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2010/02/27

国を統治する者の任務は、国民のお腹を満たすことを保障すること? その1


日本に帰ったときは、神社やお寺に行くのが好き。何でもないのでも良いのです。その土地の人だけのものというところの方が雰囲気があったりします。東京にある神社仏閣は、戦後に新しくされているせいか、余り雰囲気は感じません...。


高千穂の天岩戸神社

高千穂に行ったのは3年前ですが、鮮烈な印象を受けました。仕事だったのでさっと行くこともできたのですが、せっかくの機会なので滞在を伸ばしました。

あれだけ感激した滞在になったので、ブログに書いているはずだと思ったのですが、何も書かなかったようです。メモしておかないと、場所の名前などは忘れてしまうのに…。間違ったことを書いていたら、教えてくださったら嬉しいです。

最近は、フランスやヨーロッパの近隣諸国を旅行したときより、日本の地方を旅行した方が異国を味わう感動が強いです。結局、東京育ちで、それ以外のところはほとんど知らなかったのですね...。それと、日本にどっぷりつかって生活していたときは、日本の良さが全く見えなかった...。

日本文化って、なんと美しいのだろう… と涙ぐんでしまうのは、こんな風景です ↓

天岩戸神社の境内

今日書きたいと思ったのは、この天岩戸神社。高千穂滞在の最後に訪れました。
天岩戸神社|高千穂

ガイドブックに、天岩戸を祀る西本宮の方は立ち入り禁止だけれど、社務所にお願いすれば見学できる、とありました。

でも、社務所にはそれらしき表示が見当たりません。土産物を売っているところで聞いてみると、向こうでお掃除をしている人を指さして、その人に声をかければ案内してくれると返事されました。

本当にお願いしてしまっても良いの?!…
でも、生きているうちに二度と来れない可能性が強いのですから、庭を履いていた男性に厚かましく声をかけてみてしまいました。

気持ちよく承諾してくださいました。でも、「○○分かかりますが、よろしいですか?」とおっしゃる。40分と言われたように思います。ここで、大半の観光客は「そんな時間はないのでやめます」と答えるのではないでしょうか? だから、お掃除は続けられる...。

でも、私は大丈夫なのです。そう答えたら嫌な顔をされるかと思ったのですが、「それでは」と、さっそく見学することになりました。ある程度の人数が集まったら見学ということになるのかと思ったのに! こんな有名な神社で、そんなことをしてくださるのは信じられないです...。

聖域に入るためのお祓いをしていただいたところで、若い女性2人が近づいてきて、一緒に見学できるかと聞いてきました。一人で案内していただいては申し訳ない気分が和らぐので、私は大歓迎♪

彼女たちもお祓いしてもらうので、撮影させていただきました。

天岩戸神社でのお祓い

神道って、おおらかなのですね。こんなものだけで(そんなこと言うのは不謹慎ですよ~!)お祓いになって、彼らの神域に入れてくださる。例えば、イスラム教文化圏に行くと、信者でなければモスケには立ち入り禁止が原則なのです。

この見学では、天照大神がこもったという天岩戸を遠くからみました。ここもまた、神秘的な空間...。

高千穂は日本文化の原点を彷彿とさせるものがあちこちにあるので、すっかり虜になりました。天照大神伝説の舞台は高千穂ではないという説もあるそうですが、私は「ここに間違いない!」と思ってしまいました。


天皇様と皇后様のお話し

観光客を案内するマニュアルのようなものができているのだと思います。案内はとてもお上手でした。しっかりと、神道の教義の説明も埋めこんであります。

そのお話しの中で、とても心に染みるものがありました。

天皇様は、皇居の田んぼでお米を作っていらっしゃる。皇后様はカイコを飼って布を織っていらっしゃる。それで私たちは食べ物と衣服が与えられ、安心して生活できるのです。

文章は正確ではないですが、こんなお言葉でした。

神道には全く無知な私。東京のど真ん中にあんな広大な皇居を確保しているの間違っている、なぜ天皇が第二次世界大戦の責任をとななかったのか、とか、色々考えていたのです。

天皇陛下が国賓を迎える公式行事で着物を着ないのも気に入らなかったのですが、それは物知りの友人が答えを教えてくれました。明治時代に近代化させるために天皇みずから洋服を着るという法律ができて、それが未だに残っているとのこと。法律を改正していただいたいですけど...。

お米とカイコの話しに、なるほど~と、私は感心してしまいました。

皇居の中に田んぼがあるとは聞いていましたが、それは単なる伝統だと思っていました。こういう風に解釈するものなのでしたか?…

天皇陛下は国民が食べ物に不自由しないように守っているのだ、という説明に、神道の真髄が見えました。というか、そういうことになっているなら、天皇を崇拝する人たちの気持ちも分かる気がしました。

私が感心したのには二重の意味がありました。それを、次の日記で書きます。

続き: パリの農業国際見本市: 今年の話題は?

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2010/02/26
ワイン好きは、アクセサリーにもワイン関連を選ぶ

ブルゴーニュにあるレストランで、ソムリエさんがしていたネクタイが気に入ったので、写真を撮らせてもらったことがありました。



まず、ブドウの房がついたネクタイピン。

それから、見えるでしょうか? ネクタイの生地には、色々なブルゴーニュワインの銘柄が書かれています。この画像を入れながら気がついたら、ネクタイピンのすぐ上にロマネ・コンティ(Romanée-Conti )の名がありました。

ネクタイをしめるときに、鏡の前で調整したのか?…
あるいは、デザイナーがそうなるように位置を決めていたのか?…

ブルゴーニュ地方のワイン地図

ソムリエさんは、職業柄、こういうのを探すのでしょうね? 私も少しは持っているのですけれど、金と銀のブドウのネックレスをしていたら、女性のソムリエさんから「どこで買ったのですか?」と聞かれたことがありました。シャブリの町にあるお土産屋さんだと答えたら、「私も行って買う」と言っていました。

ぶどう柄のアクセサリーなんてフランスだからあるのかと思っていたのですが、日本でもたくさん出ているみたいです。
ブドウ柄のアクセサリーを楽天市場で検索した結果

    

