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2015/10/29
今回のパリ旅行は目的があって行ったので、それ以外はどうでも良いことばかりしてきたような気がします。たまには、普段はやらないことをするのも経験にはなるので、無駄にはならないとは思うのですが。

せっかくパリに滞在するのだから、と時間を惜しんだら行かなかったようなイベントにも行ってしまいました!

泊まったホテルの近くにあったツーリストオフィスに行って、滞在中に何か面白いイベントをしていないかと聞いたら教えてくれたところに行ったのです。

なんと、軍隊の基地に一般の人たちが入れるという公開日のイベント。歩いてすぐのところでなかったら、間違っても行かなかっただろうと思います。

2015年秋 パリ首都圏旅行シリーズ
その7  
目次

私が宿泊したのは、パリ市に隣接するヴァンセンヌ (Vincennes)だったのですが、ほんの少し先にある軍隊の敷地はパリ市だったのでした。

ここのところパリの公園について書いていたのですが、ヴァンゼンヌ市に所属した方が自然なヴァンセンヌの森はパリ市の所有になっているのです。

ホテルを出て道路を渡ればヴァンセンヌ城、そこからは城の庭園やヴァンゼンヌの森に続くという緑いっぱいの空間。でも、統計は市町村の区画で出すので、ヴァンゼンヌ市はパリに次いで人口密度が高いのだそう。確かに、人はいっぱい道路を歩いていました。でも、ちょっと雑踏を離れれば広人しているので、この街には裕福な人たちが住んでいるというのは納得できました。

一般公開のイベントは、Quartier Carnotというところでしていると教えてもらいました。
この地域の航空写真

手前にあるのがヴァンセンヌの城で、その向うの森の中にあるのが軍隊の敷地です。


何事もなく敷地内に入った

朝食を済ませてから、散歩がてらという感じで公園のようなところを通って歩きました。

イベントはまだ始まっていませんでした。軍隊の敷地の門のところで待ちながら、張ってあるイベントのポスターを眺める。

ふと、その下に目がいったら、危険マークがあるではありませんか!

ハッと気がつく。私が行こうとしているのは軍隊が持っている区画なわけで、そういうところって、危険がいっぱいのはずなのでよね~。思い出せば、今年の1月にはパリですごいテロがあった...。



書きながら調べてみたら、危険マークは黄色から始まっていて、こういう風に赤い色になっているのは、どす黒い赤色の一歩手前で、テロに対する超危険度を示すシグナルなのでした。

外国人の私が入ろうとしたら、なんだかんだ調べられるのかな?... そうなったら、「イベントなんか見なくても良いので帰ります」と言うことにしよう、という台詞まで考えた私。

とはいえ、のんきに門が開くのを待ちました。

オープンという時間は過ぎています。軍隊って、規律正しいところなのではないですか? そんなだからフランスは、フランス革命以降はまともに戦争に勝ったことがないのだ... なんて思ってしまう。

ようやく開門。緊張した雰囲気はなくて、入るにあたっての身分証明書を見せるチェックも、空港なんかよりも簡単なのでした。

ちらちと身分証明書を見せただけで、普段は立ち入り禁止の区域に入ることができました。

入り口のところでは、馬の蹄鉄を作るのか、修理するのか、どちらか分からないけれど、そんなことを見せている鍛冶屋さんグループがいました。

普通のイベントと、何の変りもないな...。


Ateliers de traditions : maréchaux-ferrants

売店や、仮設レストランもできていました。繰り返して言うけれど、普通のイベントと何も変わらない!

売店では、軍隊グッズが売られていました。好きな人もいるのでしょうね。

下は、フランスのトランプの一種のタロ(Tarot)というゲームで使うカード。軍隊関係の絵が入っているのが面白い。こんなの、他で見たことがありませんでした。



占いのタロットと同じ大きさのカードだと思うのですが、こちらは占いとは無関係で、切り札が21枚とジョーカーが入ったトランプのようにゲームをします。タロのやり方を教えてもらったのだけれど、久しく遊んでいませんでした...。

この日にイベントに行ったのは、みごとに調教された馬が見たかったからです。馬場では、イベントとは無関係そうでしたが、馬を走らせている人がいました。



それにしても、立派な建物だし、敷地はかなり広そうです。

馬小屋も覗いてみました。




2コマだけ見学

イベントに行ったときは、軍隊の敷地内に入れて、何か見るものがあるという程度しか知らなかったのですが、ブログに書きながら調べてみたら、フランス共和国親衛隊(Garde républicaine)の一般公開日のイベントなのでした。

見学しているうちに、見せ物が始まる時間になりました。

朝一番でするイベントの2つを見ることにしていました。
  1. Aubade de la fanfare de cavalerie
  2. Grenadiers de l’Empereur et batterie napoléonienne
日常生活には無関係の単語が並んでいますが、1番目のは馬に乗った人たちがファンファーレの音楽を奏でるオーバード(朝の表敬音楽)で、2番目のはナポレオンの軍隊の大砲を撃ったりするはず。

ここでも、予定時刻を過ぎても始まらなかったのですが、やっと、出演者たちが集まってきました。



飾り立ててしまっていて面白い。でも、上着の裾をはしょっているところなど、動きやすい服装にしている努力は見えますね。

馬の姿が見えません。まさか、このタテガミというか、ポニーテールとうかの飾りを付けているから馬というわけではないでしょう? cavalerie(騎兵隊)というからには、馬に乗った人でなければならないはずなのだけどな...。

もっと古い時代、ナポレオン時代の軍服姿の人たちも会場にやってきました。



ここに至って、馬は登場しないらしい、と確認しました。なあんだ、がっかり。フランスの場合、軍隊は規律正しくやっています、というのはアピールしないでも良いのでしょうかね?...



昔の人たちは、こんな派手な格好で出陣したのかと感心...。でも、今の時代の味気ない軍服と違って、「お国のために戦うのだ」という意識を持たせることができる舞台装置だったのでしょうね。

彼らはヴァンセーヌ城をバックにした広場に移動して、音楽を演奏を始めました。なかなか悪くない演奏。

ナレーターが説明してくれます。昔の戦争では、音楽隊が軍隊の先頭に立って元気づけの演奏をした。だから、敵から撃たれる確率が高いのも音楽隊。片手を失っても演奏できる曲などというのもご披露されて、二人でコンビを組んで太鼓を打ったりしていました。



玩具のような大砲は飾りなのだろうと思っていました。でも、銃は撃つし、大砲も発射していました。すごい音がする!


Grenadiers de l’Empereur et batterie napoléonienne


軍人になりたい人を募るPR活動?

私が行った今年9月末のイベントをYouTubeに入れている人もいました。これで何をしたのか、ハイライトが全て見れますね。


Portes ouvertes de la Garde Républicaine - 27 septembre 2015 HD


こんな風にやられると、戦争の血なまぐささは全く感じなくて、遊園地でするような、お楽しみのアトラクション。

こうやって軍隊をアピールして、軍人になる人を増やそうという魂胆なのかもしれない。フランスは徴兵制度を止めたので軍人は足りないはず。

さらに、昔は軍人になると非常に待遇が良かったのだそうですが、最近はそうでもないそうなので、集めるのは難しいだろうな...。

軍人の待遇が良かった昔は、危険な戦争に行くと、1年働いたのが数年分に換算されて、早期に年金生活ができたようです。私の近所に軍人だったお爺さんがいるのですが、彼は35歳で老齢年金を受給できる労働期間をクリアーして、それからずっと働かないで趣味にふけている年金生活。そういう好待遇は、今のフランスではもうありえないのだとか...。

軍隊に入る若者を増やそうという狙いもあるイベントなのかもしれない。たまたま珍しいイベントにぶつかったと思って行ったのですが、調べてみたら、こういう一般公開日は年に何回もしていたのでした。


馬に乗った音楽演奏、王朝時代の衣装も

なんの断りもなく馬は出てきてくれなかったので、もし見れたらどんな感じだったのだろうかと思ってインターネットで動画を探してみました。


Fanfare de Cavalerie de la Garde Republicaine


私が見たのは、最も古い衣装でナポレオン時代のユニフォームだったのですが、イベントではもっと古い衣装でもするのでした。


La Maison du Roy

これはシャルル7世が作った軍隊のMaison du Royと呼ばれるもので、共和国親衛隊はルイ15世時代の衣装をモデルにしているのだそう。

どうせ見るなら、フランス革命前の衣装を見たかったな...。そう思って日程表を見たら、私があと1時間半くらい待っていれば登場していたようなのでした。

赤い衣装が華やかですね。フランス軍は、第一次世界大戦まで赤い色が入った軍服を着ていたのですが、目立ちすぎて殺されてしまうというので地味な色にしたのですよね。当時は、他の国々ではみな地味な色の軍服にしていたのに、フランスは遅れてしまったらしい。

赤いのはきれいで良いですけど、戦地に行ったら目立ちすぎるだろうな...。

王朝時代の姿で馬に乗るところが見たかったな... と思って動画を探したら、ありました。


Maison du Roy de la Garde Républicaine

ちらりと見たときには、フランス大統領官邸の前に立つ衛兵がこんな服装だったら、バッキンガム宮殿や。バチカンのスイス衛兵のように観光客の人気者になるのにと思いました。でも、よく見ると衣装は少し安っぽいですね...。

エリゼ宮ではどういう衛兵交代をしているのか見てみました。


Relève de la Garde Républicaine devant l'Elysée

バッキンガム宮殿前などは衛兵交代の時間になると、観光客がたくさん集まるのですけれど、こちらはチラホラいる感じですね。

イギリスの衛兵は近衛兵と呼ぶのですって。女王が統治している国からであって、フランスの場合は大統領だから親衛隊と呼ぶわけですか。

日本でも、皇居の前では衛兵交代をしているのだろうか? 画像を探して眺めてみました(こちら)。警察官のようなユニフォームで味気ないのですね。どうせなら、平安時代の「舎人(とねり)」とか何かの服装にしたら美しいでしょうに...。日本には素晴らしい民族衣装があるのに、皇室関係者は結婚式のときくらいにしか着てくれないのですよね。


フランス共和国親衛隊って、なに?

