| Login |
2015/07/30
前回の日記「白い花が咲いている私のノリウツギ」に書いたのは、城の庭園で開かれていた植木市で見つけて買った植物でした。



Domaine de Villarceauxと呼ばれる地所の中にありました。

もうフランスの主だった観光スポットは行ってしまったので、最近は余り知られていない場所に行くようにしています。ここも、大したことはないかもしれないと思って行ったのですが、なかなか良かったのでした。



イル・ド・フランス県が所有していまず。個人が住んでいる城とは違って生活を感じられないのは面白味に欠けますが、広々とした空間が良く、見学の価値がある城でした。

広大なドメーヌの中には、上に写真を入れた立派な城、ゴルフ場になっている土地にある城、農場部分だった土地にエコロジーのコンセプトで作った宿泊施設などがあり、あとは農地や森となっていました。

私はゴルフをしないので興味はないですが、ここにあるゴルフ場は城がクラブハウスになっているし、自然環境も良いので、フランスでゴルフをするのも悪くないかな、と思いながら入り口のところから眺めました。YouTubeに入っていたゴルフ場を見せる動画「Golf de Villarceaux - drone aerial video」を見ると、普通のゴルフ場かな...。


行ったのは去年の秋だったので忘れてしまっていましたが、ここに滞在して大変な思いをしたのでした。到着した日は城が閉まっていたので、庭園にそって歩きながら城を眺めることにしました。ぐるっと回って宿に戻るつもりだったのですが、延々と敷地の周りを歩くことになってしまったのです。

書きながら調べてみたら、このドメーヌは800ヘクタールもあるのだそう。何キロくらい歩いたのだろう?...


翌日は植木市も開かれて、城の内部などもガイド付きで見学できました。

このときの旅行のことはブログにメモしていなかったので、案内している動画を入れておきます。


Domaine de Villarceaux



Chaussy : domaine de Villarceaux, voyage à travers le temps

ブログ内リンク:
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ

外部リンク:
☆ オフィシャルサイト: Domaine de Villarceaux
☆ Wikipédia: Domaine de Villarceaux
☆ Jardins et Châteaux autour de Paris - Villarceaux


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 植物 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2015/07/29
6月末にやってきた猛暑は2週間ほどで去って、少し寒いくらいの毎日になりました。また暑さは戻ってくるとは言われていますが、

夕立のような大雨が降って欲しいのに、時々シトシトと降る程度。大雨が1度くらい降って欲しいな...。テレビでは、各地に発生した山や野原の火事のニュースを見せています。

乾燥しきっているせいか、そういう時期なのか、庭の花も少なくなっています。



ラベンダーの花に蜜蜂や蝶が集まっているので写真を撮ったのですが、昆虫は見えない写真になってしまった...。

後ろに写っている植物が、乾燥にも負けず、とても元気です。


ピラミッドアジサイ



泊まったお家にあった三角形に花が咲くアジサイが欲しい、と思っていたら売っていたので買ったのでした。

アジサイの仲間の植物は、特別な土を入れなければならないし、雨が多い地方でないと育たない。それで、この土地には合わないと思っていたのです。でも、春から元気に育ってきて、こんなに大きくなってくれました。

植物の名前を忘れた...。
旅行していたときに買ったので、宿のテラスに置いて撮影していました。



付いている札をアップにした写真もありました。植物を買ったときには、そういう写真を撮っておくと、私のように記憶力が弱い人間には便利ですね。ハーブなどは面白いので色々買ったのですが、後になると雑草なのかハーブなのか分からなくなって、使うこともないのがたくさんあります。

札には、こう書いてありました:
Hydrangea paniculata 'Silver dolar'

Hydrangea paniculata」なんて、ここに書いても、またすぐに忘れそうな名前。ハイドランジア・パニキュラータと片仮名にしても覚えないだろうと思う。

普通のアジサイは、フランスではhortensiaと呼ぶと覚えているのですが、そう呼んではいけないのかな?... Wikipediaの記述が正しいとしたら、Hydrangea(アジサイ属)のことをフランスの園芸店では「hortensia」と呼んでいるのだそう。

paniculataは、円錐形の花を指す。


 Panicule = 円錐花序


日本の名前はノリウツギでした。アジサイ科アジサイ属ですが、やはり「アジサイ」とは呼ばないのですね。

ノリウツギとは「糊空木」。日本では、和紙を作るときの糊(のり)として、この植物の幹の樹皮の内皮に含まれる粘液を使っていたから名づけられたのだそう。

「空木」というのにも引っかかりました。枝の髄が空になっているから付いている名前なのだそう。本当にそうなのかなと実験したくなりましたが、私のノリウツギはまだ若いので切らないでおきます。これを売っていた人は、花が咲き終わっても切ってはいけないと言っていたし。


日本の園芸店では「ピラミッドアジサイ」とも呼んでいました。

としたら、フランスでも「hortensia pyramidal」などと呼んでいるのではないかと思ったのですが、これで検索したら誰も使っていませんでした。

野原に咲くランの中にピラミッドに例えた名前のがあり、たくさん咲いているのでpyramidalという単語は覚えているのに残念。


Orchis pyramidal 【Anacamptis pyramidalis】
野生の蘭(らん)を見に行くイベントに参加 2015/05/26


私のノリウツギは白いだけ?

この植物が気に入ったお家には色々な種類のノリウツギが植えられていて、満開の時期でした。白と淡いピンクのが最も気に入ったので、それと同じのを欲しいと思っていたのですが、違う種類だったのかもしれません。

でも、売っていた人は、咲いてからしばらくするとピンク色に変わるのだと言っていたのです。でも、私のノリウツギはずっと白いまま...。


札に書いてあったのは「Silver dolar」。美しくない名前が品種なのでした。

どういう特徴がある品種なのかを調べてみました。

ノリウツギ ないし ピラミッドアジサイを楽天市場で検索

「シルバーダラー」も出てきました。

誰もこの品種がピンク色に変わるとは言っていない!

フランスの園芸ショップに入っている写真を見ると、少しピンクがかった花の写真も入っていました:
Hydrangea paniculata Silver Dollar

でも、花の盛りが過ぎたときか、咲き始めのときに少しピンク色になるだけのような...。


白いノリウツギを買ったあとは日本に帰ってしまったので、去年の花がどうなったかは観察していなかった。

↓ こういう風に、淡いピンク色になるのを私は期待していたのです...。



品種名は、ちゃんと覚えないといけないですね...。

この花が欲しいと思って園芸店に買いに行くのだったら品種を調べていったかもしれない。でも、見学した城で植木市が開かれていて、そこに欲しいと思っていた植物があったので買ってしまったのでした。

この旅行のときのことはブログに書いていませんでした。その城の名前も忘れていたので、次の日記に控えておきます:
植木市が開かれていたヴィラルソーの城


追記 2015年8月末:

ピンク色になると言われた買ったノリウツギの苗ですが、8月下旬になったら色づいてきました。



淡いピンク色。白かった花が緑色になってきて、そこでピンク色に色づいてきたのでコントラストには乏しいのですが、植木屋さんが言っていたように色が変わったので喜んでおります。



外部リンク:
ノリウツギ
樹木図鑑(ウツギ)
☆ Wikipedia: Inflorescence ⇒ 花序


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 植物 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2015/07/27
少し前のブログで、タチアオイについて書きました。

「聖ヤコブの杖」と呼ばれる植物 2015/07/20

タチアオイは、フランスでは普通はrose trémièreと呼ばれているのですが、巡礼者が持つ杖に例えて「聖ヤコブの杖(bâton de Saint Jacques)」という名もあるのでした。

この記事へのコメントで、タチアオイは日本では「コケコッコ花」と呼んで子どもたちの遊びになっていることを教えてくださるものが入ってきました(こちらのコメント)。

タチアオイがニワトリに変身するの?!

私は全く知らなかった遊びなので、少し調べてみました。


タチアオイの花弁をニワトリのトサカにする遊び

花弁をニワトリに例えて遊ぶというもののようです。

タチアオイについて調べた時には全く気に留めていなかったのですが、Wikipediaの「タチアオイ」でも、この花はコケコッコ花(コケコッコー花)と呼ばれると書いてありました。

北海道で広く行われていた遊びのようですが、信州や奥会津でも子どもたちがしていたようです。

北海道放送局のアナウンサー日記:
2004年 7月29日「コケコッコー花」(渡辺 陽子)

さっそくタチアオイの花を1つとって実験したのですが、言われたようにネバネバはしていない!

フランスのは違う品種なのか、乾燥しているから粘着性はないのだろうと思いました。

でも、コツがあるのでした。

花弁の付け根の部分をシールのようにはがすと、そこに粘着性があるので肌に張り付く。赤いタチアオイならニワトリのトサカに見える。

こちらのブログで、その作り方を写真で見せてくださっています:
コケコッコ花

不快感があるベタベタではなくて、吸い付くように張り付くのでした。子どもたちが遊んだのが理解できます。

それにしても、花弁を薄く剥がして遊ぶなどとは手のこんだ遊びですね。誰が思いついたのだろう?... 調べてみても、起源は出てきませんでした。

タチアオイの花弁や根は薬用として利用されるようです。花弁を処理しているときに偶然に花弁が肌について、それが遊びになった?... この遊びは北海道で盛んなようなので、ひよっとしららタチアオイは北海道で生産されていた?

... などというのは、全く根拠のない私の憶測です!


