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2012/07/31

シリーズ記事 【わらぶき屋根のアイリスの花を見て】 目次へ
その17   スレート (5)


ここのところスレートで葺いた屋根から発展して、アルドワーズと呼ばれる石について書いてきました。ブルゴーニュ地方の伝統的な屋根は茶色なので、アルドワーズの屋根はそれほど見かけるものではありません。

この写真を入れた日記を開くそれでも、アルドワーズには馴染みがあります。
そして、その色にも。

フランス語にはアルドワーズ色というのがあります。
少し青味をおびた濃い灰色。

グレーというより、アルドワーズ色と言った方が美しそうに感じるのではないかな?...

アルドワーズはスレートと訳されるのですが、スレート色と聞いた日本人は同じ色を思い浮かべるでしょうか?

私は、アルドワーズはスレートだというのを抜きにしたら、スレートがどんな色か確信を持てないように思います。


アルドワーズ色は、日本語でどう訳されるのだろう?

フランスから輸入した服に「アルドワーズ色」と書いてあったら、どうするのだろう? 楽天市場を検索してみると、アルドワーズ(ardoise)そのものをキーワードにしてみるとヒットする商品がありました。

「ardoise」をキーワードにして楽天市場で検索した結果

それらが、どう色を表現しているのか?
そのまま「アルドワーズ」と書いてしまっているのは無視。商品の説明にardoiseと書いてあるアイテムは、次のような色の名前をつけていました。

ストレートグレーチャコールグレーダークグリーン

「スレートグレー」というのは、そのままですね。

「チャコールグレー」というのは良いとしても、「ダークグリーン」というのはどうなのかな? グリーンではないのですもの。

でも、商品を手にしたお店の人が、グリーンぽく見えたのでしょうね。製造したメーカーがアルドワーズ色にしようと思いながら、そうなってしまった可能性だってあるのだし。


アルドワーズの色コードは?

色をパソコンで出すにはカラーコードがあるので、調べてみました。
フランス語:
Ardoise (アルドワーズ)
#5A5E6Bアルドワーズ
#686F8Cブルー・アルドワーズ
英語: Slate gray#708090 
イタリア語: Ardesia#708090 

日本語:
スレートグレー(JIS慣用色)#57565f 
スレートグレー(ウエブ基本色)#708090* 英語と同じ色
チャコールグレー#4f4955 
ダークグリーン#006400 

フランス語のアルドワーズには2種類出てきましたが、色が濃い#5A5E6Bの方が一般的なようです。私もアルドワーズ色と聞いたら、この色を思い浮かべます。もう1つの色の方が薄すぎる。

ところが、英語とイタリア語の色が薄くて同じコード番号なのでした。ドイツがどうなっているか知りたかったけれど、分からなかった...。

その国で採取されるスレートの色によるのかな?... フランスだけ逆らっているのかな?... 

上に入れた商品見本は、アルドワーズと明記しているのでアルドワーズ色になっているように見えます。

石をスレートと言うのは良いけれど、色がこれだけ違うと、アルドワーズ色をスレート色とするのは問題ではないかな~?...

さらに気になる!

アルドワーズ色が#5A5E6Bで、スレートグレーが#708090。 だとすると、フランス語では#708090は何という名がついているの?

#5A5E6Bは「Ardoise(アルドワーズ)」で、#708090は「Gris ardoise(アルドワーズの灰色)」と書いてあるサイトもありましたが、一般化しているのかどうか分かりません。

ところで、チャコールグレーという色の名前が存在していたことを思い出したのですが、これは木炭の色から来ているのですね。

ブログ内の関連記事:
★ 目次: 色について書いた記事
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ

情報リンク:
☆ Wikipedia: Liste de couleurs ⇒ List of colors



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2012/07/30

シリーズ記事 【わらぶき屋根のアイリスの花を見て】 目次へ
その16   スレート (4)


前回の日記「スレート(アルドワーズ)と学校の関係」で、昔のフランスでは屋根瓦にするのと同じスレート石が、黒板や石盤として使われていたことを書きました。

アルドワーズは、屋根で見る以外に最も目にするのはレストランでしょう。

フランス人たちには、「アルドワーズ」と呼ぶスレートに懐かしい感覚があるらしい。それで、レストランでも好感を持たれるために黒板を使っているという感じがしないでもありません。


飲食店に掲げられたスレートの黒板

食いしん坊なので、レストランの前に立っただけで、そこの料理が美味しいかどうかを予測できると思っています。メニューの書き方と、料理の命名で、かなり見えてくるものです。



こんな風にしているのは、日本でも見かけますね。
フレンチやイタリアンのレストランで。

 

スレートに日替わりメニューなどを書いているのは、良い印象を受けます。毎日いつも同じ料理ばかり出すのではなくて、そのときに仕入れられた食材を使っていると感じるから。

もちろん、消えないようなものを1回書いたら、それをいつでも掲げておく、などというところもあります。でも、そういうのは、ニセモノ料理を出すような気がして、私は好きではありません。

黒板の良さは、頻繁に書き換えられるからところにあるのですから、雰囲気づくりのために使われては困ります!

手書きで黒板に書き込むのは、さすが、ミシュランの星を持つようなレストランではやらない感じがします。

やはり、庶民的になりすぎてしまうからではないでしょうか?

逆に、ビストロなどでは黒板をフルに使っていると感じます。

今日の料理だけではなくて、いま飲めるグラスワインなども書いています。

下の写真で足元においてある黒板には、ワインの銘柄と、量によるお値段を一覧にしています。




料理やチーズをのせる皿としてスレートを使うのは、最近のフランスでブーム?



