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2010/01/31

シリーズ記事 【2010年サン・ヴァンサン・トゥルナント】 目次へ
その1


カトリックのカレンダーでは、1月22日はサン・ヴァンサン(サラゴサの聖ヴィセンテ)の祭日。この聖人はブドウ栽培者・ワイン醸造者たちの守護聖人となっているので、その近くにブドウ栽培者やワイン製造者たちがお祝いをします。

聖ヴァンサンのワイン祭りで最も有名なのは、「サン・ヴァンサン・トゥルナント(Sait Vincent Tournante)」と呼ばれるイベント。ブルゴーニュのワイン村が持ち回りで会場となります。


2010年の祭り会場はサシャーニュ・モンラッシェ村

ブログタイトルのバックにしたのは、今年のサン・ヴァンサンで撮影した画像です。

画像が変わってからご訪問されたら、この画像のことです ↓
クリックすると拡大写真が開きます

今年のサン・ヴァンサン・トゥルナントは、ボーヌから少し南下したところにあるサシャーニュ・モンラッシェ村で行われました。

天気予報では雪とでていて、悪天候のよう。友人たちから誘われていても行くのをやめようかと思っていたのですが、行って良かった。天気予報はみごとに外れました♪ 雪がちらついたりもしましたが、みごとな青空も広がり、イベントびよりの天気となりました。

ところで、ワインファンには「モンラッシェ」は魅力的な言葉。特に優れたブルゴーニュの白ワインの銘柄になっている名前なのです。モンラッシェ、シャシャーニュ・モンラッシェ、ピュリニー・モンラッシェ、バタール・モンラッシェなど…。

「モンラッシェ」という名前がつくブルゴーニュの白ワインを検索
ブルゴーニュ地方のワイン地図

* 来年2011年のサン・ヴァンサン・トゥルナント主催はCorgoloin村だと発表されました。ワインの銘柄名にはなっていない村なので、ちょっと不利かな?…


サン・ヴァンサンの祭りにはミサがある

村々がサン・ヴァンサンの像をかついでのパレードした後、教会でミサが行われます。関係者たちが教会に入ってミサをするので、私たちツーリストは遠慮。

教会の近くに行ってみると、こんな文字が目に飛び込んできました。

ミサが行われた教会
神様、私たちのブドウ畑を祝福ください」というようなことが書いてあります

「ワイン祭りだ」と私たちは行くわけですが、主催者たちにとっては宗教的なイベントでもあるのだな、などと今更ながら思いだしました。

村の中には車は立ち入り禁止になっているのに、一台の乗用車が入ってきました。遅刻してやってきたらしいディジョンの大司教さんでした。

聖職者たちが控えるスペースで

アタッシュケースの男性が大司教さん。ふと、日本の農村で行われたお葬式に行ったときも、着替えをアタッシュケースに入れたお坊さんがお家に登場したのを思い出しました…。

*コート・ドール県内が主催地となるサン・ヴァンサン・トゥルナントのミサは、ディジョンの大司教がミサをあげることになっているのだそうです。ディジョンに大司教のポストが置かれたのは最近になってからですが。

ミサが行われている間、ツーリストたちは教会前に置かれたサン・ヴァンサン像の数々を眺めます。

村々のサン・ヴァンサン像

ミサが終わるとワインの試飲が始まります!


美しき助け合い精神

今日のサン・ヴァンサン・トゥルナントは有名なワインイベントで、日本からもツアーを組んでやってくるそうなのですが、本来はワイン関係者たちのお祭りなのですよね。

パレードで聖ヴァンサンの像とともに掲げられていた旗を見ると、歴史がありそうなものには「共済会(Société de secours mutuel)」の文字が見えます。

bannières
一番上に書かれている文字が「Société de secours mutuel」

共済会は同じ業界の人たちが助け合うシステムで、社会保障制度が確立してからはお役目が済んで消滅したのですが、ブドウ栽培者たち残しているのだそうです。

サン・ヴァンサンの像を掲げたパレードを見ていると、単純に村々が祭っている像の行列として見えてしまうのですが、村ごとにあるブドウ栽培者たちの共済会の単位なのでした。

今年のサン・ヴァンサン・トゥルナントに関するニュースで、主催地となった村のブドウ栽培農家の話しがでてきたそうです。おそらく20年前くらいの出来事。

ワイン用のブドウ栽培を始めたら、早々に病気になってしまった男性のお話し。畑を放置していたら、病気から回復しても不幸が待っているだけです。入院中の2カ月は、共済会のメンバーの人たちがブドウ畑の手入れをしてくれたので救われたそうです。

