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2013/07/31
ここのところ、日本で「フレンチ」という言葉が付いた食品のことを書いています。

フレンチドレッシングは、フランスのドレッシングではなかった 2013/07/30
フレンチトーストをフランス人は嫌う? 2013/07/28

前回の日記「ディジョン・マスタードとは?」は、イギリスでフレンチマスタードというものを見たので、それが何なのか気になったために、そのイントロとして書いたのでした。


イギリス人が使うマスタードには2種類あるの?

イギリスに滞在していたとき、レストランに行くと、テーブルには2種類のマスタードが置いてあるのが気になりました。

塩と胡椒が置いてあるように、マスタードもテーブルに備えてある。

イギリスでは、シンプソンズのローストビーフを食べに連れていってもらったことが1回あっただけで、あとはすべて庶民的なレストランにしか入らなかったせいかもしれません。でも、フランスでは、庶民的なレストランでも、マスタードの瓶がテーブルに備えてあるというのは珍しいと思うのです。マスタードを欲しがる人が多いステーキ専門店ならありそうな気はしますが...。

マスタードがおいてあることよりも異様に感じたのは、必ず2種類のマスタードがあることでした。

黄色い、フランスで普通に見るマスタードは「イングリッシュ・マスタード」、茶色がかって色が濃い方は「フレンチ・マスタード」と呼ばれていました。

フランスでも、普通のマスタードは茶色ではなくて、黄色です。なぜフレンチマスタードが茶色なの?!...

ディジョン・マスタードには、ディジョンの特産カシスが入ったカシスマスタードというのもあって、それはピンク色をしています。

でも、普通のマスタードといったら、黄色でないと気持ち悪いではないですか?

ほとんど茶色に見えるフレンチマスタードは、全く美味しそうに見えませんでした。

それを「フランスの」と呼ぶのは、イギリス人はフランスに反感があるからかな?... と興味深く思ったのですが、わざわざ2種類おいているからには、茶色のマスタードが好きなイギリス人もいるからなのでしょう。

イギリスに通っていたのはずいぶん前のことなので、私の記憶がいい加減になっている可能性があります。

それで、インターネットで確認してみたのですが、やはりイギリスのレストランでは、イギリス風とフランス風という2種類のマスタードを置いている、という日本人の報告が幾つも見つかりました。

インターネットで調べてみました。なぜ2種類置く必要があるのかという理由は分からなかったのですが、英国風とフランス風のマスタードの違いについては答えが出てきました。

・イングリッシュマスタード: ブラウンマスタードとホワイトマスタードをブレンドする
・フレンチマスタード: カラシの種子をすりつぶし、ぶどうジュースや酢を加えて練りあげる

何となく違いが分かったような、分らないような...。

私のことなので、テーブルに置かれていた2種類の味がどう違うのか味見してみたはずだと思うのですが、味の違いについては記憶がありません。頭に焼きついているのは、テーブルに置かれた不思議な2つのポットだけ...。

イギリスでは色によって区別して呼んでいるような感じさえしました。フレンチマスタードと書いてあっても、フランス産なのかどうかは分かりませんし...。

でも、イギリスでもマスタードを作っていることは確かなのでした。

探してみたら、Colman'sというメーカーのマスタードがでてきました。

イギリス王室御用達に指定されているマスタードだという記述があったのですが、ほんとうなの?!...

スーパーで売っている安物マスタードの瓶に見えてしまったのですけど...。でも、いかにもイギリス的、つまり食欲をそそられないデザインではある... 。

まあ、イギリス王室の食卓に、この黄色い瓶が置かれているという光景はありえなくて、お上品にマスタードを器に入れているのでしょうけど。

ともかく、イギリス独特のマスタードは、フランスのマスタードよりはピリっとして、辛口のマスタードらしいというのは分かりました。

イギリスに旅行したフランス人が、イングリッシュ・マスタードは、ディジョン・マスタードに比べたら10倍からくて、たくさんつけてしまうと涙が出てくるほどだった、とブログに書いていました。

イギリスでいうイギリス風とフランス風で区別するマスタードは、色だけではなくて、そこに違いがあるのでしょうね。

イギリスに半年留学した日本の友達が、「イギリス料理には2種類ある」と言っていました。しょっぱすぎて不味いか、塩が足りなくて味がないか、の2種類。

彼女は、イングリッシュマスタードの素晴らしさを発見していなかったのだろうと思いました。何にでも超辛マスタードをつけて食べていたら、塩が足りないとか多すぎるとかなんて不満に思ったりはしなかったはずですから!


アメリカ製品に「フランチマスタード」がある?

検索を続けていたら、日本では「フレンチマスタード」という名前のマスタードが売られていることを発見♪

でも、これはアメリカのFrench'sというメーカーの商品で、Francis Frenchという名の人が作ったマスタードなのでした。

だから「フランスの」とは無関係。

ホットドックに使うのに便利そうで、安いのが特徴のカラシに見えます。

オリジナル商品の綴りは「French's Mustard」なのですが、日本のショップでは「French's Masterd」とカタカナ英語風に表記していたりもしていました

「フレンチさんのマスタード」なのに「フレンチマスタード」にしてしまうくらいですから、どうでも良いのでしょうね...。

ともかく、イギリスで見たマスタードには「French mustard」と書いてあったように思うので、これとは違うのは確かだと思います。

イギリスに存在する茶色のフレンチマスタードが何なのか、私が突き止めたとしても何の役にもたたないので、探究は放棄します。

内部リンク:
★ 目次: 商品にフランスのイメージを持たせた命名

外部リンク:
☆ All About [イギリス] : 「コルマンズ」のピリッと美味しいマスタード
The History of FRENCH's® Foods and FRENCH's Classic Yellow Mustard



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2013/07/30
ヨーロッパの人にディジョンの話しをすると、たいてい「Moutarde de Dijon(ディジョンのマスタード)」と、その国の訛りがあるフランス語を返してくるので驚いた時期がありました。

ディジョンはブルゴーニュ公国の都だった美しい街。それなのに、ディジョンという名を聞いて、マスタードなんかを連想されるのは不快。でも、ディジョンは観光地としてよりも、高級マスタードの産地として名が知られているようなのでした。

アルザス地方のレストランで郷土料理のシュークルートを食べたとき、マスタードがついてきた一緒に食べたら非常に味がひきたつので驚きました。ブルゴーニュにいるとマスタードをやたらに使うのですが、シュークルートに合うのは想像もしていなかったのです。

それで、アルザスには特別なマスタードがあるのだろうと思って、ウエーターさんにマスタードのメーカーはどこなのか聞いてみたのでした。

そうしたら、得意げな顔で「ディジョンのマスタードです」と返事されたので、ぎゃふん! このときも、ディジョンのマスタードは優れている、という定評があるのだろうと思いました。


マスタードをたっぷり使う料理

それにしても、アルザスで味わったディジョンマスタードが美味しかったのは意外...。でも、考えてみると、こういう風に肉やソーセージにマスタードをつけて食べるという経験に乏しい私だったのでした。

イギリスやアメリカなどでは、ステーキを食べるときにマスタードをつけるのが普通なのかもしれませんが、そうする人はブルゴーニュでは多くない感じがします。マスタードは、不味いステーキは食べられるようにしますが、ステーキそのものが美味しいときは肉の味を減少させてしまいますから。

それでも、ブルゴーニュ地方ではマスタードをたくさん消費します。前回の日記で書いたサラダドレッシングでも使いますが、そんなものの消費量は知れています。

肉にまぶして焼いたりするのにマスタードを使うのです。ウサギや豚肉に使うのが定番かな。焼くとパサパサになってしまう肉にマスタードを塗ると、味が閉じ込められて見違えるように美味しくなります。

スーパーでも業務用マスタードのような大瓶が売られているのですが、こういう料理を作る人たちではないかな?...



ディジョンマスタードのポピュラーなメーカーであるアモラ社(AMORA)が作ったレシピ動画のようです。 PR用だからマスタードをたっぷり使っていると思われるかもしれませんが、フランスには、こういう風にマスタードをべったりと塗ってしまうレシピがあります。

マスタードの原料となるカラシは、ディジョン近郊でたくさん栽培されていて、ディジョン市内で生産されるマスタードは大きな生産量を誇っていたのだそう。

でも、大規模生産をする会社が市場を獲得していき、フランス企業が外国資本に負けてしまうという最近の傾向に打ちのめされています。今なお健在なのは、「ディジョンのマスタード」と呼ぶマスタードの製造法だけ...。


マスタードの語源

マスタードは、フランス語ではMoutarde(ムタルド)。英語のMustard(マスタード)は、アングロ=ノルマン語のmustarde、中世のフランス語でmostardeから来ているようです。

こうした言葉の起源には、次の2つが有力とされています。

(1) ラテン語の「mustum ardens 」から。
火が燃えるように激しい(ardens)、ブドウのしぼり汁(mustum)の意味。 フランス語にすると「moût ardent」。
古代ローマ人は、つぶしたカラシの種子をブドウの果汁に入れたので、飛び上がるようにきつかった。

(2)Moult me tarde」から 。
ブルゴーニュ公国のPhilippe le Hardi(フィリップ豪胆公)が、1383年にフランス国王の依頼で、包囲されていたフランドル公国を解放するために出陣するとき、ディジョンから兵士を調達し、旗に「Moult me tarde」の文字を入れた旗を持ち、ディジョン軍に感謝するためにに町にこの文字を使用する許可を与えた、というもの。「おおいに気がせく」という意味なのですが、「Moult me tarde de rentrer à Dijon(ディジョンに早く帰りたいと気が急く)」を意味するのでしょう。