最近のフランスは大変な和食ブーム。

健康に良いというので和食に人気があるようですが、見ただけでも食欲をさそる日本料理の飾りつけも、かなりフランスに影響を与えています。

洗練された料理を出すシェフは、誰でも日本料理の盛り付け方を勉強しているのではないかと思ってしまいます。西洋皿といえば丸かったのに、最近は四角い皿が多く使われるようになりました!

そういう意味で、スレートの皿も流行っているのではないかという気がします。どこも、かしこも、というほどではありませんが、かなり頻繁に出会います。



なんとなく日本風に見えませんか?

日本ではお盆にのせて料理を出すというのがありますが、それをマネしているように感じてしまいます。

黒いお皿というのは、料理が引き立つのですね。キャンバスに絵を描くようにできるので楽しそう。



でも、写真を拾い出しながら気がついたのですが、メイン料理のお皿に使うというのはないような...。思えば、ソースがこぼれてしまうような料理は、淵のない皿は困るのでした!

四角い皿は、始めのうちは、しゃれたレストランが出していたのですが、そのうち、すっかりフランスに普及しました。今ではスーパーなどでさえ四角い皿を売っています。

スレートの皿も、食器や、チーズ盛り合わせ皿として色々と市販されていました。




スレートの皿を使うのは、日本からフランスに入ったのか?
  あるいは、フランスの流行が日本に入ったのか?...

石盤などは日本では馴染みがない感じがしましたが、スレート石でつくった食器などは日本でもかなり売られているようでした。
天然のスレートボードの食器を楽天市場で検索

石の皿を探してみたら、玄昌石(玄昌石)というのが目立ちました



こういうお皿って、昔から日本で使っていましたっけ?

フランスで見ると日本風。日本で見ると洋風という気がしないでもない...。

続きへ: アルドワーズ色とは?


  


ブログ内リンク:
西洋皿は、ひたすら四角くなる・・・ 2006/02/17
★ 目次: フランスの日本食ブーム


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2012/07/29

シリーズ記事 【わらぶき屋根のアイリスの花を見て】 目次へ
その15   スレート (3)


スレートの屋根のことを書いてきたのですが、瓦になるということ以外にも、アルドワーズardoise)と呼ばれるスレート石は、フランスの文化に溶け込んでいる理由があると感じます。

まず、懐かしい学校のイメージがあります。


黒板もアルドワーズだった

昔の黒板そんなに大きな一枚石を切り出せるのかと思ってしまいますが、実際にアルドワーズの黒板を見たことがあります(右の写真)。

3枚に分かれていましたが(左右はスライドして仕舞い込むことができる)、その1枚ずつは石をつないで作ったようには見えませんでした。

私が子ども時代に見た学校の黒板(木に塗料を塗ったものだと思う)とは全く違って、非常に美しかったです。

石にチョークで文字を書くと、触感がとても良いので驚きました。

アルドワーズの黒板を見たときのことを書いた日記:
7月14日に思ったこと 2003/07/14


帳面もアルドワーズだった


Ardoise Naturelle En Pierre
昔のフランスでは、学校の子どもたちがアルドワーズをノート代わりにしていたのだそう。

木枠の部分には穴があいていて、そこに書いた文字を消すものを吊るしていたそうです。

こちらの写真は、昔の学校を見せるミュージアム・サイトに入っているアルドワーズ。鉛筆のような形をしたチークもあったのですね。

こういう使い方をするアルドワーズは「石盤」と訳されるのですね。

フランス語では「アルドワーズ」なのですが、それだけでは瓦のことなのか何なのかわからないので、石盤は「ardoise d'école(学校のアルドワーズ)」などと呼んだりして区別しているようです。

日本は紙が豊富にあった国から、石盤なんかは使わなかったのだろうと思っていました。

でも、調べてみたら、明治時代に欧米から入った文化の中で日本に伝わっていたようです。石盤と石筆からノートと鉛筆に代わったのは、明治後期から大正時代にかけてだったとのこと。

フランスではいつ頃まで使っていたのかは調べられませんでした。でも終戦後の貧しい時代までは使っていたのではないかなという気がします。田舎で育った80歳くらいの人が、終戦直後くらいまで木靴を履いていたと言っていたので。

1945年の新学期の様子を見せる動画を見ると、ここでは子どもたちが石盤を使っています。

ところで、フランスの石盤の片面には碁盤のような罫線が入っています。

 
Boc notes
papier blanc quadrillé
現在でも、フランスで市販されているノートには、こういう基盤目状の線が入ったタイプがあるのです。

罫線を入れるなら、日本式に横線だけ入れてくれれば良いと思うのですけれど、フランスのお習字には線が必要らしくて、ゴチャゴチャと罫線が入ったノートがあります(こんな感じ)。


ノスタルジーを誘うアルドワーズのグッズ

フランス人にとっては懐かしを呼び起こすせいなのか、それをイメージしたアルドワーズの小物が売られているのをよく目にします。





天然石から作った黒板は高価なのだろうと思ってしまうのですが、キッチンに買い物メモをするための小さなボードなどは500円くらいで買えてしまいます。
今はユーロが安いので異常ですが、レートが普通になったとしても千円以下。

何でも売っている日本でも、さすがノートの代わりにしたスレート板などは売っていないだろうと思ったのですが...

ちゃんと売りにでていました。

フランスの蚤の市ででも見つけたのかな?...
アンティークとして売られていました。

でも、高~い!

確かに、こんにち売られている安物とちがって、おもむきがありますが...。


新登場! タッチスレート!

