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2012/08/24
数日前、売りに出された城のことが話題になっている、とブルゴーニュに住む友人がメールで伝えてきました。

シャトー・ド・ラ・ロッシュポChâteau de la Rochepot

ラ・ロシュポ城が売りに出たと聞いて、少なからず驚きました。ゴーニュワインのメッカであるボーヌに来たツーリストが、少し足をのばせば行ける場所にある観光スポットなのです。

観光パンフレットなどでもよく使われている城になっています。「ブルゴーニュの屋根」と呼ばれる、釉薬を塗ったカラフルな屋根の城が丘の上に建っている姿は、写真うつりが良いからでしょう。



この動画では13世紀の城とタイトルを入れていますが、現在みられる城が中世からあった姿というわけではありません。



知らせてきた友人は「買わない?」と言ってきましたが、この城は私の好みのタイプでないことを知っていると思う。どっちみち買えるお金がないけど、この城をタダであげる、と言われても考え込んでしまうな...。維持費がかかりますから。その費用は観光客が入場料くらいでは賄えないはずです。

お城に興味がない観光客だったら、この城を見学して「ブルゴーニュらしい立派な城だな」と喜ぶだろうけれど、私には本物の城ではないのです。「ディズニーランドの城」とまでは言わないけれど...。

歴史はある城です。でも、フランス革命の後に多くの城が共にした運命を、このラ・ロシュポーもたどりました。つまり、建物がバラバラにされて、石材として売られてしまった...。

ほとんど何も残っていなかった廃墟が19世紀に買われ、ネオ・ゴシック様式で城が築かれました。城の内部は20世紀全般に作られた部分もあります。だから、私から見るとニセモノ。遠くから見ると美しいですが、石の切り出し方が現在風で、私には味気ない。

でも、立派な中世の城に見えますよ~。こういう城が好きな方もいらっしゃると思う。19世紀の修復は、こういうのが流行りました。本物より本物らしい雰囲気を持たせてしまう!

売っているのはパリの不動産屋。お気に召した方は、こちらのページをご覧ください。写真も豊富に入っています。価格は書かれていませんが、300万ユーロだろうと言われています。


日本人が由緒ある城を破壊したスキャンダルを思い出してしまう

こういう風に村のシンボルになっている城が売りに出されると、どうなってしまうだろうかと最も心配するのは村人たちかも知れない。

現在のラ・ロシュポ城は個人の不動産で、入場料を払って見学できるのですが、村人たちはいつでも無料で入ることができるという配慮があるのだそう。買った人が自分が住む家として使って一般公開しなくなったら、村人たちは寂しいではないですか。

最も心配されるのは、城を今のまま保存してくれるかどうか、という点。
この城には重大な問題があるのです。

有名な城ではあるのですが、昔に建てられてはいないので、歴史的建造物(日本の国宝のようなもの)には指定されていないのです。リストアップには入っているそうですが。

つまり、買った人は、自分が好きなように改造してしまう権利があるわけです。それが怖い!

前回の日記で、同じくブルゴーニュのコート・ドール県にあるジュブレ・シャンベルタン城が中国人に買われて話題になっていることを書いたのですが、ラ・ロシュポ城も中国人が買うのだろうか?…

ラ・ロシュポー城の派手さは、かなり傷んでしまっているジュブレ・シャンベルタン城より中国人好みではないかとも思うのです。

城を買った人が郷土資産を守ってくれるのだろうか、と心配するフランス人たちの声を聞くと、日本人がおこしたスキャンダルを思い出して言っているのではないかと気が滅入ります。

1984年、バブル景気の走りの時代、ヨーロッパの城を買いまくった日本企業が、その中の1つで、歴史的に価値が高い城「Château de Rosny-sur-Seine」を破壊したという事件です。

城の中にあるものをバラバラにして売り、最後には火事までおきたのでした。こちらのページに、ありし日の美しい姿や、みじめな姿の写真が入っています。

コローが描いた、19世紀半ばの城の姿です。

Jean-Baptiste-Camille Corot - Château de Rosny
Le château de Rosny, par Jean-Baptiste Camille Corot, 1840


城を売値しようとすると、民家として使うには広すぎるし、修復維持にはお金がかかるので、買手がそういません。それで、たいていは実際の価値より安く取引させます。

普通の民家の百倍の大きさがあるとしても、価格が百倍になるということはありません。保存状態の良い城だったら、建物の壁を崩して石材として売ってしまわないにしても、家の中にある暖炉、壁面を覆っている彫刻のある板の壁、壁に取り付けられているアンティークの鏡などを取り外して売ったら、買ったときの値段は簡単に取り戻せてしまうはずです。

日本人が買った城は歴史的建造物に指定されていた城だったので、立派な犯罪となり、大きなニュースとなって騒がれました。

歴史的建造物に指定されていると、持ち主がしっかりと保存しないときには国が売却するように要求する権利があります。この城は1999年にフランス人に買われ、デラックスホテルをつくると聞きました。ごく最近の報告がありましたが、まだホテルは開業していないようです。

日本人がおこした事件をフランス語サイトで検索すると、いまだに多くの記事がヒットしてきました。早く忘れてくれないかな...。

内部リンク:
ヴィオレ・ル・デュクが修復したピエールフォン城 2010/05/12
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ

情報リンク:
【ラ・ロシュポ城について】
オフィシャルサイト
【ラ・ロシュポ城の売却に関するニュース】
La Rochepot : château à vendre!
Château à vendre : tout le village de la Rochepot en émoi
Coup de frein sur le marché des vieilles pierres

【日本人の城スキャンダルについて】
☆ Wikipedia: Château de Rosny-sur-Seine
Ces Japonais promoteurs de chefs-d'oeuvre en péril. La Nippon Sangyoo a acquis des châteaux dans les Yvelines avant de les abandonner.
Travaux et propriété du château de Sully, à Rosny-sur-Seine
バブル、海外資産の買い漁り
☆ Wikipedia: 横井英樹


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カテゴリー: 建築物 | Comment (4) | Top
この記事のURL | Rédiger
2012/08/23
ブルゴーニュの友人から「Tragédie...(悲劇)」という件名を付けたメールが届きました。ドッキとするではないですか。誰か親しい人が事故でなくなったとか、犯罪に巻き込まれたとか…。

そういうのではなかったので安堵しましたが、やはりギクっとすることを伝えてきました。

あの美しいジュブレ・シャンベルタンの城が、2ヘクタールのブドウ畑を付けて中国人に売られてしまったのだそう。


Château de Gevrey-Chambertin

実は、夕方、友人と話していたら、ジュブレ・シャンベルタンのブドウ畑を中国人が買ったというニュースがあったと話していたのです。即座に「お城じゃないでしょう?」と聞いたら、知らないとのこと。

どこか知らない畑が売られたのだろうと思ったのですが、なんとなく不安を感じました。

そして、夜になったら友人から入ってきた城が売却されたというニュース。
まさか...。



ブルゴーニュの好きなお城だった...