中世には、すでにブルゴーニュはマスタードの産地としての評判があったようですが、「Moult me tarde」がつまって「Moutarde」になったという2番目の説は、ディジョンのこじつけの可能性が強いと言われています。
 

最高のディジョンマスタードを作っているのはファロー社

現在、地元ブルゴーニュでは、ディジョン・マスタードの中で最も優れたものを作っているのはファロー社(Edmond Fallot)だという、ゆるぎない地位があります。



工場で大量生産されるようになったマスタード製造会社の中で、家内工業的な小規模生産でディジョンマスタードを作っているのは、このファロー社だけなのです。

昔ながらに、カラシの種を石臼でひいているのも、ここだけ。

ディジョンマスタードやビネガーを作っているメーカーなのですが、ファロー社の工場はブルゴーニュワインのメッカ、ボーヌ市にあります。

ディジョンマスタードのメーカーは色々ありますが、ここのマスタードを味わうと、他のマスタードは何なのだろうと思うくらいに美味しいので、他社のマスタードを買う気にはなりません。

ファローのマスタードは小規模生産なので、日本にはほとんど入っていない感じがします。

ネットショップで探せば、この会社が作っているマスタードのバリエーションがいくらか見つかります:
ファロ社のマスタードを楽天市場で検索


ファロー社を見学したときのこと

お気に入りのメーカーなので、見学したことがありました。いきなり行ってもだめで、 ツーリストオフィスで時間を指定して予約する必要がありました。

ファロー社の創業は1840年なのだそう。今では近代化されているのですが、昔に工場で使っていた道具がミニ博物館のように展示されているので興味深かったです。



ガイドさんが、マスタードについて詳しく説明してくれました。

色々なことを学んだのに、すぐにブログにメモしなかったので忘れてしまったのが残念...。

でも、私が行ったときには工場での生産過程の見学は翌年にできるようになると言われたので、また行き直そうと思っていたのでした。

マスタードづくりの体験もします。

単純にマスタードを作るなら、小道具の石臼でできてしまうのでした。



できあがったら、少し寝かせて熟成させる必要があるそうで、マスタードの味見は完成品で行われました。



実は、このヴィジットの参加費は一人10ユーロ。 確認したら、今でも値上がりはしていませんでした。10歳以上の子どもは8ユーロ。

子どもにマスタードのことを学ばせようという親が、子ども2人連れて行ったら、5,000円くらい支払うことになります。ちょっと高すぎませんか?

日本で工場見学するといったら、PRなのだから無料なのが普通ではないかと思って、私は不満だったのですが、最後の試食で満足。 マスタードの風味を違いを色々と味わえました。

小さな会社なので、従業員が試食のお皿を用意することなどできないはずで、ケータリングを利用していると思います。とすると、入場料くらいは費用がかかってしまうでしょうね。

最後にマスタードの小瓶をお土産にしてくれたので、ヴィジットが高すぎると思っていた気持ちは消えました。

見学が終わったときには商品を並べている場所に入りました。たくさん買いたがった見学者が多かったのですが、在庫がない! 本当に家内工業的な会社なのだな...、と好感を持ちました。

ファロー社(Moutarderie Fallot)についての動画があったので入れます:




ディジョンの観光スポットになっているマスタードの店

日本で有名なディジョン・マスタードといったら、マイユMaille)の方ではないでしょうか?

検索したら、日本語で書かれたラベルの商品もあるので驚きました! そんなにたくさん日本に入っているのですか?...

マイユのマスタードを楽天市場で検索

ディジョンの町にはマイユの美しいブティックがあるので、日本の観光ガイドブックにも書いてあると思います。

ブルゴーニュ地方、コート・ドール県の県庁所在地ディジョンに行ったら、ここに行くと良いですよ、という感じで。

言い伝えによれば、1720年にマルセイユでペストが大流行したとき、アントワーヌ・マイユ氏がペストの予防薬として考案したビネガーが評判を呼んだのがマイユ社の始まりなのだそう。

ディジョン市にあるマイユの店は、1845年に開店。 美しい旧市街をつらぬく目抜き通りに、マイユの古めかしい店があります。



店のショーウインドーには古いマスタードの壺のコレクションが並んでいて、観光スポットに相応しい場所でした。ところが最近は模様替え。コレクションはほとんどなくなってしまって、現代的で派手な店構えになったので、写真をとっても面白くなりました。ここに入れたのは、昔の店構えで、2004年に撮影しています。

でも、内部に入れば、今でもて美しい内装ではないかと思います。

この店では買えるフレッシュなマスタードは、瓶詰めとは全く違った風味があって素晴らしいです。日本のカラシやワサビを思わせる鋭い風味なのです。

フレッシュ・マスタードは、生ビールのような装置でマスタードを絞り出してくれます。



普通のマイユの瓶詰めなら、スーパーで買った方が安いのかもしれないけれど、観光客は行く価値がある、と思うのはパッケージ。マスタードなんて安い商品なのに、美しく包装してくれるのです。



日本だったら、きれいに包装してくれるのは何でもないことですが、フランスではよほどの高級店に行かないと、こんな風に器用に包める店員さんはいません!


ディジョン市内で生産されるディジョンマスタードは、3年前からなくなった

フランスでは、王手企業が勢力を伸ばし、さらに国際競争にも次々と敗れています。

フレンチマスタードの王者ディジョンマスタードにしても、しかり。マイユは、古い歴史を持つアモラ社(Amora)を吸収して、現在ではAmora Mailleというのが会社名。 この企業は1996年にダノンに合併されましたが、1999年にはUnilever(ユニリーバ)に買収されています。ユニリーバは、一般消費財メーカーとしては世界第3位に位置する、オランダとイギリスに本拠を置く多国籍企業。

こんなことを書いたのは、ディジョンの友達が、「マイユはオランダのマスタードだからね...」と言っていたので、調べてみたかったからです。

マイユのオフィシャルサイトには日本語ページもあって、充実した情報を載せています。でも、気になったのはサイトに入っていた「豆知識」のページ。

「ディジョンマスタードとは?」と題して説明があるのですが、次のように書かれているのです:

ペースト状のマスタードの代表的存在として『ディジョンマスタード』があります。マスタードの都として名高いブルゴーニュ地方のディジョンでは、現在でも全世界のペースト状マスタードの約半分、フランス全体の80%が製造されています。...

ひっかかったのは、ディジョンでマスタードが製造されている、という点。 ちなみに、フランス語ページでは同様の文章は見つかりませんでした。

「ディジョン」を「ブルゴーニュ地方」と置き換えれば間違ってはいないはず。フランス国内で生産されるマスタードの90%がブルゴーニュ地方で生産される、と記載しているフランス語サイトの記述がありましたので。

でも、ディジョン市内に残っていた唯一のマスタード工場は、2009年に閉鎖されています。だから、現在、ブルゴーニュの行政中心地である大都市ディジョン市内には、マスタードを製造する工場は存在しません。

最後に残っていたディジョン市内のマスタード工場は、マイユ社が吸収した旧アモラ社(Amora)の施設でした。2009年の夏に工場は閉鎖され、ディジョンから15キロくらい離れた郊外に移転しました。 日本の感覚からいえば、その程度の距離は同じ市町村と認識しても抵抗はないのですが。

もちろん、アモラの工場閉鎖が閉鎖されると分かった当時、ディジョンの人たちはそういう事態になることに大反対。

アモラのマスタードは、ディジョンで商標登録をしたのがマイユのブティック開店より前の1919年だし、1939年にはフランス市場で最大の生産量を誇ったそうなので、ディジョンの人たちにはアモラのマスタードに思い入れがあるのでしょう。

当時、ディジョン市役所の建物であり、昔はブルゴーニュ公国の宮殿だった部分にある階段には、工場移転反対をアピールする飾りつけになっていました。


2009年2月撮影

この美しい階段がそんな風に変身したのは、前にも後にも見たことがありません。市としても、市民と一緒に工場移転に反対を訴えたのでしょう。

でも、企業の決断を市民のセンチメンタルな感情で動かすことはできません。昔の運送手段として、ディジョン市の外れにある運河のほとりにあったアモラの工場は便利だったわけですが、そんなメリットは現代では無意味ですから、移転も仕方なかっただろうと思います。


ディジョンマスタードと呼ぶのだけれど...

