すごいご馳走!

参加者は20名くらいのこじんまりしたパーティーでした。このくらいの人数のパーティーが一番好きです。

フランスのホームパーティーでは最高レベルだと思えるご馳走が次々に出てきました。

フォアグラやトリュフの色々なバリエーション。

みんなが料理を持ち寄ったのですが、ずいぶん前からどんな料理で驚かそうかと考えたのでしょうね。すごかったです。

こんな組み合わせで、こんな素晴らしい味がでるの?! と驚くレシピばかりでした。


◆やどり木の下で抱き合って新年を祝う

食べたりダンスをしたりしているうちに、いつの間にか12時になりました。

ヤドリ木の下にみんなで集まって、新年のキスを賑やかにし合いました。

このくらい大きなのを下げておいてくれたのは便利でした。

集まった人たち全員と抱き合ってお祝いを言うのですが、それはヤドリ木の下でしなければならないからです。

もし小さなのがぶら下がっていたのだったら、大変な混雑になってしまうところでした!


◆明け方まで騒ぎ

初めから終わりまでシャンパン。どのくらい飲んだか分かりません。

私が引き上げたのは午前6時近くなってから。泊まり組の人たちは、まだお祭りを続けていました。元旦の夜明け前には森を散歩するのを習慣にしている女性が一人いて、一緒に行く人を募っていました。

昼には別のご馳走を用意してあるので泊まるようにと誘われたのですが、際限なくお祭りが続きそうなので失礼してきました。

元旦はひたすら寝ていました。疲れた~!

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記


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