壁の厚みを利用したところにあるベンチ。これが、なぜか、とても好きなのです...。

昔の城の半分も残っていないのではありますが、立派な城です。驚いたのは、2層のワインセラーがあること。普通は、地下に入るとセラーがあります。でも、この城では、そこからさらに地下にもぐって、また立派なセラーがあるのです。

ジュブレ・シャンベルタン城には、入場料を払う見学コースもあって、12世紀に建てられたお城の中を案内してもらえました。もちろん、最後はワインの試飲♪

歴史的建造物に指定されている城も素晴らしいのですが、昔ながらの生活を続けている様子が見えるので興味深い見学でした。

特に、城主のお婆さんが、若いころの話しなども交えて案内してくれていたので感動的でした。時には昔の衣装を着たりして、糸紡ぎの実演などもしてくれました。

彼女の体が弱ってからは見学はできなくなりました。でも、学生アルバイトの人が案内してくれるようになったので、また見学に行きました。調べてみたら、2009年のこと。それが最後になってしまったわけです。

何世代も同じ家系で住んでいた城なのに、手放してしまったの...。

お婆さんは最近亡くなったのだそう。最近はドメーヌがうまくいっていないのが伝わっていたそうです。ワインの質が落ちた、と友人は言っていました。

城の売却を伝えるニュースです↓



コート・ド・ニュイのワイン(550ヘクタール)の中でも、ジュブレ・シャンベルタンは人気のある銘柄です。そのシンボルとも言える城が中国人のものになってしまったら、同業者たちがジュブレ・シャンベルタンのイメージが下がるのを心配するのも無理ありません。



ブルゴーニュのワイン地図


法外な売値だった

売られた値段は800万ユーロ。それが高すぎたことも話題になったようです。何人もの専門家が査定した値段は350万ユーロだったので、関係者たちは400万ユーロくらいで売りに出して欲しかったのだそう。

私が城に与える価値からいったら、8億円というのは高すぎるとは思わないけれど...。

城の持ち主は700万ユーロを主張し、結局、800万ユーロで売れたとのこと。中国人は、ともかく手に入れたかったのでしょうね。

農地の取得で登場するSAFER(土地先買権を有する土地整備農村建設会社)も、この売却には手が出なかったのだそう。

これが相場になってしまうと、フランス人はブドウ畑が売りに出たときに買えなくて、みんな外国人に買われてしまうということにもなりかねない...。


ジュブレ・シャンベルタン

日本にはそれほどシャトーのワインは入って来ていなかったと思うのですが、楽天市場で調べてみました。

ありましたけれど、ほとんど売り切れですね。
ジュブレ・シャンベルタンのシャトーのワインを楽天市場で検索

ワインファンが、シャトーが売りに出たという噂が出た段階で買ってしまったのだろうか?...

でも、もともと、それほどたくさんはワインを生産していない規模のドメーヌでした。

下のショップでドメーヌのことを写真入りで説明しています。お婆さんの写真も入っている…。
ジュヴレ・シャンベルタン・“モノポール”クロ・デュ・シャトー[2000]年・蔵出し・ドメーヌ

シャトーのワインは昔ながらの方法でつくられていて、素晴らしく美味しくて、このあたりのワインは高価なのに比べると安いなと思っていたのでした。

残念だな…。

私のワインセラーには、シャトーのワインが3本くらいしか残っていないはず。友人には近くに行く機会があったら、私のためにヴィンテージの古いワインを買っておいてくれるように頼もうと思います。ワインは他のところでも買えるけれど、あの城が好きだったので記念に残しておきたいのです。


消え去っていく昔...

友人たちと冗談で、「どのお城、買う?」などと、買えっこないからこそ言ったりするのですが、私はシャトー・ド・ジュブレ・シャンベルタンを欲しい城の5つのうちには入れていました。

中世の城が好きなことと(半分はなくなってしまっているとはいえ)、美しいブドウ畑に囲まれたところにあるのに、ブルゴーニュの古都ディジョンまで12キロという便利さもあるのです。

シャトーのオフィシャルサイトは、やはり、もうなくなっていました。

少し前にはフランスの不動産はイギリス人に買い占められるという恐怖があったのですが、イギリスの通貨価値が落ちたおかげでブームは静まっていました。今度は、中国人ですか…。

ブルゴーニュと並ぶボルドーの方は、もうすでに30カ所くらいのブドウ畑が中国人によって買われたそうです。今後はブルゴーニュのブドウ畑の買い占めも始まるのかな?...

どこを買っても良いけれど、ジュブレ・シャンベルタンの城だけは手を付けないで欲しかったな…。
今夜はかなりショックです…。

後日の追記:
私にとって気がかりなのは、城の建物がどう維持されるのか。シャトーと一緒に売られた小さなブドウ畑に関しては、良いワインが作られるだろうと、地元でも言われています:
カジノ大物、ルソーとジュブレ・シャンベルタンで栽培契約

その後に行ってみたときの日記:
ジュヴレ・シャンベルタン城はどうなった? 2012/10/04


  ☆ ブルゴーニュワイン地図

ブログ内リンク:
[ジュブレ・シャンベルタン城について]
ブルゴーニュのブドウ畑: (4) ジュヴレ・シャンベルタン 2008/09/14
ヴェロネーゼが壁画を描いたヴィラ・バルバロ 2011/12/17
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ

[ジュブレ・シャンベルタン/シャルム・シャンベルタンについて]
ジュヴレ・シャンベルタンのブドウ畑を散歩 2006/04/17
 ⇒ 恐ろしく贅沢なワインづくりに驚く! 2006/04/21
「日曜日は田舎で」をするのに適した美しいベーズ村 2010/06/28
コート・ド・ニュイのブドウ収穫を見学 2007/09/07

★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
助けて、イギリス人たちに侵略される! 2008/03/20

情報リンク:
Un Chinois rachète le château de Gevrey-Chambertin et ses vignes pour 8 millions d'euros
Château de Gevrey-Chambertin vendu à un Chinois: la Safer n'avait pas réussi à préempter
A Gevrey-Chambertin, la grande crainte sur la folie du prix de la vigne
フランスにおけるSAFERの機能・役割の再編と拡張
障壁:SAFERをお忘れなく


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2012/08/19


今年は珍しく日本で夏を過ごしています。

フランスの寒さに体が馴染んでしまているせいか、蒸し暑さが耐えきれません。冷房がない状態では、頭の中にある血液が沸騰しているのではないかと本気で考えてしまいます!

