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2010/07/30
ワインを買付けに行って、その農家の近くに新しくできた美味しいレストランを教えてもらったのですが、お休みでした。

月曜日を定休日にしているレストランは多いのです。土日に営業していたので、月曜日は従業員を休ませるということなのでしょう。

他に候補にしていたレストランもお休み。それで、少し離れた町に行きました。存在は知っていたけれど、食事してみたことがなかったレストラン。満足した食事になったので、お気に入りレストランの1つにしようと思いました。


テラスでランチ

お天気の良い日にレストランで食事するときは、テラス席で食べたくなります。でも、暑いと最悪。たとえ冷房が入っていなくても、古い石づくりの建物を使ったレストランだと、内部の席の方が涼しくて食事が楽しめます。

先日はレストランのテラス席にしたのですが、ひんやりするくらいに涼しい空間になっていました。



涼しかったのは、2面が建物に挟まれていて本当の日陰ができていたのと、パラソルの質が良くてしっかり光を遮断していたからだと思います。おまけに、噴水の隣の席だったせいもある。

ちょうど良い温度になっていたので食事が楽しめました。

まず、食前酒代わりにもなるワインを注文。地元の白ワインとして、モンタニーのプルミエ・クリュにしました。

それを飲み始めながら、セットメニューを選ぶ。29.50ユーロのにしました。肉料理を選んでしまったのですが、そのときに赤のグラスワインを頼もうと思いました。

最近のフランスでは飲酒運転の規制が厳しくなったのにともなって、レストランでは余りワインを飲まない人が多くなり、それでグラスワインを用意するレストランが増えました。大変便利!


お通し



蓋つきの容器が可愛い。ポワローを使った冷たいスープ。

ポワロー(Poireau)は、日本語ではリーキ、リーク、西洋ネギ、ニラネギ、西洋ニラネギ、ポロネギ、ポアロと呼ばれるようです。

「ネギ」と名がついていますが、日本の長ネギとは形が似ているだけで、ネギやニラのような強い味はしません。

フランスでは安い野菜の一つだと思うのですが、日本では高級食材なのですね…。

広大なポワローの畑の写真を入れた過去の日記:
海辺にあった広大な野菜畑 2009/11/14




前菜


Piquillos farci de crabe, tartare de légumes, vinaigrette de poivrons rouges et « espuma » de tomates

Piquilloというのは何なのか? その中にカニを詰め物にしてあると書いてあるので、この赤いピーマンのようなものがそれらしい。


Pimiento del Piquillo、pimiento de piquillo、poivron de piquilloと呼ぶ種類の赤ピーマンのようです。

このショップが説明している内容を見て納得しました。⇒

「ワインのおつまみやオードブルに。詰め物料理にも使えます」と書いてあります。




もう一つ分からなかった単語「espuma」。

辞書にはないのでインターネットで調べてみたら、フランスとスペインの国境にあるカタルーニャ人が使うカタロニア語で「écume(泡)」のことのようです。Piquilloもスペインの特産物なので、スペイン風で統一したのでしょうね。

夏には嬉しい、さっぱりしたお料理でした。レストランでは変わったものを食べるのが好き。家庭でも食べられるものが出てくるのは一番つまらない!


メイン料理

カネット(小さなメスの鴨)の料理。


Filet de canette <à la cocotte>, choucroute de fenouil et jus d’épices au miel

皮の部分に香辛料と蜂蜜をつけているので、北京ダック風で美味しかった♪ フェンネルのシュークルートというのも珍しくて、鴨とよくあっていました。


チーズ

洗面所に行くためにレストランの建物に入ったとき、おいしそうなチーズを乗せたワゴンを目撃。でも、まわりのテーブルで食べている人たちを観察していると、チーズワゴンはテラス席の方までは押してこないらしい。適当にチーズの盛り合わせの皿に乗せて持ってくるらしいので、フレッシュチーズの方を選びました。

イズニーの生クリームを添えてある、とメニューには書いてありました。地元農家の手作り生クリームだって相当に美味しいので、何も遥々ノルマンディー地方から生クリームを取り寄せなくても良いのに…。

研修生風のお給仕の人に、薬味にするハーブもくれるように頼むと、「生クリームはなしで?」と聞かれました。彼女はフレッシュチーズをお砂糖でしか食べたことがないのかな? あるいは、ダイエットする人が生クリームはなしにして欲しいと言うケースが多いのかもしれない…。

もちろん生クリームをいただけるなら欲しいので、あわてて「生クリームなしではない」ことを強調しました。

運ばれてきたフロマージュブランとハーブ。


Faisselle de fromage blanc à la crème d’Isigny

このお皿、美しくないですね…。それに、持ってきてくれたハーブはチャイブしかないので不満。普通は、ニンニク、パセリ、エシャロットも刻んでくれるのですけれど。だって、この4つが調理場にないはずはないですから。

食べようとして気がつくと、テーブルの上には塩・コショウが置いてなかったのでした。お給仕の人が来るのを待ったのですが、なかなか姿を見せない。ボーっと待っているのも嫌なので、レストランの建物に入って行って、お給仕の人を捕まえました。

塩・胡椒が欲しいと言ったら、「あっ、すみません」と言ったので、フレッシュチーズを塩・胡椒で食べる人がいることは知っていたのだろうな、と思いました。

チーズは美味しかったですが、この次に食事するときにはワゴンのチーズにしようっと。

ミシュランのご推薦がついているようなレストランで、薬味にチャイブしか出さないというのはありえないと思う...。


ブログ内関連記事:

AOCを持つイズニーの乳製品について:
イズニー乳製品農協のブティックで気に入ったオブジェ 2009/11/30

フロマージュ・ブランの食べ方について:
暑いときは、さっぱりしたフロマージュ・ブランが嬉しい 2006/07/22


目次: 乳製品(チーズ、バター)に関して書いた日記



デザート


Le véritable baba au rhum ambré, crème de mascarpone à la rhubarbe et sorbet fraise rhubarbe

ババ・オ・ローム(baba au rhum)を選びました。ラム酒が小さなポットに入ってついてきたのが気に入りました。

メニューには「véritable(正真正銘の)」という形容詞がついていました。ババに「本物」というのがついているのは、これが初めてではありません。本物ではないのって、どんなのなのでしょう?…

「正真正銘の」とついたババ・オ・ロームで一番印象に残っているのは、パリのレストランで食べたものでした。
★ そのときの日記: ラム酒入りババ 2005/07/02





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2010/07/26
日本の人から「フランス人は、英語が話せても話したがらないのですってね」と、よく言われます。

私は「そんなことないですよ」と答えるのですが、どうなのでしょう?