これだけあるとしたら、ワインが好きな人だけが買う、というわけでもないのでしょうね?… でも、ブドウを見たからってワインを連想する必要もないわけで…。


ソムリエさんは口がうまくなければ…

前回の日記のイントロで、日本のレストランでワインが辛口か甘くかを聞いたら、「普通です」と答えられてしまったエピソードを書いたら、だいぶ前に見たフランス映画を思い出しました。

ワインのことを何も知らない人が、ビストロのソムリエになってしまったストーリー。つまり、私に「普通のワインです」としか答えられなかった日本のウエートレスさんと同じ立場だったわけです。でもこの映画に出てくるソムリエさんの方は、殺し文句を教えてもらっていました。

どのワインを注文すれば良いか迷った客から聞かれたら、こう言ってワインを薦めれば良い、という殺し文句がふるっていました。

映画を見たのはだいぶ前のことなので、そのフレーズが何だったかすっかり忘れていたのですが、ブログに書いていたので探し出せました。
ソムリエお勧めのワインは? 2005/02/20
ブログを書きだしたばかりの時期だったので、読むのは自分だけだと思って独り言口調ですね...。

ワイン選びを客に決断させてしまう言葉は、これでした:
Un petit bourgogne fameux et pas cher.

「安くて素晴らしいブルゴーニュワイン」と納得させることができる表現なのです。映画を見てからしばらくは、ブルゴーニュの友人たちとワインを飲むたびに、「このワインを飲もう」と冗談を言っていました。

あの「普通のワインです」と私に言った日本のウエートレスさんも、気がきいたフレーズを覚えれば良いのにな…。


イタリアのレストランでのこと

映画の名ゼリフを覚えていたかどうかは分からない頃でしたが、イタリアのレストランでワインを注文するのに迷ったことがありました。

ブルゴーニュの友人たちと旅行して立ち寄った小さな町でのこと。おいしそうに見えるワインご自慢らしいレストランに、テラスもあるのも良ったので、そこで昼食をとろう、ということになりました。

友人たちはすぐにレストランに向かえないので、私が先にいって席を確保し、食前酒も兼ねた白ワインを注文しておく、ということになりました。暑かったのでノドが渇いていたので。

ワインにうるさい彼らのために、私がワインを選らぶというのは責任が重すぎます!… 私にはイタリアワインの知識なんて皆無だし、イタリア語で「こういうワインが良いのだけれど」などとは言えないのですから。

私は旅先で不味い食事をしたら、「そんなこともある」とあっさりあきらめられるのですが、食べるために生きているような友人たちは、一日中、不機嫌になってしまうのです...。

少し遅い時間だったのですが、テラスに席をとれました。第一の問題はクリアー。

ところが、「どのワインにしますか?」と聞かれて、たじたじ。ワインリストはないらしいのです。店の中に入ったら黒板か何かに書いてあったかも知れない。でも、ここでなぜ私が突然立ち上がるのかイタリア語で説明できないので、不審な行動をするのはやめました。

仕方がない!
「ヴィーノ、ビアンコ、セッコ、ブオーノ」、と言ってみました。
おいしい辛口の白ワイン、と言いたくて羅列してみたのです。

すかさずウエートレスは、ワインの銘柄らしきものをズラ~っと並べてきました。さすが、ワイン自慢のカフェレストランですね~♪ 

でも、キョト~ン…。

しかし、何か答えねば!
相手の目をみすえて、「ブオ~~ノ」と、重々しく言ってみる。

ここで「最高に良いワイン」と言ったら、ブルゴーニュの友人たちから非難されないワインが出てくる可能性は高いだだろうけれど、お勘定するときに文句を言われてしまうのは必須。だからって、「高くはないワイン」と強調するのもさもしいので止める。「多少高くても、おいしいのが良いのです」などと複雑な説明はできないです!

また、何か言ってきました。
「ブオーノ エ サンパティコ」、と、フランス語の語尾を変形させただけのイタリア語を加えてみました。

すると、ウエートレスさんは諦めたような顔になり、それ以上の追及はやめて引きあげました。不安な時間がすぎます...。

少しすると、冷たく冷えた白ワインを持ってきてくれました。
それが、素晴らしく美味しかったのです♪

友人たちからも、「良いワインを選んだ」と褒められました。
でも、何と言って注文したのかを話したら、大笑いされてしまいました!

これって、あのフランス映画の素人ソムリエが言ったセリフの逆ですね。ワインの価格も「パ・シェール」だったのです。いつもこれでうまくいくのかは実験していませんが、こんな片言イタリア語で良いワインを選んでくれるなら助かります♪


フランス語とイタリア語は似ている

ところで、イタリア語はフランス語の語尾をイタリア風にするだけで良かったりする単語もあるので、知らなくても想像できる場合も多いです。でも、フランス人に比べると、私は不利だと感じます。

フランス人たち、特に学生時代にラテン語をとっていた人たちは、イタリア語を勉強していないでも、かなり会話が通じるのですよね。フランス人はフランス語で話して、イタリア人はイタリア語で話していてさえ、彼らはかなり意味を捉えて会話になっています。

これは逆のケースとして、フランスに来るイタリア人でもやっています。

フランスでイタリア人観光客はあまり見かけないのですが(少なくとも、他のヨーロッパ諸国の人たちのようには農村部にやって来ない)、大学の外国人向けフランス語コースには必ずイタリア人がいて、よくしゃべります。しゃべりだすと止まらない。

フランス語だかイタリア語だか判別できないことを言っているので、学生はもちろん、フランス人の先生だって何を言っているのだかわからないのだけれど、彼らは話しだすと止まらない! フランスに留学した日本人学生は、イタリア人学生におされてしまって、会話の練習が全然できない、という経験は誰でもしているのではないでしょうか?...