アルドワーズを製造している場面が見たいと思ってYouTubeを検索していたら、変な動画を見つけました。

アクセスが多いので何かと思ったら、発売されたばかりの商品を消費者に代わってテストするという、おふざけなのでした。



フランス語とは無縁の方でも、何をデモンストレーションしているかお分かりになるでしょう?

昔の子どもたちが使っていたノート代わりのアルドワーズはこんな感じで、チョークで消しては書くという原始的なシロモノ。でも、このタッチスレートは優れもので、iPadとして使えるよ、というわけなのでした!

この大きさは、持ち運びには便利そうなサイズなんですね。

よくできています♪  タッチスレートが良くできているのではなくて、うまく動画を作ったという意味で笑えます!

追記:
この動画が作られた背景が分かったので、クイズにしてみました。
クイズ: これは何のために作った動画でしょう?


黒板の歴史

Wikipediaの「黒板」には、黒板はフランスからアメリカに伝わり、明治時代にアメリカから日本に伝わった、と書いてありました。下にリンクする日本の全国黒板工業連盟のサイトにあった「黒板の歴史」の記述を受けているのかもしれません。

でも、学校で使う黒板に関するフランスの情報では、そうではないのでした。はっきりしたことは分からないらしいのですが、1801年にアメリカで使われ、それが1850年頃にヨーロッパに伝わってという説がありました。一番初めにチョークと黒板を使ったのはイギリスの高校で、1801年にアメリカの陸軍士官学校で使われたという情報もあります。

ただし、何かに書いて消しながら書き直すという方法は古代から行われていたことなので、何を黒板の起源とするかにも問題はあるのでしょう。

こちらは15世紀に描かれた絵画:

Luca Pacioli, 1495

ただし、フランスで「Ardoise(アルドワーズ)」と呼ばれる石版を生徒がノートにして使うのは、フランスで考え出されたもののようです。Claude Martinという人の遺書に従ってつくられたリヨンの学校(1800年)で、画期的な方法としてアルドワーズが使われたという記述がありました。

ややっこしくなってきたので、フランス語のおさらい:
用途フランス語
学校の教壇にある黒板Math lecture at TKKtableau (noir)
生徒が
ノートとして使う石盤
Schiefertafelmitschwammardoise (à écrire)
コンピュータのタブレット
tablette tactile
ワックス・タブレットHerkulaneischer Meister 002btablette de cire

※古代から19世紀半ばまで使われた
ビストロなどにある黒板ardoise
chevalet ardoise
tableau noir
panneau
スレート皿
スレートボード

assiette en ardoise
planche en ardoise
屋根の瓦として使うスレートardoise





アルドワーズが学校と結びついていることを書いたのですが、アルドワーズを最もよく見かけるのはレストランに行ったときかもしれません。

続きへ: レストランでお馴染みのアルドワーズ




内部リンク:
【昔のフランスの学校について】
★ 昔のフランス: 劣等生には「ロバの耳」の罰則 2008/05/07
グルメ食品見本市に行った日のこと 2014/06/04
骨董市で気に入ったもの 2007/08/03

外部リンク:
☆ 身近な道具の近代史1: 小学生の筆記用具
☆全国黒板工業連盟: 黒板の歴史
L'ardoise : un outil scolaire historique, d’une grande utilité actuelle
Du tableau noir au tableau blanc interactif
☆ Wikipédia: Écoles La Martinière
Dictionnaire de pédagogie de Ferdinand Buisson: Ardoises
☆ Wikipédia: Ardoise (écriture)Tablette à écrireTablette de cire
【昔の学校のミュージアム】
Le musée de l'école
Il était une fois l’école


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2012/07/28

シリーズ記事 【わらぶき屋根のアイリスの花を見て】 目次へ
その14   スレート (2)


クレープ屋さんからの眺め前回の日記「スレート瓦(アルドワーズ)は釘で打ち付けて設置する」で書いた黒に近い灰色のスレートは、フランスでは「ardoise(アルドワーズ)」と呼ばれています。


石葺き屋根

瓦として使うものだから「スレート瓦」と書いてしまったのですが、フランスではアルドワーズを「tuile(瓦)」と呼んではいけないのではないかと思います。

だって、屋根瓦として製造した瓦ではないから。

瓦の方は、主にテラコッタかセメント製のものが使われている。

もっとも、本来のアルドワーズは薄くスライスした石を瓦として使っているわけですが、今日ではアルドワーズに似せて作ったものもあります。

だから、屋根に乗せるものはすべて「瓦」と単純に呼んで欲しいのですが、アルドワーズはアルドワーズと呼ぶようです。

天然のアルドワーズは高価なので、20世紀半ばに人造アルドワーズが登場したのだそう。始めはアスベスト・ファイバーの瓦だったけれど、アスベストが禁止されてから違う繊維を入れているとのこと。

天然の石のアルドワーズ(ardoise naturelle)でないものは、瓦(tuile)と呼んで良いのではないかと思うのですが、やはりアルドワーズ(ardoise fibre-cimentなど)と呼んでいます。


でも、先日の日記で書いた、石灰石を分厚く切り出して屋根の素材も、これを「tuile(瓦)」とは間違っても呼ばないですね...。
石を厚く切り出して使う瓦(ラーヴ、ローズ) 2012/07/10

日本語では、「石瓦」という表現もあったのですが、「石葺き屋根」というのがありました。「茅葺き屋根」と対比して「石葺き屋根」。この言葉が気に入りましたが、一般化した言葉なのだろうか?...

ともかく、屋根瓦については謎が多すぎるので、気にしないことにします! 濃い灰色のスレートで葺いたアルドワーズの屋根のことを書こうとしているのですから。

フランスではよくアルドワーズの屋根を見かけるのですが、どんな石なのだろう、ということに注意を向けてみました。


屋根瓦に使うアルドワーズとは、どんな石?

