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2013/09/30
むかし受験勉強をしていたころ、ラジオの深夜放送でキリスト教の番組を聞いていました。新約聖書もプレゼントしていただいてしまった...。

近くにあった教会にも行ってみたのですが、そのとき覚えた祈りがあります。


祈りの言葉

主の祈り」というものでした。

天にまします我らの父よ
願わくは
み名をあがめさせたまえ
み国を来たらせたまえ
み心の天に成る如く地にもなさせたまえ
我らの日用の糧を今日も与えたまえ...

フランスでのお祈りの言葉はどうなるのか調べたら、「日用の糧」の部分は「日々のパン」あるいは「今日のパン」となっていました。

Donnez-nous aujourd'hui notre pain quotidien (あるいは pain de ce jour).

上に書いた日本語の祈りの言葉はプロテスタントのものなのですが、カトリック教会でも「わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください」となっていて、パンは登場していません。

考えてみると、パンを「糧(かて)」という言葉になっているのは当然でしょうね。米が主食の日本で、「我らにパンを与えたまえ」と言ったら変でしょうから。


それでは「食前の祈り」ではどうなのだろう?

日本のカトリック教会では、こうなっているようです:

父よ、あなたのいつくしみに感謝してこの食事をいただきます。ここに用意されたものを祝福し、わたしたちの心と体を支える糧としてください。わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

フランス語の食前の祈りには色々バリエーションがあったのですが、最もよく言われるのは次のフレーズのようです:

Seigneur, bénis ce repas, ceux qui l'ont préparé, et procure du pain à ceux qui n'en ont pas.

後半の部分は、「パンがない人々にパンを与えてあげてください」です。 つまり、ここでもパンが登場する!...


ところで、祈りの最後に言う「アーメン」はフランス語でもAmenと綴るのですが、フランス人が言うと「アメンヌ」と聞こえます。それをアメーヌと、「メ」に力を入れて発音して笑わせる友人がいました。手のジェスチャーを入れるので「Amène !」と言ったのだと分かるわけですが、これだと「持って来い」という意味になるのです。

つまり、食べ物を出してよ~、ということになってしまう! この人は、子どもの頃に食前の祈りをさせられた食卓で、お腹の中で「アメーヌ!」とお母さんに向かって叫んでいたのかもしれない。


ミサの最後に登場するもの

キリスト教を身近に感じるようになったのは、フランスに来てからです。旅行していて美しい教会があれば必ず見学するので、そこにあるものの意味を知りたくなる。葬儀や結婚式やワイン祭りなどでもミサに参列することもあるので、風習を少しは知っておかなければならない。

普通のミサに出会ったときに気になるのは、最後に行われる聖体拝受の儀式。


ヴェズレー大聖堂で行われる修道院のミサ 2013/06/25

気をつけたことがなかったのですが、結婚や葬儀のミサにはないような気がする...。

この聖体拝受の儀式は、最後の晩餐が関係しているのでした。

Última Cena - Juan de Juanes

イエスはパンをとって「これがわたしの体である」と言い、杯をとって「これがわたしの血である」と言って弟子たちに与えた。キリスト教では、パンとワインが大切なものになっています。

ミサの最後に信者に与える薄いおせんべいのようなものは、最後の晩餐でイエスが分け与えたパンを象徴しているのだそう。

Église Saint Jacques, Reims

教会を見学していたとき、ミサの準備が整っていたので撮影した写真です。器に入っているのが信者に食べさせるホスチア(聖体)。フランス語ではhostie(オスティー)。日本から持ってきたエビせんを出すと、たいていフランス人から「オスティーみたい」と言われます。

ホスチアは、酵母を入れていないパンなのだそう。何にでも興味を持ってしまう悪い癖があるので、パリのノートルダム寺院を観光したときにミサをしていたので、これをいただいてしまったことがありました。

パンの味がしたかな?... 何にも味がない、という記憶しか残っていません。洗礼を受けていない人はホスチアをいただくのを遠慮すべきなのだと友人から教えられたので、再び味わってみることはできません。

ミサの儀式で最後の晩餐を象徴しながら、パンを聖体として与える意味は分かったのですが、「これがわたしの血である」という方のおすそ分けがないのが分からない。

祭壇の上にいる司祭さんだけがワインを飲んでいるのです。上にリンクした日記で書いたヴェズレーのミサでは、聖体とワインの両方を信者さんたちに与えているのを目撃した唯一の例外でした。

それに、まだ分らないことがあります。

血の象徴なら、赤ワインが自然ではないですか? ところが、フランスの司祭さんは白ワインを飲んでいるそうなので、理解できない。昔のミサでは赤ワインを飲んでいたと聞いたこともあるのですが、もしそうだったのなら、どうして白ワインになったのだろう?...  食事の前にワインを飲むなら、私も白ワインの方を好みますけど。


追記

ミサで飲むのが白ワインではおかしいと書いたことに関して、「カトリック教会内では、特に赤か白か、という決まりはないように思います」というコメントをaostaさんからいただいて、ミサで飲むワインの銘柄をしっかりと指定していた人がいたという有名な逸話を思い出しました。

ご所望されたのはブルゴーニュワインなのですが、何だったっけ?  調べてみたら、格言として簡単に出てきました。お気に入りは、ムルソーでした。

Je dis ma messe avec un grand meursault, car je ne veux pas faire de grimaces au Seigneur quand je communie.

「私は偉大なムルソーでミサをあげます。私が聖体拝受の儀式をするとき、イエス様にしかめっ面をしたくはないですから」

こう言ったのは清く正しい聖職者ではなかった方なのですが、これを飲みたいとワインを指定してしまうお気持ちは分かります。

口に含んだだけで、うへぇ~、と顔をしかめてしまうワインは多いですから!

つい最近に行ったレストランでワインを飲んで、私のデイリーワインとは違って深みがあって、やっぱり美味しいな... と感慨にひたったのが、偶然にもムルソーの白ワインだったのでした。

この言葉を残したのは、ルイ15世の時代にローマ大使を務めたCardinal de Bernisという枢機卿。

ムルソーの赤ワインもありますが生産量が非常に少ないし、ムルソーといえば白ワイン。なので、ご所望されたのは白ワインだと思ったのですが、数百年前は赤と白は同量くらい生産されていたのだそう。

ムルソーについての情報

それで、分らなくなってしまいました。あちこちのサイトで、枢機卿とムルソーのことを書いているのですが、そのワインが赤だったのか白だったのかには触れていないのです。

ミサで飲むワインはこれでなければ嫌だと言った枢機卿のことを検索したら、ミサでどのくらいワインが消費されるかを書いているサイトに出会いました。

フランスに関する数値はないけれど、イタリアのは出ているとのこと。年間に80万リットルがイタリアのミサでは消費されているのだそうです。すごい! でも、イタリアはフランスとは比較にならないほどキリスト教信者が多いので、ミサもたくさん行われているはず。

イタリアで行われるミサでは、1回あたり平均35ミリリットルが使われる。大したことないですね...。聖職者が1年で消費するワインを計算すると、1人あたり27.6リットル。計算に弱いので、多いのか少ないのか分かりません!...


