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2015/12/26

シリーズ記事目次 【フランスのワイン産地】 目次へ
その5


先日、フランス語で「川」というときには、海に流れ込む川であるか否かによって、fleuveかrivièreのどちらの単語を使うかが決まると書きました:
フランスで一番長いロワール川の不思議 2015/12/20

海に流れ込む川はfleuve。fleuveに流れ込むのがrivière。その他、小川はruisseau、山の急流はtorrentなどもありますが、見た目でわかるので問題なし。

フランスの河川について書くとき、私はfleuveとrivièreに分けないと気持ち悪いので、前者は「河」、後者は「川」と書くことにしています。

それで思い出したことがあります。

Photographie couleur du Rhône, vu vers l'amont depuis le pont Lafayette par une journée ensoleillée.
リヨン市を流れるローヌ河


リヨン市を流れる3つの川とは?

ワインがお好きな方はご存知だと思いますが、有名なフレーズがあります:

ー リヨンには3つの川が流れている。

「その3つの川とはなんでしょう?」というクイズにしたりもします。実際にリヨン市を通っている川は、ローヌ河とソーヌ川です。それで、3番目の川はなんだろうと首をかしげるわけです。

実は、リヨン市ではワインのボージョレーがよく飲まれることから、ボージョレーを川に例えて、合計で3本にしているのです。それで、初めて聞いた人はアハハとなる。

3つの川というのは、日本語では全く問題ありません。でも、フランス語だと、ローヌはfleuveで、ソーヌはrivièreなのです。ボージョレーはどちらにしても良いでしょうが、「3つの川」というわけにはいかないはずなのです。

前回の日記で、河と川の両方を示すcours d'eauという言い方もあるけれど、日常会話では使わないと書きました。でも、このボージョレーを入れた3つの川というときに使っているのかな?...


あの表現は、フランス語でなんと言っていたっけ? 「3つのfleuves」と言っていたように記憶しているのですが、確かめてみることにしました。正確な文章が分からないので、適当な検索。

フランス人だってうろ覚えの人が多いらしく、意味は同じだけれど違う表現が混じって出てきました。「3つのfleuves」と書いている人が多かったのですが、「3つのrivières」と言っている人もいる。フランス人だって区別はいい加減ということなのでしょうね。

ちなみに、間違いはないはずの表現「3つのcours d'eau」としていた例には出会いませんでした。これだと地理の教科書みたいで面白くないからではないでしょうか?

リヨンの町はフランス屈指の大都市ですが、都会の息苦しさを感じないのは大きな川が流れているからだと思います。「風通しの良い街」と言われて、サラリーマンが転勤先とする大都市としては一番人気があるのだそうです。

川が流れる街の様子をドローンから撮影した動画がありました:
Lyon en 4K depuis un Drone - vues imprenables de Fourvière, place Bellecour - YouTube


ドーデの息子が登場

「リヨンには3つの川が流れている」と言った人は、Léon Daudetレオン・ドーデ)という人でした。『風車小屋だより』などを書いたアルフォンス・ドーデ(Alphonse Daudet)の息子で、ジャーナリスト、作家、政治家として活躍したそうです。

彼はヴィクトール・ユーゴーの孫娘と結婚していました。ユーゴーは『レ・ミゼラブル』の作家として日本では知られていますが、歴史に残る偉大な詩人です。すごい家系と縁を持った人なのだと驚きました。彼らは息子をもうけたのですが、4年もたたないのに妻は家を出て、その翌年に二人は離婚していました...。

Gil Baër - Mariage de Léon Daudet
Mariage de Léon Daudet et de Jeanne Hugo, dessin de Gil Baër, une du Progrès illustré du dimanche 22 février 1891

レオン・ドーデは、小市民的な父親とは違って、波乱万丈の人生を生きた人のようです。決闘場面の動画なども見つかってしまったので、彼そのものにも興味を持ったのですが、今は川の話しをしているので探求するのは止めます。


「川が流れている」のではなくて、リヨンは「川に潤されている」だった

有名な文章は、次正しい文章でした:

Lyon est une ville arrosée par trois grands fleuves : le Rhône, la Saône et le Beaujolais.

「fleuve」を使ってしまっていますね。このフレーズを紹介しているサイトでは、実際にはリヨン市にはfleuveは1つしか流れていない、などと言っていました。つまり、やはりフランス人はfleuveとrivièreを区別しないと気持ちが収まらないようです。

フランスで一番長いロワール川の不思議」の中でソーヌ川はfleuveに見えるほど立派な川なのだ、と写真をお見せしています。レオン・ドーデは生まれて、パリで活動して、南仏で死亡しているので、ソーヌ川とは縁がなくてrivièreだとは知らなかったのかもしれません。


Les « trois fleuves » lyonnais - Rhône, Saône et Beaujolais


レオン・ドーデのフレーズでは「Lyon est une ville arrosée par trois grands fleuves(リヨンは3つの大河によって潤されている町だ)」と言って、その後に「ローヌ、ソーヌ、ボージョレー」と名を挙げています。

川が流れることを表す動詞が「arroser」であって、流れているという動詞の「couler」ではありませんでした。

正しい引用を見つけるまでに出てきた文章では、私のように「couler」だろうと思う人もかなりありました。

川が3つあるという点では同じですが、例えば、こんなフレーズ:
A Lyon coulent trois fleuves, le Rhône, la Saône et le Beaujolais !

「川が流れている(couler)」というよりは、「川によって潤されている(arroser)」と言った方がずっと洒落ているのです。「arroser」というのは植物に水やりする時などにも使う単語ですが、何かを祝ってお酒を飲むときにも使う動詞なので、ボージョレーを持ち出すにはぴったりです。

「乾杯しようよ」という感じで、「Ça s'arrose !」というのは、少なくともブルゴーニュでは頻繁に使われます。祝い酒を飲むほどのことではなくても、なんでも良いから「めでたい♪」として一緒に1杯やるきっかけにします。テレビでサッカーを見ているときも、シュートが決まるたびに「サ・サローズ!」と言って酒をぐいっとやる!

さらに、この動詞の選び方は素晴らしい。ボージョレーワインが町を流れている(couler)はずはないのですが、リヨンの人々がボージョレーを飲んで喉の渇きをいやしているわけですから(s'arroser)、理屈にかなった言い方なのでした。


ボージョレーワインは、常にイメージアップを図らねばならなかった?

レオン・ドーデ(1867~1942年)がボージョレーを持ち出したのは、どうやら彼がボージョレーワインの評判を良くするために手助けをしていた背景があったようです。

このジョークは書かれたのか、彼が言ったかは分かりませんでしたが、1928年だと書いている人がいました。別の記述では、1930年代、彼はリヨン市長だったÉdouard Herriot(エドゥアール・エリオ)からボージョレーPRの役割を担っていた、とありました。

普通に言われるのは先ほどのフレーズなのですが、続きがあったようです:

Lyon est une ville arrosée par trois grands fleuves : le Rhône, la Saône et le Beaujolais, qui n’est jamais limoneux ni à sec.

ボージョレー河は、泥水になったり、干上がったりすることは決してない。

3つの河川を挙げていながら、ボージョレーだけ称えているわけですね。リヨンに3番目の川が流れているというジョークとして語られたというより、ボージョレーを近くの大都市リヨンに結び付けて宣伝しているように感じてきます。

ボージョレー・ヌーヴォーが始まったときの宣伝文句かなと思ったのですが、ボージョレー・ヌーヴォーが登場したのはもう少し後、レオン・ドーデも世を去っていた1951年のことでした。

続く:
「リヨンは美食の町」と言ったキュルノンスキー

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ブログ内リンク:
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
フランスで一番長いロワール川の不思議 2015/12/20
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外部リンク:
Toutes les citations de Léon Daudet
250 réponses aux questions d'un amateur de vin  P.158


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フランスのお酒 (ワインなど)



2015/12/22

シリーズ記事目次 【フランスのワイン産地】 目次へ
その4


フランスには101の県があります。
海外県が5つあるので、本土にある県の数は96。



フランスに県区分ができたのはフランス革命のときで(1790年実施)、その時の県の数は83だったそうです。


フランスの行政区分... ややっこしい...