アルドワーズ(ardoise)を日本語にすると、スレート粘板岩と置き換えられるようです。

日本語での粘板岩によれば、この石は硯に使われるのだそう。硯の色はアルドワーズに似ています。でも、アルドワーズは、たぶん簡単に薄くスライスできる性質があって、それで瓦にされるはず。硯を薄くスライスできるのかな?...

まず、日本で小物に使われるスレートには玄昌石というのがあるのを発見。

これは硯にも使われている。

アート工房のサイトに「玄昌石とは」というページがあり、硯を作る石の画像が入っています。これを見ると、まさにアルドワーズです!

玄昌石(げんしょうせき)


ところで、Wikipediaの「」には「石瓦」という表現があって、それは「複雑な形のものは製造できないので、雨漏りしやすく、緩勾配の屋根には適していない」と言い切っていました。フランスではたくさん使っているのですけどね...。

ただし、暖勾配には向いていないというのは確かかもしれない。私の記憶にあるスレートの屋根を思い浮かべると、急勾配の屋根にはスレートが向いていると言えるのではないか、という気がしてきます。

Eglise de Sainte-Mère-Église
この写真を入れた過去の日記:  ノルマンディーで変な教会を見つけた 2009/11/17


下はブルゴーニュ地方のクリュニー修道院の屋根。
この地方の伝統的な屋根は茶色い瓦なのですが、とがった尖塔の部分だけにアルドワーズを使っています。

Abbaye de Cluny


今回スレートについて書いていて、学んだことがありました。

Wikipediaのフランス語ページのアルドワーズの記述を見ると(Ardoise)、石の厚さが3~9ミリのものはアルドワーズで、20~40ミリの場合はlauze(lause、laveとも呼ぶ)になるのだそうです。


世界で最も天然スレート瓦を使うのはフランス

フランスではどの地域でスレート瓦(ardoise)が使われているかを示す地図がありました。
L'ardoise naturelle en France

スレート瓦にも、天然の石のものと、工場生産の安価なものがあります。この図で示しているのは天然のスレート瓦。

地域区分には恋占いのような表現が使われていて、赤い部分は「常軌を逸して」使われている地域で、紫色は「情熱的に」、水色は「普通に」、黄緑色は「ときどき」使われている、としています。

ブルゴーニュの東半分は白なのですが、これは何なのだろう? 気まぐれに好きだったり、嫌いだったり、というところなのかな?...

単にスレート瓦が好きだというわけではなくて、石を採石できる地域だった歴史があるからだろうと思って確認してみたら、やはり、そうですね。

フランスのアルドワーズ生産地の地図:
☆ Wikipedia: Répartition géographique des différents bassins

フランス国内では、毎年1,100万平方メートルの天然スレート瓦がふかれていて、世界で最も多く使っている国ということになるのだそうです。

前回の日記(スレート瓦(アルドワーズ)は釘で打ち付けて設置する)で2番目に入れた動画では、スペインから輸入したアルドワーズを使っていて、800平方メートルの工事だと言っていました。

私の近所でも、そのくらいの屋根面積を葺き替える必要があった城があって、業者に見積もりをとらせていました。天然ものは美しいけれど、やはりすごく高いのだそう。城の持ち主が話していた葺きかえ費用は、田舎の家が一軒買えてしまうくらいの金額だったと記憶しています。


アルドワーズは好きではないのだけれど...

実は、私はアルドワーズの瓦が余り好きではありません。ほとんど黒の屋根というのは明るくないからです。

しかも、アルドワーズは雨が多いブルターニュやノルマンディーでよく使われています。特に、ブルターニュがいけない。「いけない」なんて言ったら怒られますが! ブルターニュでは、家々の壁を作っている石も花崗岩で暗い色なのです。雨にぬれると黒っぽくなります。

そこに黒い屋根がのっているのですから、よけいに暗い雰囲気になります。せっかく旅行しているのに雨だ... とうんざりしているところに、家並みまで暗く見えると、よけいに気が滅入ってしまいます。

とはいえ、このアルドワーズと呼ぶ石を使った小物は好きです。

それから、発電するために民家の屋根に取り付けるソーラーパネルは美しくないと思っていたのですが、アルドワーズの瓦と調和した太陽光発電のタイプを見つけました。

このパネルを作っているメーカーのPRビデオのようですが、入れておきます。



次回は、フランスではアルドワーズが身近なことを感じさせる小物について書きます。
続きへ:
スレート(アルドワーズ)と学校の関係


ブログ内の関連記事:
目次: 旅行したときに書いたシリーズ日記のピックアップ
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ


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2012/07/27

シリーズ記事 【わらぶき屋根のアイリスの花を見て】 目次へ
その13   スレート (1)


ここのところフランスの屋根はどう葺かれるのかを調べていたのですが、今まで書いてきたブルゴーニュの伝統的な茶色の瓦とは全く異なる、濃い灰色のスレート瓦も広く利用されています。

フランスでは「ardoiseアルドワーズ)」と呼ばれる瓦。

設置をしている場面の動画がありました。



4,800枚の瓦を設置する工事で、初めの1枚が取り付けられたと喜んでいます。

伝統的には、こういう風に釘で止めるだけだと思うのですが、もっとしっかりと固定してしまうテクニックもあるようです。




スレート瓦は釘で固定する

屋根に張った桟木に瓦を釘を打ち込んでしまうのは、しっかりと固定されて良いのかもしれません。

ブルゴーニュ式の屋根では、張った桟木に瓦を引っかけるだけなので、強い風が吹いたときなどには吹き飛んでしまいます。

21世紀になる直前には、大木を根こそぎ倒してしまう強風が吹き、フランス各地で大きな被害を出しました。翌朝外に出たてみたら、たくさん道路に屋根瓦が落ちていました。

特に大量に吹き飛んでいたのは、工場の大量生産の安い瓦でした。伝統的な瓦に比べて美しくないだけではなくて、軽いのでしょう。

スレート瓦の方が、一度ふいえしまえばメンテナンスに手間がかからないのかもしれない。ブルゴーニュ地方でも、お城のような大きな屋根にはスレート瓦がよく使われています。


