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2011/03/08
お気に入りにするレストランには、幾つか条件があります。
  • ・家では食べられないような創作料理が出て、それが非常においしいこと
  • ・ボリュームは少なくて色々な料理を味わえること
  • ・コストパフォーマンスが良いこと

そういう条件にぴったり合うレストランに出会いました。何よりも気に入ったのは、高いメニューでないと出ないような小皿がたくさん出たことでした。しかも、非常に安かった!

そのレストランについて記事を3つ書きました。


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2011/03/08
もう春が来たと感じられる陽気になりました。

昼過ぎに外に出ると、土の香りが立ち上がってくるのを感じます。この匂い、どこで覚えたのだろう?… 私が小さかった頃には、まだ東京でも土の香りを嗅げたのだろうか?…


森にはお花畑

先週、ポカポカの晴天に誘われて散歩をしました。

まだ黄水仙には少し早かったようですが、小さな青い花が一面に広がっているところに出会ったので満足♪

お花屋さんで売っているムスカリ(右の写真)を思わせるのですが、かなり違います。

野生のはもっと可憐。ブドウの房のようなものから青い星のような花が開くのです。



森に咲く青い花は、こういう花です。

 

学名はScilla bifolia(シラー・ビフォリア)、フランス語ではScille à deux feuilles。2枚の葉があるScille(ツルボ)。ユリ科の植物です。

足の踏み場もないほど咲き乱れていました。でも、本当に小さな花...。

家に帰ってから、摘んできた花を花瓶に入れました。

こちらは、そのひとつ:



黄水仙とシラー・ビフォリアです。


カフェに飾る黄水仙

カフェ・レストランのテラスに、森に咲く黄水仙がたくさん飾ってありました。



もう森に花が咲いているかな、と知りたいときには、カフェにいけてあるかどうかを見ます。カフェの経営者が花を探しに行かないとしても、常連客の誰かがプレゼントに持ってきたものが飾ってあるのです。

でも、このくらい量があると、お客さんが持ってきたのではなくて、経営者の人が摘んでいたのだろうと思います。

まだテラスで飲み物を飲んだり食べたりするには寒すぎます。でも、最近のフランスは店内は禁煙なので、テラスに無理して陣取る人もいるはずです。

それはともかく、店先に森の黄水仙が飾ってあるのは春を感じて嬉しいものです。


朝市でもスイセンの花束

朝市でも黄水仙が売られていました。フランスの春の風物詩。



椅子の修理をする商売の人のコーナーでした。座る部分が藁を編んだものになっている椅子です。それほどお客さんが来ないので、森で水仙をとってきて売っているようでした。

ちなみに、森の水仙は、片手で持つくらいの大きさ一束が2ユーロ(250円くらい)でした。こちらも買う人の姿は見えませんでした。

高いのではないかなと思って、昔の写真を見てみると、7年前でもやはり一束2ユーロ。こういうものは値上がりしないのかな?...

お天気が悪かったら季節を感じるために買うけれど、こんなに陽気が良かったら、みんな森に散歩に行ってしまうでしょうね…。

黄水仙の花畑が見つけられたら、ここで売っている全部の花くらいの量が摘めてしまいますから。

この町の近くにある村では、その週末にはスイセン祭りが開催されることになっていました。みんなで森に行って黄水仙を摘み(とり放題)、 村に戻ると軽食を食べることができるというイベント。




郵便受けにはガーデニング特集のチラシがたくさん入ってくるようになりました。

ところで、フランスでは復活祭(イースター)のころから春という雰囲気になるのですが、今年の復活祭は遅くて、4月24日なのだそう。

ブログ内リンク:
★ 目次: 森や野原に咲く春を告げる花々


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2011/03/06

ランチメニューが気に入ったブルゴーニュのレストラン その3


この料金で、これだけ色々食べることができたら大満足というレストランのランチメニュー。前回の日記でメイン料理まで書いたので、今回はその続きです。


デザート

安いので文句は言えませんが、料理はすべて選択肢のない形でした。

すでにお腹はいっぱいになってきていたので、軽く食べられるものが欲しい。

長々としたデザートのリストから選んでも、これほど気に入ったデザートはないだろうと思うものが出てきました、



フランス語でクワン、日本語ではマルメロと呼ばれる果物のシャーベットに、蜂蜜入りのシャンティイ。

シャンティイ(Crème chantilly)とは、パリの国際空港から近いところにあるシャンティイ城の、逸話が多い料理人ヴァテルが考え出したと言われる」ホイップクリームです。

