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2014/01/28
昨年の秋のこと。近所のお屋敷の庭の手入れのアルバイトを請け負った友人が、庭を見に来るように誘ったので見学に行きました。

門戸開放デーのとき、ご自慢の庭園を見学させてもらったことがあるのですが、持ち主は留守で、友人夫妻がいるだけという日。それで、広い敷地を遠慮なく歩き回ることができました。

大きな家が何軒も建っていて、つまりは親戚の人たちで作った別荘地帯のようなところなのでした。



ハンティングが趣味の人たちなので、皆で集まることが多いのだそう。

庭には川も流れていて広いわけですが、専門の庭師が1人雇われていて、仕事が多い時期には別の人も使うということなのだそう。お金持ちって、何でもできちゃうのだな... と感心する例。


悪くないアルバイト

友人夫妻は2人で庭の手入れをしていました。ご主人の方は1時間40ユーロ、奥さんの方はその半額ということで仕事を受けたのだそう。

ご主人は自分の家でもちょっとした農家くらいの家庭菜園を作っているので、ほとんどプロ。トラクターなども持ってきて本格的な作業をしていました。なので、時給が6,000円近いのも当然かと思う。

でも、奥さんの方は、庭の落ち葉を集めたり、落ちた果実を収穫したりする仕事をノンキそうにやっていたのです。

右の写真を入れた「食べ物にこだわるフランスならではの伝統?」に入れた果物保存棚は彼女の担当でした。

木から落ちたリンゴを拾って棚に並べるくらい、私でもできますよ~! そんなに払ってくれるなら、私だってやりたいと思ってしまった!


フランスの最低賃金は、日本の2倍?

フランスには「SMIC(Salaire minimum interprofessionnel de croissance: 業種間一律スライド制最低賃金」と呼ばれる法定最低賃金が定められていて、どんな仕事でも人を雇うときにはその基準以上を支払うことになっています。

この最低賃金しか払わないケースも多いわけで、フランス人たちは少ないとぼやいています。

例えば、ブドウの収穫時期のときには季節労働者を雇うのですが、大変な重労働なのに最低賃金で雇っています。ブドウ園の経営者は、人が集まらないので苦労すると言いますが、もっと払ったら働き手には困らないはずだ、などと友人たちは言っています。

でも、フランスの労働者保護は徹底しているので、賃金以外にも雇い主の経済的負担は大きいので、そんなに季節労働者に賃金を払っていられない。ブドウ収穫に来た季節労働者の例でいえば、農家で昼食を食べさせた後に畑に送るのにはマイクロバスをチャーターしなければなりません。昔はトラクターに乗っかっていけたけれど、今は禁止。農家に宿泊させるとすると、収容人数に応じてトイレの数などを整えなければならない。

大変な肉体労働のときには、定められた最低賃金は安いと文句を言う気持ちは分かるのですが、どうということもない仕事なら最低賃金は高いと思ってしまいます。

1ユーロが170円くらいしたときには、どんなに楽そうなアルバイトを頼むにも最低賃金は払う必要があるので、やたらに高いな... と思ったものでした。

今年、2014年のSMICは、去年より1.1%アップで、時給9.53ユーロ。今のレートを1ユーロ=142円として計算すると、時給1,353円。月収のSMICは、週35時間労働で1,445.38ユーロ(205,244円)。

これが人を雇うときに支払わなければならない最低賃金。悪くないと思われませんか?

日本の場合はというと、地域によって最低賃金は異なっていて、平成25年度地域別最低賃金を見ると、全国平均で時給764円ですが、600円台の地域も多いです。東京都が最も高いですが、それでも869円。東京の物価は世界でも高い水準にあるのだから、貧しい人は非常に苦しい生活を強いられます。

しかも、日本の場合は、最低賃金は支払わなければならないと厳格になっているわけではないでしょう?

20年くらい前のことですが、日本の田舎で高齢者に仕事を与える施設を見学したフランス人が仰天していました。ワラで雪靴をつくるなど、昔ながらの仕事を伝承するための公共施設で、お年寄りたちは時給500円をもらって働いていたのです。

役場の説明によると、1日働いたあとは、カラオケをやったり、温泉に入ったりできるので、とても人気があって、雇ってもらいたい人の順番待ちができているほど人気がある事業だとのこと。

日本人なら、なんとなく想像できますよね。作ったものは売っていたのですが、たぶん役場にとっては赤字の福祉事業。みんなと集まって楽しめるうえに、孫に何かプレゼントできるくらいのお小遣いがもらえたら、悪くないではないですか?

でも、フランス人は、老人虐待以外の何ものでもないと感じたのでした。当時の為替レートでのフランスの最低賃金がどうだったのかは忘れているのですが、時給500円というのは、とてつもなく低いと受け取っていました。しかも、本来なら老齢年金で悠々と過ごせる身分の人たちを、そんな低賃金で働かせてしまうのは許しがたいと怒ってしまったのです。

カラオケと温泉のオマケにひかれた高齢者を働かせるのは許されるのではないか、と私は思うのだけれど、そんなのなしで低賃金で働かされるという話しも日本では聞きます。定年を迎えた友人が、嘱託か何かの身分で会社に止まったのだけれど、給料はガタンと下がって、生活保護よりも低い金額なのだと言っていました。

 
図録▽最低賃金の国際比較


日本って、差別が大きい国...

ひところ、日本人の大半が自分は中流家庭だと思っていると言われていたのですが、あれは気が良いから生まれた感覚だったのだろうか?

 
図録▽相対的貧困率の国際比較


ついでに、男女賃金格差もみてみました。 フランスでは、職業上での女性差別が問題視されているのだけれど、日本に比べれば随分ましではないですか?

 
図録▽男女賃金格差の推移(国際比較)

結局のところ、日本は、弱い者はいくらでも虐げられる体制がある国なのだと感じました。


追記(2014年7月):

日本の最低賃金が引き上げれるというニュースがありました。それでも、フランスの約6割という金額です。



 シリーズ記事: 「奴隷のように働く」という例え


外部リンク:
☆ 仏政府サイト: Salaire minimum de croissance (Smic)
☆ INSEE: Salaire minimum interprofessionnel de croissance (SMIC)
Smic 2013 et 2014 : montant mensuel et taux horaire
最低賃金制度
最低賃金制度/フランス - 主要先進国で最高の水準
図録▽最低賃金の国際比較
図表で見る社会 2014 日本OECD社会指標
6人に1人が貧困の日本。解決策は?
豊かな国なんて大嘘! 日本の子どもは6人に1人が貧困状態との驚愕データが!