だいたいにおいて、「フランス人とは」とか「フランスは」とか書いてあるものを読んだ日本人は、頑なにそれを信じているみたいなので、あえて反論は唱えないようにしています。

でも、言わせてもらえば、そうじゃないと思うのです。

フランス人が英語を話さないとしたら、その人は英語を話せないからであって、英語が流暢なフランス人は英語をしゃべりたがる、と私は経験上から感じています。


「フランスにいるならフランス語をしゃべれ」と言われる

英語に関して、日本人とフランス人の大きな違いは、ここにあると思います。もちろん、当てはまらない人もいますが、多くはこのパターンではないでしょうか?

英語をしゃべれない日本人は、英語をしゃべれないことに引け目を感じて、オロオロする。

英語をしゃべれないフランス人は、「どうしてお前は、フランス語をしゃべらないのだ!」と相手に腹をたてる。

フランス的な態度って、とても良いと思うのです。だって、そう考えてしまったら、すごく気が楽ではありませんか?!

フランスに初めて留学したとき、フランス人の知り合いができたら覚えた言い回しがありました。
「あなたはフランスにいるのだから、フランス語を話さなければいけません」

英語で話しかけて言われたわけではなくて、口数がすくないから言われたのだと思います。ろくにフランス語をしゃべれなかったのだから、そう言われたって仕方がなかったのですけど。

ともかく、何度も言われたので、このフレーズを覚えてしまいました。

当然ですよね。日本に帰ってからは、日本語を話さない外国人を見たら、同じ言い方をしてやりたいと思いました。こちらが汗を流しながら外国語を話すなんて、おかしい!

ところで、フランス語の国際的地位はガタ落ちだとしても、やはり外国人も普通に勉強する言語なのですよね。夏にはヨーロッパ諸国の人たちがたくさんフランスにやって来るのですが、買い物する店やレストランなどで、下手なながらもフランス語をしゃべっています。

テレビで何処かの国の指揮者とか学者とかが出てくるとき、流暢にフランス語をしゃべったりしているので驚くこともあります。日本ではありえないですよね? 日本には住んだことがないような世界的に有名な外国人が、日本語をしゃべるなんて!


フランス人が英語をしゃべらない理由

フランスの英語教育は日本と同じで、話す方には力を入れていなかったそうです。だから、英語がしゃべれない。

それに、下手にしゃべると、相手より不利な立場になり、バカみたいになるので、しゃべりたくない。そういうものなのだそうです。

でもフランスの政治家の中には下手な英語をしゃべったりする人もいるので、英語がしゃべれないフランス人たちををも大いに笑わせています。どうせお笑いニュースになるだけなのだから止めれば良いのに、やってしまう政治家が登場します。

例えば、サルコジ大統領が英語をしゃべって話題になった場面↓


Sarkozy essaye de parler Anglais..

ついでに、もう一つ。

前政権で冴えなかったラファラン首相の演説。聞いているのはフランス人ばかりだったはずなのに、突然、英語でフレーズを口走ったので大きな話題になりました↓


l'anglais de raffarin


フランス人には、相手と同レベルの英語で話すのが良い

日本で英会話を教えている日米ハーフの女性が、パリに行くと不満だという話しをしていたのが面白かったです。彼女が流暢な英語を話すとフランス人は返事してくれないのに、一緒に旅行している日本人がシドロモドロの英語を話すとフランス人たちが答えている。

そうだろうな、と思いました。下手な英語同士なら、自分がバカみたいにはならないのでフランス人は英語を話す気になると思います。それと、フランス人が習う英語はイギリス英語なので、アメリカ式の発音は聞き取りにくいらしいです。

ところが、10年ほど前だったか、フランスの教育方針が変わって、小学生のころから英会話を勉強するようになりました。今の国際語は英語なので、ちゃんとした仕事をしようとするフランス人たちは積極的に英語を勉強します。

英語もフランス語もほぼ同じ体系なので、イギリスに短期留学するくらいでも、英語がしゃべれるようになるらしいです。


英語をしゃべりまくられた!

「フランス人は英語をしゃべりたがらないのですってね」と言われたときに、反論として持ち出したいと思ったエピソードがありました。

去年のオペラ座のオープニングコンサートに行ったときのこと。新しくオペラ座のトップ(この役職は日本語で何というのかな?)についた若い男性が、オープニングの挨拶をしました。

フランス人の館長がフランス語でスピーチをし、彼のアシスタントのイギリス人が英語で同じことを言うということにしていたようです。このときのコンサートは、指揮者はイギリス人、演奏するのもロンドン交響楽団だったのでした。

でも、コンサートに来ている聴衆はほとんど地元のフランス人のはず。フランス語と英語で同じことを言うと、2倍の時間がかかるのです。なにも英語訳をしゃべってくれなくても良いのに… と、思ううちに時間が過ぎていきました。

突然、壇上の二人は、受け持ちの言語を入れ替えました。つまり、フランス人は英語をしゃべり、イギリス人はフランス語をしゃべる。

お二人とも流暢ですけど、別に2ヵ国語で話してくれなくても良いのですよ。彼らはバイリンガルなのをひけらかしたいだけに見えました。

スピーチの内容は、こちらにはどうでも良いことばかりです。誰々さんが頑張ってくれたとか称えて、スタッフの名前をたくさんあげています。

若いオペラ座の館長は、イギリス仕込みらしい流暢な英語で得意げに話しています。

そういうのは、内々のパーティーでやって欲しいです。ロンドン交響楽団の人たちも英語が聞けて喜んだでしょうから。でも、私たちにはどうでも良いお話しばかり。コンサートに遅刻しないように無理してやってきたのですから、早く演奏を始めて欲しい!

30分くらいが経過。文句を言うのが得意なフランス人たちなので、誰かブーイングを始めてくれないかと期待したのですが、さすがクラシック音楽のコンサートに来る人たちって、お上品なのですよね…。

そのうち、フランス語と英語をしゃべる役はもとに戻りましたが、いつスピーチが終わるのか分からない。

やっと終わりに近づいたかな… という口ぶりになってきたら、会場から拍手がわきあがりました。私も精いっぱい拍手喝さいしました! 彼らの言葉は拍手でかき消され、もっと長く続ける予定だったのかも知れないけれど、二人は舞台から去ってくれて、演奏が始まりました。


フランスも変わりましたね…。
昔から、英語を話せるフランス人は英語をしゃべりたがるとは感じていましたが、ここまでやられると…。


ブログ内リンク:
ちょっと怖いな... 最近の日本礼賛ブーム 2015/03/01

外部リンク:
「英語が苦手」で有名なフランス人と、日本人の意外な共通点
フランス人が英語を話すと


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2010/07/25
カマンベールの伝統的な作り方は、無殺菌の生乳を使って作る、レードルを使ってチーズを凝結させること。それをするカマンベールチーズが少なくなってきています。