本物は本当においしい、偽物は不味い、というホイップクリーム! いい加減なレストランのデザートにこれがあるときは、できあいのホイップクリームかもしれないと疑うので、できるだけ避けています。

だされたシャンティイは、砂糖の代わりに蜂蜜で甘味を出しているのが良かったのか、軽くて、素晴らしいものになっていました。

蜂蜜でシャンティイを作れるものなのかと思って少し検索してみたら、出てきました。

☆ Larousse Cuisine : Tatins aux pommes & chantilly au miel

リンゴのタルトの付け合わせとなっていたのですが、蜂蜜で作るシャンティイについては何も説明していない。つくるのは難しくはないのかもしれません。

でも、シャンティイをつくるには、生クリームをかくはんするのに力がいるので挑戦してみる気はありません…。




ところで、シャンティイをつくるのに必要なミキシングボウルはフランス語では「Cul de poule」という面白い呼び名がついています。

そのまま訳せば「雌鶏のお尻」。鶏を思い浮かべると、確かにそんな形をしている…。

フランス語では家畜を知らないと分からない単語が多いです。道路に穴ができているのは「雌鶏の巣(nid-de-poule)」、隆起しているのは「ロバの背(dos d'âne)」と表現します。

こういう表現に接すると、フランス人には農業が身近なのだな… と感じます。



私のデザートに話しを戻すと、飾りのようにのせられているチュイルのようなビスケットも、薄くてカリカリ。

もう、お腹いっぱい! と思っていたのに、すっきりと食べられてしまったデザートが気に入りました。

でも、ランチメニューでは、この後にもまだお菓子が出るはず!


ミニュアルディーズ



前回の日記で写真を入れたお通しも好きでしたが、こういう一口で食べられて、それぞれの風味が違うというのが好きです。

日本ではフレンチ懐石というのが流行っていると聞いたことがあるのですが、こんな感じなのでしょうか?


この盛り合わせのほかに、今がシーズンの揚げ菓子がおもしろい形になって添えられていました。



この揚げ菓子には色々な呼び方があるのですが、私のところでは「ベニエ」と呼びます。カーニバルの時期にしか食べないので、今年も色々食べているのですが、こんな風に串にさした丸い形になっているのには初めて出会いました。

普通はコーヒーを注文すると出てくるお菓子なのですが、このランチメニューでは付いていました。食後にはコーヒーを注文するので同じことなのではありますが、でもやはり嬉しい!


コストパフォーマンス

フランスの外食代は高いのですが、おいしいものを食べても、まずいものを食べても、結局は同じくらいの料金を支払うことになります。

このときのランチメニューが23ユーロ(約2,800円)というのは、美味しい食事をしようとしたら最低の料金とみています。

もちろん、パリなどでは、まともなレストランではフルコースは食べられない料金。働く人が軽くておいしいランチをとるためのレストランがパリにはありますが、このくらいの料金だと、前菜ないしメイン料理、プラスデザートというところではないでしょうか?