ブログ内リンク:
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ


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フランスのお酒 (ワインなど)



2010/02/25
前回に帰国したとき、友達で集まって昼食することにしたときのこと。東京なのに窓から木立が見える良いレストランを友人が選んでくれました。高級レストラン風のところでしたが、リーズナブルプライスのランチメニューで食事できたので、何も文句はなし。


ワイン選びに困った

フランス料理を食べるならワインを飲もうということになって、私がワインリストで選ぶ役になりました。今月のワインがシャブリ。でも、かなり高い。どこが生産しているシャブリなのか、何年ものかも書いてない。

シャブリは生産量が多い地域なので、当たり外れが大きいのです。

「やっぱり、安いワインにしよう」ということにしたら、これまた、全くなんだか分からないワイン。

お給仕の女性に「一番安い白ワインは辛口なのか、甘口なのか」と聞いてみました。奥に引き上げて聞いてきてくれたのですが、その返事は「普通です」。

普通?!...

せめて、「甘すぎもなく、辛すぎでもなくて、飲みやすいワインですよ」くらい言ってくれないと、注文するのを躊躇してしまうではないですか?

私はワインは美味しければ良いと思っているので、ワインについて長々説明されるのは好きではありません。でも、食事しながら飲むとしたら、フォアグラと一緒に飲むのではない限り、白ワインは辛口を選びたいという好みはあります。

それに、「ふつう」としか表現する言葉がないとしたら、何も褒める点はないと思ってしまうではないですか? とすると、かなり不味いワインなのか... と不安がよぎります。「この安ワインは注文しない方が良いですよ」というニュアンスがあるアドバイスだったのだろうか?...

どうしてこのレストランでは、ワインリストに短い説明を加えておかないのだろう? 日本の居酒屋さんでも、色々ある日本酒の名前のところに、辛口とか、甘口とか、さわやかとか、フルーティーとか、宣伝文句を書いているではないですか?

迷うのも面倒なので、「普通」と表現されたハウスワインを注文しました。それを飲んでから、お給仕の女性に「これは甘口と表現すると良いですよ」と教えてあげたかったけれど、余計なおせっかいはやめました。

レストランでどんなワインかと聞いてくる客に対する、オールマイティーの答えあるのが気に入ったときに書いた日記:
ソムリエお勧めのワインは? 2005/02/2



「洋食屋さん」という表現が気にいった♪

料理を食べながら、友達の一人がこのレストランを「洋食屋さん」と呼んでいたのを思い出しました。それがすごく当たっているので、笑ってしまいました。フランス料理ということになっているのだけれど、「洋食」と呼ぶに相応しい料理だったのです。

日本のフランス料理の店の前にある料理見本を見て、面白いな~ と思ったのを思い出しました。そういえば、最近は見かけなくなっているように思うのですけれど。

代表的な西洋料理。スープ、ビーフステーキ、グリーンサラダ、デザート。それに、パンもついていることが強調されている、という料理。それで1万円。

フランスでは、ステーキはどこの部分の肉かを明確にしないと価値がないです。それで、飾ってあるは、カフェのテラスに座って食べるような料理のイメージに見えます。量も少ないから、それで1万円なのだから高すぎる!

面白いので写真をとって、フランスの友達に見せたこともあったように思います。


フランス人に気に入られたニンジンの煮込み

こういう日本のステーキ料理には、ニンジンの輪切りの煮込みが2つくらい添えられていませんでしたっけ?

フランス人に食べさせる料理をつくるとき、付け合わせにするのに適当なものがなかったので、それを作ってみました。ジャガイモのソテーとかいうのが定番ですが、それだと色がなくてつまらないで、ニンジンにしてみたのです。

それが、意外に評判が良かった。最近は、時々つくるようになりました。

私流いいかげん料理

なんという名前の料理か分からないので、こんな感じだったのではないかという作り方にしました。ニンジンを鍋に入れ、水を入れ、コンソメスープの素、バター、砂糖少々を入れて、水気がなくなるまで煮るという簡単料理。

「どうやって作ったの? おいしい」と褒められて、唖然としました。だって、私は、これはフランス料理だと思っていたのですから!

気が付けば、野菜に砂糖を入れて煮るなんていうのは、日本風かもしれない。それにコンソメスープとバターで煮てしまうのが洋風料理。パンにアンを入れてアンパンとして食べてしまうのと同じ発想かな?…


「にんじんのグラッセ」と呼ばれる料理だった

ともかく、そんなのがフランス人に受けるならと作るようになって少したったころ、レストランで食事したら同じようなのがでてきました。

オリジナリティーがあって、かなりおいしいレストランでのこと。最近のこの手のレストランは日本料理の盛り付けを真似しているので、野菜も串刺しでした。

レストランの料理

ニンジンの甘みはほとんどなく、ちょっと固くて、私のニンジン料理の方がおいしいと思いました。

ついでに気がつくと、ニンジンを付け合わせるのって、フランスでは魚料理に対してが圧倒的ではないかな?…


書きながら、このニンジンの煮込みを何と呼ぶのか調べてみたら、「にんじんのグラッセ」として出てきました。
にんじんのグラッセ

ここに「にんじんをシャトーに切る」という言葉がでてきます。何だろう?...
こういう切り方のことらしい: 
にんじんのシャトー切り
「シャトー」って城(château)のこと? 城の形に見えないけど...。さらに謎!
結局、この「シャトー」とは「シャトーブリアン」の省略形のようでした:
CHATEAUBRIAND & PÂTES


グラッセとはフランス語ではないですか? それならとフランス語の綴りにして、Googleで「Carottes glacées」の画像を検索

なあんだ、フランスにだってあるんだ~!