そういう話しを聞くのが好き。どの国にもある伝統的な祭りというのは、豊作を祈願するというような素朴な気持ちから生まれたものなのですよね…。


むかし、日本文化は水田が基本をなしていて、ヨーロッパのように放牧文化とは違うのだ、と聞いて感心したことがありました。村人たちから疎外されて田んぼに水を引けなくなったら生きていけない。なるほど…。

でも、ヨーロッパの農業でも助け合いは必要だったのですよね。

ブルゴーニュのワイン産地で子ども時代を過ごした友人は、ブドウ収穫の時期になると、近所の人たちが互いに手伝いあったのだと話していました。役には立ちそうもないほど幼かった友人も、ちょっとしたご褒美をもらえるのが嬉しくて手伝いに行ったとのこと。


書きながら日本には「村八部」という言葉があったと思いだし、数年年前に聞いた新潟県関川村の騒動はどう決着したのかと調べてみたら、そう簡単には解決しなかったようですね…。

助け合いがないにしても、仲間同士の足の引っ張り合いだけはしない社会であって欲しくないです...。


-イベントに行った話しは続きます -


この祭りについて(ブルゴーニュ利き酒騎士団のサイト):
Sait Vincent Tournante

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2010/01/30
村々のサン・ヴァンサン像ワインの産地ブルゴーニュで行われる最大規模のイベントは「サン・ヴァンサン・トゥルナント」。

毎年必ず行こうと決めているわけでもないのですが、今年もまた行きました。

今年の主催地は、優れたワインが生産されていることで名高いサシャーニュ・モンラッシェ村(Chassagne-Montrachet)。

そのときのことを書いた日記の目次です。

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2010/01/27
先週末、積っていた雪が溶けて、良いお天気だったので散歩をしました。



青空が見えたときには外に出たいというのは他の人も思うらしくて、散歩している人たちに出会いました。と言っても2組に出会っただけですが、こんなところに人影があるはずがないと思うところだったので驚き。

あのとき散歩しておいて良かった。また、クリスマスの絵ハガキのような雪景色になりました。

みんなは「こんなに寒い冬は例外的だ」と言っているのですが、毎年このくらい寒いのではないかな?… フランスでは夏でも寒いと思う日が多いし…。


寒さをもろに感じている人たち

先日の日記で書いたプロパンガスが底をついた家では、注文してから3週間たつのに未だタンクローリーが来てくれないのだそう。「明日行きます」という連絡がきても、やって来ない。

ついに集中暖房や温水がなしの生活に突入。暖炉や移動式電気ストーブがない部屋の温度は7度くらい。

こういう場合の解決策をさがそうとしてインターネットを検索したら、フォーラムのようなのが出てきて、タンクローリーが来てくれないで困っている人たちの書き込みがたくさん出てきたそうです。「幼子3人がいるので寒くて困っている」とかなんとか。フランスでサービスが悪いときにお馴染みの結果。つまり、解決策はなし。

毎朝シャワーを浴びないと気持ち悪いというご主人が、ついに我慢できずに水で頭を洗ったら、シャンプーのときは大丈夫だったけれど、それを水で流したら頭が破裂するかと思うくらい冷たかったそうです。

無茶ですよ~! お湯を沸かして洗面器に入れるとかすれば良かったのに。でも、考えてみると、フランスには洗面器を使う習慣がないのですよね…。昔はお湯を沸かしてお風呂にしていた時代にはあったかも知れませんが。

猫たちも含めて、みんな暖炉の前にしがみついているそう。テレビを見ていると、地震がおきたハイチの被災地の映像。海が見える絶景地にテントを張って生活しているので、羨ましくなってしまったそうです。

不運がおきても、暖かい国は良いですよね。
思いだしてしまうのは、去年パリで見たホームレスたち…。
★ このときの写真を入れた日記: 寒さの中で咲く花

この寒さの中、どうしているのでしょう?…


フランス脱出組

今月初めに、スペインで冬を過ごすためにブルゴーニュを離れた人たちがいます。滞在期間2カ月。

少ない額の老齢年金で生活をしている人たちのはずなので、そんな贅沢できるのかと思ってしまったのですが、安い滞在方法を見つけたのでした。

アンダルシア地方の海沿いにあるホテルのプロモーション。キッチン付きの部屋が1カ月500ユーロ。それは夫婦二人で使った料金。その計画に友人一人が加わったので、追加料金60ユーロ。単純に3人で宿泊費を割ったら、2カ月で一人5万円。安いですね…。