こういうコストパフォーマンスの良い食事を経験してしまうと、次に行ったレストランでは「高いぞ~!」と不満をつのらせてしまうので問題。

この2日後、また外食するときには、不満を感じてしまうのが嫌だなと思いました。ところが、久しぶりに行ったレストランでは、またまた、この値段でこれだけの創作料理を食べられてしまうかと喜んでしまったのでした。

何を食べたかの日記ばかり書くのも気がひけるのですが、時間があったらそちらもメモします。

ブログ内リンク:
ホイップクリームは、フランス語ではクレーム・シャンティイ 2012/06/06
★ 目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム)に関して書いた日記
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ


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2011/03/05

ランチメニューが気に入ったブルゴーニュのレストラン その2


前回の日記で書き始めた、23ユーロ(3,000円弱)のランチメニューの食事で出された料理を記録しておきます。

色々な料理が味わえるので気に入りました。お給仕の人が料理を出すたびに一つ一つ料理の説明をしてくれたのですが、余りに色々あったので、ほとんどは忘れてしまいました。

最近はレストランで食べた料理の写真を撮るときにはメニューの写真も撮影しておくことにしているのですが、お給仕の人が説明してくれるときに録音しておいた方が良いかもしれない!


アミューズ・ブーシュ

前菜の前には2回にわけて突き出しが出るとメニューに書いてありました。

まずは1皿目:



左側は山羊のフレッシュチーズに鱒の卵を乗せたもの。意外な組わせですが美味しい。これなら私にでもできるオツマミなので覚えておこうと思いました。

右にあるレンゲ(最近のフランスではブームの使い方です)の他は、野菜で作ったらしいお皿でした。これもカリカリで美味しい♪


2皿目は、トマトをベースにした冷たいスープ。



こちらは小型ではありません。しゃれたレストランだと、このくらいで前菜にする料理でした。


前菜

ここからがお食事。

パンがワゴンで運ばれてきて、好きなパンを選びます。



近くにあるパン屋さんで特別に作らせているパンだそうです。食事が終わった後、そのパン屋さんを見に行ってしまいました。その日、家で夕食をする予定だったらパンを買ったところ!


前菜はエスカルゴでした。

ここはエスカルゴの本場ブルゴーニュ。普通のエスカルゴ料理ではつまらない。シェフもそう思ったのでしょう。ラビオリという、ちょっと変わった演出でした。



メニューに書いてあったものを切り取って貼り付けているのですが、ちゃんと「ブルゴーニュのエスカルゴ」と明記していますね。フランスで食用にされるカタツムリは幾つか種類があるのですが、「ブルゴーニュのエスカルゴ」と呼ばれる品種のものが本物なのです。

ニンニクの香りがする野生の草「Ail des ours(ラムソン)でソースができていました。

お給仕の男性に、「この野草を見分けるのは難しいでしょう?」と聞いてみると、葉を手でこすって匂いを嗅げば間違えることはないとの返事。

その言い方が、いかにもラムソンを採りなれているように聞こえて、ひょっとして彼が探しに行く役目をしているのではないかと思ってしまいました!

3月に入ったばかりですが、もうラムソンの葉が見つかる時期なのだそうです。


ラムソンについては、過去の日記でもっと詳しく書いています。
レストランで出されたラムソンという山菜 2010/05/21


メイン料理



タンドリーチキン。つまらない食材ですが、安いランチメニューなので文句は言えません!

鶏肉はもも肉の方が好きなのです。でも、どうやって調理したのか分からない美味しさになっていました。

メニューに書いてある文字「Tandoori」とは、タンドールという窯で調理した料理のことのよう。定番の料理でもないでしょうに、そんな窯を持っているのかな?…

なんでもなさそうに見える野菜の付け合わせがとても美味しくできていました。

少し添えられていたキノコはPleurote(ヒラタケ属)だと言われました。

歯ごたえの良さがPied bleuという栽培キノコに似ていたので、そちらではないかと気になりました。

お給仕の人が間違えて言ったのではないかと思って、別の人にも聞いてみたのですが、やはり「プルロット」と返事されました。質が良いプルロットだと、こんなに美味しいのかな?...