クイズ: これは何でしょう? - 城のダイニングルームにあったもの
クイズの出題
   ⇒ ヒント   ⇒ 解答


ホスチア(聖体)をどのように作るのかなどを見せるフランスの番組があったので入れておきます。材料は小麦粉と水だけなのだそう。


L'hostie - Visites privées

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで感じるキリスト教文化
★ 目次: 宗教建築物に関する記事
★ 目次: パン、パン屋、昔のパン焼き窯など
★ 目次: 色について書いた記事

外部リンク:
☆ Wikipédia: Notre Père (主の祈り)
☆ Wikipédia: Bénédicité (食前の祈り)
Textes de bénédicités et Actions de grâces
ジャン・シメオン・シャルダン-食前の祈り
Vin de messe (ou vin liturgique)
Définition: Vin de messe
☆ Guide Vert Michelin: Bourgogne Le vin et la table


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2013/09/26
前回の日記「病床についていた男爵のお城を勝手に見学してしまった」に書いた城を見学したとき、久しぶりに見たものがありました。

ダイニングルームです。城を見学する人のために、テーブルには昔の食卓を見せるために皿やグラスが置かれていたのですが、私が目に止めたのは、壁に置いてある家具の中央にのっているもの。



アップにすると...



立派な家具でしょう? 私は、これが妙に好きなのです。昔の生活をほうふつとさせてくれるから。

初めてご覧になったら、これは何だろうと思うのではないでしょうか?
それで、「これは何でしょう?」クイズにしてみます。
いつものようにコメントでお答えをくださいますか?

ヒント:
  1. まわりは柵なので、中に入っているものは外から見えます。でも、中央に扉があって、しっかりと鍵がかかるようになっています。つまり、とても大事なものを入れていたのです。
  1. 教会に置いたらしっくりしそうな家具に見えませんか? キリスト教と無関係でもないのです。
  1. お城だからあるという贅沢品ではありません。昔の農家を再現したミュージアムなどでも、同じようなものを見ていますので。
  1. 家具が4つの足で支えられているのは、装飾的に美しくするためだけではなく、実用的な目的がありました。つまり、箱状でぴったりと置かれる形だと、昔は不都合があったのです。



これが何であるか考えてくださった皆さま、どうもありがとうございます! 別の日記でヒントを出す前に見事に正解を出していただきました♪
コメントをご覧になると分かるのですが、説明のページも作りました。

クイズ: これは何でしょう? - 城のダイニングルームにあったもの
クイズの出題
   ⇒ ヒント   ⇒ 解答

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★ 目次: クイズを出した記事一覧
★ 目次: アンティーク、蚤の市などについて書いた記事


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カテゴリー: クイズ | Comment (16) | Top
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2013/09/25
「Bouquet final(ブーケ・フィナル)」という言葉が好き。「最後の花束」という意味で、花火大会の最後にバンバンと花火をあげることに対して使われます。

こんな感じ ↓



今年の革命記念日(7月14日)に、パリのエッフェル塔がある広場で行われた花火のブーケ・フィナルだそうです。さすがパリ市主催となると規模が大きいのですね。

田舎の花火大会はお粗末なので、「日本の花火大会なんて、始めから終わりまでブーケ・フィナルなんだ」とフランスの友人たちに言っていたのですが。


今年最後のピクニック?

しばらく雨が降って寒い日が続いていたのですが、この週末から、夏の終わりを告げるブーケ・フィナルと呼びたくなる天気になりました。

日曜日には、歴史研究会のようなところが城の見学をオーガナイズしたので参加しました。素晴らしいお天気。

城に集合ということだったのですが、集合時間は午後2時15分前。レストランで食事する余裕はない時間だし、お天気も良いのでピクニックをすることにしました。

マーフィーの法則。こういうときに限って、ピクニックをしたくなるような場所が見つからない! もう食べなきゃ間に合わないぞ~! という時間になってきたので、城に近づいて行く。

たぶん城の敷地内だろうけれど、森の中という感じの道から少し入ったところに草むらがあったので、そこでお弁当を広げることにしました。



少し前まで寒い、寒いと震えていたのに、木陰が嬉しいほど暑くなった日でした。 この気候とももうすぐお別れと思うと、しんみりともしてしまう...。


ブルビイー城

道の先に何かあるのだろうかという森の中だったのですが、立派な城が建っていました。人里離れた、というのはこんなところでは?


Château de Bourbilly

城の庭園にある門を入って、裏側にまわったところ ↓



写真の右手に建物の入口があります。その左手に十字架が屋根の上にあるのはチャペルなのですが、20世紀に火災にあって昔の姿を失っています。

城は14世紀に建てられたのですが、19世紀に大々的に改築されているので、私の好きな中世の城の雰囲気は少ししかありませんでした。

でも、この日は建物の見学が目的ではなかったのです。ヴィジットのテーマは複雑でした。

まず、書簡作家として知られるセヴィニエ夫人(Marquise de Sévigné: Marie de Rabutin-Chantal 1626~1696年)が何回か滞在したことがある城であること。

それから、彼女の従弟で作家としても名を残したロジェ・ビュッシー=ラビュタン(Roger de Bussy-Rabutin 1618~1693年))も城を訪れていること。

ロジェ・ビュッシー=ラビュタンの城について書いた日記:
ビュッシー・ラビュタン城にある17世紀の風刺画 2013/06/01

さらに、セヴィニエ夫人の父方の祖父母には、聖フランシスコ・サレジオとともに聖母訪問会(Ordre de la Visitation)を創設した聖ジャンヌ・ド・シャンタル(Jeanne de Chantal 1572~1641年)がいて、2人は一緒に城に来ているので、聖ジャンヌ・ド・シャンタルの話しも出ました。

1年前に、聖フランシスコ・サレジオが生まれた土地にある城に宿泊していたので、なんとなく、聖ジャンヌ・ド・シャンタルにも親しみを持っていました。

そのときの日記:
聖フランシスコ・サレジオの子孫が住む城 2012/10/21

見学に行った私たちのグループは、この3人の誰かを研究テーマにしている人たちが大半だったようです。つまり、歴史か文学が専門の人たち。

城は何百年も経る間に色々な家系の手に渡っていて、それにまつわる人たちの名前が飛び交うので、私には複雑すぎる。目に見えるものだけ見学して楽しむことにしていました。


男爵のお住まいを拝見

この城は7月と8月は一般の人が見学できるそうです。 オープンが終わっていたのに、特別に訪問させてくれることになっていました。

でも、城に到着すると、お手伝いさんというか、門番というかという女性が出てきて、城主は体調を崩しているので、申し訳ないけれど皆さんにご挨拶できない、とおっしゃる。

それなら門番さんが案内してくれるのかと思ったら、「どうぞお入りください」と言葉を残して消えてしまいました。

というわけで、よそ様のお家を、私たち10名くらいで勝手に見て歩くことになりました。見学をオーガナイズしていた人たちは、城主さまが病気のことは知っていたようで、1人が案内役になりました。お友達なのか、何度も調査に来ているからなのか、広い家の勝手はよく知っていて、自分の家のように案内してくれました。

観光のためにオープンしているわけではなくて、普通に住んでいる城を見学するのは楽しいです。



素晴らしい骨董品に交じって、普通の家庭にあるようなつまらないものとが置いてあるのが愉快。

ほとんど知られていない城なので見学客も少ないでしょうから、ここから先は立ち入り禁止という綱がないのも気に入りました。後でインターネットで調べたら、城の見学は男爵さまの案内なのだそう。そういうときに行った方が、色々と興味深い話を聞けたのではないかな。

でも、勝手に見学してしまうのにも利点がありました。普通だったら、室内の撮影は禁止だっただろうと思います。見学者に写真を撮らせると、泥棒に狙われる危険性が高まるので、保険会社が法外な保険料を請求するからです。

幾つかの部屋を見学したのですが、1カ所、暗い部屋がありました。最近買ったという見事なシャンデリアがあったので(カラフルで、私の趣味ではないので写真は入れない)、電気をつけようとしたらうまくいかない。

この城の電気は、フランスの昔に使っていた110Vなので(現在は220ボルト)、色々不都合があるのだそう。おかげで、電源がないと遊べないお孫さんたちは遊びに来たがらない、と男爵はぼやいていたのだそう。こんな大きな城で大々的に電気の配線を変えるのはお金がかかりすぎるので放置しているのでしょうね。

この日の見学に参加していたのは、大学教授と博士課程の学生がほとんどでした。それで、みんなにため息をつかせたのは、立派な書斎。



確かに、こんなところで仕事をしたいと思いますよね?