フランス本土の県には2桁の番号で示されます。海外県は、9で始まる3桁。

県コードは郵便番号の始めにある数字にもなっています。自動車のナンバープレートにも県番号が付いています(最近になって義務ではなくなりましたが、付けていない車は見たことがないような気がします)。それで、自分が関係している県の番号くらいは覚えます。パリは町ですが、県としても扱われていて、県番号は「75」。

中には、全県のコード番号を言える人もいます。「すごい」と称賛したら、県のナンバーはアルファベット順に振られているので、覚えるのはそう大変ではないのだと言われました。

なるほど、Ain県の「01」からナンバーが始まっています。
フランス本土の県は96なのだから、県の番号は「96」まである、と思いますよね?

ところが。フランス本土にある県の番号はVal-d'Oise県の「95」までしかありません。

コルシカ島が例外になっているからです。島は2つの県に分けられていて、南にあるCorse-du-Sud県のコードは「2A」、北にあるHaute-Corse県は「2B」。それ以外の県の番号は全て数字だけなのですけど。

新年は南フランスで迎えました
コルシカ島の風景

http://www.lefigaro.fr/automobile/2014/04/09/30002-20140409ARTFIG00321-pourquoi-les-plaques-d-immatriculation-corses-font-fureur-sur-nos-routes.php
↑ これについて書いた日記: フランスで人気のナンバープレートとは? 2014/04/12

フランス革命の時に定められた県区分では、コルシカ島は1つの県でした。間もなく2県に分かれたのですが、また1つになって、さらに1811年から1976年までは1つの県になっていた。そのせいかも知れませんが、コルシカ島は1つとして、「フランス本土の県の数は95だ」と謂う人もいます。

それで「フランスの県は100ある」と言われると、コルシカ島を1つと数えたのだろうと思ってしまうのですが、そうでもなかったりもします。アフリカに浮かぶマイヨット島(Mayotte)が海外県として認められたのがつい最近なので(2011年)、少し古い情報だとこの島を県の数に入れていないのです。

ややっこしい。パリは町でありながら県でもあるのですが、地域圏(州のようなもの)ではありません。ところが、海外にある県は、同時に地域圏になっています。

フランスの海外領土は。メチャメチャと言いたくなるくらいに複雑です。県番号のようなのがつていても県ではなくて共同体だったり、そのいずれかでもなかったり、海外領土とは呼んではいけなかったり...。



フランスの子どもたちは、そんなのを覚えるように教育されるのでしょうか? 地理が苦手な私などはお手上げです!

在日フランス大使館では上手く簡潔に表現しているのではないかと思ってサイトを見てみました(こちら)。海外領土として地名をずらりと並べているのですが、それらがどういう自治制度になっているかは次のようにしか書いてありませんでした:
海外に位置するフランス領土は、多様な地位を有します。グアドループ、マルティニック、ギアナ、レユニオン、マイヨットは県・地域圏の地位を有します。一方、海外自治体の地位を有する自治体は、権限も自治の度合いもさまざまです。

個別に説明しない限りは、「多様」とか「さまざま」とかしか言えないでしょうね...。


ところで、県コード番号の一覧を順番に眺めてみたら、全部がアルファベット順に並んでいるわけではないのでした。

コルシカ島(Corse)のHaute-Corse県は「C」の順番に入れてしまっているように、複数の単語からなる県では、基準になる方で順番を決めたようです。

例えば、Hautes-Alpes(05)は、Alpes-de-Haute-Provence(04)とAlpes-Maritimes(06)に挟まれて番号がついていました。

それだけではない。県コード番号が定められた後に県名が変更した後も依然の番号を残しているのか、新しくできて場所がなかったというのが理由なのか、納得できない順番に入っているものもあるのです。

例えばEssonne県。Eだから始めの方に入っているかと思うと「91」なのです。なぜなのだろう、なんて考えているときりがないのでやめます。県ではないのに県コード番号を持っていたりとか、他にもゾロゾロと例外もあるのですから、気にしないに限る!


地名になっている「ロワール」

前回の日記「フランスで一番長いロワール川の不思議」で、la Loire(ロワール)という名の河川は色々な地域を流れているので、地名でもあちこちで使われているので紛らわしいと書きました。

まず、地域圏(州)の名前に入っているのは Pays de la Loire

県の名前では、Loireの文字は6つの県が使っています。Indre-et-Loire(37)、Loire(42)、Haute-Loire(43)、Loire-Atlantique(44)、Maine-et-Loire(49)、Saône-et-Loire(71)。太字にしたのはコード番号に使われている単語です。Loireをキーワードにして並べて県コードを作ったわけでもないのですね。河川の名前が2つ入っている県では、どちらが県内で重要かということで決めているのかな?...

観光地域なのの呼び名ではVal de Loireがあって、この地域を指定した世界遺産の日本語での呼称は「ロワール渓谷」となっています。この地方にある古城めぐりは有名で、Châteaux de la Loire(ロワールのシャトー)と呼ばれます。

ワイン産地で使われるのはVignoble de la vallée de la Loireで、世界遺産よりずっと広いロワール河の流域を指しています。

市町村の名前では、おびただしいくらいの数で「Loire」の文字が入っているのだろうと思います。フランスの市町村の名前では、そこを流れている川の名前を最後に付けているものが非常に多いのです。でも、市町村の数は36,529もあるので(2015年1月現在)、Loireに関係した市町村がどのくらいあるかなどは調べてみる気になりません。

でも、Wikipediaにはロワール河が通っている市町村の一覧を載せたページがありました(Liste des communes traversées par la Loire)。ページ内ぺ検索で「sur-Loire」をかけるとハイライトしてくれるので、数えようと思えば数えられますね。でも、数えたってなんの意味もない! 川が流れていなくても「Loire」の文字が入っている市町村もあるでしょうから。

本当はその川が流れていないのに市町村の名前に付けているケースもあります。例えば、ブルゴーニュ地方にあるIs-sur-Tilleという名の町。地名に「sur」とあったら、その後が川の名前で、その川が流れているという目印なのですが、この町を流れているのはTille川ではなくて、その支流のIgnon川です。町の名前を付けるときに間違えてしまったらしい。



この町のあちこちに川が流れているので、違う川もあるのだろうと思ってGoogle Mapを眺めてみたら、ぜんぶIgnon川なのでした。

Is-sur-Tilleという名前は、Tille川が流れているIsという意味で、つまり町の名前としては「Is」と短い。それでクロスワードパズルではよく使われるのだそう。

この町に行ったときのことを書いた日記:
トリュフ祭りの巨大なオムレツ 2012/10/23

今年は雨が降らなかったので、トリュフの収穫量はとても少ない年になりました。それでもこの町ではトリュフをたくさん食べるお祭りをしたのかな?...