レストランでは、安い食材をおいしく調理している方が興味深いです。高給食材のフォアグラやトリュフを使っているのを売り物にしているメニューを見ると、反感さえ感じてしまいます。そういう食材は、シェフに調理してもらわなくても、家で普通に食べられるのですから。


ランチメニューにはチーズは含まれていませんでした。

お隣のテーブルにチーズワゴンが運ばれてきたら、それが見事なのでこちらも追加注文したくなりました。



大きなコンテサンネクテールを台座代わりにしているのが気に入りました。でも、すでにお腹はいっぱいだし、まだお料理は続くので、チーズはパスすることにしました。


次は、この日のデザートについて書きます:
小さな料理がたくさん出たランチメニュー♪  (2) デザート

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2011/03/04
フランスでは「ホウレン草は嫌い」と言う人が多いのですが、私がホウレン草の胡麻和えを出すと喜ばれます。


それがなぜなのかと気になってしまうこともあって、ほうれん草は気になる野菜になっています。

そもそも、フランスのホウレン草は日本とは違う形で売られています。

ほうれん草についての記事を3つ書きました。

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2011/03/04

ランチメニューが気に入ったブルゴーニュのレストラン その1


こんな美味しい料理が食べられるなら、家の近くにあったら週に1回でも行きたいなと思うレストランに出会いました。

以前にも店の前に立って迷ったことがあったと思うのですが、モダンで味気ない店構えが私の好みでないので入ったことがなかったのだと思います。



でも、評判の良いレストランなので試してみることにしました。

高級レストランなのですが、一番安いランチメニューが23ユーロ。前菜とメイン料理のほかに、色々小さな料理が出てくるらしいのが魅力的でした。


ミネラルウオーター「シャテルドン」

初めて行ったレストランでは、質の高い料理を出すかどうかを知る手段があります。

始めに食前酒などが欲しいかと聞いてきたとき、ミネラルウオーターも注文する。そこで、シャテルドンを注文できたら合格。ここなら散財する価値があると判断しています。

美食家で、食べ過ぎの傾向にあったルイ14世が、主治医から「これを飲むように」と言われた水がシャテルドンだったそうです。

非常に生産量が少ないガス入りのミネラルウオーターです。

オーヴェルニュ地方にあるシャテルドン村(Châteldon)の近郊では普通に出回っていて、カフェでも普通の水のように注文できます。

でも、少し離れれば、フランス国内でもとても入手しにくい飲料水です。

ミシュランの星付きランクのレストランならシャテルドンをおいていますが、少しランクが落ちれば、かなりこだわりの料理を出すところでないと置いていません。


普通のミネラルウオーターより高いので、グルメのお客さんが来ないところではストックしておく価値がないからでしよう。

何でも手に入る日本ですが、さすがシャテルドンは余り売っていないようです。
シャテルドンを楽天市場で検索


入ったレストランではシャテルドンがあったので、まず合格。

 

シャテルドンがあるかどうかでレストランを判断するのは、どこでも通用するものではない可能性はあります。

お金持ちがたくさん行く南仏のスノッブなリゾート地やスキー場などでは、いい加減なレストランでもシャテルドンを置いているかもしれないので。


ワインは?

ブルゴーニュにいるのでブルゴーニュワインしか飲みたくない。でも、知っているワインはつまらない。

ソムリエさんのお勧めで、メルキュレの白にしてみました。メルキュレは赤が有名なので、白は珍しいのです。

どこかで飲んだような記憶はありますが、毎日ブルゴーニュワインを飲んでいるとはいえ、メルキュレ・ブランを飲んだのは5回もないことは確か。



コクがあって、とても美味しいワインでした。この日は白ワインだけで料理を食べたのですが、そうするのに良い選択だと思いました。

メルキュレを楽天市場で検索
やはり赤ワインが多いですが、白もそう珍しいわけでもないような…。



飲み物はともかく、このレストランで気に入ったのは、小さな料理がたくさん出てきたランチメニューでした。

前置きが長くなりすぎてしまったのですが、次回は食べたものについて書きます。

続き:
小さな料理がたくさん出たランチメニュー♪ (1)

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2011/03/03

シリーズ記事目次 【フランスでは、なぜホウレン草を嫌う人が多いのか?】 目次へ
その3


フランスのホウレン草は、葉を切り取った姿で売られています。しかも、食べるためには茎の部分を取り除きます。



日本料理をフランス人が評価し始めたころ、友人夫妻に日本料理をご馳走することにしたのですが、彼らの一人息子にも味あわせたいというので、その息子さんも含めて友人の家族を招待したことがありました。