誰も目をとめなかったけれど、私には気に入ったものがありました。
それが何であるかを次回にクイズにしてみます。


なお、勝手に城の中を歩き回ってしまった私たちですが、見学が終わったときには代表者3名が城主さまにお礼のご挨拶に行っていました。全員で行ってしまっては悪いという配慮。フランス人はかなり礼儀正しい国民だと感じています。

ブログ内リンク:
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ

外部リンク:
☆ Wikipédia: Château de Bourbilly
☆ Wikipedia: セヴィニエ侯爵夫人 マリー・ド・ラビュタン=シャンタル


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カテゴリー: 建築物 | Comment (0) | Top
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2013/09/23
お天気が良いのに誘われて朝早く出発して、この日の目的地に行く前にSemur-en-Auxoisスミュール・アン・ノーソワ)という町に立ち寄ってみました。

ブルゴーニュにある美しい町といったら、トップ10に入るだろうと思う。中世の要塞都市の姿が見事に残っている町なのです。



町は丘の上にあり、切り立った岸壁の下にはアルマンソン川(Armançon)が天然の堀の役割を果たしていました。入れた写真は対岸にある駐車場からの眺め。川は見えないのですが、ここから町の全景を眺めるのが好き。

町の名前にある「スミュール」というのは、昔の城塞を意味する単語。スミュール・アン・ノーソワとは、オーソワ地域にあるスミュールとなります。

そのことについては、以前にも書いていました:
フランスの最も美しい村: スミュール・アン・ブリオネ 2008/04/29

久しく行っていないと思ったので立ち寄ったのですが、写真アルバムを見たら、この春にも行っていた...。


教会ではミサが始まるところだった

教会の前に人だかりがあったのは、ミサが始まるところだったからかも知れない。ミサが始まる前に、さっと教会を覗くことにしました。

子どもを連れた人たちがたくさんいます。泣いている小さな子もいる。教会に連れて来られたって、小さな子には楽しくないでしょうね...。

こういうミサに来る人たちの中には、クリスチャンの典型的と思ってしまう親子連れがいます。



特徴の1つは、子どもの数が多いこと。5人が典型的だと感じています。

それから、彼らの服装には特徴がある。どことなく、ひと昔前のファッション。男の子は、半ズボンをはかずに、膝まであるものに限る。女の子は、セーターなどを羽織って、いかにも躾が行き届いた子どもたちという姿。

つつましい家族に見えますが、子どもを5人も育てられるということは貧しくはないだろうと思います。乗用車も、7人家族で乗れるように大型車が必要なのですから。

そんなことを確認していて感心している場合ではない。ミサが始まったので、お邪魔しないように教会を出ました。




町を散歩

このスミュールの町は人口5,000人に満たない町なのですが、賑わいがある。商店もかなりある。やはり観光地だと活気があるのかな?...

昔は、この町にあるヨーロッパで一番小さいというオペラ座の音楽祭によく来ていました。パリのオペラ座をごく小さく、質素にしたという典型的なオペラ座なのです。

東欧から演奏家を招いて、町の住民がボランティアで家に泊めてあげるというシステム。そんなに演奏が上手なわけではないのですが、モーツアルトのオペラなどは、アットホームな雰囲気で楽しめるので好きでした。でも、その音楽祭はしなくなってから久しくなっています。

あのオペラ座はどうなっているのかと見に行ったら、建物の前にコンサートのお知らせもないので、もう全く使わなくなったのかもしれない。もったいないこと...。

町を歩いていたら、日本人観光客を数人見かけました。バスが到着していたのかもしれない。

ちょっと変わった2人がいました。ベンチの上に果物を並べて記念撮影していたのです。フランス人が見たら、何をやっているのだろうと驚くと思いますが、私は彼女たちの意図が分かりました。

町でオーガニック野菜などを売る小さな市が開かれていたのです。そこで買い物をして、ベンチで食べるということにしたのではないかな。



この道は往復したのですが、戻ってきたときにもベンチで食べていて、「おいしい」などという声が聞こえてきました。フランスの食事はボリュームがあるのに、昼食前の時間に食欲があるのは奇妙。でも、フランスに来てから野菜不足でたまらないので、食べたくなったのだろうと思いました。


とんでもない希少価値がある売家

中世の町や村はどこでもそうだったように、この町に入るところにも、通行を遮断する門があります。今は通り抜けの道になっていますが、昔は頑丈な門で閉められるようになっていて、門番が通行人の制限をしていたはず。

その門のある通りでワインを売る店のショーウインドーに、売家の広告が貼ってありました。



赤く線が入っているところが売りに出している家の部分らしい。 15世紀に建てられた建物です。昔の関所みたいな建物を所有するなんて楽しいではないですか? それを、この値段で売ってしまうの?! ...

門の中から出て、実物の建物を眺めてみました。



門を通って町の中に入ると、こういう広場になっています。



この町で最も美しいのは、この門のあたりなのです。それを売るというのに驚きました。 ミュージアムにするとか、ホテルかB&B民宿にしたら商売になる場所です。

ただし、内部は大工事をしないと住めないようでした。正直に、内部の写真も張ってありました。



売値が高くないのに驚いたのでした。69,800ユーロで、値段交渉に応じますと書いてある。でも、交渉して800万円で買えたとしても、工事費はその2倍や3倍くらいはかかるでしょうね。歴史的建造物なので、所有者は修復する義務があって、それがべらぼうに高いという可能性も多いにある。修復しないでいると、所有者は別の人にバトンタッチすることを法律で強要されるので、それで売りに出されたのかもしれない。

やはり高い買い物かな...。

買うつもりは全くないけれど、どんな売家なのかインターネットで探してみました。張り紙には5フロワーあるというだけで、面積は書いてありませんでした。もしも、門の奥行の全部を占めた奥行になっていたら、かなりの広さのはず。それを確かめたかったのです。

張り紙にあった写真を使った不動産は見つけ出したのですが、販売物件の情報ページは出てこない。もう買い手が見つかったのでしょうね。めったにない掘り出し物だし、歴史的建造物を修復することに情熱を燃やす人はフランスには大勢いるのですから。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランス人の古民家を修復する情熱

外部リンク:
Office de tourisme de Semur en Auxois
La grande histoire de Semur-en-Auxois
Porte Sauvigny à Semur-en-Auxois


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2013/09/20
朝霧がたちこめるようになって、もう冬は近いと思うようになったこの頃。週末には例年の気温が戻ると天気予報が言っていたのに期待しながら、寒い金曜日に用事があったので少し遠出をしました。

ブルゴーニュ地方と接するシャンパンの産地。シャンパーニュという名前でスパークリングワインを売れる地域といえば、ランスやエペルネーが有名なのですが、そこから南に下って、ブルゴーニュに近い場所にもCôte des Bar(コート・デ・バール)と呼ぶ産地があります。

その地域に入ると、ノマドの人たちがたくさんいるのが目につきました。私が好きな言葉は差別用語だそうなのでノマドと書いたのですが、見るとはっきりと彼らだと分ってしまうというのも差別かな?... 女性たちがカゴを売っているのも特徴の1つになるのですけど。

それで気がつきました。そうか~、もうすぐブドウの収穫なので、季節労働をするためにノマドの人たちが集合しているのだ。

ブルゴーニュワインのブドウ収穫は、今年は遅くて10月に入ってからと言われているので、収穫が迫ったというのは意識していませんでした。でも、シャンパンにするブドウはそれほど熟さなくて良いらしく、早くから収穫が始めるのです。南部にあるボージョレーあたりでも、収穫時期が近づいているかな...。


今年は天候が悪くてブドウが育っていないのが気になったので、シャンパンを作るブドウ畑がどうなっているのか見てみました。

わざわざブドウ畑に接近してみたわけではなく、たまたま通りかかったところに広がっていたブドウ畑です。ブルゴーニュ赤ワインだけではなくシャンパンでも使うピノ・ノワール種かな? ともかく、白でなければ色づきで成熟度がわかるので便利。車から降りて眺めてみました。



あれ、あれ。収穫が目前に迫ったブドウには見えませんよ~!  上の方の房は後からできたので緑色でも問題なし。でも、下もまだ熟しきってはいない。

このくらいになっていれば大丈夫だろう、というブドウもあったのですが...