先日電話があって、18度くらいと暖かいので、毎日ベランダで食事しているのだなどと上機嫌で話していました。アフリカが近いので、モロッコにも行ってみる予定なのだそう。

フランスにいて暖房費を払うより安いからと、毎年モロッコで冬を過ごす老夫婦の話しも聞いたことがあります。モロッコはフランス語がかなり通じるので、フランス人たちには人気のある国なのです。

☆ フランスの天気予報図: Météo-France

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2010/01/24
最近は不況の影響で閑古鳥が鳴いているレストランが多いのに、先日行ったレストランでは平日のランチなのにほぼ満席になっていました。

十数人の団体さんが大テーブルを作っていて、お給仕はそちらを優先しているようす。それでも、私たちが席につくなりアミューズ・ブーシュが運ばれてきて、ワインを注文するとすぐに持ってきてくれたので、料理をイライラと待つことはないので救われました。

予定より時間をかけて食事をすることになりましたが、おいしかったので満足。

レストランを出ようとすると、奇妙なものが置いてあるのが目に飛び込んできました。


青十字のキャンディー

クロワブルー

レストランの出入り口にあるカウンターに飴などが置いてあることはありますが、ここのは、そんじょそこらの量ではない!

しかも、このキャンディーって!!!

日本にもありますか? ただの飴ではないのです。

スイスの国旗にあるような十字マークがあるせいか、「スイスのボンボン(飴)」と言われていたのではないかと記憶していました。楽天市場でスイスのキャンディーを検索してみたら、リコラというハーブキャンディーはたくさんでてきたのですが、この青十字マークの飴は出てきませんでした。

こういう不真面目なものは、日本では売らないのかな?…

好きでなめている人もいるのでしょうが、フランスでは特別な使用目的で知られているキャンディーです。

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2010/01/20
ブルゴーニュでは雪が珍しいので、雪が降ると嬉しくなるのですが、雪景色が続くと飽きてきます。しんしんと雪が降る、あるいは雪に青空というのは美しいと思います。でも、溶けないでいる雪が残っていて、空はどんよりしている、というのが一番つまらない…。

ようやく雪が消え、雪が溶けたら姿が見えるのではないかと期待していたペルス・ネージュが姿をあらわしました。

Perce-neige

春は永遠にこないように感じてしまう冬、この花が毎年咲いてくれるのを見ると、救われる思いがします。

日本では「スノードロップ」と呼ぶのが一般的のようです


スノードロップの苗2球入りGalanthus elwesii

フランス語だと「Perce-neige(ペルス・ネージュ)」。文字通りに受け取れば「雪をつらぬく」。まだ背が低いので雪に隠れていましたが、もう少し後だったら雪を突きさして出てきたところでした。

本当にけなげな花。どこかでもらった球根を庭に植えただけで、何もかまってあげないのに、毎年いまごろになると芽を出してきます。



今年のフランスは寒さが厳しいです。最低気温はマイナス23度になったと言う友人がありました。マイナス15度くらいなら驚かないブルゴーニュなのですが、そのくらいになるのはすごい。


この冬の話題:


断熱工事をした友人宅

家のリフォームが好きらしい息子さんがいる家。この夏には大々的な工事をしていました。石造りの古い家なので冬の断熱効果がないという理由で、壁に断熱材を埋め込み、天井も下げ、暖炉の場所も動かして、という大きな工事。

工事が終わったときに「見違えるでしょう?」と言われて見せてくれたときは、どう褒めて良いか戸惑ってしまいました。

天井の梁は見えなくなってしまったし、暖炉は効率が良い蓋をつけたかたちになったし、石壁も見えなくなってしまったし...。私は不満でした。都会の人が田舎に住むと田舎らしい素朴なインテリアにするのですが、田舎の人は都会風にしたがるのです。光熱費が何パーセント節約できるという数字は、そういうことに興味がないので無視。

でも、数日前に行ったときには断熱効果の違いを感じました。この家のリビングルームは30畳くらいあるので、以前はとても寒かったのです。冬に食事に招待されたときは、モコモコのブーツを履いて、暖かいセーターを着て、といういでたちででかけたのですが、その必要はなくなりました。気がつけば、夫妻は半袖姿!