でも、日本でフランス料理と思っているものが、フランスでは余り食べる機会がない例があるのですよね。

例えば、日本ではフランス料理につきもののようになっているスープ。
これは以前に日記で書いていました:
スープの季節<1>: 日本の西洋料理を見て不思議に思ったこと 2007/12/12

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2010/02/23
ボーヌから少し南下してコート・シャロネーズと呼ばれるワイン地域に行ったとき、ブーズロン村(Bouzeron)に立ち寄ってみました。

この村がついたワインを買うために、前々から行ってみたいと思っていたのです。
そのことは、すでに日記で書いていました:
安くておいしいブルゴーニュ白ワイン: ブーズロン

パリなどに住んでいたら、ワインはお店で買うのが普通なのでしょうが、ブルゴーニュにいると生産者のところに直接行きたくなります。それで、レストランで飲んで美味しかったから買いたいと思ったのに、1年近くたってしまっていました。

ブルゴーニュ地方のワイン地図



「ブーズロン」というブルゴーニュの白ワイン

ブルゴーニュの白ワインでは、大半がシャルドネ―種かアリゴテ種のブドウが使われています。高級ワインは、まずシャルドネ種。アリゴテから作ったワインは酸味が多いので、ランクが下がる印象を与えています。

ところが、ブーズロン村で作られるアリゴテの白ワインはまろみがあって美味しい。それで、レッテルに「アリゴテ」と表記するのはマイナス。地域のワイン醸造家たちが努力して、1979年から「ブーズロンのブルゴーニュ・アリゴテ(bourgogne aligoté de bouzeron)」と表記できるようになり、さらに1997年からは「ブーズロンBouzeron)」というアペラシオンだけ表記できるようになりました。

つまり、ラベルをちょっと見ただけではアリゴテ種から作られた白ワインだというのが分からない! でも、確かにアリゴテ種のブドウからつくった白ワインとは違うのですよね…。


ブーズロン・アリゴテ[2005] 375ML/ドメーヌ・ド・ヴィレーヌ


ブーズロン村に行ってみると…

ブーズロンのワインを買いたいと言っても、お目当てのドメーヌがありました。ロマネ・コンティのオーナー家族が経営しているドメーヌ・ド・ヴィレーヌ社です。

有名ブランドと言われると拒絶反応がおきてボイコットしたくなる私なのですが、このヴィレーヌのブーズロンはどうしようもなく美味しいのであります。

ブーズロン(Bouzeron)の村は、人口150人くらい。ですから、探す建物はすぐ分かるだろうと思っていました。

でも、くまなく歩き回っても見つからない。それらしき看板が見えないのです。

人口密度が極端に少ないフランスの農村地帯では、道を聞きたいにも人に出会えないのがネック。でも、折よく、向こうから歩いてきたマダムがいました。

ヴィレーヌさんの家がどこか聞いてみると、通り過ぎてしまった方向を示します。
そして、おっしゃる。
「でも、今日はお留守のはずですよ」

こんな返事が返ってくるのは、日本の田舎でも同じでしょうね。ついでに、どこに行けば会えるかまで教えてくれたりもします。でも、今回は、それはなし。

示された方向に行ってみると...
ありました、ありました♪

門の前にワイン樽を使った植木鉢があって、よく見れば「ドメーヌ・ド・ヴィレーヌ」と書いた文字があるだけ。これでは、前を通ったって通り過ぎてしまいます。

Domaine de Villaine

本当にお留守のようでした。

ワインは買えなかったけれど、好感をもつお家の佇まいだったのを確認できただけで満足。ブルゴーニュの農村によくある、ふつ~うのお家。いいですね。全然気取っていない!

知らないドメーヌを開拓しようとするとき、その建物の前に立っただけで誠実につくっているかどうかが漂ってくるのです。やたらに派手で、成金趣味の家だと、ここはぼろ儲けしているのだろうと感じてしまうので避けています。

ドメーヌ・ド・ヴィレーヌがどんな醸造元なのかは、
下のショップが詳しく説明しています。


ブーズロン・アリゴテ ドメーヌ・ア・エ・ペー・ド・ヴィレーヌ AOCブーズロン

アリゴテ種から作られる白ワインは、シャルドネー種からつくられる白ワインより安いのが普通なのですが、ブーズロンは別格扱い。このドメーヌの作るAOC付きブーズロンは、フランスで買うと14ユーロくらいします。

ちなみに、上にリンクした日本のワインネットショップでの売値は1,879円(税込)となっていました。フランスでの価格とほとんど違わないので、不思議…。普通は、フランスでワインを買う値段の2倍か3倍が日本での売値だと見ているのですが、たまには例外があるのですよね。

ブーズロンの価格を見る

ヴィレーヌ社のブーズロンの価格を比較する

ドメーヌ・ド・ヴィレーヌのサイト: Domaine A. et P. De Villaine




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2010/02/22

クイズ: これは何でしょう? - 冬の家庭菜園にあったもの その2


先日の日記で出したクイズを考えてくださった方々があったのに気をよくして、またクイズを出したくなってしまったのでした(クイズを出した日記はこちら)。考えてくださった方々、コメントで色々なことを教えてくださった方々に感謝しております♪


クイズの答えは「シロ」でした

クイズにしたのは、このお婆さん一人住まいのお家の家庭菜園にあった、
この小山 ↓
クイズにした小山

これを作ったお婆さんに何なのか聞いたわけではないのですが、私が用意していた答えをpepe犬さんがずばり出してくださいました

田舎暮らしの経験があるフランス人がこの小山を見ると、すぐに、ニンジンを土に埋めて冬の保存にしている、と分かるらしいです。

これは「シロだ」と言われました。黒じゃない! いやあ、フランス語で「シロ(silo)」というのはサイロのことです。
*穀物をストックするのもサイロと呼ぶので、こう野菜保存のものは「地下のサイロ(Silo souterrain)」と言えば特定できるようです。

フランス人たちが「シロだ」と言うので、私は「そうなのだ」と思っただけのこと。お婆さんに聞いて確かめてみないと、「クイズの解答はこれでした」とは言えないわけです…。でも、インターネットで検索してみたら、これと同じ形の小山がたくさんでてきました。


冬の根野菜保存は、日本でもしている方法だった!

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2010/02/13
数日前、友達の家で昼食をとった後、青空に誘われて散歩にでました。

寒~い! 家の中にいたときには暑いくらいだったのは、単に太陽の光が部屋の中に差し込んでいたからだけのようです。いつの間にか、青空は消えて、シベリアから渡ってくるような冷たい空気になっています。


もう、この帽子はフランスでかぶれない!