私が暑くてたまらないと嘆くと、フランスの友人からは「寒くてたまらない」という返事が返ってきていました。夏に入ってしばらくたっても、異常な寒さだったようです。


寒い夏から、突然の猛暑?

今月の半ばからは、フランスは猛暑になったと騒いでいます。「今日は最高気温が40度だった」などと言うブルゴーニュの友人もいました。

8月15日を過ぎると、ブルゴーニュでは秋風が吹き始めるという感じになります。夏は終りだ… と寂しくなる時期なのに、今年はその時期から猛暑になったらしい。

東京では35度を越すと猛暑と言っていますが、ブルゴーニュで35度というのは、そう耐えがたい暑さではありません。コンクリート造りの家はだめですが、伝統的な石づくりの家の中は、まるで冷房が入っているようにひんやりしているからです。

とは言っても、30度を超す天気が1週間くらい続くと、さすがに石壁も暑くなってきます。それでも、夜になれば涼しい。地下のワインセラーに涼みに行けば、夏服のままでは震えあがってしまうほど寒いです。

ブルゴーニュの猛暑といっても、せいぜい2週間くらいのこと。それを耐えれば良いだけなのですが、東京の厚さはすごい...。人類が生き延びることができない気候だと思ってしまいます。

ところで、フランスが寒かったころ、ブルゴーニュの友人たちの便りでは、こんなに太陽がないと、2012年のワインは美味しくないだろうな、と言っていました。

春から天気が悪く、雹も降ったりしていたので、こういう年に良いワインができるはずはないと思っていました。でも、猛暑がきたことによって変わるのだろうか?...

2012年のブルゴーニュワインがどうなるかを、誰かが書いているはずだと思って探してみました。

http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20120810-OYT8T00698.htm
2012年ブルゴーニュ、再び難しいヴィンテージか :
ワインニュース : ドリンク&ワイン : グルメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


フランス語サイトでも大した情報が見つからなかったのですが、今年は収穫量が少ないというのは確かなようです。ブドウ収穫は9月下旬らしい。

調べていたら、関係ないことに興味をそそられて、今年のワインがどうなるかという予測を探すのは中断してしまいました。


ブルゴーニュワインを偽って売っていたネゴシアンがいた

ブルゴーニュワインに関する最近の記事を探そうとフランスの検索サイトでキーワードを入れてみたら、ど~っと、ブルゴーニュワインの詐欺事件に関する記事が並んでしまいました。

ラブレ・ロワ(Labouré-Roi)というネゴシアンが、偽ったラベルを付けたり、他のワインを混ぜ込んだワインを販売していたのだそう。

なんだか出来過ぎた名前の会社ですね…。そういう名前になったのは、Labouré(耕された)という名の人と、Roi(王様)という名の人が立ち上げた会社だからという単純な理由だそうですけど。

私は知らなかったのですが、今年の6月にかなり騒がれたニュースのよう。日本でも報道されていました。

http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20120618-OYT8T00369.htm
ブルゴーニュ「ラブレ・ロワ」、不正ワイン疑惑で捜査 : ワインニュース
ドリンク&ワイン : グルメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


ブルゴーニュワイン・ファンは、畑が違うブドウ畑で作ったワインを良しとし、混ぜて作ってしまうネゴシアンのワインを嫌います。それで私も、ネゴシアンのワインは買わないし、ワインを醸造しているところで買いつけをします。

でも、日本に帰ったときは、そんなことは言っていられない! 不正をしたというネゴシアンの名前くらいは覚えておかないと… と、ニュースを読んでみました。

詳しく、フランスでの報道に忠実な記事:
ブルゴーニュの老舗ネゴシアン、不正疑惑で捜査


日本市場ではまだ売られている

ラブレ・ロワ(Labouré-Roi)社は、商品の8割を外国に輸出しているのだそう(世界30カ国以上)。としたら、当然、日本も良いお客さんなのではないですか?

案の定、検索したらたくさん出てきました。
ラブレ・ロワのワインを楽天市場で検索

ラブレ・ロワ社は1832年に創設され、ネゴシアンとしては最大10社に入ってる大手大手なのだそう。

5本の指に入るという表現ではないので、誰でも知っているというほどのネゴシアンではないのかな?...

年間に1,000万本のワインを販売し、年商3,500万ユーロ。

欲張らないで地道に商売していれば良かったのに…。

ブルゴーニュワインのイメージを落とした、と地元業界は嘆いたようです。

私などは、だからネゴシアンのワインはなんだか分からないから嫌いなんだ、という思いを強くしました。ネゴシアンだって誠実に仕事をしているところはあるわけですから、こういう事件が起きると本当に迷惑でしょうね...。




過去にまで遡って温度が分かるサイトを発見

ところで、不在にしていた時期のブルゴーニュの天気を調べていたら、昨年にまで遡って最低温度と最高気温が分かるAccuWeather.comという天気予報サイトがあるのを発見しました。フランス語ページに出会ったのですが、設定を変えると日本語でも表示されるという優れモノ。

たとえば、ブルゴーニュのディジョンの天気は、こちら。 

ブログ内の関連記事:
★ 目次: 今年のミレジムは? (ブルゴーニュ・ワイン)
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
ラブレ・ロワ(Labouré-Roi)社ホームページ(日本語)
Fraude massive aux vins de Bourgogne : un "système organisé" selon la justice
Toute l'actualité sur Vendanges 2012
Vendanges 2012: Recrutement et généralités
Le ban de vendanges - définition - cas de jurisprudence en Angoumois
Cépages, appellations, gardes-vignes et bans de vendanges : le législateur dans les vignes
La température a augmenté en Bourgogne et en Côte-d’Or en 40 ans


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2012/08/16

シリーズ記事 【月島の寿司屋で教えてもらったこと】 目次へ
その11   軟水・硬水 (6)


お寿司屋さんにフランスは硬水の国だと言われたので調べてみています。

一度だけ、フランスなのに、びっくりするくらい優しい水に出会ったことがありました。フランス中部のオーヴェルニュ地方。昔は火山があったという地域です。

人里離れたところにある城のB&B民宿でした。庭からの眺めは見渡す限り森という風景だったのですが、夜になると、遥か、はるか、かなたに町の光が見えました。

この家では井戸水を使っていたのですが、水が柔らかい。顔を洗った後には化粧水などつける必要もないと感じました。その話しを日本の物知りの方に話したら、それは軟水だからだと言われました。