フランスには、別のコケコッコ花が存在していた

フランスのサイトで検索しても、コケコッコ花のような遊びの画像で出てきませんでした。フランスの子どもたちはタチアオイの花で遊べるのを発見していないのではないかな。

小さな子に会ったときにやって見せたら、尊敬されるかも知れない! あるいは、変なことをする大人だと馬鹿にされるかもしれないけれど。 

雄鶏の鳴き声の「コケコッコー」は、フランスではcocoricoなので、「これはコリコ花だ」と言えば良いわけです。

でも、フランスの野原や畑に咲いていて親しみがあるヒナゲシは「コリコ(coquelicot)」と呼ばれるので紛らわしい。

私が下手に発音すれば、「コケコッコ花」のつもりでも、デモンストレーションを見た子どもからは、私が「ヒナゲシ」と言っていると思われるでしょうから、余計にバカみたいになってしまう...。


フランスの畑や野原に咲いているコクリコです。

 

「コケコッコー」をフランス語で表すと「cocorico(ココリコ)」ですが、昔は「coquerico(コクリコ)」と表記していたようです。今でも「コクリコ」を使う人もいるのではないかと思います。

フランスでは余り擬声音は使わないので、どちらでも気にしないのではないかな...。

日本人は何にでも擬声音を作っていますね。音が聞こえないのは「シ~ン」なんていうのまである! 擬声音だらけの日本の漫画をフランス語に訳す人は、よほどの能力を持った人なのだろうと思います。

雄鶏の鳴き声を「coquerico(コクリコ)」とすると、ヒナゲシの「coquelicot(コクリコ)」に益々似てきてしまいます。日本語ではRとLを区別しないので、片仮名で書くと全く同じ。

crête d'un coq domestiqueヒナゲシのコクリコ(coquelicot)」とは、雄鶏の鳴き声の昔の表記「coquerico」から来ていて、雄鶏の鶏冠(とさか)に似た花だからなのだそう。

確かに、ヒナゲシの花はトサカの鮮やかな赤い色を思い起こさせますね。

ヒナゲシは、フランスの三色旗の赤に例えられる花です。

フランスの三色旗を表すのに使われる野原の3つの植物について書いた日記:
★ 美しいフランスの6月 2006/06/08

雄鶏はフランスのシンボルとしても使われます。雄鶏は夜明けを告げるので、自分たちが一番優れていると思っているフランス人が自らを例えるのにふさわしいと思っているかららしい。

雄鶏を想起させるヒナゲシを三色旗の赤にするもの好かれるわけなのでしょうね。もっとも、フランスの野原でよく見る赤い花といったら、ヒナゲシくらいしかないようにも思いますが。


ともかく、「コケコッコ花」という名前は、フランスではヒナゲシに先に取られてしまっていたのだ!…

ひょっとしたら、フランスの子どもたちはヒナゲシで雄鶏になる遊びをするのだろうか? 「コクリコ」を繰り返して歌う童謡「Gentil coquelicot」もあるくらいですから。

検索してみたら、ヒナゲシの花でする子どもの遊びが出てきました。



お人形さんにしてしまいますか。今の年配の人たちが子どものときには、よくした遊びだそうです。


トサカではなくて、美人の死に例える

ヒナゲシは「グビジンソウ虞美人草)」とも呼ばれていました。

虞美人(秦末の楚王項羽の寵姫)が自決したときの血が、この花になったという中国の伝説からなのだそうです。

☆ Wikipedia: グビジンソウの名について

ヒナゲシは切り取るとすぐにしぼんでしまうので、はかない花だと感じるので、虞美人草は私のイメージの中では一致します。ヒナゲシも、茎を火であぶると花瓶に活けておける、というフランス人もいますけれど。

国が違うと、花も色々に例えるのですね。

フランスで恋人同士の死に例えた花といえば、『トリスタンとイズー』の物語で最後に登場するスイカズラを思い浮かべます:
香りを放つスイカズラ 2009/06/01

スイカズラは蔓を絡ませながら伸びまくっていくので、これが悲恋のシンボルかと思うと怖くなるくらいたくましい植物!




ブログ内リンク:
「聖母マリアのハート」の不思議 2015/05/07
首に傷があるような姿の鳥たち 2015/05/09
★ 目次: フランスで感じるキリスト教文化
フランスの国花は何の花? 2013/05/09
★ 目次: 色について書いた記事

外部リンク:
Gentil Coquelicot mesdames...


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 植物 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2015/07/25
鴨肉は好きな食材です。朝市に出ている農家の直売で鴨を見たら、北京ダック風に料理してみたくなりました。

フランスにある中華料理店では、めったに北京ダックを作らないのです。

「Canard laqué」という料理は、どの中華レストランにもメニューに入っている感じがしますが、皮を別にして薄く焼いた小麦粉の皮で巻いて食べる北京ダックの料理ではないのです。

「北京(Pékin)」の文字を付けて、Canard laqué pékinoisCanard laqué de Pékinなどと書いてある料理でないと、私たちがイメージする北京ダックは出てきません。


フランスでも鴨肉が少し高級食材ではありますが、ご馳走を食べたいときだけに買うというほどのお値段ではありません。

従って、フランスで北京ダックを食べるのは、それほど贅沢な食事にはなりません。鴨肉の皮を食べて、肉の部分は炒め料理になって、骨はスープになって出てくるという具合。4人で分けて食べられる1羽をオーダーしただけでフルコースになるのですから、安上がりの食事にもなります。

北京ダックをフランスで食べまくってやろうと思った時期があったのですが、パリ市内か、パリに近い地域にあるレストランでないと北京ダックには出会えませんでした。

久しくパリには行っていないので、北京ダックも久しく食べていない。

それで、自分で作ってみたくなったのでした。

といっても、本格的な北京ダックを私が作れるはずはない。それ風の料理を作ってみるイメージを抱いただけのことです。


実験用に、鴨の骨付きもも肉を買う

丸ごとの鴨は大きいので、失敗したらもったいない。それで、家禽類を放し飼いで飼っている直売農家が売っていた骨付きのもも肉を1枚だけ買いました。

マグレの方が骨がないので扱いやすいと思ったのですが、1枚だけしか売れ残っていなくて、何となく色に元気がない。それで、骨付きもも肉にしたのです。

写真は撮っていないのですが、下のような肉です。

私が買ったのは、1枚でもかなり大きかったです。大食漢でなかったら、2人で1枚でも良いくらいの大きさ。


過去に作った北京ダック風

実は、以前にも簡単に北京ダック風に鴨を料理してみたことがありました。

鴨のマグレで北京ダック風を作ってみた
2013/03/18

フライパンで作る、皮パリパリ、北京ダック 」というレシピを参照。

皮をはがして焼きました。カオヤービンという小麦粉の皮まで作ったわりには感激するほど美味しくはなかった。

ブログに書いていたことを読んだら、もう二度とやってきたいとは思わないと書いていました。つまり、完全な失敗作!

ただし、レシピにあったカオヤ−ビンは簡単にできるのに、非常に美味しかったです。
 
蜂蜜を塗った鴨の北京ダック風丸焼
2013/03/19

こちらは、以前に鴨をオーブンで丸焼きにして、蜂蜜を塗ったことがあったということだけを書いた日記。

オーブンで焼いて、最後に蜂蜜で照りをだし、皮をはがしただけ。いたって簡単。これでカオヤービンも作って食べたら十分ではないかと思ったのでした。


鴨の骨付きもも肉で、北京ダック風ロースト

鴨肉を買ったものの、骨付きだとだめかと家に帰ってから気がついたので、北京ダック風は諦めて、普通にオーブンで焼いて食べようかと思いました。

でも、念のためにレシピを探してみたら、出てきたのです。日本人は北京ダックが好きなので、レシピは無限にあるように思いました。

今回、参考にしたレシピは、こちら:
シャラン鴨の北京ダック風ロースト - 鴨肉(カナール)レシピ

材料がフランスの鴨肉を使っているのも惹かれた理由。でも、シャラン鴨となっているので、私が買ったバルバリー鴨とどう違うのかが気になって、前回の日記で書きました:
シャラン鴨って、なに?

調べてみたら、シャランと呼ばれる鴨は謎に満ちていて面白かったです。


このレシピで料理した感想:
フランスで出す鴨肉料理とは少し味が変わっていて、なかなか美味しかったです。皮は北京ダックのようにはがさなかったので、フランス人に「Canard laqué(カナール・ラケ)です」と言って出したら通用してしまうのではないかと思ったほど。

レシピに書いてある材料には手元にないものがあった、次のように変えました。


レシピの材料代用した材料
骨付き鴨モモ肉
(シャラン種 冷凍)
4枚骨付き鴨モモ肉
(バルバリー種 生)

鴨肉をオーブンで焼くソース(180度、1時間)
500万年前の塩適量普通の塩
チキンストック、
またはダックストック   
600ccチキンストック
みかんの絞り汁2個分バルザミコ酢
赤ワイン
玉ねぎ中分の1新玉ねぎのスライス
鴨肉をオーブンで焼くソース(250度、30~40分)
水あめ大さじ2     蜂蜜、水、醤油を混ぜた
小さじ1
荷葉餅(10枚分)なし


チキンストックとして使ったのは、次のブログで書いたマジー社のチキンコンソメ。3つ星シェフが内緒で使っているというスープの素:
調理チームに入ってみないと、レストランの評価はできない 2014/12/05

煮込むにはワインを入れた方が美味しくなるのではないかと思って、飲み残しがあった赤ワインも少しチキンスープに入れました。

みかんの絞り汁というのはない。レモンだと強すぎてしまうのだろうと思って、かなりトロトロ状態で酸っぱくはないバルザミコ酢を使いました。

あらかじめチキンスープを少し入れて1時間も蒸し焼きにして大丈夫なのかと心配したのですが、骨からもスープが出て肉の味が良くなったのかもしれません。それに、食材を調達した直売農家では家禽類を放し飼いで飼っているので、肉そのものが美味しいのです。

蒸し焼きした後は冷蔵庫に寝かせておいて、翌日に強火のオープンで焼き上げました。

鴨肉の皮ははがさずに、肉を切って荷葉餅に巻いて食べるというレシピでした。私は荷葉餅を作らなかったので、レタスに鴨肉と野菜で巻いて食べました。野菜は、エシャロット(スライスして水にさらした)、それから庭に生えているセロリ、チャイブ、シソの葉も用意。