ほとんどは、育ちそこない。



どうするのかな? こんなのでも収穫してしまうのだろうか?...

プロたちが今年のワインについて何と言っているのか気になるのですが、沈黙を守っている感じ。ブルゴーニュのブドウ栽培者は楽観的だ、とか言っていますが、白々しい。

私は素人なので判断できませんが、9月末になってもこの状態なのを見たら、やっぱり今年のワインはだめだ... と思って、畑を後にしました。

福島原発事故処理がいい加減だことが次々と明るみに出てきたのに、2020年の東京オリンピック開催が決まった年は、こんなだったと私の記憶にとどまるはず...。



ブログ内リンク:
★ 目次: 今年のミレジムは? (ブルゴーニュ・ワイン)
★ 目次: ワインとなるブドウの収穫

外部リンク:
シャンパーニュの畑


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フランスのお酒 (ワインなど)



2013/09/19
前回の日記「大金持ちが修復した城を見学」で、お金があるとこんなに好きなように建築物を修復できてしまうのだと感心した話しを書きました。

でも、そういう人は例外的だと思う。なまじっか大きな城を相続してしまったために苦労している人たちの方が多いのではないかな?

今日書くのは、大きな城を持っている知り合いの独身女性のお話し。

彼女の祖父は大金持ちだったのですが、だんだん財産が減ってきました。それでも一人っ子の彼女は、町にある家に住んでいて、田舎にある城のほかに広大な農地も所有しているし、羽振りが良かった時代にあった絵画やタペストリーなども相続しています。

それなのに、彼女が口を開くと、お金に困っている話しばかり...。

今年支払う税金は2万ユーロなのだ、と言っていました。300万円近く? 私なんか逆立ちしたって払えない金額です。でも、それだけ税金を払わされるということは、農地約600ヘクタールを貸したりして、かなりの収入があるということではないですか?

でも、彼女にお金がないのは事実のよう。生活費を稼ぐために家政婦として働いているのです。知り合いが集まって噂話をするときは、あんなに財産がありながら、そういう仕事をしているなんて... と、みんなで飽きれてしまっています。


お金がかかるだけの城

彼女が相続した城は19世紀の建物なのですが、長いこと放置していたので、全く住めない状態になっています。

夏の間だけ来ていた母親がいたころも、寝るときは庭園の片隅にある質素な門番の家を使っていました。その母親が亡くなった後は誰も来なくなったので、城の老朽化が進みました。

天井は雨漏りで穴だらけの状態になったので、最近になって屋根を葺き替えました。本物のスレート石瓦は高すぎるので偽物を使ったそうですが、なにしろ大きな城なので、屋根も広い。いくらかかったと言っていたっけかな? 私などには天文学的数字なので忘れました。

屋根がきれいになったので、外観はまともになりました。でも、中は全く住める状態にはありません。庭園の広さは40ヘクタール近くありますが、全くの荒れ野原。昔を知っている村人たちは、庭園には花が咲いていて、城で働く人も30人くらいいた、と話すのですけれど。

時々思い立つらしくて、城を修復しようとしています。もう、あきらめて廃墟にしてしまった方が良いと思うのだけれど。

荒れ放題になっている庭園の邪魔な木々を伐採することにしました。庭園の広さは40ヘクタール近くあります。業者に見積もりをさせたら、150万円くらいと言ってきたのだそう。木材として価値がある木はないので、伐採した木は引き取らないから、その値段。そんなに出せないと別の業者を探したら、半額。

それでも高いと探したら、森林組合のようなものがあって、会員になると5万円くらいで樹木の管理をするということで伐採してくれることになりました。

色々なものを持っていると、苦労があるのですね...。

城に1人で住むのは怖い。それで、男性を探そうとしているのですが、見つからない。それはそうでしょう。「城を持っています」と自己紹介しても、実際に城を見たら、誰でも逃げ出すと思う。それに、彼女はものすごいおしゃべりなので、一緒に生活したら疲れるタイプです。


母親に押しつぶされた人生...

彼女は現在60歳くらいで、結婚もしなかったし、子どもはいません。相続権のある親戚の子とは気が合っていないらしい。それなら財産を全て手放したら余生を安楽に生きられると思うのですが、親の遺言が頭にこびりついていて売れないらしい。

お金がないとぼやいている彼女に、「あなたは私なんかよりずっと財産があるのだから、人生を楽しまなきゃいけない」と言ったのですが、「だけど...」という感じで納得してはもらえませんでした。

彼女の母親は非常にきつい人だったので、娘の人格をゆがめてしまったというのが、みんなで一致する見かた。彼女が若いときに結婚しようとしたら、母親に反対されて破談になったそうです。

彼女の口癖は、「私はpauvre fille(可愛そうな女の子)です」。母親から、「なんて貴女は馬鹿な子なの」という感じで、ため息交じりで繰り返されたのではないかな...。

彼女は顔立ちが良いので、普通の家庭で育ったら、普通の人生を歩めたと思う。ちょっと歯車が狂っているのは認めるけれど、決して頭が悪い人ではないのです。彼女の母親は娘をしいたげることに喜びを感じていたのだと思う。 そんなことをされても、娘の方は母親にひれふしてしまう。親子関係では、そういう不公平も成立してしまうものだと思います。


この夏には、城の中を全部見せてもらいました。地下室には入りませんでしたが、屋根裏部屋まで見学しました。部屋は40か50くらいあるかな。でも、どこも物置状態なので驚きました。



むかし、彼女の母親が来ていたときにお茶に招待されたときには、ちゃんとした状態の部屋が幾つかはあったのに...。

食前酒でななくて、お茶に招待されるというのは、私にはフランスで初めてした経験なので、強烈な印象が残っています。お上品にイスに座って、お茶をいただく。フランスも、ブルジョア階級の人たちの生活はこんななのだ... と感心したのでした。

思い出せば、今は孤児となった彼女は、そのお茶の席ではほとんど口をききませんでした。怖いお母さんの前では、小学生のように黙っている...。 当時の彼女は50歳くらいだったはずなのですけど。

タペストリーや絵画など、価値があるものは銀行に預けている様子。でも、異常に荷物が多いのです。話しを聞いたら、昔からあったものだけではなくて、彼女が買い込んだ品々が入っているからなのでした。 母親がいなくなって自由になった彼女は、安物を買いまくる趣味を増大させたようです。

先日も、閉店特別セールで買った、イスの置くクッション百個を城に運び込んでいました。その類いの、何の必要もない買い物を色々しています。ただし、イスも百個はあるだろうと見えたので、全く無意味ではないのでしょうけれど。でも、そのイスを何に使うの?...
 
天井には穴があいているので、とても住める状態ではないのですが、8つある寝室の数、ベッド、マットレス、ランプ、テーブルなどを揃えています。修復前に入れるものを買ってしまうというのは異常...。

城の中は骨董品として価値がありそうなものと、彼女が買い集めたガラクタであふれているのですが、住んでいる町にある家の中も物置状態なのだそう。

買い物で払えるお金があるから良いけれど、なかったら、万引きをしてしまう病気ではないでしょうか?