ディジョンのマスタード(Moutarde de Dijon)は不幸を背負った、とも言われます。

フランスには原産地統制呼称(AOC: アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)があって、食品の原産地を特定し、さらに製造法も厳しく規制する品質保証制度があります。

ところが、ディジョンマスタードはAOCを獲得していません。

ディジョンマスタードと呼んで売るための条件は、1937年のデクレで定めた原料と製造法だけ。従って、その製造法に従って作ったマスタードなら、ディジョンで生産されるか、ブルゴーニュで生産されるかは全く問われないわけです。

日本産でも、ディジョンマスタードと呼んで商品化できてしまうわけですね。

フランスの食品は、名称を使うことにこだわることが多くのですけど。

例えば、シャンパーニュ地方で生産されたスパークリングワインでないと「シャンパン(フランス語ではシャンパーニュ)」と呼んではいけないとか、コニャック地方で生産されたブランデーでないと「コニャック」と呼んではいけないとかがあります。

町の名前をとって「ディジョン・マスタード」などと呼ばないで、「ブルゴーニュ・マスタード」としていたら、AOCを獲得することができたかも知れないのに...。

現在、フランス産のマスタードで使われる原料のカラシは、8割がカナダから輸出されているのだそう。その他、アメリカ、ハンガリー、ルーマニア、デンマークからも。

ブルゴーニュ地方で生産されているカラシの畑は、3,150ヘクタールなのだそうです(2009年)。

菜の花と見分けが難しそうなカラシの花。ブルゴーニュにいながら、マスタードの原料の畑を見たことがありません。あるいは、たとえ見ていても菜の花畑だと思ったはず。


ブルゴーニュ・マスタードができた

私がお気に入りにしているマスタードメーカーのファロー社では、最近、「Moutarde de Bourgogne(ブルゴーニュ・マスタード)」と呼ぶマスタードを作りました。

ブルゴーニュ地方で生産されたカラシの種、ブルゴーニュのAOC白ワインを使うという、100%ブルゴーニュ産のマスタード。

欧州連合の品質保証である「保護指定地域表示(IGP: Indication géographique protégée)」を獲得しています。

ブルゴーニュ・マスタードを楽天市場で検索

もちろんブルゴーニュ・マスタードを買いましたが、数々あるファローのマスタードの中で、これは飛びぬけて好きという気にはなりませんでした。ファローのマスタードは、たとえカナダの種を使っていても美味しいので!

でも、本物のディジョンマスタードに執着するなら、これしかないという貴重なプロダクトではあります。

2009年にディジョンにあったアモラの工場が閉鎖されてから、ファロー社は頑張っている感じがします。あるいは、ディジョンの人たちが、小規模生産で本物のディジョンマスタードを作っているファローを守ろうという気になってきたのか?...

それまでは、数あるマスタードメーカーの商品の中で、ファローのマスタードを見つけるには苦労していたのですが、最近はディジョンの土産物屋さんでもよく見かけるし、良い食材を扱う店では、必ずファローのマスタードを置くようになったと感じるのです。


最後に、フランスで工場生産されるマスタードの製造過程を見せる動画があったので入れておきます。大量生産される食品には魅力を感じないけれど、マスタードがどういう風に作られるのかよく分るので。


Moutarde preparée - comment c'est fait ? par diem-perdidi


マスタードの話しの続き:
イギリスのレストランに置いてあるフレンチマスタードって、何なの?




ブログ内リンク:
ディジョンの目抜き通りが歩行者天国になった祭り 2013/05/20
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
★ 目次: プレゼントや土産物に関して書いた記事

外部リンク:
☆ Musée de la Vie bourguignonne: Il n'est moutarde qu'à Dijon ?
Dijon moutarde - son histoire, la technique de fabrication
La moutarde de Dijon vient du Canada
La moutarde, de Dijon ? Plus vraiment !
Amora Dijon ferme définitivement ses portes après deux siècles d’activité
La moutarde de Dijon
Comment Unilever veut faire de Maille une marque milliardaire
☆ オフィシャルサイト: La Moutarderie Fallot


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2013/07/29
前回の日記「フレンチトーストをフランス人は嫌う?」でフレンチトーストについて書きながら、他にも「フレンチ」と付けられている食べ物があるな... と考えました。

日本で「フレンチドレッシング」と呼ばれるものが、前々から気になっていたのです。



日本では、バイキングでサラダが置いてあるときに、ドレッシングのチョイスとしてフレンチドレッシングというのもあったような気がします。

フランスで食べているようなパンが「フランスパン」。だとしたら、フレンチ・ドレッシングは、フランスで一般的なサラダドレッシングなのだろうと思うではないですか?

でも、フレンチドレッシングは、フランスの食卓に出る普通のドレッシングと同じとは感じないのです。 何かが違う...。どこに違いがあるのだろう?


フランス人はサラダドレッシングを簡単に作る

フランスのスーパーでもサラダドレッシングを売っていますから買う人もいるのでしょうが、普通は自分で作ります。少なくとも、市販のドレッシングを使っている友人には出会ったことがありません。

家庭では、サラダをよく食べます。

ひと昔前に質素な食事をしていた時代には、サラダが前菜の定番だったと言う人もいましたが、普通は、前菜、メインの後に、お口直し的にサラダが出てきます。そこで口の中をリフレッシュして、チーズ、デザートに進むという具合。

フランス人がどんな風にサラダを準備するかを知ったときは、驚きでした。非常に合理的なのです!

サラダボールの中に調味料を入れてドレッシングを作ります。



塩、コショウ、マスタード、ビネガー、オイルを混ぜるだけ。私は小さな泡立て器を使っていますが、フランス人たちはフォークだけでも器用に混ぜています。

マスタードは入れない人もいますが、これを加えるとビネガーとオイルが分離せずに、マヨネーズに近いとろみがでて固まってくれるので便利です。

ボールに入れたドレッシングができあがったら、水気を切ったサラダ菜やレタスなどを入れる。

食卓にそれを出して、食べる直前にフォークとスプーンでかき混ぜます。だから、早めにサラダを準備してしまっても、野菜がドレッシングを吸ってしまうわけではないので大丈夫なわけです。

「カミカゼ」という品種のレタス

パリでひとり暮らしをしている友人は、こんな風に毎回ドレッシングを作るのが面倒なので、1週間分まとめて作ってしまっていると言っていました。

下に入れる動画に、その作り方がでてきます。

つまり、空き瓶などに材料を入れてシェークするだけでドレッシングができてしまうのです。動画では、大勢集まる食事会のときに大量のドレッシングの作り方として紹介しています。



ペットボトルの目盛を利用して分量をはかり、カクテルのようにシェイクして作ってしまっているのが面白い。

なお、小さな白いポットに入ったものを入れていますが、これは水道水だそうです。私は水を入れることがないのですが、それが普通なのかと調べてみたら、水を入れるレシピも、入れないレシピもありました。

下は私が普通に作るのと同じレシピ。水は入れず、マスタードを入れています。



ともかく、フランスの家庭でドレッシングを作るのは、あっという間にできてしまいます。

ドレッシングに凝ろうと思ったら、ビネガーやオイルを何にするか、ビネガーの代わりにレモンやヨーグルトを使うとか、ハーブなどを入れるとか、マスタードは嫌いだから入れないとか、そういう配合だけの問題。


フレンチドレッシングって、何なの?

フランスで市販されているドレッシングを買おうとしたことがありません。フランス製なら美味しいのだろうと思ってマヨネーズを買ったら不味かったので、そういうものは自分で作ると決めたのです。

マヨネーズを作るのは少し手間がかかりますが、ドレッシングは簡単にできてしまうので買う必要もないし。

日本では、フレンチドレッシングなるものを、たくさん売っていました:
フレンチドレッシングを楽天市場で検索 

フランスで売っているドレッシングが、どういう名前が付いているか注意してみたことがないわけなのですが、「フレンチドレッシング」などという名前にはなっていないと思います。

日本で売っているフレンチドレッシングが気になったので調べてみたら、意外なことを知りました。

フランスで一般的なドレッシング、というのではないのでした!

Wikipediaに「フレンチドレッシング」という項目ができていました。それによると、アメリカで生まれたサラダドレシングなのだそう。

砂糖を加えた「白」と、ケチャップを加えた「赤」の2種類があるというので仰天!

アメリカやカナダで「French dressing」と呼ばれるドレッシングは、少し甘いのだそうです。フランスでは絶対に甘味をつけたりはしないのに、なぜ、それに「フレンチ」と付けたの?

上に書いた、フランスで一般的なのは「ヴィネグレットソース」と呼ぶのだそう(フランス語+英語?)。フランスでも、サラダドレッシングには色々なバリエーションがありますが、基本的なのはSauce vinaigrette(ソース・ヴィネグレット)と呼びます。あるいは、単純に vinaigrette(ヴィネグレット)。

フランス語で「ソース・ヴィネグレット(つまり、ビネガーのソース)」と呼ぶわけですが、これも考えてみれば変...。

ベースはオイルの方なのですから。好みによって配分は違いますが、ビネガー1に対して、オイルが2か3の割合です。ビネガーの味になってしまったらドレッシングとしては失敗になるのに、どうして「ヴィネグレット」と呼ぶのかな?...


日本のフレンチドレッシングには甘味がありましたっけ?... 日本のレシピを眺めてみました。

フレンチドレッシングのレシピを検索
簡単~基本のフレンチドレッシング♪
☆ みんなのきょうの料理: 基本のフレンチドレッシング
基本のフレンチ風ドレッシング

やはり、砂糖を入れるレシピが多い。でも、フランスで一般的なドレッシングをフレンチドレッシングと呼んでいることもある。なんだか分りません...。


日本風を取り入れてみた

日本のレシピを眺めていたら、レストラン風の美味しいフレンチドレッシングにするには、コンソメスープの素を少量入れると言うのがありました。

フランスのドレッシングに慣れてしまったので砂糖を入れるのには抵抗がありますが、コンソメスープの素を少し入れるのは試してみました。

先日作ったニンニクのマリネ(簡単にできる新ニンニクのマリネが美味しい)をサラダに入れてみると実験するときに採用。

ニンニクを刻み、ビネガーとワインで作ったマリネ液をほんの少しをビネガーの代わりにしてドレッシングを作りました。それにコンソメスープの素の粉を少々加えてかき混ぜました。

ビネガーの酸っぱさが消えて、美味しくなったような...。フランス人に出したら、コンソメなどというとんでもなものを入れたとは知らないので抵抗がなかったからだと思いますが、「とても美味しくできた」と褒められました。

まだ1回しか試してみないので、研究してみます。

ブログ内リンク:
おいしいサラダはオイルが決める: ルブラン社を訪問 2008/06/25
ディジョン・マスタードとは? 2013/07/30
ライスサラダをパーティーで出すのはケチの象徴? 2012/11/08
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外部リンク:
☆ 全国マヨネーズ・ドレッシング類協会: ドレッシング類の範囲
Le site des meilleures sauces de salade
Recette de Vinaigrette classique
Astuce: les astuces pour réussir sa sauce vinaigrette ?