フランスの県の名前は、ほとんどが河川の名前を付けている

県はフランス革命期に作られました。それまでに存在していた地域区分を取り崩そうという意図はあったでしょう。当たり障りがないようにしたのか、現在のフランスの県の名前は河川の名称がそのまま使われているものが目立ちます。

フランス本土にある96の県のうち、67の県は県内を流れている河川の名前にちなんだ命名になっていました。つまり、河川には関係ない名前の県名になったいえうのは29県だけ。県の7割は、県内に流れている河川の名前を1つか2つ入れた命名になっているということになります。

ヴァンデ県(Vendée)は、フランス革命中におきた反乱で有名なヴァンデなので、そちらの方を連想してしまうのですが、これも県内を流れているヴァンデ川から来ていたのでした。

フランスの県名の由来

県名の由来県の名前(赤字は海外県DOM)
河川67Ain、Aisne、Allier、Ardèche、Ariège、Aube、Aude、Aveyron、Bouches-du-Rhône、Charente、Charente-Maritime、Cher、Corrèze、Creuse、Dordogne、Doube、Drôme、Eure、Eure-et-Loir、Gard、Haute-Garonne、Gers、Gironde、Hérault、Ille-et-Vilaine、Indre、Indre-et-Loire、Isère、Loir-et-Che、Loire、Haute-Loire、Loire-Atlantique、Loiret、Lot、Lot-et-Garonne、Maine-et-Loire、Marne、Haute-Marne、Mayenne、Meurthe-et-Moselle、Meuse、Moselle、Nièvre、Oise、Orne、Bas-Rhin、Haut-Rhin、Rhône、Haute-Saône、Saône-et-Loire、Sarthe、Seine-Maritime、Seine-et-Marne、Deux-Sèvres、Somme、Tarn、Tarn-et-Garonne、Var、Vendée、Vienne、Haute-Vienne、Yonne、Essonne、Hauts-de-Seine、Seine-Saint-Denis、Val-de-Marne、Val-d'Oise
13Alpes-de-Haute-Provence、Hautes-Alpes、Alpes-Maritimes、Ardennes、Cantal、Jura、Lozère、Puy-de-Dôme、Pyrénées-Atlantiques、Hautes-Pyrénées、Pyrénées-Orientales、Vaucluse、Vosges
6Corse-du-Sud、Haute-Corse、GuadeloupeMartiniqueMayotteLa Réunion
海岸など5Calvados(注1)、Côtes-d'Armor、Manche(海峡)、Morbihan(小さな海)、Pas-de-Calais(注2
植物的特徴2Landes(ヒースなど低木しか生えない荒地)、Yvelines(森の名前)
地理的位置2Finistère(地の果て)、Nord(北)
歴史的地名5
(3)
Alpes-de-Haute-Provence、Landes、Savoie、Haute-Savoie、Guyane
町の名前4(2)Paris、Territoire de Belfort、Seine-Saint-Denis、Vaucluse
風景、
詩的表現
1Côte-d'Or(黄金の丘 注3


は重複してリストに入っている県。2度目に出てくるときはの印にしました。

注1:   Calvados(カルヴァドス県)
リンゴで作ったブランデーのカルヴァドスを思い浮かべてしまうのですが、これは県の海岸線に10キロくらい続く白い岸壁「rochers du Calvados」から来ているのだそうです。「Basse-Orne」とか「Orne-infèrieure」と命名されそうになったのを、地元の議員の提案が採用されてカルヴァドスになったとのこと。

注2: Pas-de-Calais(パ・ド・カレ県)
この「Pas」はpassage(通り道)から来ているとのこと。イギリスとの国境になるドーバー海峡を結ぶところにあることからの命名。

注3:Côte-d'Or(コート・ドール県)
この命名を提案したのは、地元の議員で弁護士だったCharles-André-Rémy Arnoult。この地方のブドウ畑が秋に黄葉した風景をイメージしています。

こういうのが黄金の丘「コート・ドール」のイメージでしょうね。ボーヌのブドウ畑の秋の風景です。

Vignoble Beaune

コート・ドールの県名を決める議会では、ご多分に漏れずもれず県内を流れるセーヌ河からHaute-SeineとかSeine-et-Saôneという名前にしようという案があったそうです。セーヌ河はコート・ドール県から流れている川なのですが、セーヌと言われたらパリを思い浮かべてしまうので、それにならなくて良かったと思います。

日本では、南仏の観光地「コート・ダジュール(Côte d'Azur)」がよく知られているので、それにあやかった命名かと思われる方もあるかもしれませんが、フランス革命期に作られた「コート・ドール」の命名から百年もたってからのことです。

コート・ダジュールの名付け親は、コート・ドールの県庁所在地ディジョンで生まれた詩人・作家で、カンヌにある別荘で冬を過ごしていたStéphen Liégeardによるものです(1887年)。「or(黄金)」を「azur(紺碧)」に置き換えただけ。

昔の地方の名前は美しいものが多かったのに、県名は味気ない名前ばかりだと感じます。Haut(上)とかBas(下)を使っているのも考えがなさすぎる。Finistère(地の果て)というのはラテン語から来ているので美しいかなとは思うけれど、Nord(北)というのは可哀想。

地域圏の名前でも、上と下で分けた命名がありますが、「下」にされてしまった地域の人たちは変えて欲しいと言っているのだそう。地域圏の方は合併させる動きが出ているので、「下」というのはなくなるだろうな...。

フランス革命が勃発してすぐに県名を考えたので時間がなかっただろうし、動乱期なので考えたりなんかする余裕がなかったのかもしれない。コート・ドール県に住む人が、「フランスの県で美しい名前がついているのはコート・ドールだけだ」と言っていたのですが、本当なのですね。

★ シリーズ記事目次: フランスのワイン産地
 
ブログ内リンク:
フランスの地域圏名 新旧対照表 2017/01/11
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ » 都市と農村
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外部リンク:
Wikipédia: Administration territoriale
Wikipédia: Département français | Liste des départements français
Wikipédia: Histoire des départements français
Wikipédia: Liste des départements français de 1790
18 juin 2014 - Régions ou départements
Carte des départements Français
☆ Culture générale: Le Nom des Départements
Origines du Calvados : le musée Baron Gérard lance un appel
よく出る分野をまとめて覚える 仏検イラスト単語集 準1~準2級レベル » 国土 


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2015/12/20

シリーズ記事目次 【フランスのワイン産地】 目次へ
その3


前回ロワールワインについて書いたのですが、改めてロワール川流域のブドウ畑が広い地域なのだと気がつきました:
ロワールワインの産地が広いので驚いた

それでロワール川(La Loire)について書きたくなったのですが、この河川の名前を日本語でどう表記するかにつまずきます。


フランス語で「川」と言いたいとき...

フランス人が川を呼ぶときには2つの単語があります。海に流れ込んでいるならfleuve。そうでなかったら rivière

ドライブしていて河川が見えたとき、日本だったら「わあ~、広い川だ」と言えば良いのですが、フランスだと、どっちかの単語を使わないといけないのですよね。fleuveなのにrivièreと言ってしまったら、フランス人に直されます。

例えば、我がブルゴーニュ地方にはSaône(ソーヌ川)が流れています。

ソーヌ・エ・ロワール県(Saône-et-Loire)の県庁所在地マコン(Mâcon)を、ソーヌ川ごしに眺めた風景がWikipediaにあったので入れます。

こういう川を見て、fleuveかrivièreか判断できますか?

Mâcon, le pont Saint-Laurent franchissant la Saône.