先日食べたカマンベールのパッケージに書いてあったことが面白かったので、カマンベールについて調べ、日記を5つ書きました。


カマンベールは、フランスで最も良く知られているチーズの一つで、色々なメーカーのものが売られています。それだからこそ、パッケージを見ただけでどのカマンベールが美味しいかを判断するのは難しいのです。

おもしろいと思ったのは4つ目の記事にした日記で紹介した、
このパッケージです↓

カマンベールチーズ




連続記事: カマンベール・チーズは複雑!:

1. フランスの円グラフはカマンベールチーズの形 2010/07/17

2. カマンベールはAOCチーズなのだけれど… 2010/07/19

3. フランス産カマンベールには4種類ある 2010/07/20

4. 「本物のカマンベールだぞ~!」とアピールしたパッケージ 2010/07/24

5. カマンベールといえば、グランドルジュ(Graindorge) 2010/07/25


フランス産チーズを検索
カマンベールを検索


ブログ内の関連記事:
目次: 乳製品(チーズ、バター)に関して書いた日記


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2010/07/25

シリーズ記事 【カマンベールチーズは複雑!(目次
その5


前回の日記に農家がカマンベールを作っている様子を見せるビデオを入れながら、こういうカマンベールがが食べたいな、と思ったのですが、どこの農家のチーズが一番好きかを選べるのは地元なのですよね。

例えば、ブルゴーニュ南部ではヤギのチーズをつくる農家が数えきれないほどあるのですが、地元の人たちはどこの農家のチーズが好きかを決めています。私も色々な農家のチーズを食べ比べして、ヤギがどんな風に飼われているかも見て、お気に入り農家を何軒か決めています。

カマンベールのパッケージだけを見ただけでは分からない…。品質保証マークの原産地統制呼称(AOC)がついているのが無難なのだろうな、とは思いますが、それだけでは最高のカマンベールなのかは分からない。

カマンベールはノルマンディーで生産されているチーズだとばかり思っていたのですが、今回の日記を書きながら、フランスもノルマンディー地方でないところでもカマンベールを作っているのだと分かってきたら、日記を書きながら調べてカマンベールに詳しくなったとはいえ、結局のところ、おいしいカマンベール選びはスタートラインにとどまっていると思わざるをえません。

そういう話しを食道楽の友達にしたら、「おいしいカマンベールで一番簡単に手に入るのは、グランドルジュ社のだ」と、あっさり言われました。

チーズが好きなフランス人たちは詳しいのですね。私などは、色々並んでいるチーズに目がくらんでしまって、どこのが美味しいかなどというのまでは覚えきれません!


チーズ屋さんの店頭


カマンベールはノルマンド牛にこだわりたい

前回の日記を書きながら、商品の画像をいただける楽天市場にでているカマンベールで、気になったのがありました。


フランス産 白カビのチーズCAMEMBERT AOC 250g カマンベール AOC(蔵)

ショップのページに入っているチーズの画像をクリックすると大きな画像が出るので、パッケージに書いてあることが読めます。

こちらも伝統的な手法で作っていることが強調されています。
生乳(無殺菌)、ルーシュで行った伝統的な型詰め

丸い白いシールがEUの品質保証マークを隠してしまっているようなのですが、ここに書いてあることが気になりました。

型詰めは手でおこなっている
牛の食べ物は自然: 放牧地、干し草
ノルマンド牛のミルク

この最後の「ノルマンド牛」に惹かれます!

食品は原料でほぼ決まりますよね? ノルマンディーらしいチーズなら、この地方特産のノルマンド牛でチーズを作って欲しいです。ノルマンド牛は、搾乳量が多いホルシュタイン種に場を奪われそうになった品種なのですが、地元ががんばって残した品種です。

このパッケージを見直してみたら、友人がよく売られているカマンベールの中で信頼できるのはこの会社だと言っていたグランドルジュのチーズなのでした。


グランドルジュのチーズが美味しそう

グランドルジュ(Fromagerie Graindorge)のサイトを見てみると、この農場では本当にノルマンド牛しか飼育していないようす。

ノルマンド牛の写真が、名前入りでサイトに入っていました:
La photothèque des vaches de la fromagerie GRAINDORGE

農家が経営を拡大させて大きなチーズメーカーとなったようなのですが、一般の人々に農場やチーズ工房の見学もできるようにしていて、農家らしさが残っている様子が見えて、好感を持つ会社でした。

結局、カマンベールの選び方が分からなかったら、この会社のを選んだら良いのかも知れません。そう思いながら、この週末に朝市に出ているチーズ屋さんで買い物をしたとき、「グランドルジュのチーズは扱っていない」と言われてしまいました。

小さなお店ですが、カマンベールは10種類以上並んでいましたが。パッケージを一つ一つ眺めていたら、お店の人が「AOCがついているのはここ」などと、色々教えてくれました。

でも、友人は「グランドルジュのカマンベールが一番簡単に手に入る」と言っていましたが、そんなに簡単には手に入らないようです…。

日本にはグランドルジュ社のチーズはかなり入ってきているようでした。

フランス産チーズを検索
カマンベールを検索



実は、カマンベールはどうでもよかったのです。

グランドルジュのサイトをみていたら、この農家ではチーズにまく草が手に入りにくいので農場で育てている草を使ったリヴァロの話しがあったので、そのリヴァロを食べたくなっていたのでした。

でも、グランドルジュのリヴァロはなかったので、チーズ屋さんが勧める農家の手作りリヴァロを買いました。



フランスって、本当にチーズがたくさんあります。銘柄の数からいったら千くらいあるのだそうです!

