2013/01/05
フランスでキノコの中で最も一般的なのは、「シャンピニョン・ド・パリ(champignon de Paris)」と呼ばれるマッシュルームです。
champignon de Parisって、変な呼び名。
「パリのキノコ」という意味なのですから。
なぜパリ? と思われるでしょうけれど、パリで栽培されていたキノコだからなのだそう。
昔のフランスでは、石切り場を利用してキノコが栽培されていました。
パリにはあれだけたくさんの建物があるので、地下には石切り場となっていたところがあったわけです。おかげで、今では地盤沈下の恐れがある地区もあるとのこと。
日本語では「マッシュルーム」と、英語を片仮名にしてしまえば外国のキノコを指すことになるので便利。
英語ではwhite mushroom なので、日本でもホワイト・マッシュルームとも呼ばれていますね。
白いマッシュルームのほかに、茶色がかったものもあります。
◆ きのこを家庭で栽培する
これはイベントで展示されていたマッシュルームなのですが、園芸店でマッシュルームの栽培キットを見つけて、喜んで買ったことがありました。
真っ白なマッシュルームが育って、採りたてを食べるのは最高♪
でも、キノコの栽培は温度や湿度の管理が難しいのでした...。
日本で田舎に行くと、家の裏に木をおいて育てているのを見ていたので、放っておいても生えてくるのかと思ったのですけれど。
そもそも、寒すぎたのだろうと思います。部屋の中に置いておくと、猫が軽い人口をほじって遊んでしまいそうなので、部屋裏部屋に入れたのも良くなかった...。
湿気も栽培キットを2回か3回買いましたが、マッシュルーム1個あたりの原価が高くつきすぎる。それで、この楽しみはやめることにしました。
キノコのお話しを続けます。
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「パリのキノコ」という意味なのですから。
なぜパリ? と思われるでしょうけれど、パリで栽培されていたキノコだからなのだそう。
昔のフランスでは、石切り場を利用してキノコが栽培されていました。
パリにはあれだけたくさんの建物があるので、地下には石切り場となっていたところがあったわけです。おかげで、今では地盤沈下の恐れがある地区もあるとのこと。
日本語では「マッシュルーム」と、英語を片仮名にしてしまえば外国のキノコを指すことになるので便利。
英語ではwhite mushroom なので、日本でもホワイト・マッシュルームとも呼ばれていますね。
白いマッシュルームのほかに、茶色がかったものもあります。
◆ きのこを家庭で栽培する
これはイベントで展示されていたマッシュルームなのですが、園芸店でマッシュルームの栽培キットを見つけて、喜んで買ったことがありました。
真っ白なマッシュルームが育って、採りたてを食べるのは最高♪
でも、キノコの栽培は温度や湿度の管理が難しいのでした...。
日本で田舎に行くと、家の裏に木をおいて育てているのを見ていたので、放っておいても生えてくるのかと思ったのですけれど。
そもそも、寒すぎたのだろうと思います。部屋の中に置いておくと、猫が軽い人口をほじって遊んでしまいそうなので、部屋裏部屋に入れたのも良くなかった...。
湿気も栽培キットを2回か3回買いましたが、マッシュルーム1個あたりの原価が高くつきすぎる。それで、この楽しみはやめることにしました。
キノコのお話しを続けます。
ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで食べるキノコ
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
外部リンク:
☆ L'origine des champignons en carrières ...(Histoire du champignon de paris)
【昔のフランスにおけるキノコ栽培を見せる貴重な映像】
☆ 1964年: Champignonnières
☆ 1912年: Culture des champignons
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2013/01/03
フランス語でメンヒルは「メニール」と呼びますが、綴りは英語と同じで「menhir」。
これはブルトン語で、「men(石)」と「hir(長い)」からなっている言葉なのだそう。ブルターニュ生まれの軍人Théophile-Malo de La Tour d'Auvergne-Corretが、ドルメンという言葉とともに、18世紀に初めて使ったようです。
そういわれなくても、メンヒルと聞くと私はブルターニュ地方を思います。有名なカルナック列石というのもそこにありますから。
ところが、メンヒルは我がブルゴーニュ地方にもあるのです。ブルゴーニュ(Bourgogne)とブルターニュ(Bretagne)は片仮名で書くとそっくりになりますが、場所は全然違うところにあります。
◆ ラ・シャペル・スゥ・ブランシオン村のメンヒル
時々通る道にあるので何度も見ているわけなのですが、見るたびに奇妙な思いをします。
Menhir de la Pierre Levée, La Chapelle-sous-Brancion
たった1つ、野原にたっているだけ。
呼び名は色々あって、Pierre-Levée du champ de la Fa、Pierre de Nobles、Pierre du Christ、pierre du Bon-Dieu。
巨石の上に十字架なんか立てています。ケルト文化をキリスト教文化にしてしまったわけ。
このメンヒルは、高さ3.8m、重さ5トン。4,000年以上前のものと言われていますが、戦時中に爆撃で2回倒されたのを立て直しています。フランス革命のときにはキリスト教が目の敵にされたので、この十字架がとられたのですが、それも元に戻してあるのだそう。
ふと思うのですけど、日本で古来の宗教を神道や仏教に染めようとしたとき、こんな風に付けてしまえるシンボルはないのではないかな?...
