2014/10/30
だいぶ前にブルゴーニュのワイン農家に行ったときに見学した作業は何だったのかを調べて、前回の日記で書きました:
★ ワインを作るために足でブドウを踏む作業 (1) フラージュ
そのとき撮ったのが右の写真です。
この作業をフランス語ではなんと呼ぶのかを調べていて、見つけたのは「foulage(フラージュ)」という言葉でした。
でも、そう呼ばれる作業ではないように思うのです。
では、何なのか?...
◆ 私が見たのはフラージュ(破砕)ではない...
「foulage au pied(足でするフラージュ)」という言葉が出てきたので、私が見たのもフラージュという作業だったのだろうと思ったのでした。
でも、ブログに書いているうちに、それとは違う感じがしてきたのです。
読んだ情報によると、フラージュは発酵する前に行う作業だ、とありました。
でも、私が見学した作業では、ブドウはもう明らかにかなり発酵した状態だったはずなのです。作業をしていた男性たちは、ガスが立ち込めている桶の中では長い時間の作業はできない、と言っていましたので。
フランスのワインのことだからフランスのサイトで情報を見つけなければと探して読んでいたら、頭がゴチャゴチャになってきました。
むしろ、ワインとは縁のない人が多い日本人に説明する方が、単純に分かりやすく説明してくれるのではないか?
それで、日本語情報を調べ始めました。
foulageという単語は、仏和辞典にも入っていました。
☆ ロベール仏和大辞典の訳:
☆ クラウン仏和辞典の訳:
辞書によって「破砕」か「圧搾」と訳語が異なるのですが、日本のワイン業界では、foulageの訳語は「破砕」で統一しているようでした。
実は、foulageを「圧搾」と訳してしまうと困るのです。前回の日記に書いたように、日本のワイン用語では「pressurage(pressage)」が「圧搾」と訳されていますので。
作業の工程は色々な方法があるし、昔ながらのやり方でするか、機械でするかによっても違うのですが、単純にブドウからワインになるまでの工程がわかる絵を探してみたら、日本のサイトで見つかりました。
サントリー ワイン スクエア|基礎知識|07. ワインのできるまで
フラージュ(破砕)は省略してしまうこともあるようなのですが、ちゃんと入っていました。今は足で踏んでいたりしないで機械でやってしまうにしても、「フラージュ(破砕)」は始めに行う作業です。
その後に、「圧搾」と呼ばれる作業があるのですが、赤ワインと白ワインで工程が少し異なります:
こちらのサイトの説明図も分かりやすいです:
☆ ワインミニ知識: ワインはこのように造られる
なあんだ、なあんだ、初めから日本語情報を探せばよかったのだ...。
でも、です!
私が見た作業は、上に入れた図には入っていない...。
赤ワインの場合は、発酵してから「圧搾」するわけですが、これは液体を搾り出す作業です。足で踏み潰して液体を絞り出すはずがありません。
となると、その圧搾の前にしている作業でしょう?
それを何と呼ぶのか?...
◆ 圧搾は、「ピジャージュ(Pigeage)」
ようやく出てきました♪
クロ・ブジョーの作業という動画が出てきました。ブルゴーニュですね。私が見たのと同じ作業に見えます。
Pigeage de Pinot Noir 2 Clos-Vougeot, France
動画のタイトルに「Pigeage(ピジャージュ)」と付いているので、それが作業の呼び名のようです。
赤ワインで行われる作業。発酵過程で浮上してきた果皮や果肉を沈め(マールをムーに沈める)、色素やタンニンを抽出するという作業。表面に浮上したものを「マールのchapeau(帽子)」という呼び方をしていました。
1回やれば良いというわけではなくて、1日に何回も行ったりもするのだそう。
上に入れた動画もそうでしたし、私が見たのも四角い風呂桶のようなところに入って作業していましたが、違う地方ではやり方をするのかもしれません。
南フランスのドメーヌの動画:
☆ Dailymotion: Pigeage au pied avec Morvane Cellier de la Maison Boutinot
棒で突っつくやり方もあるようです:
☆ YouTube: Pigeage manuel - Vinification en rouge
ピジャージュは大変な重労働のようです。現代なので、もちろんピジャージュをする機械もある:
☆ YouTube: Pigeage mécanique - Robot pigeur - Vinification en rouge
◆ pigeage(ピジャージュ)という単語
ところで、「pigeage」という単語は、仏和辞典はもちろん、仏仏辞典にも入っていませんでした。動詞形はpigerが使われていましたが、その意味での単語も入っていない...。
Wikipediaでは「Pigeage」としてページが設けられていましたが、リンクされていたのは英語だけ。Grape stompingというタイトルになっていましたが、pigeageとして知られているとありました。古代ローマ帝国時代にも行われていたそうなのですが、フランス語で残ったのでしょうね。
日本語訳としては、「櫂入れ」とされていることもありました。日本酒の醸造で使う名前で、これは完全に棒でする作業なのでしょうね。
このブログを時々見てくれているブルゴーニュの友達が、前回の私の記事を眺めて、トップに入っている写真に驚いてしまった様子。日本語が分からない人なので、男性二人が裸でいるポルノ写真のようなものを入れて、私が何を書いたのかと思ったらしい。
フラージュと呼ぶ作業かと思って書き始めたのだけれど、実は別の作業だという続きを書いているのだ、と返事しました。
「何の作業だと思う?」と聞いてみると、「なんて言ったっけかな...」と少し間をおいて、「ピアージュ」と言ったのでした。足で踏むなどというのは今ではやらない作業なのに、どうしてそんな単語を知っているのだろう?...
ともかく、指摘された写真は確かにどぎつかったので、サイズを小さくしました。
ワインの作り方は奥が深いです。今回はフラージュとピジャージュという言葉を覚えましたが、これらを調べているうちに、もっと色々な専門用語が出てきました。この作業と、この作業は、どう違うの? と気になることもあったのですが、今回はこの辺でストップしておきます。
追記 (2915年3月):
BIVB(ブルゴーニュワイン委員会)のサイトでは、ワインの製造過程を示す図をダウンロードできるようになっていました。フランス語で書かれたPDFファイルですが、ご興味ある方のためにURLを入れておきます。
☆ 赤ワイン: Poster - Vinification - Rouge -
☆ 白ワイン: Poster - Vinification - Blanc -
☆ クレマン・ド・ブルゴーニュ: Poster - Vinification - Crémant -
★ ワインを作るために足でブドウを踏む作業 (1) フラージュ
そのとき撮ったのが右の写真です。
この作業をフランス語ではなんと呼ぶのかを調べていて、見つけたのは「foulage(フラージュ)」という言葉でした。
でも、そう呼ばれる作業ではないように思うのです。
では、何なのか?...
◆ 私が見たのはフラージュ(破砕)ではない...
「foulage au pied(足でするフラージュ)」という言葉が出てきたので、私が見たのもフラージュという作業だったのだろうと思ったのでした。
でも、ブログに書いているうちに、それとは違う感じがしてきたのです。
読んだ情報によると、フラージュは発酵する前に行う作業だ、とありました。
でも、私が見学した作業では、ブドウはもう明らかにかなり発酵した状態だったはずなのです。作業をしていた男性たちは、ガスが立ち込めている桶の中では長い時間の作業はできない、と言っていましたので。
フランスのワインのことだからフランスのサイトで情報を見つけなければと探して読んでいたら、頭がゴチャゴチャになってきました。
むしろ、ワインとは縁のない人が多い日本人に説明する方が、単純に分かりやすく説明してくれるのではないか?