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2013/07/28
前回の日記「パン粉が気になる。ついでに、豚カツも気になった」で、私は硬くなったパンをパン粉にして使うという話しを書いたのですが、そのほかにも古いパンの使い道はあります。


クルトン

硬くなったパンをさいの目に切って、スープに浮かせる具にする。
これをフランスでは「croûton(クルトン)」と呼びます。

パンを切っただけでも良いのですが、凝ろうと思えば、ローストチキンを作ったときの脂で炒めるとか、ニンニクをこすり付けるとかします。

日本では残ったパンがないからクルトンなるものが売れるのかも知れない。

フランスでも小袋に入ったクルトンを売っています。食べ残したパンはいくらでもあるはずのフランスで売っているのは本当に不思議...。

料理に時間をかけたくない人が多い、あるいは廃物利用よりも、市販のものの方がステータスが高いから、ということなのでしょうか?...


「フレンチトースト」と呼べば聞こえが良いのだけれど

FrenchToastたくさん残ったパンを再利用するには、フレンチトーストが便利です。

フレンチトーストという呼び名は、しゃれたフランス風のトーストみたいで良いイメージがありませんか?

これをフランス人が「French toast 」と呼んでいるはずはなくて、フランスでは「Pain perduパン・ペルデュ)」と呼ばれています。

パン・ペルデュとは、「失われたパン」の意味。

つまり、捨てるはずだったパン、ということ?!

子どものときにおやつとして食べたということで懐かしむ人もいるのでしょうが、フランス人にとってのフレンチトーストは貧しい生活のイメージが付きまとっている感じがします。

10年余り前だったと思いますが、パン・ペルデュが見直されてきたという記事が雑誌に出ていたので切り抜いたのですが、見失ってしまいました。戦時中に食べざるをえなかった野菜(キクイモなど)がブームになってきた時期でした。

嫌われていた野菜が脚光を浴びてきたことを書いた過去の日記:
牛ほほ肉のボージョレー蒸し焼き、ルタバガのピューレ添え 2010/12/09

戦時中にフランス人たちが食べていた野菜を高級レストランのシェフが使いたがるのは実感しましたが、フレンチトースト、つまりパン・ペルデュがフランスで再び脚光を浴びるということはなかったと感じます。 

私が外でフレンチトーストを食べたのは、B&B民宿の朝食で1回あっただけ。

そのとき一緒にいたフランス人は、こんなものを客に出すなんて、と批判していたっけ。B&B民宿の朝食では自家製ケーキを出すことがよくあるので、ケーキを焼くのを横着して、残り物のパンなんかを食べさせた、と反感を持ったらしいです。

英語圏で、この古パン再利用を「フレンチ・トースト」などというしゃれた名前にしているのは賢いと思います。そうなると、硬くて食べられないパンを捨てないで食べるという貧相なイメージは消えますから。

カナダのフランス語圏では「pain doré(黄金色のパン)」と呼ぶのだそうです。この呼び名だったら、パン・ペルデュのように悪いイメージはなくて良いですよね。


日本では?

私はフレンチトーストが好きなので時々作ります。 フランスとは無関係のときから、日本で作っていました。

フランスで作るときは、牛乳は1本あけて残すともったいないので、常に冷蔵庫に入っている生クリームを使います。生クリームと卵を混ぜて、固くなったパンに浸してから、バターたっぷりのフライパンで焼く。焼きあがってからグラニュー糖をまぶすので、焦げることもない、という方法。

マダガスカル土産のバニラビーンズがたくさんあるので、それを入れるせいか、私のフレンチトーストはかなり美味しいです。でも、フランス人に作ってあげても喜ばないだろうと思って、自分が食べたいときだけ作っています。

日本で外食したときに、フレンチトーストなるものは出てきたことがなかったように思います。これが好きなのは私だけなのだろうか?...

調べてみたら、びっくりしました。できあがったものまでを売っているのです。しかも、こんなに簡単にできるオヤツなのに、フレンチトーストを作るためのパウダーなんていうものまで売っている!


フレンチトーストを楽天市場で検索

日本市場には、どうしてこんなにフレンチトーストが売られているの?... 自分で材料を混ぜて作らなくても良いので簡単というわけで、こういうのを出すレストランもあるのでしょうか?

フランスで、出来合いのフレンチトースト(つまり、パン・ペルデュ)を売っているのか、レストランで出すことがあるのだろうかと思って調べてみたのですが、検索するとレシピしか出てきませんでした。

フランス人が行くレストランで、パン・ペルデュを出すことなんて、絶対にありえないのではないかな?... あからさまに残り物料理ですから。


立派なデザートになるフレンチトーストとは?

調べているうちに出てきて驚いたのですが、フレンチトーストはホテルオークラの名物料理になっているらしいことでした。

ホテルオークラ特製 フレンチトースト

レシピが紹介されていました。食パンを、卵、牛乳、砂糖、バニラエッセンスを混ぜ合わせたものに浸すのですが、まる1日もひたすのですって。グジャグジャになってしまわないのかな?...

フランス語情報でも、パン・ペルデュのレシピは色々と紹介されていました。中でも、パリの5つ星ホテルプラザ・アテネのシェフ・パティシエであるChristophe Michalak(クリストフ・ミシャラク)のレシピを紹介した動画が目に止まりました。


Christophe Michalak présente sa recette du Pain perdu
Un Pain Perdu "magique" (d'après une recette de Michalak)

パンを柔らかくするので、食パンよりはフランスパンの方がフレンチトーストに向いていると思っていたのですが、このシェフのレシピではブリオッシュを使っています。 さもなければ、ブリオッシュにしたパン・ド・ミーが良いのだそう。

ちなみに、パン・ド・ミーというのは、食パンに近くて、日本の食パンのようには甘味やモチモチ感がないパンです。フォアグラを食べるときのパンにするのが定番なのですが、私は普通の美味しいフランスパンでフォアグラを食べる方が好き。カナペにするときに使う人も多いです。私は美味しいとは思わないので敬遠しているパンなのですが、フレンチトーストには適しているかもしれない。

ホテルオークラのフレンチトーストのレシピも食パンを使っていました。しかも、このパリの有名シェフも、ホテルオークラと同じように、パンをミルクと卵を溶いた液に一晩つけています。

パンが極端に柔らかくなると、本物のケーキのようになるということ?...

ホテルオークラのレシピよりは、パリのシェフの方が贅沢な材料ではあります:
・ミルク 200グラム
・生クリーム(液体状) 800グラム
・卵の黄身 100グラム (約5個分に相当)
・グラニュー糖 150グラム

このレシピを試した人のブログのリンクを入れましたが、ベタベタに絶賛しています。ただし、母親がいつもしていたように、ラム酒とバニラを少し加えたそうですが。

この動画についていた説明が興味深かったです。

この世界コンクールでも優勝したパティシエが作るパン・ペルデュは、醜いヒキガエルをチャーミングな王子様に変えるようなレシピだ、と言っているのです。ちなみに、ここで使われているカエルを意味する単語はcrapaud で、フランス人が食用にするカエル(grenouille)ではありません。

マイナーなイメージが強いパン・ペルデュも、一流のシェフが作れば大変身しますよ、というレシピなのでしょう。 やはり、フレンチトーストなどとしゃれた名前をもらったパン・ペルデュは、フランスには残り物で作るオヤツのイメージしかないのが普通なのだろうと思いました。


【追記】

私が今もっている材料(庭でとれるフランボワーズ、バニラビーンズ、自家製バニラアイスクリーム)で、立派なデザートに仕上げているパン・ペルデュの動画があったので入れておきます。実演しているのは、パリの1つ星レストランのシェフ。


Pain perdu par Cyril Lignac par LOfficielMode

卵の白身を5個分残すレシピなどは試してみたくないですが、こちらはやってみたいと思いました。でも、こちらもブリオッシュで作っています。


追記

フレンチトーストが日本で流行っているという記事がありました。

http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/cooking/20130910-OYT8T00688.htm?from=os2
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/cooking/20130910-OYT8T00688.htm?from=os2

ネットショップでフレンチトーストを売っているのが奇妙だったのですが、流行っているとなると納得。さらに、甘くしないとファーストフードのようになるわけですね。

ブログ内リンク:
★ 目次: パン、パン屋、昔のパン焼き窯など
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 商品にフランスのイメージを持たせた命名

外部リンク:
☆ Wikipedia: フレンチトースト
Que faire avec du pain rassis ?  ⇒ Du pain perdu
La symbolique du pain

【フレンチトーストのバリエーションのレシピ】
Gâteau de pain Grand-Mère
Pain perdu au wasabi


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2013/07/27
フランス人は節約家なのに、平気で無駄なことをするな... と、思うことの1つにパンがあります。

バゲットは、翌日にはもう固くなってしまいます。頑張って食べても、3日目には歯が立たないほど固くなる。

それで、どうするかというと、惜しげなく捨てるのです。田舎でウサギや鶏を飼っている家では、古パンは餌にするのはありますが。


硬くなったフランスパンでパン粉を作る

私は、固くなったパンを砕いてパン粉にします。

前回の日記「パンを主食にする文化って、不便...」で書いたように、遠くのパン屋まで行って、これは美味しいというパンを選んだのに、捨てるのはどうにも忍びない...。