レタスで巻いて食べると脂身が消えし、フランス人にはエキゾチックなので、これでも充分ではないかと思いました。


写真を撮っておけば良かったな。皮はパリっとして、なかなか食慾をそそる出来栄えになったのです。

試食させたフランス人たちも美味しいと言っていたので、合格ではないかな...。

前日に下ごしらえしておけるので、人を招待したときには当日に仕上げをすれば良いだけ、というのも料理の手際が悪い私向きのレシピ。オーブンの中で焦げてしまわないかと注意していなければならないのは、せいぜい20分くらいなのも良い。

私のレパートリーに加えようかと思いました。でも、こういう肉を6枚くらい焼くのは、やはり失敗しないかと緊張してしまうでしょうから、何回か日常の料理として作って練習してみないといけない...。




ブログ内リンク:
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: フランスで北京ダックの食べ歩き
★ 目次: フランスで食べる鳥肉と卵(鶏、鴨、ウズラ、鳩、卵など)
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 肉類 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2015/07/24
日本にいるとき、食材の種類が少なくてつまらないなと思うのは、肉類。特に寂しいのは家禽類。普通の店では鶏肉しか売っていないのですから。

フランスで普通に買える家禽類としては、ニワトリの他に、鴨(カナール)、ほろほろ鳥、七面鳥があり、これらは丸ごとでも、部位を選んででも買えます。小さいので丸ごとでしか売っていないのは、ウズラ、鳩。冬のジビエのシーズンには、野鳥もありますが。



矢印を入れたのはバルバリーという種類のカモ(Canard de Barbarie)。値段は1キロ9ユーロ弱と表示されていますが、これは2年前に撮影した写真です。

バルバリー種はフランスで食べる鴨の中では最もポピュラーな鴨の品種のようです。フランスで北京ダックを出す中華料理店では、大きな鴨なのでこれが北京ダックにするには最適なのだと言っていました。

先日、この写真を撮った直売農家が売っていた鴨を見たら、北京ダック風に料理をしてみたくなりました。失敗する可能性が大なので、実験用として骨付きもも肉を買いました。

インターネットで探し出したレシピで作ってみました。レシピにある材料で持っていないものは別のもので代用したのですが、なかなか美味しかったのでした。どういう風にしたかをブログにメモしておこうと思って書き始めたのですが、参考にしたレシピの材料にあった「シャラン鴨」というのにひっかかって調べだしてしまいました。

簡単に何なのかが分かると思ったのですが、そうではなかった。日本語情報でも、フランス語情報でも、はっきりしたことが出てこないので、手こずってしまいました。


シャラン鴨って、なに?

ロースト用の鴨肉(canard à rôtir)を食べることに関して、フランスは世界1なのだそう。これは国民1人に対する数の比較で、第2位は中国。フランス国内で食料される鴨は、年に85,000万羽。

家禽類業界の情報サイトでは、フランスで生産されているロースト用とフォアグラ用の鴨(カナール)としては、次の4つに代表させていました:

シャラン鴨というのは、フランスでも質が良いとして知られる「Canard de Challans(シャランの鴨)」で、この4つのカテゴリーでは「半分野生種」というのに入るのだろうと思います。

Challans(シャラン)というのは、ペイ・ド・ラ・ロワール地方ヴァンデ地域にある人口2万人くらいの町の名前です。そこが原産地として名前が付けられているのでしょうね。

この品種のカモ肉は食べたことはない気がします。遠くにある地域なので、ブルゴーニュではめったに売っていないのではないかという気がします。私は近郊の農家の直売を買いますので、いくらシャランの鴨が美味しいと言われても、食べてみたいと思ったことはありませんでした。

このcanard(カナール、鴨)が何なのか、容易に調べられないのです。Wikipediaのフランス語ページには鴨の品種一覧があり(Liste des races de canards)、そこにフランスの鴨として「Challans(シャラン)」が入っているのですが、ページが作られていない。これだけ有名なのに、記載がないのは奇妙ではないですか?

シャランの鴨のことを検索していると、「canard de Challans(シャランの鴨)」という呼び名の他に、「canard challandais(シャラン地域の鴨)」というのも出てきました。この2つの呼び名には区別する基準があるのだろうか?、というのがまず始めのつまずき...。


ビュルゴーのシャラン鴨

日本のサイトでは、「シャラン鴨」を販売している人や、グルメ情報を出しているサイトでさかんに紹介していました。

Canard de Challansとcanard challandaisとの違いを書いている日本語のグルメ情報もあったのですが、スペルを間違っているのは無視しても、なんとなく腑に落ちないことが書いてあるので信じられない...。

日本語の方がななめ読みができるので楽なのですが、仕方なしにフランス語情報に戻りました。

日本で言われる「シャラン鴨」がもてはやされているのは、パリのど真ん中にある3つ星レストランとして名をはせていたトゥール・ダルジャン(現在は1つ星)の名物料理が、番号を付けた鴨料理で、その食材がシャラン鴨だったのが原因なのだろう、と思いました。

トゥール・ダルジャンにシャラン鴨を提供しているのは、Burgaud(ビュルゴー)社なのだそうです。

この会社を紹介していう記事を見たら、全く食慾をそそられない建物の写真しか入っていないので、なに、これ? と思いました。

どういう風に育てているかが食肉の味を決めるのに...。この写真を見たら、ブロイラーの飼育農家かと思ってしまうではないですか?!



雇用者は13人で、業績も上々ということで、施設を拡張したという2012年のニュースでした。

家族経営の小さな会社らしいのに、週に鴨肉を3,000羽を商品化していて、クリスマスから正月にかけてはもっと多い量をさばく、というのも奇妙。

...と思ったら、ビュルゴー社は、契約している数軒の飼育農家の鴨肉を畜殺して販売している会社らしいのでした。特殊技術で鴨を処理する技術があることで知られ、この地域の鴨を世界的に有名にした会社だそう。

イエローページの情報では、シャラン市にある企業で、業種は家禽類とジビエの畜殺場となっています。販売しているのは、家禽類、canards challandais(シャラン地域の鴨)、canards au sang(放血していない鴨)。

つまり、ビュルゴーの鴨というのは、信頼できる原料と処理方法で商品化されるブランド名と受け取れば良いのだろうと思いました。

日本は大きなお得意さんだそうです。私は、鴨は日本ではめったに食べられないと思っていましたのですけど...。

でも、楽天市場で検索してみたら、フランス産の鴨肉はかなりの数がヒットしました。ビュルゴー社に絞ってもかなり残るので、日本にたくさん輸出されているというのは本当らしい。

フランス産 鴨肉を楽天市場で検索

少なくともビュルゴー社が売っている鴨は、日本で「シャラン鴨」としているのは間違いなさそう。でも、2つの点で混乱するのです。


Canard au sangって、なに?

ビュルゴー社が売っている鴨は2種類ありましたが、特別なのはcanards au sang(放血していない鴨)。

「canards au sang」というのは、辞書を引くと料理の名前となっているのですが、それができる鴨を売っているということなのでしょうね。この会社では、首の後ろから針を刺して鴨を仮死状態にさせて、血を抜かないで殺す方法(エトフェ)をしているそうです。

小規模で鶏を飼っている農家の民宿に泊まったとき、変な道具があるので何なのか聞いたら、一瞬に感電死させるような道具でした。ニワトリが苦しまないようにフランスでは義務付けられていて、特別な技術を持つ免許がないと、それ以外の方法を使ってはいけないのだと説明されました。

日本で売っている「シャラン鴨」の説明では、ビュルゴー社が「エトフェ」をしていると書いてあることが多いようです。

鴨肉の種類に関するネットショップ情報

その方法ができる会社であることは確かですが、販売項目としてcanard challandais(シャラン地域の鴨肉)とcanard au sang(放血していない鴨)とに分けているのですから、販売する鴨の全てをエトフェをしていないのではないかと思うのですが、どうなのでしょう?

ウサギ肉もエトフェするのが美味しいとされています。ウサギの生血をボトルに入れて付けてくれる直売農家もあるのですが、血は全く日持ちはしません。血が残っている生肉を日本にまで輸送したら危険ではないですか? ビュルゴー社では冷凍技術もあるそうなので、エトフェの肉は冷凍で輸出するのかな?... 分からない。


canards au sang」という料理では、右のような特別の圧縮機を使って、鴨の血液をソースのつなぎとして煮汁にかけるのだそう。

19世紀半ばにトゥール・ダルジャンで考え出された有名な鴨料理ですが、そこに行かなくても食べられるレストランがあるようです。

ルーアン市(ノルマンディー地方)のレストランで「Canard au sang」のデモンストレーションしている動画がありました。


Miam ! Le canard au sang

こんなに手間をかけて作るとしたら、お料理の値段が高くても納得してしまうかもしれない...。

このレストランで、この料理が出たという詳しい報告もありました:
【とっておきのヨーロッパだより】鴨のちょっぴり美味しい話・・・かも!?

Canard de Rouenルーアン市にあるレストランなので、シャラン鴨(Canard de Challans)ではなくて、地元のルーアン鴨Canard de Rouenを使っているそうです。

Wikipediaの記事「Canard au sang」では、この料理を作るにはルーアン鴨が望ましいと書いてあったのですが、そこに根拠を書くようにという指示が付いていたの面白かった。地元の人が書き込んだのかな...。

日本にはルーアンの鴨は入ってきていないように感じました。食肉の輸入は規制が厳しいからか、ルーアン鴨の生産量が少ないからなのか?...

疑問が多くなると混乱するだけなので、ルーアン鴨の方は飛び去っていただきます。


Canard de ChallansとCanard challandais。両方ともシャラン鴨?

ビュルゴー社が売っている鴨では、もう1つ、「canard challandais(シャラン地域の鴨)」がありました。この呼び名だと、その地域で飼育されている鴨で、品種には関係がないのかもしれないという気もする。

「Canard de Challans(シャランの鴨)」とは違うのだろうか?... 日本で言う「シャラン鴨」とは、どっちのこと?