昔のスレート瓦の技術

ときどき観光地で、スレート瓦がどんなものであるかを説明する展示に出合っていました。まだブログにしていなかったので、写真を入れておきます。

まず、材料となる石。



石をブロックで切り出してから。薄くスライスして瓦にするのです。つまり、薄く切り出せる粘板岩(スレート)が屋根の材料として使える。

次に、瓦は釘で打ち込むので、穴をあけなければなりません。



下手して石を割ってしまうことがないのだろうか? ...

たくさん瓦が必要なわけですから、道具も発案されました。



ミシンみたいな機械ですが、ペダルで押した力を利用して瓦に穴をあけるという道具。
この道具を使っている様子が、次の1964年の映像に映っています:
☆ INA: L'HISTOIRE DE L'ARDOISE À TRÉLAZÉ


以上は、アルプス地方にあった博物館に展示されていたものを撮影しました。


下は、ブルゴーニュ地方にある城を見学したとき、部屋の片隅にぽつりと置かれていた屋根の模型です。アルドワーズの瓦がとりつけられていました。



石を薄くスライスしたからこそ出せるカーブです。
これは、なるほど... と感心しました。


フランスではスレートの屋根はとても多いのですが、屋根に使うアルドワーズと呼ばれる石は、どういう石なのだろう?

続きへ:
フランスは世界で最も天然スレート瓦を使う国


情報リンク:
Ardoisieres d'Angers


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2012/07/26

シリーズ記事 【わらぶき屋根のアイリスの花を見て】 目次へ
その12


前回の日記「フランスの伝統的な屋根は、簡単な下地づくりだった」に書いたように、昔ながらの家で屋根裏部屋に入って天井を見上げると、屋根瓦が見えます。

これでは寒い冬にはたまりません。屋根裏部屋は締め切ったままにしておいても、部屋の方の暖房がとられてしまって不経済です。

瓦をじかにのせただけの屋根は昔の家であって、最近のフランスでは、屋根に断熱処理をしている家が多いのではないでしょうか?


屋根の断熱効果を高める修復

古民家を買った友人が、手始めに屋根裏部屋の天井をリフォームしたのを見学したことがあります。

19世紀半ばに建てられた、普通の大きさの家。光熱費を節約するためにと言って、屋根裏部屋の天井に断熱材を入れていました。

それまでの住人は、床にモコモコの白い断熱材を敷き詰めていました。でも、埃がたまっていて汚いので、それは全部捨てて床をすっきりさせ、天井部分で断熱効果をもたせようとしたわけです。将来は屋根裏を部屋として使うかもしれないので、その準備工事にもなるし、というわけ。

写真があったので、入れてみます。

近所の人たちにも手伝ってもらって、石膏ボードを取り付けています。

そのボードを彼らが「プラ公(そう聞こえた)」と呼んでいたのを覚えているのですが、書きながら、これはPlacoplatreという商品名を訳してplacoと言っていたと発見。

男性が3人でやっと支えられるくらい、大きくて、重いボードでした。

こんなものを斜めになっている天井に張り付けるのですから、無茶だと思ってしまいました。



電動ドリルがなかったら、できない作業でしょうね...。

ちなみに、フランスの家庭では日曜大工が盛んなので、電動ドリルの所有率はとても高いです。とくに古い家の柱は固いので、私などには釘一本さえ打ち込む力はありません!


屋根裏部屋のリフォームをしている動画があったので入れます。

こちらは業者さんが工事しているのかな? 私が見学した屋根裏部屋の天井工事では、いきなり石膏ボードを張っていましが、こちらはシートを張ってから石膏ボードをはめたりして、もっと本格的にやっています。



屋根裏部屋の床には石ころなどが敷き詰められていて、そこに床板を張っています。

屋根が瓦だけなのですから、床で断熱効果を出そうとしたというのは聞いていました。

屋根裏部屋を使おうとしたら、床が土や石ころでいっぱいだったので、それを全部取り除いてから床板を敷いた、という友達がいました。床をきれいにするのは、ものすごく大変な作業だったのだそう。この動画のように、石ころの上に床板を張ってしまっても良いのかな?...

屋根の断熱をよくするために土などをのせてしまう、というのは、日本にもあったようです。
葺き替え工事

土の上に瓦なんかのせないで、植物を生やしてしまえば、いま流行りのグリーン・ルーフになるのに...。


フランスで新しい家を建てるときは?

古い家に住む場合には、屋根裏部屋で断熱材を入れるしかできないでしょうが、新築だったら、始めから入れてしまうのではないかな... 。

というのも、建築中の家を見ていると、瓦の下にシートを張っているように見えるのです。



ちなみに、ここに写っているような屋根窓は、フランス語では「chien-assis」と言います。「お座りした犬」という意味なので、可愛くて気に入っている呼び名。日本語だとドーマー・ウィンドーですか。ちょっと味気ない!