とはいっても、パン粉はそんなに使うわけではないので、やはり捨てるパンも多いのですが。

パン粉を作るためにアイディア商品など買ったりもしたのですが、一番気に入った道具は、石臼。

中国系の店で売っていたものを買いました。

石をくりぬいた臼は非常に高いのですが、私が買ったのは粉にした石を固めて作ってあるとのこと。それで手が出る値段だったのでした。

ずっしりと重い石臼。

これに固くなったバゲットを入れて、付属の棒で軽く叩くと、簡単に粉になっていきます。

質の良いフランスパンを荒く砕いて作ったパン粉をフライにすると、日本で買うパン粉より美味しくできるので気に入っています。

カリカリ感がとても良いのです。日本に帰国するときには古パンを持って帰りたくなるほど! でも、そこまですることもないと思って、硬くなったパンをスーツケースに入れるのはやめていますけれど...。


フランスのパン粉

パン粉を作るようになったのは、フランスで売っているパン粉(Chapelure)は粒が小さくて、日本の料理に使うには適さないというのも理由。

フランスのパン粉は、荒く挽いた小麦粉というような粒なのです。

肉屋さんの店先。手前にある茶色の粉をかぶっているのがそれ。



パン粉をまぶしてしまった料理というのは、フランスでは非常に庶民的で、好かれているとは感じません。それで、豚カツを作ると言うと、フランス人たちは良い顔をしてくれません。

私の特製パン粉ではパリっとあがるので、食べさせてしまうと美味しいと言われます。特に、カキフライは好評でした。

パン粉をまぶした料理に使うpaner(形容詞にするとpané)という単語が、フランス人の食欲をそそらないように感じます。


豚カツ

日本の友人の中に、豚カツは優れた日本料理なので世界に広めたいと言っている人がいます。

最近のフランスにある日本料理のレストランでも、豚カツを出すところがボツボツでてきたような気もします。フランスの日本料理店には、日本系と中国系があるのですが(後者が大半を占める)、豚カツをメニューにするのは日本系ではないかという気がします。私が日本料理をレストランで食べるのはごくまれなので、判断はできないのですが。

もしも日本系で豚カツを出しているのだとすると、日本人には豚カツは日本料理で、中国系の人たちにはそう思えないのかもしれない、という気もしてきます。

豚カツを説明するには、フランス人には「Porc pané(ポール・パネ)」と言えば、何であるか想像してもらえます。 でも、パン粉をまぶした「パネ」には良いイメージがない。

なので、私はフランス人が豚カツを好むかというのには疑問を持っています。

そもそも、日本で揚げ物を食べるのは、淡泊な日本料理ばかり食べるので、脂分を補いたくなるからではないかと思うのです。

私が子どものころには、脂分が不足していました。

だから、学校給食で、コッペパンを揚げて砂糖をまぶした揚げパンがでるのがとても嬉しかった。 毎週、金曜日に出たメニュー♪

フランス人たちが思い出話しを語るとき、給食で出てきた不味い料理の話しをよくします。

でも、私が学校給食で思い出せるのは、好きだった揚げパンと、臭くて嫌いだった脱脂粉乳のミルクしかありません。

給食の定番として出る料理というのもあったはずなのに、何も覚えていない...。思い出したときに目に浮かぶのは、何を入れても不味そうに見えるアルミの食器くらいかな...。


豚カツの歴史

豚カツは、何となく伝統的な日本料理ではないような気がする。この際、調べてみました。

Wikipediaの「豚カツ」から要約してみると、トンカツの歴史というのは、次のようなものなのだそう。


明治洋食事始め
― とんかつの誕生

1872年
(明治5年): 
仮名垣魯文著『西洋料理通』に「ホールコットレット」として記述された。
※ 油で揚げるのではなく、西洋風に油でソテーしたカツレツ

1899年
(明治32年):
銀座の洋食店「煉瓦亭」が「豚肉のカツレツ」をメニューに採用(のちに「ポークカツレツ」と改称される)。
牛肉でなく豚肉を使い、ソテー(炒め揚げ)ではなく天ぷらのように大量の油で揚げ、温野菜のかわりに生キャベツの千切りを添えて提供。

1932年
(昭和7年):
とんかつ専門店が次々と開店し、とんかつブームがおきる。


やはり、始めに作られたのは、西洋料理から入ったカツレツ。これを天ぷらのように油の中で揚げるのを考案したのが日本、ということらしい。


コートレットという料理

豚カツのルーツとされるカツレツは、フランス語のcôtelette(コートレット)から来ているのだそう。

côtelette(コートレット)と聞くと、私は骨付き背肉(ロース)を思い浮かべるのですけれど、それを使ってソテーにする料理があるのでした。

※ Côtelette Pojarski(ポジェルスキー風コートレット)という料理は、子牛などの挽き肉をロース肉の断面の形にして、パン粉を付けて炒めた料理。

肉屋で、子牛にパン粉をまぶした肉を売っているのを見ますが、これがコートレットでしょうか? そのままフライパンにオイルを敷いて焼けば料理になるという形。

パン粉のキメが細かいと美味しそうには見えないので買ったことがありません。レストランで食べたこともないし、友人の家に行ったときに出てきたこともありません。

高度成長期になる前のフランスでは、貧しい家では肉はご馳走だったのだそう。肉にパン粉をまぶしてボリュームを出すのは、貧しい食卓だった時代の料理だったのではないかという気もします。

これだけ肉を大量に食べるフランスで、肉はご馳走だったというのは信じられないのですが...。そんな話しを書いた日記:
田舎で育った人から昔の話しを聞くのが好き 2012/11/19

イタリアを旅行したときには、何だか分らなくて注文して出てきたのがコートレットだったのを思い出します。パサパサで、酷い料理だったので、もう20年以上たっているのに、ローマに到着して一番始めに食べたこの料理を、まざまざと覚えています。

イタリアでは付け合せの野菜を別に注文する風習があるのを全く知らなかったのも失敗。皿にパン粉をまぶした肉がのっているだけの、なんとも耐え難く、味気ない料理だったのでした。このときの恨みには根強いものがあるので、あれから、イタリアでは肉料理を注文するのをやめてしまっています!


フランス式豚カツ?

トンカツの作り方を見せるフランスの動画があったので見たら、やはり使うのは「日本のパン粉」に限る、としていました。



日本のパン粉は「Panko」、あるいは「日本のパン粉」として、フランスでも市販もされていました。WikipediaにもPankoとして紹介しています(Bread crumbs)。

でも、この動画の豚カツの作り方は変ですよ~!

油で揚げないで、フライパンに油をしいて焼いているのです。これだと、豚カツのルーツのカツレツではないですか?!

レシピを紹介している男性は、「毎週食べたくなる」なんて言っていますが、ただ日本風のパン粉を使っているというだけではないですか? コメントには、日本のパン粉は市販もされているけれど、パン・ド・ミーの皮の部分を取り除けばできる、と言っている人もいますね。

私は、フランスパンから作ったパン粉の豚カツも美味しいと思うし、それは油でカラっと揚げているのが味を引き出しているのだと思うのですけど...。

もったいぶって豚カツのレシピを紹介しています。動画が入ったのは2013年4月なので、最近のフランスでの日本食ブームから、このレシピ・サイトでも入れたのでしょうね。

フランス人が作る日本料理も邪道が多いし、日本人がつくるフランス料理も日本人向けにアレンジしているものが多いので、自分が美味しいと喜べるなら何でも良いとは思います。


フライヤー

なぜ、上に紹介した豚カツのレシピではソテーにしていたのか?

まず、フランスの料理には、カツやコロッケのように大量の油で揚げるという料理はほとんど存在していません。思いつくのは、フライドポテトと小魚の揚げ物くらい。

つまり、鍋に油をたくさん入れて揚げてくださいというレシピだと、フランス人は困ってしまうのではないでしょうか?

揚げ物をすると台所が汚れるというのも、嫌われる理由のはず。フランス人家庭の台所はピカピカに掃除しているので、私が天ぷらなどの油が飛び散ってしまう料理をすると、嫌な顔をされます!

フランスでフライドポテトなどを作るには、「friteuse」と呼ぶ電気製品の揚げ鍋を使っているのです。

これだと、炊飯器のようにぴったり蓋を閉めてしまうので、油が飛ばないし、煙も出ないのです。

これに入れるのは、日本の天ぷら油のような液体ではなくて、Végétalineと呼ぶ固形の油を入れて溶かすのが普通だと思います。

でも、最近は進歩しているのを知らなかった! 右に画像を入れたものは「オイルなし」というタイプなのでした。

鍋の中にジャガイモを切ったものを入れて、スプーン1杯のオイルを入れるとフライドポテトができるのですって。

それで揚げ物ができるなら欲しくなる道具ですが、本当に揚げ物の味にでくるとは信じられない...。

日本の方が親切な情報を提供をしているはずなので、探してみました。



日本でも、オイルを使わないで揚げ物ができる器具を売っているのですね。

オイルを使わないフライヤーを楽天市場で検索

メーカーのサイトにあるレシピは、こちら
やはり、天ぷらなどには向かないように見えました。

ちょっと笑ってしまったのは、日本市場向けのサイズに見える器具なこと。

1回にはほんの少ししかできないみたい...。
これだと、フランス人1人分にしかならないですよ~。

日本のサイトでは100グラムのフライドポテトを作るのがレシピとして紹介されていました。でも、フランスアマゾンで売っているノンフライヤーでは、1.5キロのフライドポテトを作れるという記述でした!