イベントをしていたのは、共和国親衛隊(Garde républicaine)に所属する人たち。ユニフォーム姿は誇らしげに見えました。こういう服装で戦争に行くことはないでしょうから、彼らは軍隊に入っていても戦争に行かなければならないということはないでしょうから、良いポジションですね。お仕事としては、乗馬や音楽の練習をしたりするわけでしょう?

7月14日の革命記念日に、パリのシャンゼリゼ大通りで軍隊のパレードがあるのですが、そういうときに出てくる人たちなのだなと思いました。

☆ Wikipedia: Garde républicaine » フランス共和国親衛隊

フランス共和国親衛隊の役割は、Wikipediaではこんな風に説明していました:

要人警護や国賓等に対する栄誉礼の実施のほか、大統領府や立法府の警備、フランス銀行が発行する貨幣の輸送護衛や主要なマラソン、自転車レースの先導も任務である。

共和国親衛隊は国家憲兵隊(Gendarmerie nationale)に属しているのだそう。こちらは地方警察官のことなので、お馴染みの軍人さんです。警察官としては、大きな町にはポリス(Police)と呼ばれる人たちがいますが、それ以外の地域にいる警察官は「Gendarme」と呼ぶ人たち。

Gendarmeを仏和辞典でひいたら、こう書いてありました:
(警察権を有し治安任務に当たる)憲兵

「憲兵」と言われると、怖い人たちに思えてくる...。ご近所の知り合いを思い浮かべると、みんな良い人たちなのですけど。

共和国親衛隊(Garde républicaine)は華やかな任務なので、かなりのエリートでないと入れないのではないでしょうか?

でも、パレードなどで派手な舞台に立つ「missions d’honneur」と呼ぶ 役割を負っている人は、共和国親衛隊の中で20%に過ぎないのだそう。

こういうのを見て、カッコいいな~などと憧れて軍隊に入ると、鉄砲を持って戦場に行かされたりして?...

日本の自衛隊も一般の人たち向けにイベントをしているのだろうと思って探してみました。ものすごく規律正しい動きをしているので恐い。見つかった動画のリンクを張るのは止めておきます。

共和国親衛隊のイベントはリラックスしていて、それなりに楽しかったです。一度見ればたくさんなので、また見たいとは思わないけれど。

ブログ内リンク:
★ 目次: 戦争に触れて書いた日記

外部リンク:
☆ Wikipédia: Plan Vigipirate
Portes-ouvertes-a-la-Garde-republicaine
Portes ouvertes de la Garde Républicaine, les 26 et 27 septembre 2015, Paris (75)
Les journées portes ouvertes 2015, des régiments et unités de l’armée de terre 
☆ Wikipedia: Garde républicaine » フランス共和国親衛隊
☆ オフィシャルサイト: Garde républicaine
Grande Guerre; pourquoi l'uniforme français ne pouvait-il être que bleu clair
☆ ニコニコ大百科:  衛兵とは
イギリス王室の「近衛兵」がなにかと話題と笑いを振りまいている
☆ 京都市観光協会: 葵祭 行列の説明
Découvrez le palais de l'Élysée, fief du président de la République
平成26(2014)年11月14日 自衛隊音楽まつり(日本武道館)


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2015/10/19
2015年秋 パリ首都圏旅行シリーズ
その6 
目次

今回のパリ滞在では、2つの公園に行って、パリの生活環境も悪くないなと思ったのでした。
 
 
 

ところが、訪れた公園について書きながら情報を拾っていたら、パリ市には緑地が少なすぎるのが問題になっていて、最近のパリ市は熱心に緑地を増やしている、と出てきたのでした。


ヨーロッパの首都の中では、パリは極端に緑地が少ない

パリにある緑地は、住民1人当たりで5.8 ㎡しかないのだ、と言われていました。「公園」ではなくて「緑地」と呼ぶのは、日本なら「公園」と言われる空間なのに、フランスでは色々な名称で呼ばれるからでしょう。

5.8 ㎡を畳の大きさで計算すると、1人あたり3枚半ですか。でも、大の字になって寝っ転がれる広さか...。

1人あたり5㎡しかないのは余りにも貧弱で、せめて30~35㎡はなければいけないのだ、と言われていました。でも、1人あたり5.8㎡というのは、パリ市の東と西の外れにある大きなブローニュの森(846 ha)とヴァンセンヌの森(995 ha)を抜かした場合の計算なのでした。

この2つの森を入れると、1人当たりの緑地面積は14.5 ㎡ になります。

そうなると、家族4人で公園に行った場合に確保できるのは、17.5坪、35畳。住民全部が公園に繰り出すということはありえないので、ある程度は広い空間を享受できるではないですか?...


ともかく、パリ市内には緑も少なすぎるので、近年のパリ市は熱心に緑地を増やしているそうです。

パリ市内の緑地部分を示した地図を眺めてみました(クリックすると拡大) ↓

Green spaces in Paris
☆ Wikipédia: Liste des espaces verts de Paris

同じように東京都の地図に公園を示した地図を探したのですが、見つかりませんでした。パリは東京の山手線の中という感じの広さだと思うので、東京23区の地図で見たかったのだけれど...。

【追記】
山手線の中の面積は63~65,000㎢(6,300~6,500 ha)。パリ市の面積は105,40㎢ (10,540 ha)。2倍まではいかないのですが、けっこうパリは広いのですね。確かに東京駅から池袋駅などは意外に簡単に歩けてしまえましたが、パリでルーブル博物館からエッフェル塔まで歩こうとしたときには大変すぎるので途中で放棄しました。

この地図をみると、パリにはかなり緑地があるように見えました。でも、ヨーロッパの他の国の首都と比べると非常に少ないのだそうです。

住人1人あたりの緑地の面積は、アムステルダムは36 ㎡、ロンドンは45 ㎡、ブリュッセルは59 ㎡、マドリッドは68 ㎡、ウィーンは131 ㎡、ストックホルムは300 ㎡、ローマは321 ㎡もあるのだそう。フランスではヨーロッパ諸国との比較ばかりやるのですが、ニューヨークと比べると、パリ市の緑地は半分しかないのだそう。

確かにパリの緑地は少なすぎますね。パリは、町の中心部だけが行政区画として残っていて、郊外が入らない。従って、パリ市の面積は非常に狭くて、極度に人口が密集しているが、緑地が少ない原因なのでした。


フランスで最もグリーンな都市は?

フランス国内にある都市の中では、どの町が最もグリーンかを調べた調査がありました。公共の緑地などに携わっている業者の全国連合UNEP(Union nationale des entrepreneurs du paysage)が、2014年に行った調査です。

調査の対象は、フランスで人口が最も多い50の都市。

大都市の緑地平均値
  • 住民1人あたり、緑地面積: 31㎡
  • 住民1人あたり、緑地新設と維持費: 47ユーロ
  • 住民1人あたり、樹木の本数: 0.2本
  • 都市の緑地面積: 540ヘクタール 
  • 新たな緑地を作る年間予算: 500万ユーロ
緑地は、公園など、住民が入れる緑のスペースとしていました。


エコシティー・ランキング

この調査では、グリーンな都市のランキングをして発表していました。

緑地が広いかどうかによるランク付けではありませんでした。住民1人あたりの緑地面積が最も広いのは、人口が約12万人のブザンソン市なのだそうですが(200 ㎡ / 人)、トップ10には入っていません。

日本だったら人口12万人で大都市とは扱われないと思いますが、ブザンソン市は県庁所在地で、フランシュ・コンテ地域圏の行政中心地になっている大都市です。最近のフランスでは地域圏を合併する動きが出ていて、フランシュ・コンテ地方は我がブルゴーニュ地方と一緒になるそうなので注目しているのです。


この調査でのランキング付けでは、25の指標で専門家たちが採点したのだそう。緑地が広いだけではなくて、エコロジーや生物多様性の面で努力しているか、緑地の維持や新設に予算を使っているか、住民が公園などに行くように推進しているかなど。