フランスの食事は延々と続くのですが、子どもは大人の会話に口出しをしてはいけないマナーがあるので可哀そうな存在になります。真夜中過ぎ、お母さんは息子さんを車で家に送り届けることにしました。

息子さんを送り届けてから戻ってきた彼女が言いました。

車の中で息子さんが言ったのだそう。
「ママ、僕が嫌いなものばかりでたけれど、みんな美味しくて食べちゃった!」

褒め言葉と受け取って良いのでしょうが、悪かったかな、と反省しました。刺身(つまり生の魚)、ほうれん草の胡麻和えなど、子どもむきでないものばかりを私は出したのです。

数年後、久しぶりにあったその息子さんは、もう立派な社会人になっていました。

彼が出た大学はエリート校。フランスでは、そういう人は就職したときから管理職です。偉ぶるところもなくて、職場でも部下から慕われるだろうな、と思える好青年に成長していたので嬉しく思いました。

何がきっかけだったか、おしゃべりしていた彼が、私が出したホウレン草の胡麻和えがとても美味しかった、と言いました。つまり、また食べたいな… ということなのでしょう。

そんなに喜んでくれていたの?! 大嫌いだったホウレン草を美味しく食べてしまった、というのが彼の記憶の中では強烈な印象として残っていたらしい。嬉しかったです♪


何が違うの?…

不思議に思ってしまうのです。私は、ただ普通にホウレン草の料理を作るだけなのに、大嫌いだったホウレン草がこんなにおいしいのかと驚かれることが度々あるのです。

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2011/03/02

シリーズ記事目次 【フランスでは、なぜホウレン草を嫌う人が多いのか?】 目次へ
その2


忘れもしない昔のある日のこと。フランスに行くたびにお世話になっていた友人宅にいた私は、日本から黒ゴマや醤油などを持ってきて、日本料理を作ってご馳走しようという計画を実行しようとしていました。

今でこそフランスは日本食ブームですが、当時のフランス人は和食なんかには全く興味を示されない時代でした。


フランスで初めてホウレン草の料理を作ったときの思い出

ホウレン草の胡麻和えを作ろうと思っていたのです。

まず、買ってきたホウレン草をゆでなければなりません。台所でホウレン草を洗って、大鍋に湯を沸かして、塩を入れて、さてホウレン草を入れようとした、そのとき!

「あぁ~、な、なにするの~!」という叫び声が後ろからかかってきました。

地球の裏側からやって来た私が、変なものでも食べさせるのではないか、とマダムは心配していたのではないでしょうか。いつの間にか台所に来て、私がしていることを監視していたらしいのです。

このときに学んだのでした。

フランスでホウレン草の料理を作るときには、日本のように根っこの部分だけ捨てたのではいけないのだ、と。


ホウレン草の茎は食べない!

フランスで売られている普通のホウレン草には、日本のホウレン草のように根の部分はついていません。

「普通の」と断ったのは、根っこつきで売れれているのは見たことはないけれど、フランスにも売っていることがあるのではないかと思うからです。

摘み取られた葉だけのホウレン草なのですから、茎の先の痛んだところだけ取れば、全部食べられてしまうのだ、と私は思ったのでした。

でも、ほうれん草の葉は、茎を取り除いた部分を食べるのがフランスのやり方なのだそうです。茎を捨ててしまうなんて、と驚かれませんか?

私にストップをかけたマダムは、茎の取り除き方を教えてくれました。

葉を裏返しに持って、もう片方の手で茎の下からひっぱる。すると、茎が取り除かれ、大きな葉の場合には葉脈まできれいにはがれてくれます。

手間はかかりますが、やってみると、おもしろいほどよく取れます。

茎をひっぱって除く方法は面白いので、それを見せている動画を探したのですが、ちらりと見えるものしか見つかりませんでした。たとえば、こちら


ホウレン草の茎の取り除き方

フランスのホウレン草だって、日本人のように茎のシャキシャキ感が良いと思ったら食べられてしまうのではないかと思うのですが、まだ実験してみたことがありません。

でも、これをやっていると、大量に買ってきたホウレン草はかなり目減りしてしまいます。その後に茹でると、さらに量は少なくなる!