ソーヌ川が県境になっていて、この写真はマコン市の対岸にあるSaint-Laurent-sur-Saône(ローヌ・アルプ地方のアン県)でカメラを構えています。この写真を撮った人の後ろにはレストランが軒をつられている場所。

fleuveかrivièreかを考えるとき、海に流れ込むくらい大きな川だったらfleuveだろうと思いがちです。ソーヌ川は立派なのでfleuveと呼んだら、マコン市の高校に通った友達から「rivièreだ」と間違いを指摘されたのを思い出します。「フランス人でもよく間違える」と言ってくれましたけど。

このソーヌ川はフランスで9番目に長い河川ですけれど(全長480km)、ローヌ川(全長812Km)の支流なので rivière。

パリを通って海に流れ込むセーヌ川は、ブルゴーニュ地方のコート・ドール県に水源があるくらいなので、ブルゴーニュ地方の中でセーヌ川を見るときは、マコンの町で見るソーヌ川のような大河ではありません。

それで、セーヌ川をfleuveと呼んで、ソーヌ川をrivièreと呼ぶのは、私にはしっくり来ないのですけど...。


◆ 「ロワール川と書くのが正しいけれど、ロワール河と表記したい

fleuveもrivièreも入る総称としては「cours d'eau」という単語があります。直訳してしまえば「水の流れ」ですが、「河川」というのに対応するように思います。川が流れているのが見えたとき、日本人は「あぁ、河川だ!」とは言わないのと同じように、フランス人も日常会話では「あぁ、cours d'eauだ!」とは言わないと思うのです。

川の名前を知っているなら、fleuveなのかrivièreなのかを知らなくても問題なし。「あぁ、ソーヌ川だ」と言えば良いわけですから。

ところで、フランスで河川の名前には「かわ」という文字が入っていません。住所を見ても、町なのか村なのか全く分からないのと同じ。ただし河川の名前は女性名詞か男性名詞かに分かれています。

フランスで一番長い川で、ロワールワインの地域にも関係するla Loire(ラ・ロワール)。ところが、その支流にle Loir(ル・ロワール)という名前の川があります。最後にEがあるかの違いがありますが、LoireとLoirは同じ発音です。でも、その前に付いている冠詞で女性名詞か男性名詞かで両方は区別できます。なのでフランス人には困らないのでしょうけれど、日本語で書いてしまえば両方とも「ロワール川」なので紛らわしい!

ともかく、la Loireはfleuveで、le Loirの方はrivière。

英語でも、日常会話では河川は「river」を知っていれば良いのではないでしょうか? フランスではどうして海に流れるかどうかで単語を区別するのだろう? 国が大きな6角形をしていて、河川が海に流れつくのが大変だから?

fleuveかrivièreかを間違えると注意されるせいか、いつの頃からか、私は日本語でもそれを区別しないと落ち着かなくなったようです。フランスの河川がfleuveなら「河」で、rivièreなら「川」と、ずっと書いていました。

でも、正しい日本語では、日本の河川は「川」と表記するのだそうなのです。「河」を使うのは中国。「黄河」などにあるように。

フランスの河川に「河」と書いたら間違っていると知ったのですが、直すのはやめようかと悩んでいます。だって、fleuveのla Loireを「ロワール河」として、その支流でrivièreのle Loirの方は「ロワール川」と書けば、2つが区別できるのですから。

でも、「川」としなければいけないのでしょうね。仏和辞典で確認すると、fleuveもrivièreも「川」という訳語になっていました。


ここまで書きながら、河川の名前が女性名詞ならfleuveで、男性名詞ならrivièreかなと思いました。だとすると、大きな発見♪

でも、そうではなかった!

fleuveとして、セーヌ川(la Seine)もロワール川(la Loire)も女性。でも、rivièreのソーヌ川(la Saône)も女性でした。ローヌ川はfleuveだけれど、こちらは男性でLe Rhône...。

フランス人は「フランス語はデカルトの言葉で、論理的なのだ」と言うけれど、それならもっと規則を見つけ出せるような明確な言語にしてもらいたいのだけれどな...。

やはり私は、la Loireは「ロワール河」と書きたい...。


小説谷間の百合の舞台


お城巡りで有名な観光地となっているロワール地方。

バルザック(Honoré de Balzac)の長編小説『谷間の百合』は、この地方が舞台になっています。

小説を読んだ私は、こんな風に思い描いていました。

切り立った山に囲まれた谷。そこに咲く白いユリの花...。
そんなイメージを持つモルソフ伯爵夫人。
Mortsaufという名前に「mort(死)」が入っているので不吉...。

フランス語の原題は『Le Lys dans la vallée』です。

これは英語でスズランを意味する「lily of the valley」をフランス語にした、と聞きました。

スズランは、フランス語ではmuguet。
それでも、イメージはさほど変わりませんでした。

谷間にひっそりと咲くスズランの可憐な花...。

ところが、初めてロワール地方に行ってみると、「谷間」という言葉から連想していたのとはかけ離れた風景が広がっていたのでびっくりしました。

今でも、ロワール河といったら、こういう平野を流れる姿を思い浮かべます。

Vue sur la Loire aux environs de Chaumont-sur-Loire.

私が気に入ったショーモン城のあるChaumont-sur-Loireに流れているロワール河の写真です。

当然ながら、ロワール河も上流の方なら「谷間」と呼べる風景の中に流れていますね。Wikipediaには、こんな写真も入っていました。

Gorges de la Loire (Grangent)

Barrage de Grangentのところ、Saint-Just-Saint-Rambert(ローヌ・アルプ地方のロワール県)で撮影したのだそう。

私が「谷間の百合」からイメージしたのは、こういう山間部にある谷間だったのでした。

小説の題名は「Le Lys dans la vallée」。この「vallée(英語でvalley)」を「谷間」と訳していたわけです。

バルザック(Honoré de Balzac 1799~1850年)は『谷間の百合(1836年)』を、彼が1824年から1837年に滞在していたChâteau de Sachéという城を舞台にして描いていたといわれます。今はバルザック博物館になっているそうです。この城はSachéという名前の村にあって、地図で示すと、こちら。やはり「谷間」のイメージはないですね。

追記: バルザックが時間を過ごしたその城の様子を見せる映像があったので入れておきます。


Val de Loire : Balzac au château de Saché


谷とか、渓谷とか...

ロワールの城巡りで有名な地域は、観光ガイドでもよく登場しますし、ユネスコの世界遺産にも登録されています。

世界遺産としての登録名は、フランス語では「Val de Loire entre Sully-sur-Loire et Chalonnes」ですが、日本語では「シュリー・シュル・ロワールとシャロンヌ間の ロワール渓谷」となるようです。Wikipediaでは「ロワール渓谷」と題したページで紹介されていました。

渓谷? もっとすごい谷間を想像してしまいませんか?

山が多い日本語では、河川の流域と言われると渓谷になってしまうのでしょうか?

仏和大辞典を中心にして、河川に関係する単語を拾ってみました。


vallée広く谷一般を指すが、普通川の名とともに用いて平野を流れる大河の流域をいい、その場合は日本の谷の概念からは遠い。
※ la vallée de la Loire ロワール川流域(ワイン産地で使われている)

vallon,
val
ともに小さな谷を意味するが、valは地名と結びついた若干の用例。慣用句のほかにはあまり用いられない。
※ le Val de Loire(世界遺産の指定地域名としても使われている)

ravin険しく狭隘な渓谷。日本の渓谷は主としてravinに当たる。

cañon両岸が切りたち、深くえぐれた谷。渓谷。
その大規模な例がコロラド・キャノン。

bassin盆地、流域(bassin versant、bassin fluvialなど)
※ le Bassin parisien(パリ盆地)、le bassin de la Seine(セーヌ河流域)



フランスのワイン地図で、ロワール河の流域の地域は、フランス語だと「Vignoble de la vallée de la Loire」とか「vignoble de la loire」とか呼ばれていました。日本では「ロワールワイン」と呼ばれるようです。「渓谷」なんてのは付ける人はいないのではないでしょうか? 谷間で生産されたワインなんて、日当たりが悪くておいしくないだろうと思ってしまいますから。

ロワール古城めぐりの観光ツアーを募集するときも、「渓谷」の文字は入れないのではないかと思いました。だって、ロワール渓谷のお城と言われたら、こんな風な城を想像してしまうではないですか?

Schloss Neuschwanstein

これはドイツのロマンティック街道のハイライトの1つとなっているノイシュヴァンシュタイン城です。こういう風景だったら、ライン渓谷と呼んでもしっくりしますけど...。


ロワール河はフランスで最も長い河川

前回の日記「ロワールワインの産地が広いので驚いた」で書いたロワール川(Loire)は、全長1,006キロで、フランスで最も長い河川です。

どんな地域を流れているのか、地図をしげしげと眺めてみました。

Cours de la Loire.