それで、日本語情報を調べ始めました。
foulageという単語は、仏和辞典にも入っていました。
☆ ロベール仏和大辞典の訳:
① (穀類などを)圧し(踏み)つぶすこと; (ブドウの)破砕
※ 他にも、繊維のフエルト化、印刷のプレスなど、色々意味がありますが省略
※ 他にも、繊維のフエルト化、印刷のプレスなど、色々意味がありますが省略
☆ クラウン仏和辞典の訳:
圧搾
※ foulage du raisin: ブドウの圧搾
※ foulage du raisin: ブドウの圧搾
辞書によって「破砕」か「圧搾」と訳語が異なるのですが、日本のワイン業界では、foulageの訳語は「破砕」で統一しているようでした。
実は、foulageを「圧搾」と訳してしまうと困るのです。前回の日記に書いたように、日本のワイン用語では「pressurage(pressage)」が「圧搾」と訳されていますので。
作業の工程は色々な方法があるし、昔ながらのやり方でするか、機械でするかによっても違うのですが、単純にブドウからワインになるまでの工程がわかる絵を探してみたら、日本のサイトで見つかりました。
サントリー ワイン スクエア|基礎知識|07. ワインのできるまで
フラージュ(破砕)は省略してしまうこともあるようなのですが、ちゃんと入っていました。今は足で踏んでいたりしないで機械でやってしまうにしても、「フラージュ(破砕)」は始めに行う作業です。
その後に、「圧搾」と呼ばれる作業があるのですが、赤ワインと白ワインで工程が少し異なります:
- 赤ワインは、発酵させてから圧搾。
- 白ワインは、圧搾してから発酵させる。
こちらのサイトの説明図も分かりやすいです:
☆ ワインミニ知識: ワインはこのように造られる
なあんだ、なあんだ、初めから日本語情報を探せばよかったのだ...。
でも、です!
私が見た作業は、上に入れた図には入っていない...。
赤ワインの場合は、発酵してから「圧搾」するわけですが、これは液体を搾り出す作業です。足で踏み潰して液体を絞り出すはずがありません。
となると、その圧搾の前にしている作業でしょう?
それを何と呼ぶのか?...
◆ 圧搾は、「ピジャージュ(Pigeage)」
ようやく出てきました♪
クロ・ブジョーの作業という動画が出てきました。ブルゴーニュですね。私が見たのと同じ作業に見えます。
Pigeage de Pinot Noir 2 Clos-Vougeot, France
動画のタイトルに「Pigeage(ピジャージュ)」と付いているので、それが作業の呼び名のようです。
赤ワインで行われる作業。発酵過程で浮上してきた果皮や果肉を沈め(マールをムーに沈める)、色素やタンニンを抽出するという作業。表面に浮上したものを「マールのchapeau(帽子)」という呼び方をしていました。
1回やれば良いというわけではなくて、1日に何回も行ったりもするのだそう。
上に入れた動画もそうでしたし、私が見たのも四角い風呂桶のようなところに入って作業していましたが、違う地方ではやり方をするのかもしれません。
南フランスのドメーヌの動画:
☆ Dailymotion: Pigeage au pied avec Morvane Cellier de la Maison Boutinot
棒で突っつくやり方もあるようです:
☆ YouTube: Pigeage manuel - Vinification en rouge
ピジャージュは大変な重労働のようです。現代なので、もちろんピジャージュをする機械もある:
☆ YouTube: Pigeage mécanique - Robot pigeur - Vinification en rouge
◆ pigeage(ピジャージュ)という単語
ところで、「pigeage」という単語は、仏和辞典はもちろん、仏仏辞典にも入っていませんでした。動詞形はpigerが使われていましたが、その意味での単語も入っていない...。
Wikipediaでは「Pigeage」としてページが設けられていましたが、リンクされていたのは英語だけ。Grape stompingというタイトルになっていましたが、pigeageとして知られているとありました。古代ローマ帝国時代にも行われていたそうなのですが、フランス語で残ったのでしょうね。
日本語訳としては、「櫂入れ」とされていることもありました。日本酒の醸造で使う名前で、これは完全に棒でする作業なのでしょうね。
このブログを時々見てくれているブルゴーニュの友達が、前回の私の記事を眺めて、トップに入っている写真に驚いてしまった様子。日本語が分からない人なので、男性二人が裸でいるポルノ写真のようなものを入れて、私が何を書いたのかと思ったらしい。
フラージュと呼ぶ作業かと思って書き始めたのだけれど、実は別の作業だという続きを書いているのだ、と返事しました。
「何の作業だと思う?」と聞いてみると、「なんて言ったっけかな...」と少し間をおいて、「ピアージュ」と言ったのでした。足で踏むなどというのは今ではやらない作業なのに、どうしてそんな単語を知っているのだろう?...
ともかく、指摘された写真は確かにどぎつかったので、サイズを小さくしました。
ワインの作り方は奥が深いです。今回はフラージュとピジャージュという言葉を覚えましたが、これらを調べているうちに、もっと色々な専門用語が出てきました。この作業と、この作業は、どう違うの? と気になることもあったのですが、今回はこの辺でストップしておきます。
追記 (2915年3月):
BIVB(ブルゴーニュワイン委員会)のサイトでは、ワインの製造過程を示す図をダウンロードできるようになっていました。フランス語で書かれたPDFファイルですが、ご興味ある方のためにURLを入れておきます。
☆ 赤ワイン: Poster - Vinification - Rouge -
☆ 白ワイン: Poster - Vinification - Blanc -
☆ クレマン・ド・ブルゴーニュ: Poster - Vinification - Crémant -
ブログ内リンク:
★ 目次: ブドウ畑の作業、ワイン醸造法など
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
外部リンク:
☆ vendémiaire 葡萄月: pigeage
☆ Remontage, délestage, pigeage
☆ Les mots du vin : pigeage, délestage, remontage, vous avez pigé ?
☆ Wikipédia: Foulage
☆ Wikipédia: Pigeage
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2014/10/28
ボージョレーの農家にあったものは何でしょうという先月出したクイズにいただいたコメントには、前回の日記で書いたように、クイズにした材木はブドウを踏みつぶしたタライではないかというのがありました。
ブドウを踏みつぶすと聞いて思い出したことがありました。
◆ ブドウ汁を絞り出すために足で踏む作業
10年余り前のことですが、ブドウの収穫期に行ったブルゴーニュのワイン農家で、ブドウを踏みつぶす作業を見学したのです。こういう方法があるとは聞いていたけれど、今日でもやっていたとは驚き...。
このとき撮ったスライド写真を簡単にスキャンしたのでピンボケですが、入れてみますね。
昔はこれを裸でやっていたのだ、とブルゴーニュの友人が言っていたのですが、さすが現代なので、海水パンツで作業していました。
ブドウが発酵してガスが出てくるので危険な作業なのだそう。少しやったら休憩して、それからまた作業するという話しでした。プールか日本式お風呂と呼びたくなるところに入っていられる限度は、30分間と言っていたかな?...
◆ この作業は何と言ったっけ?
ワインにするためにブドウを足で踏みつけることを示す言葉はあるはずですが、思い浮かびません。でも、ブルゴーニュの友人たちに話しを持ち出すには問題はありません。
「あれのこと」と言えば分るものが、ブルゴーニュの都市ディジョン市にあるのです。
ブドウを踏みつけている男性の姿の彫刻がある噴水で、彼は「Bareuzai(Bareuzeiとも綴る)」と呼ばれます。
左の写真は普通のときに撮影した写真。ワインのイベントが行われたとき(右の写真)には、樽を並べて飾った前でワインの試飲をさせてくれたので、いつもこうしておけば良いのにと思ったのでした。噴水からワインが出ていればもっと良い!