なんでこんなところに巨石があるのかを物語る伝説を、この近くで育った人から聞きました。
ブランシオンの峠の上で、悪魔が神様に石を遠くまで投げる戦いを挑んだのだそう(マタイの福音書にそういう話しが出てきますか?)。
神様は白い石を投げたのに対して、悪魔は挑発的に赤い石を投げます。白い石の方は峠の足元、つまりメンヒルがある位置まで飛んだのに対して、赤い石の方はもっと遠く、丘を越してユクセル村まで飛びました。
でも、ここに神様が投げた石が落ちたわけなので、神に祝福された土地となった。
といって、ユクセル村にはお城もあるのですけどね。悪魔が投げた赤い石は、その城に持ち込まれたということになっているのだそうです。
結局、先に十字架を巨石の上に立てた方が勝ちだったわけではないですか?
【追記 (2013年8月)】
ユクセル村を通りかかったとき、メンヒル(Le Menhir D'Uxelles)を見に行ったので写真を入れておきます。
石は赤くはなかったです。この地域では赤っぽい色の石がとれて、ほとんど赤く見える壁の古民家もあるのですが。
この地域で育った人の話しだと、昔はなかったように記憶しているとのこと。神様と悪魔の石投げ話しを本当にするために、ユクセル村に石を立てたのではないかと言っていました。
◆ クーシュ村のメンヒル
上のメンヒルがあるソーヌ・エ・ロワール県ですが、そこから60Kmくらい北には、メンヒルが7本も残っているところがあります。
L'alignement de menhirs de Couches, Couches
こちらも何でもないところに立っています。一番高いものは7.3mで、30トンの重さがあるとみなされているのだそう。
幾つもあるので貴重な遺跡なのでしょうけれど、ブランシオンのメンヒルの方に私は親しみを感じています。
見事な城(Château de couches)がある村なのでたまに行くのですが、この野原に行ったのは1回だけ。
そうそう、あの城は最近オーナーが代わって見学できるようになっていたので行こうと思っていたのに忘れていた...。
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これはブルトン語で、「men(石)」と「hir(長い)」からなっている言葉なのだそう。ブルターニュ生まれの軍人Théophile-Malo de La Tour d'Auvergne-Corretが、ドルメンという言葉とともに、18世紀に初めて使ったようです。
そういわれなくても、メンヒルと聞くと私はブルターニュ地方を思います。有名なカルナック列石というのもそこにありますから。
ところが、メンヒルは我がブルゴーニュ地方にもあるのです。ブルゴーニュ(Bourgogne)とブルターニュ(Bretagne)は片仮名で書くとそっくりになりますが、場所は全然違うところにあります。
◆ ラ・シャペル・スゥ・ブランシオン村のメンヒル
時々通る道にあるので何度も見ているわけなのですが、見るたびに奇妙な思いをします。
Menhir de la Pierre Levée, La Chapelle-sous-Brancion
たった1つ、野原にたっているだけ。
呼び名は色々あって、Pierre-Levée du champ de la Fa、Pierre de Nobles、Pierre du Christ、pierre du Bon-Dieu。
巨石の上に十字架なんか立てています。ケルト文化をキリスト教文化にしてしまったわけ。
このメンヒルは、高さ3.8m、重さ5トン。4,000年以上前のものと言われていますが、戦時中に爆撃で2回倒されたのを立て直しています。フランス革命のときにはキリスト教が目の敵にされたので、この十字架がとられたのですが、それも元に戻してあるのだそう。
ふと思うのですけど、日本で古来の宗教を神道や仏教に染めようとしたとき、こんな風に付けてしまえるシンボルはないのではないかな?...