都会のマンションにいるみたいで味気なくなったと思っていたのですが、この一家の考えは正しかったのかもしれない…。


燃料切れの友人宅

お正月明け、プロパンガスのタンクが底をついてきたので燃料補給を依頼する電話をしてから2週間を過ぎても、まだ来てくれないのだそうです。

大きなタンクローリーが来てガスを供給するというシステム。集中暖房するので、タンクには1トン入るそうです。特に大きな家ではないので、タンクはこのくらいが普通サイズ。

日本で都市ガスが通っていない家では、フランスのように大きなタンクを庭に備えるのでしょうか?

催促の電話を5回したそうですが、「いつ行けるか調べて、返事をする」と言われて、その連絡はなしの日々が続いているのだとぼやいていました。

私が「フランスのサービスは悪い」と嘆くときには、「ここはフランスだから」なんて言っているくせに、やはり自分が困ると参るらしいです。

フランスの田舎に住むお年寄りの家では、薪だけで集中暖房しているところも多いのですが、その方が賢いかもしれない。

それにしても、「来てください」と言ったってすぐには飛んでこないフランス。タンクの残りが3分の2くらいになったら注文してしまえば良いのに…。

ブログ内リンク:
★ 目次: ロウソク、キャンドルスタンド、暖炉、燃える火


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カテゴリー: 四季、自然 | Comment (8) | Top
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2010/01/18
フランスの農業者というのは、ひとくくりにしては語れないほど収入の差が大きいのだそうです。収入が大きい農家と少ない農家の差は、社長と平社員の給料の差よりも大きいのだと聞いたことがあります。

フランスの農業者のカテゴリーの中で、最も収入が多いのはワインを生産できる農家でしょう。高級ワインを生産している農家はもちろんだと思うのですが、安いワインを生産していても大規模経営だとお金持ちなのだ、と感心したこともあります。

ブルゴーニュでも、特に高級ワインを生産している人たちは経済的に潤っていると感じます。それでも、ワイン農家で、引退している年代のご主人から昔の苦労話を聞くと、昔は今と全く違っていたのだと感じます。


「その話しはしないで」と言ったお爺さん

数年前、ブドウの収穫時期にワイン農家を訪れたことがありました。年に1回か2回は買い付けに行く、ブルゴーニュ南部で白ワインを生産しているお家です。私が飲むワインの中で一番多いのは、この地域で生産されるフルーティーで飲みやすいマコネーの白ワインです。

ブルゴーニュ地方のワイン地図

その日、ブドウの発酵も始まっていて、農家にはたくさん働いている人たちがいて、活気にあふれていました。ところが、高齢のお爺さんはもう働き手にはなれない。それでも長靴を履いて、手もち無沙汰そうにウロウロしています。

誰もが作業に夢中で、お爺さんを無視してしまっている。なんだか可哀そう…。ワインづくりを見学するは面白かったのですが、お爺さんのお相手にしたくなりました。

ワインを試飲するセラーに入るところの壁には、昔使った農機具が飾ってあります。お爺さんに「これは何ですか?」と聞いてみることにしました。

この写真は6月に撮影したもの

やっと自分でも役に立つことができたのが嬉しいらしい。お爺さんは笑顔で色々な話しをしてくれました。



上は何だか知っていたのですが、お爺さんに話しかけたいだけなので聞いてみました。

畑を耕すときに馬の首につけた道具。2頭ひく形でしょうね。お爺さんは馬で畑を耕していたそうです。

次の質問は、全く想像がつかない道具。

日本では「もっこ」と呼びますか?

これが何なのか聞いたときの返事にギクリとしました。

直訳すれば、「そのことは話さないで」と言われたのです。そう言われると、悪いことを聞いてしまった、と私はうろたえるのですが、たぶんフランス語では悪い思い出を話さなければならないときの前口上なだけなのだと思います。

これをしょって畑仕事をしたのだそうです。ブドウ畑の斜面がきついところでは雨で土が流れてしまいます。これを背にしょって、下に流れた土を入れて上に運ぶ。

その作業は良いのだけれど、堆肥を背中にしょって運ぶときには、すごく臭いのでたまらない。ありありと思い出すらしくて、顔をしかめていました。

ブルゴーニュ南部からボージョレーのあたりのブドウ畑は起伏があるところなので、そんな苦労もあったのでしょうね。

このワイン農家の庭から見たブドウ畑です ↓

このあたりが彼らのブドウ畑のはず

農作業がどんなに大変なのかは知らない私です。いつもブルゴーニュ南部の起伏があるブドウ畑を眺めて、こんな美しい風景を眺めながら仕事できるなんて、なんと幸せだと思っていたのでした...。