「Bareuzai(バルーゼ)」と言えば、ブドウを踏みる作業だと分かってもらえるわけです。
ところで、Bareuzaiとは「bas rosé」から作られたブルゴーニュの言葉です。
basとは、下のこと(長靴下の意味もある)。
roséとは、ロゼワインでも使われる単語で、ピンク色のこと。
つまり、ブドウを踏みつけていて下半身が赤くなったブドウ栽培者、ということになります。
この彫刻はディジョンの目抜き通りから朝市の会場に行く道にあり、Place François Rudeという名の広場にあります。
でも、ディジョン生まれの彫刻家François Rude(1784~1855年)より、こちらのブドウを踏む少年の像をシンボルにした方が分かりやすいので、Place du bareuzaiと呼ぶ人も多いです。
ちなみに、この彫刻はNoël-Jules Girard(1816~86年)の作品で、20世紀初頭からここにあるのだそう。
◆ foulage au pied
バルゼというのは、ブルゴーニュを知らない人には通じません。こういう風にブドウを踏みつけてつぶすというのは、フランス語で何と言ったっけ?
探してみたら、foulage(フラージュ)がでてきました。日本語では「破砕」と訳していますね。
足で踏むことを強調するなら、foulage au pied。
ブドウを踏むことを示すなら、foulage du raisin au pied。
行為として動詞にするなら、fouler。
ブドウの圧縮機はPressoirで、動詞はpresser(圧縮する、絞り出す、せきたてる)という、日常生活でも使う単語。foulerなんて使う場面があったかな?...
仏和辞典でfoulageをひくと、こう書いてありました:
(穀類などを)圧し(踏み)つぶすこと、(ブドウの)粉砕
でも、印刷関係の言葉としてのfoulageは、「(圧盤、シリンダーによる)プレス」と書いてある。それで気になってきてしました。
実は、続きで書くように、私がワイン農家で見たのは「フラージュ」ではなかったようなのですが、見つけたときは喜んで、フラージュについて調べたのでメモしておきます。
◆ foulerとpresserは、どう違うの?
フランスのワイン情報サイトの説明を読んでみました。
同じ作業ではないけれど、2つを混同しているフランス人は多いのだそうです。
フラージュが何であるかを日本語で説明しているサイト「メゾン・デュ・ヴァン」が見つかりました。
ブドウを収穫した後、foulage(破砕)をするか、pressage(圧縮)するかの違いなのかと思ったのですが、両方することもあるようです。最近では、破砕と圧縮を同時にやってしまう機械も広く使われているようでした。
◆ ブルゴーニュのブドウのブランデー「Marc(マール)」と「Fine(フィーヌ)」の違いは?
フランス語情報では「moût(ムー)」という単語が出てきました。これと同様にブドウを絞ったときにできる「marc(マール)」と「ムー」がどう違うのかというのが気になっていたのですが、やっと理解できました。
気になったのは、先月にブルゴーニュのワイン産地でブドウの絞りかすが蓄積されていたのを見たときのことでした;
★ ポマール村で見たもの 2014/09/20
これを回収する醸造所の立札があったので、これから「Marc de Bourgogne」というeau-de-vie(オー・ド・ヴィ = 蒸留酒)が作られるはず。
このとき一緒にいたワインに詳しいフランス人が、「これをmoût(ムー)と呼ぶ人もいるけれど、本当はmarc(マール)と呼ぶべきなのだ」と言っていたのです。
なるほど、moût(ムー)は液体なのですが、ここにあったのはmarc(マール)で、液体を搾り取ったあとに残るブドウの果皮・種・茎だけですから全く違いますね。
ところで、ブルゴーニュのワインから作る蒸留酒には2種類あります。マールとフィーヌ。最近、AOC(原産地統合呼称)も獲得しましたね。
Marc de Bourgogneは(マール・ド・ブルゴーニュ)とFine de Bourgogne(フィーヌ・ド・ブルゴーニュ)は、どう違うのだろうか?...
Marc(マール)の方は、ブドウを圧縮した後の絞りかす(マール)から作った蒸留酒。
Fine(フィーヌ)の方は、絞りかすでなく、ブドウから作っているのだと聞いていました。私は調べたことはなくて、コニャックなどのようにワインにする原料でフィーヌを作るのかなと思っていたのですが、そうではなかった。
フィーヌは、ワインを醸造したときに沈殿するlie(リー)とフランス語では呼ばれる澱(おり)から作るそうです。つまり、茎や種がないから、きつくはない酒に仕上がるのですね。しかも、ワインから作るわけではないから、コニャックなどよりは癖があるブランデーになる。
「リー」は濃縮したワインのようなもので、ブルゴーニュでは珍重されていています。自分で醸造しなければ手に入りませんが。ブルゴーニュの郷土料理のコッコ・ヴァンなども、赤ワインではなくてリーを使うのが昔ながらの本物なのだそう。
Lie de vin(ワインの澱」は色の名前にもなっています。
マールとフィーヌの風味は似ていますが、フィーヌの方が上品で飲みやすいと私は思います。私が買っているメーカーのものでは、マールよりフィーヌの方が価格が少し高くなっています。
日本語の説明に、フィーヌはワインにするには質が劣るものから作る、と書いてあるのを見たことがあるのですが、ロマネ・コンティがフィーヌを作っているくらいですから、そうは言えないと思うのですけどね...。
フィーヌはワインを醸造した樽の底にたまった澱でつくるといっても、その澱の状態は良いものでないと良いフィーヌができないそうです。フランス語でワインの澱は「lie(リー)」なのですが、フィーヌに使うものの名前を「clair de lie」と呼んでいる記述が多かったです。リーといってもclair(明るい、淡い)という意味? とすると、ドロドロした澱ではないのかもしれない。
話しが脱線しましたが、足でブドウを踏みつぶすことについて書いていたのでした。
プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方のオート・アルプ県にあるDomaine de la Clochèreというドメーヌのサイトに、昔ながらの方法で行っているfoulageの作業を見せる動画が入っていたのでリンクを入れておきます。イベントではなくて、販売するワインのために本当にやっているようです。
☆ CAVE » Le foulage
私が見学したところと同じで、液体がプールのように樽にたまるようになっていて、普通の圧縮機、つまり隙間があいた柵のような樽ではfoulageをやっていませんでした。
なので、クイズにしたボージョレーのワイン農家にあった圧縮機は、上から力をかけて圧縮するタイプのものだったと結論することにしました。
★ クイズ: これは何でしょう?(ボージョレーで見たもの) 2014/09/12
★ 解体したのはブドウの圧縮機だった 2014/10/25
ここまで下書きで書いて、私が見たブドウをつぶす作業は「foulage(破砕)」だと結論したのですが、さらにしつこく調べていると、どうも違うのではないかと思えてきました...。
足でブドウを踏む作業には、もう1つ単語が出てきて、私が見学したのはそちらの方ではないかと思えるのです。でも、少し上にリンクしたオート・アルプ県のワイナリーのサイトに入っていた動画は私が見たのと同じ作業のように見えて、そこでは「foulage」として説明していたのですけど。
地方によって呼び方が違うかな?...
ともかく、もう1つの方の単語について調べて、次回の日記でメモすることにします。私はワインを作ろうというわけではないし、ソムリエの資格試験を受けようと思っているわけでもないのだから、どっちなのだろうかと気にすることはありません。
でも、気になると、止まらない私...。
続きへ: ワインを作るために足でブドウを踏む作業 (2) ピジャージュ
ブドウを踏みつぶすと聞いて思い出したことがありました。
◆ ブドウ汁を絞り出すために足で踏む作業
10年余り前のことですが、ブドウの収穫期に行ったブルゴーニュのワイン農家で、ブドウを踏みつぶす作業を見学したのです。こういう方法があるとは聞いていたけれど、今日でもやっていたとは驚き...。
このとき撮ったスライド写真を簡単にスキャンしたのでピンボケですが、入れてみますね。
昔はこれを裸でやっていたのだ、とブルゴーニュの友人が言っていたのですが、さすが現代なので、海水パンツで作業していました。
ブドウが発酵してガスが出てくるので危険な作業なのだそう。少しやったら休憩して、それからまた作業するという話しでした。プールか日本式お風呂と呼びたくなるところに入っていられる限度は、30分間と言っていたかな?...
◆ この作業は何と言ったっけ?