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスのホームレス、貧困者について書いた記事


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2014/01/24
日本のある港町に行ったとき、何枚も写真を撮っていました。



こういうところが故郷の人だったら、外国から帰ったときに眺めて、帰ってきたな... なんて感慨にひたるのだろうな...。

東京が故郷だと、そういう風景がないからつまらない。日本で地方を旅行したときには、よくそう思うことがあります。

フランスにいるとき、日本が懐かしいと思いながら目に浮かんでくる風景がない私...。東京って、そういうところだと思う。



日本中どこに行っても見れる、とても日本らしい風景もありました。




下のような、ゴッチャゴチャというのも、珍しくない日本の風景。でも、ここは魚を乾したりしているので風情もあるかな...。




スルメって、こんな風に作るの... と感心した装置。



回転させて、遠心力でイカの皮が引っ張られた状態で乾いていく、というシステムなのでしょうね。
 
おいしそ~ と思ってしまいました。自然に、伝統的に、作ったものが好きです。私が東京で買うスルメなんて、工場の中に並べて乾燥させているもののはず。こんな風につくったスルメは美味しいのだろうな...。誰もいなかったので、これは何処で買えるのかと聞いてみることができませんでした...。

こういう風に食品を作って市販するのは、フランスだったら認可されないのではないかという気もしました。ヨーロッパ連合(EU)ができてからは、やたらに衛生基準がうるさいので、私などは食文化を消滅させようという意図があるのかと反感を持ってしまっています。

フランスの小規模生産チーズは不衛生だから禁止するというのがあったけれど、なんとか生き延びました。その次の槍玉にあがったのは、イタリアで薪を燃してピザを焼くのは不衛生だから禁止するなんていう、とんでもない主張。幸いにも、手作りチーズもピザも禁止にはならなかったけれど...。


◆ 「奴隷のように働く」という言い方

もう2年も前の旅行でした。写真を眺めてみたのは、探し出したい1枚があったからです。あの場面は撮っていなかったらしい。悪いと思って遠慮したのだと思う。

港から少し入ったところにある路地で、開け放った玄関から中が見えたのでした。玄関先に年配の女性がしゃがみこんでいて、魚を干物にする下ごしらえらしき作業をしていたのです。

1月で寒いというのに...。

なんだか、とても日本らしい光景に見えました。写真家だったら、白黒で芸術作品になるような捉え方ができたと思う。

こんな風に、発展途上国にあるような働く姿が経済大国日本にあるなんて、フランス人たちは想像もつかないだろうな、とも思ったのでした。


その場面の写真を探し出したかったのは、「奴隷のように働く」という表現をフランス人たちがよく使うからです。 「奴隷」なんて言葉を持ち出すのはオーバーすぎる、と思ってしまう場面でも使っています。

例えば、ディズニーランドやファーストフード店の従業員の働かせ方。「いらっしゃいませ~♪」なんて笑顔で言わせたりするのは人権を侵害している、と怒って、従業員たちがストをしたりする。

そういうのが嫌いだったら、そういう仕事にはつかなければ良いと思うのだけれど...。それなのに仕事についてしまって、みんなで抗議行動ができるというのはスゴイと思う。

それで、「奴隷のように働かせる」という話しがでると、フランスの友人たちは、みんな、「そうだ、そうだ」と同感しています。

フランスは働く権利が守られている国だと、常々思います。いや、日本が、労働時間とか、労働条件とかにかけては先進国とは言えない状況にあると言うべきでしょうね。日本がこれだけ経済大国になれたのも、文句を言わずに働く人たちがたくさんいるからだ、と私は確信しています。

寒い玄関先で作業をしていた高齢の女性の姿が目に浮かんだのですが、ああいうのは奴隷のような労働条件の例としては相応しくないと思います。

日本での派遣社員の働かせ方とか、「お客様は神様」として働かされる店員とか、会社の中で屈辱的な立場になっているとかいうのに比べたら、ずっと精神衛生上は良い仕事ですから。

 シリーズ記事: 「奴隷のように働く」という例え


外部リンク:
美しい国 日本の景観 - 景観法 電線類地中化 蜘蛛の巣大賞 などを考える



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2014/01/20
日本では、クリスマスにケンタッキーのフライドチキンが人気があると知ったことを書きながら(こちらの日記)、友達が「これが日本人の食生活の姿なのよ」と言ってプレゼントしてくれた本があったのを思い出しました。


日本の食卓って、本当にこんなにお粗末?!

この本です。


家族の勝手でしょ! 写真274枚で見る食卓の喜劇 岩村暢子著 新潮社

本の紹介より:
お菓子だけの朝食、味噌汁回し飲み、具のない素ラーメン・素パスタ・素やきそば。野菜は週に1回、鍋やフライパンの食器化は当たり前、家族が勝手に出入りしてつまんで行く食卓の「餌場」化……。「信じられない!」と叫ぶか、「他人事じゃない」とため息をつくか、「食卓ナマ写真」がリアルに映し出す現代家庭の姿。10年以上の調査から「家族像」の崩壊を伝える前代未聞の衝撃レポート。


調査対象にした家庭に使い捨てカメラを渡して、1週間の食卓を全て写真に記録してもらうという調査方法です。

始めは努力して料理しているのですが、だんだん手抜きになってくる。すごいのですよ。家族そろって、子どももいて、それでいながら、夕食にみんなでインスタントラーメンなんかを食べているのですから。

でも、1週間だけだったら、カッコよくみせようと努力してしまいませんか? でも、それは著者の腕なのでしょうね。ふつ~に食事して、レポートしてください、と説得した?

始めてみたときは、まさか~!、嘘~! と叫んでしまったのですが、本当らしい。

著者の岩村 暢子(いわむら のぶこ)さん自身も、初めて出た調査結果を見て、サンプリングが悪かったと慌てたそうです。でも、調査を続けていると、それが普通の家庭の食卓だと分かってきたとのこと。最近では、子どもたちにコンビニで好きなものを買わせて、家族がてんでんバラバラな食べ物を持ち寄って食事する、なんていうのもあるらしい。

クリスマス料理にファーストフードを食べるのに抵抗がないと聞いて、改めて本を取り出して眺めてみました。でも、写っている食卓の写真は脅威に近いものがある。悪いけど、楽しくないので、パラパラ見ただけでやめてしまった...。


フランスでは?