つまり、エコ・シティーと呼ぶのにふさわしい都市かどうかのランキングです。

トップ10の都市は、以下の通りでした。



北半分に集中しています。中でも目立つのは、1位と2位になった都市が入っているペイ・ド・ラ・ロワール地域圏。

1位 アンジェ市(Angers):
住民1人あたりの緑地面積は51 ㎡ で、市の20&が緑地。
町の予算の5%を緑地管理のために使っていて、50大都市平均の4倍に相当する。市はエコロジーにとても熱心。

2位 ナント市(Nantes):
住民1人あたりの緑地面積は34 ㎡ で、市の16%が緑地。
住民1人につき年に98ユーロが緑地のために使われていて、これは大都市平均の2倍。

3位 リモージュ市(Lmoges):
住民1人あたりの緑地面積は52 ㎡ で、市の面積の10%が緑地。

4位は、リヨン市(Lyon)。緑化に対しては市の予算の2.6%が使われていて、1位になったアンジェ市に次いで2番目の力の入れよう。
隣接する市町村を都市圏とすると、200万人を超えるフランスでは例外的な大都市なのですが、風通しの良い町だと表現されていて(大都市特有の息苦しさがない)、サラリーマンが転勤先とするには理想的と言われます。ベスト5に入ったのは個人的に嬉しいです。

5位はメス市(Metz)。廃棄物を環境に優しくしている点で第3位に評価された。


別のアンケ―ト調査で出てきた情報も紹介していました。

1キロ圏内に緑地がある所に住んでいる人たちは、体調も良く、ノイローゼになる率も低い。

そうだろうとは思いますね。パリ市がエコロジーや緑化運動に力を入れたり、市営の市民農園も次々と作るようになって、住みやすいパリになったのかもしれない。パリだけには住みたくないとフランス人たちが言うのも納得できるほど、パリで出会う人たちは苛々していたのに、最近パリに行くと感じがわるい人に出会う確立は激減しました。
4人に3人は、自分が住む市町村にある緑地に頻繁に行っている。

確かに、そんな感じはしますね。都市の公園では、子どもを遊ばせている人も多いし、なんとなく日向ぼっこをしている人たちもたくさん見かけます。

リラックスするために行くというのではなくて、子どもを遊ばせる、スポーツをする、犬の散歩をする、友人たちとピクニックをするなどにも利用されている。

ピクニックをするために公園に行きますか。思い浮かべてみると、昼時には公園で食べている人たちがいますね。フランスの外食代は高いので、昼食代を浮かせようとしたら、サンドイッチを買って公園で食べるしかないだろうな... と思って眺めていました。

パリ市は「パリで何をするか?」というサイトを作っているのですが、その中にはピクニックをするのに便利な公園のリストも入っていました。ピクニック用のテーブルがあるところなどを推薦しているのかも知れません。
☆ Que faire à Paris: Détente ◆ Un pique-nique à Paris


東京とパリの公園事情を比較してみる

住民が入れる緑地を住民の数で割ると、フランス50大都市の平均緑地面積は31 ㎡。パリ市は14.5 ㎡ なので、大都市としては平均の半分しかないということになります。

それでも、パリを歩いていると、東京の都心よりずっと公園が多いように感じるのです。でも、調べてみたら、住民1人当たりの緑地の面積は、森を除いたパリ市と東京都は不思議なことに、ほとんど同じ数値なのでした。

信じられない気がします。私の気のせいなのかな?...

東京都とパリ市のデータを拾って並べてみました。バラバラにあったものを書き込んだので、計算をすると合わないだろうと思いますけど。

都市名東京都パリ市
面積2,191 ㎢= 219,100 ha
※ 東京23区: 622 ㎢
105 ㎢= 10,500 ha
※ 東京23区の5分の1弱
人口1,346万人
※ 東京23区: 895万人
224万人
※ 東京23区の4分の1
人口密度6,140 人/㎢
※ 東京23区: 14,389 人/ ㎢
21,258 人/㎢
※ 東京23区の1.5倍
緑地の総面積7,696 ha (1)3,000 ha強 (2)
住民一人当たりの公園面積5.78 ㎡5.8 ㎡ (3)
14.5 ㎡ (4)
全体に占める
公園面積の割合 (5)
3.5 %29 % (6)
  1. 公園の面積(東京都建設局発表)。
  2. 2つの大きな森(ブローニュの森、ヴァンセンヌの森)を含めた緑地面積(パリ市発表)。2つの森と490カ所のjardin(ガーデン)の面積。並木、環状線の土手、花壇などは含ずに3,000ヘクタール以上あるとしている。Wikipedia情報では、2,393 haで、その内訳は、bois(森林)2カ所、parc(公園)16カ所、jardin(ガーデン)137カ所、square(小公園)274カ所、その他(promenade、esplanade、mail、allée、aire de jeux、clos、rond-point)21カ所。
  3. ブローニュの森とヴァンセンヌの森を含めない場合(パリ市発表)。
  4. 2つの森を含めた場合(パリ市発表)。
  5. 全体の面積に対する公園面積の割合を筆者が計算。
  6. パリ市発表の緑地面積(3,000 ha余り)で計算。Wikipediaの緑地面積(2,393 ha)で計算すると22.8 %。2つのおおきな森だけでパリ市の面積の18%を占めている。

東京都の緑地はそんなに狭いわけではないというのが腑に落ちないので、最後に緑地の綿製を全体の面積で割ってみたら納得でいました。パリの場合は、全体の3割くらいが緑地になっているのに、東京都はたったの3.5 %。

つまり、パリには緑地が多いけれど、人口が多すぎるので一人当たりの緑地面積が少なくなってしまうということなのでしょうね。でも、私のような観光客は空間しか見ないわけなので、パリには緑地が多いと感じるのでしょう。

改めて数値を見ると、パリ市の人口密度は東京都の3倍以上もあるのでした。東京23区と比較したら、だいぶ近づきますけど。これも実感がわいてこない。東京の都心にあるターミナル駅のあたりなど、地面から湧いてくるように人がたくさんいて恐怖感さえ思えるのに...。


パリには公園が少ないといっても、緑の中に身を置きたいと思ったら、大して努力しないでも行くことができるので、東京の都心に住むのとは事情が違うと思います。日曜日に郊外に出て良い空気を吸おうというのも簡単にできるのです。

例えば、パリから地下鉄に乗って1時間足らずで到着するサン=ジェルマン=アン=レイ。地下鉄の駅に行くと、終点として名前が出ているので覚えてしまった地名。

この町に行ったときに書いたブログで使った写真を入れます。



ホテルの窓から撮影したもので、中央に見えるのはセーヌ河。こんなに森だらけの風景になっているのです。

東京から新幹線に乗って横浜に到着する時間が過ぎたら、パリなら地平線のかなたまで人家は見えない田舎の風景が広がってしまいます。


東京都内にある公園

東京都建設局のサイト情報によると、公園(都市公園 *、都市公園以外の公園 **)の面積は合計約7,696ヘクタールで、都民一人当たりの都市公園等の公園面積は5.78 ㎡(2014年)。
*  建設局で管理するのが都市公園(国営公園、都立公園、区市町村立公園)で、81カ所(約1,991 ha)。
** 区市町村が設置する児童遊園等、国が設置する国民公園等、東京都港湾局が設置する海上公園、公社・公団等が設置する住宅地内の公園、東京都環境局が設置する自然ふれあい公園

東京23区内だけでも、けっこう広い都市公園があるのでした。

http://1manken.hatenablog.com/entry/2015/01/24/131718
23区内の都立公園面積TOP10 地図で比べてみた


上にリンクしたサイトでは「都立公園」と書いてあるのですが、「都市公園」を指していました。これをパリにある公園の広さのランキングと比較してみました。飛びぬけて大きな森が2つあるのを除けば、パリは東京より公園の規模が小さいのですね。

東京都23区の都市公園パリ市の公園
 Bois de Vincennes
995万 m2
Bois de Boulogne
846万 m2
水元公園(葛飾区)
93.7万 m2
 
葛西臨海公園(江戸川区)
80.6万 m2
舎人公園(足立区)
62.9万 m2
光が丘公園(練馬区/板橋区)
60.8万 m2
代々木公園(渋谷区)
54.1万 m2
Parc de la Villette
55.0万 m2
上野恩賜公園(台東区)
53.9万 m2
Jardin des Tuileries
28.0万 m2
ほかに...
20万以上の公園: 10カ所
|40~49万: 2カ所
|30~39万: 2カ所
|20~29万: 6カ所
Parc des Buttes-Chaumont
24.7万 m2
Parc du Champ-de-Mars
24.3万 m2
Jardin des plantes
23.5万 m2
Jardin du Luxembourg
22.5万 m2



東京の公園をうまく活用できない...