なんでこんなところに巨石があるのかを物語る伝説を、この近くで育った人から聞きました。
ブランシオンの峠の上で、悪魔が神様に石を遠くまで投げる戦いを挑んだのだそう(マタイの福音書にそういう話しが出てきますか?)。
神様は白い石を投げたのに対して、悪魔は挑発的に赤い石を投げます。白い石の方は峠の足元、つまりメンヒルがある位置まで飛んだのに対して、赤い石の方はもっと遠く、丘を越してユクセル村まで飛びました。
でも、ここに神様が投げた石が落ちたわけなので、神に祝福された土地となった。
といって、ユクセル村にはお城もあるのですけどね。悪魔が投げた赤い石は、その城に持ち込まれたということになっているのだそうです。
結局、先に十字架を巨石の上に立てた方が勝ちだったわけではないですか?
【追記 (2013年8月)】
ユクセル村を通りかかったとき、メンヒル(Le Menhir D'Uxelles)を見に行ったので写真を入れておきます。
石は赤くはなかったです。この地域では赤っぽい色の石がとれて、ほとんど赤く見える壁の古民家もあるのですが。
この地域で育った人の話しだと、昔はなかったように記憶しているとのこと。神様と悪魔の石投げ話しを本当にするために、ユクセル村に石を立てたのではないかと言っていました。
◆ クーシュ村のメンヒル
上のメンヒルがあるソーヌ・エ・ロワール県ですが、そこから60Kmくらい北には、メンヒルが7本も残っているところがあります。
L'alignement de menhirs de Couches, Couches
こちらも何でもないところに立っています。一番高いものは7.3mで、30トンの重さがあるとみなされているのだそう。
幾つもあるので貴重な遺跡なのでしょうけれど、ブランシオンのメンヒルの方に私は親しみを感じています。
見事な城(Château de couches)がある村なのでたまに行くのですが、この野原に行ったのは1回だけ。
そうそう、あの城は最近オーナーが代わって見学できるようになっていたので行こうと思っていたのに忘れていた...。
ブログ内リンク:
★ 神秘的な森の中にあるピエール・キ・ヴィール修道院 2013/06/28
★ フランス人って... : ドルメンの上で演じられた寸劇 2009/09/17
★ 目次: ブルゴーニュの歴史
外部リンク:
☆ 写真: Le menhir de "la pierre levée" à Chapelle-sous-Brancion (La)
☆ 伝説: Le mystère de la pierre levée
☆ 写真: L'alignement de menhirs de Couches
☆ YouTube: les alignements de Carnac (Morbihan)
☆ Légendes, croyances, superstitions de France
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2013/01/02
日本の文化は合理的な発想があると感じます。
押入れにしまっている布団をたくさん敷けば、1つの部屋に大勢で寝ることができます。フランスでも、若い人は、友達がたくさん来たときには床にマットレスをしいて寝てしまったりもしますが、原則としてはベッドに寝かせなければならない。
それで、ある程度のスペースがある家では来客用の寝室を設けるわけですが、ベッドを入れてしまっているので他に使いようがないという非効率なスペースになってしまう。しかも、ちゃんとした来客用の寝室にするなら、トイレと浴室も隣接させて作るので、スペースをやたらにとる!