書きながら、本当にフランス人は誰でもホウレン草の茎を取り除くのだろうかと疑いを持ったので、ネットで調べてみました。

やはり、茎は捨てるようですね。

やり方は2通りあるようです:
1) 茎を引っ張って、むくようにして取り除く
2) ナイフで茎を切り落とす

動画でデモンストレーションしているものは見つからなかったのですが、写真入りで説明しているページは出てきました。フランス人が作っているサイトですが、英語バージョンにも切り替えられます。

Comment préparer des épinards / How to prepare spinach

ここに書いてある方法は、私がフランスでしているのと全く同じでした。つまり、茎を取り除いたホウレン草は塩を入れた熱湯で茹でて、冷水に入れてから水切りするという方法。

ただし私は、最後にスダレで巻いて水切りをしています。これが非常に便利! 海苔巻のように細長くできあがるので、それを切って、醤油と鰹節をかけておひたしに見せてしまうこともできます。


うんざりする準備!

スーパーでは下ごしらえが済んだホウレン草のパックを売っているのではないかと思うし、冷凍食品もあるはずです。でも、私は朝市で、しかも農家直売のものしか買ったことがありません。

この間の週末に行った朝市では、小ぶりできれいなホウレン草があったので1キロ買いました。

フランス人にホウレン草の胡麻和えが好評なので、私の数少ない(!)レパートリーの一つにしているのですが、下ごしらえするたびに、こんな料理を得意料理にしてしまったことを後悔してしまいます...。

今回も手間がかかりすぎるよ~… と、半ばうんざりしながらホウレン草の下ごしらえをしたので、写真をとっておきました。

買ったホウレン草の下ごしらえが終わったところの写真:



ついでに、ゴミ箱の方もお見せします。これが捨てた茎です:



ここまでするのが大変なのです!

まず、買い物から帰ったら、まっさきにホウレン草を解放してあげる。なにしろ、スーパーのレジ袋のようなものにギューギューに押し込んであるのですから、そのまま放置していたら葉が痛んでしまいます。そして、できるだけ早く茹でることにしています。翌日までおいておいたら、捨てる葉がたくさんでてしまいますから。

ホウレン草には泥がついているし、雑草も少し混じったりしているし、虫も入っていたりする。何度も水を替えて洗わなければなりません。

ゆでるには大鍋を使いますが、ホウレン草をいっぺんに入れて水の温度を下げたくはないので、何回にも分けます。ある程度の量の茎を取り除いたら、茹でる作業に入ります。ゆでながら、残りのホウレン草の茎を取り除く作業をする。それをしながら、鍋の中のホウレン草が茹ですぎていないように気をつける。

その繰り返しをやって、できあがるのは小さくなったホウレン草…。

台所の床は水浸しだし、手は冷たいし、足は棒になっている!

嫌にならないで下ごしらえができるのは1キロが限度だ、と決めています。2キロ買ってしまったときには、もううんざりしてしまったので。

1キロで、せいぜい4人分というところでしょうか。大勢人を招待してホウレン草の胡麻和えを出すときには、一人当たりの分量をごく少なくして済ませています。ほんの少し出すのが日本料理なのだ、と言い訳をして!


小さな葉のホウレン草を買いたい

ほうれん草の葉が小さければ葉脈の部分まで取り除かなくても良いでしょうから、私はできるだけ小さなホウレン草の葉が売られているときだけに買います。大きな葉のは、サラダ菜の葉くらいに大きいのです!

ただし、もっと小さいうちのホウレン草(pousse d'épinard)もあり、そのままサラダで食べられると言って売られています。でも、非常に高価!