不思議いっぱいのカマンベールのお話しは今回で終わりにして、次回からは別のことを書きます。


追記(2016年6月):

簡単に手に入る生乳を使った正真正銘のAOC/AOPカマンベール・ド・ノルマンディーのメーカーとしてはグランドルジュ(Fromagerie Graindorge)が気に入って買っていたのですが、ついに大手企業の手に渡ってしまうというニュースを聞きました。

logo de Lactalis2016年6月、グランドルジュはラクタリス(Lactalis)グループ。乳製品では世界最大規模のグループなのだそう。日本でもよく見かけるカマンベール「プレジデント」も、この会社のブランドとして入っていますね。

なんだか寂しいな...。
世の中は、どんどん大きなものが小さなものを飲み込んで発展している...。

日本にいたときにグランドルジュのサイトにアクセスしたら、飼っている牛の里親になれると書いてあったので(無料)、ヴェネツィアちゃんを選んで申し込んだら日本に証明書が届いたので親しみを持っていたのですが、お便りが途絶えたので、会社の経営が今まで通りにはいかなくなったのだろうという予感がしていたのです。

この記事は削除しようかと思ったのですが、昔の良き思い出として残しておきます。



ブログ内リンク:
★ 目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム)に関して書いた日記

外部リンク:
A-O-C, Camembert de Normandie
Camembert Normandie AOC
Camembert au calvados

Camembert de Normandie ou Camembert fabriqué en Normandie ?
AOCを持つ「Camembert de Normandie(ノルマンディーのカマンベール)」と「Camembert fabriqué en Normandie(ノルマンディー産カマンベール)」を比較しているノルマンディー地方の消費者向けサイト

Camembert Normandie AOC
La stupéfiante histoire de Marie Harel
乳製品のAOPオフィシャルサイト: Site officiel des fromages AOP
農産物についてAOCなどの品質保証を認可する組織: INAO - Institut national de l'origine et de la qualité

Fromage le géant Lactalis rachète Graindorge 08/06/2016
Lactalis rachète Graindorge


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2010/07/24

シリーズ記事 【カマンベールチーズは複雑!(目次
その4


特別に興味は持っていなかったチーズのカマンベールのことを長々書いてしまったのは、日記にしておきたかったカマンベールと出会ったからでした。

カマンベールはポピュラーなチーズだけに、ばらつきが大きいと感じます。丹精込めて伝統的な製法でつくられるものもあるし、工場で大量生産されたものもある…。

消費者もそれを気にするわけですが、伝統的な製法を守っているところは、もっと気にしているのでしょうね。


しつこいくらいの表示!

先日食べたカマンベールです。手作りチーズ風のパッケージが気に入って買ったのですが、書いてあることに笑ってしまいました。

カマンベールチーズ

何が目についたのかを拾ってみますね。

Camembert de Normandie(カマンベール・ド・ノルマンディー)
 前回の日記(フランス産カマンベールには4種類ある)で書いたように、この名称が付いているとAOC(原産地統制呼称)を持つカマンベールだと見分けられます。

Appellation d'Origine Contrôlée
 しっかりと「原産地統制呼称(AOC)」として認められているのだと明記しています。AOCに対応するEUの品質保証マークAOPも付いています。

つまり、伝統的な製法で作られているAOCチーズだということを、3通りに表現しているのでした。


笑ってしまったのは、さらに箱の下の方に赤い文字で書いてある文章の3行目です。

au lait cru (無殺菌乳使用)
moulé à la louche (ルーシュを使って作った)
à la main (手で)

「ルーシュ(louche)」というのは、スープなどをすくうオタマ(レードル)。

AOCカマンベールでは、カード(凝乳と呼ばれるチーズのもと)をすくうためにルーシュでかき混ぜてチーズを凝結させることを義務づけています。

 【送料無料】おたま・レードル・業務用

ルーシュは、持ち手の先が器にひっかかるようにカーブしているのが特徴



でも、オタマのようなものをつけた機械にやらせている工場もあるらしい。それで、このチーズを作っているチーズ工房では、うちでは伝統的なやり方、つまり手にオタマをもってやっていると書いているのですね。

さらに! です。

箱を開けた部分にシールが貼ってあって、そこにルーシュを手で持った絵まで描かれています。

絵だけでは足りないと思ったのか、さらに書いてあります。
moulage traditionnel(伝統的な型詰め)
à la louche  à la main(ルーシュで 手で)


すごいな~と、思って食べたのですが、正直いって、感激するほどのカマンベールではありませんでした…。

でも、チーズは生き物で、保存の状態によって風味が大きく変わってしまうので、このチーズはもっと美味しいものだったはずかも知れません。


カマンベールはどうやって作るか?

ノルマンディー地方を旅行したときには、カマンベールを作っている農家にチーズを買いに行ったりもしたのですが、作るところは見ていません。

とても良いビデオが見つかりました。

ビデオには「本当のカマンベール・フェルミエ」とタイトルが付いているので、前回の日記「フランス産カマンベールには4種類ある」で書いたカマンベールの種類のうち、2番目のタイプ「Camembert fermier(カマンベール・フェルミエ)」に分類されるカマンベール(農家の小規模生産)のようです。

ご興味がある方はご覧くださいね。「ルーシュ」なるものがどんなものなのかも見ることができます。

農家の小規模生産カマンベールの製造を見せるビデオ:

Le vrai camembert fermier

チーズはこういう小規模生産が好きです。でも、欧州連合が押し付ける衛生基準で、こういうチーズは製造禁止になりそうになったことがあったのですよね...。


チーズの味は、牛の種類で決まる

ビデオに出てくる農家の牛はノルマンディー品種の牛(ノルマンド)ですね。

情報を見ていたら、AOCカマンベールとなるミルクを提供する農場では、飼育する牛のうち半分は純粋なノルマンド種の牛にしなければならない、という規定が2020年から実施されるのだそうです。ということは、現在はおろか、それ以降になっても、ホルシュタインなどの牛のミルクでもカマンベールを作られるということでしょう?

★ 過去の日記: ノルマンディーの牛が見たい

この日記の始めに写真を入れた私のカマンベールは、何の牛のミルクで作っているのかは書いてなかったので分かりません。味に満足できなかったのは、もしかするとノルマンド牛ではなかったからかも知れません。

チーズの味は牛の品種によって大きくかわります。無殺菌の生乳を使っているかどうかよりも、搾乳量が少ないというノルマンド種の牛のミルクかどうかでカマンベールの味は大きく変わると思います。

例えば、私がいつも必ず冷蔵庫に入れているコンテというチーズは、モンベリアルド種の牛のミルクを使用しなければ、AOCコンテにはなりません。


サレルスというチーズ

牛の品種を特定しているAOCチーズの代表ではないかと思った「サレルス」を調べてみました。サレルスという品種の乳牛は、搾乳するときに牝牛の赤ちゃんをそばに置いておかないと乳を出してくれない、という手がかかる乳牛だと聞いたことがあります。

☆ サレルスAOCサイト: Vache Le fromage AOP Salers
このページの、下にある茶色の牛の方がサレルス牛のはずです。

サレルスチーズはサレルス牛から作るのだと思っていたのですが、どんな品種の牛でも良い、と書いてあります。ただし、10軒くらいがサレルス牛のミルクでチーズを作っているとのこと。ふ~ん、そんなものなのですか。

そういえば、オーベルニュ地方に住む人からお土産にもらったサレルスが、今まで食べたことがないほど美味しいサレルスだったので聞いたら、「選び方があるのだ」と言っていました。