ワインにするためにブドウを足で踏みつけることを示す言葉はあるはずですが、思い浮かびません。でも、ブルゴーニュの友人たちに話しを持ち出すには問題はありません。
「あれのこと」と言えば分るものが、ブルゴーニュの都市ディジョン市にあるのです。
ブドウを踏みつけている男性の姿の彫刻がある噴水で、彼は「Bareuzai(Bareuzeiとも綴る)」と呼ばれます。
左の写真は普通のときに撮影した写真。ワインのイベントが行われたとき(右の写真)には、樽を並べて飾った前でワインの試飲をさせてくれたので、いつもこうしておけば良いのにと思ったのでした。噴水からワインが出ていればもっと良い!
「Bareuzai(バルーゼ)」と言えば、ブドウを踏みる作業だと分かってもらえるわけです。
ところで、Bareuzaiとは「bas rosé」から作られたブルゴーニュの言葉です。
basとは、下のこと(長靴下の意味もある)。
roséとは、ロゼワインでも使われる単語で、ピンク色のこと。
つまり、ブドウを踏みつけていて下半身が赤くなったブドウ栽培者、ということになります。
この彫刻はディジョンの目抜き通りから朝市の会場に行く道にあり、Place François Rudeという名の広場にあります。
でも、ディジョン生まれの彫刻家François Rude(1784~1855年)より、こちらのブドウを踏む少年の像をシンボルにした方が分かりやすいので、Place du bareuzaiと呼ぶ人も多いです。
ちなみに、この彫刻はNoël-Jules Girard(1816~86年)の作品で、20世紀初頭からここにあるのだそう。
◆ foulage au pied
バルゼというのは、ブルゴーニュを知らない人には通じません。こういう風にブドウを踏みつけてつぶすというのは、フランス語で何と言ったっけ?
探してみたら、foulage(フラージュ)がでてきました。日本語では「破砕」と訳していますね。
足で踏むことを強調するなら、foulage au pied。
ブドウを踏むことを示すなら、foulage du raisin au pied。
行為として動詞にするなら、fouler。
ブドウの圧縮機はPressoirで、動詞はpresser(圧縮する、絞り出す、せきたてる)という、日常生活でも使う単語。foulerなんて使う場面があったかな?...
仏和辞典でfoulageをひくと、こう書いてありました:
(穀類などを)圧し(踏み)つぶすこと、(ブドウの)粉砕
でも、印刷関係の言葉としてのfoulageは、「(圧盤、シリンダーによる)プレス」と書いてある。それで気になってきてしました。
実は、続きで書くように、私がワイン農家で見たのは「フラージュ」ではなかったようなのですが、見つけたときは喜んで、フラージュについて調べたのでメモしておきます。
◆ foulerとpresserは、どう違うの?
フランスのワイン情報サイトの説明を読んでみました。
同じ作業ではないけれど、2つを混同しているフランス人は多いのだそうです。
動詞 | 名詞 | 説明 |
fouler | 破砕 foulage | ブドウの実の皮を破裂させ、それによって果汁を飛出させるもので、これによって発酵が始まることができる。 踏みつぶした漿果(注①)は、果汁とブドウの皮(moûtと呼ばれる 注②)の甘い果肉となる。 |
presser | 圧搾 pressurage、 pressage | 全ての皮、その他のmoûtの残存物を取り出すものである。圧縮して絞り出した果汁は、オレンジを絞って皮を捨てるのに似ている。 moût を発酵のために圧縮する必要はない。 |
注① 漿果(しょうか) | 液果(えきか)の旧称。ブドウやミカンのように水分の多い果肉が種子を包んでいる果実。 |
注② moût(ムー) | ムスト。発酵前のブドウ液で、果物の皮、種、果梗が含まれている。 |
フラージュが何であるかを日本語で説明しているサイト「メゾン・デュ・ヴァン」が見つかりました。
ブドウを収穫した後、foulage(破砕)をするか、pressage(圧縮)するかの違いなのかと思ったのですが、両方することもあるようです。最近では、破砕と圧縮を同時にやってしまう機械も広く使われているようでした。
◆ ブルゴーニュのブドウのブランデー「Marc(マール)」と「Fine(フィーヌ)」の違いは?
フランス語情報では「moût(ムー)」という単語が出てきました。これと同様にブドウを絞ったときにできる「marc(マール)」と「ムー」がどう違うのかというのが気になっていたのですが、やっと理解できました。
気になったのは、先月にブルゴーニュのワイン産地でブドウの絞りかすが蓄積されていたのを見たときのことでした;
★ ポマール村で見たもの 2014/09/20
これを回収する醸造所の立札があったので、これから「Marc de Bourgogne」というeau-de-vie(オー・ド・ヴィ = 蒸留酒)が作られるはず。
このとき一緒にいたワインに詳しいフランス人が、「これをmoût(ムー)と呼ぶ人もいるけれど、本当はmarc(マール)と呼ぶべきなのだ」と言っていたのです。
なるほど、moût(ムー)は液体なのですが、ここにあったのはmarc(マール)で、液体を搾り取ったあとに残るブドウの果皮・種・茎だけですから全く違いますね。
ところで、ブルゴーニュのワインから作る蒸留酒には2種類あります。マールとフィーヌ。最近、AOC(原産地統合呼称)も獲得しましたね。
Marc de Bourgogneは(マール・ド・ブルゴーニュ)とFine de Bourgogne(フィーヌ・ド・ブルゴーニュ)は、どう違うのだろうか?...
マール・ド・ブルゴーニュ | フィーヌ・ド・ブルゴーニュ | |||
Marc(マール)の方は、ブドウを圧縮した後の絞りかす(マール)から作った蒸留酒。
Fine(フィーヌ)の方は、絞りかすでなく、ブドウから作っているのだと聞いていました。私は調べたことはなくて、コニャックなどのようにワインにする原料でフィーヌを作るのかなと思っていたのですが、そうではなかった。
フィーヌは、ワインを醸造したときに沈殿するlie(リー)とフランス語では呼ばれる澱(おり)から作るそうです。つまり、茎や種がないから、きつくはない酒に仕上がるのですね。しかも、ワインから作るわけではないから、コニャックなどよりは癖があるブランデーになる。
「リー」は濃縮したワインのようなもので、ブルゴーニュでは珍重されていています。自分で醸造しなければ手に入りませんが。ブルゴーニュの郷土料理のコッコ・ヴァンなども、赤ワインではなくてリーを使うのが昔ながらの本物なのだそう。
Lie de vin(ワインの澱」は色の名前にもなっています。
マールとフィーヌの風味は似ていますが、フィーヌの方が上品で飲みやすいと私は思います。私が買っているメーカーのものでは、マールよりフィーヌの方が価格が少し高くなっています。
日本語の説明に、フィーヌはワインにするには質が劣るものから作る、と書いてあるのを見たことがあるのですが、ロマネ・コンティがフィーヌを作っているくらいですから、そうは言えないと思うのですけどね...。
フィーヌはワインを醸造した樽の底にたまった澱でつくるといっても、その澱の状態は良いものでないと良いフィーヌができないそうです。フランス語でワインの澱は「lie(リー)」なのですが、フィーヌに使うものの名前を「clair de lie」と呼んでいる記述が多かったです。リーといってもclair(明るい、淡い)という意味? とすると、ドロドロした澱ではないのかもしれない。
話しが脱線しましたが、足でブドウを踏みつぶすことについて書いていたのでした。
プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方のオート・アルプ県にあるDomaine de la Clochèreというドメーヌのサイトに、昔ながらの方法で行っているfoulageの作業を見せる動画が入っていたのでリンクを入れておきます。イベントではなくて、販売するワインのために本当にやっているようです。
☆ CAVE » Le foulage
私が見学したところと同じで、液体がプールのように樽にたまるようになっていて、普通の圧縮機、つまり隙間があいた柵のような樽ではfoulageをやっていませんでした。
なので、クイズにしたボージョレーのワイン農家にあった圧縮機は、上から力をかけて圧縮するタイプのものだったと結論することにしました。
★ クイズ: これは何でしょう?(ボージョレーで見たもの) 2014/09/12
★ 解体したのはブドウの圧縮機だった 2014/10/25
ここまで下書きで書いて、私が見たブドウをつぶす作業は「foulage(破砕)」だと結論したのですが、さらにしつこく調べていると、どうも違うのではないかと思えてきました...。
足でブドウを踏む作業には、もう1つ単語が出てきて、私が見学したのはそちらの方ではないかと思えるのです。でも、少し上にリンクしたオート・アルプ県のワイナリーのサイトに入っていた動画は私が見たのと同じ作業のように見えて、そこでは「foulage」として説明していたのですけど。
地方によって呼び方が違うかな?...