彼女は、食費も節約するために、いつも大量に買って冷凍庫に入れてある牛肉のミンチ・ステーキばかり食べているのだそう。大量に買うのが癖らしくて、ミンチ・ステーキも一度に30個とか、そんな量を買っているそうです。

少し前、彼女が家に立ち寄ったので、どうせ彼女の城には何も食べるものがないだろうと思って昼食に誘ったら、その後なんども、あんなご馳走を食べたのは久しぶりだった、と感謝されました。突然だったので、残り物を日本料理風にアレンジして出しただけだったのですけど。

色々な人生があるものですね...。
断罪したいのは、彼女をゆがめた母親だけど...。

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★ 目次: フランス人の古民家を修復する情熱
★ 目次: フランスに結婚に関する風習、夫婦・家族関係


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2013/09/18
この週末、9月の3回目の週末は、文化遺産の日。普段から見学できるところはどうでも良いけれど、特別公開される建造物を見に行こうとはりきっていました。でも、寒いし、天気も悪いので、1カ所だけしか見学に出かけませんでした。

特別に城の中を見せるイベントを、保存会メンバーの人たちのために開いたのに誘われたのでした。

城のオーナーのマダムの案内で1階部分を見せてもらって、庭園は自由に見学。それから、この城と関係ができたワインを試飲してから昼食をする、というスケジュール。

「外で食事するのでセーターをお忘れなく」と言われていたので、真冬のセーターの上に、食事中に着たままでも邪魔にならないコートを羽織って出かけました。

行ってみると、城の建物の近くにテントが張られていました。



今にも雨が降り出しそうな日だったのです。広い庭園でのびのびと昼食を食べるはずだったのに、こんな中に閉じこもって食事をするのは残念...。でも、食事を始めていたら大雨になったので、テントがあったのには救われました。


16世紀のルネサンス様式、という触れ込みの城

中世の要塞から改造を続けてきた城なのですが、18世紀末に大火事で城の建物が崩壊した部分が大きく、20世紀初めに大修復をしています。それで、歴史的に価値がある古城という姿ではありません。 でも、フランスの国宝ともいえるMonument historique(歴史的建造物)に指定されています。

この城には夏の初めにも行っていたので、そのときの写真を入れます。



この写真を選んだのは、お堀が写っているから。10年前にこの城を買ったオーナーは、水脈がなくなっていた堀を大工事をして、昔のように水をはった姿に戻したのです。

ここはアメリカ人の億万長者と結婚したフランス人女性が買った城で、お金にいとめをつけずに修復しているのです。

庭園の広さは4ヘクタールしかないのですが、普通の家として住むには手入れが行き届ける広さ。 珍しい果実などを植えて、庭園とチャペルだけを一般の人が見学できるようにしています。 もちろん、マダム自らが城の見学に携わるわけではなくて、近所に住む英語を話せる人と契約して、彼女にガイドをさせています。

庭園に建てられているチャペルはルネサンス様式なので、見る価値があります。ずっと昔、城が別のオーナーだったときに見学したときには感激したのを覚えています。でも、新しいオーナーになったら、ルネサンス様式のチャペルもきれいに修復されてしまって、購入したアンティークなども入ってしまっていて、昔をほうふつとさせる感動が薄れてしまった...。


驚くほど豪華だった城の内部

城の中では写真はとらないように言われていました。なので、外の写真を再び。



城に入るには、使い捨ての白い靴カバーが用意されていました。病院で使う靴カバーを苦労して入手したのだそう。賢いとは思いました。50人くらいいたと思われる保存会のメンバーに土の上を歩いた靴で入られたら、後で床を掃除するのが大変ですから。

外観は19世紀の城という姿なので、内部も大したことはないのだろうと思っていました。 ところが、どっこい! お金にいとめをつけない人が城を買うと、こんなにことができてしまうのだと驚きました。

写真撮影禁止というのも納得できます。集めた骨董品であふれているのです。でも、かなりセンスは良い人らしく、博物館を見学するくらいの価値がありました。

修復もすごい。欠けていたり、壊れていたりするところは、きれいに修復してしまっています。

例えば、ドアが1つ欠けていたところは、残ったドアをモデルにして、全く同じに見える彫刻を入れたドアを作らせている。サロンの壁などは、塗料を8回だか9回だか重ねて塗る、という昔のやり方をしている。ここの壁は古い鏡で覆うと良いだろうとマダムが思ったところは、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間を修復した技師に頼んで、余っていた古い鏡をはめ込ませたりしていました。

この城は、国から歴史的建造物に指定されています。そうなると、普通より何倍も高い工賃を払う指定業者を使わなければならないという規制に圧迫されます。だから、指定を受けないのだと言った城もありました。

でも、高い修復費用を払えるなら、かえって好都合なのだと知りました。最高レベルの技術者たちを駆使できるので、下手に修復されてしまう心配が全くない。歴史的建造物のプロたちが修復のアドバイスに来ると、「この壁に貼るのに良い布があるので、何メートル欲しい?」などと、いきなり聞いてきたりもするのだそう。

この城にまつわる昔の城主の肖像画が存在しているというのを、インターネットで見つけたので、その複製を作ろうとしたというお話しも驚くものでした。その原画はヴェルサイユ宮殿の屋根裏部屋に保管されているとインターネットで突き止めたので、それを見せてもらう許可をとったのだそう。

厳重な警護付きで屋根裏部屋に入り、写真をとらせてもらって、紹介された複製画の達人にコピーを作らせた作品を見せてもらいました。16世紀の彫刻がほどこされた見事な枠を額縁にしています。どう見ても、本物に見えてしまうという出来ばえ!

となると、色々と見せてもらった調度品も、16世紀とか18世紀とか言っていたけれど、そう偽って売りつけられたものだって入っているのではないか、と疑いたくなってしまいました。

些細なところも、見事に修復しています。マダムは「フランスには素晴らしい技術を持った職人がいるのです♪」と、嬉しそうに繰り返していました。歴史的建造物を修復するトップレベルの人たちがいるのは、テレビで見ているから知っています。でも、普通の人は、そういう職人さんたちを雇うお金がないのですけどね...。

少し前に見学したシャトリュ城の主が言っていたことを思い出しました。歴史的建造物の関係者が来たとき、傷んでいるけれど見事なタペストリーを見て、「これは完璧に美しく修復できますよ」と言われとのこと。でも、「私は古びたのが好きだからと答えて、修復は依頼しませんと答えました」、などと冗談を言っていたのです。

古い建造物が好きなので、個人が持っている城をあちこち見学するのですが、聞くのは修復には膨大なお金がかかるという苦労話しばかりでした。でも、いくらでもお金をかけて修復している人はいるわけなのでした。

城のオーナーは、少しおごり高ぶったブルジョワ・マダムだと聞いていたのですが、見た目はその通りだったものの、気さくに色々な話しをしてくれました。

こういう世界もあるのだと知ったし、城の中は見事だったので、見学にはすっかり満足しました。 私は何百年も前の姿が残っていない建築物は好きではないにもかかわらず。


ワインの試飲

最近、この城の名前と写真がワインのボトルに使われるようになったのだそう。 ブルゴーニュのネゴシアンが、外国に売るブルゴーニュワインとして、城など、格調があるイメージがある建造物の名前と写真を付けたワインを作ったのだそう。そのうちの1つとして、この城が選ばれたのでした。