日本では、客間に布団をしきっぱなしにしているわけではないので、必要ないときはすっきりした部屋として残せます。
寝るときにはベッドが必要というのも不便だと思いますが、もう1つ、あります。
◆ 大勢で食事をするときのテーブル
テーブルで食事するときにはイスが必要なわけです。イスの大きさがあるので、普段使っているテーブルに、そうたくさんイスを並べるわけではありません。
といって、大勢来ても大丈夫なように大きなテーブルを置くというのはスペースの無駄だし、間が抜けてしまう。
もちろん、田舎の家は広いので、必要以上に大きなテーブルが置いてある家は珍しくはありません。
例えば、夫婦だけで住んでいる、このお家の場合。
12人座れるテーブルなので、このときは半分が空席になっていました。
普段、このテーブルに2人で座って食事したら滑稽になってしまう? でも、ご心配は無用。田舎の広い家だと、こういう来客があったときのダイニングルームのほかに、台所にはもっと小さなテーブルがあるのです。
ちなみに、このテーブルで食事をしながら聞いていたら、この家にはキッチンが5つあったのでした。どうして5つも? と思ってしまうのですが、必要に応じてできているのでした。台所、写真を入れたダイニング、庭のプールサイド、子どもたちが来て滞在するとき独立したスペース、それで5カ所。
そんな余裕があるなら、大きすぎるテーブルをおいておくのも邪魔ではないのでしょうね。
◆ 伸長式のダイニングテーブルは必需品?
そんなに場所はとらないように、必要なときには大きくできるテーブルが普及しています。でも、イスはたくさん持っていなければなりませんが。
朝市に行ったとき、そういう伸び縮みするテーブルをたくさん売っていたので写真をとっていました。
Table à rallonge
どのくらいの大きさかな? 大きく引き伸ばしたら、12人でも座れるサイズではないでしょうか。
ふだんは4人か6人で使う大きさにしておいて、伸ばせばこのくらいになるというテーブルです。テーブルを大きくしたいときには、中央の支え棒を伸ばし、4本の脚を倒して立てかけ、別にしまっておいたボードをのせる、というシステム。
田舎では大勢の人が集まる機会が多いので、よく見かけるダイニングテーブルです。
日本の家では、こんなに大きいのは売られていないのではないかな?... 少しピックアップしてみました。
大勢座れるようなテーブルは見つからなかったのですが、日本だってイスとテーブルで食事する人も多いので、大きなテーブルになるものもあるでしょうね。
◆ 最近では、もっと便利な伸長テーブルがあった
朝市で売られていた伸長式テーブルは、ぴったり、うまく収まるようにできているのです。
写真ではよくわからないかもしれないと思って、フランスで売られている商品を探してみました。こちらの商品をご覧ください。
私が見慣れているのは、朝市で売っていたようなクラシックなものばかりでした。便利なのですけれど、たびたびはテーブルを伸長させるのはおっくうになる仕組みでもあります。伸ばすときには二人がかりでやらないとできなかったり、うまく動かない古いテーブルというのもある...。
去年、知人のお父さんがなくなったので葬儀のミサに行ったら、そのお父さんの家に集まって食事をすることになりました。食べ物は注文してあったのですが、部屋の準備がしていなかった。子どもたちはテーブルをどうやって伸ばすのか分からなくて、結局あきらめてしまったのでした。
動画の方が分かりやすいかと思って、さらに探してみると、機能的なテーブルが存在することを知りました。
羽目板が別になっていると、どこか遠くに置いておくわけなので、それを持って来たりするのが面倒なのです。こういう風に組み込まれていると便利ですね。
下のは、丸いテーブルが大きくなる、という見事なシステム!
◆ 「テーブルを立てる」という表現
12人座れるテーブルにしたって、それでは足りない場合もある。そこで別のテーブルを持ってきてつなげるというのは、日本でもしていることでしょうね。
それにしても、西洋式のテーブルというのは設置しておかなければならないわけで、これもスペースの無駄づかい。日本の場合は、畳の部屋で食事して、そのあとにはテーブルを片付けて寝室にしてしまうということができるので便利です。
とは言っても、フランスでも、中世にはダイニング・テーブルを置きっぱなしにしておいたのではありませんでした。ダイニングルームという部屋はなくて、そのときの人数に合わせて食事する場所を決めることもできたという便利さがありました。暖房の事情が悪いですから、温かくする寝室にテーブルを運び込んで食事をする、ということも多かったのだそうです。
そうなると、日本式ではないですか?