フランスでも、食が乱れてきていることは問題にされています。フランス人の半分は、親よりも自分の料理は下手だと思っているのだそう。

私が観察していても、パリなどではかなり乱れていると感じています。 ともかく忙しい彼らですから。パリには、料理する手間が省ける総菜屋などもある。そんな店の前を夕方に通りかかったとき、行列ができているので驚いたことがありました。こういうのはパリに行かないと見れないな~、と感心!

アンケート調査によると、フランス人が食事の用意をする時間は少し減ってきているけれど、それと比例して食べている時間は増えているのだそう。

INSEE(フランス国立統計経済研究所)の調査 2010年:
・調理時間: 1日 53分 (1986年から18分減少)
・食事時間: 1日 2時間22分

Ipsosアンケート 2011年:
・調理時間: 1日 1時間22分 (週末を含む)

意外に少ないのだな、と思いました。でも、フランスの家庭料理って、時間をかけなくてもできてしまうのですよね。各人がナイフで切って食べるので、日本のようにお箸で食べられるように小さく切る必要がない。さらに、食事が終わったら食器洗い機に入れれば良いだけだから、さっと後片付けができてしまう。


ファーストフードに関しては、フランンス人、特に大人は根強い反感を持っているとは感じます。アンケート調査では、ファーストフード店に行ったことがないと答えた人が19%というのがありました。そのくらいの割合だろうな、とまわりの人を思い浮かべて思います。

日本はどうなのかを探してみたのですが、ファーストフード店に行く頻度を聞いていて、行ったことがあるかどうかの調査は見つかりませんでした。

どっちみち、日本でファーストフードというときに何を対象とするかの定義から始めないと質問にならないので、数値があっても意味がなかったと思う。「ファーストフード」というとアメリカ系のチェーン店を思い浮かべますが、日本独特のタイプも非常にたくさんあるからです。立ち食いソバ、食券を買って入るラーメン、牛丼とか...。そういうのもファーストフードにしてしまったら、「行ったことがありません」と答えるのは、かなりの高齢者だけではないでしょうか?...

旅の口コミサイトTripAdvisorがフランス人を対象に行ったアンケート調査では、62%はファーストフードには絶対に行かないと答えていました。「絶対に行かない」という強い意志が見えます。

フランスでは、アメリカ系のファーストフード店は、マクドナルドくらいしか進出に成功していない感じがします。他のがあるとしても、パリなどの大都会だけではないでしょうか?

90年代には、子どもたちが珍しがってマクドナルドに行きたがるというのが問題になっていましたが、最近は下火になった感じがします。親が「うちの子はマクドナルドに行ったけれど、美味しくなかったと言っていたんだ♪」なんて自慢するので、それを聞いていた子どもは、カッコつけたくて「ボクは行かない!」などとやるのではないか、という気もしましたけど。

でも、こんな小さな町にもマクドナルドができたの? と、最近も驚いたのでした。つまりは、行く人がいる、ということではないですか?


フランスには、軽く食べられるレストランがない

ファーストフードのフランス進出は、それが原因ではないかという気がします。

旅先で、ちょっと軽く食べたいとき、フランスでは何もないのが辛いと思う。マクドナルドとか、スーパーマーケットのカフェテリアとか、トルコや中華料理の簡単に食事できるところには行きたくない人は非常に困ります。

大きな町にいるときなら、ビストロで1皿食べるという手がありますが、田舎だとそんなのは、全くない! レストランに入ってしまったら、かなりのお金がかかる。1,000円程度で、いちおう椅子に座って食事できる日本は便利だと思う。

だいぶ前に、簡単に食事したいときには、こういう料理が好きというので例を挙げたことがありました。大きな町にあるカフェ・レストランやビストロなどにはSalade composéeと呼ぶ、1皿食べれば十分なサラダがあるけれど、「こんなのが食べたかった~♪」と喜ぶようなのには出会いません。


簡単に食事したいときのお勧め、アシエット・グルマンドという料理 2006/06/30

フランスのレストランに入ったときには、1皿だけとるのは気が引ける。それで、無理して食べる。そうすると、体調がこわれる。なので、旅行中の夕食を抜いてしまうことがよくあります。

冬の旅行では特に困る。夕方5時には暗くなってしまうので、もう観光はできない。それで、ホテルのベッドに寝っころがって、お腹がすいてくるのを待つ。でも、8時にもなると、外に出るのがおっくうになる。そのまま寝てしまうことになるのですけど、これは非常にわびしい...。

日本人が国内旅行したときに食べたものに関するアンケート調査をした場合、フランス人なみに長期休暇を過ごしたら、1回くらいは、お蕎麦などを簡単に食べたりするのではないでしょうか? いや、日本だと、夕方になってもまだ満腹なんていうようなことはないから、問題はないかもしれないな...。

私も若いときには日本でファーストフード店に入ることもあったのですが、久しく行っていません。あれは、慣れないと入る気にもならないものだと感じています。なんだか拒絶反応ができてしまうのです...。

フランスのファーストフード店がどういうところなのか興味はあるのですけど。というのは、フランスの友人たちが、ファーストフードでもかなりの金額を払うことになるので、普通のレストランに行っても同じだ、と言っているのを聞いたことがあるからです。前菜、メイン、デザートをとるからなのですって。

そんなところに行って、フルコースを食べることないでしょ~! これは、フランス式のファーストフード店の話しだったのかな? フランスのマクドナルドでは、そういうフルコースの食事もfrきつようになっていて、チーズなんかも選べるようになっているのだろうか、と気になっています。ご存じの方があったら教えてくださると嬉しいです。


テレビに登場するレポーターの食べる場面について

先日の日記「日本のテレビ番組で気になっていることに関するアンケートのお願い」で、日本のテレビには食べているシーンが多いと感じられているかどうかをお聞きするアンケートを入れてみました。