とすると、フランスにも立派な軟水が出る地域があるのは確か。


フランス地図で軟水か硬水かを見る

前回の日記「硬水、軟水、淡水の違いは?」で書いたように、Wikipediaにはフランスの地域別に硬水度が示された地図があるのを見つけました。拡大地図は、こちらです

県別に示されています。緑が最も硬水度が低くて、赤で塗られている県は極端な軟水。

山がある地域は水が良いと思っていたのですが、アルプス山脈があるあたりは軟水というわけでもないのが意外でした。

私のところは黄色なので、まあまあ軟水。あれで強い硬水ではないというわけ?! すごい硬水度の高い県もある(赤色の県)。お気の毒...。

色別に見ればわかるようになっているのですが、変な数値が書いてあります。

まず、フランスの単位を確認。フランスでは°fHという単位を使うのだそう。
1°fH = 10ppm

この地図で、硬度が一番低いことを表す緑色は「150ppm以下」となっていました。「前回の日記(硬水、軟水、淡水の違いは?)に書いた分類によれば、120~180ppmが「やや硬水」。

ということは、フランスで最も硬水度が低いという「150ppm以下」の分類は、「軟水」と「やや硬水」を一緒にしているわけですね。軟水の地域が少ないので、そうなったのでしょうね。

ちなみに、私が柔らかい水だと驚いたオーヴェルニュ地方は、この地図では緑色になっていました。


フランスで軟水を買いたいときは、どのメーカーを選べば良いのか?

フランスでペットボトルに入った水を買うとき、軟水か硬水かというのは、ラベルをよく見て判断しかないように思います。選ぶ基準は「eau minérale(ミネラルウオーター)」か「eau de source(湧水)」かではないでしょうか?

市販されている水で、ミネラル分によって分類しているがメーカー別の比較表が見つかりました。コーヒーを入れるには、ミネラル分が少ない水の方が良いということで比較しています。


Notes sur l'eau : ETUDE COMPARATIVE DES EAUX EN BOUTEILLE COMMERCIALISEES


ここに出ている市販の水は、カルシウム含有量の低い順に並んでいます。このフランスの表では、カルシウムの含有量を1リットルあたりのmgで示しています。日本の基準では単位がppmなのですが、mgとppmはほぼ同じらしい。

濃度の「単位」について -水の場合、大気の場合-


日本の基準では、炭酸カルシウムの含有量が1リットルにつき120ppm以下が軟水とされていました。前回の日記「硬水、軟水、淡水の違いは?」に入れた日本の基準は、これ:
・きわめて軟水: 0~40ppm
・軟水:40~80ppm
・やや軟水:80~120ppm
・やや硬水:120~180ppm
・硬水:180~300ppm
・きわめて硬水:   300ppm以上

本当かなと頭が混乱してくるのですが、このフランスの表では、「きわめて軟水」に入るミネラルウオーターが5つもあるのです。信じられない...。

でも、最後に入っているContrex(コントレックス)が飛びぬけて高い数値(486 mg/L)になっているのを除くと、すべて「きわめて軟水」と「軟水」に分類される数値の商品が選ばれています。

ここに並んでいる10の商品のうち、私がよく知っているのは、第4位のVolvic(11.5 mg/L)、第8位のCristalline(63 mg/L)、第9位のEvian(78 mg/L)くらいです。つまり、簡単に手に入るミネラルウオーター。

1位と2位は「montagne(山)」と付いていますね。

最も含有量が少ないのは1番上に書いてある「Eau de source de Montagne du Montcalm」。コーヒー用に水を買っているので、これを試してみたいな。 ピレネー山脈の水だそうです。



優しい水というのは「eau de source(湧水)」だと思っていました。対照表でも、上にリンクした説明のページでも「eau de source(湧水)」と書いてあります。

ところが、写真を入れて書いてあることを見て、メーカーのサイトでも確認したら、この水はヨーロッパで最もミネラル分が少ない「eau minérale(ミネラルウオーター)」だと書いてある。

では、「eau de source(湧水)」と「eau minérale(ミネラルウオーター)」の違いは何なのだろう? 気になってきたのですが、そこまで調べていると大変なので今回は放棄します。

ところで、私が優しい水だと驚いたのはオーヴェルニュ地方だったのですが、そこの山の水は第2位になっていました。

お寿司屋さんが生魚は軟水で洗わないと味が落ちると言っていたのですが、まさか、こんな水を手に入れて使うなんて贅沢もできない...。


フランスで最も硬水度が高い水は?

上の表では、Contrexコントレックス)の硬度が飛びぬけていました。

1リットルあたりのカルシウムは、最低の水は3mgなのに、コントレックスは486mg。

すさまじいではないですか?!

そういえば、フランスで赤ちゃんに飲ませてはいけないという水は、これだったですよね?

日本は軟水の国なのに、こんな水が売れるのだろうかと調べてみたら、たくさん売っていました。

コントレックスを楽天市場で検索

しかも、日本では人気があるミネラルウオーターらしい...。



私などは、胃の中が錆びてしまいそうで、飲むのは怖いですけど...。

どんな人が飲むのかと思ったら、ネットショップに書いてありました。

ダイエットすると不足になりがちなカルシウムやマグネシウムを補える水なのですって。水なんかを飲みながらダイエットしないで、食事しましょうよ~!

あるいは、日本の水は軟水なので、こんな風に癖がある水が気に入る人が多いのかな?...


ところで、フランスで最も多く飲まれているミネラルウオーターはEvianエヴィアン)なのだそうです。

エヴィアン(エビアン)を楽天市場で検索

私も外出先でペットボトルの水を買うときには、いつもエヴィアンを選んでいるな...。

エヴィアンは、先ほどの比較表では軟水度が第9位になっていました。私は、そんなにお腹に優しいとは思わないのですけれど、どこでも売っているので買うのだろうと思います。


水って、栄養をとるために飲むものなの?...