フランスの今頃はワイン祭りに行ったりするのだから、目だけ出す帽子を日本で見つけて買いたいと思っていたことを思い出しました。日本は何でもある国なので、日本で探そうと思っていたのですが、前回帰国したときにもすっかり忘れていました。寒い場面に直面しないと思いださないです...。

欲しかった帽子↓
 【 カーハート 】 ニット フェイスマスク

この画像を探しながら、こういう帽子は「フェイスマスク」と呼ぶのだと分かったのですが、もう見つけても買わないです。

というのは、ここのところフランスでは、ブルカの着用を禁止するという動きが話題になっているからです。私が目だけ出す帽子なんかかぶっていたら、みんなから「国外追放になるよ~!」とからかわれるのは間違いありません!
ブルカ着用禁止、法制化への道 2010/02/08

フランスでブルカ姿を見たことがあるか記憶がないのですが、テレビに出てきた黒ずくめの女性は確かに、怖い! まっさきに、モーツアルトの謎の生涯を描いた映画「アマデウスの最後の方で、モーツアルトに死を予言しに来た人の服装はこんなだったのではなかったかと思いました。

右派と極右の支持者の票を集めて当選したサルコジ大統領は締め付けがお好き。そういうのを出されるたびに反発を感じるのですが、確かにブルカは極端かな…。

目しか見えないブルカ姿で学校に子どもを迎えに来る人がいたら、母親なのか、人さらいなのか見分けられないでしょうね。こういう姿で銀行強盗に入ったら、防犯ビデオも役立たずです。あんまりブルカ、ブルカと騒ぐので、アイディアを持ったのか、すでにブルカ姿の2人組みがパリ首都圏で銀行強盗しています!

でも、もちあがっているブルカ禁止は、テロ対策のためだとは言っていません。フランスは政教分離だとか、女性の権利を守るとか主張しています。でも、フランスは私の目からみるとキリスト教文化の国だし(祝日のほとんどはキリスト教のものですよ)、フランスの女性たちがやたらに性をアピールするのは逆の意味で問題視できるはずだし(でも、夫から強要されていないのだから自由か...)。こういう問題は、私には何とも判断できません。


それはともかく、ブルカがクローズアップされたので、氷点下でも歩きまわるフランスの冬のイベントにはフェイスマスクが一番♪ と思った私のアイディアは使えなくなりました...。

散歩のときに寒かったのも当然。その日の午後から雪が降りはじめ、今はクリスマスのような風景になっています。今年のフランスは異常に雪が多いですね…。

鼻が冷たくてたまらないので、お散歩はさっさと切り上げることにしました。


昔ながらの生活をしている家

散歩の帰り道、農業を隠退した人が住む家にある家庭菜園の前を通りました。食べきれるのだろうかと心配してしまうほどの野菜を作っていて、草むしりもマメだし、クワでみごとに耕しているし、ピッカピカの菜園です。でも、さすがに冬なので作物は何もない。ニワトリ小屋の方もからっぽ。

少し前にお爺さんが亡くなったので、今はお婆さんが一人で住んでいるはず。でも、以前との変化は感じられませんでした。

戦前のような生活をしているので、ご近所では有名なお家です。けっこうな資産家だそうですが、車なんか持っていません。バスといえば、スクールバスが普通の人も乗せてくれるというようなシステムしかない村なのですけど。商店も、歩いて行けないこともない所に小さな何でも屋さんが1軒あるのが幸運。電車に乗ろうと思ったら大変なことになりますが、たぶん電車なんかには一生乗ったことがないのではないかな?

庭には洗濯物が干してありました(普通のフランス人はしないのですけど)。氷点下になる時期に乾くのかな?… 干してあるものは、昔風のチェック柄ハンカチがたくさん。フランスのハンカチは鼻をかむためのものなので、なるほど~ と感心。それから、あの極端に小柄なお婆さんがこんなのはくの? と驚くほど大きな下着...。

こういう洗濯物の写真は歴史的資料として価値があると思ったのですが、写真を撮るのは遠慮しました。フランスの田舎を散歩していると、たいてい、レースのカーテンの向こうからこちらを見ているお婆さんがいるものなのです。姿は見えなかったけれど、大きな家のどの窓にひそんでいるとも限らない!


クイズです

友達が、家庭菜園の中にあるものを指さして、「これ、なんだか分かる?」と私に聞きました。

家庭菜園の一角

菜園には小道ができているのですが、そのほとりに、こんもりと土が盛り上がっていて、お堀のようなものができています。直径1メートルくらい。小山の高さは20~30センチくらい。

即座に、「モット♪」と、私は返事しました。

モットというのは、中世初期の城で、こんな風に土が盛り上がっていたところに木で砦を築いたものです。
★過去の日記: モットと呼ばれる城

もちろん、お婆さんが家庭菜園にそんなものを作って遊んだはずはないですが、何かしら答えたいではないですか?!


これを見て、皆さまには何だか分かりますか?

日本でも同じことをするのだろうか? という疑問がわいたので、クイズにしたくなりました。私は東京育ちなので、田舎の生活に関する知識はゼロなのです。


これをフランス語で何と呼ぶのか、友達は分からないと言います。そのとき、向こうから知り合いが歩いて来たので、挨拶。

よそ様の庭なんかを見ている言い訳にもなるので、これが何というものなのか聞いたら、○○だと教えてくれました。生粋の田舎の人なので信じられます。

名前が分かればインターネットで検索できます。出てきました。へえ、結構なテクニックがいるんですね...。

クイズの答えをコメントでくださいますか?






こんな盛り土を見て何なのかを当てるのは不可能かと思っていたのですが、pepe犬さんがずばりと答えを出してくださいました♪

実は、用意していた答えとは違うものだというコメントを幾つもいただき、不安になって調べてしまいました。いただいたコメントで色々と学ばせていただいたし、「これが答えです」と書くための検索もしたので、本当に色々なことを学んでしましました♪

フランスの友人たちから「なんで、そんなことを気にするの?!」と言われている私なのですが、そういう些細なことでもブログに書くと、色々なことを教えていただいています。これがブログを書いている醍醐味♪

お考えくださった皆様、特にコメントを入れてくださった皆様、ほんとうにどうもありがとうございます♪

解答ページとして入れたのは、こちらです

ブログ内リンク
★ 目次: クイズを出した記事一覧


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カテゴリー: クイズ | Comment (36) | Top
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2010/02/12

シリーズ記事【殻つきの牡蠣(目次】 その6
クイズ: 何を見ているのでしょう? (4)


クイズ: 何を見ているのでしょう?」のオマケのようにつけた質問は、この絵画にはなぜ男性だけで食事しているのか? というものでした。

この答えなんか出てこないだろうと踏んでいたのですが、元ぶるとんぬさんが、この点について推察をしてくださいました。


男性たちが、特別な意味がある牡蠣を食べていた?