トゥール・ダルジャンでは、この地方の鴨を仕入れて料理に出し、鴨にナンバーを付けていますが、その番号は2003年に100万に達したのだそう。レストランのサイトでは、出す鴨のことを「canard challandais」と呼んでいました。

Canard de Challansとcanard challandaisは、区別されていないのではないかな、という気がしてきました。政府認定の高品質食材の保証マーク「ラベル・ルージュ」を持った鴨もあるのですが、AOC/AOPほどには厳しい規制がある品質保証ではないので、よく分かりません。


Canard de Challans(シャランの鴨)」は、昔は「canard nantais(ナント地域の鴨)」とも呼ばれていた品種の名前なのは確かなようです。飼育の歴史は17世紀にさかのぼる、というのが有名な話し。

Canard de Challansという品種の鴨は、こういう姿なのだそうです。


CRAPAL - Site officiel - CANARD DE CHALLANS

右に写っている頭が緑色のがオス。お隣がメス。野生の鴨と飼育鴨の掛け合わせで生まれた品種だそうで、雄の頭が緑色なのは、フランスでよく見かける野生の鴨「Canard colvert(マガモ)」を思わせます。

「canard de Challans」をキーワードにして画像検索すると、こちらのエコミュージアムのサイト情報でも、こちらのサイトでも、同じ姿の画像を入れているので、確かなことだろうと思います。

メスの方は、さっきのルーアン鴨に似た色をしていますね。

ところが、奇妙...。

このCanard de Challans(シャランの鴨)は、1960年代まではブルターニュ地方やヴァンデ地方で野外で飼育されていた鴨であるが、農業の近代経営によって、ほとんど消えてしまった品種だ、と書いてあるのです。

シャラン鴨は日本にも輸出されているくらい流通しているのですから、変ではないですか?

「Canard de Challansをご存知ですか?」と題したページが出てきました。

http://www.laradiodugout.fr/dossiers/2014/08/visite-gourmande-en-vendee/3/
Visite Gourmande en Vendée | La Radio du Goût

このページでは、「Canard de Challans」は、1650年ころに作られた品種の鴨。昔は「canard nantais(カナール・ナンテ)」と呼ばれていたのは、この鴨がシャランで飼われていて、ナント地域の業者がパリに運んだから、などと説明しています。なので、同じシャランの鴨の話しだと思えます。

でも、上に写真を入れた「Canard de Challans」とは違う品種ではないように見えます。みんな真っ白ですから!

「Canard de Challans」を飼育している農家の動画があったので眺めました。


Histoires de Vendée : Le canard de Challans

鴨の赤ちゃんが野外に出るまで、暖かい小屋で6週間過ごすと言っています。その後に放し飼いにされた鴨が登場するのですが、やはり黒い帽子をかぶった白い鴨...。


北京ダック?!

別にシャラン鴨を食べたいわけではないので、これがどんな鴨なのかを突き止めようとするのは放棄しようと思ったとき、地元新聞の記事を見つけて謎が解けました。

現在のCanard de Challansは、その名前で呼ばれていた昔の品種とは同じではない。まず、見た目が全く違うと書いてありました。「本物の」という後にcanard challandaisという言葉を使って、それとは違うのだ、と記述されていました。つまり、Canard de Challansとcanard challandaisという2つの呼び名は同じということなのでしょうね。

こんにち市販されている「Canard de Challans(シャランの鴨)」は、Canard de Pékin(北京の鴨)とのハイブリッドになっているのだそう。

なるほど、北京の鴨は白いのでした。

昔の品種を飼育している人は、現在では地元でも数人しかいないとのこと。

そういう希少価値がある鴨なら食べてみたいな...。でも、ブルゴーニュの農家が育てている鴨も充分に美味しいので、それ以上のがあるかと疑うけれど...。


北京ダックでしたか。

どうでも良いことを調べまくってしまったのですが、北京ダックもどきを作ろうと思って書きだしていたのだから奇妙な偶然の結末...。

脱線は終わりにして、もともと書きたかった北京ダックもどきの料理を作ったことを書きました:
鴨の骨付きもも肉で北京ダック風ローストを作ってみた



追記 (2016年1月):

別の記事に対して入れてくださったコメントにあった情報から、日本で使われている「シャラン鴨」という単語は、「canard challandais」に対する訳語らしいと分かりました。


ところで、「canard de Challans(シャランの鴨)」と「canard challandais(シャラン地域の鴨)」の違いとは何かばかりを書いてしまったのですが、書き忘れていたことがあります。

この地域で生産される鴨は、条件が合えば与えられる国家が認めた品質保証マークがあります。

Logo IGP
まず、生産地域を限定して与えられる保護地理的表示のIGP(Indication géographique protégée)。

これはEU連盟の品質保証マーク。

Volailles de Challans(シャランの家禽類)の名で、鶏、鴨、七面鳥、ほろほろ鳥、ウズラなどの家禽類に対して与えられます。

「シャロンの家禽類」としてIGPマークを付けて販売することができるのは、301のコミューン(市町村)で生産された鶏や鴨などの家禽類に限ります。


Label Rougeそれから、シャラン地域の家禽類について認められているラベル・ルージュ(農作物・農産加工食品に与えられる国家品質保証マーク)。

こちらは、家禽類の品種や飼育方法などを規定しています。

ラベル・ルージュを持つCanard de Challans(シャランの鴨)としては、Canard fermier(オス鴨)、canette fermière(メス鴨)があります。

シャランの鴨(カナール、カネット)にラベル・ルージュが与えられたのは1985年。
この認可を得ている生産者数は150ほどあるとのこと。

ラベル・ルージュ付き「シャランの鴨」に対する主な規定
  • 鴨の品種は、白と黒のバルバリー種に限る
  • 伝統的な飼育法をされていること
  • 飼育地域は、ロワール河から流れる水がある数10キロに限定された沼地
  • 主な食べ物は穀物類だが、自然の中で放し飼いにされるので昆虫などでも栄養が補われる
  • 動物性の脂や粉末を与えることは禁止
  • 74日間は水辺で生活させること。飼育期間は最低で雄は84日間、雌は74日間。
  • 飼育地の広さは、鴨1羽あたり2.5m²以上
フランスで最も厳しい品質保証ラベルはAOC/AOPです。それに比べるとラベル・ルージュはかなり緩やかな規制です。例えば、AOC/AOPを持つブレス産の家禽類には気が遠くなるほどたくさんの規制があります。

飼育環境について例を挙げて比較すると、AOC/AOPブレス若鳥の場合は1羽につき10m²以上、ラベル・ルージュの鳥肉では1羽につき2m²以上(放し飼いと表示する場合は4m²以上)と差があります。ちなみに、日本の「地鶏」のJAS規格は、1m²に10羽以下!

シャランにAOC/AOPの鴨肉がない限り、ラベル・ルージュを持つものが最も優れているのではないかと思いますよね。でも、そのラベルを持つためには、鴨はバルバリー種でなければならないことになります。昔から珍重されていたけれど、今では絶滅の危機にさらされていて入手が非常に困難な「本物」のCanard de Challans(シャランの鴨)は、ラベル・ルージュのレッテルを付けて売るわけにはいかないことになります。食通の人たちは、ちゃんと分かっているから問題ないのでしょうね。



ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで食べる鳥肉と卵(鶏、鴨、ウズラ、鳩、卵など)
トゥール・ダルジャン名物の鴨料理 2006/02/24
ミシュラン2006年版ガイドブック発売ニュースのトップ記事はトゥール・ダルジャン 2006/02/23
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
鴨類の呼称について
APVF, association pour la volaille française  volaille-francaise » Savoir reconnaître une volaille française
les races avicoles Vendéennes
Cuisine française: Canard - Produits
France : le Canard de Challans
Keldelice: Le canard de Challans
Ville et Pays de Challans: Le Canard de Challans
Le canard challandais à la conquête du monde
Libération: La Tour d'argent millionnaire en canards
Volailles de Challans » Canard fermier
AOC IGP AOP : Volailles de Challans
Canard de Challans - Exiger ce produit Label Rouge et IGP*, au goût unique du marais


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 食材: 肉類 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2015/07/23
農業大国のフランスですが、農業者の所得格差はとても大きいと言われています。

羨ましいほど裕福な農業者たちもいるし、細々と貧しい農業をしちる人たちもいる。戦後に推し進められた農業の大規模経営化と近代化によって、設備投資をしすぎて借金の返済に追われる農業者たちも多い。

追い詰められて自殺する農業者の数の多さも語られます。酪農関係組織が発表した数値だと、2009年に自殺した農業者は800人を下らなかったとか。

スーパーが生産者から破格値で買い付けて、巨大な利益をあげている。かなり前からフランスでは問題にされています。「農業者のデモがすさまじい」を書きながら思い出した人がいました。


テレビに出演すると泣き顔で窮状を訴えていた農業者

南フランスで果実を栽培していたPierre Priolet(ピエール・プリオレ)という男性です。

スーパーがリンゴを仕入れに来ると、必要なだけ持っていって、後でスーパー側が運送費用や利益を差し引いた金額を払ってくれる。つまり、幾らで買ってくれるのか分からないで売っている、支払額は生産原価を切っている、と訴えていたのです。

テレビに出てインタビューされると、すぐに感極まって泣き顔になってしまう。彼が惨状を訴える姿は感動的で、茶の間の人気になっていました。

私のブログでも、ちらりと彼のことを書いていたので、いつのことだったか分かりました:
グルメ・レストランで推薦された山羊のチーズは安かった♪ 2011/05/26

2011年2月に、彼は『Les fruits de ma colère : Plaidoyer pour un monde paysan qu'on assassine(私の怒りの果実 - 暗殺される農民世界の擁護)』と題した本を発行。

その翌年にはペーパーバック版も出ていました。



Pierre Priolet - Les fruits de ma colère


あのプリオレさんは、どうなった?