これは5年前、こんなに小さなホウレン草もあるのだと知って撮った写真です。フランスの食品は普通は1キロの値段を表示するのですが、これは高給食材なので100グラムの値段が書いてありました。1.90ユーロと書いてありますが、あれから野菜はどんどん値上がりしているので、今ではこんな値段では手に入らないはずです。

今は、普通のホウレン草は1キロ400円前後。サラダ菜の値上がりに比べれば、ホウレン草はそう高くなってはいないかな... という気はします。


このくらいの大きさの葉が良いなと見えるホウレン草が入った動画があったので入れておきます。



何のためにYouTubeにこのビデオを入れたのかわかりません。「Traviller, travailler à éplucher les épinards ♪」と繰り返しています。「ホウレン草の皮剝きは大変だ」と言いたいのでしょうか?…

動詞「éplucher」は果物の皮をむくときなどに使うと思いがちなのですが、不用な(あるいは痛んだ)部分を取り除くときにも使う単語なのでした。日本語では、リンゴの皮をむくのと、ほうれん草の根っ子を切り落とす行為は同じには扱わないですよね?… でも、リンゴの皮をむくときには、ヘタの部分も一緒に切り取るわけだから、同じか…。

このビデオに写っているくらいの太さの茎のホウレン草だったら、茎を取らなくても良いのではないかという気もします。でも、フランス人に出したホウレン草料理に「茎が入っている!」と非難されたくはないので(ケチだと思われるでしょうから)、このくらいでも茎は取り除いています。



ほうれん草の胡麻和えがフランスの友人たちに好評なので、私の数少ない(!)レパートリーの一つにしています。

ゴマ醤油の味付けが気に入られたのだろうと、長らく思っていました。でも、バター炒めして生クリームを入れた、つまりフランス風に調理しても美味しいと言われます。つまり、私のホウレン草料理は、フランス人たちには驚くものらしい...。

料理上手なわけでもないので、特別に調理しているわけではないのです。
気になったので、なぜなのか考えてしまいました。

- 続く -




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2011/03/01

シリーズ記事目次 【フランスでは、なぜホウレン草を嫌う人が多いのか?】 目次へ
その1


フランス人から「私は食べない」と拒否したり、出すと嫌な顔をされる食べ物の中で、そういう人が多いなと私が感じているのは次の3つです。
きゅうり、栗、ほうれん草。

日本人には意外に思われるものが入っていると思われませんか? これらは売られているので、食べる人はいるのだと思いますが...。

他にもスイートコーン、トピナンブール(キクイモ)があげられますが、余り店頭には出ないので気になりません。

食べるのを拒否する人たちには共通した理由があります。一つ一つについて紹介しなければならないのですが、今回は旬の野菜なのでホウレン草について書きます。


ほうれん草とポパイ

フランス人がなぜホウレン草を嫌うかというのは、とてもはっきりしているようです。

給食ででてくる料理の添えもの野菜の定番の一つらしく、しかもそれが恐ろしく不味いのだそう。フランス人の大多数がその思い出を持っているようです。

子どものころ見たポパイの漫画には、気になる場面がありました。危機に直面したポパイが缶詰をあけて食べると、超人的な力が出てくるというもの。

ほうれん草の缶詰を登場させたのは、子どもたちが嫌うので栄養があることを見せるという手段だったと聞いたことがあります。ということは、フランスと同様、アメリカの子どもたちが嫌う野菜だということ?

ポパイの話しなどを持ち出したら、今の若い方たちには分からないのだろうなと思って「ポパイ」を楽天市場で検索してみたら、たくさん出てきました。今でも消え去ってはいない漫画らしい...。

日本の子どもたちはホウレン草を嫌うのでしょうか?

私が子どものときには、ホウレン草が嫌いだったという記憶はありません。ポパイの漫画がホウレン草を食べさせるというメッセージも持っていたと聞いたときには、なぜ?… と不思議に思ったような気がします。しかも、缶詰の野菜なんか美味しいはずがないではないですか?!...