だいぶ前のフランスでは、1日に水を最低1リットル飲むようにと、盛んに言われました。

最近では、水を飲みすぎると、かえって体に悪いという学説も出たと聞きましたが、今でも言っているような...。

飲んだ方が良いと言われるわけでもないと思いますが、延々と続く食事会の席などでは、みんなペットボトルをあけていくので、感心して眺めています。



追記(2015年6月):

この記事を書きながらフランスで最も軟水度の高い水を見つけたのですが、そのMontcalmという名前の水を売っているのに出会ったことがありません。

家にいるときはアルコール度の低いブルゴーニュ白ワインを水代わりに飲んでいるので問題はないのですが、旅行しているときに喉が渇くと非常に困るのです。特にフランスで暑い夏に気温が上がると、脱水症状になりそなくらいに乾燥しているので、この問題は深刻です。きたない話しですが、フランスで水を飲むとすぐに下痢をしてしまうので、そういう症状に旅行中になるというのは余計に不都合...。

こういう問題がない方には笑ってしまうことでしょうけれど、私には深刻な問題だったのです...。フランスで水は飲まないことにしているので、試してみるわけにもいかなかったので発見が遅れました!

これは大丈夫らしい、というミネラルウオーターを、やっと! 見つけました。

どこでも売っているので探し回る必要がない「ボルヴィック(Volvic)」です。

旅行していてここの天然水は柔らかいと感じたオーヴェルニュ地方の水でした。休火山がある地域です。日本に近い水になるのかな?...

なぜ大丈夫だったのかと思ってボルビックのボトルの裏に書いてある説明を読むと、赤ちゃん向けというようなことが書いてありました。

はぁ、なるほど...。赤ちゃんも消化できると歌っている水を飲めば、硬水を受け付けない私の体でも大丈夫なわけですね。発見です♪

私と同じ問題を抱えた方がフランスをご旅行なさるときは、水にご注意くださいね。市販されているミネラルウオーターは水道水より良いのでしょうけれど、消化できない水が多いののです。




内部リンク:
☆ 目次: 軟水と硬水について書いている、このシリーズ記事
☆ 目次: 飲料水について書いた記事

外部リンク:
Notes sur l'eau : ETUDE COMPARATIVE DES EAUX EN BOUTEILLE COMMERCIALISEES
Qui sont les champions... de l'eau


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2012/08/15

シリーズ記事 【月島の寿司屋で教えてもらったこと】 目次へ
その10   軟水・硬水 (5)


この夏は、偶然にも、硬水と軟水の違いについて話しを2回聞いたことになりました。

それまで気にしていなかった私なのですが、確かに、お茶やコーヒーの味は水の質に大きく左右されるとは感じていました。

気になっているのは、イタリアで飲むコーヒーがおいしいこと。

イタリアで豆を買ってきてフランスで飲んだことがあったのですが、全くイタリアのコーヒーにならない。

私のエスプレッソ・コーヒーメーカーはイタリア製なのに!

あれは、水の違いなのか、家庭用の小さなコーヒーメーカーだからいけないのか?...

理由が分かっていません。

昔のことですが、京都では、どの喫茶店で飲んでも、コーヒーがやたらに美味しいと感じたことがありました。

水道水の質が良いというのが理由だったのだろうと思っていました。でも、今回の原発問題で、京都の水は琵琶湖から来ると聞いたので、東京と比べてそんなに質が良いはずもないので分からなくなりました。

世の中には、私が知らないことが多すぎる...。


硬水と軟水の違いは何なの?

フランス人があっと驚くお刺身をつくれるようになりたいと思っていました。ところが、日本のお寿司屋さんから、フランスで水道の水で魚を洗ったら、それだけで質が落ちてしまうと言われたのはショックでした。

包丁さばきだけではなくて、水の問題をなんとかしなければいけないんだ...。

贅沢にも、買った「湧水の水(eau de source)」を使って刺身を使ってみようかな?... でも、それでもフランスでは硬水なんじゃないだろうか?...

まず、水の硬度が何なのか知らないので、調べてみる。
水の硬度について
もっと水のことを知る、軟水と硬水について

水の硬度は、水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量によって分類されらしい。

炭酸カルシウムの含有量が1リットルにつき120ppm以下が軟水とされるのだそう。
これが、日本の基準:
・きわめて軟水: 0~40ppm
・軟水:40~80ppm
・やや軟水:80~120ppm
・やや硬水:120~180ppm
・硬水:180~300ppm
・きわめて硬水:   300ppm以上



フランスは硬水の国かと調べてみたら、新発見!

フランス語で、軟水eau douce硬水eau dure

douce/douxは「優しい」で、dur/dureは「かたい、きつい」だから、単語を覚えていなくたって、聞けば硬水か軟水かは想像できます。

でも、「eau douce」は「軟水」には置き換えられないのだ、と気がつきました。和仏辞書をひくと、上に書いた単語が出てくるのですけど、逆にはできない...。

フランス語Wikipediaで「eau douce」を検索してみたら、ページができていました。
☆ Wikipédia: Eau douce

このページの右上に世界地図がありますが、これは1年間に1人当たり、どのくらいの量のeau douceがあるかを段階の色分けで表したものです。

お寿司屋さんは、軟水の国にしか生魚を食べる習慣がないと言っていたので、それを確認できる?♪ 喜んで眺めてみました(地図を拡大すると、これ)。

あれ、あれっ~!

色が濃いのがeau douceの水量が多い国なわけなのですが、日本は薄い水色ではないですか! フランスと同じ色いに見えます。

変ですよ~...。

このEau douceのページから日本語ページを開いてみると...
なんと、「淡水」と題されたページが開きました。

それなら、さっきの世界地図は理解できます!

軟水か硬水かを示す地図ではなくて、淡水の量を示しただけの地図だったわけだ...。黄色いのは水量が少ない国を示していて、つまりは砂漠がある地域。

「淡水」という単語もあったっけ、と思い出す。Wikipediaはデタラメばかり書いてあると馬鹿にしていたのだけれど、辞書より役に立つときもあるのですね...。

淡水は、フランス語ではeau douce。川魚だと示すときにも使います。

つまり、eau douceには、軟水と淡水の意味があるのでした。

私は、淡水といえば軟水だと思っていたような気もしてきました。実際、そうなんじゃないのかな?... Wikipediaの「軟水」を読んでみたら、日本の水道水は軟水で、ただし沖縄、関東と福岡県の一部はそうではないらしい。


フランス人は、軟水か硬水かにこだわらないのかな?...

フランス語のeau douceに軟水と淡水の意味があるとしたら、軟水か硬水かを分類する場合以外では区別できないことになりませんか?