一緒に見た友人が、この板の張り方はブルゴーニュの伝統的な四角い瓦をのせるためのやり方だ、と言っていたので撮影した写真です。

桟木(さんぎ)ないし野地貫(のじぬき)と呼べる板が、横にたくさん張ってあります。

壁は、今流行りの、断熱効果が高いという赤いブロックでできています。だから、これは屋根をふきかえるのではなくて、新築ないし上の部分だけ新しくしている工事だろうと思います。

瓦の下に、マークの入ったシートが見えますよね? 工事中に雨水が家の中に入らないように張っているにしたら、ちょっと懲りすぎでは?...

だから、これは防水シートか断熱シートか分からないけれど、それだろう、と決めつけるわけにもいきません。

アニメでシートを張る様子をみせてくれる動画があったので、確認できました。



この動画を入れた人はスロベニアの人だそうで、ヨーロッパ式の屋根ふきシステムだとタイトルをつけています。フランスに限らず、ヨーロッパではこのやり方なのかな?...

張っているシートは、右のようなものなのかな?...

「屋根用遮熱・透湿・防水シート」と書いてあるのですが、フランスで最も求めるのは寒さを通さないことだと思うのだけれど、そういうことは書いてはいない...。

ともかく、これだと、野地板という板は張っていないけれど、前回の日記(フランスの伝統的な屋根は、簡単な下地づくりだった)でKaoriさんが教えてくださった日本式屋根の下地づくりに近いですよね?


追記:

屋根について書き続けていたら、標高の高い場所の屋根というのが出てきました。

雪も降るし、寒さも厳しいところでは特別なようです。屋根は2重構造になっているのだそうで、断熱シートのようなものも2重です。

Wikipediaに図が出ていました。
☆ Wikipedia: Couverture en altitude
COUVERTURES EN CLIMAT DE MONTAGNE (PDF)

屋根をしっかりしておかなければ、生きるか死ぬかの問題にもなるのでしょうね。

ブルゴーニュだって、寒さが厳しいときには氷点下25度にもなったりするのだけれど、瓦の隙間からスース―風が入りそうな屋根。でも、山岳地方も、こんなタールまで敷き詰めてしまう屋根にするようになったのは最近で、昔はこれほどではなかったのではないかな?...


ところで、フランスではスレート石でも屋根が葺かれます。今まで書いてきたブルゴーニュの伝統的な瓦とはかなり違うので、別の日記にして書くことにします。

続きへ: スレート瓦(アルドワーズ)は釘で打ち付けて設置する


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2012/07/25

シリーズ記事 【わらぶき屋根のアイリスの花を見て】 目次へ
その11


先日の日記「ブルゴーニュの伝統的な瓦を支える板」に、kaoriさんがとても興味深いコメントをくださいました。

そこに入れた写真(右のもの)をご覧になって、屋根の下地が余りにもシンプルなので驚かれたとのこと。

実は、フランスでは屋根裏部屋に上がることが多いのに、日本では見たことがあったのかさえ記憶がありません。

それで、フランスのがシンプルかどうか、などと、考えてみたこともなかったのです。

改めて、屋根裏部屋で天井を見上げた写真を眺めてみました。

上に入れた写真の、上半分の部分、つまり伝統的と私が呼んだ四角い瓦がふいてある部分を大きく入れてみます。



下の動画は、パリのあるイル・ド・フランス地方の屋根ふき業者のPRビデオ。
職人さんならではの手際なのでしょうが、トントンと瓦を並べてしまうので、なんだか簡単そうに見えてしまう!




屋根裏部屋から瓦が見えてしまうのだ...

それも、私がフランスで屋根裏部屋にのぼると面白い、と感じていた理由の一つだったかもしれないと思いました。

kaoriさんが教えてくださったのですが、日本の屋根瓦は、屋根のてっぺんから下に渡す垂木(たるき)の上に瓦をのせるには、次の4つの工程があるのだそうです。

① 下地(一般的には野地板を隙間なく打ちつけます)
② 下葺き(防水性、断熱性に優れた下地材を敷きます。現代ではアスファルトルーフィング等、昔や伝統的な建物では杉皮やこけら板など)
③ 瓦を引っ掛ける桟木(昔は桟木ではなく、葺き土に瓦がのっていた)
④ 瓦

私はブルゴーニュの瓦を例にしていたのですが、ざっと調べたところ、北フランスに多いスレート石の瓦でも、南フランスで多いカマボコ型の瓦でも、下地の部分は同じに見えました。

つまり、垂木の上に横に細い木を渡しただけで、そこに瓦をとりつけてしまうというスタイル。
Kaoriさんは、①と③の工程が1つになっているのがフランス式、と見ていらっしゃいました。

つまり、②の「下葺き」がない。
ただし、次の日記で書くように、最近はフランスでも、瓦の下に防水・断熱の下地材を入れることが多いように感じます。

日本の屋根は、まず野地板を隙間なく張ったりするのが、すごいと思いました。それでは、屋根裏部屋にあがって天井を見上げても、瓦なんか見えないわけなのですね。

Kaoriさんのブログ「さいふうさいブログ」には、手がけた仕事として屋根裏部屋の様子が見える写真があるのではないかと思って探してみました。

でてきました♪ たとえば、こちらの写真

ほんと。瓦なんか見えない!
屋根裏部屋にしておくにはもったいないくらい、天井がきれいなんですね~。
でも、天井が低いから、普通の部屋としては使えないかな...。


日本とフランスの屋根の構造の違い

先日の日記「ブルゴーニュの伝統的な瓦を支える板」で、屋根瓦をひっかける梁を何と呼ぶのか気になったと書きながら調べていたら、訳語がうまく見つかりませんでした。日本とフランスでは、屋根づくりがかなり違うから適当な単語がなかったらしい。