大きな公園が東京にはあると知ったのですが、上位4つは都心からは離れていますね。例えば、自然に触れるために水元公園に行こうとした場合、車だと30キロくらいの距離。東京駅から電車に乗ると、1時間くらいかかるようです。

パリの2つの大きな森は、市の中心から4~5キロのところにあります。ルーブル美術館を見たあと、ちょっとヴァンセンヌの森に行ってみようと思って地下鉄に乗れば、20分くらいで着いてします。

むかし、始めてフランスに長期滞在して帰国したとき、東京の公園を利用しようと思い立ちました。まず行ったのは上野の公園。ところが、歩き出してから5分もしないとき、どこからともなく男性が現れて声をかけてきたのでした。一見して痴漢だと分かるので怖くなりました。

それであせって、「私、急いでおりますので」と言って、足早に公園を通り抜けました! のんびりしようと思って行ったのに...。

気がついてみると、日本の公園というのは、雨が多いせいか木がうっそうとしていて、土もサラサラとはしていなくて、どことなく陰気な雰囲気があるのでした。それ以来、公園に行くのは止めました。いま行ったら、誰も追いかけて来なくなっているでしょうけれど!

1人で行ったのがいけなかった。その後、友達とお茶をしようということになったとき、電車で行くと乗換なしで行けるところに大きな森林公園があるので行ってみようと、と誘いました。書きながらしらべたら、あそこは国営武蔵丘陵森林公園といって、埼玉県なのですね。

森林公園行きの電車に乗った私たち。なかなか到着しない。1時間くらいして目的地に着いたときには、帰りのことを考えたらのんびりはできないと分かって、そのまままた逆の電車に乗って戻ってきてしまいました。

あるとき、やはり自然の中で息抜きがしたいと思って明治神宮に行ってみました。ところが、くつろげる雰囲気ではないのでした! 余りにもショックだったので、ブログに書いています:
帰国した日本は騒音地獄 2004/02/15

高校生のときには新宿御苑に行って勉強するのが好きだったのを思い出しました。久しく行っていません。東京にいるときに遊びに行くのに便利な公園を見つけたいと思いました。

東京の大きな公園では、バーベキューができるところがありました。でも公園情報を見ると、遊園地風に見えるところもある。庭園になっているところは入場料をとられる。フランス風にふらりと公園に行って、のんびり時間を過ごしたかったら、ちゃんと探さないとダメなように思いました。電車に1時間以上も乗ってでかけて、がっかりしたら悔しいですから。


フランスのドキュメンタリー番組: 世界の首都の比較

フランスで教養番組のテレビ局Arteが、「Naturopolis」と題するシリーズで世界の大都市の緑化に対する努力に関するドキュメンタリーを作っていました。東京とパリもその中に入っていたのです。

東京編の予告ビデオ: ⇒ 英語版の動画はこちら


Naturopolis - Tokyo, de la mégapole à la ville-jardin

下の方が、少し長く入れています ↓


NATUROPOLIS : TOKYO - BA VF

全部は有料でしか見れないのが残念。

江戸時代の江戸はガーデン・シティーだったのだから、今のコンクリートジャングルに昔の東京の姿を取り戻そうと努力をしている人たちがいる、という纏め方のようです。

何かの本で、江戸で空間を占領していたのは武家屋敷の地域で、庶民はひどく密集して住んでいたのだ、と読んだのだけれどな...。

歌川広重の『名所江戸百景(1856年)』は、江戸と言いながら田舎のような風景ばかりが入っているので驚きます。でも、庶民の家がゴタゴタに並んでいるのも垣間見れるのです。

画像をクリックして拡大していただかないと人家が見えないでしょうけれど、1つの例 ↓

 日本橋江戸ばし

ともかく、日本編を見ていないので、ドキュメンタリーでは何を報道していたのか分かりません。


パリに関するドキュメンタリーは、パリに生物多様性を取り戻す努力、緑化を進めている様子などを見せていました。理想とする未来型のグリーン・シティが実現するか?... ということろ。

パリ市に関するドキュメンタリーは、次のサイトで全編を見ることができます:
Naturopolis  Et si Paris se mettait au vert...

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの都市と農村 »  Parisについて考える

外部リンク:
【パリ市の緑地】
☆ Paris.fr: Nature et espaces verts
☆ Paris.fr: Espaces verts  Parcs, jardins et squares de Paris
☆ apur: Développer le végétal à Paris. Les nouvelles règles du Plan local d'urbanisme de Paris 2004年
25 hectares de nature en plus à Paris en 2013
Bois, parcs et jardins à Paris (現在と1900年の姿の写真)
Avec les jardins partagés, Paris part en campagne
フランスニュースダイジェスト: 夏のパリの公園へ行こう

【フランスのグリーンな町】
☆ UNEP: Le Palmarès des villes les plus vertes de France 2014年
Le palmarès des villes les plus vertes de France
Quelles sont les villes les plus vertes de France
☆ Wikipedia: フランスの都市の一覧

【Arte - Naturapolis】
☆ Télérama: Naturopolis (2013) - Documentaire
Et si Paris se mettait au vert, ça donnerait quoi Réponse ce soir sur Arte Ma planète
Naturopolis - Tokyo, de la mégapole à la ville-jardin en streaming
Tokyo, de la mégapole à la ville-jardin ARTE Future
☆ Arte: Naturopolis - la série

【日本情報】
☆ 東京都建設局: 東京都の公園 ⇒ 東京都の公園 (パンフレットダウンロード)
~公園に行きたくなるサイト~ 公園へ行こう!
一人あたりの公園面積
☆ 東京都政策企画局: 世界の中の東京


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カテゴリー: 日仏の比較 | Comment (6) | Top
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2015/10/14
フランスの田舎からパリ首都圏に行くと、人が多いのに圧倒されます。それで、せっかくパリに来たのに人がいなさそうな場所を探してしまう...。

2015年秋 パリ首都圏旅行シリーズ
その5 
目次

それで行ったのが、ノートルダム寺院の裏側。ここにもお花が美しく咲いていました。



公園に行ってみると、向うからやって来た女性2人が植木鉢を持っていました。小さな寄せ植えのように見える。「あら、可愛い~!」と言ってしまったら、「向うに行くとありますよ」と笑顔で教えてくれました。

そちらに歩いていくと、何かやっている。



小さな植物を組み合わせて植えてくれるみたいです。でも、こちらは旅行者なので、こんなのをもらっても仕方ない...。



パリ市がやっているイベントでしょうね。Biodiversité(生物多様性)という文字があったので、そういう教育なのだろうと思います。最近のバリ市は、すっかりエコロジー志向で、住民に環境保護をするような啓蒙運動を色々しているのです。

さっき歩いてきたセーヌ河のほとりにある道路も、歩行者天国にしたイベントをしていました。



セーヌ河に沿った道路は交通量が多くて排気ガスを出す。それで車が通れないようにする運動があるのだと聞いていました。車が通らないと、こんな風にみんなで遊べるよ、というアピールのイベントでしょうね。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの都市と農村 »  パリについて考える

外部リンク:
☆ パリ市: Que faire à Paris
☆ パリ市: Biodiversité nature et développement durable


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カテゴリー: パリは外国 | Comment (8) | Top
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2015/10/13
昼食が済んでから、歩いていけるところにラ・ヴィレット公園があるので行ってみることにしました。腹ごなしの散歩をしようと思ったのも理由でしたが、まだ行ったことがない公園だったので、近くにいることを利用しようと思ったのです。
2015年秋 パリ首都圏旅行シリーズ
その4 
目次


パリ19区

ラ・ヴィレット公園に行ったことがなかったのは滅多に行かない地域だからです。

パリは1区から20区まであって、中心部から渦巻きを描くように区を表す数字が大きくなります。観光するのは、区の数字が小さなところばかり。公園があるのは19区です。

下は、住民の年間賃金収入の中央値を色分けで示した地図。色が濃い方が裕福なので、私が行った19区は貧しい地域ですね...。西と東にある緑色のところは、大きな森を表しています。中央をうねっているのは、ブルゴーニュ地方の水源から流れてきたセーヌ河。

Revenus à Paris et Petite Couronne.JPG

区の数字がよく見えない? 地図をクリックすると、Wikipediaのページでもっと大きな地図が開きます。

なぜ貧富の差がこんなに出るかというと、昔パリに工場があった頃、煙突の煙が流れる方には貧しい人たちが住み、そうでない方向にはお金もちが住んだから、という説明を聞いたことがあります。

こういう地図は、いちおう頭に入れておく必要があります。というのも、フランスでは都市問題というのがあって、町の郊外には所得が低い人たちが住む地域は治安が悪いという問題があるからです。地方としの郊外問題などというのは大したことはありませんが、パリ首都圏のような人口密集地帯だと、治安が悪いというのがかなり強烈なので注意しないといけないのです。

改めて地図を眺めたのですが、19区というのは治安が悪い地域の玄関先みたいなところだったのか...。

19区の先にあるのが、セーヌ・サン・ドニ県。県番号が93。93というのが悪いイメージになってしまっているので、「neuf cube」と言い方ができました。普通に93(quatre-vingt-treize)と言うのを避けて、9・3(neuf-trois)と言われたりしていたのだけれど、ついに「9の3乗」と呼ぶわけ。しゃれた思いつきだと思いました。


Parc de la Villetteラ・ヴィレット公園

行ってみると、まず広々とした運河があるので驚きました。



パリ市内というのに長閑...。


Le canal de l'Ourcq

もう寒くても不思議はない9月末なのに、夏のような日差し日曜日。ピクニックをしたり、日向ぼっこをしている人たちがたくさんいました。



いいな... 東京都内に、こんな風に寝っ転がったり、友達と集まってピクニックをしたりして寛げる場所ってあるのだろうか?...