Wikipediaで「硬水」を開いて、そこからフランス語ページを開かせてみました。

すると、開いたのは、「水の硬度」と題されたページ:
☆ Wikipédia: Dureté de l'eau

フランス人が水を買うときには、それほど軟水か硬水かというのは気にしていないのではないかな...。
日本の場合は? と、楽天市場でどのように水を売っているかを調べてみたら、ちゃんと軟水、中硬水、硬水の分類から選べるようになっていました。

世界を軟水と硬水で区分する地図を見つけることはできなかったのですが、Wikipediaの「水の硬度」のページに入っているフランス地図のおかげで、フランスの中でどこが軟水の多い地域なのかというのを特定することができました。

フランスでも、いちおうは軟水があるのです。旅行したときに水がやたらに柔らかいと感じた地方がありました。Wikipediaに入っている地図と一致しているのかを調べてみました。

続きへ: フランスで買える軟水を探してみる


内部リンク:
☆ 目次: 軟水と硬水について書いている、このシリーズ記事
☆ 目次: 飲料水について書いた記事
イタリア人はコーヒー文化を守って欲しい... 2011/12/13




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2012/08/14

シリーズ記事 【月島の寿司屋で教えてもらったこと】 目次へ
その9   軟水・硬水 (4)


信州で水道水がおいしいのに驚き、東京の水道水の質が悪いのを改めて感じたのですが、フランスは、さらに酷いのかも知れない…。

東京のお寿司屋さんから、フランスの水は硬水だから、刺身などを作れる水ではないと言われたのでした。フランスの水は日本より悪いとは感じてはいました。でも、私は軟水と硬水の違いというのを考えたことがなくて、ただ、フランスの水は良くないな… と思っていたのです。

何をもってそう思うかという理由をあげてみますね。

● たいていの人は、買った飲料水を飲んでいる。

● 風呂に水をはっただけで入いると、肌が突っ張ってしまう。
日本から持っていった入浴剤を入れるか、バスジェルでブクブクの泡をたてています。

● 紅茶を入れるために鍋に水を入れて湯を沸かすと(フランスではヤカンが姿を消しているし、湯沸かしポットも最近になって登場した程度なので鍋を使う)、水の質が特に悪い町だと、表面に薄い膜ができる。

● スチームアイロンに水道水を入れたら穴がつまってしまうので、それ専用の水を買う。


スチームアイロンに水道水を入れてはいけない!

そんなのって、酷いでしょう?!

スチームアイロンに入れるための水として「Eau déminéralisée」というのをスーパーなどで売っています。

だいぶ前、フランスに住んでいる日本人のブログで、欠陥品のスチームアイロンを買ってしまった、というエピソードが書いてありました。買ったばかりなのに、穴がつまってスチームが出なくなってしまったのだそう。

「ひょっとして水道水を入れて使っていたのでは?」と、コメントを入れてしまいました。だって、日本人は、スチームアイロン用に水道水を入れてはいけない、なんて思いつかないではないですか? 買い替えて、また水道水を入れていたら、またアイロンが使えなくなってしまうので気の毒です。

案の定、そうだったのでした。「さっそくスーパーで水を買いました」と、返事のコメントが入っていました。おせっかいな書き込みをしてしまったのだけれど、感謝されたのでほっとしました。


こんなこともありました。

何年か前、アイロンを買い替えるとき、普通の水道水を入れて大丈夫、と書いてあるので迷わず買って喜んだのです。

ところが、パッケージをあけてみると、「念のためにテストしてください」と、リトマス試験紙のようなのが入っていました。

水道水をつけて色が変わったらダメ、というテスト。

やっぱり…。
私の水は不合格。

以前と同じようにアイロン用の水を買い続けるはめになりました。

アイロンのメーカーをよく見るとスイス製でした。スイスは山が多いから水の質も良くて、そういう基準で水道水でも大丈夫、と歌ってしまったのではないかな?…


思えば、スチームアイロンに入れられないような水を飲んでしまうなんて、無茶かもしれない…。私は、たまには水道水をそのまま飲んでしまっていますが…。


私は、フランスの水がそんななのは石灰質が多いからで、それがフランスの水の欠点だと思っていました。

でも、信州でも軟水と硬水の話しがでて、お寿司屋さんでも同じ話題になったのでした。

フランスでも、1回だけ、家庭で使っていた水が驚くほど質が良いと感じたことがありました。あれは軟水だったのだろうか?

それを調べて次回の日記にします。

続きへ: 硬水、軟水、淡水の違いは?




内部リンク:
☆ 目次: 飲料水について書いた記事

情報リンク:
[アイロン用の水について]
Les eaux déminéralisées pour fers à repasser
Eau déminéralisée fer à repasser
Nos conseils pour utiliser Fer a repasser


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2012/08/13

シリーズ記事 【月島の寿司屋で教えてもらったこと】 目次へ
その8   軟水・硬水 (3)


先月行った信州では、美味しいお料理もたくさん味わったのですが、お水がおいしいのに驚きました。

お寿司屋さんで、フランスの水は硬水だから、切り身の魚を洗ったら質が落ちてしまうと言われた話しを書いたのですが、信州の水道水がおいしいと感じたのはその前でした。


こんなに美味しい水道水があるとは...

日本の田舎に行って湧水がおいしいのは経験しているのですが、単なる水道の水がおいしいと感じたことはなかったような気がします。

旅先で持っていたお茶のペットボトルが空になったので、ホテルで水を入れて東京に持ち帰りました。冷蔵庫に入れて冷やしたものを飲んでみると、おいしいこと、おいしいこと!

世の中には、こんなに美味しい水道水を飲める人がいるのだ...。羨ましい限りです。しかも、お料理に使えるのだから...。

旅先で飲んだ蓼科の水道水は、湧水を処理したものなのだそう。そうか...。東京の水なんて、貯水槽にたまった汚い水なのだろうな...。


東京の水の質は落ちたのでは?

日本では水道の蛇口に簡単な浄化装置をつけるのですが、そんなの気休めくらいなのでしょうね。

今回帰国して、しばらくした頃、お腹を壊しただけではなくて、胃がどうしようもなく痛くなってきたのでした。

変に痛いので、ガンなのではないかなどと考える。私もついに終わりか...。でも、いちおう胃が痛くなった原因を考えてみました。

暑いので、むぎ茶を作ってたくさん飲んでいたのがいけなかったのではないか? 面倒なので、水出しのを作っていたのです。

もともと水にはアレルギーがあるので、生水が良いはずはなかったはず。さっそく、ティーパックのむぎ茶はお湯で作ることにしました。

すると、あっさり、胃が痛いのは消えてしまったのでした!

東京の水は質が悪くなったのではないかと疑いました。でも、インターネットで調べた限り、そんなことは誰も言っていません。かえって、良くなったという記事もありました。


こうなったら、水を買って飲まなければいけないのかな?...