上にリンクしたAOCサレルスのサイトに写真が出ていて、チーズに「Tradition Salers」と書いてあるものが、サレルス牛のミルクだけから作ったものなのだそうです。

そういう風に、ひと目で見分けられるようにしておいて欲しいですね。カマンベールの場合も、ノルマンド牛のミルクだとか、そういう表示が欲しい。そう思ったら、ちゃんと明記しているメーカーがありました。


次回は、評判の良いカマンベールを作っているグランドルジュ社について。
このAOCチーズを作っているこの農場では、ノルマンド牛のミルクだけでチーズを作っているのでした。

続く


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★ 目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム)に関して書いた日記


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2010/07/20

シリーズ記事 【カマンベールチーズは複雑!(目次
その3


フランスで売られているカマンベールを買うとき、どのチーズが美味しいのか見分けにくいのです。 私の好みとしては、伝統的な製法でつくられるAOCカマンベールなので、それなのかどうか確かめなければなりません。



地元ノルマンディーの人たちはお気に入りの農家に行って買ったりできますが、離れた地域にいると、工場生産のカマンベール以外は色々なパッケージのが売られているので迷ってしまいます。

大手チーズ会社がAOC(原産地統制呼称)の規定に沿ったカマンベールを作るのをやめてきていて、AOCが押しつける伝統的な製法を変えさせようと圧力もかけている、などというのが話題になっています。グルメたちは、フランスの美食文化の危機のように騒ぐ...。


カマンベールには4種類ある

気になったので調べてみたら、カマンベールには次の4種類あるそうです。 



 Camembert de Normandie カマンベール・ド・ノルマンディー

「レ・クリュ(lait cru)」と呼ばれる生乳(無殺菌乳)を使うなど、伝統的な製造法の規格を守って生産される。
AOC(原産地統制呼称)の品質保証があるチーズ。

AOPカマンベール

AOPカマンベール

価格:2,100円(税込、送料別)

 カマンベール・ド・ノルマンディー

ショップの説明を見ると「AOC認定」チーズとあり、箱にも「Camembert de Normandie」と書いてあるので、正真正銘のAOCカマンベールだと分かります。
 
AOCの文字やロゴは見えないのですが、前回の日記に書いたEUの品質保証マークであるAOPのマークがあります。

商品名は「AOPカマンベール」としてしまっていますね。



 カマンベール・ド・ノルマンディー

Camembert de Normandie」と書いてあるので、AOC付きのカマンベールのはず。
でもAOCのロゴマークがないし、EUの品質保証マークであるAOPのマークも見えません。 パッケージの横に書いてあるのかもしれないので、店で買うときは手にとって確認できます。

箱の上には「Appellation d'Origine Contrôlée」ではなくて「Appellation d'Origine」と書いてあります。つまり「原産地統制呼称(AOC)」ではなくて「原産地呼称(AO)」?!

しっかりと観察したわけではないのですが、AOCをAOPで表記するようになってきてからは、「Appellation d'Origine」とだけ書くのが多いように感じます。



 カマンベール・ド・ノルマンディー

こちらも「Camembert de Normandie」と書いてあるAOC付きのカマンベール。

AOCのロゴマークは見えないですが、EUの品質保証マークAOP(Appellation d’Origine Protégée)のマークが入っているので、AOCなのは確実。

AOCとAOP。
カマンベールに限ったことではないのですが、一般消費者には紛らわしい呼称です!
欧州連盟のAOPは各国で呼び名が違うので、外国人にはさらに紛らわしいのではないでしょうか?




 Camembert fermier カマンベール・フェルミエ


農家が小規模生産するカマンベール。
AOC/AOPカマンベール・ド・ノルマンディーの規格に合ったものと、合わないものとがある。

*この呼称のカマンベールを作っている農家のビデオを後の日記に入れます。
 「こういうチーズを食たい」と思う映像です!




 Camembert au calvados カマンベール・オ・カルヴァドス

カマンベールをノルマンディー特産のリンゴブランデー「カルヴァドス」に浸して風味を付けたチーズ。
生乳ないし殺菌乳を使う。

*あっさりしたカマンベールと同等に並べて良いのかな?…

 カマンベール・オ・カルヴァドス

ショップの説明には、ちゃんと「マイルドなカマンベールに、カルヴァドス(りんごから作るブランデー)が入っていますので、フルーティーな後味です」との説明があります。

「入っている」と言ったら、ミルクにブランデーを混ぜ込んで作っているみたいにも感じるので、ちょっと誤解を招きそうな気もしますが...。




 Camembert カマンベール

工場で大量生産されたチーズが多いはず。

 カマンベール

三色旗のイメージなので、一目でフランスのチーズと分かりますね。

日本のデパートの地下にあるチーズコーナーではよく見かけるような気がします。

フランスにもあるメーカーなのかと検索してみたら、こんなパッケージが出てきました。

フランス版の方が本場のカマンベールに見えますけど、日本だと「ノルマンディー」と言っても「フランス」と結びつかないから考えたパッケージでしょうか?





紛らわしいではないですか?!
 「ノルマンディーのカマンベール」 と 「ノルマンディー産のカマンベール」


AOC(原産地統制呼称)を持つカマンベールは「Camembert de Normandie(カマンベール・ド・ノルマンディー)」という名称をつけるのだそうです。

ところが、紛らわしい表示もあるところにカマンベールの複雑さがあります。

Camembert de Normandie」とは「ノルマンディーのカマンベール」という意味なのですが、「Fabriqué en Normandie(ノルマンディーでつくられた)」と書かれたカマンベールもあるのです。

 カマンベール:

「CAMEMBERT(カマンベール)」の文字の下に「Fabriqué en Normandie(ノルマンディーでつくられた)」と明記してありますが、AOCの文字は見えません。

よく見ると、「au lait pasteurisé(低温殺菌牛乳)」と書いてある。AOCカマンベールとして販売するには生乳(無殺菌乳)を使っていないといけないので、このチーズはAOCを持っていないのだと分かります。



「ノルマンディーのカマンベール(Camembert de Normandie)」と言うのも、「ノルマンディーでつくられた、ノルマンディー産のカマンベール(Fabriqué en Normandie)」というのも、同じ意味ではないですか?! まあ、それが狙いで表示するのでしょうけれど…。

それから、上に書いた4つの種類の中で、AOCカマンベールはの「Camembert de Normandie(カマンベール・ド・ノルマンディー)」だけなのだと思うと、そうでもないのだそうです!