* クリックして投票してくださった方々、どうもありがとうございます。
まだ、ずっと投票を募集しますので、よろしくお願いします! *

やはり「そう思われますか」という答えや、意外な答えもあるので、
楽しみながら投票結果を眺めております。


私のブログはアクセスが多くはないので、半年くらい待たないとお答えが入ってこないだろうと思っていたのですが、 すでに少しは傾向が見えてきました。

2週間たっての中間的なまとめをしてみます。
何も答えを入れなくても、「投票する」のボタンを押すとお答えがどうだったかのパーセンテージがでるのですが。
  • 質問1: テレビで食べる場面が多いと感じているのは私だけかとも懸念したのですが、「頻度は普通」あるいは「少ないくらいだ」とお答えになったのは少しでした(20%足らず)。
  • 質問2: テレビで食べる姿が出ることをポジティブに捉えていらっしゃる方、気にならない方を合わせると40%くらいを占めています。そうでしょうね。私のように不快だと感じる人が過半数を占めてしまっているのなら、テレビ局だってやらないと思いますから。
  • 質問2: この質問項目で、確かめたかったことがあったのです。こういう風に食べるところをたくさん入れているということは、それを見るのをオカズにしている方々がたくさんいるのではないか、と想定したのです。つまり『家族の勝手でしょ!』に描かれていたような日本の食卓だと、テレビにご馳走を食べている姿が出るのは喜ばしいことじゃないか、と思ったわけです。ところが、少なくとも今までのところでは、「自分が美味しいものを食べている気分になるので嬉しい」というところをクリックされた方は一人もいらっしゃらないのでした。なるほど...。見るだけでは、おかずにはならないですか....。
  • 質問3: とても面白い面が見えました♪ テレビで食べている人が「美味しい」と言ったときの反応です。本当は美味しいと思わなくても「美味しい」と言っているように感じる方が、半分はいらっしゃるのです! ということは、「美味しい」という言葉は「美味しさ」と結びつかないということ?! 私も、日本人はその場が楽しければ「美味しい」と言うのではないかと感じていたのですが、食べたときに「美味しい」と言うのはマナーとして定着しているのかもしれない。

食べる場面が出てくるときにどう思うかは、レポーターによるというコメントも目立ちました。つまり、難しいのですね。ただ「美味しい」と言っただけではダメで、好感をもたれるように「美味しい」と表現しなければいけないのだ...。アンケートを入れた日記に書いたように、フランス語には「美味しい」という表現がたくさんあるので、その言葉の選び方でどのくらい「美味しい」と言いたいか示せるのだけれど、日本語は難しい!

 シリーズ記事: ご馳走料理 vs 日常の食事


外部リンク:
☆ LaDépêche.fr:
Les Français font moins la cuisine mais passent plus de temps à manger
☆ Ipsos: 
Les Français et la cuisine
☆ Kelkoo:
Les Français sont des passionnés de la cuisine, mais 56% estiment qu’ils cuisinent moins bien que
Les Français et la cuisine, un amour grandissant
Les Français et la cuisine en vacances : aventuriers où conservateurs ?
久米宏経済スペシャル新ニッポン人の食卓
料理の楽しさと煩わしさ


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2014/01/15
前回の日記「七面鳥が気になった」を書きながら、フランスの友人たちがクリスマスに食べた七面鳥料理を貶しているのは特殊な例でなかったかどうかをインターネットで検証していたら、 友人たちと同じような表現を見つけました。

フランスの歌手Renaud(ルノー)が歌った『Hexagone』という曲の中に、次のフレーズがあるのだそう:
« Moi j'voudrais tous les voir crever, étouffés de dinde aux marrons. »

皆が七面鳥の栗詰めで窒息してしまうのを見たいもんだ、と受けとれます。クリスマス料理のことでしょうね。友人たちも、パサパサの七面鳥に、お腹がたまる栗を添えられた料理を食べると窒息しそうだ、と言っていたのです。

この歌を知っていたからなのだろうか?...
あるいは、フランス人たちに共通した料理に対する評価なのだろうか?...

それにしても、どうしてそんな変なことを言っているの? どんな歌なのか探してみました。


Renaud - Hexagone

文字にした歌詞は、こちら

何を歌っているのかをイメージで見せた動画もあります。これは若い頃の声をバックに入れています。

曲の題名になっている「hexagone」は六角形のことですが、フランス本土の形がそうなので、フランスの代わりにも使われる単語です。この歌は、1月から始まって12月まで、その月ごとにあるフランスの風習を持ち出しながら歌っていて、12月のところに、七面鳥に栗を詰めたクリスマス料理「dinde aux marrons」が登場していました。 フランスに生まれるのはラッキーなことではない、などという風にフランスを皮肉った歌詞になっていました。

流行歌手や俳優に関しては、全く一般レベルの知識もない私。 でも、どこかで聞いたことがある声のように感じました。

むかし日本でフランス語を勉強していたころは、今のようにインターネットでいくらでもフランス語を聞ける環境になかったので、フランス政府がバックアップしている語学学校でレコードやカセットを片っ端から借りて聞いていたのです。その中に、歌手の名前がRenaudとだけあるのが奇妙に思ったレコードのジャケットがあったような気がする...。

ポップスは好きではないのですが、歌詞が面白くて、深いな音ではなければ興味を持ちます。


ルノーって、誰?

フランスを風刺して歌ったルノーという歌手について調べてみました。

1952年にパリで生まれたシンガーソングライター。Renaud Séchan というフルネームもあるのですが、Renaud(ルノー)だけで呼ばれる。

人権擁護、環境保護、反軍事主義などをテーマにして歌う反体制派の歌手。フランスでは、アルバムの売り上げではトップランクに入る人気歌手なのだそうです。

日本では、ほとんど知られていない感じがしました。そもそも、「ルノー」や「ルノー フランス」で検索すると、フランスの車メーカーのルノー社(こちらの綴りはRenault と違うのですが)が出てきてしまう。

「歌手」というキーワードを加えたら、リーヌ・ルノー(Line Renaud)という歌手の方が前面に出てきました。『パリの空の下』などを歌っているのを聞くと、この声はリーヌ・ルノーという名前の女性だったの? と思ってしまうくらいに馴染みがある。

さて、ルノーという男性歌手の方。上に入れたYouTubeのライブ録音は、1975年にリリースされた曲を、2007年のカムバック公演ツアー「Tournée Rouge Sang」で歌ったときのものだそうなので、彼が50代半ばのときに歌っていることになります。

2007年といえば、フランスでは大統領選挙があった年。内務大臣として治安強化を図ったサルコジが大統領になった後にこの曲を聞いたら、その当時のフランスを描いているように聞こえてしまう歌詞でした。歌ではバカ者が王座についているなどと繰り返しているのですから。サルコジ大統領の時代、フランスの友人たちの何人もが「フランス人であることが恥ずかしい。フランス人とは呼ばないでくれ」などと言っていました。

歌手としてカムバックしたツアーでこの歌を歌ったら、聴衆は絶賛しただろうと想像しました。その当時の世情に合わせた歌詞にしていたのかと思ったのですが、少し手を加えただけだそうです。
 

若者の感性を持ち続けた人?