すでに16世紀の医学書には、牡蠣には「強いaphrodisiaque(媚薬)効果がある」と書いてあるのだそうです。

絵画の解説を見たときには、昔のフランスにはそんな迷信のようなものがあったのかと思っていたのですが、元ぶるとんぬさんもそうおっしゃる。お住みになっていたのは、フランスの牡蠣の産地ブルターニュ。それで、昔の言い伝えが残っているのかな、と思いました。

フランス人に聞いてみたら、今でもそう言われているのだと教えてくれました。
フランス語のWikipediaで調べたら、たくさんリストアップされている食品の中に、牡蠣も入っていました。そこからリンクできる日本語ページの方には牡蠣はリストアップされていません。

簡単なキーワードを入れて日本のサイトで情報を検索してみました。でてきますね。そんな話しをしているサイトは怖いので、出てきたタイトル文字を見ただけですが、「牡蠣には亜鉛やミネラルが豊富で…」とありました。

フランスでその類いにされるものとして、私は生姜しか知りませんでした。
★ 過去に書いた日記: フランス人に生姜料理を出すと、とんでもない反応がある!

日本料理を作るときに生姜を使うことがよくあるのですが、料理をフランス人に出すと、特に男性たちが、目をクリクリさせるので困るのです。
でも、牡蠣を出されてニタニタする男性は見たことがないです…。

ところで、入れたフランス語を辞書で引くと、もっとストレートな訳語がでてくるのですが、「媚薬」としておきました。この言葉で私が思いだすのは、むかし読んだ痛々しい恋愛物語だった『トリスタン・イズー物語』。そこに出てくるスイカズラの花はどんなのか想像できなかったのですが、フランスにはたくさんありました。ものすごく生命力がある植物なので、私のイメージとは全く違っていました!

そんな単語があったことすら忘れていたのですが、試しに楽天市場でキーワードにしてみたら、商品がぞろ~っと出てきました。死語ではなかったのですね...。


この絵画を所有しているコンデ博物館の絵画分析では、画家は牡蠣が媚薬であるために場面には男性しか描かなかったとしても、もう一つの理由も考えられると言っています。


狩りから帰った男性が食事しているだけ?

この「牡蠣の昼食」という絵(1735年作)が飾られるのは「狩りからの帰り」と題された食堂に飾られるもので、ハンティング帰りの男性15人くらいが夕食をとる風習があったそうです。とすると、男性しかいないのも自然。

ちなみに、そこに女性が加わるようになったのは1738年からだそうで、これは牡蠣を食べる食事風景の絵画に対して画家に代金が支払わたと記録に残っている年です。

でも、です。ヴェルサイユ宮殿のサイトの記述では、この部屋が風呂場から食堂にされたのは1750年とあるので、理解に苦しみます。部屋ができる前に絵画が用意されたのだと受け取って、気にしなければ良いのでしょうか?... どうせ300年近く前のこと。気にしない!


いづれにしても、日常的な狩りの後の食事でしょうね。当時の王様の大規模なハンティングでは、女性たちも馬車などで狩猟見学ツアーのように同行していましたから、狩りの後に「おれたちだけで食事」式のことはできなかったのではないでしょうか?


真相は?

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2010/02/11

シリーズ記事【殻つきの牡蠣(目次】 その5
クイズ: 何を見ているのでしょう? (3)


クイズを出したこの日記に入れた絵画の中には上を見つめている人たち(特に中央にいる青い服を着た給仕の人)がいます。何を見ているのでしょう? というのがクイズでした。

絵を拡大すれば、何を見ているかが分かります。



上を見上げている2人は、シャンパンのコルクが飛んだのを見ていたのでした!

クイズを出した日記では、コルクが見分けられるほどには大きくない画像を入れたし、絵画の題名や、どこに展示されているかなども隠していました。ところが、ヒントを出す前の段階で、ママンさんが、みごとにシャンパンのコルクだと当ててくださいました♪

その後に入れた日記(クイズにした絵の背景: 18世紀の貴族たちの食事)の最後に入れた写真の場面(何か飲んでいる人々)の部分に注目されていたのでしょうか? それとも、コルクが見えた?! 実物の絵画を見ても、コルクだと思ってみないと、柱の中にある点は見分けられないです~!

お酒を楽しんでいる場面をクローズアップしてみたら、元ぶるとんぬさんも即座に「シャンパンだ」と当ててくださいました♪


贅沢なシャンパンの飲み方に見えました

今の時代にはシャンパンの泡がこぼれ出ないように、グラスにボトルの口を近づけて、そーと注ぐのですけれど、この絵の中にいる人たちはミントティーを注ぐように豪快に注いでいす。
前回の日記の最後に入れた部分をご覧ください。

こんな注ぎ方をしたら、泡があふれ出るでしょうね。でも、牡蠣を手づかみで食べているのですから、グラスからあふれたシャンパンで手を洗う効果があって良かったかもしれない...。

シャンパンはワインと違って、布についてもシミにならないのだ、とフランス人たちは言います。ワインを服にこぼしたときは一生懸命ふいていますが、シャンパンのときはそのまま。

それにしても、なんとも贅沢なシャンパンの飲み方かと思ってしまいました! どうせ王様に招待されている食事だから、シャンパンを泡で流してしまっても気にしない、というわけでしょうか?

スポーツ競技で優勝した選手が、スポンサーのシャンパン会社から提供されたボトルを振りまわして、泡が出るのを楽しんでいる光景よりはマシですけど!....