の「Camembert fermier(カマンベール・フェルミエ)」を作っている農家の中には、カマンベール村にただ1軒残る農家がAOCを獲得しているのだとのこと。

ややっこしい…。


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「本物のカマンベールだぞ~!」とアピールしたパッケージ


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2010/07/19

シリーズ記事 【カマンベールチーズは複雑!(目次
その2


前回の日記で書いたように、「カマンベール」という名がついたチーズは世界各地で生産されているようです。

でも、フランスにいる限り、売っているのはフランス産ばかり。だから単純かというと、そうではない!

カマンベールというチーズは、かなり紛らわしいチーズです。


カマンベールはノルマンディーのチーズ

カマンベールは牛のミルクから作られる白カビタイプのチーズ。フランスではノルマンディー地方で作られるチーズだと思っていたのですが、ノルマンディー以外の土地でもカマンベールが生産されているのだそうです。

ノルマンディー地方以外で有名なのは、ロレーヌ地方のヴォージュ県で作られる無殺菌の生乳から作るカマンベールのようでした。

☆ 色々なカマンベールの箱のデザインを入れているサイト: 
Camembert - Tout Un Frimage...
昔のデザインも入れているのかどうか分からないのですが、カマンベールのレッテルのページは34ページもありました。


でも、代表的なのはノルマンディーだとしましょう。フランスには地域圏(région)という行政区分があって、ノルマンディーは2つの地域圏に分かれているのですが、それは気にしないことにする。

バス・ノルマンディー地域圏の方にカマンベール村があって、その周辺地域で作られているチーズなんだろうと思うのが、カマンベール・チーズです。


Vimoutiers市の広場
牛の彫像と、カマンベールの製法を作ったと言われる女性Marie Harel(マリー・アレル)の銅像



カマンベールはAOCを持つチーズ

フランスには、農産物や農産加工物に関する品質保証マークがありますが、最高ランクは原産地統制呼称AOCAppellation d'Origine Contrôlée)。ワインやチーズにはAOCの保証がついているものが多いです。

AOCを持つ食品は、生産方法や製法などの厳しい規格をクリアーした製法でつくっているはずなので信頼できます。

カマンベールは、このAOCを持つチーズです。
ところが、AOCを持っていないカマンベールもあるので紛らわしいのです!

AOCを持っている名称を持っているチーズの場合、AOCで認められていようが、規格外でAOCのレッテルがなかろうが、同じチーズの名前を使っているというのは、カマンベール以外にあるのでしょうか? フランスのチーズの名称は400近くもあるそうなので、それを確かめるために検証してきる気にはなりません!


AOC = AOPになった

伝統的な製法が良いのだと考えるなら、AOCのマークが入っているカマンベールを探せば良いわけなのですが、このAOCマークは消えつつあるようです。

EU圏内でつくられた高品質チーズには、AOPマークをつけることが義務付けられました(2009年5月1日から)。

そのため、チーズをAOCマークの表示で見分けるというのができなくなってきているようです。AOCはAOPとして完全に統一されるのかもしれません。


AOPのマークAOC
Appellation d’Origine Contrôlée
原産地統制呼称

 フランスの品質保証
 

AOCのマークAOP
Appellation d’Origine Protégée
原産地保護呼称

欧州連合(EU)の品質保証




AOC/AOPを持つカマンベール

Camembert de Normandie」と表記されています。

ただの「カマンベール(Camembert)」ではなくて、「Camembert de Normandie」と表記されているので、AOC/AOPを持つカマンベールだろうと推測できます。

AOCカマンベールはlait cru(無殺菌生乳)を使用することを義務付けているのですが、このチーズのパッケージには「au lait cru」と書いてあるので、AOCチーズだろうとほぼ確信できます。

ところが、「Appellation d'origine(原産地呼称)」としか書いてありません。AOCの「C」になる「contrôlée(統制されている)」の文字がないので不安になります。

でも、EUの品質保証であるAOPのロゴマークがついています。
そうなれば、AOCを持つノルマンディーのカマンベールなのだと分かります。でも、紛らわしい!


AOC/AOPはないカマンベール

フランスのスーパーでは必ず売っていると感じるブランド。
工場で大量生産される安いカマンベールの代表の一つです。

「カマンベール(Camembert)」という文字よりも、商品名「Président」の方が目立つようになっていますね。

AOC/AOPの表示がないので、伝統的な製法では作られていないのだと分かります。

でも、よく知られたメーカーだし、カマンベール。フランス人でも、チーズの出費を抑えようとする人は、AOCでないことは気にしないで買うはず。




欧州連合圏内の品質保証マーク

イタリアを旅行したとき、「DOCG: Denominazione di Origine Controllata e Garantita」というマークを見て、ちょっと笑ってしまいました。フランスのAOC(原産地統制呼称)に比べると、「Garantita」の文字が余分に付いている。

フランス語に似ている単語なので意味が想像できるわけですが、イタリアでは統制しているだけではなく、「保証付き」とダメ押ししている。マガイモノが多い今日、このくらいダメ押しをした方が良いと思ったのでした!

EU品質保証マークの呼称は単純化されています。フランス語ではAOPなのですが、イタリア語ではDOP(Denominazione di origine protetta)となるようです。英語ではPDO(Protected Designation of Origin)らしい。

この欧州連合でのマークが何であるか知らないで見たら、「原産地はプロテクトされている」という意味にとれて、「勝手に名称をつかうなよ」という警告に見えてしまいまいませんか? つまり、ちゃんと規格にあった製造法をしている食品だ、という品質保証マークには見えないのですけれど...。

☆ フランス政府観光局サイト情報: AOCとAOPは高品質チーズの証


AOCカマンベールは生乳(無殺菌)を使う

カマンベールAOCでは生乳(無殺菌ミルク)を使うことを義務付けているのですが、殺菌しない牛乳でチーズを作るにはリスクがあります。

最近では、大手チーズメーカーが次々にAOC規格にそって生乳を使わないカマンベールを作りだしています。カマンベールの知名度は高いので、AOC付きにしなくても売れる、という方針なのでしょう。大手メーカーは、AOC規定から「生乳を使う」という項目を削除するようにも運動しているようです。

生乳(無殺菌乳)を使用することが義務づけられているAOCカマンベールは、殺菌したミルクを使うカマンベールに比べると、風味が強いのですが、それだけに熟成させすぎると強烈な匂いがするチーズになります。

生乳から作ったチーズが好きかどうかは、好みによるでしょうね。チーズが好きだと濃厚なチーズを好むと感じますが、淡白なチーズの方がさっぱりしていて好きな人もあるでしょう。となると、カマンベールもAOC付きでない方が好き、という人がいてもおかしくないとは思います。


分かりにくいと思っていたカマンベールは、4種類に分類できるのだそうです。
それを次回に書きます:
フランス産カマンベールには4種類ある

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2010/07/17

シリーズ記事 【カマンベールチーズは複雑!(目次
その1


円グラフは、食べ物を切り分けるイメージで表現されるのがぴったりしています。


英語では、パイのイメージでPie chart。
イタリア語やドイツ語でも、丸いケーキに見立てるようです。

フランスでも、家庭でもよく作る代表的なケーキとして、タルトがあります。


ホームメイドのリンゴ・タルトを切る

フランスでも円グラフは「タルト」と呼べば良いのに、なぜか「カマンベール」と呼ばれます。丸いチーズのカマンベールです!