プリオレさんは、2010年には、1年間で10.3万ユーロの赤字を出していたのだそう。生産にかかる費用を割る値段で売る農業を続けていたら、借金を膨らませるだけ。

借金をこれ以上は増やしてはいられないと、涙ながらに15ヘクタールのリンゴ畑を更地にしてサラダを作ることにしたというニュースがありました。

直売しようとしたのだけれど、うまくいかない模様まではニュースで見ていました。

あれからどうなったのかと探してみたら、ニュースが報道していました。

今年6月。年金生活者となった彼は63歳。農業も続けながら幸せに暮らしているのだそう。


Pierre Priolet - Heureux dans son verger

彼の果樹園は15ヘクタールでした。大規模経営にしようとしたのが間違っていた、と言っています。

加工食品を見るとビオ(オーガニック)の認証マークが付いていますね。これからの農業者は、健康に害がなくて、質の高いものを作り、正当な価格で売るのが求められている、と話しています。その通りだと思う。

ここのところテレビを賑わせている農業者たちのデモを報道するニュースでは、乳牛の集中飼育をする施設を作った農家が憤っているのが出ていました。

ドイツでは、放牧にしないで乳牛を小屋の中で飼育するのが主流なのだそう。そういう施設を100万ユーロを超える投資をして作ったのに、その借金を払うために政府は何とかしてくれというのが主張でした。銀行は、担保としての土地がある農家にはお金を貸し出すのですけれど、まずいけれど安く売れる大量生産のミルクを作ることにしたのは、その農家の責任ではないですか?...

プリオレさんはリンゴ園を少し残したのですが、以前のように農薬をたくさん使わずに質の良いリンゴにしている様子。お客さんが来て、これがあなたの美味しいリンゴの木なのね、と喜んでいるのを見るのは嬉しいと笑顔を見せています。

気持ちを同じくする農業者たちとNPOを創設して、質の良い農産物や農産加工品を作って、正当な価格で販売。週に2回、朝早くから起きて、朝市で野菜と果実を売っています。

近々、パリ首都圏に3カ所の販売所もオープンさせるそう。ご成功ですね♪

借金もなくなったのだそう。彼の小さな農園がもたらす収入は年に6,000ユーロ(約80万円)だけど、それで生きていくには充分、と言っています。ニュースでは退職者と呼んでいるので、農業者の場合は少ないとはいうものの、その他に老齢年金も入ってくるのでしょうね。

テレビに出てきたときは絶望感と泣き顔ばかりだった彼が、笑顔で登場してくれたのを見て嬉しかったです。世の中は弱者が虐げられているばかりじゃないのだ、と思って勇気づけられます。

ブログ内リンク:
北フランスで昔ながらの農業を続けていたポールさんの生き方 2014/09/30
★ 目次: フランスに結婚に関する風習、夫婦・家族関係、生き方

外部リンク:
P. Priolet, agriculteur Si on ne vendait pas à perte, on pourrait être heureux de faire ce métier 28/05/2015
Les fruits de ma colère : un plaidoyer de Pierre Priolet pour le monde paysan 01/08/2015
☆ Le Monde: Le goût retrouvé du petit commerce 21.04.2015


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: フランス人 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
2015/07/23
近所に住んでいる男性が、独自の単語を使っているのを知りました。私にすれば会話に知らないフランス語が出てくるのには慣れていて、連想から意味を理解するので、何も気にしていなかった。

「彼が使う言葉は面白い」と言われて、単なるスラングではないと知った次第です。

例えば、失業は「石のスープ」、嫌なヤツのことは「牛にたかる蠅」、きれいな女性は「ジェラルディーヌ」という具合。日常会話で頻繁に使う言葉には独自の単語を作っているようです。

面白いと思ったのは「ヤクヌー」という単語。「Il n'y a que nous(俺たちしかいない)」を短縮したもので、農業者を指すのでした。

通訳(?)してくれた友達は、農業者たちがよくそう言っているからだと説明してくれました。天候が悪かったりするとすぐにテレビのニュースには農業者が登場して、損害を賠償する補助金を出してもらわないとやっていけないと主張するのですが、そういう時に彼らがその言葉を連発していたかな?...

フランスの農業人口は3%を少し超える程度ですが、国土の半分は農地として使われています。ワインの産地のように、それほど広くなくても収入があがる地域は例外とすると、見渡す限り畑が広がっている田舎でさえも、農業をしている家は100軒に1軒かな、という感じ。でも、それだけの広さで農業をやっているのですから、農業者の存在は大きいのです。

フランスの農業者たちは、国民の胃袋を養っているのだという強みが非常に強いです。大規模経営の農家は補助金もたくさんもらっているので、「ブリュッセルの公務員」なんて呼んだりする人もいます。

変な言葉を作っている近所の人ように、石のスープの食事になって、仕事のオファーがあればどんな肉体労働でも引き受ける貧しい生活をしている人から見れば、農業者をやっかみたくなるのは当然。ちなみに、彼の写真を入れたのは、こちらの日記

なにしろ、立派な家が1軒買えるほど高価なトラクターを何台も持っていて、たとえ仕事がなくなっても広大な土地が残るのですから、しがないサラリーマンとは全く違う身分です。


農業者たちのデモ

ここのところ、畜産・酪農関係の農業者たちが大規模なストをしています。

ニュースは追っていなかったのですが、友人が面白い話しをしました。

多くの観光客が訪れる世界遺産モン・サン=ミシェルに島に渡るための道が農業者デモで通行できなくなって、ニュースに出てきたレストランの人が「今日の客は日本人2人しかいなかった」とボヤいていたのだそう。

はるばる日本から、しかもパリからも遠いモン・サン=ミッシェルまで行ったら、苦労してでも観光しようと思いますよね。日本人、あっぱれ♪


Des agriculteurs en colère bloquent l'accès au Mont Saint Michel

農業者たちがトラクターを並べて高速道路を封鎖して、経済活動を麻痺させるデモは昔からあったのですが、観光スポットを狙えというアイディアが登場したのかな?...

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150723-00000030-jij_afp-bus_all
世界遺産観光にも影響、仏農家の封鎖デモ 政府が800億円超支援へ (AFP=時事) - Yahoo!ニュース


国民を養っている農業者たちは何をやっても許す国

フランスはデモによって抗議する行為が認められている国です。お医者さんたちが仕事をストップしてストをするとか、不法滞在の外国人たちが教会を陣取って抗議行動を起こすなどというのは、日本ではありえないと思う。

でも、農業者のデモは、最も派手にやっていると感じます。なにしろ、彼らは大きなトラクターを持っているので、抗議行動は凄まじいです。最近は、消費者の同感も得なければならないと分かったので、ひと頃よりは強硬ではなくなっていますが、それでも凄いです!

今回の農業者デモで、各地でどんなことをやっていたかを見せる動画を入れます:


Colère Crise des Eleveurs - Agriculteurs Incendies,Feux de pneux,Entrées bloquées..villes françaises

ご存じでない方のために言うと、タイヤが燃えると、たまらなく臭いのです!

大規模経営の農業者たちが入っているフランス最大の農業者組合FNSEA(農業組合全国同盟)のマークが入った紙に、こんなフレーズが書いてありました:
「フランス人たちよ、百姓なしに、あなた方は明日何を食べるの?」

それが彼らの強みでしょうね。

普通の人がスーパーに行って施設を壊したり、商品をメチャメチャんにしたら、犯罪者として逮捕されます。でも、農業者のデモでやれば見逃してもらえる。今回はしなかったようですが、農林大臣などのオフィスに暴れこんで、コンピュータや書類など、中にあるものをひっくり返したりもします。

それでも全くお咎めがない。だから、何でもやってしまう農業者たち。農業者がやった破壊行為で逮捕されたのは、建設中のマクドナルドを襲撃したジョゼ・ボヴェくらいではないでしょうか。

上の動画の書き込みが面白かったです。

彼らは自分たちのことをpaysan(百姓)と言っているけれど、農場経営者だ。汚したり破壊したりして、そのつけを払うのは納税者だ。ご先祖さんたちが守って来た土地を台無しにしないで、土壌と河川と人々を汚染するのは止めてくれ。

確かに、デモをやっているのは、細々と昔ながらの農業をやっていて親しみを持たせるpaysan(ペイザン)と呼ぶに相応しい人たちではなくて、大規模経営で農薬を撒き散らしている農業者たちに私も見えました。

フランスの国土の半分は農地として使われています。そこで農薬を撒くわけですから、環境破壊の最大の原因は農業だという主張があるのは納得できます。ブルターニュ地方では豚を集中飼育していて(国内で生産される豚肉の4分の3を生産)、汚水を垂れ流すから、海岸に変な海草が大量発生してしまっているというのは、フランスが遅ればせながらエコロジー・ブームになる前の1970年代から問題になっていました(ブルターニュ地方の海岸が、どうなっているのかの画像同じ汚染が発生している中国の画像も少し混じりこんでいますが)。


動画に入っていたもう1つのコメントも、彼らは何でもやっていいと思っている馬鹿者だ、と書いています。

なるほど。「ヤクヌー」は、自分たちが国を支えているのであって、それ以外の人たちは存在しないも同然だと思っている人たち、というイメージなのだろうな...。


でも、フランスの食品流通の構造には問題があります。巨大スーパー・チェーンがあって、幾つもあるけれど傘下でつながっているので、大量の仕入れをする。いくらでも農業者に売値を引き下げさせられるわけです。農業者たちは、原価を切って売らされていると主張します。

フランスは日曜日には商店が閉まっていて、平日は夫婦で働いている場合が多いので、たいてい土曜日に巨大スーパーに行って買い物をするというパターンがあります。いっぺんに色々なものを買えるし、価格も安いので便利なので。

直売をすれば良いと思うのだけれど、フランスでは宅急便が全く発達していないのですよね。朝市はあるのだけれど、出店するには手間がかかる。それに、朝市では消費者が見比べられるので、質の良いものでないと買ってくれる人がいない。売れている店と、売れていない店の差は驚くほど大きいです。


豚たちも怒って抗議行動?