1968年の5月革命では、ルノーは高校生だったのに運動に参加しています。このときの警察の横暴を目の当たりにして、権力主義への反感が根付いたのでしょう。革命が終わると、世の中に絶望した多くの若者たちが、フランス中部の荒野で理想郷を築こうとしたのですが、ルノーも仲間たちと移住してコミュニティーを作ったのですが、ただちに警察から立ち退きを強制されていまったそうです。

ルノーは世代的には若すぎるので適当ではないでしょうが、「Soixante-huitard」と呼べるかもしれない。これは、5月革命を経験した世代に対する呼び名で、日本で「団塊の世代」と呼ばれる世代と重なりますが、かなり違ったイメージがあります。 ルノーには、この時の体験が心に刻み込まれ、そのときの熱気がずっと消えなかった人、というイメージを持ちました。

親に入れられたブルジョワ色の強い高校を中退して働き出したルノー。とりあえずの仕事として、演劇をしたり、街頭で自作の曲を歌ったりします。可愛らしいルックスだし、才能も際立つ人だったようで、街頭やメトロで歌うとかなりの収入を得たし、芸能界の大物から目をかけられて仕事を与えられたりもしています。

シンガーソングライターとしてデビューしますが、歌詞が過激すぎるので降ろされてしまう。 それでも彼は頭角を現していきますが、成功を手噺で喜ぶということでもなかった様子。

街頭に立ってアコーデオンの演奏をした仲間は、ルノーは稼いだ金をその日のうちに使い切ってしまわないと気がおさまらなかった、と言っていましたが、それの延長だったらしい。歌手として成功してからも、社会の弱者の味方をする歌を歌っているのに、高級車に乗っているところをガソリンスタンドで見破られたら不味いとかなり気にしていたのだそう。

人との出会いに恵まれた人だと思いました。早くから、彼とは波長がぴったりだったろうと思えるコメディアンのコルーシュ(Coluche)と親しくなっています。リハーサルをお忍びで見に来た故ミッテラン大統領とは、父親にも打ち明けないような話をするほど仲良くなって文通していたとのこと。

でも、順風ばかりの人生ではなかったようです。

絶頂期だった1985年、ソビエト連邦に招待されてモスクワでコンサートをしますが、『Déserteur(脱走兵)』を歌い始めると、ライトは観客席を照らし出し、彼は会場から次々に去っていく3,000人を見せつけられることになりました。始めからのシナリオに乗せられてしまったのでしょう。共産主義には同感していた彼には耐え切れない苦痛だったようです。

その後に発表されたとすると、不思議な気持ちになってしまう曲がありました。自ら作詞作曲して大ヒットになった『Mistral gagnant』。1985年に発売された同名のアルバムに入っていた曲ですが、そのライブ録音です。


Renaud - Mistral Gagnant

子ども時代のことを、彼が愛妻との間にもうけた幼い娘に語るという設定でしょう。美しいメロディーですね。 曲を探したら、ピアノの練習をするための動画がたくさん出てきました。

題名になっているMistral Gagnantというのは、昔に存在したクジ付きのお菓子。この名前を付けた会が出来ていると書いてあったので、懐かしいお菓子を復活させようという会かと思ったら、そうではなかった!

1992年、ベルギーに設立されたAssociation Mistral Gagnantで、重度の病気を患っている子どもたちが持っている夢をかなえてあげよう、という活動でした。なんと私の発想は貧弱なこと...。

彼は妻にも立ち去られてしまい、アルコールにおぼれ、鬱を患います。麻薬もあるのではないかな...。消えてしまったあと、カムバックしたりもしますが、長続きはしない。61歳になった今は南仏でひっそり暮らしているようで、今年に入ってから、彼が亡くなったという誤報がツイーターで駆け巡ったとのこと。


エミール・ゾラ(Émile Zola)の小説『ジェルミナール』が映画が製作されたときには(1993年公開)、ルノーは主人公となって名演技をしていました。

彼は父親も兄弟も作家という家系。高校を中退したときに本屋でアルバイトをしながら文学作品を読み漁ったという書籍のリストの中に、この作品の名も入っていました。

炭坑が舞台ですから、かなり厳しい環境での仕事だったと思いますが、撮影中の彼はエキスとランの人たちとの交流を楽しんだように見えました。彼らが文句を言ったわけではないのに、ルノーは監督に彼らの賃金を値上げしろと詰め寄ったりもしたのだそう。

Youtubeに2時間半の動画が入っているので喜んだのですが、スペイン語に吹きかえられたバージョンなのでどうしようもない...。
Germinal

ルノーの人生を語るテレビ番組が出てきました。ルノー自身は記録映像でしか見れませんが、彼の兄弟や友人たちが語っています。色々な人生があるものなのだと興味深くて、1時間半の長い番組だったのに、最後まで見てしまいました。


Renaud - Un jour,un destin - Les raisons de la colère - 26/09/2012


 シリーズ記事: ご馳走料理 vs 日常の食事


ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで耳にする歌 (シャンソン、童謡など)
5月革命から40年 2008/05/05
★ 目次: 文学者・哲学者、映画・テレビドラマに関する記事

外部リンク:
【フランス語サイト】
☆ Wikipédia: Renaud
☆ Wikipédia: Hexagone (chanson)
Association Mistral Gagnant

【日本語サイト】
挑発するロック歌手、ルノー
「マンハッタン=カブール」 ルノー (不定期連載「世界の反戦歌・反戦詩から」)
”Mistral Gagnant”
☆ 映画.com: ジェルミナル 作品情報
☆ ピピのシネマな日々: ジェルミナル


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2014/01/12
家禽類が私の好物です。フランスで食用にされるトリには色々な種類があるので、日本に帰ってくると、それが一番つまらない...。

ニワトリにしても、性別、育て方、年齢によって色々な種類があります。その他、、鴨(アヒル)、ガチョウ、ホロホロ鳥、ハト、ウズラ、七面鳥。

これらの食材は、普通に手に入ります。それほど普及はしていなけれど、鳥の肉としてはダチョウもあります。それから、狩猟シーズンに登場するジビエの野鳥たちもある...。