城とワインとは全く関係ないのだけれど、シャトーという名がつくと外国では売りやすいのでしょうね。主な輸出先は、中国、日本、アメリカ。

ワインはフランス国内でも売れるそうで、この日は注文も受け付けていました。在庫がある限り、お持ち帰り。なかったら、無料で家まで配達します、とのこと。

そのワインを、昼食前に何種類か試飲しました。



価格表をみると、良く知られた高級ブルゴーニュワインが目立ちました。シャンベルタン、エシェゾー、コルトン・シャルルマーニュなど。そういうのが外国によく売れるのでしょうね。 この日の試飲には、そういうワインは用意されていなかった。

どうせ、ろくな味のワインではないと思ったので、並んでいる中で一番上のランクを試飲してみました。ムルソーのプルミエ・クリュ。悪い年だとして有名な2007年のミレジムなので、やっぱりね、と思う。

ところが、飲んでみたら、なかなか口当たりが良いのです。ネゴシアンは畑が違って風味も異なるワインをブレンドしてしまうので、飲みやすいワインにできるのでしょう。でも、お値段は1本33ユーロとのこと(日本でも、ムルソー・プルミエクリュは同じくらいの価格で買える)。そのくらい出すなら、ネゴシアンがブレンドして作ったのではないワインを買いたいので、買うかどうかなんて問題外。

試飲のボトル数には限りがあったので、結局、普通の試飲とは違って、ランクの高いものから下のものへ飲んでいくことになりました。

コート・ド・ボーヌの赤ワイン(2010年)は酷かった。若いワインなのに飲み頃を過ぎて、マデリゼが始まっている。悪いけど、隅で捨ててしまいました。こんなワインを11ユーロで売るなんて許せない! でも、外国に出すと、「わぁ、ブルゴーニュワインらしいオレンジかかった色だ!」、と喜ばれたりするのかな?...

こういうワインに名前を貸していると、どういうシステムになっているのかな? この日のマダムがワインを買うように勧めていたので、売れるとコミッションが入る仕組みかな、と思いました。あるいは、ワインで城の宣伝ができるので、逆に、売れないとペナルティーを払うことになるのか?...

ネゴシアンの名前を書くのは遠慮しますが、インターネットで検索してみました。オフィシャルサイトを見ると、トップページしかないので、どんな会社なのか全くわからないのですが、そういい加減な会社でもなさそう。このシステムのワインは日本で売られていました。このネゴシアンの他のワインは、日本の航空会社で機内食のワインリストにも入っている。

でも、変...。名前を貸したここのシャトーの他にも選ばれているところがあったのですが、まわりにはブドウ畑なんか全然ない地域の建造物も入っているのです。ちょっといい加減ではないですか?

さらに日本情報を検索してみたら、宣伝していました。名前を貸したところの人たちが委員会のようなものをつくって、厳重にセレクションした権威あるワインです、などと書いてある。名前を貸した人たちでワイン騎士団のようなものを作っていて、お礼するために時々は食事会を開いている可能性はあると思う。でも、私が行った城のマダムは、ワインのことなんか全く分らない人だし、ご本人も名前を貸しただけだと言っていたのですけど...。

うまく宣伝してしまえば、ワインは売れるのでしょうね。 日本でワインを買おうとすると、聞いたこともない色々なコンクールで優勝した、という紙が付いていたりしますから。


こんなに粗食の食事会は初めて

並べてあったオツマミは前菜も兼ねていると言われていたので、ある程度は食べました。でも、テーブルについてから、もっと食べておけば良かったと後悔!

こんなにボリュームのない料理が出た食事会って、今までに経験したことがないと思いました。少なくとも、食べ物にこだわるブルゴーニュでは1回もなかったとはず。記念写真をとっておけば良かった。

そもそも、カナペが前菜だという設定は、ブルゴーニュでは絶対にありえません。この日はそうだと聞いて、メイン料理のボリュームがかなりあるのだろうと想像していました。でも、小食の私でも物足りない量なのでした。

うす~い、イタリアで出される生ハムみたいに、どうやったらこういう風に切れるのだろうと感心するほど薄い、ローストビーフが2切れ。それから、5ミリくらいの厚さの豚のローストが1切れ。後は、つまらない野菜が少し。どう見ても、前菜という皿でした。

これがメイン料理かと驚いてしまっていたのですが、その次に出てきた料理が奇妙。城の庭で収穫した桃のプーレに、生クリームを薄めたみたいなものがのっていると説明されて、いきなりデザートなのだと理解しました。つまり、チーズがない。食事会でチーズが1切れも出ないというのは、ブルゴーニュではありえないです!

フランス人並みの量は食べられない私だって、これじゃ食事にならないよ... と思っていたら、冷めたコーヒーがでてきました。それで、おしまい!

料理は、城でレセプションをするときに雇っている近所の人とマダムが作ったようでした。田舎には職場がないので、近所でそういうスタッフを簡単に調達できるのです。

見学させてもらった台所は立派で、見学者の誰もがうらやましがりました。プロの調理場のような設備が整っていて、広い台所を使いやすさを追求した工夫があって、アンティークもあって、豪華そのものだったのですが、普段、こういう料理しか作っていないの?...

大勢で食事する集まりでは、材料費をかけない料理が出ないことは多いです。でも、最低限、どんな大食漢でも胃袋がいっぱいになるボリュームを出すのです。こんなの、初めて! この日の費用として、1人21ユーロというのは、取りすぎだったと思う。

このイベントに参加したのは、この城の友の会のメンバーになっている友人からの誘いでした。フランスにある城ではよくやっていることですが、城の保存会というか、友の会というか、というのがあるのです。そういうボランティアの会を作って私有財産を他の人と分かち合うと、補助金がもらいやすいはず。 もちろん、城の一部だけでも一般公開していれば、税制上の優遇も受けられます。

歴史的建造物の友の会のメンバーは、年会費を払うし、歴史を調べたりして色々と協力します。なので、このイベントは友の会のメンバーに感謝する日だったと思うのですが、ちゃんと損しないように計算して料理を出したらしい。ワインの試飲というのは宣伝活動なので、普通は無料なのですけど、出すワインの料金も入れたのではないかな。

つまりは、城のオーナーは億万長者なのだけれど、経済的観念は発達した人なのだろうと思いました。だからこそ、お金持ちであり続けられるのでしょうね。

貧しい人は、無理をしても招待客にご馳走をだしますよ...。 お金持ちの方がケチだ、というのはフランスで時々経験しています。その傾向は、日本の方が少ないように感じます。


夜はお腹いっぱいになる食事会

この日の夜は、友人の家に呼ばれていました。夕方には何かお腹に入れたくなったのですが、間食はしないで行きました。この家は、いつもすごいボリュームを出すのです。

メイン料理はウズラでした。私がウズラが好きだと言っていたのを思い出したからなのだそう。ありがとう♪



青く見えるのは、アルマニャックでフランベした炎です。1人あたりウズラを3羽、として計算したのだと分かりました。そんなに食べられないというほど出すのが、普通のフランスのもてなしなのです。

食事会が解散したのは午前2時。それまで、見学した城のことで話しが盛り上がりました。食事が想像を絶するほどお粗末だったこと。すごいお金をかけて修復した城だったこと、など。

この家のご主人は、今はほぼ失業中なのですが、文化財の修復に関係する仕事をしたことがあるので、裏の事情を聞かせてもらうのが興味深かったです。

補助金を獲得するためには、自己資金も投入する必要がある。それで、こういうお金持ちが持つ建物では、かなりの補助金を獲得できる。例えば、プロジェクトが認められれば、補助金から7,000万円が出て、本人が残りの工事費として2,000万円とか3,000万円負担する、という具合。お金がない人はそんな自己負担はできないので、国からの補助金はもらいそこなう。

補助金を獲得して修復した文化財の持ち主は、つまり個人資産の価値を膨らますわけで、我々の税金が金持ちの懐に流れるのはおかしい、とフランス人たちは息まいていました。彼らは、本当に税金の使われ方にシビア。集まると、いかに税金が無駄に使われているかという話しをします。数字に弱い私は、次々に大きな金額を言われて頭がこんがらがってしまう。

フランスが文化遺産を大切にするのは良いけれど、私も分配がおかしいと思う。億万長者は自分で修復費を負担できるですから、資金がない人を助けるべきではないですか?

