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2017/03/15
日本にいるときは、たまには牛肉も食べる、という程度の私です。牛肉は高いから買えないというだけではなくて、やたらに脂が多くて気持ち悪いというのも理由です。

日本には整形肉があると知ったことと、飛行機の中で退屈しのぎに見たビデオで、日本の乳牛は運動もできなくて四六時中食べているから霜降りになる、というドキュメンタリーの影響かもしれません。私が買える程度のお値段の牛肉だと、脂を食べているみたいで、牛肉本来の味がない...。

だいぶ前に、地元にある直売所で買ったという松坂牛をプレゼントされたときには、なんと美味しいのだろうと感激していたのですけれど...。

右に入れた松坂肉をフランス人に食べさせるために用意するとしたら、材料費は一人あたり2万円近くなってしまう。

フランスでは牛肉は贅沢品ではありません。私がフランスにいるときに食べる肉としては、牛肉が一番多いのは間違いないと思う。庶民的なレストランで簡単な食事をしようとするときも、不味くはないだろうと思える無難な料理は牛肉のステーキだと感じています。

それでも、食材として最も安い肉は、フランスでも豚肉なのかもしれない。安いランチメニューでは豚肉がメイン料理になっていることがよくあるし、B&B民宿での夕飯でも出してくることが多いからです。

豚も健康的に飼育されているとかなり美味しい肉になるのですが、どうしようもなく不味い豚肉もある。しかも、牛肉のようにただ焼いただけの豚のステーキというのは、硬くておいしくないことが多いように思います。


◆ 豚肉のコンフィ

レストランの平日ランチメニューのメイン料理が豚肉だったので、魚料理の方を選ぼうかなと迷ったことがありました。でも、豚にしておいて正解 ♪

こんなに美味しい豚肉料理をフランスで食べたことがない、と思ったものが出てきたのでした。



料理の名前は、こうなっていました:
Poitrine de porc confite, mirabelles rôties, lait de verveine

Poitrine de porcというのは、豚のバラ肉のこと。つまり、豚肉の中でも安い部位だったわけですが、柔らかくて、表面はパリっとしていて、ともかく美味しかった。

そう給仕長さんに言って、どういう風に調理したのか聞いてみたら、長い時間をかけて加熱したのだと答えられました。特別な調理器具があるとのこと。つまり、家では作れないという言い方で、「召し上がりたかったら、また来てください」と言われたのだけれど、このレストランはもうなくなってしまったのです。


ミラベル

豚のバラ肉のコンフィに添えてあったのは、ミラベル(mirabelle)と呼ぶプラムの一種でした。



この料理について書きかけて下書きフォルダに入っていたのを取り出したのですが、もう半年前に行ったレストランでした。秋だったので、そのシーズンの旬の果物が付け合わせになっていたわけです。

ミラベルは、ケーキで使うことがあるし、蒸留酒でも馴染みがあります。


ミラベルを料理でも使うのは思いついたことがありませんでした。フランスでは、豚肉料理にリンゴを付け合わせにすることがよくあるのですが、こういう果実の方がしゃれていますね。


食べた豚肉の柔らかさで、角煮や酢豚を思い出した

レストランで豚バラ肉のコンフィを食べたフランスの友人も美味しいと言っていたので、角煮も気に入ってもらえそうに思いました。いつか作ってみたいと思います。

フランス人のために日本料理を作ろうとするときには、どんな料理なのかを説明をして、食べてみたいかと聞くことにしています。食べてから不味かったとは言われたくないので。

でも、私が説明すると、みんな美味しそうには感じないみたい。オイルで揚げたとか、牛肉を煮たとかいうのは、それだけで不味そうなイメージを与えてしまうようなのです。相手が言うことを無視して作ってしまうと、意外性があって美味しかった、と言われることが多いのですけれど。

質の良いレストランにあるお品書きは、読んだだけで食欲をそそられます。コピーライターを雇っているわけでもないのでしょうが、お上手だなと感心します。

それで、私が日本料理を作るときも、説明を上手にする必要があるのだ、と思うようになりました。

レストランで美味しいと感激した豚肉のコンフィを食べた翌日、あの柔らかさは豚の角煮と同じではないかと思ったのでした。さもなければ、酢豚に入っている豚肉の感じ。


最近のフランスでは日本食ブームなので、豚の角煮などはレシピを紹介している人がいるはず。この料理をどういう風にフランス語で名前を付けているのか調べてみました。

「豚バラ肉のコンフィ、醤油風味」とか言っていたら、美味しそうではないですか?...