*このときの訪問は楽しかったのでブログで日記にしていたのですが、お爺さんとおしゃべりしたことは何も書いていなかったですね...。
ブドウ収穫時に訪れたワイン農家 2007/09/10




人生をまっとうできるのは幸せ

この農家では、50才前後の息子さん2人が後をついでいます。ワインを買い付けに行く仲間に、この家の長男と親友だったという人がいるので、みんなで毎年買い付けに行きます。

二人の息子さんは「スープのさめない距離」というところに家を建てて住んでいるのですが、とても仲の良い一家です。おさな馴染だった友人は、「こんな家族を持ちたかった」とよく言っていました。

それでも、子どもたちが中学・高校生のころには、今ほど豊かには見えなかったと言います。農作業が忙しい時期には、学校に親が来て、手伝うようにと連れ去ったのだそうです。

そういう子どもたちがたくさんいて、農家ではない子どもたちは「大変なんだな...」と学校に残っていたとのこと。

昔のフランスの農家では多品目栽培の小規模経営でした。友人が語るブルゴーニュ南部のワイン産地では、農家は作物も作るし、牛も飼っているし、ブドウ畑も少し持っている、という形が普通だったそうです。

お爺さんは出稼ぎにも行ったし、その奥さんの方はホテルのメイドさんをしていたりしていたそうです。ワインだけで生計が立てられるようになったのは、おそらく高度成長期の後、ブルゴーニュワインの価値があがってからのようです。


昔の農機具の話しをしてもらってから何年もたたないうちに、お爺さんの痴呆がひどくなりました。家の窓際でボーっとして1日を過ごしているようす。誰が来たのか分からないような時にいったら、庭に立っている私を見ると、窓を一生懸命あけて手を差し伸べてきました。

息子が慌てて「中に入って挨拶してやってくれ」と言います。抱擁の挨拶。フランスはスキンシップがあるので、こういう何も言うことがないけれど励ましたいときには便利だと思います。

その日の私たちは、元気いっぱいだったお婆さんが倒れて入院したとは知らずに、ワインの買い付けに行ってしまったのでした。お婆さんはもうだめらしい。家族の人たちは青い顔をしていました。お爺さんは全く分かっていないらしくて、ニコニコ顔で私を迎えてくれました…。

それから少したって、お婆さんのお葬式。ワインの買い付け仲間で行きました。

教会のミサの間、お爺さんは何度か振り返って、あたりを見回していました。なんとなく変だ… とは感じていたのではないでしょうか?

ミサの後は墓地でお見送りをしました。ブドウ畑を見渡す素晴らしい立地。夏の光がいっぱいの午後でした。

その後、役場でワインがふるまわれました。なんだか結婚式のミサが終わったときの雰囲気…。

「マダム○○の健康のために!」とグラスをあげる人がいました。一緒に行った友達が、こういう場合は「思い出に」と言うべきなんだ、とフランス語レッスンをしてくれました。でも、背いっぱい生きて、天国でも明るく生きるはずのお婆さんには「健康に乾杯!」と言いたくなると私は思いました。

それから半年後、この暮れに、お爺さんも亡くなりました。一人では生活できないお爺さんのために、息子たちが交代で実家に泊まりにいって世話をしていたのですが、ついには施設に入れなければならないくらい様態が悪化したのだそうです。

お婆さんがなくなったときも、お爺さんがなくなったときも、そうでした。息子たちは、病気で苦しむのから解放されて神に召されたのをむしろ良いことと受け取っているように見えたのです。

仲良く力を合わせて農業を営んできた一家。誰にへつらうこともなく、土とともに生きて、すべきことは全部した、という満足感を感じられる人生を送れるのは幸せだと思います。

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2010/01/17
日本のお正月にお雑煮を食べるのを欠かせないようなものでしょうか? フランスにいるとき、これがないと新年になった気分になれないものがあります。