ともかく、もう1つの方の単語について調べて、次回の日記でメモすることにします。私はワインを作ろうというわけではないし、ソムリエの資格試験を受けようと思っているわけでもないのだから、どっちなのだろうかと気にすることはありません。
でも、気になると、止まらない私...。
続きへ: ワインを作るために足でブドウを踏む作業 (2) ピジャージュ
ブログ内リンク:
★ 目次: ブドウ畑の作業、ワイン醸造法など
★ 目次: 蒸留酒をつくるアランビック見学
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など
外部リンク:
☆ Foulage (vinification)
☆ Wikipédia: Foulage
☆ Avant la fermentation ⇒ Fouler et presser
☆ Bourgogne Vins: Des vendanges d’un autre temps
☆ Le foulage du raisin dans la vinification traditionnelle
☆ Le foulage du raisin au cours du temps
☆ Marc et fine des produits alambiqués
☆ lie de vin という色
☆ ジャンマルク ルーロ: フィーヌ ド ブルゴーニュ
☆ AOC Marc et Fine de Bourgogne
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2014/10/25
先月のブログでクイズを出していました。
ボージョレーのワイン農家に行ったとき、ふと気がつくと庭に材木が積んであったのですが、これは何だったのかというものです。
★ クイズ: これは何でしょう?(ボージョレーで見たもの) 2014/09/12
あるものを半日がかりで解体したのだ、と言われました。
1カ月余り前に出したクイズなのですが、先日、この記事に拍手ボタンを押してコメントを残してくださった方がありました。そして、期せずして同じ日に、クイズを出すと考えてくださるpepe犬さんからもコメントを入れていただきました。
拍手ボタンからコメントを書き込んでくださった方のクイズの答えが鋭かったのです! これが何であるかを考えてくださって、「とても難しいです」とおっしゃりながら、見事に推察してくださっていました。
拍手と一緒に入れてくださるコメントは公開しないように設定しているのですが、秘密にしたいと思われたということはないと思うので、この材木が何であるかを書いてくださった部分を入れさせてください。
こう書いてあったのです:
「大正解で~す!♪ と叫びたくなったのですが、「踏みつぶしていた」という部分まで当たっていたのか私には分かりません。
それで、調べることにしました。
◆ 分解したのは、これではないかな?...
ワイン農家のご主人は、昔のPressoirを解体したのだとおっしゃっていました。
プレソワールとは圧縮機のことです。ワインを醸造する前の作業。
木を組んで作ったワインの圧縮機は、今ではめったに使われなくなったのですが、ブルゴーニュではあちこちに飾りとして置いてあるので、親しみがあります。プレソワールと言われただけで、どんなものかが想像つきました。
「木で作った圧縮機なんかがあったの?」
そう言うと、「見ていなかったの?」とおっしゃる。
ずいぶん前から通いつめているワイン農家なので、見ていたのかもしれない...。
昔は写真をスライドで撮っていたので(フランスでプリントすると高すぎるという経済的理由から!)、昔の写真を出してきて見るのは面倒です。でも、少しはスキャンしてデジタル化した写真があるので眺めてみたら、その中に、この農家で撮影した圧縮機の写真が入っていました。
こんなに立派なのがあったかな?... と思ってしまうのですが、写真があるのだから、あったのでしょうね。
ワインの圧縮機は、今ではワイン農家に行っても近代的なものを見るようになりました。
下に入れるのは、ボージョレーのワイン農協にあった近代的なブドウ圧縮機です。空気圧で圧縮するシステムでしょうね。
★ ボージョレーのワイン農協で醸造施設を見学 2013/10/06
木を組んで作ったものは珍しいのに解体してしまって、暖炉の薪にするなんて、もったいない...。
木製のブドウ圧縮機は、もう使われていないのだろうと思っていたら、まだ使っているところで見学したことはありました。このドメーヌでは、今でも高級のシャンパンを作るときには使っていると思います。
★ シャンパンのブドウ圧縮作業見学 2007/09/03
ブドウを圧縮する昔ながらの装置は木を組み合わせていて、隙間があります。農家のご主人から圧縮機だと言われたときには、この形を思い浮かべて、何も疑問を持ちませんでした。木を組み合わせているわけなので、分解したら木の部品になるのですから。
でも、コメントをいただいてから改めてクイズにした写真を眺めながら考えてみると、疑問がわいてきました。
◆ 圧縮機に必要なもの
クイズとして入れた写真を眺めると、圧縮機にしては材木が太くて立派すぎるではないですか?
思えば、昔のブドウ圧縮機は、その形に合うブドウ汁を受ける台がありました。
ブドウの圧縮機の下に置いて、絞りだされた果汁を受ける木の台が、このボージョレーのワイン農家にはありました。こちらは、テーブル代わりにして使っていて、そこでいつも試飲させてくれていたのでよく覚えています。
こちらです ↓
これも一緒に解体したとしたら、太い材木ができそう...。
特にテーブルの下には支える部分があって、それもまた立派な木だったのでした。
その後には、お客さんの試飲テーブルではなくして家で使っていたときの写真もとっていました。
このテーブルを支える足の部分は、この圧縮機を使っていたときにもこういう風に台にしていたのだろうか?
昔の圧縮機の写真をインターネットで探してみました。圧縮するときに上から重みをかけるために、大きな材木を樽の上に重ねて置いている写真が出てきました。
例えば、こちら:
☆ Presser les dernières images du ban des vendanges
ですので、このテーブルの足にしていたのは、本来は上に置くものだったのではないかという気がしました。一番下の足には、持つのに便利なような鉄の取っ手がついているし...。
ともかく、圧縮機というのは、ブドウを入れる木に隙間を作って組んだ樽の部分と、絞ったブドウ汁を受ける部分がある。このテーブルにしていた部分も木を組み合わせて作ってあるので、これを解体したら庭にあった材木の太さになるだろうと思いました。
圧縮機だと言われたときは、下の受け皿のことは全く考えなかったのですが。
◆ ブドウの液を搾りだす伝統的な方法は2つ
ワイン農家のご主人から圧縮機を分解したのだと言われたのだから、「クイズの答えは圧縮機です」と言えます。でも、拍手のコメントをくださった方の突っ込みにつまづきました。
葡萄を踏みつぶしていたタライ、とあったのです。
ブドウを絞るには、2つの方法があります。
写真を入れたような隙間をあけて木を組んだ圧縮機では、上から電動で力を加えることをしなかったとしても、大きなネジのようなもので絞っていくというのを想像しました。
でも、もう1つ、大きなタライにブドウを入れて、そこに人が入って足で踏んでブドウをつぶすという方法もあるのです。
この農家にあったのは、今の若い後継者のお爺さんの時代に使っていた圧縮機だと思うのですが、どうやっていたのだろう?
大きな圧縮機だったので、この中に人が入って足で踏み潰すこともできなくはないとは思うのですが、上から重みをかけて圧縮していたのではないかな?...