貴族のオーナーが、「私は城主で、城の唯一の庭師で、さらに城の観光ガイドです」と自己紹介していた古城を思い出しました。そこも歴史的建造物に指定されているので補助金申請をしようとしたら、業者は城主が自己負担金なんか払えるはずはないとたかをくくったらしく、2年待っても申請に必要な工事見積もり書を作ってくれないのだ、と嘆いていたのです。

財産家はさらに金持ちになる。貧しい人は、どんどん貧しくなる...。 資本主義の国でも、共産主義の国でも。


同じように女性が持っている城で、対照的な話しがあるので次回に書きます:
お金がない人が城を相続した場合

ブログ内リンク:
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ
★ 目次: フランス人の古民家を修復する情熱
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
フランス人って、どうしてこんなに食べられるのだろう?... 【2】 2006/05/28
フランスは粗食の国だと思ったと言う人に出会って・・・ 2005/04/06


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2013/09/16
今年は夏が来るのが遅かったので、寒くなるのも遅れると期待していたのですが、そうではなかった...。ここのところ、例年より5度くらい低い気温なのだそう。まだ集中暖房を入れないで頑張っていますが、暖炉の前に座って暖をとるのが嬉しい。

庭に植えてあるフランボワーズ(ラズベリー)は、今年はたくさんとれると思っていたのに、あっという間に収穫期は終わってしまいました。でも、盛りが過ぎたあとにもう一度実がなるタイプ。9月になったらまた赤い実が見え始めたので、少ししかないけれど収穫しておこうと思って行ってみたら、がっかり。くっつきあってしまった実にカビが生えて腐っていたのです。雨でぬれたあとに乾燥できるほど日光を浴びなかったからでしょうね。

ラズベリーがこんな状態ということは、ワインになるブドウも酷いことになっているのではないかな...。2013年のワインは、やっぱり絶望的だと思ってしまいました。ブルゴーニュのブドウ収穫は例年より大幅に遅れて、10月に入ってからと言われています。収穫直前に1週間くらいカラりと晴れたら救われるのでしょうけど、9月を過ぎたら気温が高い晴天が続く確率はかなり減ると思う...。

先日、テレビでブドウの栽培をしている人の映像が出ていました。「Pas si mal(それほど悪くはない)」と、ワイン農家の人が繰り返していました。それはそうでしょう。「今年は全くダメだと思います」なんて言ったらおしまいですから。

ニュースでは、2013年の収穫量は少ないので、値段が上がるだろうと言っていました。 野菜ができなかったら値上がりするのには慣れていますが、ワインもそういうものなのですか。値段が高いミレジムは、出来が良い年だからと思っていたのに...。去年も悪天候で収穫が極端に少なかった。そういうのが2年続いたら、需要と供給の関係で、値上げできるのかもしれない。




ブログ内リンク:
★ 目次: 今年のミレジムは? (ブルゴーニュ・ワイン)
フランボワーズがたくさん実をつけているので、ソフトクリームを作る 2013/07/15


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2013/09/15
日本の友人から、手軽な価格で買えるお勧めブルゴーニュワインを教えて欲しいと言われることが時々あります。でも、こちらで買っているワインは小規模生産のところが多いので、日本で売っている確率が低いので困るのです。日本でフランスワインを買いなれているワインファンの方が、色々知っていらっしゃると思うのですけどね。

でも、私も帰国したとき、持って行ったワインがなくなってしまうと買うことがあります。だから、一覧表でも作っておくと便利だろうとは思うのですが、ワインショップは仕入れによって在庫が動くので、わざわざ作っても余り意味がない。

数日前、日本からのメールで赤ワインを3本くらい買いたいのだけれど、ネットショップでお勧めを探してくれないかと言われました。そういうの、困るんだよな... と思ったけれど、探してみました。

以前にブルゴーニュワインが美味しいと言っていたし、私もブルゴーニュが1番だと思うので、勝手にブルゴーニュワインに限定してしまう。

ブログでも辞書代わりにもして使い慣れている楽天市場で探すことにしました。それだと、最も安く売っているショップを探し出せるので。

  

依頼してきたのは、ワイン通の人ではないのです。だから、ブルゴーニュの高級ワインを買うことはない、と勝手に決める。

私が日本に帰ったときに買うフランスワインは、1本3,000円前後と決めています。フランスの浮浪者はこういうワインを飲んでいるのだろうな... と涙ぐむようなワインは飲みたくないし(でも、日本では飲まざるを得ないことが多々ある!)、なにも日本で高級ワインを飲む必要はないので。

というわけで、1本3,000円くらいのワインを探すことにしました。高級ワインを探す方が難しいだろうな。「3本で、予算は10万円です」なんて言われたら、責任を感じて緊張してしまいますから。

そもそも、ブルゴーニュワインは日本ではかなりお高いのですよね。こちらで直接ワイン農家に行って買う値段に比べたら、3倍くらいしている感じがします。中には、こんなのプレゼントされたって飲みたくないと思うようなのを、有名なネゴシアンのだからなせいか、やたらに高く売っている。

なので、いちおう、これとこれを比べたら、こちらを買うべきというのは判断できます。でも、チョイスがありすぎて、全部を眺めて決めていたら時間がかかりすぎてしまう。


お買い得のワインを見つけた

安かったら、文句を言われる確率が低いのではないかな?

安く売っているワインを探そうとしたら、「激安」という言葉に目がいきました:
【楽天市場】翌日配送あす楽:激安お酒スピード便

関東エリアで検索してみると…
ブルゴーニュの赤ワインを安い順に並べた結果

真っ先に目に飛び込んできたのは、これ↓

フランソワ・ラマルシュといえば、ロマネ・コンティと細い道を挟んだところにあるラ・グランド・リュという畑を持っている、すごいドメーヌなのです。こんな安いワインも作っていたとは知らなかった。

ロマネ・コンティの畑はよく見に行くので、そのお隣さんもよく眺めているので、しばしばブログに書いています。例えば、こちら:
コート・ド・ニュイのブドウ収穫を見学 2007/09/07

フランソワ・ラマルシュのドメーヌのフランソワさんは、もう亡くなっているのですが、ドメーヌの名前として残っているのですね。友人たちがワインのイベントでフランソワ・ラマルシュさんと会って、気さくな人柄に惹かれて話しがはずみ、翌日にはドメーヌに来るように誘われて行ったときの話しをしていました。このドメーヌに私はまだ行ったことがないので惹かれました。

コート・ド・ニュイは、ブルゴーニュにいるとデイリーワインなのですが、有名ドメーヌだったら、かなり高く売っているはず。みつけたショップでは2,280円で売っていたのですが、フランスで買う値段と同じか、むしろ安いのでは?

いちおう、ドメーヌのサイトで調べてみる:
☆ Domaine François Lamarche: Bourgogne Hautes Côtes de Nuits - Information sheet

ランクが低いワインなのに、さすが一流のドメーヌ。ブドウは機械を使わずに手摘みだし、オークの樽で熟成しているし、昔ながらに濾過もしない、とある。 このドメーヌでは無農薬を進めていて(2006年から?)、今では全ての畑がBIOワインになっていると聞いています(2010年から?)。

最近のミレジムの中では、2009年が当たり年だと私は思っているのです。濾過していないなら、4年たっていても大丈夫なはず。

いちおう、他のショップではいくらで売っているのか調べてみました:
フランソワ・ラマルシュのオート・コート・ド・ニュイの売値を比較してみる

出てきたなかでは最も安いのではありましたが、ほんの少し高いだけの価格で売っている店が他にもありました。何か問題があって安売りしているのではないか、と少し心配になる。でも、ミレジムも同じなのに、4割くらい高い値段で売っている店もあるので安心。

試してみる価値があると思いました。私が日本で自分のために買うのだったら、これを半ダース注文したと思う。もしも美味しくなかったとしても、赤ワインなら料理で使えるし。


でも、今回のは、他人が飲むワインなのです。複数のボトルを買うのなら、色々あった方が楽しいのではないかな?...