七面鳥

とり肉が好きと言っても、好きなのは大きさからいってガチョウどまり。七面鳥を食べたいという気持ちになることは、まずありません。

丸ごと買うのを原則にしているので、やたらに大きい七面鳥を見ると食欲がわいてこないというせいもあるはず。

Wild turkey eastern us Large White turkey female

自分で七面鳥を買うことがないので、出会うのは安い料理のときです。こういうのはコストを安くしている料理なので、当然ながら、美味しくない。 二度と食べたくないと思ってしまう、パサパサのもあります。

七面鳥には安いトリ肉だというイメージが私はできてしまっていまっているために、食指が動かないのだろうと思います。それで、フランスで出会う家禽類の中では、私にとって七面鳥は最も縁が薄いトリ肉の部類に入ります。

ほとんど何も知らない七面鳥について、少し調べてみたくなりました。

日本で七面鳥を売っているのを見かけたことはないのですが、ちゃんとネット販売はされていました。

右に入れたのはアメリカ産の丸焼きで、重量6キロ、焼き上がり4.5~5キロなのだそう。

ショップの説明を見ると、1羽で12~14人分とありました。

これはかなり大きいのでしょうね。フランスのレシピの材料をみたら、3キロの七面鳥をローストにするというのが多かったです。それで8人分。


クリスマスには七面鳥を食べる?

七面鳥が気になったのは、前回の日記「日本の人気クリスマス料理はファーストフード?!」を書きながら出てくる日本語のページを読んでいたら、欧米のクリスマスでは七面鳥を食べるものだ、と断定していたからでした。

日本ではクリスマスにはケンタッキーのフライドチキンに人気があると発見したことを書いたのですが、KFCがクリスマスと結びつけて宣伝するようになった1974年。七面鳥を入手しにくい日本にいる外国人たちがクリスマスに鶏肉を食べているのを見て、アイディアを思いついたのだそうです。

今日のフランスで、クリスマスには七面鳥を食べることにしている家庭は、どのくらいの割合なのだろうか? レシピを探すとたくさん出てくるので、昔の伝統を守っている家が多いらしいとは想像できます。

でも、私がクリスマスの食事に招待されたとき、七面鳥の丸焼きを出されたことがないのです。クリスマスイブというのは家族だけで過ごすのが普通で、他人を呼ぶとしても家族のように親しい人だけ。なので、色々な家庭のクリスマス料理を味わっていないため、一般的な事情については判断できません。



年配の友人たちは、「子どものときにはクリスマスには必ず七面鳥を食べた」と語ります。七面鳥に栗を詰め込んだ丸焼き料理「Dinde (farcie) aux marrons」で、これがフランスの伝統的なクリスマス料理の定番なのだそう。

でも、思い出話をする友人たちは、美味しくて嬉しかったという顔をしては語らないのです。

七面鳥をほおばって、さらに付け合せの栗を食べて、窒息しそうなくらいお腹が膨らんだ、という話し。

つまりは、むしろ恨みの料理みたいな言い方をしています。

Dinde de Noël en Aveyron右に入れたのは、Wikipediaの「クリスマスの七面鳥(Dinde de Noël)」という項目に入っていた写真です。

普通の七面鳥はここまでは大きくはないと思うのですが、ガチョウよりも大きいので、子どもが10人くらいいた昔の家族が集まってご馳走として食べるとなったら、向いている食材です。

大家族では七面鳥1羽でも足りないので、付け合せをお腹が膨らむ栗にする、というお母さんのテクニックではないでしょうか?

こういうお腹が膨れるクリスマス料理はフランス人に定着したイメージのようで、フランスの人気歌手Renaud(ルノー)の歌の中にも、栗詰めの七面鳥のクリスマス料理と窒息を結びつけていました。これが面白かったのですが、書きだすと脱線が長くなってしまうので、次回の日記でご紹介しようと思います。


フランスにおける七面鳥の歴史

クリスマスに七面鳥を食べる風習は、いつできたのか?

クリスマスのご馳走として、家禽類、特にガチョウを食べる風習が昔からあったのだそう。

16世紀後半、スペイン人が新大陸からヨーロッパに七面鳥を持ち込み、珍しい食材ということで、フランスでもご馳走の食材となったそうです。

メソアメリカでは紀元前1300年頃から七面鳥が飼育されていたとのこと。新大陸を発見したコロンブスは第1回目の旅行で七面鳥に出会い「羊毛のような羽を持った大きな雌鶏」と表現していたそうです。

アメリカ大陸から来たと聞くと納得できることがありました。七面鳥はフランス語では「dinde」なのですが、「インド」を連想させる言葉なのです。アメリカ大陸を発見したコロンブスは、始めはインドだと思ったと言われます。だから、原住民がインデァンと呼ばれる。

だから七面鳥も、フランスに入ったときは「インドの鶏(poules d'Inde、coq d’Inde、poule d’Inde)」と呼ばれたのだそう。「インドの」というところだけ残って「ダンド」となったのですか。ただし、学名はgallopavo

でも、不思議なことに、英語では七面鳥はターキー(turkey)ではないですか?  なぜ「トルコ」が登場するかは色々な説があるのでしょうが、フランス情報では英語圏の国々にはトルコ経由で七面鳥が入ったのからと説明されていました。日本のサイト「語源由来辞典」では、そうではないと言っていますが(ターキーの語源・由来)。

フランスに入った七面鳥は直ちに気に入られたようです。フランソワ・ラブレー(François Rabelais)の『ガルガンチュワ物語(1534年)』には、「poulles d'Inde(インドの雌鶏)」として七面鳥が登場しています。

大きいので丸焼きにするのは難しいため、詰め物をする(ファルシー)レシピが普及します。肉そのものには味があまりないので、調理人の腕によるところが多かったのでした。

でも、飼育可能な七面鳥は確保できる食材としての価値は大きかった。数カ月前の日記に書いたように、フランスで肉牛の飼育が本格的になったのは、たかが17世紀でした。
これは「雄牛御殿」と呼べる城? 2013/09/07

野生動物を食べることが多かったわけで、 それでは食糧難の時期があったはず。

始めは珍しい動物だし、肥えさせるためにはコストもかかるので、七面鳥は非常に高価な食材でした。食べられる貴族やブルジョワ階級でないと食べられなかったのですが、時代とともに手頃な値段になっていきます。

1538年には、七面鳥1羽の価格は雌鶏8羽分を上回っていました。1711年には、2羽分までに下がっています。

19世紀になると、クリスマスに食べる詰め物の七面鳥になり、20世紀になると庶民の口にも入るようになる。さらに、集中飼育法が開発されて、さらに丸ごとではなく部分で売るようにもなり、安価な食材になってきたのでした。


七面鳥といっても色々...