丸い型に入れて作ったチーズは形が均等なので、タルトよりカマンベールの方が円グラフに相応しいかも知れません。

でも、フランスには丸いチーズは色々あるのに、なぜカマンベール?
やはり、丸いチーズとしてはカマンベールが一番ポピュラーだからなのでしょうね。


ふと気がつくと、日本の伝統文化では、円グラフのイメージになる丸い食べ物がないような…。

丸い食べ物といえば、おせんべい。でも、それを割って分けたら、デコボコになる。パイのようにナイフできっちりと切り分けることができません。

棒グラフの方は、羊かんに例えても良いと思うのですが、誰も「羊かんグラフ」なんて言いませんよね?


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世界各地にあるカマンベール

フランス・チーズの中で最も知られているのは、日本でもフランスでも、カマンベールではないでしょうか?

ところが、このカマンベール・チーズ。色々なのがありすぎて、パッケージを眺めただけで美味しいかどうかを見極めるのが難しいのです! それが、今回のシリーズで書き始めたテーマ。

フランスの農産物は、土地の名前がついているものがあり、一定の地域で、定められた製造法によっていなければ名称を使ってはいけない、という圧力をかける傾向があります。

やたらに頑張っているように見えるのは、シャンパン。シャンパーニュ地方でつくられるスパークリングワインでなければ、「シャンパン(フランス語ではシャンパーニュ)」という名前を使ってはいけないとしています。

ところが、チーズのカマンベールは、そういう風にしていないので、世界中で「カマンベール」という名のチーズが作られています。

カマンベール村にあるカマンベールの形をしたチーズ博物館を見学したら、日本も含めて世界各地で生産されている「カマンベール」の箱もディスプレーしているというおおらかさなので驚きました。


楽天市場でカマンベールを検索してみたら、200余りのチーズがヒットしました。日本製カマンベールもたくさん市販されているようです。

楽天市場で、チーズのカマンベールを検索した結果


フランスでカマンベールチーズの見分け方が難しいと書こうとしているのですが、まず、日本で作られているカマンベールを少し眺めてみました。


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小林牧場【カマンベールチーズ】135g
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← 北海道産のカマンベール

「カマンベールチーズ」と大きく書いてあります。


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カマンベールチーズ カレ【送料無料】北海道クレイル
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← 北海道産のカマンベール

四角いカマンベールというのもあるのですね。

フランス人もびっくりするでしょうね。

もしかしたら、フランスでは四角いカマンベールを作らないかもしれない。

だって、円グラフにならないではないですか?!




← 黒いカマンベール

カマンベールは白くて、せいぜいクリーム色がかっている程度ですが、こちらは、外は普通ですが、中が黒い! 知らないで切ったら、腐っていると思ってしまわないでしょうか?

フランスのカマンベールは普通は250グラムなのですが、こちらは100グラム。日本サイズなのが面白いです!

でも、フランス産のカマンベールでも、日本への輸出用に作ったのか、小型のを見たことがあるように思います。




← 清里高原で作られたカマンベール

生乳100%で作られたと書いてあります。日本では生乳からチーズを作るのは禁止されていると、どこかで読んだように思うのですが、OKなのでしょうか?

フランスの折り紙付きのカマンベール(AOCが与えられるカマンベール)は生乳から作ることになています。

追記:
albifronsさんからいただいたコメントで、日本でいう「生乳」は、フランスでいう「レ・クリュ(生乳)」とは違うのだと教えていただきました。




← ドイツ製のカマンベール

日本に少し滞在したことがあるフランス人の友人がいるのですが、「日本で驚いたこと」の1つに、缶詰のカマンベールを見たことをあげていました。

日本滞在が2週間目くらいになったとき、チーズを食べないのが耐えきれなくなって、デパートの地下かなにかでチーズを買ったのだそう。

フランス製チーズは高いので、お手頃価格のカマンベールにしたら、オーストラリア産だったのはともかく、箱を開けてみたら缶詰に入っていたので仰天したそうです。

もう10年くらい前のことなのに、時々その話しをしているので、よほど驚いたらしいです!




フランスで「カマンベール」と言えば、北フランスのノルマンディー地方で生産される丸い白カビチーズです。



ところがフランスで生産されている「カマンベール」にも色々あって、どれが本物かを見極めるのはとても難しいです。

ますます見分けるのは難しくなっている。「本物」と呼べるカマンベールが消滅する危機にも瀕しているとさえ感じます。

続きへ:
カマンベールはAOCチーズなのだけれど…

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2010/07/14
インターネットのホームページはフランスのGoogleにしているのですが、Googleの文字がよく変わります。

今日、7月14日は、フランスでは革命記念日なので、その画像になりました。
明日になったら消えるはずなので、入れておきます。

2010年7月14日に出たロゴ

もちろん、日本のGoogleは、そんな画像は出しません。

たまには何にも連想できない絵が出てくるときもあります。そういうときは、この画像をクリックすると、それをキーワードにした検索画面が出てくるので、何の意味があるのかが分かります。


ともかく、今年も革命記念日がやってきました。夏至のときも、もうそんな時期になったのかと驚いたのですが、この祭日が来たときも、もうそんな時期なのかと驚きました。


友人たちに誘われて、小さな村の祭りに行ってきました。

以前は珍しくて行くのが好きだったのですが、最近はあまり気が進まないのですが、でも、お付き合い。食事会があるので、大勢で行った方が楽しいから誘ってくるわけなので、「私は行きたくない」などとは返事しにくいのです。


革命記念日のイベントの飾りはトリコロールカラー

革命記念日と言っても、祭日の名前は単純に「7月14日(Quatorze juillet)」です。とは言っても、やはり革命記念日。なので、フランス風に演出されます。

大きなテーブルは白い紙のテーブルクロスで覆われていて、こんなのが所々に飾ってありました。

テーブルの飾り

ただ青と白と赤の紙ナプキンを置いて、画鋲でとめただけなのですが、何となくしゃれていませんか?