絵画に初めて登場したシャンパン

シャンパンは、17世紀末、僧侶ドン・ペリニョンによってシャンパンが誕生したと言われています。この「牡蠣の食事」と題された絵画(1735年)が描かれたのは、それから間もなくのこと。シャンパンが絵画に描かれたのは、この絵が初めて、という記念すべき作品なのだそうです。

ボトルの中で発酵させて泡をためるシャンパンは、貯蔵している段階で発泡酒の圧力でコルクが飛んでしまうので、ボトルとコルクを締めるテクニックで最も苦労したそうです。ドン・ペリニョンと名付けたシャンパンを販売している会社のコマーシャル・ビデオで見たことがありました。


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絵画に描かれている飛んだコルクの形は、今と同じようにシャンパン独特のキノコ型になっています。針金でコルクを押さえるということも、既にしていたようですね。

でも、ボトルはずんぐりしていて、今のスマートなシャンパンボトルとは違いますね。当時の技術では、このくらいボトルを頑丈にしておかないと爆発してしまったのでしょうね。

シャンパン会社のセラーを訪問したとき、床に水が少し流れているので何なのか聞いてみたことがありました。欠陥ボトルがあって、貯蔵している間に破裂してしまったのだとの返事。今の技術をしても、シャンパンをつくるのは大変みたいです。


ところで、コルクではなく青い服を着たお給仕を見ている人が、コルクが飛んだと思われるボトルを手で押さえています。

右手には鋭そうな刃のナイフ。この当時は、ナイフでコルクを飛ばしたのでしょうか? あるいは、コルクが勝手に飛んでしまったのかな?… この点についての解説は見つからなかったので、疑問として残りました。



この牡蠣を食べている食事風景の絵画をよくよく眺めてみると、シャンパンの方が主題なのではないかとも見えます。前回の日記の最後に入れた拡大部分を見ると、うっとりとグラスの泡を眺めている人がいますね。

牡蠣を食べながらシャンパンを飲む。これは現在でも、よく合うとして好まれる組み合わせです。




クイズを出した日記では、オマケの質問も付けてみたのですが、見事に推察してくださった方々がありました。

この絵にはなぜ男性たちしかいないのか?
それを次の日記に書きます。

- 続く -


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2010/02/10

シリーズ記事【殻つきの牡蠣(目次】 その4
クイズ: 何を見ているのでしょう? (2)


クイズにする絵画です前回の日記で、18世紀前半の絵画をお見せして、ここに描かれている人たちが何を見ているのかをクイズにしてみました。

クイズ: 何を見ているのでしょう?

考えてくださった皆さま、どうもありがとうございます!

実は1つ目以降のコメントの後、コメントを公開しない形で待ってみることにしました。

*今現在で4つのコメントをいただいているのですが、2つはみごとな正解、もうひとつは大事な点をついているコメント、もうひとつは奇想天外な発想が素晴らしいコメントでした♪

正解を出す日記を書き始めているのですが、前置きが長くなってしまったこともあるので、コメントをまだ開封せず、とりあえず絵画の背景から出します。

正解が出なかった方にはヒントになって、「なあんだ、あれか~」とコメントをくださるかも知れないし...。2度目のコメントをくださったママンさんは、「ああ、当たった~♪」とお分かりになると思います。

いい加減なことを書いてはいけないと思って調べていたら、何となく好きだったこの牡蠣を食べている食卓の絵画を通して、色々なことが分かりました。面白かったことを少しだけメモしておきます。

*例えば、18世紀の貴族の靴の踵は赤いのだと聞いていて、そんな変な靴があるのだろうかと思っていたのですが、本当に踵が赤かった!


絵の背景

クイズで使った絵は、「Le déjeuner d'huîtres」と題されています。定訳が見つからなかったので、どう訳したら良いか分からないのですが、「牡蠣の食事」とでもしておきます。

*déjeunerというのは現代のフランスでは昼食を意味するのですが、この時代には昼食はdîner(現代フランス語では夕食)と呼ばれていたはず。スイスやベルギーのフランス語では、今でもdéjeunerは朝食の意味に使われているかも知れません。作品を所有する博物館の学芸員は、この絵は「軽食(collation)」の風景と説明していました。

この作品は、寛いだ食事をするダイニングルームに飾る絵画として、ルイ15世が1735年にJean-François de Troy(ジャン=フランソワ・ド・トロワ)に注文したものでした。

*画家に支払いがなさせたのは1738年だそうですが、絵画の年号は1735年とされています。ヴェルサイユ宮殿のサイトでは、この部屋がダイニングルームとなったのは1750年としています。

注文した絵画を飾る部屋は、ヴェルサイユ宮殿で初めて作られたという記念すべきダイニングルームでした。18世紀半ばくらいまでは、ヴェルサイユ宮殿に限らず城には食堂がなかったのです。トイレの方は、中世の城にもあったのに、ヴェルサイユ宮殿には最後までなかった!!

*18世紀になるまでは、どの部屋にでも簡単なテーブル(足組みに板を乗せるだけ)を組み立てて食事していたので、食事をするための専用の部屋というのがなかったからです。この絵に描かれているテーブルも、そういう組み立て式テーブルにテーブルクロスをかけただけのものだそうです。

「狩猟からの帰り」と題されたダイニングルームに飾られるもので、ハンティング帰りの男性15人くらいが夕食をとる場所だったそうです。

その部屋について:
☆ ヴェルサイユ宮殿サイト: Salle à manger des retours de chasse
☆ Wikipedia: Salle à manger des retours de chasse

この牡蠣の食事風景の絵と対にして飾られたものとして同時に注文された絵は、Nicolas Lancret(ニコラ・ランクレ)作の「Le déjeuner de jambon(豚のもも肉の食事)」。こちらの絵には猟犬たちがいて、狩りから帰ってきてとっている食事のシーンだと分かります。

Déjeuner de jambon - Nicolas Lancret - musée Condé


18世紀のパリには牡蠣を売って歩く商人もいたそうで、人々は牡蠣に夢中になっていたそうです。牡蠣がおいしいからというだけでもなかったらしいのは、「元ぶるとんぬ」さんがコメントでずばりと指摘してくださいました♪