ガレット・デ・ロワというケーキ

パイというべきかな? ともかく、こういうケーキです。

Galette des rois

日本でも最近は見かけるようになっていますね:
ガレット・デ・ロワとフェーヴを楽天市場で検索

このケーキには、次の2つも欠かせないものになっています。

王冠

フェーヴ

ケーキの中に「フェーヴ」と呼ばれる小さなものが1つ入っていて、切り分けたときに、それが入っていた人が「当たり」となります。

このケーキを買うと、かならず王冠がついていて、当たった人がそれをかぶり、皆から「王様ばんざい!」と言ってもらえるというもの。女性だったら「王妃様ばんざい!」ですが。

つまり、フェーヴが入っている部分をもらえるかどうかが大事なので、一人で食べてもおもしろくないというケーキ。

今年はガレット・デ・ロワを4回食べました。そのうち3回は、私が王冠をもらいました。かなりの確率♪ もともと、なぜか私は、良いことでも、悪いことでも、確立が低い方に転ぶ傾向があるので、4分の3の当選率はどうとも思いませんが、当たるというのは嬉しいものであります。

ガレット・デ・ロワは、どこのが一番おいしいかと、あちこちで買って食べくらべ比べた年がありました。結論は、おいしいパンを作っているパン屋さんので十分ということ。素晴らしい腕前のケーキ屋さんのガレットは、値段が高いだけで、どうということはない、と思いました。ムースを作るのなどは高い技術を必要とするのに対して、ガレットはある程度の技術で作れるのではないでしょうか?

ただし、避けるべきはスーパーなどの安いガレット。パン業界で働いていた友人が、仕事が暇な夏にガレットを大量に作って冷凍しているのだと教えてくれました。


今日、近くにあるパン屋さんのガレット・デ・ロワがおいしいので買ったら、今年はこれで最後で、もう作らないとのこと。やめるのは少し早すぎるのでは? と思ったら、フェーヴのストックがなくなったとのこと。

伝統的なガレット・デ・ロワはアーモンドクリームが入っているものなのですが、今年は色々なバリエーションのガレットが目につきました。リンゴタルトのようなもの、チョコレートが入っているものとか…。

本当は年に1回食べるものなのだそうですが、みんなで食べるのが楽しいので何回か食べることになります。となると、変わったのを食べたいという人がいて、そのために色々な味のを作るのでしょうね。


大統領のガレット・デ・ロワ

巨大なガレットの前に立っているサルコジ大統領の写真がありました。毎年、フランス大統領が招待客に食べさせるという慣例です。

今年のガレットは直径1.2メートル、重さ20キロだったそうです。

そんなに大きいガレットにフェーヴは1つしか入れないのかな? だとしたら、それに当たるのは大変なことですよ!...

ところが、この大統領のガレットには、フェーヴは入っていないし、王冠も用意されていないのだそうです。

この行事が行われるのは大統領官邸の中だからとのこと。

大統領がいるのを差し置いて、誰かが王冠をもらい、みんなから「王様ばんざい!」などと祝福されたら、確かに変な光景になりますね。

逆に、大統領がフェーヴをひいて王冠をかぶったら、これまたバツの悪い場面になります。権力をひけらかしている大統領が批判されるときには、王様きどりだとか、ナポレオンきどりだとか悪口を言われ、ネットには合成写真が出回っています。本当に王冠を頭にのせた大統領の写真なんかが出回ったら、マズイ!

それにしても、フェーヴが入っていないガレット・デ・ロワなんてつまらないと思いますけれど...。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記


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2010/01/10
サン・フルットゥオーゾ修道院2009年の秋、イタリアを旅行しました。

そのときのことをシリーズに書いたので、記事の一覧をここに書いておきます。



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2010/01/08

シリーズ記事目次 【イタリア旅行記 2009年秋】 目次へ
その11


どこの町を歩いていたときだったのか忘れてしまったのですが、向こうから歩いてくる年配の男性が気になりました。

歩道の隅に落ちているものを拾って、持っていたスーパーのレジ袋のようなものに入れています。

その人とすれ違ってから、地面を見ると、木の実らしきものが落ちています。ブナの木の家具のようにツヤツヤして、模様を入っていてきれいです。

きれいだから拾っていたのか? 食べられるから拾っていたのか?…

上を見上げたら木があります。並木道風。それで、その歩道を歩くとたくさん拾えるのでしょう。

木の写真も、道端に落ちていた木の実の写真も撮らなかったのですが、持ち帰ったものを撮影してみました。

何の実でしょう?