太い青で示されているのがロワール河(La Loire)。

ロワール河の流域(bassin versant)は11.7万km2の広さがあり、フランスの総面積の5分の1を占める、という記述がありました。それをワイン産地の区分にしてしまったら、ずいぶん広くなってしまうではないですか。

ロワール河流域のブドウ畑(Vignoble de la vallée de la Loire)の面積は7万ヘクタールで(そのうち52,000ヘクタールが原産地呼称AOC/AOPを持つ)、15の県にまたがっているのだそう。





詳しいロワールワイン地図は、こちら


有名なロワールの古城めぐりの観光地

世界遺産として登録された「Val de Loire entre Sully-sur-Loire et Chalonnes(シュリー・シュル・ロワールとシャロンヌ間の ロワール渓谷)」として選ばれた地域は、ロワール河流域の全てではなくて、280Kmの長さ、いわゆるChâteaux de la Loireと呼ぶ城めぐりで有名な観光地を指定しています。

それが「Le Val de Loire」と呼ばれる地域で、下の地図が赤枠で示しています。

Val de Loire ← クリックすると拡大 ↓

Châteaux de la Loire

ロワール河も上流の方は山岳地帯で、そこなら「ロワール渓谷」と呼んで良いと思うのですが、世界遺産が指定したのは平野部のところだけです。それを「ロワール渓谷」と呼んでしまうのに抵抗を感じるのは私だけでしょうか?...

「ロワール渓谷」と呼ばれた地域を空から見た映像があったので入れておきます。


Des racines & des ailes - Loire Paramoteur


不思議なロワール...

ブルゴーニュ地方にあるソーヌ・エ・ロワール県(Saône-et-Loire)は、ソーヌ川とロワール河が流れているためにつけられている名前です。

その県の中にあるDigoin(ディグワン)という町を流れるロワール河に架かる奇妙な橋について以前に書いていました。


クイズ: ロワール河にかかる珍しい橋とは? 2007/04/27

そのソーヌ・エ・ロワール県ですが、県の名前を変えて欲しいと思う人もいるようです。この地方と無縁の人が「ロワール」と聞いたら、お城巡りで有名なVal de Loireと呼ばれる地域を思い浮かべてしまう。「ソーヌ&ロワール」という県名では、どこにあるのか頭に浮かばないではないか、というわけです。

ソーヌ・エ・ロワールの県観光局では、ブルゴーニュ地方の南部にある県だとして「Bourgogne du Sud」という呼び名を使ってPRしています。観光局のサイトも、www.bourgogne-du-sud.com/というドメイン名を取っています。

フランス本土には96の県があるのですが、そのうち6つの県の名前には「ロワール(Loire)」の文字が入っているのです。

ここから考えて書いた記事:
フランスの県名は味気なさすぎる
「リヨンには3つの川が流れている」と言ったのは誰?

★ シリーズ記事目次: フランスのワイン産地

ブログ内リンク:
★ シリーズ記事目次: ロワール河にかかる珍しい橋 2007/05/13
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
★ 目次: 文学、哲学、映画、テレビ番組
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ

外部リンク:
Pourquoi la Vallée de la Loire?
Musée Balzac(Château de Saché)
バルザック研究会サイト
Définition de VAL
☆ 日本語への旅: 川と河
☆ 日本河川協会: 河と川の使い分けを教えてください
「川」と「河」と「河川」の違い


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2015/12/10

シリーズ記事目次 【フランスのワイン産地】 目次へ
その2


ワインのテースティングでは、決まった表現があるのですよね。ワインに詳しい方はお勉強するのでしょうね。

香りを表現するには、道具があると知って欲しいと思ったのですが、高いので止めました。
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アロマバー プレミアム60種


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変な例えもあるのです。「濡れた犬(chien mouillé)の匂い」や「猫のおしっこ(Pipi de chat)」というのはテースティングの定番の用語に入っているのだそう。そう言われたら飲む気がなくなると思うのだけれど...。

でも、自分で感じることを言葉で表現するのだから、何と言っても良いはずではないですか? この夏、「このワインは、どう?」と聞かれた答えた私の表現は、これ:

pénible (ペニ~ブル!)

辛いとか、耐え難いとか言いたいときに使う形容詞です。
でも、これもワインのテースティングでは使わない表現らしいのでした。

「agréable(心地よい)」というのはテースティング用語で使えって良いのではないかと思うのです。それとは逆に、飲み込むのが辛いワインに対しては、こう言うのが一番ではないかと私は思うのですけど、誰も言わないらしいのでした。

でも、言ってみたら大受け♪ だって、そう言いたくなるワインは実際にあるのですから! 日本にいるときは贅沢は言えないので、どんなワインでも飲んでしまうのですけど。

私が「ペニーブル」と言ってしまったのは、ロワールの白ワインを飲んだときのことでした。それから間もなく行ったパリのレストランでのことを前回の日記「お年寄りに優しいワイン?」で書いたのです。そこで飲んだロワールの赤ワインが美味しく感じたときの話しだったのですが、ロワールワインにも心地良いのがあると驚いたからなのでした。


ロワールワインの地域は広い

美味しいのもあるのだと思わせたのは、ソミュール・シャンピニーというアペラシオンで品質保証のAOC/AOPを持っているワインでした。どこら辺で作られているのかと思ってロワールワインの産地の地図を眺めたら、この産地はやたらに広いことに気がついたのでした。

ロワールワイン産地の地図です:

Vignoble de la vallée de la Loire
Vignoble de la vallée de la Loire  ↑ クリックすると拡大写真が開きます

ソミュール・シャンピニーは、左の方にある薄緑色になっている地域で、17番として示されています。


絶品だと思ったロワールワインはサヴニエール

ロワールワインの地図を眺めていたら、ここには私が強烈に美味しいと驚いたワインがあったのを思い出しました。

サヴニエール(AOC Savennières)という名の白ワインです。

上の地図では、ソミュール・シャンピニーと同じ地域区分「アンジュー・ソミュール」(薄緑色の部分)に入っており、9番になっています。

旅行したときには、その土地のワインを飲むことにしているのですが、飲み慣れているのがブルゴーニュワインなので、めったに美味しい♪と感動することがありません。でも、サヴニエールを初めて飲んだときには衝撃だったのです。

サヴニエールのブドウ畑はこんな風なのだそう ↓

Savennières, vignes et terroir
Vignes et terroir de Savennières


根本にある石が奇妙ですね。このブドウ畑の土地の説明に出てくる流紋岩なのだろうか?...

これはすごいワインだと驚いたのは、お城巡りで有名なロワール地方を旅行していたときでした。レストランで食事したときに、ソムリエさんが薦めた地元のワインがサヴニエールだったのです。

余りに衝撃的においしいので、産地まで行ったのですが、とりあえず店でその生産者のワインを探して値段を確認。すると、法外と言いたくなるくらいの高い値段がついている! ブルゴーニュには同じくらいに美味しくて、もっと安いワインがあると思って、買うのは止めました。

ロワール地方での旅行を続けていたので、レストランで食事するときにはサヴニエールがあると注文していました。美味しいのですが、初めに飲んだときのような感動はない。ソムリエの人が、サヴニエールと言ったらここのが一番美味しいのだとは言っていたのですけど。

ロワール地方を旅行していたときには、そのドメーヌの名前を頭に入れていたのですが、もう忘れてしまいました。どこだったのかと思って探してみました。

サヴニエールを楽天市場で検索

やたらに褒められていて、お値段も特別にお高いドメーヌがあったので、ここではないかと思いました。ドメーヌを詳しく紹介しているネットショップをリンクしておきます。


☆ エノテカ: サヴニエール・クロ・ド・ラ・クレ・ド・セラン (1997 年) 12,960円

☆ うきうきワインの玉手箱: ニコラ・ジョリー・サヴニエール・クロ・ド・ラ・クーレ・ド・セラン[2011] 6,739円

フランス情報では、このワインの2012年ものが58.80ユーロとなっていました。日本円にして8,000円くらい。日本にいるときにフランスワインを買うことがよくあるのですが、安いワインだとやたらに高くて、フランスで高いワインだと日本と同じか、かえって安くなっているので不思議...。