硬くなってしまったパンをパン粉にするフランス人がどのくらいいるか分りませんが、もう1つ、有名な古パン再利用方法があります。

伝統的な料理のはずなのですが、フランスの伝統として残っているようにも見えないので気になる。それを次回に書きます。
⇒ フレンチトーストをフランス人は嫌う?

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★ 目次: パン、パン屋、昔のパン焼き釜など
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Que faire avec du pain rassis ?


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2013/07/26
パン食文化は本当に不便だと思う。

パン屋では売れ残りのパンを翌日に売るわけにはいかないので、余分には焼きません。それで、人口が多い大都会ならともかく、小さな町や村で夕方にパンを買いに行くと、何も残っていないという場面によく遭遇します。


美味しいパンがあれば、美味しい食事ができる

パンがないと食事にならないので困るのです。

日本だったら、急なお客さんが来ても、人数に合わせてご飯を炊けば良いので全く問題はないのに...。

むかしイギリスでホームステーしていたときには、パンの代わりに蒸かしたジャガイモが出たりもしたのですが、フランスではそういうことはやらないようです。

確かに、フランスの食事にはつきもののチーズを出して、それをジャガイモで食べろ、というのはありえない!

急の来客があるような家庭では、どこでもパンを冷凍してストックしているのではないかという気がします。

パンが美味しいかどうかで、食事はかなり左右されます。なんでもないパテでも、パンがおいしければどんどん食べられてしまう。

それで、買い物に行く町では、どこのパンが美味しいかを探しています。

最近のフランスはBIOブームで、どこの朝市でもオーガニック農家がパンを作って売っているような気がします。



無農薬の穀物で作ったパンは魅力的なのですが、ずっしりとしたパンなので好きではありません。無農薬だからパンが膨らまないということもないと思うので不思議。美味しいパンを作るというのは非常に難しいのではないかな?...


冷凍に耐えるパンを探す

私の場合は、歩いて行けるところにパン屋はないこともあって、簡単にパンを手に入れることができる環境にはありません。それで、冷凍に耐える質の良いパンを買いだめして、常にストックしています。

冷凍に耐えるパンは、おいそれとはありません。普通のバゲットを冷凍したら、解凍したときに皮がポロポロと剥げ落ちてしまって、どうしようもない姿になるのです。

選び方の第一条件は、皮が厚いパンだと思っています。さらに、解凍しても美味しいパンであるためには、工場で大量生産はされていないパン。これは、パンをひっくり返してみれば、すぐにわかります。

↓ こんな風なパンを買って、解凍したときに美味しいかを実験してみます。

パンを買って帰ったら、すぐに密封して冷凍。食べるときには、冷凍庫から出してからすぐ、少し温めたオーブンで5分焼きます。 すると、焼き立てのパン。冷凍したパンなわけですが、下手な普通のパンより遥かに美味しいです。

上には画像をいただけるものを入れたのですが、冷凍するために選ぶバケットは、もう少し細いのを選びます。高温でさっと解凍してしまうパンが良いからです。


そもそも、バゲットというパンは、パン屋の陰謀の発明だと思う。

毎日買いに行くことを与儀なくされ、翌々日になったら捨てるしかない。

昔のパンは、大きくて、1週間くらいは食べ続けることができたのです。

日曜日に焼きたてのパンを食べる。お父さんが大きなパンを胸にかかえて、そこに十字の印をつけてから、みんなに切り分ける。

... そんな昔の場面は映画などで見ただけなのですが、胸に抱えるほど大きなパンをスライスするのはちょっとした技術。


最近のお気に入りはビュリュロン

フランスで売っているパンには、バゲット以外にも色々な種類があるのですが、最近気に入っているのは「Bûcheron(ビュシュロン)」というパン。木こりの意味があるのですが、何で作っているのかは不明。ライ麦が入っているような気がします。

重さ15.2キロの巨大なビュシュロンを作っている動画があったので入れてみます。


Réalisation d'un Pain Bûcheron de 15... par treveys

バゲット3本くらいの大きさのを買っています。大きさが違ってできるので、目方で料金が決まるというもの。パン屋では機械でスライスもしてくれるのですが、私はそのままが気に入っています。

このパンは冷凍しません。スライスしたものを解凍すると、パサパサでおいしくない。丸のまま冷凍すると、解凍するのが難しいので実験していません。

切りながら食べていくのですが、1週間たっても食べられるパンなのです。

フランス式に、フキンでパンを包んで保管します。これは乾燥を防ぐためなのかな?... 2日たつと、パンの皮が軟らかくなりすぎてしまい、それをすぎると全体が固くなってきます。

それで、柔らかすぎるときは、オーブンでさっと焼いて皮をパリっとさせます。硬くなってしまったら、水滴をパラパラかけてオーブンで焼きます。

どうすれば、無駄なく、美味しいパンが食べられるか、実験しながら研究してしまう...。

こういうパンは「pains spéciaux(特殊パン)」と呼んで、普通のバゲットより高い値段になっています。そういうパンなのだし、なにしろ遠くのパン屋まで行って買っているので、残ったときに捨てるのは気がとがめるのです。

でも、普通のフランス人たちは、硬くなってしまったパンを惜しげなく捨てているのです。

古くなったパンに対しては「pain rassis」という言い方もあるのですが、その使い道について話しを続けます:

その1: ★ パン粉が気になる。ついでに、豚カツも気になった

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★ 目次: パン、パン屋、昔のパン焼き窯など
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ

外部リンク:
Pains spéciaux: lequel choisir?

【パリのパン屋情報 -Le Figaro 2013年】
Les 5 pains spéciaux à Paris
La meilleure baguette de Paris 2013 se trouve dans le XIVe


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2013/07/25
今年から本格的に家庭菜園を始めた友達がいます。母屋の南側にある庭から丘を登ったところにある空き地のようだった場所に畑を作ったので、歩いていくと息切れしてしまう!

5月末に遊びに行ったとき、そこまで行って写真をとっていました:



独立した子どもたちが頻繁に遊びに来るとはいえ、夫婦2人住まい。なのに、ものすごい量の野菜を作っています。ポワローを百本植えたとか、苗を買う量がすごい!

フランスの田舎では、日本なら農家になれてしまほど広い土地で野菜畑を作っている人がたくさんいます。農家で育った人も多いので、プロ並みに農業をやってしまうのは当然かもしれない。

そういう家庭菜園の達人たちに言わせると、この家の家庭菜園は笑ってしまうほど素人畑なのだそう。そもそも、ハウスは小さすぎて通風が悪いのでダメだ、と言っていました。

でも、家庭菜園に目覚めた友人は、ご自分の畑が自慢。「BIOの野菜は美味しい♪」と悦にいっています。BIOというのは、農薬を使わないというだけではなくて、自然農法の知識と技術が必要だと思うのですが。

自分で野菜を作るなら、露地栽培のを食べたいと私は思うのですが、ハウス栽培が気に入っているようす。収穫物のおすそわけをしてくれるのですが、あまり美味しくない...。

サラダ菜などは、ハウスの中で焦げてしまっているのではないかという状態。せっかくだけれど、洗いながら葉っぱの半分くらいは捨ててしまっています。 残した部分を食べても、品種が悪いのか、葉が固くて、味がない。

おいしい野菜を育てるのは難しいのだろうな...。

何がどうなっているのか分からないけれど、ラディッシュやニンジンなどの根野菜も、葉っぱばかり変に伸びていて、肝心の食べる部分は小さい。小さいのは好きだから良いのですが、妙に身が固いのです。とりたてなのに、なぜか新鮮な野菜という感じがしない...。不思議...。

先日、箱に色々な野菜が入れて持ってきてくれました。

いろんな野菜が少しずつ。こういうのは楽しいです。

さっそく、小さな人参の皮をむいてから冷水に漬けてシャキっとさせ、それを氷の入ったコップにさして、塩で食べるという日本風おつまみにして出しました。

人参の葉はきゃらぶきにしてみたのですが、人参は人差し指の大きさにもなっていなかったのに、葉はやたらに固い。それで、キャラブキは失敗。

でも、人参のステッキの方は人気がありました。

それで、持ってきてくれた中にあったキャベツを使ってロールキャベツを作るから、と申し出てしまいました。


トマト・ファルシ

フランスでは、ロールキャベツは「chou farci(詰め物キャベツ)」と言えば通じます。名前が存在するわけですが、ほとんど食べない料理。

一度、白菜を使ってロールキャベツ風にしたらフランス人に受けたので、キャベツでやっても同じように好かれるのではないかと思ったのです。

フランスでロールキャベツを作るのは簡単。というのも、夏の家庭料理の定番にトマト・ファルシ(Tomates farcies)というのがあって、それに使う詰め物用の肉を売っているのです。

トマト・ファルシとは、こんな料理:



トマトをくりぬいて、そこに肉を入れてオーブンで焼くという料理。その詰め物に使う肉は、chair à tomates、farce à tomates、chair à saucisseなどという名前で売られています。

そういう肉を売っている写真があったので入れておきます。



写真は5年前に撮っているので、値段は当時のものです。

左は、chair à saucisse。ソーセージにする材料という意味でしょうね。
右が、farce à tomatesで、トマト・ファルシにする材料。こちらはハーブか何か入って味付けしてあるもの。

豚の挽肉です。フランスで売っている挽肉は、普通は牛肉のステーキ用なので、トマト・ファルシを作るシーズンでないと、こういう豚の挽肉は店頭にでないだろうと思います。

500グラム買って、ロールキャベツの準備完了♪

買おうとした肉屋さんでは右のように変な色をしていて気持ち悪いので、別の肉屋で買いました。赤い肉色が鮮やかなのでソーセージ用なのだろうと思ったのですが、翌週に行ったときに眺めてみたら、トマト・ファルシ用でした。茶色くなっている挽肉は香草など色々入れているものなので、日がたつと茶色っぽく変質してしまうのか、肉屋によって作り方が違うのか分かりません。


このキャベツ、なんだ?!