農業者デモの話しをした友人が、今回のデモで一番面白かったのはスーパーマーケットに豚を連れ込んだことだ、と話していたので、映像を見つけ出しました。


Lot-et-Garonne: des cochons se baladent dans un supermarché

フランスで農業者たちのデモを報道するときには、昔から、それを支持する消費者を見せるというのがフランスの伝統のようです。食道楽のフランスなので、農業者たちは守らなければいけない、という風にまとめないと、視聴者の反感をかってしまうのでしょうか?...

動画を2つ眺めましたが、登場している農業者たちの顔や表情が攻撃的で、私が農産物の直売を買うときなどにで接している農業者たちとは全く違うのが興味深かったです。

豚のオペレーションの最後で仕入れ価格と売値が違いすぎるとカッカと怒っている人には、良い乳を出す牛を飼いなさいな、と言いたくなる...。大規模経営にはしないで、質の良い農産物を作っていれば、スーパーに買いたたかれるということはないはずだと思うのです。

最近のフランスでは、大規模経営農家のように巨額の補助金はもらえないでも頑張っている地元の小規模生産農家を支える直売運動AMAP(日本有機農業研究会が生んだコンセプト「提携」のフランス版)も都市部では盛んになっているのだし。

彼は、スーパーでは牛乳が1リットル1.03ユーロの価格が付いているけれど、自分は0.33ユーロで売っているのだ、と憤っています。

私がミルクを買っている酪農家は、搾乳量が多いホルシュタイン種ではなくて、モンベリアルド種の牛を飼育しています。そのミルクでデザートを作ると、どうというレシピではないのに素晴らしく美味しくできあがるのです。ヨーグルトとフレッシュチーズも作って販売しているので、販売するミルクの量は少ない。朝市でミルクを買いたいときには、朝一番で行かないと売り切れになっています。

この直売農家の朝市でのミルクの売値は、1リットル0.90ユーロ(ボトル持ち込み価格)。つまり、スーパーが暴利をむさぼっていると動画の中で息巻いていた人の3倍近い値段で売れているわけです。仕事に見合う利益は普通に得ているはずで、こういう酪農家はデモには参加しないだろうと思います。

戦後に大規模経営を進めさせてきたフランス。それに乗ってしまった農業者側にも責任があると思う。めちゃめちゃに高いトラクターを何台も持って借金を抱え、高い農薬を買って... という図式...。

私が豚肉を買うことにしている直売農家は、ここの豚肉を食べたら、他の豚肉は何なのだろうというほど良い味があります。ご主人は穏やかな人柄を感じさせる良い顔をしています。丹精込めて飼育している家畜を食肉にする仕事は辛いだろうけれど、生きている間は心地よく過ごさせてあげようと飼育しているから肉が美味しいのだろうと思っています。

彼に、自分の主張を通すために豚をスーパーに引き出すことができるかと聞いたら、ノンと笑顔で答えるのではないかな。丹精込めて育てている豚にストレスを与えるなんてできないだろうと思う。それでも聞いてみたい気がしますが、朝市ではいつも長蛇の行列ができているので遠慮します。

この絶品の豚肉を売っている農家では放し飼いの家禽類も飼っていて、卵はこの農家のものを買うことにしています。ところが、鶏卵のために飼っているシャラン種というニワトリが大きな卵を産むので、農家の人は困っています。普通の卵ケースに入れるとはみ出してしまって、蓋がしまらない! 先日も、家に帰ったら1個割れていました。

それで、専用のカゴを持って買いに行こうと思いつきました。蓋がついている使わないカゴがあったのです。



カゴの中には、卵のケースを切ったものをクッションとして入れました。飾りもつけたりしたのは、「これに卵を入れてください」と言って差し出したら、農家の人が見せる笑顔が目に浮かんだからです。

でも、もう少し大きいカゴの方が良さそう。1ダースは入るけれど、2ダースの卵を入れると重なって、やはり割れてしまうかもしれない。最近はアイスクリームを作るので、卵もたくさん必要なのです。

それに、カゴの蓋が左右に開くのは可愛いけれど、卵を入れてもらうには不便かもしれない。もっと良い入れ物がないか考えてみようっと。なぜかカゴが好きなので持ちすぎていて、ただ飾りにしているカゴも多々あるのです。写真にも、庭に飾っているブドウ収穫カゴが2つ写っている...。



スーパーが生産者から破格値で買い付けて巨大な利益をあげているという問題は、かなり前から問題にされています。

数年前には南仏で果樹栽培をしていた農業者のPierre Priolet(ピエール・プリオレ)という人が、テレビによく出演して窮状を訴えていました。テレビに出てインタビューされると泣き顔になってしまう。彼が惨状を訴える姿は感動的で、茶の間の人気になっていました。

働けば働くほど借金が増えるというプリオレさんは、ついに果樹園を更地にしてサラダを作り始めたのですが、うまくいかないようすでした。デモのニュースを見て、彼がどうなったのか調べたら、農業のやり方を変えて幸せに暮らしているとのこと。どんな風に変身したかについて書きました:

テレビに出演すると泣き顔で窮状を訴えていた農業者は、どうなった?



追記 (2015-07-29):

農業者のデモは続いています。今日のニュースでも、スーパーを攻撃している映像が映っていました。普通、破壊行為をするときは、テロでもデモでも顔を隠すのではないかと思うのですけれど、堂々としています。

スーパーが破壊されるのは、暴利をむさぼっている代償だから自業自得かもしれない。損害は、また利益を増やして補えば良いわけだし。

でも、税金で賄われている公共事業が受ける損害は、一般の人たちがが負担することになります。フィニステール県の担当者が、今回のデモ被害の県内での推定額を出していました。

7月24日までの段階で、今回の農業者デモによる県内の損害は50万ユーロ(7,000万円)になるだろうとのこと。アスファルトの補修に15~20万ユーロ、道路のガードレールなどを直すのにかかる費用が5万ユーロ、ばらまかれた2,400 ㎡のゴミを除去する費用が30万ユーロなど。デモが長引いたら、もっとお金がかかるとのこと。

ゴミの除去の費用がやたらに高いのですが、燃したタイヤとか、家畜の糞尿と寝藁を混ぜた堆肥などは普通のゴミとしては処理できないからなのかな?...

なにしろ農家の人たちは巨大なトラクターを持っているので、やることが大きいのです。巨大なタイヤがついたトラクターと一緒に道路を走っているときは、戦車のように見えて怖いですから、トラクターが行列を組んでいるのに出会ったらおびえてしまうだろうと思う。

フランス人はフランスの農産物を食べろ、と彼らが怒るのは分かる。でも、同じように輸入品に市場を奪われて倒産が続いている衣服業界の人たちなどは、売れ残りの商品を道路にばらまいたり、国境を封鎖するようなデモはできないですよ...。

さらに追記:

この日の夜、テレビでピレネー山脈の地方のルポルタージュを見ました。旅行で立ち寄ったことはあるのですが、何も面白くないという印象をの残しただけ。ところが、ルポルタージュを見るたびに、こんなに壮大な大自然が残っている地方だったのかと驚いています。アルプス山脈がある地方のようには観光地化はされていないので、普通に観光しただけでは本当の良さは味わえないのだろうと思います。

今夜見た番組の1コマに、マッサージによるセラピーもしている女性の獣医さんが登場していました。車を3時間だったか4時間だったか走らせて、元気がない作業馬の治療を依頼してきた農家に行く場面。村に到着してからは車を降りて、延々と山道を歩いて農家に到着。たどり着いた農家は、素晴らしい山々の景観を望む山の上にありました。急こう配の土地なので、数頭飼っている作業馬でしか農作業ができない様子。

馬の治療が終わった獣医さんを、庭にあるテーブルで飲み物を出してもらっていました。素晴らしい見晴らし。農家の女性は「これが贅沢だと思っています」と言う。日本人が抱くフランス女性のイメージに合わないような素朴な顔だちでしょうが、こういう生き生きとした顔は美しいと私は思います。

こんな山の中で農業をしているのですから、そこそこに生きていけるくらいの収入しかはず。でも、お金儲けは求めずに、与えられた人生を前向きにとらえて生きている人を見ると清々しい気持ちになります。心が洗われた思いがしました。


追記(2015年8月):

農業者のデモは、1カ月たった今も続いています。今の政権は社会党の大統領。大規模経営の農業者たちが伝統的に支持するのは保守党で、間違っても社会党には投票しないから手加減しないのでしょうか?

あちこちで過激なことをするので、その被害額が大きくなっているというニュースが流れていました。損害を支払うのは住民が支払う税金にツケがまわります。


VIDEO. Les éleveurs en colère laissent une lourde facture derrière eux après leurs manifestations 2015/08/19

政府がすることに対してデモを起こす人たちにはエールをおくりたくなる私です。でも、農業者はアンタッチャブルだから犯罪にはならないからといって、ここまでしちゃって良いのかな?... ドイツからの農産物を運ぶトラックを捕まえて荷物を取り出したなどというのは、ドイツ側からしたら損害賠償を請求するだろうと言われますが、どうなるのか?...