お城の見学をしたとき、そんな話しをするガイドさんが多いです。
フランスでは、皿、フォーク、ナイフなどを並べるて食卓の準備をすることを「dresser la table」と言うのですが、この表現は昔の風習(つまり、食事するときにテーブルを立てた)からということから来ている、という説明です。
フランス人たちが「へぇ~、なるほど」と感心しているので、変な表現だと思っていた、とうことなのでしょうね。
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押入れにしまっている布団をたくさん敷けば、1つの部屋に大勢で寝ることができます。フランスでも、若い人は、友達がたくさん来たときには床にマットレスをしいて寝てしまったりもしますが、原則としてはベッドに寝かせなければならない。
それで、ある程度のスペースがある家では来客用の寝室を設けるわけですが、ベッドを入れてしまっているので他に使いようがないという非効率なスペースになってしまう。しかも、ちゃんとした来客用の寝室にするなら、トイレと浴室も隣接させて作るので、スペースをやたらにとる!
日本では、客間に布団をしきっぱなしにしているわけではないので、必要ないときはすっきりした部屋として残せます。
寝るときにはベッドが必要というのも不便だと思いますが、もう1つ、あります。
◆ 大勢で食事をするときのテーブル
テーブルで食事するときにはイスが必要なわけです。イスの大きさがあるので、普段使っているテーブルに、そうたくさんイスを並べるわけではありません。
といって、大勢来ても大丈夫なように大きなテーブルを置くというのはスペースの無駄だし、間が抜けてしまう。
もちろん、田舎の家は広いので、必要以上に大きなテーブルが置いてある家は珍しくはありません。
例えば、夫婦だけで住んでいる、このお家の場合。
12人座れるテーブルなので、このときは半分が空席になっていました。
普段、このテーブルに2人で座って食事したら滑稽になってしまう? でも、ご心配は無用。田舎の広い家だと、こういう来客があったときのダイニングルームのほかに、台所にはもっと小さなテーブルがあるのです。
ちなみに、このテーブルで食事をしながら聞いていたら、この家にはキッチンが5つあったのでした。どうして5つも? と思ってしまうのですが、必要に応じてできているのでした。台所、写真を入れたダイニング、庭のプールサイド、子どもたちが来て滞在するとき独立したスペース、それで5カ所。
そんな余裕があるなら、大きすぎるテーブルをおいておくのも邪魔ではないのでしょうね。
◆ 伸長式のダイニングテーブルは必需品?
そんなに場所はとらないように、必要なときには大きくできるテーブルが普及しています。でも、イスはたくさん持っていなければなりませんが。
朝市に行ったとき、そういう伸び縮みするテーブルをたくさん売っていたので写真をとっていました。
Table à rallonge
どのくらいの大きさかな? 大きく引き伸ばしたら、12人でも座れるサイズではないでしょうか。
ふだんは4人か6人で使う大きさにしておいて、伸ばせばこのくらいになるというテーブルです。テーブルを大きくしたいときには、中央の支え棒を伸ばし、4本の脚を倒して立てかけ、別にしまっておいたボードをのせる、というシステム。
田舎では大勢の人が集まる機会が多いので、よく見かけるダイニングテーブルです。
日本の家では、こんなに大きいのは売られていないのではないかな?... 少しピックアップしてみました。
大勢座れるようなテーブルは見つからなかったのですが、日本だってイスとテーブルで食事する人も多いので、大きなテーブルになるものもあるでしょうね。
◆ 最近では、もっと便利な伸長テーブルがあった
朝市で売られていた伸長式テーブルは、ぴったり、うまく収まるようにできているのです。
写真ではよくわからないかもしれないと思って、フランスで売られている商品を探してみました。こちらの商品をご覧ください。
私が見慣れているのは、朝市で売っていたようなクラシックなものばかりでした。便利なのですけれど、たびたびはテーブルを伸長させるのはおっくうになる仕組みでもあります。伸ばすときには二人がかりでやらないとできなかったり、うまく動かない古いテーブルというのもある...。
去年、知人のお父さんがなくなったので葬儀のミサに行ったら、そのお父さんの家に集まって食事をすることになりました。食べ物は注文してあったのですが、部屋の準備がしていなかった。子どもたちはテーブルをどうやって伸ばすのか分からなくて、結局あきらめてしまったのでした。
動画の方が分かりやすいかと思って、さらに探してみると、機能的なテーブルが存在することを知りました。
羽目板が別になっていると、どこか遠くに置いておくわけなので、それを持って来たりするのが面倒なのです。こういう風に組み込まれていると便利ですね。
下のは、丸いテーブルが大きくなる、という見事なシステム!