七面鳥の飼育はアメリカで最も盛んですが、フランスは世界で2番目の生産量になるのだそう(年間生産量は625,000トン)。

こうなると集中飼育されている七面鳥が多いというでしょうから、不味いのと美味しいのの差が大きいのだと思います。中には、七面鳥って、こんなに美味しかったのかと驚くものに出会うこともあるのです。

クリスマス前の七面鳥市の動画がありました。百年の歴史を持つFoire aux dindesだそうです:


Pour Noël: choisir sa dinde vivante

買いに来たマダムたちが、生産者を知っているから美味しいと分かるのだ、と言っていますね。

最後に食事会の料理を作っている場面が出てきますが、これは美味しそう。キャベツをチキンスープで煮込んで、生クリームもたっぷり入れています。七面鳥は、農家が手塩をかけて飼育したものであることのほかに、いかにパサパサにしないように仕上げるかも腕のみせどころなのです。

栗を詰める伝統的な七面鳥料理でも、美味しそうに見えたレシピは、栗のほかに色々なものを詰めて丸焼きにしていました。3~4キロの七面鳥に、栗1.5キロ。それだけではなくて、レバー、子羊肉、豚肉、ベーコン、さらにトリュフまで入れて詰め物を作っています。かなり手がこんだ料理。

やはり、七面鳥を買って、自分で料理してみようという気にはなりませんでした...。

 シリーズ記事: ご馳走料理 vs 日常の食事


ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
★ 目次: フランスで食べる鳥肉と卵(鶏、鴨、ウズラ、鳩、卵など)

外部リンク:
Histoire de la dinde
Pas de Noël sans une dinde !
「日本ケンタッキー・フライド・チキン編」クリスマスにはチキン~外食企業が創り出した日本文化~
☆ レシピ: Dinde de noël farcie aux marrons


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カテゴリー: 食材: 肉類 | Comment (0) | Top
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2014/01/09
前回の日記でアンケートを入れて、 その最後に「日本に住み日本を愛する外国人たちが嘆く「日本が最悪にイケてない10のこと」という記事へのリンクを入れました。

どうでも良いと思えることもあったのですが、そこにあったトップ10のうち、1つが気になりました。


これが日本で人気のクリスマス料理?

日本在住の外国人が、ここは良くないと感じる場面をあげている中で、これが2番目にあがっていたのです:



いくらなんでも、クリスマスにケンタッキー・フライドチキンを食べるはずはないでしょう? クリスチャンではないけれどクリスマスを祝いたいと思う人たちは、何かロマンチックな演出を考えるのが普通ではないですか?

2番目にあげているということは、そういう日本人が多いと言いたいの? まさか~!...

でも、私は常識がなくて、さらに流行のことは何も分っていないと自覚しているので、本当なのかを調べてみました。

驚き。彼らは間違っていないらしい!


KFC、クリスマス売上高が過去最高に 予約好調で1.7%増 - MSN産経ニュース

予約したり、行列をつくったりしないと買えないというところに消費者の心をくすぐる力があるでなりたっている商売なのかな?...

店舗を検索したり、注文できたりできるページもできていました。


2013年ケンタッキーフライドチキン クリスマスキャンペーン

ほほぉ~。
「最高のクリスマスを予約しよう」なんて書いてあります!

で、なにを食べるの?

普通のフライドチキンにクリスマスの演出を少ししただけのメニューが並んでいましたが、プレミアムシリーズというのもある。

鶏の丸焼きのローストチキンが5,700円ですって。

お値段の方は、確かに「贅沢」と呼ぶのに相応しいかもしれない。 オーブンに入れて焼くだけの料理にこの値段を払うという点で。


日本ではチキンの丸焼きは珍しいものな...

ケンタッキーのローストチキンは国内産銘柄鶏「五穀味鶏」だ、とアトラクティブなことが書いてあります。五穀味鶏とはどんなニワトリなのかと検索してみたら、ブロイラーメーカーのサイトが出てきてしまった...。 小屋に押し込められている鶏たちを見たらゲンナリ...。

鶏は外を走り回って、虫なども食べないと肉が美味しくならないと思うのだけれど...。

クリスマスにローストチキンが食べたいとしたら、新鮮なチキンを買って、自分でローストしたらご馳走になるのに、と思ったのだけれど...。

でも、思えば、最近の日本では、ニワトリを丸ごと売っているのをめったに見ることがなくなったような気がします。ネットショップならたくさん扱っているのだろうと思ったのですが、それほど出てきません。


左のは、フランスで最高級といわれるブレス産の若鶏。真ん中のは、フランスで手にいれる農家の放し飼いで育てた鶏肉に近いくらい美味しいと思っている名古屋コーチン。でも、かなりお高いですね。

そういう銘柄品にしなければ、自分で焼いた方がケンタッキーより安そうです。でも、日本の家庭では、ローストチキンはほとんど作らないかもしれない。

下に入れるのは、見せるのもお恥ずかしいようなチャチなフランスの電気オーブンですが、ちゃんと鶏肉を串刺しにして、自動的に回転しながら焼く装置がついています。




驚くのは外国人たち

クリスマスにファーストフードを食べることに驚くのは、クリスマスは家族が集まってご馳走を食べる日だ、ということが頭に刻みついている外国人たちだからなのでしょうね。

検索してみると、日本でケンタッキーフライドチキンをクリスマスに食べることは、外国のサイトでかなり話題になっていました。フランス語のページも、ぞろ~っと出てきました。

AFP通信も、フライドチキンが日本人のお気に入りクリスマス料理だというのをニュースにしていました(フランス語):
YouTube: Le poulet frit, plat préféré des Japonais à Noël

噂のクリスマス用チキンを買って報告している英語圏の外国人もいました。


KFC Christmas Japan: A delicious alternate reality

クリスマス用の特製チキンが売り切れだったので、赤ワイン煮を買って電子レンジで温めていました。寂しいクリスマス・ディナーに見えてしまうけど、家族で「これはやっと手に入れたチキンよ♪」などと言いながら食べたら、ご馳走になるのかもしれない...。