生産者の名前はNicolas Joly(ニコラ・ジョリー)。7ヘクタールのブドウ畑でビオダイナミック農法をしているのだそう。ただ者ではないようですね。


The Wine Magician

日本語で本も出していました。

 ワイン 天から地まで―生力学によるワイン醸造栽培

発行は2004年ですね。本は売っていたのですが、ドメーヌのサイトでも紹介されていました。こちらのページから、ダウンロードできてしまいます。120ページもあるので全文ではないでしょうか。
PDF版ダウンロードはこちら


ところで、サヴニエールのワインは、ブドウの品種はChenin(シェナン)を使うことになっていました。貴腐化する事でも知られるとのこと。

南アフリカでもよく使われるブドウの品種だと書いてあるので、本当なのか確認してみました:
シュナンをキーワードにして楽天市場で検索

確かに、フランスの次には南アフリカのワインが多いですね。


ブルゴーニュ地方で生産されてもロワールワインになる地域がある

レストランでは日常は家で飲まないワインを飲みたいので、ロワールワインを選ぶことがあります。安心して選ぶのは、ドゥ・ラ・ドゥセットというドメーヌのプイィ・フュメ。当たりはずれはなくて、いつも美味しいと感じます。とても飲み心地が良いのです。


ラドゥセットのプイィ・フュメを楽天市場で検索

ロワールのワインと思って飲むのですけれど、行政区分ではブルゴーニュ地方のニエーヴル県にあるので、ひょっとしたらブルゴーニュワインの仲間に入っていたかも知れない土地。それで好きなのかな?... でも、ブドウの品種はソービニヨン・ブランで、ブルゴーニュワインではお目にかからない味です。

このドメーヌは何処にあるのか調べてみたら、プイィ・シュル・ロワール (Pouilly-sur-Loire) という村にありました。ドメーヌは立派そうなお城。見学ができるようなので、いつか行ってみたいな...。


オーヴェルニュ地方のワインも、ロワールワインに分類されていた

ブルゴーニュ地方の一部もロワールワインに入っているというのは知っていたのですが、今回ロワールワインの地図を眺めて驚いたのは、オーヴェルニュ地方も入っていたことでした。

下の地図で、右下の肌色の部分です。

Carte vignoble vallee de la loire
Côtes-d'auvergne

オーヴェルニュ地方まで入れてしまうのはワイン産地として広げ過ぎだと思うけれどな...。ここのワインこそ、ペニーブルと言いたくなるのがよくあるのです。

ブドウの品種は何なのかと調べてみたら、ガメー、ピノ・ノワール、シャルドネーが多く使われているのだそう。そうしたら、ブルゴーニュと同じではないですか?! ワインの産地分けがいつ頃行われたのか知りませんが、ブルゴーニュではお隣のボージョレーまでは入れたけれど、オーヴェルニュが入りたいと言ってウイとは言わなかったのではないかな?...

オーヴェルニュ地方のワインがロワールワインに区分されてしまったのが腑に落ちなかったのですが、地図を眺めたら、ここはロワール川の流域と言える場所にあったのでした。




ロワール川(Loire)はフランスで最も長い河川で、全長は1,006キロ。

Cours de la Loire.

ロワール河流域と呼べる地域は11.7万km2の広さがあり、それはフランスの総面積の5分の1に相当するのだそうです。それをワイン産地の区分にしてしまったら、ずいぶん広くなってしまうではないですか?...

続き:
フランスで一番長いロワール川の不思議
★ シリーズ記事目次: フランスのワイン産地

 

ブログ内リンク:
アロマ・カーヴとワインの試飲 2012/10/02
プイィ・フュメはブルゴーニュのワインだけれど、ロワールのワイン 2012/10/03
おいしいと感じるワインは、いつも飲んでいる味のとき? 2009/12/18
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
ソムリエ 講座【008 ワインテイスティングの面白い表現用語】
☆ Le Figaro Vin: Chenin | Coulée de Serrant Savennières
シュナン・ブランの特徴
Vignoble de La Coulée de Serrant
Vins Val de Loire - Savennières
Domaine de Ladoucette
☆ Vin-Vigne.com: Vignoble de la Loire / Vins de la Loire


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2015/12/07
パリで飲んだロワールワインに興味を持って調べてみたら、そこから知りたいことが連鎖反応で出てきてしまい、次々と調べてみたいことが出てくるので、長々と書いてしまいました。

書き始めたときは、ロワールワインの産地が広いことに驚いて、この最後に入れるフランスのワイン産地についてを続きとして入れようと思っただけなのですけれど。

取りとめもないように見えますが、話しは河川からワインへと流れています。その中間に位置するのがリヨンを流れていると言われるボージョレー。さらに、パリとボルドーのワインビジネスへと発展...。



記事キーワード
お年寄りに優しいワイン?
2015/12/01
⇒ ② ③
ワイン産地
ロワールワイン
ブドウの品種

川が気になる
ロワールワインの産地が広いので驚いた
2015/12/10
⇒ ③ ④ ㉝
ワイン産地の区分
ロワールワイン
ロワール河
フランスで一番長いロワール川の不思議
2015/12/20
⇒ ④ ⑤
ロワール河
河川の呼び方
ソーヌ川
フランスの県名は味気なさすぎる
2015/12/22
⇒ ⑤
河川
県名
ロワール河

ローヌ川からボージョレーワインを連想する
「リヨンには3つの川が流れている」と言ったのは誰?
2015/12/26
⇒ ⑥ ⑦ 
河川の呼び方
ローヌ河、ソーヌ川
リヨン市
歴史
ボージョレー
レオン・ドーデ
「リヨンは美食の町」と言ったキュルノンスキー
2016/01/03
リヨン市
美食とは
郷土料理
キュルノンスキー
女性の活躍
ボージョレーワイン: ガメ種が苦労させる?
2016/01/05
⇒ ⑧ ⑨ ⑩ ⑬
ワイン産地
ボージョレー
ガメ種

ブルゴーニュワイン
歴史
ブルゴーニュワインはシンプルな構造とは言えない?
2016/01/08
⇒ ⑨ ⑩ ⑪
ブルゴーニュワイン
ブルゴーニュの新アペラシオン: ブルゴーニュ・ガメ
2016/01/09
⇒ ⑩ ⑬
ブルゴーニュワイン
アペラシオン
ガメ種
ブルゴーニュ
ブルゴーニュ・ガメ
パストゥーグラン
ブルゴーニュワインらしからぬ「コトー・ブルギニョン」
2016/01/11
⇒ ⑪ ⑫
ブルゴーニュワイン
アペラシオン
ブドウの品種
美味しいかどうかには、勘が働くときと、働かないときがある
2016/01/15
⇒ ⑫
ブルゴーニュワイン
ワインの価格
安さが魅力のブルゴーニュワインをウィンドウショッピングしてみた
2016/01/17
ブルゴーニュワイン
アペラシオン
ピノ・ノワール種
ガメ種

ワインビジネスの光と影
ブルゴーニュのブドウ畑の価格は、投資の対象になって急騰していた
2016/01/19
⇒ ⑭ ⑮ ⑲ ㉛
ブドウ畑の価格
ブルゴーニュワイン
投資家
ブルゴーニュのブドウ畑の面積を示す単位
2016/01/21
⇒ ⑮
ブドウ畑
ブルゴーニュワイン
フランス語
フランスのブドウ畑の市場価値(1991年と2014年の比較)
2016/01/24
⇒ ㉖ ㉘
ワイン産地
ブドウ畑の価格
ボルドーワイン