ボージョレーのワイン農家にあったのは、今の若い後継者のお爺さんの時代の圧縮機だっただろうと思います。
左は19世紀のモデル、右は20世紀のモデル。
足でブドウを踏む伝統的な方法で行っているのを見たときのことを思い出してみたのですが、こういう風に隙間がある木で組んだ桶ではなくて、ブドウ汁のプールのようになっていたように思います。見たのは1回しかないので、これについて調べてみました。そもそも、2つの方法には別々の名前が付いていたのでした。
それまで書くと長くなるので、続きは次の日記で書きました:
★ ワインを作るために足でブドウを踏む作業 (1) フラージュ 2014/10/28
ボージョレーのワイン農家に行ったとき、ふと気がつくと庭に材木が積んであったのですが、これは何だったのかというものです。
★ クイズ: これは何でしょう?(ボージョレーで見たもの) 2014/09/12
あるものを半日がかりで解体したのだ、と言われました。
1カ月余り前に出したクイズなのですが、先日、この記事に拍手ボタンを押してコメントを残してくださった方がありました。そして、期せずして同じ日に、クイズを出すと考えてくださるpepe犬さんからもコメントを入れていただきました。
拍手ボタンからコメントを書き込んでくださった方のクイズの答えが鋭かったのです! これが何であるかを考えてくださって、「とても難しいです」とおっしゃりながら、見事に推察してくださっていました。
拍手と一緒に入れてくださるコメントは公開しないように設定しているのですが、秘密にしたいと思われたということはないと思うので、この材木が何であるかを書いてくださった部分を入れさせてください。
こう書いてあったのです:
昔 ワインを作るために葡萄を踏み潰していたたらいのような物とか…
「大正解で~す!♪ と叫びたくなったのですが、「踏みつぶしていた」という部分まで当たっていたのか私には分かりません。
それで、調べることにしました。
◆ 分解したのは、これではないかな?...
ワイン農家のご主人は、昔のPressoirを解体したのだとおっしゃっていました。
プレソワールとは圧縮機のことです。ワインを醸造する前の作業。
木を組んで作ったワインの圧縮機は、今ではめったに使われなくなったのですが、ブルゴーニュではあちこちに飾りとして置いてあるので、親しみがあります。プレソワールと言われただけで、どんなものかが想像つきました。
「木で作った圧縮機なんかがあったの?」
そう言うと、「見ていなかったの?」とおっしゃる。
ずいぶん前から通いつめているワイン農家なので、見ていたのかもしれない...。
昔は写真をスライドで撮っていたので(フランスでプリントすると高すぎるという経済的理由から!)、昔の写真を出してきて見るのは面倒です。でも、少しはスキャンしてデジタル化した写真があるので眺めてみたら、その中に、この農家で撮影した圧縮機の写真が入っていました。
こんなに立派なのがあったかな?... と思ってしまうのですが、写真があるのだから、あったのでしょうね。
ワインの圧縮機は、今ではワイン農家に行っても近代的なものを見るようになりました。
下に入れるのは、ボージョレーのワイン農協にあった近代的なブドウ圧縮機です。空気圧で圧縮するシステムでしょうね。
★ ボージョレーのワイン農協で醸造施設を見学 2013/10/06
木を組んで作ったものは珍しいのに解体してしまって、暖炉の薪にするなんて、もったいない...。
木製のブドウ圧縮機は、もう使われていないのだろうと思っていたら、まだ使っているところで見学したことはありました。このドメーヌでは、今でも高級のシャンパンを作るときには使っていると思います。
★ シャンパンのブドウ圧縮作業見学 2007/09/03
ブドウを圧縮する昔ながらの装置は木を組み合わせていて、隙間があります。農家のご主人から圧縮機だと言われたときには、この形を思い浮かべて、何も疑問を持ちませんでした。木を組み合わせているわけなので、分解したら木の部品になるのですから。
でも、コメントをいただいてから改めてクイズにした写真を眺めながら考えてみると、疑問がわいてきました。
◆ 圧縮機に必要なもの
クイズとして入れた写真を眺めると、圧縮機にしては材木が太くて立派すぎるではないですか?
思えば、昔のブドウ圧縮機は、その形に合うブドウ汁を受ける台がありました。
ブドウの圧縮機の下に置いて、絞りだされた果汁を受ける木の台が、このボージョレーのワイン農家にはありました。こちらは、テーブル代わりにして使っていて、そこでいつも試飲させてくれていたのでよく覚えています。
こちらです ↓
これも一緒に解体したとしたら、太い材木ができそう...。
特にテーブルの下には支える部分があって、それもまた立派な木だったのでした。
その後には、お客さんの試飲テーブルではなくして家で使っていたときの写真もとっていました。
このテーブルを支える足の部分は、この圧縮機を使っていたときにもこういう風に台にしていたのだろうか?
昔の圧縮機の写真をインターネットで探してみました。圧縮するときに上から重みをかけるために、大きな材木を樽の上に重ねて置いている写真が出てきました。
例えば、こちら:
☆ Presser les dernières images du ban des vendanges
ですので、このテーブルの足にしていたのは、本来は上に置くものだったのではないかという気がしました。一番下の足には、持つのに便利なような鉄の取っ手がついているし...。
ともかく、圧縮機というのは、ブドウを入れる木に隙間を作って組んだ樽の部分と、絞ったブドウ汁を受ける部分がある。このテーブルにしていた部分も木を組み合わせて作ってあるので、これを解体したら庭にあった材木の太さになるだろうと思いました。
圧縮機だと言われたときは、下の受け皿のことは全く考えなかったのですが。
◆ ブドウの液を搾りだす伝統的な方法は2つ
ワイン農家のご主人から圧縮機を分解したのだと言われたのだから、「クイズの答えは圧縮機です」と言えます。でも、拍手のコメントをくださった方の突っ込みにつまづきました。
葡萄を踏みつぶしていたタライ、とあったのです。
ブドウを絞るには、2つの方法があります。
写真を入れたような隙間をあけて木を組んだ圧縮機では、上から電動で力を加えることをしなかったとしても、大きなネジのようなもので絞っていくというのを想像しました。
でも、もう1つ、大きなタライにブドウを入れて、そこに人が入って足で踏んでブドウをつぶすという方法もあるのです。
この農家にあったのは、今の若い後継者のお爺さんの時代に使っていた圧縮機だと思うのですが、どうやっていたのだろう?
大きな圧縮機だったので、この中に人が入って足で踏み潰すこともできなくはないとは思うのですが、上から重みをかけて圧縮していたのではないかな?...
ボージョレーのワイン農家にあったのは、今の若い後継者のお爺さんの時代の圧縮機だっただろうと思います。
左は19世紀のモデル、右は20世紀のモデル。
足でブドウを踏む伝統的な方法で行っているのを見たときのことを思い出してみたのですが、こういう風に隙間がある木で組んだ桶ではなくて、ブドウ汁のプールのようになっていたように思います。見たのは1回しかないので、これについて調べてみました。そもそも、2つの方法には別々の名前が付いていたのでした。
それまで書くと長くなるので、続きは次の日記で書きました:
★ ワインを作るために足でブドウを踏む作業 (1) フラージュ 2014/10/28
ブログ内リンク:
★ 目次: ブドウ畑の作業、ワイン醸造法など
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
外部リンク:
☆ Wikipédia: Pressoir à vin
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2014/10/21
前回の日記「フランスの声楽家」に書いたテレビで見たコンサートに、ナタリー・デセイ(Natalie Dessay)が出ていたはずなのに番組を途中から見たために聞きそこなっていた私。
次に見たクラシック音楽番組は、たまたま彼女が演じていたオペラだったので見ることにしました。
見たことがなかった思われるオペラでした。
◆ オペラ・コミック『連隊の娘』
ドニゼッティのオペラです。
イタリアの作曲家なのですが、題名は『La Fille du régiment(連隊の娘)』とフランス語になっていて、歌っているのもフランス語。
外国人歌手もいるからフランス語をうまく発音できないという配慮なのか、フランス語の字幕がついている。こういうのは、フランス語が母国語ではない私には非常に助かります。
主人公のマリーを演じるナタリー・デセイはフランス人で、他にもフランスの歌手がいましたが、明らかにフランス人でない人たちも、申し分ないほどお上手にフランス語を発音していました。でも、字幕もあるは非常に鑑賞しやすい♪
テレビで見たのはニューヨークで上演されたオペラだったので、下の動画と同じときのものだと思います。
Natalie Dessay - La Fille Du Regiment
Metropolitan Opera, New York April 26, 2008
ナタリー・デセイの演技力がすごい!