「超軟水」という文字に惹かれたのですが、これ、おいしいのだろうか?

私は、あの水道水で良いのだけどな...。


それにしても、不思議なのは、山が多くて水がおいしい日本なのに、フランスからミネラルウオーターを輸入していること。

でも、なぜかフランスで買う値段に比べて、それほど高くはなっていないような...。


続きへ: フランスの水って、酷いのでは?…




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☆ 目次: 飲料水について書いた記事

情報リンク:
「水道水はおいしい」というのは、どこに住んでいる人?



2012/08/11

シリーズ記事 【月島の寿司屋で教えてもらったこと】 目次へ
その7   軟水・硬水 (2)


前回の日記「フランスで美味しく生魚を食べられるはずはない?!」で、お寿司屋さんからフランスは硬水だから、おいしい刺身ができるはずはないと言われてしまいました。

水くらいで魚の味が変わるのだろうか?...

でも、何年も前から不思議に思っていたことがあったので、それも水に関係しているのかと思いつき、質問をぶつけてみました。


フランスで貝の砂抜きに失敗していた

フランスでも、たまにアサリらしき貝が手に入ります。

イタリアではボンゴレのスパゲッティーがあるので採れやすい貝なのかもしれませんが、フランスではちょっと珍しい貝。

おまけに、やたらに高い!

売っているのを見て「これはアサリだ」と買うわけなのですが、札にはpalourdeと書いてあったかな? 辞書をひくと、palourdeはハマグリだと出てくるのだけれど。

めったにお目にかからないとなると、見たときには買いたくなる。

フランスの魚屋さんは、アサリの砂抜きをしてから売ってはいないだろうと思っています。洗うと、砂がたくさん落ちてくるので。

初めて買ったころには、薄い塩水にひたしました。フランスの友達に、「貝を買ったときには、砂抜きをするのよ」と 、知ったかぶりで言ったりして。

ところが、塩水につけたアサリは、みんな、あっさりと死んでしまったのでした!

貝の砂抜きなんて、潮干狩りをした子どものときに覚えたことなので、覚えているのは、水は海水より薄い塩分の水につける、ということくらいでした。それで、2度目には注意してやってみたのですが、また死んでしまった...。

書きながら調べてみたら、私は少し長くつけすぎたかもしれません。1時間~3時間くらいで良いらしいです。3時間でも死んでしまったような気もするけれど...。

フランスの魚屋さんで聞いてみると、塩抜きという方法があるのは知っていましたが、普通のフランス人はそんなことはしないようでした。魚屋さんは、買ったら冷蔵庫に入れておくのが一番良いのだ、と教えてくれました。

それでも、私は塩抜きをしたい。方法が間違っているのではないかと思いました。

帰国して海沿いの地方に行ったとき、地元の人にどうやっているのか聞いてみました。

そうしたら、海水をとって、それで砂抜きしているとの返事。私は、東京でアサリを買っても、海水を汲み行けるような環境にはありません。まして、フランスでは...。

それで、2回か3回砂抜きに失敗したあとは、洗っただけで食べることにしました。だって、死なせてしまったら、もったいなくて仕方ないので。


貝を硬水につけたら死んでしまう?!

それにしても、私が塩抜きしたアサリの死に方は、かなり異常でした...。

子どものころ、潮干狩りでたくさん貝をとりすぎて、食べきれないので何日もバケツに入れておいたら腐ったのと同じ感じだったのです。

フランスでは貴重なアサリ。朝市で買って、夕方に食べるつもりだったのですから、死んだばかりのわけです。なので、食べてしまおうかと思いました。

ところが、臭くて、とても食べる気にはなりませんでした。

それで、今回行ったお寿司屋さんに話してみたのでした。

「硬水に貝をつけておいたら死んじゃいますよ~!」
笑われてしまいました。

しかも、ただの死に方ではなくて、臭くなるのも当然だ、とまでおっしゃる。 実験したことがあるのかな?...

ともかく、フランスの水道水で洗った魚を刺身にすると味がどの程度落ちるのかは分からないのですが、貝の方は硬水がいけなかったのだろうと思いました。だって、あんなにあっさり貝が死んでしまうのは尋常ではありません!

硬水がいけないか...。

フランス人があっと驚くお刺身をつくれるようになりたいと思っているのですが、包丁さばきではなくて、水の問題をなんとかしなければいけないんだ...。


フランス人の貝の扱い方

書きながら思い当たることがありました。

前回書いた日記「フランスでは生ウニをどう剥くのか?」の最後に入れた動画で、フランスの魚屋さんがウニを剥いていたのですが、開いたウニを洗ったりしないで、そのまま食べろと言っていたのでした。

もしかしたら、洗ったりしたら風味が落ちるのが、魚屋さんには分かっていたからなのではないか?...

さらに、ウニの話しで、コルシカ島の漁師が、とったウニを剥いて、海水で洗って食べていた動画もありました。それが美味しそうだった...。

ところで、フランスで食べるシーフードの盛り合わせには、貝も入っています。Amande de merという貝が好きなのですが、これを食べるときも、貝を開いてそのまま食べてしまいますね。

さらに、殻つきのカキも同じ!

去年書いた日記「牡蠣の殻のむき方: 日仏比較」にシェフがカキを剥いている動画を入れていたので、もう一度見てみました。

剥き終わったら、汁を流しておくと、貝から汁が出てきて、それが美味しいのだと言っています。つまり、洗ったりしていない。思い出せば、フランス北部の牡蠣の産地出身の友人が、開けてから水で洗ったら味が落ちるから、殻の中の汁を捨てて、2番汁が出るのを待て、と言っていたっけ。

つまり、フランス人たちも、貝などが硬水に弱いのを知っているのではないかな?...


実は、日本で過ごしているこの夏、水が気になる出来事がありました。軟水と硬水の話しを続けます。

続きへ: 水道水が美味しいなんて、なんという幸せ…




情報リンク:
あさり貝の砂抜き方法&保存方法


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2012/08/10

シリーズ記事 【月島の寿司屋で教えてもらったこと】 目次へ
その6   軟水・硬水 (1)


寿司屋さんのカウンターでご主人とおしゃべりしていて、今まで疑問だった謎が幾つかとけました。

お仕事がら、当然といえば当然なのでしょうが、魚介類のことにお詳しい!

聞いた話しの中で、一番ショッキングだったのは、フランスでつくる刺身のことでした。

フランスは日本食ブームだという話しをしたら、フランスで美味しい寿司や刺身を食べられるはずがない、と言われたのです。


フランスは硬水だからいけない!