ラ・ヴィレット公園の広さは55ヘクタール。前回の日記で書いたチュイルリー公園は25.5ヘクタールだったので、その2倍を少し超える広さですね。

敷地内には文化施設などの建物がありますので、緑地部分は33ヘクタールなのだそう。パリ市内では最も広いグリーン・スペースだと書いてありました。

でも、変ではないですか? パリには、もっとずっと広いブローニュの森(846 ha、16区)とヴァンセンヌの森(995 ha、12区)がありますよ。あれはespace vert(グリーン・スペース)には入れないの?

... と思ったら、Wikipediaには「intra-murosのパリで」、と書いてありました。つまり、この2つの森は、要塞で囲まれていたパリ本来の場所からはみ出しているので入れないらしい。確かに、この2つの森は、本来は他所に属すべき場所だったのに、パリ市が取ってしまったという感じに見えますね...。ついでに、パリ市は、ブルゴーニュ地方にあるセーヌ河の水源がある小さな場所もパリ市にしています。首都だと、したいことができる?


ラ・ヴィレットのシンボル?

この公園には、シテ科学産業博物館(Cité des sciences et de l'industrie)があることで知られています。フランスの子どもたちなら、学校の授業で1度は行くところではないでしょうか?

その近くにある「La Géode(ラ・ジェオード)」と呼ぶオムニマックスシアターが公園のトレードマークになっているらしい。12.1ch 音響システムを備えているのですって。そう言われても、私にはピンと来ませんが。


La Géode

外側がデコボコがある鏡のようになっていて、景色が映っているのが面白かった。自分も映るのだろうかと近づいてみました。


昔は屠畜場だった場所

どの町でも見かける朝市の建物のようなのが建っていました。昔は市場だったけれど、今は文化施設として使っているそうです。


La Grande halle de La Villette, qui abritait les abattoirs.

ここはナポレオン3世によって造られ(1867年)、1974年まではabattoir(屠畜場)として使われていたのだそう。

1900年ころのラ・ヴィレット屠畜場の姿 ↓

Abattoirs de la Villette - Vue générale
Les abattoirs de la Villette vers 1900

こういう風に、街中においておくわけにいかなくなってスペースが空いたとき、パリは市民が生活を楽しめる空間にすると感じます。

例えば、昔の倉庫として使われていた広い地域もベルシー村になって、低い建物を並べて、都会の喧騒から逃れられる区域にしていたした。

ベルシー村(Bercy village)について軽く売れた日記:
気に入ったパリの縁日博物館 (Musée des Arts forains) 2010/12/18


ラ・ヴィレット公園を散歩して寛ぎながら、東京都は築地の市場が移転するのだから、パリのように都民のためになるスペースにするという風には考えないのだな... と思ってしまいました。よりにもよって、賭博場なんかを造るというのだから、余りにも発想が違いすぎる...。


今年オープンしたパリの新しいコンサートホール: Philharmonie de Paris

この公園に行ってみようと思ったのは、新しくできたパリのコンサートホールを見てみたかったからです。もちろん、パリに行くことにしたときにはコンサートがないかと探したのですが、何もなかったのです。

建物は近代的な、最近は良く見るタイプ。お世辞で言えば斬新な、という感じの建物...。



屋根の部分が、光線の当たり方など変に見えました(失礼!)。



模様なのか、ペンキが剥げたのか?...

ところが、調べてみたら、屋根瓦の代わりに鳥をイメージした断片を作って、それを組み合わせるという、かなり手間をかけたあげくに出来上がっていたのでした。

鳥には見えなかったけどな...。でも、それを作っている作業を見たら、鳥と言えなくもないと思いました。

その作業を見せる動画:
YouTube: Le chantier de la Philharmonie de Paris : les « oiseaux »


新しくできたコンサートホールは音響効果が素晴らしいのだと評判になっていました。建物の中には入れましたが、ホールは覗けなかったので、動画を探してみました。


Philharmonie de Paris


Philharmonie de Paris

建物の外観は現代建築そのもので私の趣味ではなかったのですが、ホールの中の近代的なつくりは、現代建築が嫌いな私でも良いのではないかと感じました。なんだか凝っているので、音響効果も良さそうに感じてしまう...。

いつかコンサートがあるときに行ってみたいな。

次回は、パリの公園の続きを書きます:
パリはエコロジー志向

外部リンク:
☆ Wikipedia: ラ・ヴィレット公園
☆ Wikipedia: Abattoirs de la Villette
☆ Wikipedia: Grande halle de la Villette
Les anciens abattoirs de la Villette
☆ Wikipedia: Philharmonie de Paris
Philharmonie de Paris La prouesse de la nouvelle salle, c’est l’acoustique

ブログ内リンク:
★ 目次: クラシック音楽


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2015/10/11
久しぶりにパリに行きました。久しぶりに行ったのを利用すれば良かったのですが、初日に人が多いのに圧倒されてしまって、何か見学する気にはならない。

パリにある美術館や博物館は、大して行きたくなかったところまで見学してしまったので、新鮮味がなくています。そもそも、もう今年最後という感じの素晴らしいお天気だったので、建物の中に入る気になりませんでした。どうせパリ。また行くだろうと思うから、無理をする気にはならない。

この前はいつ行ったかと調べたら、3年半前。パリは疲れるので行くのが嫌いなのですが、文化的な面に触れられるのはパリ。それなのに、そんなに行っていなかったっけ...。
2015年秋 パリ首都圏旅行シリーズ
その3 
目次


チュイルリー公園Jardin des Tuileries

とりあえず、テュイルリー公園に行ってみました。

まず目に飛び込んできたのは、ペタンクをしている人たち。パリのど真ん中で、こんなことができる空間がありましたか...。




池の周りでも日向ぼっこを楽しんでいる人たちがいました。




お花がきれい...

もう9月末というのに、植えられているお花がきれい。私の庭など、花はほとんど無くなっていたのに、プロの庭師だと上手にやるのだろうな... と感心。



日本語で「公園」と訳せるフランス語には、parc、jardin、squareなど色々あります。squareは、街角などにある小さな公園のときに使うのだろうと感じるのですが、parcとjardinのどちらを選ぶのかが私には曖昧です。

jardinは英語にすればガーデンなので、花などを植えたり、フランス式庭園(jardin à la française)にしていたり、つまり整えている公園の場合にjardinと呼ぶかな?...

ここは、日本では「チュイルリー公園」というのが定着しているようですが、フランス語ではJardin des Tuileries。ガーデンなのだから、お花がなければいけないか...。



広い芝生からすると、花畑の面積は小さいですけど...。

ここにあった宮殿の庭として、ルイ14世の時代には、フランス式庭園の様式を完成させた造園家アンドレ・ル・ノートルに造園させているので、その名残りもある公園なのかもしれません。

もっとも、フランス式庭園では、こんな風に花を植えて飾らないので折衷様式?...


芝生が美しいと思ったら、立ち入り禁止になっていました。スピード違反や酒飲み運転の取り締まりが厳しくなってから、フランス人たちは従順になったような気がします。誰も芝生に入っていない!

ところが、男性が一人、芝生の上を歩いているではないですか! 余りに平気な顔で歩いているので、公園の管理の人だろうと思ったのですが、そうだったようです。

こんなところに山羊がいて、そちらの方も問題がないかを確かめているようでした。



動物園に行かなくても、パリ市内で家畜を見ることはできるのですけれど、1区というパリの中心地に山羊がいたので驚きました。

パリは大都会だけれど、心が休まる空間があるのだな...。


昔にあったチュイルリー宮殿の姿は?