戦時中の「産めよ、増やせよ」のように、大規模経営にせよという政府の方針に従って、近代化するために借金を積み重ねてきた農業者たちがデモをしていると感じます。今回のデモ関連でニュースに出てくる農業者たちは、チーズにしたら不味いという定評があるホルシュタイン種の牛を育てている農家とか、小屋に閉じ込めて豚を集中飼育しているばかりなのです。

細々と、誠実に、農業をやっているのに生活が苦しい、と訴える農業者は全く登場しない...。やけになってデモなんかしないで、自分の幸せのために生き方を考えて欲しいと思ってしまう...。質の悪い農産物をつくっていたら、安く売っている外国の農産物に負けてしまうのは当然で、「フランス製を買え」と言っていたって、消費者は選びませんよ...。

ブログ内リンク:
フランスの戦後の農業史を見せるドキュメンタリー番組 2014/08/08
ワインを作る農業者たちの怒りのデモ 2012/11/09
パリのシャンゼリゼが農場になった! 2010/05/23
5月革命を連想してしまう最近のフランス 2010/10/20
憎っくき、菜の花畑 2013/05/14
フランスで問題にされているレストランの手抜き料理 2015/06/12
★ 目次: 乗り物に関して書いた記事(自動車、自転車、トラクター、船など)
★ 目次: 戦争、革命、テロ、デモ

外部リンク:
世界遺産観光にも影響、仏農家の封鎖デモ 政府が800億円超支援へ AFP 2015/07/23
Pierre Priolet, une reconversion réussie 2015/06/15
Crise des éleveurs trois graphiques pour comprendre le prix d'un kilo de viande 24/07/2015
フランスの提携運動と地域流通施策の背景
Exploitations agricoles - Panorama de l'agriculture
Suicide les agriculteurs premiers concernés (rapport)


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


2015/07/20
今の時期、雑草のように素朴に生えているけれど、なぜか好きな花があります。

Rose trémière / タチアオイ / ホリホック



Rose trémière」という名前の植物。大きく育てば、背丈は3メートルにもなります。春に芽を出してこれだけ大きく育つのですから丈夫なのでしょうね。水もやらないで放置しているような場所で元気に育っている感じがします。

花はいっぺんには開花しないので、長い期間咲いています。私は、花を摘んで水盤に浮かせて活け花代わりにしたりもしています。



放っておいても、自然に出てきて、毎年花を咲かせます。かなり大きな種ができるのです。

日本では見たことがなかった植物だと思うので、私には新鮮な花。



学名はAlcea rosea。ハイビスカスなどが入っているアオイ科なのだそう。

日本語名はタチアオイとなっていました。「立葵」と言われると、とたんに日本的な植物に思えてきてしまう...。

昔の日本でも絵画に描かれていました。


タチアオイを主題に描いた『草花図屏風』(渡辺始興、18世紀前半)

フランスにあるタチアオイの原産地は、中国か、十字軍が遠征してトルコと戦ったレバントと見られているようです。

英語名はhollyhockなのだそう。hollyという文字を見て、クリスマスソングの「ホォオ~リ~、ナ~イト」を思い出したのですが、聖夜を意味するのは「holy night」で、この植物名は「holly」だった。hollyとは何かと辞書を引いたら、「チクチクさす」から来ているのだそう。

セイヨウヒイラギはhollyでした。ハリウッド(Hollywood)って、そういう木が生えていた土地だったのでしょうか?...

タチアオイの葉っぱはチクチクしていたかなと思って、庭に出て触ってみました。指を指すようなチクチクさは全くない...。

日本ではタチアオイを見たことがなかったというのは、いつもの私の非常識なのだろうと思って確認しました。フランスほどには身近にある植物ではないように感じたのですが、どうなのでしょう?

楽天市場で、タチアオイ / ホリホック / ホーリーホックで検索


巡礼者の杖

「ホーリー」と聞いてキリスト教に関係した命名だと早とちりしたのには理由があります。

Dijon - Musée Art Sacré少し前、歩道に色とりどりのタチアオイが壁を作っているようにたくさん生えている家の前を通りかかった時、「すごいな~」と見とれていたら、この花は「Bâton de Saint Jacques」とも呼ばれていると教えられたからです。

Saint Jacques(聖ヤコブ)の杖に例えますか。

旧約聖書に登場するヤコブ(Jacob)ではなくて、ゼベダイの子のヤコブ(Jacques de Zébédée)の方です。

フランス語でホタテ貝は「Coquille Saint-Jacques(聖ヤコブ貝)」なので、否応なしに「サンジャック」というのは覚えてしまう聖人の名前。

聖ヤコブの遺骸がある巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで杖をついて歩き、帆立貝を身につけているのが巡礼者のシンボル。

タチアオイの太い茎は杖のように太くて長いし、花も帆立貝を連想させる形と言えなくもない。「聖ヤコブの杖」という呼び名があると聞いたときには、すぐに納得しました。



でも、そう呼ばれるというのは初めて聞いたのです。友だちが言ったことを疑うわけではありませんが、本当にタチアオイは「聖ヤコブの杖」と呼ばれるのかを調べてみました。

事実のようです:
Rose trém. Simple variée (Bâton de St Jacques)

植物の名前をキリスト教に結びつけているケースはフランスに多々あるのですが、この聖ヤコブの杖は、それほどまでには一般化されていない感じはしました。でも、園芸サイトでは、その名を入れて販売している傾向が見えます。


他にも「ヤコブの杖」と呼ばれる植物があった

「Bâton de Saint Jacques(聖ヤコブの杖)」という名前が付けられている植物には、「Campanule raiponce」もありました:
Bâton de saint Jacques

Campanula rapunculus

ホタルブクロ属だそうですが、私はキキョウと呼びたい可憐な野生植物。

これも私が好きな植物。野原でとったものを庭に植えていたら繁殖して、今年の春先の庭は、これが咲き乱れる野原のようになってしまっていました。

でも、杖にするほど茎は太くないので、例えとしては相応しくないと思うけれどな...。でも、花が終わって枯れると棒のようになるので、そう呼べるか...。昨日は涼しかったので、棒になって醜くなっていたのをせっせと切る作業をしておりました。


旧約聖書に登場するヤコブの杖を示す命名もある

聖人の名前はフランス語でSaint Jacquesで、日本語にすると聖ヤコブでしょう?

それで「Bâton de Saint Jacques」を「聖ヤコブの杖」と訳したのですが、「ヤコブの杖」というのも存在していました。

これは天体の高度角を測る道具で、フランス語では「Bâton de Jacob」。

こちらはJacobとなっているので、ゼベダイの子の聖ヤコブ(Saint Jacques)とは全く関係ないはず。

この道具の名前となっているヤコブとは、旧約聖書に登場するヤコブだという説もあるけれど、そうではないという説もあって、はっきりしていないようです。

旧約聖書に出てくるヤコブと杖に関係があるのかと疑問に思ったのですが、あるのですね:
キリスト教にまつわる豆知識:ヤコブの杖
  • ヤコブの神への語りかけの言葉の中に、「かつてわたしは、一本の杖を頼りにこのヨルダン川を渡りました」(創世記32:11)とある。
でも、杖はキリスト教では特別な意味を持っていて、聖書の中に入っている「杖」の文字を拾うと100くらいあるのだそう。「モーゼの杖」と呼んでも良かったはずなので、やっぱり不思議...。


Asphodeline luteaさらに検索していたら、「Bâton de Jacob」と呼ばれている植物がありました:
Bâton de Jacob, Asphodéline jaune

ユリ科のAsphodeline(アスフォデル)。

黄色い花が咲く品種のAsphodeline luteaを「Bâton de Jacob(ヤコブの杖)」と呼ぶようです。

私は白い花のしか見たことがありません。



確かに杖のように伸びた茎花を咲かせています。フランス語の名前でJacobなので、こちらは旧約聖書に登場するヤコブのこと? あるいは、道具のヤコブの杖(クロス・スタッフ)から来ているの?... それにしても、なぜ黄色いのでないといけないのだろう...。


他にも、Polemoniumを「Bâton de Jacob(ヤコブの杖)」と読んでいるサイトもありました。例えば、こちら:
Polemonium (Bâton de Jacob)

ミヤマハナシノブ(学名 Polemonium caeruleum)のこと?

この学名をWikipediaのフランス語ページで出すとPolémoine bleue

Polemonium caeruleumWikipediaの記述では、「Échelle de Jacob(ヤコブの梯子)」の俗名があると書いてあります。

花を見ると5枚の花弁。キリストが十字架にかけられた負った傷は5つで、キリスト教では大きな意味を持っているとコメントで教えていただいたのを思い出して、この花も関連づけたかったかなとは思う。

でも、杖なのか、梯子なのか。どっちなの?!

リンクされていた英語ページでは、俗名はJacob's-ladderと書いてあるので、やはり「ヤコブの梯子」なのでしょうね。

☆ 聖書と歴史の学習館: ヤコブが見た夢/天使の梯子


タチアオイや、上に書いたホタルブクロも、「Bâton de Saint Jacques」ではなくて、「Bâton de Jacob」と呼んでいる人たちもいました。

Pèlerin de Saint-Jacques-de-Compostelle avec sa besace, son bourdon et sa coquille Saint-Jacques fixée au chapeau, gravure de 1568.キリスト教文化圏でも二人を混同しているの?...

巡礼者が誰でも持つ杖よりは、創世記に出てくるヤコブを支えた杖に例えた方が拡張が高くなるような気もする...。

でも、太い茎があるタチアオイをサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路(Pèlerinage de Saint-Jacques-de-Compostelle)を歩く巡礼者の杖に例えるのが最もふさわしい、と私は思うのですけど...。

「Saint Jacques(聖ヤコブ、帆立貝)」と「bâton(杖、棒)」をキーワードにして検索していたら、日本の焼き鳥のようにアレンジした料理のレシピが出てきてしまいました。帆立貝を串に刺して焼いた料理。さすがに、巡礼者の杖には例えてはいませんでした!