◆ 「テーブルを立てる」という表現
12人座れるテーブルにしたって、それでは足りない場合もある。そこで別のテーブルを持ってきてつなげるというのは、日本でもしていることでしょうね。
それにしても、西洋式のテーブルというのは設置しておかなければならないわけで、これもスペースの無駄づかい。日本の場合は、畳の部屋で食事して、そのあとにはテーブルを片付けて寝室にしてしまうということができるので便利です。
とは言っても、フランスでも、中世にはダイニング・テーブルを置きっぱなしにしておいたのではありませんでした。ダイニングルームという部屋はなくて、そのときの人数に合わせて食事する場所を決めることもできたという便利さがありました。暖房の事情が悪いですから、温かくする寝室にテーブルを運び込んで食事をする、ということも多かったのだそうです。
そうなると、日本式ではないですか?
お城の見学をしたとき、そんな話しをするガイドさんが多いです。
フランスでは、皿、フォーク、ナイフなどを並べるて食卓の準備をすることを「dresser la table」と言うのですが、この表現は昔の風習(つまり、食事するときにテーブルを立てた)からということから来ている、という説明です。
フランス人たちが「へぇ~、なるほど」と感心しているので、変な表現だと思っていた、とうことなのでしょうね。
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2013/01/01
毎年この時期になると、いつも同じことを思ってしまいます。日本語で言う年頭の挨拶は、なんだか変。というより、気に入らない…。
◆ 新年は、おめでたい?
「新年(明けまして)おめでとうございます」とか、「お慶び申し上げます」とか…。漢字で短くしても、賀、頌、寿の文字が入ってくる...。
どうして「おめでとう」と言わなければ新年の挨拶にならないのだろう?
一昨年の除夜の鐘をつくのを見ていたら、鐘を鳴らす紐に体を奪われてしまって、ずっこけてしまった人の映像がありました。「2012年は、ずっこけの年」なんて言う人があったけれど(映像はこちら)、12月になって私もずっこけました!
日本、大丈夫なの?… 本気で心配になります。
そんな年の幕あけなのに、「新年が明けてめでたい」なんて思う気にはなりません。
新年がおめでたいのは、生きて新年を迎えたことを喜ぶ、という挨拶なのだろうと思います。自分でそれを喜ぶのは勝手ですが、人にも押し付けてしまって良いものだろうか?
年賀状を出す相手には、もう年賀状しかやりとりしていない人もいるわけです。もしかしたら、そんなノンキな挨拶をしては悪い状況だってありうるではないですか?
年賀状を出した後に喪中のお知らせが届くとあせってしまいます。でも、不幸があった人には、よけいに新年が良い年になるように祈ってあげたいではないですか?…
「おめでたい」というニュアンスを持たない新年の挨拶には、どんなものがあるかと調べてみました。震災があった翌年の年賀状を書くにあたっては、これを気にする人が多かったらしくて、アドバイスをしているサイトが幾つもありました。
今年になったって、それを気にする人は多いと思います。相手がまだ仮設住宅に入っていたり、放射能の心配しなければならない事情を考えたら、「おめでとうございます」なんてはばかりたくなって悩むはずです。
こんな挨拶にすれば良いというのには、「(謹んで)新年のご挨拶を申し上げます」というのがありました。なるほどね…。でも、その後に何か心温まることを書かないと変でしょうね。
その点、フランス語で新年の挨拶をするときには、全く気がねは必要ないのです。だって、新年が相手にとって良い年になるように祈るだけなのですから。
「Happy New Year」よりも短く、「Bonne Année(良い年を)」でOK。さらに、あなたが幸せになるように、健康に恵まれるように、など等と付け加えて愛情表現をします。それを並べるのが面倒だったら、まとめて「Meilleurs voeux」と言ってしまえば良い。
そういうのに慣れると、新年がおめでたいかどうかは別にして、相手に良い年を祈りたくなるのですが、これが問題。年賀状では「今年も良い年になりますように」と書けるのですが、これは気に入らない。だって、それは昨年が良い年だったことを前提にして、「も」と言っているわけではないですか?