歌手をやめて俳優になっても十分に通用するでしょうね。
俳優になった私の友達に、どこか似ていると思いました。こういうおどけた役をするのが得意なのです。でもナタリー・デセイの演技力には足元にも及ばない。その友達が声楽のレッスンを受け始めたというときにベルリオーズの歌曲を歌ってくれたのですが、あれは酷かった...。
テレビで見たオペラは2008年に上演されたものでした。ナタリー・デセイ声帯の外科手術を受けたあとですが、申し分なく歌い上げていました。
クラシック音楽通の友達によると、ドニゼッティのオペラは歌うのが非常に難しいのだそう。 確かに、モーツアルトのナイチンゲールのアリアを思わせるものもありました。
ドニゼッティという作曲家の名前はよく知っていて、何か有名な曲があったけど、あれは何だったか?... と思いながらオペラを見始めました。このオペラの中にもよく知られている旋律が出てきました。
マリーのお相手のトニオを演じたペルー出身のテノール歌手Juan Diego Florez(ファン・ディエゴ・フローレス) も見事に歌っていました。
Juan Diego Florez - La Fille du Regiment - Ah mes amis
この曲をパバロッティが歌ったらどうなるかを聞いてみたら、やはり声量が桁外れにすごい! 比べてはいけないのでしょうね...。
☆ Pavarotti's Legendary High C 's
◆ 最近のオペラの演出は嫌いなのだけれど...
知人のドイツ文学者によると、オペラが現代風のシンプルな舞台装置になってきているのはヨーロッパ全土の傾向なのだそう。ところが、アメリカではオペラはこういうものだという意識があるので、昔風にやっているのと教えられました。彼がよく行くウィーンでも、オペラが本当に好きな人はアメリカに見に行ってしまうのだとか。
今回見た『連隊の娘』もナポレオン1世時代の話しのはずなのに、登場するフランス人兵士が第一次世界大戦の兵士姿で登場するのが気に入らない。
でも、それなりに舞台装置や演出には工夫があって、最近嫌いになっている超現代風のオペラ演出ではないので気になりません。衣装にはお金をかけている感じがするし、19世紀風の服装の彩もきれいにできていました。やはり、アメリカはお金をかけられるから違うのかな?...
最後の場面で戦車が登場してしまったのには驚いたけれど...。
Dessay, Flórez, Corbelli & others - La Fille du Régiment: Final Scene - LIVE in HD Met 2008
ところで、ナタリー・デセイは昨年にオペラ界を引退したそうですが、歌い続けてはいるようで、この4月には日本でもコンサートをしたようでした。
◆ オペラ・コミックとは?
楽しい演出のオペラでした。
歌わないで話す部分は、原作から離れたことをしゃべっていたのだそうです。英語を入れてしまったりして、会場を笑わせていました。オリンピック、ボブスレーとかが出てきたのは、モナコのアルベール2世をちゃかしていたのかな?...
Opéra-comique(オペラ・コミック)なので笑う場面があって当然と思いながら見ていたのですが、終わってから、ふと思いました。オペラ・コミックって、本当にコミカルなオペラという意味なのだろうか? ビゼーの『カルメン』は悲劇ですが、あれもオペラコミックですよね?
確認したら、レチタティーヴォではなくて、普通にしゃべる台詞があるオペラをオペラ・コミックと呼ぶそうなのでした。
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次に見たクラシック音楽番組は、たまたま彼女が演じていたオペラだったので見ることにしました。
見たことがなかった思われるオペラでした。
◆ オペラ・コミック『連隊の娘』
ドニゼッティのオペラです。
イタリアの作曲家なのですが、題名は『La Fille du régiment(連隊の娘)』とフランス語になっていて、歌っているのもフランス語。
外国人歌手もいるからフランス語をうまく発音できないという配慮なのか、フランス語の字幕がついている。こういうのは、フランス語が母国語ではない私には非常に助かります。
主人公のマリーを演じるナタリー・デセイはフランス人で、他にもフランスの歌手がいましたが、明らかにフランス人でない人たちも、申し分ないほどお上手にフランス語を発音していました。でも、字幕もあるは非常に鑑賞しやすい♪
テレビで見たのはニューヨークで上演されたオペラだったので、下の動画と同じときのものだと思います。
Natalie Dessay - La Fille Du Regiment
Metropolitan Opera, New York April 26, 2008
Marie - Natalie Dessay
Tonio - Juan Diego Flórez
Sulpice Pingot - Alessandro Corbelli
La Marquise de Berkenfield - Felicity Palmer
Hortensius - Donals Maxwell
La Duchesse de Crackentorp - Marian Seldes
Tonio - Juan Diego Flórez
Sulpice Pingot - Alessandro Corbelli
La Marquise de Berkenfield - Felicity Palmer
Hortensius - Donals Maxwell
La Duchesse de Crackentorp - Marian Seldes
ナタリー・デセイの演技力がすごい!
歌手をやめて俳優になっても十分に通用するでしょうね。
俳優になった私の友達に、どこか似ていると思いました。こういうおどけた役をするのが得意なのです。でもナタリー・デセイの演技力には足元にも及ばない。その友達が声楽のレッスンを受け始めたというときにベルリオーズの歌曲を歌ってくれたのですが、あれは酷かった...。
テレビで見たオペラは2008年に上演されたものでした。ナタリー・デセイ声帯の外科手術を受けたあとですが、申し分なく歌い上げていました。
クラシック音楽通の友達によると、ドニゼッティのオペラは歌うのが非常に難しいのだそう。 確かに、モーツアルトのナイチンゲールのアリアを思わせるものもありました。
ドニゼッティという作曲家の名前はよく知っていて、何か有名な曲があったけど、あれは何だったか?... と思いながらオペラを見始めました。このオペラの中にもよく知られている旋律が出てきました。
マリーのお相手のトニオを演じたペルー出身のテノール歌手Juan Diego Florez(ファン・ディエゴ・フローレス) も見事に歌っていました。
Juan Diego Florez - La Fille du Regiment - Ah mes amis
この曲をパバロッティが歌ったらどうなるかを聞いてみたら、やはり声量が桁外れにすごい! 比べてはいけないのでしょうね...。
☆ Pavarotti's Legendary High C 's
◆ 最近のオペラの演出は嫌いなのだけれど...
知人のドイツ文学者によると、オペラが現代風のシンプルな舞台装置になってきているのはヨーロッパ全土の傾向なのだそう。ところが、アメリカではオペラはこういうものだという意識があるので、昔風にやっているのと教えられました。彼がよく行くウィーンでも、オペラが本当に好きな人はアメリカに見に行ってしまうのだとか。
今回見た『連隊の娘』もナポレオン1世時代の話しのはずなのに、登場するフランス人兵士が第一次世界大戦の兵士姿で登場するのが気に入らない。
でも、それなりに舞台装置や演出には工夫があって、最近嫌いになっている超現代風のオペラ演出ではないので気になりません。衣装にはお金をかけている感じがするし、19世紀風の服装の彩もきれいにできていました。やはり、アメリカはお金をかけられるから違うのかな?...
最後の場面で戦車が登場してしまったのには驚いたけれど...。
Dessay, Flórez, Corbelli & others - La Fille du Régiment: Final Scene - LIVE in HD Met 2008
ところで、ナタリー・デセイは昨年にオペラ界を引退したそうですが、歌い続けてはいるようで、この4月には日本でもコンサートをしたようでした。
◆ オペラ・コミックとは?