世界で生魚を食べる文化が発達するのは、軟水の国と決まっているのだそうです。
つまり、日本のような国。

フランスなんかは硬水なので、ダメなのだそう。
なぜかというと、魚を硬水で洗うと味が落ちてしまうから、とのこと。
 
非常にがっかりさせられる発言でした。だって、最近のフランスは大変な日本食ブームなので、私もフランス人たちからせがまれて、お刺身などをつくっているのです。


★ この写真を入れた日記: 今日つくったお刺身 2010/05/29

食べ物にはうるさいフランス人たちですが、私の刺身はとても喜ばれているのです。でも、彼らは生魚の微妙な味の違いなんて分からないはずだものな...。

でも、私がフランスでお刺身を食べてもおいしいのがあるけどな...。

そう反発したくなったのですが、なるほど~! と驚く指摘が、お寿司屋さんからありました。

続きへ: フランスでは貝の砂抜きをしてはいけない?


ブログ内の関連記事:
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
★ カテゴリ: フランスで作る和食


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2012/08/09

シリーズ記事 【月島の寿司屋で教えてもらったこと】 目次へ
その5   うに (3)


フランスで売っているウニは、殻がついた形です。
保存食にしたものもあるようですが、食べたことがないので味が良いのかどうかは分かりません。

魚屋さんで売られているの生のウニを、たまには買ってみることがあります。

でも、日本で殻付きのウニなど買ったことがないので、どうやってあけるのか分かりません。

それでも、なんとかウニをさばくことができます。意外にもウニの殻はまったく固くないので、料理用ハサミの先で穴を入れるとチョキチョキと切れてしまうのです。

ここのところウニのことを調べてきたので、この際、正式なあけ方を知りたくなり、調べてみました。

たくさんウニを食べる日本なのので、日本人がどうやっているのかを一番初めに見るべきでしょうね。



オヘソみたいなところから手をつけるというのは、どこかで聞いていました。

まずサイバシを突っ込む、というのが気に入りました。

サイバシって便利なのですよね。これがなかったら、どうやって料理するの? と思ってしまう!

フランスのテレビで、3つ星ホテルで修業している日本人が調理場で働いている姿が映し出されたとき、やっぱり、さいばしで盛り付けをしていました。

フランスに持っていって使っているサイバシが少し汚くなっていたので、買っておかなっければならない。

【アウトレットA】菜箸 赤

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価格:63円(税込、送料別)


左のような伝統的なサイバシが私は好きなのですが、最近はシリコン製なんかが出ているのですね。

木でできていないと、揚げ油の温度加減なんかは見れないのではないかという気がしますが、シリコンだと汚れないので良いかもしれない。耐熱温度は230度までなのですって。スプーンが付いているのが良いアイディア。


ウニの話しに戻ります。

他でも調べてみたのですが、洗うときには塩水を使わないと味が落ちるのだそう。覚えておこうっと。

動画でデモンストレーションしているのは板前さんでしょうか? きれいに剥いていますね。それに、ウニが2つに割られてしまっても動いているのが凄い...。

でも、この動画では、殻からウニを取り出してしまっています。前回の日記「フランスのウニは、中身が貧弱」に書いたように、フランスのウニは中身が少ないので、殻に入れたまま出したいのです。

フランスでは殻つきで使うのが普通だと思うので、フランス人はどうやっているのか、動画を探してみました。


フランス流(?)のウニのむき方、食べ方

やはりフランス人はハサミを使っていますね。



ニースで行われた食べ物関係の見本市で行っていたデモンストレーションのようです。

きれいに殻をあけているのですが、最後にそのまま皿にのせています。黒い幕のようなものを取り除いていません。

もうひとつ、フランス人がウニをあけているのを見てみましょう。



こちらは、パリ首都圏にある朝市の魚屋さんのようです。

ウニの口の反対側を開けるのだと言っていますね。調べてみたら、日本でも同じらしい。

剥き終わったとき、そばにいる人が「洗わなくてよいの?」と聞いています。魚屋さんは、そのままで良いのだ、生で食べる場合には、このまま食べるのだ、と答えています。

こちらも、ウニの中の苦そうな膜はつけたままですよ~。

実は、ウニについて、黒い部分を取り除くのかどうかも気になっていたのです。黄色かオレンジ色の部分だけを食べるのがおいしいとは思うのですが、膜の部分を取り除くと食べるところが少なくなってしまう。捨てなくて良いのではないか?... とも思っていたのでした。

前回の日記(フランスのウニは、中身が貧弱)に入れた料理を作っているフランスの動画では、ちゃんと膜の部分を除いていました。

気になるので、もう少し調べてみる。

コルシカ島でウニを出しているレストランを見せるニュースの動画がありました。
Dégustation d'oursins sur l'Ile de beauté

ウニが食べられるシーズンは、もうすぐ終わりというニュース(2010年4月19日)です。
やはり、膜の部分はほとんど取り除いて出しているようですね。

そうだろうな...。でも、こんなにどっさり出してくれるような地元でなかったら、もったいないからと、膜の部分も食べてしまうフランス人もいるのではないか、という気がしないでもありません...。

それにしても、私がフランスで見たこともない立派なウニを食べていらっしゃいます!  それでも、殻は大きくても、日本の食べでがあるウニにはかなわないのでは?...

もうひとつ、ウニのニュースの動画が見つかりました。こちらは、コルシカ島のアジャクシオ湾でウニの収穫が始まったというニュース(2010年12月3日)です。
La pêche de l'oursin a démarré à Ajaccio

月島のお寿司屋さんが言っていたように、海藻がたくさん生えている場所でウニをとっていますね。こんなにたくさん拾えたら楽しいだろうな...。

それにしてもコルシカ島の海は美しい。また行きたくなります...。

ところで、コルシカ島では、12月1日から4カ月間だけウニの収穫が許されているのだそうです。漁獲量も制限されていて、船1隻がとって良いのは、1週間に500ダースまで。

でも、観光客たちにはウニが人気なので、密漁も多いらしい。それでウニがどんどん減ってきている、というニュースもありました。


月島のお寿司屋さんから聞いた話しから始まったウニのお話しは、謎も色々と解けたので、このくらいにしておきます。

お寿司屋さんから教えてもらったことの中で、もっとも驚いたのは水の話しでした。それを次回に書きます。





過去に書いた記事:
牡蠣の殻のむき方: 日仏比較 2010/02/06
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

情報リンク:
日本で市販されているウニを検索
Poissons - Fiche 14 - L'Oursin - ou châtaigne de mer
Comment ouvrir un oursin, that is the question !


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