だからといって、「今年は良い年になりますように」と書いたら、「今年こそは」の意味になってしまって角がたつ。「2013年が良い年になりますように」と書くと良いのかな?...
でも、この表現も気に入らないのです。「Happy New Year」も「Bonne Année」も、相手にとって良い年であるように祈ってあげる挨拶だと思うのです。でも日本語でいうと、自分のことについても祈っているようで勝手な言い方だと思ってしまう。
「みなさま(あなた)のご多幸をお祈りします」という表現の方が好きだな...。
でも、お正月に出合った日本人には「おめでとうございます」しか言えないではないですか? さっき見つけた「新年のご挨拶を申し上げます」も、会話では使えません。
面と向かっている人に、あなたにとって良い年になりますようにとか、健康に恵まれるようにとか、付け加えたら不自然ではないですか?
フランス人だと、仕事がうまくいくように、とか、何でも言い添えるのですけど。
なぜか、日本でも、暮れの間は「良い年をお迎えください」と言えるのですよね。それで、暮れのうちに挨拶してしまう方が好きです。
◆ 「今年もよろしく」にも引っかかる
日本人は相手の気持ちを思う民族なのだけれど、変に押し付けがましいときもあるので奇妙に思います。
年賀状の定番文章に「昨年はお世話になり、どうもありがとうございました」があります。フランス人は、よほど何かでお世話になっていなければそんなことは書かないはず。日本の挨拶でそれが言えてしまえるのは便利だとは思います。色々あったけれど、ひっくるめてお礼が言えてしまうわけですから便利。
でも、それに続けて、「今年もどうぞよろしくお願い申し上げます」と書いてあるのにひっかります。考えようによっては、厚かましくないですか?
この「どうぞよろしく」という挨拶言葉が何なのか、よく分かりません。
ひっかかったのは、日本語を勉強し始めたフランス人から、初対面の人が「よろしく」と言うのはどういう意味なのか、と聞かれたときでした。
日本人が「はじめまして、どうぞよろしく」というのは、フランス語では「Enchanté !(アンシャンテ)」、お偉い人とお近づきになれたのなら「Très honoré !(トレゾノレ)」と言うのも良いのだと習います。ちょっと儀式ばった言葉なので、よく出くわす挨拶だとは感じませんが。
日本語が多少わかれば、「はじめまして」はフランス語のアンシャンテに対応するとわかるはず。でも、フランス語の挨拶のように、知り合えて嬉しいというニュアンスはないので、ちょっと奇妙なのではないでしょうか?
とすると、「どうぞよろしく」というのは何なのか気になるでしょうね。
フランス人に「よろしく」とは何なのか聞かれて困った私。「私のことを感じ良い人だと思ってください」とか、「困ったときには助けてください」とかいう気持ちをこめて言うのだと答えました。
ハハハ、と彼女は大笑いました。確かにね。初対面の人を相手にして、それは厚かましいですよ~!
年賀状で「昨年はお世話になりました」と低姿勢で言って、その後で、今年も同様にやってください、と言ってしまえるなんて、すごいではないですか?! 日本人の付き合いって、相手に甘える関係にあるのだろうな…。思えば、私も「よろしく」をよく使っているような気がします。
フランス人は個人主義で、自分のことしか考えないと言われるけれど、日本人以上に相手に対する気遣いがあると感じることがよくあります。
ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
外部リンク:
☆ 賀詞の選び方
☆ 一般年賀状の文例
☆ それで大丈夫?年賀状の賀詞(決まり文句)
☆ 震災を考慮し、年賀状で悩んでいる方へ
☆ 震災を受け2012年の年賀状から年始状のススメ
☆ Exemples de textes de vœux
☆ SMS Bonne année 2013