飾りのモールも三色旗。飲み物カウンターには大きな国旗がテーブルクロス代わりに使われていました。

食事会

日本の建国記念日では、村人たちが集まって、日の丸のイメージばかりで装飾した食卓をつくらないのではないでしょうかね?… そもそも、日本の市町村が、村祭りとして建国記念日をするというのも想像できません。


フランス式お弁当

食事を予約して集まった人は150人くらい。ボランティアのオーガナイザーが限界とした人数ぎりぎりだったようです。

こういう村のイベントではバーベキューが多いのですが、ボックスに入った料理でした。

食事

サラダ3種類、ハム・ソーセージ、メインの豚と牛肉、チーズ、デザート。

ちょっと、正直言えば「かなり」味気ないボックスですが、味は悪くなかったです。こういうとき、食べるために生きているようなフランス人にまずいものを出したら大変な騒ぎになるでしょうから、主催者はかなり気を使ったと思います。

ところで、この日本のお弁当か、ファーストフードを想起させるボックス。以前はフランスでほとんど見なかったように思うのですが、こういう安い会費の食事会ではボックスが目につくようになってきた感じがしています。

日本のお弁当は、恐ろしくまずいのもありますが、容器には凝っているという違いがあります...。


伝統が残っていると言えるのかな?…

おきまりの子どもたちによる提灯行列があって、その後に村の有志たちによるファンファーレの演奏がありました。

ファンファーレの見学

ラッパの音は狂っていて、とんでもない演奏でしたが、お愛嬌。集まっているのは家族か友達だけなのですから、上手でなくても拍手喝さいなのです。

友人たちは、この村の人たちはファンファーレを伝統として残していて立派だと褒めていました。

日本の農村にはもっとたくさん伝統の祭りが残っているし、こういうときだったら浴衣を着て出かける人も多いのだけれどな…。でも、そう言っては角がたつので、黙っている!

フランスの伝統は見事に消えているのです。祭りに民族衣装がたくさん登場するのは、国境地域。アルザス、ブルターニュ、バスク、プロヴァンスでしょうね。こういう地方で何かお祭りがあるのを見に行くのは大好きです。


あれ~!

そして、夜が更けてくると、これまた革命記念日のお決まりの花火。

会場は、食事会場から歩いて行ける場所にある牧場でした。みんなゾロゾロとそちらに移動。

花火

花火が大きな音をたてて打ちあがり始めると、遠くで白いものがたくさん動き出しました。白いシャロレー種の牛たちらしい。

慌てて走り出しています!
花火大会をする場所にしたのに、牛たちを避難させていなかったの?!…

少しすると、牛たちは2カ所にかたまって動かなくなりました。写真で黄色い矢印を入れたところに一群れ。もっと遠くにも、もう一群れ。

牛たちも花火を楽しんだのでしょうか? あるいは、遠くで見えなかったけれど、火に近づかないようにロープで縄をはっていたのかな?…


人口250人くらいの小さな村ですから予算はないのは当然なので、花火は短い間しか続きませんでした。でも、長引かせようと少しづつ打ちあげるよりは、ここのようにパンパンと連発してあげる方がずっと良いです。

花火の後は、これまたお決まりの、ダンスパーティ。食事会場に入っていた生バンドが、一段とボリュームを上げていました。

私は踊らないので引き揚げました。踊らない友人たちもいるわけですが、音楽の音が大きすぎて、おしゃべりすることは不可能だからです。


革命記念日は村々が別々に祝う

帰り道、夜空に花火があがっているのが見えました。どこかの村の花火大会は少し長引いていたらしい。

田舎で開かれる革命記念日の花火大会を見ると、いつも思ってしまうのです。近くの村々が一緒に花火をあげたら、立派になるのに…。

でも、村人がほとんど集まってしまうような食事会をするのに、村々が集まってやってしまったら収集がつかないし、イベントが大きくなりすぎたら楽しくない。花火大会だけは別に村々が共同でやる、ということも可能でしょうが、花火大会がない食事会に人が集まらないというデメリットがあるはず。

打ちあげる花火の数は少なくても、「おらが村の祭り」というのを彼らは楽しむのでしょうね。そもそも、日本の花火大会のような立派なものは見たことがない人たちばかりだろうし。

それにしても、フランスの市町村合併は絶対に進まないだろうな、と感じてしまいます。

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★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ » 都市と農村
見た目がなんとも味気ない、フランスの使い捨て弁当箱 2013/08/21


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カテゴリー: 季節の行事 | Comment (4) | Top
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2010/07/10
暑い日が続いています。こんな夏らしい天気はずいぶん久しぶりの感じがします。2003年にあった記録的な猛暑の後は、「寒~い!」と嘆く夏ばかりでしたので。

1週間ほど前、森でとったジロールのおすそ分けを持ってきてくれた友人がありました。

ほとんど夕立さえ降らないこの頃なので、森にジロールが生えているとは思ってもいませんでした。


貴重なキノコです! スーパーのレジ袋に入っていたジロールをザルに広げました。



同じ時期にとれるピエ・ド・ムートン(ヒツジの足)というキノコも少し混ざっています。日本語ではシロカノシタですか? 写真の中央に写っている、傘が横に開いた状態のキノコがそれです。


いただいたのは少量。
なので、食前酒のおつまみ用に「ちょっとお味見してください」という小皿を作ってみました。



材料は以下の通り:
 - ラディッシュの葉を湯がいたものと、ジロールをオリーブオイルで炒めたもの
 - 透き通るほど薄く切った肉屋さんの自家製ベーコンをカリカリに炒めたもの

それらを小皿に入れて、パルメザンチーズをまぶして、少しオーブンで焼きました。

ラディッシュの葉は、家庭菜園で育った葉が余りにも見事なので残していたのでした。つまり、全て冷蔵庫に入っていたものを材料にしただけの組み合わせなのですが、とても美味しかったです。


何といっても、ジロールが美味しかった!

普通、森で採ったジロールはフライパンで空入りして水分を飛ばしてから調理します。でも、さすが雨が降っていないので乾燥していたらしく、そんなのは全く不必要。すぐにオリーブオイルを入れて炒めました。

水分が少ない状態で育ったジロールって、こんなにおいしいものなのですね。味や香りが凝縮されていました。


ほんの少しいただいたと思ったものの、洗ってみたら、ある程度の量がありました。
お肉料理の付け合わせ用にフリカッセにもしました。




少し雨でも降るようになったら、森にキノコ狩りに行きたいと思いました。このカラカラ天気では、森を知らない私なんかが歩き回ったって、キノコは見つからないでしょうから、待つ!

大雨が降って、そのあとに暑さがきたら、キノコがたくさん育つはずです! でも、ちっとも降る気配はありません。





楽天市場でジロール(アンズ茸)を検索


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