これを書きながら、チュイルリー公園についての情報リンクをとって、1つ学びました。

ここには昔はチュイルリー宮殿(Palais des Tuileries)があったのに、パリ・コミューンのときに破壊されたというのは知っていました。でも、興味を持ったのは、ここがJardin des Tuileriesと呼ばれる理由です。

「チュイルリー」という単語と宮殿は結びつかないからのですが、答えがありました。

ここには昔、瓦(tuile)を製造する工場(tuilerie: チュイルリー)があったことに由来するのだそうです。公園の名前になっている瓦製造所を示す単語は複数形ですから、幾つもあったのでしょうね。

私にとってのチュイルリー宮殿は、フランス革命と結びついているので暗いイメージがあります。そんなに暗い宮殿だったのかを確かめるために、宮殿の歴史をメモしてみます。
  • 1564年: カトリーヌ・ド・メディシスが宮殿の建設を命じる。
  • 1683年: 王宮はヴェルサイユ宮殿に移る。
  • 1789年: フランス革命勃発。ルイ16世一家はヴェルサイユ宮殿から連行されて監禁される。
  • 1791年: 国王一家はオーストリアへ脱走を試みるが逮捕されてテュイルリー宮殿に連れ戻される。
  • 1792年: タンプル塔に移されていたルイ14世夫妻は処刑される。
  • 1793年: 国民公会が議会を開く場として利用される。
  • 1800年: ナポレオン1世は、国王のアパルトマンに居を構える。
  • 1815年: ナポレオン1世は去り、代わりにルイ18世が住む。
  • 1524年: ルイ18世の死去に伴い、シャルル10世が入る。
  • 1830年: フランス7月革命により、国王は追い出されて宮殿は略奪される。
  • 1831年: 王位についたルイ=フィリップ1世が入り、修復をする。
  • 1848年: 王家は追い出され、宮殿は再び略奪される。
  • 1852年: ナポレオン3世が入り、皇帝を名乗る。
  • 1870年頃: チュイルリー宮殿とルーブル宮殿を繋ぎ、ヨーロッパ最大の宮殿となる。
  • 1871年: パリ・コミューンがおこり、宮殿は焼失する。
  • 1883年: チュイルリー宮殿は解体される。

色々と楽しくないことばかりの歴史を背負っている場所なので、年代をピックアップするのも嫌になってきました。チュイルリー宮殿を再建しようという動きがあるのだそうですが、なんだか縁起が悪い宮殿のようで、建てなくても良いのではないかと私は思ってしまう。

今はグリーンスペースでしかないので、長閑な公園なのですけれど...。


昔のチュイルリー宮殿の画像を探してみました。

ルーブル宮殿とチュイルリー宮殿が結ばれた図(1615年) ↓


Les Tuileries, le Louvre et la Grande Galerie en 1615. Plan de Merian
On y aperçoit la porte Saint-Honoré et l'Hospice des Quinze-Vingts (à gauche), ainsi que le tour du Bois (à droite). La porte et la tour formant une partie de l'enceinte de Charles V. Ces fortifications seront comblées et détruites sous Louis XIII.


17世紀末のチュイルリー宮殿と庭園 ↓

Tuileries
De gauche à droite : le pavillon de Marsan, la galerie des Machines, le pavillon du Théâtre, l'aile nord, le pavillon de l'Horloge, l'aile sud, le pavillon de Bullant, la Petite-Galerie, le pavillon de Flore. Au premier plan, le bassin octogonal.


パリ・コミューンの数年前に描かれたチュイルリー宮殿(1865年)。ルーブル宮殿から見た姿だそうです。

Les Tuileries vues du Louvre
Le palais des Tuileries vu depuis le Louvre du côté de la place du Carrousel vers 1865.


チュイルリー公園の面積は25.5ヘクタール

現在のチュイルリー公園を上からみた写真もWikipediaに入っていました。遠くに見えるのがルーブル博物館の建物です。

Jardin des Tuileries

歩いてみて、かなり広々していたのですが、この公園の面積は25,5ヘクタールなのだそうです。

ヘクタールという単位を聞くと、知っている人の家の敷地面積や畑の面積で考えます。このチュイルリー公園の面積は、私のお隣さんの庭の7割の広さですね。ちょっと信じられない感じ。つまり、お隣さんちが広いということか...。

もう1つ、ここの倍の広さがあるパリの公園にも行ったので、続きでその公園について書きます:
パリの公園: (2) ラ・ヴィレット公園



ブログ内リンク:
★ 総合目次: 都市と農村 » Parisについて考える
★ 目次: 旅行したときに書いたシリーズ日記のピックアップ
クイズ: この枯れた花には何の意味があるのでしょう? 2007/02/22
ブルボン朝最後の国王シャルル10世の墓はスロヴェニアにあった 2012/01/13
★ 目次: 戦争に触れて書いた日記
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ

外部リンク:
☆ Wikipédia: Liste des espaces verts de Paris
☆ Wikipédia: Liste de parcs et jardins publics de France
Comité des Parcs et Jardins de France
☆ 仏文化省: Label Jardin remarquable
テュイルリー公園
☆ Office de tourisme Paris: Jardin des Tuileries
☆ Wikipédia: Jardin des Tuileries
☆ Wikipédia: Palais des Tuileries
Le Palais des Tuileries - Constructions / détruites
Le Palais des Tuileries sous Napoléon III
Comité National pour la Reconstruction des Tuileries
☆ Wikipédia: Testament de Louis XVI (manuscrit)
☆ Wikipedia: History of parks and gardens of Paris


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2015/10/06
少し前に出したクイズの解答を書きながら、まだ解決していない謎があったことを発見してしました。

1. クイズ: 城のダイニングルームにあったものは何でしょう? 2015/09/25
2. 答え: 変わった昔の暖房器具 2015/10/05
3. クイズ: 熾火を使う暖房器具に穴があるのは、なぜ?

今度は自分で考えてみることにしました。結局、皆さまにお知恵拝見することにしたのですけれど!


容器の下には穴があるのは奇妙!

これは、ダインングルームにあったものが何かというクイズでした。暖炉で燃してできる熾火(おきび)を容器に入れ、取っ手を持ってテーブルの下に置いて暖をとりながら食事できるという道具でした。

つまり、コタツのように使う火鉢というような暖房器具。あるいは、火鉢をコタツのように使う暖房器具。

食卓にはテーブルカバーがありますから、私はフランス式コタツと呼ぶことにしました。



赤い矢印を入れたのは、熾火が消えてしまわないようにある通気口の穴です。ところが、よく見ると、下の方にはもっと大きな大きな穴らしきものがあるのでした。

こんなに下の方に穴が開いていたら、細かな熾火や灰がこぼれ出てしまうはずですから奇妙ではないですか?

外で使うのなら地面に灰が舞っていくくらいのことですから問題ありません。でも、ここは食事をする部屋なのです。ロングドレスを来た人が身動きしたら、ちょっとした風がおきてしまって、灰が舞ってしまうのではないでしょうか?


下は、ステーキを暖炉で焼こうというときの写真です、薪を燃して熾火になった状態で牛肉を焼き、焼きあがってきたという状態のときに撮影しています。



薪が燃えると、かなり大量の灰ができるのです。

ここは石を敷き詰めた床だったので、火事になる心配はないでしょうけれど、座っている人の洋服に火の粉が飛ぶ危険だってあるはずです。熾火はまだ火力が強いのですから。


容器の下にある穴の部分をアップしてみますね。



この穴は何のためにあるのでしょう?

ここには灰を書き出すときに開ける扉があったのに、外れてなくなったのでしょうか? でも、扉を取り付けていたような跡は見えません。


引き出しがあったのかな?

似たような道具を画像検索で探してみたら、博物館のサイトに、熾火を使うテラコッタの足温器が入っていました。私のコタツと同じおうに、19世紀のものだそうです。


chauffe-pied à braises

リンクをクリックすると博物館のサイトが開きます。そこにある下の写真をクリックして拡大写真をポップアップした後、虫眼鏡効果を使って観察できます。

こちらは足温器だとあるので、ずっと小型でしょうね。でも、どことなく形状は似ていますね...。

コタツと名付けた私の暖房器具と同じように、下がつぼまった形になっています。私のコタツには陶製の蓋が付いていたそうですが、こちらの上には格子網がのっています。

下には穴もありますが、引き出しが抜き差しできるシステムになっています。引き出しは鉄製でしょうね。

つまり、灰を引き出しの中に落とし、時々引き出しを抜いて灰を捨てる。これは、薪ストーブにもあるシステムですね。

とすると、私のコタツにも引き出しが付いていたのだろうか?

引き出しはなかったのですが、陶器の蓋もなくなっているくらいですから、引き出しも喪失していたのかもしれない。

でも、この穴に合わせた長細い引き出しを入れて灰をためるのは、そう賢い方法とは思えません。上の部分に比べて、穴が小さすぎるではないですか?...

中を覗き込んだ写真を見ると、もし引き出しがあったとしたら、その左右には隙間が空いていて、全ての灰が引き出しには入らなかっただろうと思えます。




変なものが見える

改めて、壺の中を写した写真を拡大して眺めてみました。

あれ...、真ん中に何かある!



ここで私は、そういうシステムだったか! と思い浮かびました。

でも、それが答えだと確信しているわけではありません。
それで、またクイズにしてしまいます。

コメントでお答えをおよせくださいますか?