これをご覧になって、何の実かおわかりになる方がいらしたら、教えてくださいますか? なぜ拾う価値があるのかも分かったら嬉しいです。

拾ったのはイタリア北部。
長い方は3センチくらい。

旅行に出るので、コメントの開封は数日遅れるかもしれませんがお許しください。

10回も続けてしまったイタリア旅行記は、今回で終わりにします。

ブログ内リンク
★ 目次: クイズを出した記事一覧
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ



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2010/01/07

シリーズ記事目次 【イタリア旅行記 2009年秋】 目次へ
その10


ヴェローナの街で昼食をとる必要がありました。「おいしそう」と思ったところは込んでいては入れない。そうなると、他のレストランは、みな気に入らない。

どこで食べようかと歩きまわってしまいした。それでも、観光目的で来たのに、レストラン探しで時間をとるのはバカらしい。それに、ウロウロするのは面倒になってきた、と思ったとき、目の前にあったレストランに入りました。

外構えからして高級そうなレストランだったのですが、中も気取っている。ひょっとして、ヴェローナで一番高級なレストランの一つかもしれない。少しお勘定が心配になりました。

それに、この手の高級レストランというのは好きではありません。少し前の日記(イタリア式お刺身?)に書いたようにイタリアのレストランの選び方を変える気になっていたのですが、やはり、小さなレストランの方が好きなのです。

でも、後には引けない。高級レストランそうというのにしては、やはりイタリアらしくリラックスした雰囲気もあったので、ともかく美味しいものを食べられれば良い、という気分になってきました。

向こうのテーブルに常連さんらしい男性が一人で食事していたのですが、ウエーターと長々おしゃべりしています。そのうち、知り合いらしい人が入ってきて、その男性と一緒にデザートを食べていました。その人が立ち去ると、また別の男性がやって来て、今度はコーヒーを一緒に飲んでいます。

なんなのだろう?…
本来一人で食事していたはずの男性は、なんとなくお金持ちそうな紳士。途中から座った二人は業者風でした。
オフィス代わりにレストランを使う、というやり方がイタリアにはあるのかな?…


選んだワインが素晴らしかった!

ワインリストを見ると、これまた非常に立派でした。ブルゴーニュの欄には、名だたるワインが並んでいます。

お料理はおいしそうだし、久しぶりにブルゴーニュワインを飲もうかなとも思ったのですが、でも、メチャメチャに高い! それに、せっかくイタリアにいるのに、ブルゴーニュを飲むことはないではないですか?!

ソムリエさんに相談して、地元の白ワインにしました。イタリアで飲むワインは、ほとんど白ばかりを選んでいます。これだと当たり外れがない。軽くて飲みやすいワインが多いからです。

選んだのは「Le Lave(ル・ラーヴェ)」というワイン。ミレジムは2006年。

お気に入りワインにしたいと思ったので写真をとりました

いやあ、ものすごく本格的なワインなので仰天しました!

「本格的」というのは、ずっしりとくる濃厚なワイン、つまり、ブルゴーニュの高級白ワインを思わせる味わい、という意味です。

レ・ラーヴェは、ブドウの品種がシャルドネ―とガルガーネガで半々のセパージュのようです。シャルドネ―はブルゴーニュの高級白ワインで使われる品種です。それで、飲み慣れたブルゴーニュの味を見出して、「本格的」と思ったのだと思います。これは、先日の日記(おいしいと感じるワインは、いつも飲んでいる味のとき?)で書いたことでした。

正直言って、イタリアワインにこんなにレベルの高いワインがあるとは思っていませんでした。おいしいワインはブルゴーニュので味わえるからとたかをくくって、いつもイタリアワインを選ぶときには高級なものを選んでいません。それで、イタリアワインを飲んで「すごい!」というのには出会っていなかったのでしょうね。

高いワインではなかったのに本格的なワインを味わえました。無理してブルゴーニュワインを選ばなくて良かった、と大満足の食事となりました!


「レ・ラーヴェ」というワイン

また出会える機会があるかもしれないので、「レ・ラーヴェ」について調べてみました。

☆ 私が飲んだ Le Lave (レ・ラーヴェ)を楽天市場で検索

☆ 醸造元のベルターニ社について紹介しているショップ:
 ベルターニ・レ・ラーヴェ・ビアンコ・シャルドネ・ガルガーネガ[2005]


- イタリア旅行記は続きます -
長々書いてしまいましたが、次回で終わりにします


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