フランスの歴史におけるホウレン草:

ホウレン草(épinard)は16世紀を生きた王妃カトリーヌ・ド・メディシスのお気に入りの野菜だったということでフランスに広まったようです。20世紀になると、ポパイのように筋肉もりもりになるにはホウレン草を食べよ、というのがフランスでのホウレン草PRの役割を果たしたとのこと。


フランスの給食に出るホウレン草とは?

フランスの友人たちは、給食で食べたホウレン草がいかに嫌いであったかを語ります。

私もフランスの大学の学食でホウレン草の付け合わせが出てきたようにも思うのですが、ジャガイモのピューレにしても何にしても不味かったので、特にホウレン草には恨みを持ちませんでした。

子どもたちが食べされられるホウレン草とはどんな料理なのか? インターネットの画像を探してみたら動画が出てきました。



給食のほうれん草というのは余程の嫌われているのでしょうね。悪ふざけでホウレン草のバター炒めにパイナップル入りヨーグルトをかけて食べて悪ふざけしている男の子の動画もありました。吐き出したりして汚いので、ご覧にならない方が良いですが(!)、リンクはこちら:
épinards, hmmmm!

友人の中には、こんな思い出を語るフランス人もいました。

学校の庭の芝生刈りが終わった翌日の給食には、必ずホウレン草がどっさりと出てきた。それで、あの刈った芝を料理したのだと思わずをえなかった!

ホウレン草の上には目玉焼きがのっているのが定番。それが大皿でどんとテーブルに置かれたとき、「絶対に手をつけちゃだめだよ」と申し合わせた。お給仕の叔母さんが、全く手をつけてもらえなかったホウレン草の皿を下げるときの残念そうな顔を見るのが楽しかったのだそう!

フランスのほうれん草は、日本のお浸しのような形では出てきません。グチャグチャにしてしまったピューレのようなホウレン草。それで、芝刈り機のそばにできる山を使ってホウレン草の料理ができるという冗談が生まれたのだと思います。


日本で売られるホウレン草

日本のホウレン草は、根っこの部分までついている形で販売されているのが普通ですよね?

フランスで普通に売られているホウレン草は、こんな形では売られていません。

地上に出た部分を刈り取ってしまったような形。
つまり、葉と茎の部分でバラバラになっています。


昔は束にして紐か何かでくくっていたように思いますが、最近は袋入りが主流になりました。

フランスのホウレン草は葉の部分なので束ねたりできないわけです。

山積みになっているのをどのくらい欲しいかを言って、スーパーのレジ袋のような袋に詰めてもらいます。

1キロとか、1袋分とか言うわけです。袋にギューギューに押し込まれて、1袋が1キロくらいになります。


日本の「ちぢみほうれん草」

日本のホウレン草は渋味がないように品種改良されたのでしょうか? 味が物足りなくなった、と私は感じています。

日本でホウレン草を栽培している農家の方と出会う機会があったとき、どんな風に栽培しているのか聞いてみました。砂を入れた温室で栽培しているのだそう。

引っこ抜くと、根を洗わなくても良いくらいにきれいな姿で収穫できるのだとのことでした。

それで日本のホウレン草は美味しくないのかな... と感心して聞いたのですが、そんなことは口にだしたりはしませんでした!

日本で ちぢみほうれん草を見つけてからは、それを買うことにしています。

どことなく昔のホウレン草を思わせる濃厚な味があり、葉が肉厚なところもフランスのホウレン草と似ているのです。

でも、フランスで売られているホウレン草は、ちぢみホウレン草とも違う姿で売られています。


フランスのホウレン草はアクが強いので、嫌いな人が多いのは理解できます。でも、私が茹でてつくったホウレン草は美味しいと言ってフランス人たちに喜ばれるので、ホウレン草の胡麻和えなどを得意料理のひとつにしてしまっています。

次回は、フランスのホウレン草の写真を入れて、フランス式のホウレン草の下ごしらえについて書きます。茹で方は日本式(と私は思っている方法)ですが、下ごしらえはフランス式にしているのです。

これが、大変な手間がかかるのです!

- 続く -


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