【追記】

中を覗いた写真の、もっと大きな画像を入れます。下の画像をクリックして画像を出し、さらにクリックして拡大してください。

 あるいは、こちらをクリック

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★ 目次: ロウソク、キャンドルスタンド、暖炉、燃える火
★ 目次: アンティーク、蚤の市などについて書いた記事
★ 目次: クイズを出した記事一覧

外部リンク:
☆ Wikipédia: Chaufferette
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カテゴリー: クイズ | Comment (10) | Top
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2015/10/05
少し前にクイズを出しました:
クイズ: 城のダイニングルームにあったものは何でしょう? 2015/09/25

答えを考えてくださった皆様、どうもありがとうございます! 全てのコメントを非公開にしたままで書き込んでいただいていたのですが、コメントは全て公開したので、正解を発表します。


クイズにしたもの

時々している「これは何でしょう? クイズ」で、今回取り上げたのは、これでした ↓

 

城のダイニングルームにある暖炉の横にあったものです。容器には蓋があったのですが、無くなっていました。


クイズの正解を出していただきました

暖炉と同じ柄の陶器ですし、中は黒くなっているので、炭や薪に関係しているというところでは皆さまの答えは一致していました。

寄せてくださったお答えを並べてみます:
たかゆきさん: オマル(薪を入れて消火した)
をやぢさん: 熾火を入れて、足温器、コタツ、手あぶりとして使う
aostaさん: 灰入れ
徒然わいんさん: 燃えさしを入れて暖をとる、あんか ⇒ 火鉢 ⇒ 消し壷

これには暖炉の薪が燃えた後に残る熾火(おきび)を入れて、暖房器具として使っていたそうです。

最も言い当てている言葉は、コタツだと思いました。というのも、これは両手で持てるように取っ手が付いているので、熾火を入れた後にそれを運んで...

なんと、食卓のテーブルの下に置いたのだそうです!

ここはダイニングルームなので、暖炉の向かい側には当然ながらテーブルとイスが並んでいます。



テーブルの下に入れておくと、そのあたりが暖かくなるというのと、ちょっと足を乗せたら温まりそう。壺の下の方が小さくなっているということは、靴がぶつからないようにという配慮でしょうか?

この部屋には暖炉は1つしかありませんでした。そんなには広い部屋ではありませんでしたが、天井の高さが4メートルあるので、暖炉だけでは寒かったのでしょう。

でも、テーブルは木でできているので危ないですよね。それで、容器には蓋が付いていて、それでも火が消えてしまわないように容器には通風孔が付いていたのでした。

こんな陶器製の重そうなものなら、足がぶつかったくらいでは倒れる心配はなかっただろうと思います。

テーブルの下に置くならコタツだ、と私は思ったのでした。

コタツは布団をかぶせて熱が逃げないようにするわけですが、西洋式のテーブルの下に置いたって、分厚いテーブルクロスが布団の役割を果たしたのではないでしょうか?

というわけで、「コタツ」を正解にしたかったので、「火鉢」とお答えをいただいたとき、もう1歩進んでコタツにしてくださらないかなと期待してしまったのですが、逆に遠ざかって「消壺」が出てきてしまいました。それで申し訳なくなって、今までいただいたコメントを全て開封して公開することにしました。

「火鉢」というお答えも正解ですね。つまりは、火鉢をテーブルの下に入れていた、ということですから!


Chaufferetteと呼ぶ道具

城を案内してくださった方は、この道具を「chaufferette(ショーフレット)」と呼んでいました。

知らない単語として聞いたとしても、なんとなく想像できる名前です。動詞のchaufferは、暖める、熱するの意味がありますので。

熾火を入れるタイプは「chaufferette à braise」と言う方が特定できると思います。braiseは薪を燃して崩れてきた状態になったものを指し、暖炉でバーベキューをするときも、この状態になってから肉を焼くのが普通です。

chaufferetteを仏和辞典で引くと、こんな訳語が出てきます:
足温器(chauffe-pieds)、あんか。炭のおき、熱湯または電気を用いる。

この訳語からは、火鉢とかコタツは連想できないのですが、昔に使っていた熾火を入れるシステムの暖房機は、もっと小さなものが普通だったのです。

Chaufferette à braise


「chaufferette」という言葉が文献に現れたのは13世紀だそうです。フランスにセントラルヒーティングが普及するまでは、つまり高度成長期になって生活水準が上がるまでは、この熾火を入れる道具が使われていたようです。

暖炉から離れた窓辺で縫物をするときに足元に置いていたとか、教会のミサに持っていったという思い出話しがありました。

この道具を持った女性のサントン人形

まだ炭のように燃えている熾火を入れるわけなので、道具は金属製が大半だったように見えました。

この城のように陶器製の火鉢のような形のものは、サイトで画像検索しても出てきませんでした。19世紀にベルギーから取り寄せたと説明されていましたが、その時代はヨーロッパの人々が東洋に出かけた時代。何処かで火鉢を見てアイディアを得たのではないかという気もします。

chaufferetteという単語自体は消えてはおらず、現代的なカイロのようなものもchaufferetteとして売られていました:
「chaufferette」をキーワードにして、フランスのアマゾンで検索

1. クイズ: 城のダイニングルームにあったものは何でしょう? 2015/09/25
2. 答え: 変わった昔の暖房器具
3. クイズ: 熾火を使う暖房器具に穴があるのは、なぜ?


残る疑問: 容器の下には穴がある!

これは、コタツか、テーブルの下に入れてコタツのように使う火鉢と呼びたいと思います。

ところが、そう書いた作っていたら入ってきたコメントで、新たな疑問がわいてきてしまいました。

下の写真で、赤い矢印を入れたのは通気口の穴。それは良いのですが、下にも大きな穴らしきものが開いているのです。



こんなところに穴が開いていたら、小さくなった熾火や灰が、パチンコ台の穴から玉が出てくるようにあふれ出てきてしまうではないですか?!

Stanisław Leszczyński石を敷き詰めた床なので、火事になる心配は少ないでしょうけれど、食卓に座っている人の洋服に火の粉が飛ぶ危険はあるはずです。

ポーランド王とロレーヌ公の称号を持っていたスタニスワフ・レシチニスキは、自分の寝室にある暖炉の熾火を動かして火をおこそうとしていたらガウンに火が移ってしまいました。

2月5日のことだったので、寒かったのでしょうね。

そのガウンは、娘さんがプレゼントしたばかりの豪華な毛皮だったというのも皮肉...。ガウンが燃えだしたのを消そうとした彼は、熾火の中に倒れてしまった。88歳という高齢だったし、ご馳走の食べ過ぎで巨体だったのがいけなかった...。

大変な苦しみ方をして、火傷をしてから17日後、2月23日に亡くなったそうです。

ロレーヌ地方のナンシー市ある彼の名を付けたスタニスラス広場(世界遺産登録)は、最近に修復も済ませ、とてつもなく美しい姿を見せています。


それは置いておいて、私のコタツの穴。

見学したときには、この穴についての説明はありませんでした。

それで、また新たに調べてみると、答えはこれではないかなというのが見えてきました。でも、全く確信はありません。

それで、またクイズにしてしまって、皆さまのお知恵を拝借させてください。

この次は、問題の部分を大きくした写真を入れますので、よろしくお願いします。

続き: クイズ: 熾火を使う暖房器具に穴があるのは、なぜ?

ブログ内リンク
★ 熾火でベッドを温める道具:  クイズの答え 2010/09/16
★ 目次: ロウソク、キャンドルスタンド、暖炉、燃える火
★ 目次: アンティーク、蚤の市などについて書いた記事
★ 目次: クイズを出した記事一覧
★ 目次: サニタリーに関して (トイレ、浴室、洗濯、衛生)

外部リンク:
☆ Wikipédia: Chaufferette
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2015/10/02
しばらく会っていなかった友達にパリで会うことができました。一緒に夕食をとりながら、この前に会ったのはいつだっけ、と言われました。そういうことは覚えない私なのですが、このときは「2011年の春」と即座に答えることができました。

彼がブルゴーニュで講演した時に会ったのが最後だったのです。その日の講演テーマとは全く関係がないのに、会場から「日本は地震が多い国なのに、なぜ原発を持っているのでしょうか?」という質問が出たのです。

3.11から1カ月もたっていない時期。テレビでは毎日、福島原発事故の深刻さに関する特別番組が流れていました。科学技術が進んでいる日本で原発事故を収拾できないとしたら、同じく原発大国のフランスも危険がいっぱいなのだと思い知らされて国中が震撼していたのです。

「原発を推進する人たちがいるからです」と、彼は答えていました。日本に関することは専門分野でもないのに、どうして見抜けたのだろうと不思議だったので、このときのやり取りは記憶に残っていました。

食事も終わりのころ、翌日の日曜日に、環境保護の趣旨を持っ小さなNPOが100くらい結集するイベントを応援しに行くのだと話し、良かったら来ないかと誘ってきました。フランスにはエコロジーの政党もあるのですが、内部の権力争いがあって纏まらない。それで、こういう風にNPOが力を合わせて行動をおこすのは好ましいことなのだ、と話します。

そういうイベントには興味はないのですが、彼はスピーチをするそうなので、それを聞きに行くことにしました。

2015年秋 パリ首都圏旅行シリーズ
その2  
目次

共和国広場の日曜日

日曜日の午前中、会場だと教えられたPlace de la République(共和国広場)に行ってみました。地下鉄の駅から地上に出ると、もうイベント会場。

想像していた以上に大規模な集まり。パリ市内にある広場の中で最も大きな広場の1つで、3.4ヘクタールもあるのだそう。それが埋め尽くされていました。

イベント終了後の主催者発表によれば、この週末2日間の開催では、14のテーマでブースが設けられ、400の組織が参加し、参加者は11万人を超えたとのこと。



ここはバスティーユ広場と共に、デモ隊が結集するのにもよく使われる広場です。何しろ、名前が共和国広場なのですから!