樽を見ていたら、パリのワインビジネスに行きついた
ブルゴーニュとボルドーのワイン樽の違い
2016/01/27
⇒ ⑰ ㉔
ワイン樽
ボルドーワイン
ブルゴーニュワイン
フランス語
ワイン樽の製造: 今と昔
2016/01/28
⇒ ⑱ ⑳ ㉑
ワイン樽
パリとワインの関係 (1): パリのブドウ畑とガンゲット
2016/02/01
⇒ ⑲
パリのブドウ畑
ワイン
ガンゲット
パリの歴史
モンマルトルのムーラン・ド・ラ・ガレットの「ガレット」とは、なに?
2016/02/03
ガンゲット
パリの歴史
パリとワインの関係 (2): パリ・ワイン市場(サン・ベルナール河岸)
2016/02/09
⇒ ㉑
ワインビジネス
パリの歴史
パリとワインの関係 (3): ベルシー地区にあった酒蔵
2016/02/12
⇒ ㉒ ㉓
ワインビジネス
パリの歴史
パリの郷土料理: アントルコート・ベルシー
2016/02/14

補足:
フランスにおける馬肉食の歴史
2016/02/16
郷土料理
レシピ
ワインビジネス
フランス人はワインを飲まなくなってきている
2016/02/27
ワインの消費
ワインビジネス
流行


ボルドーのワインビジネス
白馬の城はコンクリートで出来ている
2016/03/01
⇒ ㉕ ㉗
ボルドーワイン
ワインビジネス
建築
ボルドーでは、有名建築家がデザインした超近代的ワイナリーが流行
2016/03/03
⇒ ㉖
ワインビジネス
ボルドーワイン
建築
ボルドーにだって、伝統的なワイン醸造所がある
2016/03/08
⇒ ㉗
ボルドーワイン
伝統
建築物
「本物」と呼べるシャトーをボルドーで見つけた
2016/05/10
⇒ ㉘
ボルドーワイン
ワインビジネス
建築物
シャトー・ディケム 2000年が、どう作られたかを見せた映像
2016/03/16
⇒ ㉙ ㉚
ボルドーワイン
伝統
ワインビジネス
シャトー・ディケムのワインで、新しい経営者は何を変えたのか
2016/03/19
⇒ ㉚
ボルドーワイン
甘口ワイン
ワインビジネス
甘口ワインのソーテルヌは、どのくらいの貴腐状態のブドウで作るの?
2016/03/20
ボルドーワイン
貴腐ワイン

世界で一番高いワインはロマネ・コンティじゃないの?
2016/03/23 
ブルゴーニュワイン
ワインビジネス
カルトワイン
エリゼ宮のソムリエール
2016/03/24
ワイン
行政機関

振り出しに戻って、フランスのワイン産地の勉強
フランスのワイン産地は幾つに分けるの?
2016/03/25
ワイン産地の区分


  

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスのワイン産地、アペラシオン、セパージュ
★ 目次: ワインの歴史、ワインビジネス、飲酒規制、ワイン文化など
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ


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2015/12/01
パリに行ったら久しぶりに会いたい友達がいました。

その人の奥さんと私はとても親しかったのですが、彼女は亡くなってしまっていたのですが、彼は再婚したと聞いたのです。そのことを私は悪く思っているわけではないと表示しておきたかったのが再会の第一目的。だって、いつまでも悲しんでいたら、天国にいる奥さんだって辛いと思う。

それと、彼はもう80代半ばのなので、遅すぎる前に会っておくべきだと思ったのでした。

2015年秋 パリ首都圏旅行シリーズ
その15 
目次

パリに行くので会いたいと連絡すると、都合の良い日を知らせてきました。

フランス人が人と会うというときは、食事を一緒にするというのが普通のパターン。それで、彼の家に近いところにあるレストランで一緒に夕食をとることになりました。

アルザス料理と韓国料理とどちらが良いか聞くので、どちらでも良いと答えました。私となら和食レストランに行くことを提案される確率が高いだろうと思っていたのに意外な提案。たぶん、パリの日本料理店には奥さんとよく一緒に行っていたので、それを思い出してしまうような和食は食べないことにしたのではないかな?...

奥さんの話しが出たらどうしようかと少し不安だったのですが、共通の友人も一緒だったので安心。

結局、アルザス料理の店で待ち合わせをしました。パリでアルザス料理を食べるというのも奇妙ですが、気にしない。彼は行きつけのレストランのようで、店のマダムは親戚みたいに親しげな挨拶をしていました。

全員がシュークルートを注文。日本ではドイツ式に「ザワークラウト」と言うべきかもしれません。


アルザス料理にロワールの赤ワインという組み合わせ?

アルザスの郷土料理であるシュークルーとは、かなりボリュームのある料理です。そんなのを高齢の友達が食べるのかと思ったのですが、さすがにワインは軽いのにすると言って選んでいました。

昔から美食家だった友達なのですが、ブルゴーニュワインは避けるようになったのだそう。いつも飲んでいるロワールの赤ワインを選んでいました。

私はシュークルートいったら白ワインでないと気持ち悪いし、いきなり赤ワインを飲むというのにも抵抗がある。それで、とりあえず白のグラスワインを注文しました。

グラス1杯なので、すぐになくなってしまう。それで、みんなが飲んでいる赤ワインを注いでもらいました。まずいのではないかと疑っていたのですが、かなり美味しいのでした。シュークルートと合わせても意外に合う。

いつもブルゴーニュワインばかり飲んでいるので、ロワールのワインは私には珍しいのです。日本にいるときに飲むには良いかなと思ってマークしておくことにしました。

銘柄を忘れるだろうと思って写真を撮っておいて良かった。やっぱり忘れているのでした!



日本にいるときに買ってみようかなと思ったのは、おそらくブルゴーニュワインより安いだろうと思ったから。裏側もちゃんと撮影していました。



フランスでこのワインを売っている情報がありました。これみたいです

私が飲んだのは、こういうワインだったことになる:

Saumur Champigny Beauregard 2011年
Baron Briare
AOC Saumur Champigny
cépages: Cabernet franc

ブドウを栽培して作っているというのではなくて、ネゴシアンのワインのようでした。


Saumur Champignyソミュール・シャンピニー

ロワールのAOCワインで、ソミュール・シャンピニーでした。聞いたことがなかった名前。

日本でも売られていますね:
「ソミュール・シャンピニー」を楽天市場で検索

下のワイナリーのものが日本には最も入っていると感じました:


アリアンス・ロワール トゥフォー・ソミュール・シャンピニー 750ml×1本


日本には多くは入っていないらしくて、「こういうワインだそうです」とリンクすれば済むような詳しい情報は出て来ませんでした。

それでフランス語サイトで探してみる。
ソミュール・シャンピニーに関する情報では、あちこちのサイトで下の絵が入っていました。

Riches Heures Berry

15世紀に作られた『ベリー公のいとも豪華なる時祷書(Les Très Riches Heures du duc de Berry)』に入っている絵です。これに入っているカレンダーの1月の絵をブログのプロフィールの写真に使っているのですが、これは9月の絵。城の前でブドウを収穫している風景が描かれています。

とても好きな絵なので、このワインに親しみを持ってしまいました。

この9月の絵に描かれているのはスミュール城(Château de Saumur)なのでした。それでAOCソミュール・シャンピニーのイメージに使っていたらしい。この銘柄のワインになるブドウ畑は、SaumurとMontsoreauの間にあるのだそう。

Image illustrative de l'article Saumur (AOC)

AOCソミュール(Saumur)が存在しているのに、それを差し置いてシンボルに使ってしまうの?...