北の海からパリまで新鮮な海産物を運ばれるぶ馬車は「chasse-marées(直訳すれば、狩猟=潮汐)」と呼ばれていました。牡蠣も、これで運ばれるた新鮮なものが最高。

*馬飼育農家を訪問したとき、「パリに海産物を運ぶ馬車では、この種類の馬が使われていた」のだ、と美しい白馬を見せてくれたことがありました。白い馬だと、夜も見えるので採用されたとのこと。

北フランスのブローニュ・シュル・メール(Boulogne-sur-Mer)から魚を馬でパリまで早く運ぶ競争を再現したイベントを紹介したテレビニュース(1999年)がありました。1850年に鉄道が開通するまで、こうして馬でパリまで運んでいたそうです。


Ina: Route du poisson


18世紀全般の食事風景

数年前に、この絵画を所有しているコンデ博物館(シャンティイ城)が、17世紀から19世紀までの貴族の食生活をテーマにした特別展をしました。17世紀は、フランスの食事が現代のものに大きく近づいた節目の時期。当時の食器などやテーブルセッティングなども見れて、とても面白い企画でした。

☆ コンデ博物館の主任学芸員が特別展について色々な話しをした録音: Tables princières à Chantilly, du XVIIe au XIXe siècle

牡蠣の食事の絵は、特別展でクローズアップされていました。じっくり眺めると、色々なことが見えておもしろいです。この当時の貴族の食卓では、氷水で入れた小さなドンブリのようなものでグラスを冷やしていたとか...。牡蠣の食べ方にしても、当時の人たちは、ニンニク、バター、塩、胡椒で生牡蠣を食べていたと分かります。

絵画を所有しているシャンティイ城は、フランスの食文化に残る逸話もあります。上にリンクを入れた録音でも触れていますが、シャンティイ城の接客応対責任者を勤めていたヴァテルは、コンデ公が王様を招待した大切な宴会で、海産物が届かないのを苦にして自殺したという逸話があります。

真実の話しはそう簡単なものではなかったらしいのですが、ドラマチックな話しなので、書物も出ているし、映画にもなっています。

ヴァテル ― 謎の男、そして美食の誕生(東京創元社)
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牡蠣を食べているだけではなかった

話しを戻して、前回の日記に入れてクイズにした牡蠣を食べている食事風景の絵。

牡蠣をむいている召使が左下にいて、床には殻が散らかっています。

食べ物としては牡蠣以外には何もないようです。当時の貴族の間では牡蠣だけの食事が流行っていて、一人150個くらい食べるのが普通だったそうです。

そんな風に牡蠣ばかり食べる食事の光景なのですが、よく観察してみると、絵の中で牡蠣を口にしている人たちは少数なのですね。私が数えたところでは3人。

こんな場面が大きな部分を占めています↓

「牡蠣の昼食」の一部分

ワインボトルにしてはズングリしていて変ですね...。伝統的なドブロクの容器は、こんな風ではなかったでしたっけ?


前置きが長くなってすみません!
次回の日記にクイズの答えを入れます。
クイズの答え (1): 見上げていたものは何か?

ブログ内リンク:
★ 目次: 画家、彫刻家、建築家の足跡を追って

外部リンク:
☆ CRDP Amiens: DE TROY - Déjeuner d'huitres


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2010/02/08

シリーズ記事【殻つきの牡蠣(目次】 その3
クイズ: 何を見ているのでしょう? (1)


フランスにおける牡蠣の歴史

ヨーロッパでは原始時代から牡蠣を食べていたそうです。古代ギリシャの人々は、牡蠣は美味しいと食べていただけではなく、その殻も使っていました。特定人物を国外追放にするかどうかを投票する道具にしたのだそうです。

ギリシャ語で牡蠣の殻はostrakon。それから作られた言葉ostracisme[陶片(貝殻)追放)]と言う言葉は、今日のフランス語でも「追跡、排斥」の意味で使われます。

牡蠣が好きだったフランス王として名を残しているのは、フランソワ1世や、アンリ4世。アンリ4世は、一度に300個くらい食べてしまったという逸話が残っています。

牡蠣の養殖がフランスで始まったのは19世紀になってからなので、フランス革命の前には牡蠣は贅沢な食べ物だったのだろうと思います。


クイズです

なぜか気に入っている絵があります。
1735年、ルイ15世がヴェルサイユ宮殿のダイニングルームに飾るために注文したという絵。
生牡蠣を食べたいる宴会の光景です。

クイズにする絵画です

この絵と対にされて飾られたのは、野外で食事できるシーズンを象徴しているらしいこちらの絵。2つの絵画は、今はヴェルサイユ宮殿ではなく、別の城に展示されています。

でも、牡蠣の宴会の方が好きです。
なぜって、ちょっとドラマチックな光景になっているから。

ただ眺めれば、牡蠣の殻を床に落としてしまっていたりして、何ともお行儀の悪い食事風景。でも、フランス料理が気取っているというのは、外国で広まったフランス料理のイメージにすぎないなので気にしないでください。

なぜか男性しかいないのが不自然といえば、不自然…。

でも、なんだか気になる場面なのですよね。
お気づきになりましたか?

生牡蠣がのった大皿を持ったお給仕の男性、それからもう一人が、キョトンとした、というか、うっとりしたというべきかの表情で、目線を上に向けています。

問題の場面をアップにすると、この部分 ↓
何を見ているのでしょう?

この当時の貴族たちにとって、牡蠣が貴重なご馳走だったとしても、もう珍しくはなかったはず。でも、みんなが驚くものが登場した時期だったのでした…。

この人たちは何を見つめてのでしょう? それがクイズです。
コメントをくださいますか?

今回のクイズは簡単すぎたかな?…

なお、この絵画で牡蠣を食べているのは男性ばかり。フランスは女性を大切にする国ですから奇妙です。絵画の解析、時代考証によると、男性しかいないのには理由があるのだそうです。そちらを思いつかれた方もコメントください。


コメントで正解を下さった方もあるのですが、
コメントは未開封のままにして、次はヒントのページです。
- 続く -


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