巡礼の杖に関する情報を検索していたら、「bourdon」という単語が出てきました。

この単語は蜂の種類に使われていて(この蜂です)、それに例えた野生のラン(Ophrys bourdon)があるので覚えていたのですが、辞書をひいてみたら「巡礼杖(Bourdon de pèlerin)」の意味もあるのでした。他にも色々な意味がある単語だったのですが、省略。

巡礼杖の意味を持つbourdonは、ラテン語の「burdo(フランス語でmulet。雄ロバと雌馬の交雑)」からできた言葉。つまり、巡礼者を助けてくれるイメージですね。英語では単純に「Pilgrim's staff」と呼ぶようでした。


フランスのことを理解しようと思ったら、聖書に関することを知っていなければいけない、とは分かっているのですけれど、奥が深すぎてお手上げ状態です...。


追記:

コメントで、タチアオイの花をニワトリのトサカにして遊ぶというのが日本にあると教えていただいたので、記事にしました。この遊びのためにタチアオイをコケコッコ花と呼ぶのだそうですが、フランスでは鶏冠に例える花は別にあったりして、面白い発見でした♪

コケコッコ花? 花と鶏冠の関係 2015/07/27




ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで感じるキリスト教文化
★ 目次: サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路に関する日記

外部リンク:
Centre de Recherche sur la Canne et le Bâton: Le bâton ou bourdon des pélerins
Que représente le bourdon (bâton) du pèlerin ?
L'arbalestrille ou bâton de Jacob
Saint Jacques et le pèlerin dans le langage populaire
キリスト教における杖
キリスト教文化センター/同志社大学: 一本の杖
Asphodelus albusアスフォデルス・アルブス(ユリ科)
☆ Wikipédia: Attributs des saints


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 植物 | Comment (10) | Top
この記事のURL | Rédiger
2015/07/19
今日は野菜畑でとれたサヤインゲンを初めて食べた日。小さなうちに食べるのが好きで、八百屋さんでは売っていないような小さなものを収穫します。小指の太さにもなっていないサイズ。高級食材を扱う店では、小さなのを売っているのを見ましたけど。

フランス人は黄色っぽく茹であげてしまうのですけれど、私は塩を入れた熱湯で茹でるので、緑が美しい。シャキシャキ感がある程度のアルデンテ。茹でたのをそのまま食べるだけでも美味しいと感じる味がありました。

フランス人はサヤインゲンを緑色に煮ない 2006/07/20

フランスにいるとき、サヤインゲンを八百屋さんで買ったことはないように思います。というのも、夏になるとたくさん収穫できてしまうので、うんざりするほど毎日食べるからです。

つまり、サヤインゲンを食べたのは1年ぶり、ということですね。

これから、八百屋さんで野菜を買うことは殆どなくなるだろうと思います。自分でも野菜を作っていますが、ご近所さんも同じ。食べきれないほどできてしまうので、おすそ分けもたくさん来るのです!


予期していなかった夕方のスペクタクル

夕食を済ませてパソコンに向かっていたら、視界の外れから入ってくる光がなんだか変...。

ふと窓を見ると、虹が出ているではありませんか!

カメラを持って階段を駆け下りました、



少し前にはトラクターで収穫をしている音が響いていてうるさかった、遥か向うにある穀物畑のところから虹があがっていました。

日本で虹を見た記憶がないのですが(無いはずはないとは思うけれど、思い出にない)、フランスではよく虹を見ます。

車に乗せてもらって旅行しているときには、にわか雨があると、体をひねって前後左右見回します。100%と言っても良いくらい、虹が見えますので。


今日は雨が降らなかったのですけれど、少し離れたところでは夕立があったのでしょうね。虹が見えるとは全く思っていなかっただけに嬉しかったです。

それに、外出先で見るのとは違って、自分の家の庭にある椅子に座って、のんびりと虹を鑑賞するのは良いですね。虹が変化していくのも堪能できました。

しばらくしたら、虹は二重になりました。



左側に写っているのは、このときブログの新しい記事のために書きかけていた「聖ヤコブの杖」と呼ばれる植物です。


少しぼやけてはいましたが、虹は180度に広がってくれました。それを家の南側正面でやってくれたのには感激です。

反対側では、虹が点線になったりもしました。



そのうち、木々は夕日を浴びて金色に輝きだしました。

こういう風に木の幹にスポットライトのような光が当たって輝きだすのを見ると、いつも、今は亡き友達がここに滞在したとき、「見て、見て~! 私はこの瞬間が大好きなの」と言ったのを思い出してしまいます...。

自然はなんと美しいのでしょう...。
自分が抱えている問題なんか、取るに足りない些細なことなんだと思えてくる...。


少し前、ここから7月14日の祭日で打ち上げられた花火を見たのですが、虹の方が遥かに美しいと思いました。

なんと言っても、この静寂さ!
聞こえるのは、空高く飛んでいる鳥たちの鳴き声だけだったのですから。

虹を見るだけではなく、バードウオッチングにもなりました。鴨の群れが空を横切るのなどは、普通のときには気を付けていなかったと思う...。

虹はどのくらいの時間見れるのか確認するために、デジカメで始まりと終わりの写真を撮って記録したのですが、今日は30分間でした。私が気付く前からスペクタクルは始まっていたのかもしれませんけれど、あっという間に消えてしまう虹もあるのですよね。


追記:
少したって、また二重の虹が出たので、虹について調べて書きました:
虹の不思議 2015/08/10

ブログ内リンク:
奇妙な虹を見た夕方 2008/06/20
★ 目次: 空や天気に関する記事(虹、太陽、月、空、雪など)


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 四季、自然 | Comment (2) | Top
この記事のURL | Rédiger
2015/07/18
先日の食事会で出したエポワスは、「AOC/AOPエポワスは不思議なチーズ」に書いたように、冷凍していたものを解凍したチーズでした。

クリーミーというのも度を超して、トロトロ状態。

でも、皆も大喜びで食べていたし、私も格別に美味しいと思いました。

簡単に作った和食を食べる会のメニュー


それでも特大サイズのチーズだったので、3分の1くらいが残ってしまいました。

解凍した食品は早く食べきってしまわなければいけないので、問題が発生!

それで、エポワス・チーズはソースにもなることを思い出しました。


簡単にできるエポワス・ソースが素晴らしい

ステーキなどにのせると非常に美味しいのです。

実は、フランスの肉屋では牛肉のミンチをその場で作ってくれるために美味しいものが手に入るので、ときどきハンバーグを作っています。食事会で残ったエポワスでソースを作って食べてみたら、ハンバーグには最高の食べ方だと思うほど気に入りました。

以前に見つけていたハンバーグのソースは、これでした:
エシャロットを使うソース・マルシャン・ド・ヴァン 2009/03/30


風味がないパサパサの肉でも、こういう濃厚なソースを添えれば美味しく食べられてしまいそう...。

エポワスで作るソースは、いたって簡単に作れるのもメリットです。つまり、努力をしたくない私向き!

小鍋にエポワスと生クリームを入れて、ほんの少し弱火で加熱し、コショウを少し振りかけるだけで出来上がりです。とろりとしたソースになり、濃い目のクリーム色のソースと肉とのコントラストも食慾をそそります。

... と、いい加減に書くのも申し訳ないので、ソース・エポワスのレシピをフランスのサイトで調べてみたので、オーソドックスらしいレシピを入れておきます。

 Sauce à l'époisses pour accompagner les viandes
  • 材料:
    • 熟成したエポワス 100 g
    • 生クリーム 20 g
    • コショウ、ナツメグ
  1. 鍋に生クリームを入れ、ごく弱い火で温め、そこに小さく切ったエポワスを加える。皮は取り除く必要はなく、加熱すれば溶ける。
  2. 弱火のままにして、固まってくるのを待つ。
  3. コショウとナツメグを少々振りかける。チーズに塩分があるので、塩は絶対に入れないこと。


トロトロ状態のエポワスだと、スプーンですくって生クリームと混ぜるだけでOKです。たいていエポワスが食べ時を過ぎたときにソースにするので、エポワスを切ったりしたことはありませんでした。


ステーキを焼いたフライパンでエポワス・ソースを作るレシピもありました。

 Entrecôte à l’époisses sauce
  • 材料(8人前):
    • 牛ステーキ肉(肩ロース、ヒレ、サーロインなど)8枚
    • エシャロット 80 g
    • バター 80 g
    • 生クリーム(固いタイプ) 40 g
    • エポワス 1個(250 g)
    • 塩、コショウ
    • 白ワイン(ブルゴーニュが好ましい) 15 cl
  1. エシャロットの皮をむき、こまかく切る。
  2. エポワスと生クリームを混ぜる。
  3. フライパンにバターを入れて牛肉を焼く。焼きあがったらフライパンから取り出し、冷めないようにしておく。
  4. ステーキを焼いたフライパンでエシャロットを炒め、しんなりしたら白ワインを入れて鍋の底の肉汁を溶かす。ほとんど水分がなくなったら生クリームとエポワスのミックスを加え、ソースがねっとりするまで加熱し、塩・胡椒で味を調える。
  5. ステーキにソースをたっぶりかけて出す。


どんなソースなのかをお見せるために写真を入れます。エポワス村にあるレストランで、エポワスづくしの定食を食べたときのメインディッシュとして出たステーキです。



実は、これは、気に入らなかった料理として記録していた写真です。地元にあるレストランのスペシャリティーであるはずなのに、家庭で作ったソースの方がずっと美味しいと思ったのでした。

本当にエポワスが入っているソースなのだろうかと疑ってしまうほど薄味。エポワスをたっぷり入れれば、もっとクリーム色が鮮やかで美しいソースになるのです。

エポワスは高いチーズなので、レストランはケチったのだろうかと思いました。でも、癖があるチーズなので、誰にでも抵抗がないように、熟成していないチーズを使ったのか、量を少なくしたのかもしれません。

エポワスをたっぷり入れた濃厚なソースにすれば、こんなに牛肉が隠れるほど使わなくても美味しくいただけるのですけどね...。

他にもエポワスを使ったレシピは色々あります。とろけるチーズとして使えて、普通のチーズより味わい深いものができるので、レシピは無限にできているだろうと思います。

チーズを世界中から集めたグルメMAP!フランス産チーズを検索
エポワスを検索


ブログ内リンク:
★ 目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム)に関して書いた日記
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク(エポワスを使った仏語のレシピ:
☆ Syndicat de défense de l'EPOISSES: Recettes
Recettes à base d'époisses


シリーズ記事: 日本料理の夕食会を開いて(2015年夏)  目次


にほんブログ村 グルメブログ フランス料理(グルメ)へ
にほんブログ村