フランス語では、次のような単語が出てきていました。仏和辞典の訳も入れおきます。

liteau: (おもに屋根小舞にもちいる)貫(ぬき)、小幅板、屋根小舞(こまい)
lattis: 小幅板、木摺(きずり)下地
latte: (木舞などとして用いる幅5センチ程度の)小幅板
voligeage: 野地(のじ)板張り、野地


瓦をひっかける棒は「野地」と呼ぶと適当かと思ったのですが、日本では「野地板」という板を屋根に張る習慣があるとしたら、やはり良くないでしょうね...。「野地貫」と呼べば良いかもしれない。

Kaoriさんからいただいた4段階の中で、③の工程にあった「桟木さんぎ)」という言葉が気に入ったので、これを訳語にしてしまおうかと思います。

それにしても、建築関係の用語って、こんなに豊富にあるとは想像もしていませんでした。この分野の通訳をしなければならない場面にぶつからなかったのは幸運でした! こんな単語がゾロゾロ出てきたら、日本語さえ覚えきれないで、泣き出してしまいます。

それでも、幾つか単語を覚えたので、復習のために、Wikipediaにあった図に書きこんでみます。


Charpente de toitureより


日本の屋根の方は、こんな具合。

 
☆ Wikipedia:小屋組部分 より

この2つの図を比べると似てはいます。でも、日本の屋根の方は、瓦をひっかける板の部分は出てきていない。あと3つが上乗せされてから瓦がのるのでした。

日本の屋根がどうなっているのか示すページがでてきました。Kaoriさんのご説明が絵でよく分かりました♪
屋根の構造

日本の木造建築って高いレベルなんだな... と改めて感心しました。

実は、ここのところフランスの屋根について書いていて、考え方を変えたことがあったのです。フランスは石造建築の文化だと思っていたけれど、木造だって大したものではないか。

でも、また前に戻ってしまった。やっぱり、フランスは木造建築の文化じゃないのだ。

思いだしたのは、たまに見る、木で覆われた天井がある教会。見学したときの説明では、いつも、この天井は船職人が作った、というのです。なるほど、船の底を天井に張り付けたような作りなのです。
豪華なのもありますが、シンプルなのだと、こんな感じの天井

それで、なぜ船職人が天井なんかを作るかといえば、普通の大工さんだとそういう天井は作れないからなのだそう。日本の大工さんだったら、教会の天井だって木でつくれると思うけどな...。


トタン屋根をはるには野地板が必要?

フランスの屋根の構造と各部の名称は、Toit et couvertureのページがWikipediaより詳細です。

その中にvoligeという名称があって、これが「野地板」に見えます。トタン屋根にはこの板を張るらしい。

つまり、フランスでトタン屋根にするのは、瓦の屋根より手間がかかるということ?!

実は、フランスではトタン屋根はほとんど見かけないのが気になっていました。たま~に、農家の大きな屋根でこれがある程度。

それを見ると、「なんて見苦しいものを作っているのだ。建築許可なんか出すべきではない!」などと文句を言う友人もいます。トタン屋根はめったに見ないから、よけいに醜く見えるのです。

日本はトタン屋根が多いのですよね..。さびてしまって、本当に醜いのまである。茅葺き屋根の上にのせてしまうのはトタン屋根ではないのかも知れないけれど、あれも美しいとは思えない...。

野地板を張らなければならないからトタン屋根は敬遠するという理由で、フランスにはトタン屋根が少ないのだとしたら、良いことだと思います。そういう理由があるのだとしたら、少ないことが納得できてしまう。

でも、フランスでも、トタン屋根の方が瓦よりはお金がかからないのではないかな?... いつか機会があったら聞いてみようっと。

でも、農家の人に質問するには微妙です。「あなたは安いから納屋をトタン屋根にしたのですか?」なんて、聞けないではないですか?! 「フランスにはトタン屋根がないけれど、この方がゴミが落ちてこなくて清潔で良いですよね?」なんて、白々しく切り出してみる?...


瓦屋根だけだったら、雨漏りしても仕方ないんだ

初めに大きく入れた写真で、左の方に星のようなものが3つあるのが気になりませんでしたか?

写真のシミではなくて、屋根の穴。空から光が入っているのです。

本来なら、瓦を交換しなければいけないのでしょうね。でも、この程度の穴だったら、屋根職人を呼ぶ費用は節約するのが普通だと思います。

写真アルバムで、「瓦」とキーワードを入れている写真を眺めていたら、18世紀からテラコッタの瓦やタイルを作っている工場を見学したときの写真が出てきました。



瓦を作っているところだから、屋根の修復はまめにやっているのだろうと思って眺めたのですが、やっぱり穴が1つ見えました!

考えてみれば、日本の屋根づくりの方が自然かもしれない。いきなり瓦を乗せたら、風雨で痛んで、どこかしらで瓦がかけたり、ずれたりしたところから雨漏りしますよ。

フランスは、日本ほどには雨が降らないので野地板は必要なかったのかな?...