それを示すように、広場にはフランスを象徴するMarianne(マリアンヌ) の彫像があります。彼女は自由の象徴するフリジア帽をかぶっており、右手は平和を意味するオリーブの枝をかかげています。像の台座には、自由・平等・博愛を象徴する像が刻み込まれています。



環境保護を訴える過激さは全くなくて、和気藹々とした雰囲気でした。フランス人なら「bon enfant」と表現するでしょうね。集まっている人たちも、多すぎず、少なすぎずという適当な人数。

様々な視点から今の世の中を良くしようと運動しているNPO組織が出展していました。

エコロジー、オーガニック農業、遺伝子組み換え反対、食べ物を廃棄する無駄の廃止、エコ住宅の普及、車による排気ガスを少なくするために自動車を走らせない日を作る運動、都市の緑化促進、原発反対、難民や移民者の救済などの組織がブースを構えていました。企業独占に反対する意味からでしょうが、オープンソースのLinuxやFirefoxのブースまである。


タンデム自転車によるフランス1周ツアー

趣旨もよく分からないで来てしまった私のような人間には、誰が中心になっているのか把握できない...。ボランティアたちが自費でイベントをやっているので、会場案内掲示板などがあるわけもないのでした。

イベント主催のポスターを見つけました。



イベントの主催をしたのは、2013年にBayonne(バイヨンヌ市)で創設されたAlternatibaという組織。こういう集まりをVillage des alternatives(オータナティブ・ヴィレッジ)と呼んで、各地で開催しているようです。

この日の開催の象徴として、4カ月前にタンデム自転車でバイヨンヌを出発し、隣接する5カ国も経由しながらフランス1周ツアーをし、5,637Kmを走行してパリに到着したのだそう。

タンデムは仲間と力を合わせることの象徴。でも、そんなに自転車で長距離を走るのは大変だろうと思ったら、交代しながらのツアーだったのでした。3人乗りタンデム2台と4人乗りタンデム1台を、1万人の人たちが参加して走らせながら、前日の土曜日に会場までやって来たのだそう。


Alternatiba: 5 600 km à vélo pour sensibiliser aux enjeux climatiques


Le #TourAlternatiba arrive à Paris


廃棄処分の食材で作った5,000人分のスープを無料提供

その日の朝に見たテレビでは、イベントのハイライトとして、無料で5,000人の食事を用意していると言っていました。食べ物の無駄を無くそうという主張で、市場には出さない状態の野菜を味わってもらおうと回収したのだそう。

見たことがないほど大きな鍋でスープを作る作業が行われていました。




手前に写っているのは、切ったナスを入れたビニール袋です。販売する時期を過ぎてしまったことを思わせるような種が見えました。

食べ物の無駄を無くそうという趣旨ですから、そこで不味いスープを出したら目的は達成できない。案外おいしいのではないかなとも思って味見してみたい気もする。フランス人は味にうるさいですから。でも、パリの人たちは粗食に慣れているので、うるさいことは言わずに食べるだろうな...。

やはりレストランで朝食をとることにして、会場を離れました。

しばらく食べていなかった北京ダックを、パリに来たのを利用して食べたいと思ったからです。これが大好きなのですが、フランスでは鴨肉が普通に売られているのに、北京ダックはパリ首都圏でしかお目にかかれないのです。

行ったことがない店を選びました。北京料理専門で、北京ダックはいつでも食べられるという中華料理店。でも、出来上がってから日がたっていたのかパサパサしていて、それほど美味しくはなかった。知っている店にすれば良かった...。あるいは、廃棄物スープを試食してみた方が面白かったはず...。


昼食後、近くの公園を散歩してから、再び共和国広場に戻りました。昼食の前に、広場の何処にいるのか分からなかった友達に電話で連絡をとると、彼が話すのは夕方らしいと言われたので。

仮設レストランは大盛況だったようです。大きな鍋は洗われていたし、テーブルにはまだ多くの人たちが残っていました。




盛り上がってきた夕方の共和国広場

午前中とはうって変わって、午後にはごったがえすほどの人たちが来ていました。

人が集まるときにはディスコ音楽をやらなければいけないという鉄則がフランスにはあるのか、何カ所かで音楽が演奏されています。大きなステージでは、ガンガンにボリュームを上げて歌っている人たちがいる。ま~、賑やかなことったら!

でも、この無料コンサートというのも、イベントの人集めをする目玉の1つだったようです。


夕方になると、広場にあるフランスの象徴マリアンヌの彫像の横にしつらえた大きなステージの前で、ブラジルのパーカッションというのかな、笛と太鼓のリズミカルなダンスが始まりました。底抜けに明るい♪

そこにはプラカードを掲げている人がいました。これが主催者のスローガンのようです。



金儲け主義の社会のシステムを変えよう。でも、自然環境は変えない、という主張のようです。つまりは、地球温暖化に反対するのが大きな主張のようですね。私は地球温暖化と聞くと、そのためには原発が必要だという主張に利用されていると感じるので、余り好きではないのですけど...。

この夕方に、一気に連帯感を持とうというのがプログラムだったようです。いつ尽きるともなく続いていたブラジル音楽の後、このイベントをオーガナイズした組織Alternatibaのメンバーがステージに登りました。



メンバーは若い人たちばかり。指示しているジャーナリストや学者さんたちはそうではありませんでしたけど。彼らは熱っぽく、地球の環境を守ろうと訴えています。聞いている人たちも声援を送って、熱気が盛り上がりました。

彼らの主張はユートピア的で、実現の可能性はゼロに等しいと思いました。でも、生きやすい社会を作ろうという主張は感動的ではありました。

こういう集会に参加したことはなかった私なのですが、主張できる場を確保できる国は正常ではないかと思いました。日本で、資金がない市民団体が何か訴えをおこしたいと思ったとき、こんな風に町の一等地を与えてもらえるのでしょうか? 日本では、国会議事堂前でデモするのは禁止、歩行者天国でデモするのも禁止なのだそう...。世の中には色々な考えを持った人たちがいる。それぞれが主張できる場を持てるのは自然な姿です。

ところで、このイベント行ったのは、友達が何か話すのを聞くのが目的でした。オーガナイズが悪いので、ご本人も、何時にどこで話すのかが分かっていなかったのですが、彼のスピーチは聞くことができました。

彼が主張していたこと:
私たちを統治している政府には思想がない。だから、私たちが団結して行動をおこし、社会を良い方向にもっていく必要がある。みんな、幸せに生きようではないか。

こんな風に社会を良くしていこうとする運動があるのは良いですね。エコロジー派というとヒステリックとさえも感じてしまっていた私だったのですが、この日に集まっていた人たちには和気藹々とした楽しい雰囲気があったので気に入りました。結局、大きな組織だと内部での足の引っ張り合いがあっておかしくなるけれど、市民の手作りの活動だと皆で仲良くやろうということになるのかも知れない...。

こういうパリにあるシンボル的な広場を、マイナーなNPO組織の人たちが主張をする場として提供するというのは、さすがフランスだなとも思いました。パリはエコロジーを積極的に進めている都市なので、許可をもらうのは難しくはなかっただろうとは思いましたけれど。

それにしても、ここはパリですね。フランスでも田舎にいると、こういう風にフランスは自由・平等・博愛の国だという熱気を感じさせる場面にはほとんど出会いません。私としては、かなり興味深い1日を過ごすことができました。



写真を何枚か入れただけでは、イベントの様子が見えないので、YouTubeに入っていた会場の様子を見せる動画を入れておきます。自転車ツアーの到着があるので、前日の土曜日に撮影したものようです。


Paris 'Alternatiba' Protest Festival 26 27 Sept 2015


主催者Alternatibaも、たくさんの動画をインターネットで公開していました。

パリでのイベント開催前のPR動画:

Alternatiba Paris - une aventure


今回のパリでのイベントの様子:

Alternatiba réussit son Paris pour le climat !


「バンザイ」と叫ぶのが人気を呼んでいるパロディー・ニュース番組Grolandでも、Alternatibaの活動には好意的に紹介していたのでした。


Banzai pour le climat

パリ首都圏旅行の続き:
パリの公園: (1) チュイルリー公園

ブログ外の情報リンク:
Wikipédia: Alternatiba, Village des alternatives
オフィシャルサイト: Alternatiba
Le Parisien: Alternatiba: 5 600 km à vélo pour sensibiliser aux enjeux climatiques
Le Monde: Après 5 637 km à vélo, les militants d’Alternatiba sont arrivés à Paris
フランス共和国の象徴的広場 Place de la République (2011年情報)
新装レピュブリック広場 Place de la République (2014年情報)
☆  Wikipédia: Place de la République (Paris)


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