今は、日本料理の素晴らしさが外国でクローズアップされている時代。それなのに、肝心な日本人はファーストフードに全く抵抗がないというところに外国人の驚きがあるのではないかな?... でも、日本に憧れる外国人たちを喜ばせるために、日本人はかたくなに日本の食文化を守っておりますと無理してアピールする必要はないわけで、自分が好きなものを食べた方が良いとは思う。


代表的なクリスマス料理が日本にはない

考えてみれば、クリスチャンでない日本人にとってのクリスマスは、何かしら特別な日になってくれれば良いだけなので、予約しないと手に入らないフライドチキンも特別な食事としての価値があるのかもしれない。

日本では、バレンタインデーに女性が男性にチョコレートを贈るなどというのも商売として成功させたのだから、クリスマスにも何かあっておかしくないですね。

クリスマスと言えばデコレーションケーキしかなかったわけなので、メインディッシュを作ったアイディアは賢いと思いました。


フランス人が好きなクリスマス料理というと、前菜はフォアグラや生ガキ。メインはやはり伝統的は料理ということで、家禽類の料理があがっていました。

チーズはもちろんあって、その後のデザートは、迷わずBûche de noëlと呼ばれるフランス式クリスマスケーキ。

フランスで、早くから予約しないと手に入らないクリスマスの食材には「シャポン」という鶏肉があります。

去勢して太らせた雄鶏で、クリスマス用にしか育てないので、時期外れだと入手不可能。

ただし、高価な食材なので、一般的なフランスのクリスマス料理ではありません。

質が良いことで有名なブレス地方で育てたシャポン以外なら、庶民でも手に入れることができますが。


フランスでも同じかな...

お正月明けの今の時期、フランスではガレット・デ・ロワというケーキを食べます。

ケーキ屋さんやパン屋さんの店頭に並ぶのですが、スーパーにも、見るからに不味そうなガレット・デ・ロワが山積みされています。

そういう安価版のガレット・デ・ロワを作っているメーカーに勤めていた友人は、夏に大量に作って冷凍しておくのだ、と言っていました。

ファーストフード店で食べるわけではないけれど、そういう大量生産のケーキを食べたら同じことではないですか?

でも、このケーキはエピファニー(公現祭)のお菓子で、それがクジ当ての楽しみもあるから皆で切り分けて食べるのが楽しいという趣向です。

べつに、ご馳走だと思って食べるわけではないので、気にしない人は多いのかもしれない。あれだけスーパーに並んでいるのを見るからそう思うわけですが。


フランスの代表的なクリスマス料理は何だろうと検索していたら、ある中学校のサイトに、生徒たちにクリスマスの給食に何を出して欲しいかを聞いたアンケート調査の結果がでていました。

Sondage repas de Noël

前菜として圧倒的に希望者が多かったのは、フォアグラ(122票)。

チーズのリクエストは、まちまちでで統一感なし。

デザートはやはり、ビュシュ・ド・ノエルというフランス式クリスマスケーキ(115票)。

で、メイン料理として最も人気があった料理は何だと思われます?

ケバブなのです(116票)!
これって、フランスで最もよく見かけるファーストフードの定番ではないですか?!

ひょっとしてアラブ系が多い学校だったのではないかと生徒たちの写真を眺めたのですが、特にそういうわけでもないように見えました。

家でクリスマス料理を食べるから、学校では違うものを食べたいと思ったのかな? でも、前菜ではフォアグラなんて言っていたくせに!

結局、子どもたちはファーストフードが好きなのでしょうね。ケバブに続くのはハンバーガー(68票)でしたから。前菜の希望でも、第2位はピザだったのです(50票)。

さらに、メイン料理の付け合せとして人気があったのは、フライドポテト(110票)。続くジャガイモグラタン(40票)を大きく抜いています。

フランスの子どもたちだってそうなのだったら、日本人がクリスマスにケンタッキー・フライドチキンを食べるのにフランス人が驚くことはないではないですか?!

 シリーズ記事: ご馳走料理 vs 日常の食事


ブログ内リンク:
フランスで最高のクリスマス料理: シャポン 2005/12/05
クリスマスのご馳走: 白いブーダン (boudin blanc) 2009/01/15
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
★ 目次: フランスで食べる鳥肉と卵(鶏、鴨、ウズラ、鳩、卵など)

外部リンク:
Une tradition de Noël japonaise qui perdure : le Kentucky Fried Chicken !
Pourquoi les Japonais mangent chez KFC à Noël
Que faire pour Noël à Tokyo - Un Gaijin au Japon
「クリスマスはKFC」に海外から驚きの声 「ジョークか何かだろ」「本気なのか」


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2014/01/04
ブログでアンケートができるというツールを見つけたので、かねがね聞いてみたいと思っていたテーマの質問を入れてみます。

私のブログはアクセス数が少ないので、集計結果で判断できるほどの解答は集まらないでしょうが、1つ2つでも入れてくださる方があったら感謝します。私が気になって仕方ないことを、他の方は全く気にならないのか知りたいのです。

どうして、こんな質問を並べたくなったのかは下に書くことにします。それを読まずに投票してくださった方が、正確な反応を知ることができるはずなので。

選んだ答えにクリックを入れて「投票する」ボタンを押すと、集計結果のグラフも出ます。コメントを入れることもできます。「投票する」ボタンだけクリックすれば、投票結果を見ることができます。

よろしくお願いします!

質問1


質問2


質問3


質問の意味が通じたでしょうか? 私が日本でテレビを見るときには、知らない土地を紹介する番組が好きです。日本のことでも、外国のことでも。日本は視聴者数が多いせいもあるのでしょうが、フランスよりお金を惜しまずに番組を作っていて、どこにでも取材に行ってしまうのですごい。

でも...

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2014/01/02
今年の干支(えと)は馬なのですって。漢字にすると、年。
これで「うまどし」と読んでしまうのですか~...。

動物のウシと同じじゃないかと思ってよく見ると、牛はだから、ちょっと違う。

気がつけば、正午とか、午前・午後の「午」だった...。

うし年は年と書く。

こういうのって、使わないと忘れてしまう。
それでおさらい。

十二支(じゅうにし)は、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥 。

China 24 cardinal directions

漢字は苦手です...。 気をとりなおして、馬の写真を探しました。




神妙な顔をしてご挨拶しています。

ずんぐりしていると貶さないでください。作業馬だと思います。絶滅の危機にあった品種を救おうとする人たちが、フランスにはたくさんいるのです。

でも、後ろにいる子がこちらを無視しているのはマズイ...。




これで、ふたり揃ってご挨拶。

2014年が良い年になりますように!


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