私が気にすることもないのですが、ソミュール・シャンピニーが作られるブドウ畑とソミュール城の位置を確認してみました(この地域のブドウ畑地図)。

絵に描かれているブドウ畑の場所は、このワインになる位置のように見えましたが、分かりません。


AOCソミュール・シャンピニーの規制では、アルコール度は最低10.5 %で、最高12.5 %となっていました。

高齢の友達が、ブルゴーニュワインより飲みやすいからと言って選んでいたので、このワインはアルコール度が低いのだろうと思ったのですが、特に低いというわけでもないような...。

でも、アルコール度などは余り気にしたことがないので、ブルゴーニュの赤ワインの場合はどのくらいなのか見てみました。

私が軽い赤ワインを飲むといったらガメ種のブドウで作るボージョレーのクリュなのですが、ボージョレーの規制は9.5度~12.5度なのだそう。

本格的なブルゴーニュの赤ワインで軽いのといったら、ピノ・ノワール種のジュヴレ・シャンベルタンを思い浮かべます。こちらは、ヴィラージュで10.5度~13.5度で、プルミエ・クリュのランクで11度~14度となっていました。

結局のところ、ワインのアルコール度というのは大して差がないものなのかな...。でも、ジュヴレ・シャンベルタンも寝かせておくと15度から16度になると書いてありました。

友達がブルゴーニュワインより飲みやすいと言っていたのは、品種によるのだろうか?


Cabernet francカベルネ・フランという品種

ソミュール・シャンピニーは、カベルネ・フランというブドウの品種で、これも聞いたことがない名前でした。

カベルネ(cabernet)というブドウの品種は私でも知っていますが、それについている名前が奇妙。

片仮名で「フラン」の文字を見ると、白を意味する「ブラン」の間違いじゃないかと思ってしまう。でも、赤ワインの品種なのだからブランだったら変ですよね...。

フランス語で「franc」の文字を見ると、ひと昔前のフランスの通貨はフランで、綴りも同じだ... などと考えてしまう。

カベルネ・フランという品種は、こういうブドウなのだそうです。

Cabernet Franc

ブドウの写真を見ても、どんなものなのか想像できないので、もう少し調べてみました。

この品種はfamille des Carmenetsだと書いてある。carmenet(カムネ)のファミリー? これまたcabernet(カベルネ)と紛らわしい名前...。

そのファミリーに入っている品種は次のものが並んでいました:
  • Arrouya
  • Cabernet franc
  • Cabernet sauvignon
  • Carménère
  • Castets
  • Fer servadou
  • Merlot
  • Merlot blanc
  • Petit verdot
  • Saint Macaire
この中で私が聞いたことがあるのは、カベルネ・ソーヴィニョンとメルローくらいです。

そもそも、このブドウ品種のファミリー(属)という分類がよく分からない。

私に馴染みがあるブルゴーニュワインの品種はどのファミリーに入っているのかと調べたら、なんと、赤ワイン用のピノ・ノワールも、白ワイン用のシャルドネも、Noiriensという同じファミリーに分類されていたのです。

ブドウの品種って、普通は赤ワイン用と白ワイン用で分けるではないですか?!

これはVitis vinifera(ヨーロッパブドウ)の分類らしい。

ブドウの品種は、大きく分類するとアメリカ種とヨーロッパ種に分けられる。アメリカ種としてはデラウェア、キャンベルなどがあって、おもに果物として食べるブドウとして栽培される。

ワインに使われているのは、ヨーロッパ種が主になっているのだそう。私がいるブルゴーニュ地方ではワインにするためのブドウの木しか見たことがないのですが、ブドウの実をそのまま食べても結構おいしいのです。ただし、実が小さいので果物として食べるのには余り向きませんが。

Carmenet属(Famille des Carmenets)は、スペインのバスク地方にあった品種で、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼者たちによってフランス南西部に渡ってきたという学説があるのだそう。そういう話しを聞くと、なんとなく興味を感じてきます。

ちなみにソミュール・シャンピニーの生産者組合のサイトでは、17世紀にGuyenne(ギュイエンヌ)からカベルネ・ブランを持ち込んで植えたと書いてありました。

カベルネ・フランは、よく知られているカベルネ・ソーヴィニョンに比べて、香りがよくて、寝かせておくこともできるというので優れている、という記述がありました。髙く評価する人たちもいるようです。確かに、ロワールの赤ワインにしては美味しいと思ったのです。

カベルネ・フランのブドウ畑は、世界で45,000ヘクタールあるけれど、その8割はフランスで栽培されている。その半分くらいはボルドーワインの産地にあって、その次に多いのがロワールワインの産地。

ところが日本でも栽培されているのだというので驚きました。Wikipediaには、カベルネ・ソーヴィニョンに比べて高温多湿に比較的強いために、山梨県を中心に、この品種を導入しているブドウ園がいくつかある、と書いてある。

本当なのかと探してみたら、山梨でカベルネ・フランのブドウから作っているワインが見つかりました。




ソミュール・シャンピニーのブドウ畑はどんなところ?

ブルゴーニュにいるときにワインを買うのは、生産者のところに行って試飲してから買っています。どんな畑なのか、どんな人が作っているのか分からないワインはつまらないのですよね。

それで、このソミュール・シャンピニーができるブドウ畑の様子くらいは見たいと思って動画を探してみました。

生産者連盟が作ったらしいものが出てきました。


Présentation de l'appellation Saumur Champigny

ワインのPRをするなら、どうしてもうちょっと楽しくなるような話し方ができなかったのかな?... これを聞いて、飲んでみたい~♪ という感じにはならないですよ。色々と良いワインなのだと並べているのですけど...。

プロのナレーターを雇ってPRビデオを作れなかったの? ソミュール・シャンピニーというワインは生産量が少なくて、宣伝費はかけられないからなのかな?...

再び情報に戻って生産量を見ると、年間83,000ヘクトリットルと書いてありました。さっき比べたジュブレ・シャンベルタンは17,730ヘクトリットルなので、その5倍近い生産量。そうしたら小規模すぎる生産組合ということにはならないはずではないですか?...

この地域の人たちは楽しくないと感じたときのことを思い出しました。

仕事で3週間滞在したことがあるのです。ブルゴーニュと同じようにワイン産地でもあるのに陽気さがないな... と思ったのでした。この城巡りで有名なロワール河流域地方は、フランスで最も美しいフランス語が話される地方だと言われるのですけど、私は聞き惚れるほど美しくはないと思いました。

何がどうなっているのか分かりませんが、みんなやたらにマジメ。冗談などを言って笑わせてくれることもない。それで、ブルゴーニュに帰りたくてホームシックになってしまったほどだったのです。フランスなのに、私が知っているフランスと違うのでフラストレーションがたまったのだと思いした。

動画のナレーションを聞いたら、あのときのことを思い出してしまった...。


久しぶりにパリで会った友達との夕食は、冗談もたくさん飛び交って楽しかったです。でも、奥さんの話しはひと言もでなかった。たぶん、まだ彼女を失った痛手は癒されていないのだろうと思います。本当に仲の良い二人だったのです...。

高齢になって飲みたいワインというのを知ったのでアペラシオンだけメモしておこうと思って書きだしたのに、長くなってしまいました。

 
「ソミュール・シャンピニー」を楽天市場で検索


ロワールワインに興味を持ったので、続きを書きました:
ロワールワインの産地が広いので驚いた

そこから話しが発展して、シリーズ記事になっています:
★ シリーズ記事目次: フランスのワイン産地

ブログ内リンク:
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
Wikipedia: Saumur-champigny
☆ Syndicat des Producteurs de Saumur Champigny
Musée des Boissons et de la Sommellerie:  AOC Saumur Champigny
Appellation d'Origine Contrôlée SAUMUR-CHAMPIGNY
Saumur-Champigny Wine
Wikipedia: Cabernet franc » カベルネ・フラン
Cabernet Franc Wine Grape Variety Information
辻調グループ校 コンピトゥム:  カベルネ・フラン
カベルネ・フラン(Cabernet Franc)とは?
☆ Wikipédia: Familles de cépages (proles et sorto-types)
Très riches Heures - Septembre


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