同じところで買えば送料が節約できるので、他に何があるか探してみました。

すると、送料無料で、通常価格から48%オフというブルゴーニュ赤ワインの3本セットが見つかりました。ほかに9本を注文しても梱包が一緒なので送料無料なのだそう。

サヴィニ・レ・ボーヌ・プルミエ・クリュが入っているのが気に入りました。ブルゴーニュにいても、食事に呼んだ人に、少しはもったいぶって出せるワインです。日本で飲むなら喜べるはず。

他に色々探すのも面倒。友人には、この送料無料のブルゴーニュ赤ワイン3本セットに、フランソワ・ラマルシュのコート・ド・ニュイを1本を加えて注文するように伝えました。

後で考えたら、激安3本セットの他の2本は、グラン・オルディネールとブルゴーニュ・ピノ・ノワールなのだというのが気になりました。こういう、どこの畑のブドウなのか分らないランクのブルゴーニュワインって、私がブルゴーニュにいるときには買うことはないのです。3本セットにしても、高いじゃないの? でも、フランスから日本に輸送すると、そうなってしまう?...

でも、友人はワインには詳しくないのだから、ブルゴーニュワインのランク付けなんてきにしないはず。 ブドウ畑の面積からいったら、ブルゴーニュの10倍くらいあるボルドーでは信じられないほど酷いワインがあるのですから、そう悪いのには当たらないだけ安心なのではないか?...


日本のサービスって、すごいのですね。注文したら、翌日には届いたそうで、お礼のメールが届きました。
「さっそく1本あけて飲みました。とても美味しかったです」

4本の違いを説明したのに、どれを飲んだのかの報告はなし。どういう風に美味しかったのかの説明も、全くなし。

口に入れるものに深いこだわりがない日本人が「美味しい」と言うのは、フランス人が「そう悪くはない」というのと同レベルだろうと受け取っています。だから、フランスから壊れないように苦労して持っていった極上のワインを、ワインの味が分からない人たちに飲ませるときには、どうにも言いようがない気分になってしまう...。

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2013/09/11
先日の日記でクイズを出しました:
クイズ: これは何のための道具? 2013/09/01



私はこれを見ても、何に使う道具なのか思いつかなかったのですが、あっさりと答えを出してくださった方々がありました。

解答が入ったコメントを閉じておいたら、私と同様に分らないというコメントも入ったので安心して、クイズの正解を入れるのを忘れていました。これが何であったかを書きます。


ティール・ボットという道具でした

フランスでは、この道具をtire-botte(s)と呼んでいます。
tireとは、引っ張ること。botteとは、ブーツ、長靴。

道具の名前を聞けば何だか想像できますよね? 長靴のかかとをひっかけて簡単に脱ぐことができる道具なのでした。

「これはティール・ボットだ」と教えてもらったら、何に使う道具なのか私にも想像できました。フランス語でコルクスクリューはtire-bouchonなのです(bouchonはコルクのこと)。

片足で不安定に立ったり、座ったりして靴を引ってブーツが脱げたら便利。

さらに、一番上についている横棒は、そこにつかまって体を支えてブーツを脱ぐことができるのでしょう。ということは、よほど力を入れないと脱げないようなピッタリしたブーツを履く人のための道具? あるいは、足だけでは力を足りないようなお年寄りのための道具?

フランスのネットショップで、私が見たものとほとんど同じ形の道具を売っているのを見つけました:
☆ Articles de chasse: Grand tire-botte

これはハンティング用品を扱っている店でした。

アンティークではなくて、未だに生産しているようです。

ハンターブーツや乗馬靴は長くてぴったりしているので、ブーツを脱ぐ道具があると便利でしょうね。

お値段は175ユーロとなっていました。2万円強。

フランスのハンティングはお金持ちの趣味という要素が強いので、ブーツを脱ぐのに便利な道具にそんなお金を出す人がいるのかもしれない。

捕まり手がついているタイプで、もう少し簡略な形の道具もインターネットで売っていました。
Tire-bottes luxe

高さ85センチ、重さ2.3キロと書いてあります。デラックス版となっていますが、こちらは99ユーロと、約半額近い。それでも高いと思うけど...。

乗馬用品を扱うフランスのサイトでは、こんな簡単な形のものも売っていました:
Tire-bottes manche en bois

結局、かかとをひっかけて引っ張れる道具だったら、どんな形でも良いのでしょうね。

古い形にはどんなのがあったの?
Jocondeでtire-botteを検索


日本ではブーツジャックと呼ぶ

私も、膝近くまである冬のブーツを玄関で脱ぐのが難儀だと感じた経験があります。日本でも重宝な道具を評価する人がいるのかもしれない。

探してみたら、この道具を日本では「ブーツジャック」と呼んでいることを知りました。

英語のboot jackから来ているようです。boot pullとも呼ぶらしい。この方がフランス語の呼び名に対応しますね。

ブーツジャックをひっくり返してjackboot(ジャックブーツ)にすると、英語でも日本語でも、ロシア軍やドイツ軍などが使っていた丈の長いブーツを指すのだそう。

紛らわしいな...。


ブーツを脱ぐ道具のブーツジャックは、ちゃんと日本でも市販もされていました。

たいていのは、下に入れるようなU字型のシンプルなもので面白くない。フランスで普通に売られているのも、こういう形なのではありますが。


変わった形のものはないかと、価格が高いものを眺めてみました。
ブーツジャックを楽天市場で検索

アンティークのブーツジャックなのだそう。

蛇の頭が持ち上がっているので、ドアを抑える道具の間違いではないかと思ったのですが、角度を変えた写真を見たら納得。

ちゃんと頭と尻尾でV字型になっていました。
でも、玄関先に置くのは気持ち悪くない?...
ブーツ、ハンティング用品のメーカーとして有名なフランスのル・シャモー社の製品。

シャモー(chameau)とは、フランス語でラクダ(特に2こぶラクダ)のこと。それでブーツジャックもラクダの形で作られているのが面白い。でも、シャモーが何だかわからなかったら、なぜラクダの形なの? と思いませんか?

当然ながらフランスでも同じものを売っているのですが、日本で買った方が安いのは不思議...:
Tire botte en aluminium
木製に見えます。

こんな形で使いやすいのでしょうかね。

それに、ただブーツを脱ぐだけの板にしては高すぎると思うけど...。

体を支える棒が付いたものは、日本のサイトでは見つかりませんでした。

シンプルなブーツジャックなら、自分で作れてしまうと思いますせんか? かかとを引っかけて、別の足で台を支えられる構造にすれば良いだけなのですから。

フランスのサイトでは、ブーツジャックの作り方を紹介していました。
例えば、写真入りなので、こちらをリンク:
Fabriquer un tire-botte

日本でも作っている人がいるのではないかと検索して、ざっと眺めたところ、使い方を紹介しているページしか出てきませんでした。1,500円くらいでブーツジャックが買えてしまえるなら、わざわざ作ることもないか...。




関連テーマのブログ内リンク:
★ 目次: クイズを出した記事一覧
★ 目次: アンティーク、蚤の市などについて書いた記事


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