シーズンになって出てきたキャベツは、まだ芯がまいていなくて、柔らかくて美味しいですよね。

いただいたキャベツは、そういう新キャベツなのだろうと想像していました。

ところが、キャベツの外側の緑色の葉を取り除いたら、中はまるで冬の寒さに耐えたようなキャベツ...。

フランスのキャベツには色々な種類があるので、私が思っていたのとは違うらしい。

皮がやたらに厚いのです。ロールキャベツにするためには、葉を1枚ずつきれにはがさないといけないわけですが、そんなことをするのは全く不可能!

アルザスの郷土料理のシュークルート(ザワークラウト)で使うキャベツは皮が固くて、かなり時間をかけて加熱しないと柔らかくならない種類なのだと聞いたことがあるのですが、その品種だったのかな?...

キャベツの葉の形のままにそぐことはできない。バリバリと、ちぎれるだけ、ちぎり始めました。

これを茹でてから、つなぎ合わせてロールキャベツにするか?... でも、葉はゴロゴロしていて、肉を包み込むのは無理ではないかな?...

でも、ロールキャベツを作ってご馳走するからと宣言してしまったからには、作らねばならぬ!


ロールキャベツにはできないので、テリーヌにしてしまった

キャベツを茹でながら、考えました。

ロールキャベツというのは、フライパンで蒸し焼きにする料理ではないですか?
ロールキャベツのレシピを検索

肉をまいたキャベツがそのままの形で残るように、お皿をのせたりして固定してロールキャベツになる。

としたら、テリーヌ型に入れてしまって、それをオーブンで焼いたって、結局はロールキャベツの味になるのでは?...

いただいたキャベツで料理を作ると言ってしまったのだし、詰め物にする肉は買ってしまったのだから、やってみるしかない!

まず、キャベツを茹でました。 ひきあげてから、これはやはりつなぎ合わせてロールキャベツにできはしないと確信。

詰め物の肉は、ハーブなどは入っていないものを買ったので、何かしら加えないといけません。

それで、野菜をもらった中にあった玉ねぎをみじん切りにして、バターで炒めました。ついでに、買い置きがあったシイタケも、みじん切りにして炒める。

フランス人が食べなれているトマト・ファルシとは一味変わるはずですから、悪くないのではないかな?...

玉ねぎを炒めていたら、ハンバーグを思い出しました。それで、卵、パン粉(いつも古いパンを粉いて作っている)、フランスでハンバーグを作るときに使っているエジプトで買ったハーブ(35種類の香辛料ミックス)、塩、コショウを加えて混ぜる。

テリーヌ型に茹でたキャベツを敷き、その上に詰め物の肉を入れる、それから再びキャベツをのせてサンドイッチ。

これでは物足りないかなと思って、皮をむいたトマトをのせ、さらに急きょ、庭からローリエをとってきてのせてみる。それでも味が心配なので、エルブ・ド・プロヴァンスを少し振りかけてみる。



これをオーブンに入れて、しばし焼く。 

初めての料理なので、どんなになるかは全く予想できない。それで、お味見程度に小さなものを作りました。

苦肉の策だとは知らないフランス人たちには好評。もっとたくさん作っても、全部食べてくれたと思う。

見た目は違うけれど、食べるとロールキャベツと変わらないのです。

ロールキャベツなんていうのはお惣菜料理。それで私自身には感激する料理ではなかったのですが、無事に料理になったのでほっとしました。

肉屋で売っているトマトの詰め物が何なのかよくわからないのですが、たぶん豚肉。

なので、料理時間が長すぎてもパサパサになることがないようです。ロールキャベツと同じレシピなので鶏ガラスープも少し加えているから、焦げる心配もない。

テリーヌ型の中でしっかり固まったので、ナイフで切り分けて食べられました。

トマトは好きではないので少しのせてみただけなのですが、表面をすべて覆うくらい入れてしまった方が良かったかもしれない。

ともかく、ロールキャベツを作るよりはずっと簡単なのが気に入りました。

これだったら、大食漢のフランス人たちに出すボリュームも難なくできてしまいます。ロールキャベツ20個なんて作りたくないですが、これなら同じ分量ができてしまう。

しかも、テーブルにどんと出して、みんなに好きなだけ切ってとってもらえば良いので楽。


こういう料理は、すでに存在するのかもしれないですが、私のレパートリーの1つにしてしまおうかと思いました。メインディッシュにするには少し寂しい料理だけれど、前菜には適しているだろうし。

簡単にできて、失敗する危険性がない料理を作るのが好きです。 しかも、下ごしらえしておいて、お客さんが来たときにオーブンのスイッチを入れれば良いというのも便利。

テリーヌなんて本格的なフランス料理と思って手を出したことがなかったのですが、研究してみようかな...。

狩猟をしている人たちは収穫したものでテリーヌを作っていて、人によっては素晴らしい味にできあがっています。「どうやって作ったの?」と聞いたとき、「簡単、簡単」と言われていました。

テリーヌ型を使った料理は、簡単な調理法なのかもしれない。焦げる心配もないし、蓋がぴったりなので完全な蒸し焼きになる。材料を詰め込んでオーブンで焼くだけなんて、良いではないですか?!



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★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ


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2013/07/24
良いワインは長い年月セラーに入れておいて、味がどう変わっていくかをみる楽しみがあります。特に質の高いワインは、若いうちに飲むと美味しくない。

でも、最近は、そんなに何年も寝かせておかない方が良いと思うようになりました。

ワインの作り方が変わって、寝かせておかなくても味を楽しめるワインの作り方になっているのでしょうね。早く飲んでしまったらもったいないという銘柄でも、おいしかったりする。数年は寝かせておかねばとセラーに入れていたのを出してきて飲むと、もう味は下り坂になっていて驚くことも多くなりました。

私はほとんどブルゴーニュワインしか飲みません。ボルドーの方は昔からブルゴーニュより長く寝かせておけるワインなのでが、ボルドーも変わったのだろうか?


1989年のボージョレーが変質していなかった

数日前、セラーに寝かせていて、ほとんど忘れていたようなワインを友人たちと一緒に味見してみました。

コート・ド・ブルイィという、ボージョレー地域で生産される赤ワインで、ビンテージは1989年。



ブドウの品種はガメで、ブルゴーニュの高級赤ワインワインに使われるピノ・ノワール種ではありません。ボージョレーを1ランク下にする人が多いのは、ガメはピノ―ノワールのような濃厚にはならないし、長いこと寝かせておけるワインではないからだと思います。

飲めるようなワインないだろうと言いながらコルクをあけました。1989年に収穫されたブドウで作ったこのワイン、20年余りも前のものですから。

グラスに注いでみると、ブルゴーニュワイン色と呼ばれる、オレンジがかった色になっていました。

しかも、ちゃんんと飲めるワインなのでした。もちろん感激するほど美味しくなっていたわけではないのですが、問題なくワインとして飲める!

みんなで驚きました。

昔のブルゴーニュワインって、そういう作り方をしていたのだよな...。

もちろん、黒ずんだオリはたくさんありました。

濾過の道具を使おうかと思ったのですが、どうせ飲めないだろうと思っていたワインなのでケチらない。

30年近くたったロマネコンティを飲んだときには、オリがおびただしいほどできていて、ワインロートを持っていないことが悔やまれたのですが...。

最近のワインは、こういうオリを取り除いてからボトル詰めするのが主流になっています。

ボトルにオリができないワインだと、寝かせていても余り熟成したりしないし、早くから飲めないワインになってしまうのだろうか?...

19889年のワインを作ったのは、今でも定期的に買い付けにいっているドメーヌです。昔ながらに素朴にワインを作っていて、安くて美味しいから気に入っています。でも、もうオリができるようなワインは作っていませんね...。


ボージョレーといっても、いろいろ...

20数年たったボージョレーなんか飲めるはずがない! と馬鹿にしていたのですが、このときに開けたのはボージョレーの中では最高ランクのクリュの1つ、コート・ド・ブルイィでした。

日本で買うといっぱしのお値段になることもあるかもしれないですが、ここブルゴーニュではお手軽価格のワイン。今から20年も前といったら、1本500円もしなかったのは確実だと思う。


コート・ド・ブルイィを楽天市場で検索

ボージョレーのクリュが10つあることは、すでに書いていたので省略:
ボージョレーに行った週末 2005/06/06


普通のボージョレーとか、ボージョレー・ヴィラージュだったら、いくらなんでも飲める状態で保存されていたとは考えられません。

日本ではボージョレー・ヌーヴォーがもてはやされるので、を毎年買って、いつか飲み比べするためにストックしているという人がいました。でも、それは無意味だと思いますよ...。

熟成途中で瓶詰めしてしまうのですから、新酒だと喜んで飲むこと以外には価値がないワインのはずです。


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とっておきのワインを捨てるときは断腸の思い! 2006/07/07
葡萄ジャムからワインを作るなどという醸造法があったの?! 2011/07/28
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ


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2013/07/22
前回の日記で友人が作った馬肉のタルタルソースについて書いたのですが、そのときの肉にまぜたものが少なすぎるように感じました。

それから約1ヵ月たったときに行ったレストランで、友人たちが牛肉のタルタルステーキを注文していました。 私もフォークを持った手をのばして味見!