楽しい演出のオペラでした。
歌わないで話す部分は、原作から離れたことをしゃべっていたのだそうです。英語を入れてしまったりして、会場を笑わせていました。オリンピック、ボブスレーとかが出てきたのは、モナコのアルベール2世をちゃかしていたのかな?...
Opéra-comique(オペラ・コミック)なので笑う場面があって当然と思いながら見ていたのですが、終わってから、ふと思いました。オペラ・コミックって、本当にコミカルなオペラという意味なのだろうか? ビゼーの『カルメン』は悲劇ですが、あれもオペラコミックですよね?
確認したら、レチタティーヴォではなくて、普通にしゃべる台詞があるオペラをオペラ・コミックと呼ぶそうなのでした。
内部リンク:
★ オペラを見に行かなくなった理由 2005/07/30
★ パリの聴衆が怒ったオペラの演出 2006/01/31
★ 目次: クラシック音楽
外部リンク:
☆ オペラストーリーA4版: 歌劇「連隊の娘」
☆ Wikipedia: 連隊の娘
☆ オペラ対訳プロジェクト: ドニゼッティ 《連隊の娘》 対訳完成
☆ 「Natalie Dessay」と「La Fille du Regiment」をキーワードにしてYouTubeの動画を検索
☆ Natlaie Dessay - Lesson Scene - La Fille du Regiment
☆ Counting Juan Diego Flórez’s High C’s in ‘La Fille du Régiment’ at the Met 2008/04/23
☆ Wikipédia: Le Metropolitan Opera en direct et en HD
☆ YouTube: La Fille du Régiment LIVE in HD Met 2008
☆ フランスオペラの楽しみ: ナタリー・デセイ
☆ フランスオペラの楽しみ: フランス語のイタリアオペラ
☆ コトバンク: オペラ・コミック とは
☆ オペラに関する用語集
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2014/10/19
テレビは余り見ないのですが、夕食の後などに何となく見たくときもあります。でも、テレビをつけると、つまらなそうな番組ばかり。そんなときに便利なのがクラシック音楽専門チャンネルです。
そういうチャンネルは、私のテレビでは3つキャッチできます。
Mezzoという昔からあるチャンネルは私が好きではないジャズも流すのですが、2007年に開設されたBrava hdはクラシック音楽のみを扱っています。しかも、ハイヴィジョンで、おしゃべりやコマーシャルも全くなしに音楽だけ。 ただし、演奏中の曲の情報はインターネットで見ないと分からないのが難点。それと、間を置くこともなく次々に演奏が切り替わるので、息をつく暇もない。
日本にいるときも見れるクラシック音楽専門チャンネルがないのかなと思ったら、クラシカ・ジャパン を見つけて喜びました。知らなかったな... と思ったら無料で見れるキャンペーン中だったのでした。でも、著作権確保の問題があるのか、フランスのチャンネルに比べると内容が貧弱だと思ってしまいました。
フランスのチャンネルは、歴史に残るような名演奏がいくらでも見れてしまうのです。そのためにホームシネマを設置してしまいました。フランスは東京ほどには有名な演奏家や歌手が出演するコンサートがないので、テレビで見るのが一番ださえと思ってしまいます。
◆ テレビで聞いた好きなフランスの歌手
少し前になりますが、パリで行われたチャリティーコンサートがテレビに映し出されていました。クラシック音楽が好きなのですが、オーケストラの演奏を聞くことが多いので、歌手についてはあまり知りません。
もともと名前をしっかり覚えない私なので、この日に聞いた素晴らしいフランスの歌手の名前の綴りをメモしました。ついでに、彼らが変わった演奏会場で歌っている動画も入れておきます。
Sandrine Piau サンドリーヌ・ピオー / ソプラノ
ボーヌのフェスティバル(練習中の風景も入っていま):
YouTube: Vivaldi: Motets and concertos with Sandrine Piau | Heloise Gaillard
Philippe Jaroussky フィリップ・ジャルスキー /カウンターテナー
この人の声はすごいと思う。
映画『カストラート(Farinelli)』のファリネッリでカウンターテナーの声が好きになり、その後でフィリップ・ジャルスキーを発見したように思いますが、何がきっかけだったかの記憶は定かではありません。
ヴェルサイユ宮殿でのコンサート(1999年):
Philippe Jaroussky " The most beautiful baroque Arias"
番組は途中から見たので、すぐに終わってしまいました。なかなか楽しチャリティーコンサートで、最後は出演した歌手たちが観客席に下りて、聴衆と一緒に合唱。
やはり、コンサートはパリまで行かないと価値があるものはないな... パリに住んでいると、やはり良いな... などと思っていると、ナタリー・デセイ) の姿が見える。彼女も出演していたの?!
Natalie Dessay ナタリー・デセイ /ソプラノ
彼女が歌うのを聞けなかったのを残念に思った後、チャンネルを切り替えたかどうかは忘れましたが、偶然にも彼女が主役を演じるオペラが始まるところでした。
続く
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そういうチャンネルは、私のテレビでは3つキャッチできます。
Mezzoという昔からあるチャンネルは私が好きではないジャズも流すのですが、2007年に開設されたBrava hdはクラシック音楽のみを扱っています。しかも、ハイヴィジョンで、おしゃべりやコマーシャルも全くなしに音楽だけ。 ただし、演奏中の曲の情報はインターネットで見ないと分からないのが難点。それと、間を置くこともなく次々に演奏が切り替わるので、息をつく暇もない。
日本にいるときも見れるクラシック音楽専門チャンネルがないのかなと思ったら、クラシカ・ジャパン を見つけて喜びました。知らなかったな... と思ったら無料で見れるキャンペーン中だったのでした。でも、著作権確保の問題があるのか、フランスのチャンネルに比べると内容が貧弱だと思ってしまいました。
フランスのチャンネルは、歴史に残るような名演奏がいくらでも見れてしまうのです。そのためにホームシネマを設置してしまいました。フランスは東京ほどには有名な演奏家や歌手が出演するコンサートがないので、テレビで見るのが一番ださえと思ってしまいます。
◆ テレビで聞いた好きなフランスの歌手
少し前になりますが、パリで行われたチャリティーコンサートがテレビに映し出されていました。クラシック音楽が好きなのですが、オーケストラの演奏を聞くことが多いので、歌手についてはあまり知りません。
もともと名前をしっかり覚えない私なので、この日に聞いた素晴らしいフランスの歌手の名前の綴りをメモしました。ついでに、彼らが変わった演奏会場で歌っている動画も入れておきます。
Sandrine Piau サンドリーヌ・ピオー / ソプラノ
ボーヌのフェスティバル(練習中の風景も入っていま):
YouTube: Vivaldi: Motets and concertos with Sandrine Piau | Heloise Gaillard
Philippe Jaroussky フィリップ・ジャルスキー /カウンターテナー
この人の声はすごいと思う。
映画『カストラート(Farinelli)』のファリネッリでカウンターテナーの声が好きになり、その後でフィリップ・ジャルスキーを発見したように思いますが、何がきっかけだったかの記憶は定かではありません。
ヴェルサイユ宮殿でのコンサート(1999年):
Philippe Jaroussky " The most beautiful baroque Arias"
番組は途中から見たので、すぐに終わってしまいました。なかなか楽しチャリティーコンサートで、最後は出演した歌手たちが観客席に下りて、聴衆と一緒に合唱。
やはり、コンサートはパリまで行かないと価値があるものはないな... パリに住んでいると、やはり良いな... などと思っていると、ナタリー・デセイ) の姿が見える。彼女も出演していたの?!
Natalie Dessay ナタリー・デセイ /ソプラノ
彼女が歌うのを聞けなかったのを残念に思った後、チャンネルを切り替えたかどうかは忘れましたが、偶然にも彼女が主役を演じるオペラが始まるところでした。
続く
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