でも、瓦をじかにのせた屋根の下に住んだのは昔の話しであって、最近のフランスでは、屋根裏部屋の天井で瓦むき出しにはしない家の方が多いと思います。

雨漏り対策というより、断熱効果をつけて光熱費を安くするために。

屋根が瓦だけだと、屋根裏部屋は締め切ったままにしておいても、部屋の方の暖房がとられてしまって不経済だからです。集中暖房が一般的ですから、屋根裏部屋が外と同じに寒かったらお金がかかってたまりません。

瓦の下に敷くシートのことを次回の日記で書きます。

続きへ: 現代のフランスで行われる屋根の下地づくり

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2012/07/17
信州に行ったのですが、あいにく曇天。雪をいただく高い山は見ることができませんでしたが、東京の蒸し暑さが身につまされてきたところだったので、息がつけた思いしました。

蓼科高原にとった宿で、雨が降らないときに近くを散歩してみたら、色々な花を見つけました。

まだ山に花が咲くシーズンではないかったらしく、お花畑というほどには咲いていませんでした。でも、どこを旅行しても野生の花を見るのが好きな私は大満足。

子どものころ植物採集をしていて覚えた花に久しぶりに出会いました♪



ホタルブクロですね。
よく似た花はフランスにもあるのですが、これと同じのは咲いていないのです。

フランスで見慣れている雑草と同じのもたくさんありました。でも、違う! ここのは大きくて立派なのです。土が良いのだろうな...。雨もたくさん降るのだろうし...。

下は、珍しいので喜んだオダマキの花。



フランスでも森の道に沿ってどっさりと咲いている花なのですが、フランスで見るのは、少し紫がかった青い花ばかりなのです。この淡~いクリーム色が、何ともいえなく美しいと思いました。

庭で毎年生えてくるオダマキが交配して、色々な形や色になったのを、昨年は日記にしていました。

西洋オダマキは尻軽花だった 2011/05/19



でも、これだけ異なった色ができていながら、黄色いのがないのは寂しいと気がつきました。園芸店ではこういう色のを売っていたように思います。

それで探してみたのですが、同じのは見つからなかった...。
オダマキを楽天市場で検索

それにしても不思議だったのは、このオダマキの淡い色。フランスのアルプスで見た高山植物は、驚くほど鮮やかな色をしているのが印象的だったからです。

日の光をけなげなほどに浴びようと頑張っているのだろうな、と思ったのですが、そうとも限らないのかな?... あるいは、もっと高いところまで登ったところに咲く高山植物がそうなのかな?...

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2012/07/13

シリーズ記事 【わらぶき屋根のアイリスの花を見て】 目次へ
その10


先日、信州に行ったとき、復元した竪穴式住居を見ました。


大庭遺跡

竪穴式住居というのは名前では聞いていましたが、こんな立派な家屋は想像していませんでした。

茅葺き屋根の美しいこと...。
縄文時代に、すでにこんな立派な家を建てられたのですか...。

入口から入って中も見ることができたのですが、座敷(?)には少し降りていくのでした。だから、「たて穴」と呼ぶわけですか。

でも、雨が降ったら、家の中に水が入ってきてしまうだろうと心配になりますよね?

そういう疑問は誰でも持つらしくて、インターネットでは解答が書かれていました。

穴を掘った土で作った土手が家の周りにあるし、屋根は土手の外側に伸びていたので大丈夫らしい。さらに、水抜きの溝も設けられていたようです。

分かりやすく説明してくれているサイトがありました:
☆ 群馬県埋蔵文化財調査事業団: たて穴式住居ってどんな家?

私が見た竪穴式住居には盛り土は見えなかったのですが、遺跡を復興したときにそれをしなかっただけなのかもしれない...。

屋根のお話しはここで終わりにしようと思ったのですが、コメントをいただいて屋根の謎が解けていくのが面白くて、さらにつづけました。

続き: フランスの伝統的な屋根は、簡単な下地づくりだった

情報(外部リンク):
大庭遺跡 (立科町公式サイト)
大庭(おおば)遺跡
大庭遺跡に行ってきました!  ★立科町
竪穴式住居
竪穴式住居のナゾ



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2012/07/12

シリーズ記事 【わらぶき屋根のアイリスの花を見て】 目次へ
その9


茅葺き屋根をふくとき、カヤは草なわけで軽いので、屋根を支える木組みがしっかりしたものでなくても良い、というのが妙に気になりました。

そのことを書いた日記:
エコロジー住宅として見直された茅葺き屋根のメリット  2012/07/09

前々回の日記「石を厚く切り出して使う瓦(ラーヴ、ローズ)」で書いた、やたらに思い瓦もあるわけなのですが、ブルゴーニュ地方で普通に使われている瓦の種類でも、屋根を支える木の違いがあるので面白いと思っていたのです。


ブルゴーニュの民家で使う2種類の瓦

下は、ブルゴーニュ地方にある建築資材店にあった瓦の見本。



黄色い矢印を入れたのが、ブルゴーニュ地方の家屋で伝統的に使われる四角い瓦ではないかと思います。

その右手にあるのが、工場で大量生産される細長い瓦。

上に入れたのが伝統的な四角い瓦かどうか確信が持てないので、屋根にふいてあるところの写真を入れます。


↑ 屋根に生えてしまったコケを落とす作業風景

この瓦は美しいのですが、最近では細長い瓦を使っている家も多いです。お金がかかるのですって。

大量生産される細長い瓦は、安いだけではなくて、それを支える木も経済的にできるからです。

下は、屋根裏を下から見上げたところ。



上半分の部分が、伝統的に使われている小さな瓦。
下半分は、工場で大量生産される瓦。

伝統的な瓦は、細い木にひっかけていくので、かなり細かい木を張らなければなりません。大量生産の方は、支えている木がかなり粗く張っているのが見えるでしょう?

ところで、前回の日記「屋根裏部屋の木組みを何と呼ぶ?」で屋根を支える木の構造は「小屋組」と呼ぶと覚えたので、ここでも屋根瓦を支える木はなんと呼ぶのか知りたくなりました。

小屋の構造で組み合わされている木の名称が出てきていたのですが、この瓦を支える木は「野地板」というのではないかな?...



―屋根の話しの続きへ: 竪穴式住居の茅葺き屋根


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