フランスのレストランでタルタルステーキを食べるときは、自分で好きな具を混ぜる形と、まぜあわせて作って出してくるケースがあります。このときは前者の方。それなので、何を入れるかが分かりました。



このくらい具が色々あると楽しいですね。液体のソースもあったのですが、画面に入っていません。

右手にあるのは、付け合せとして出されたラタトゥイユという南仏料理です。この組み合わせには初めてであったような...。

タルタルステーキは、アングロサクソン系の国で発達した料理なのではないかと思う理由があります。フランスでも、ケチャップとウスターソースを入れるのが定番だからです。フランス料理とは無関係の食材だと思う。

写真の、卵の黄身の手前にある赤いソースは、ケチャップではないかと友人たちは思ったらしくて、誰も手をつけませんでした。食通を自称するフランス人たちは、ケチャップを極端に敬遠する傾向にあるのです。フランスでも、子どもたちは好きらしいのですが。

他の人がとった料理。でも、ケチャップにしては赤い色が鮮烈すぎる... と気になりだしました。ちょっとなめてみると、ケチャップでないことは確かでした。赤いピーマンで作ったのではないかなと思うけれど、分らず。

液体ソースも、ウスターソースではなかったので、シェフが考案したものではないかと思います。お給仕の人に聞いてみようと思ったのに忘れていました。


包丁で切ったタルタルステーキが最高

当然ながら、肉は別の皿にのって出てきていました。 これに好みのものを入れて、自分でタルタルステーキにするという趣向。



友人2名がタルタルステーキをとったのは、包丁で切ったステーキだと書いてあったからでした。機械でひき肉にしてしまうより、包丁で賽の目に切った方が肉の味が良いと言われます。


別の機会に食べたタルタルステーキの写真を入れておきます。



創作料理が得意なレストラン。これも肉は包丁で切ったのが分かります。何を入れていたかは全く分らなかったですが、非常に美味しかったです。


庶民的なレストランで出されると、こんな風になります ↓



ひき肉にしてしまうと、歯ごたえがなくなってしまうから味が落ちると感じるのでしょうね。


肉を包丁でミンチにするのはどうするのかと思って動画を探してみました。まず第一に、包丁がよく切れることがポイントのような...。





タルタルステーキ: (1) 馬肉  (2)  牛肉


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2013/07/21
タルタルステーキ: (1) 馬肉  (2)  牛肉

暑くなると食べたくなる料理があります。その1つが「Steak tartareタルタルステーキ)」。

タタール人に由来した名前なわけなのですが、この料理はどの国が本場なのだろう?  「Steak tartare」をキーワードにしてレシピの動画を検索してみたら、英語版ばかりがトップに並んできたので放棄しました! つまり、フランス語だと思っていたのだけれど、これは英語だった?...

フランスのレストランでは時々出会う料理です。日本では食べたことがないような...。

好きな料理ではありますが、年に1回食べることがあるかなという程度。ところが、この夏になってから、たて続けに2回も味わう機会がありました。


馬肉のタルタルステーキ

友人たちと旅行して自炊できる民宿に泊まったとき、馬肉のタルタルステーキを作ってくれた人がいました。

少し前、馬肉のタルタルステーキが美味しいのだと話していたので、それを私たちに味わわせてくれようと思いついたのでした。



1人分250グラムだったかな。たっぷりとした量でした。

作ったのは、野菜もチーズもデザートも食べないのが普通で、肉ばかり食べるという特殊人物。生肉に入れたのは、チャイブとパセリ、それに少し卵黄、塩コショウを混ぜ込んだだけ、というレシピだったと思います。

私は、もっと何かスパイスをきかせて欲しかったですが、確かに馬肉そのものの味は賞味できました。肉は柔らかくて、まろやかで、牛肉とは全く違う...。


日本人は馬肉をよく食べる?

馬肉のタルタルステーキを作ってくれた友人によると、馬肉は生で食べるのが一番美味しいとのこと。「日本でも馬刺し」というのがあるから、生がおいしいのだろうと思う」、と私。

と言っても、熊本の名物が馬刺しだと聞いてから何度も熊本に行ったのに食べていなかったので、東京で1回食べたことがあるだけの私。

熊本出身の友達が、評判のもつ鍋屋さんに連れていってくれたとき、お品書きに馬刺しもあったので私は注文しました。

かなりのお値段なのに、ほんの少ししかでてきませんでした。しかも、冷凍の肉だと分かるので、そんなに美味しいとは思わなかった。友達は「馬刺しが食べたかったのなら、別の店に連れていったのに...」と不満げ。

今回食べた馬肉のタルタルステーキは、馬肉の微妙な味を初めて堪能する機会になりました。私はゲテモノは色々食べるのですが、なぜか馬肉には抵抗を感じました。 馬肉のタルタルステーキは美味しかったけれど、また食べるために努力しようとは思わない。

日本の方が、たくさん馬肉が売られているように感じました。

しかも、ヒレ肉だけではなくて、色々な部分が売られていました。

馬刺しにも、霜降りとかがあるのですね。フランスには牛肉でも霜降りがないから、桜肉にも当然ない...。

馬肉を楽天市場で検索


フランスで売られている馬肉

肉屋で、たまに馬肉も売られているのを見かける程度です。売っているのは、ヒレ肉など上質部分だけのように感じています。 他の部分はどうするのだろう?...



馬肉専門の肉屋には、フランスでは呼び名があります。boucherie(肉屋)にchevaline(馬のchevalから来た単語)を付けるのです。

馬肉が特別扱いされているというわけではなくて、豚肉専門の肉屋はcharcuterie。肉食文化の国なので、何の肉を扱っているかによって店の呼び名を作っているのでしょう。

だいぶ前のフランスでは、馬肉専門の店を見ていたのですが、今でも存続しているのかな? ...

調べてみたら、しっかりと存続していました。ブルゴーニュ地方最大の都市であるディジョンの朝市には1軒ある、という新聞記事が出てきました。臓物専門店だと思っていたところが、それかな?...

以前はディジョン市には8軒の馬肉専門店があったのに、今ではその1軒だけ、しかも県内唯一の存在なのだそう。その店の人は、少しデリケートな商売だと言っています。子どもたちは、学校で両親が馬肉を売っているとは言いたがらないのだそう。

フランスでは、可愛いウサギやハトまで食べてしまうのですから、馬の肉にこだわるというのも変だという気がします。でも、フランスでは乗馬する子も多いので、そうなるかな?...

ヴィクトール・ユーゴーが亡命先で、食事に招待された家に行く途中で見たニワトリがいたのですが、出される料理がそれだと知ったとき、「私は知っている家畜は食べない」と食べるのを拒否した逸話があったっけ...。


食品の品質と偽造の問題

日本でユッケ集団食中毒事件が話題になったのは、2011年の春でしたっけ? 日本人は魚を生で食べる習慣があるので無防備だったのかもしれない。

フランスの友人に、九州のお家でご馳走になった鹿肉の刺身が素晴らしく美味しかった、と話したら顔をしかめられました。野生動物の生肉を食べるなんて、フランス人には自殺行為に見えたらしい。

フランスでは、生肉を使うタルタルステーキやカルパッチョを食べるときは、かなり食材に注意します。私も、魚で刺身は作ってしまうものの、タルタルステーキは自分で作ろうとは思わないし、信頼できるレストランでないと注文する気もしません。

フランスでは、今年の初めから春にかけて、食品偽装が問題になっていました。

2013年2月、フィンダス社(フランスの大手冷凍食品メーカー)のビーフ・ラザニアに馬肉が使われていた、とイギリスから告発を受けたのが発端だったようと思います。

イギリスやアイルランドでは、馬肉を食べさせられるのは非常にショッキングなことなのだそう。それはお気の毒だけれど、冷凍食品なんて、どうせまともなものでは作られていないと思うので私は買いません。

その後、世界中に店舗を持つスェーデン家具イケアのレストランで出される料理が大きな話題になりました。ミートボールなどに馬肉が使われていたというのに続いて、チョコレート・タルト(日本ではアーモンドケーキと呼んだ)に糞便が入っていた(日本では大腸菌入りと表現された)というのは、友人仲間で毎日のように聞く笑い話の種になりました。チョコレートは、考えてみればウンチに似ているので、イケアで食べたことがなくても想像できてしまうので面白いのでした。



ところで、友人がこれはと選んで買った馬肉で作ってくれたタルタルステーキは、肉そのものは柔らかくて美味しいと思ったのですが、なんとなく物足りなかったのでした。タルタルステーキとは、もっと色々な調味料などを入れて作るものだと思う。それを確認する機会がすぐにやってきました。

レストランで出されて美味しかった牛肉のタルタルステーキのことを次回に書きます

ブログ内リンク:
暑いときに食べたくなるタブレ  2012/07/02
暑いときは、さっぱりしたフロマージュ・ブランが嬉しい 2006/07/22
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
Dijon : « Mangez local, mangez du cheval » - BP 2013/01/12
馬肉混入問題
イケア、ミートボールに続き他商品も回収 馬肉混入問題で - AFP 2013/02/28
イケアのアーモンドケーキから大腸菌群、23か国で提供中止 - AFP 2013/03/06
matière fécale入りチョコレートケーキ
☆ フランスニュースダイジェスト: レストランに「自家製」ラベル


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