コンフィという美味しそうなイメージになるのですが、これは、肉の場合は油脂、果物の場合は砂糖を使って、低温で調理したものを指すようなのでした。

豚の角煮は、誰もが「ブレゼ(braisé)」という言葉を使っていました。フランス料理でブレゼという単語を使うときには、オーブンで時間をかけて加熱するのが一般的だと思いますが、角煮でも使って良いわけなのですね。

「醤油や砂糖を入れた水でコトコト煮た料理だ」というよりは、「豚肉のブレゼ」と言った方が食欲を誘うはず。豚の角煮を作るというときには、「poitrine de porc braisée à la japonaise」と言おうと思いました。

酢豚の方は「Porc sauce-aigre douce」という名前が出てきました。なるほどね。甘いというのを出さなければいけなにのだ。


レストランで出された料理のレシピを探す

レストランで出されたトロトロの豚バラ肉料理は、日本の豚肉料理にある触感がありました。フランス式にすると、どうやって作るのかなと思って、似たような料理のレシピを探してみました。

料理名にはなかったのですが、肉の表面にハチミツで照りを出していると感じたので、豚のバラ肉をハチミツを使って料理していることを条件に選びました。


その: La rien de moins que sublime poitrine de porc confite aux épices

私が食べた料理に近いと思ったのが、これでした。



800グラムのバラ肉をマリネするソースは、醤油 5cl、白ワイン 5cl、ハチミツ 大さじ3、生姜5センチの絞り汁、グリーン・カルダモン 小さじ1、ニンニク 2片(おろし汁)、バルサミコ酢 大さじ1で作り、70度で煮てから冷ます。

ソースをバラ肉にからめて、冷蔵庫で12時間寝かせる。

1回目の焼き: 鴨の脂、チキンかヴォーのフォン50cl、ニンニク3片、生姜 5センチ(薄い輪切り)、シトロネル1本(粗く刻む)に肉を入れ、オーブン160度で3時間焼く。30分ごとに、肉にソースをかける。

汁を取り出し、それに醤油 大さじ1、ハチミツ 大さじ1、ゴマ油 小さじ1、ピーナッツバター 大さじ1を加える。それを弱火にかけて煮つめる。肉にからめて、200度のオーブン10分焼く。

醤油や生姜を使って、なんだか日本料理風の味付けですね。


その: Cochon de 8 heures basse température, purée fine aux carottes, thym et orange

大変そうなレシピなので、作ってみようとは思いません。醤油、ハチミツ、ハーブなどを入れたソースに肉を染み込ませ、真空パックにして68度で8時間煮る。あるいは、オーブンを使って70度で8時間焼く(途中で何度もソースをかける)。

出来上がったら輪切りにして、フライパンで焦げ目をつける。


その: Poitrine de porc grillé au four

ソースをバラ肉にからめて、200度のオーブンで1時間焼いていました。

ソースに入れたのは、Viandoxという、私は聞いたことがない商品名。


ヴィアンドックスは、醤油や砂糖が入っているソースだそうです。豚かつソースのようなものなのかな。


その: Poitrine de porcelet confite et laquée au miel pimenté, poivrons grillés et crème fraîche

鴨脂で3時間の低温調理をしています。私が食べた料理と同じように「コンフィ」という料理名。

動画が付いたレシピなので分かりやすい。

ぎこちなく話しているように聞こえるので外国人かと思ったら、カナダのサイトなのでした。カナダのフランス語圏で話されるフランス語は、昔のフランスで使われている言葉が残っているのだそうですが、私にはいつも英語訛りに聞こえてしまう...。

つまり、英語が母国語の人が上手にフランス語を話している感じ。「お上手ですね」なんて言ってしまったら大変な失礼になるのだそうですが、それを私はカナダ人に言ってしまったことがありました。

美味しそうだなと眺めていたのですが、最後にハチミツ入りのソースを作るところで、コカ・コーラを入れているのでびっくり。

フランスのシェフでコーラを使う人がいるだろうか?... やはりカナダのフランス料理らしさがあるな、と感じました..。

そのコカ・コーラを入れたソースのことは「sauce BBQ」と書いてある。バーベキュー・ソースのことなのでした。

WikipediaにはSauce barbecueの項目ができていて、アメリカ南部で生まれて、フランスには1999年に入った、と書いてあります。

記事に書かれているの材料にはコカ・コーラは入っていないのですが、トマトベースで、ハチミツを使っているところでは共通していました。

商品化したものは、Hunt's(ハンツ)のバーベキューソースらしい。

このボトルは、日本の何処かで見たことがあったかもしれないという気もします。

アメリカ産の食品といったら、なんとなく私は食指が伸びませんけど...。

ハチミツを使っているところでレシピを選んだのですが、結局のところ、どのレシピでも醤油などエキゾチックなものをソースに使っていました。

トロりとしていて、甘辛い味にした豚肉。これは日本料理から得た発想ではないのかな?...


◆ 以前にも、驚くほどおいしい豚肉料理を食べていた

こんなに美味しい豚肉料理はフランスでは初めてではないかと思ったのですが、素晴らしい豚肉に出合ったことをブログに書いていたのを思い出しました。思い出してみると、こちらの方がすごかった。


★ イベリコ豚のプルマが、豚肉とは思えないほど美味しかった 2013/10/28

こちらの料理名では、醤油で味付けをしていて、ハチミツで照りを出していることが分かる書き方になっています。付け合わせはやはり果物で、メロンでした。

やはり豚肉は角煮風が美味しいのかな...。

ブログに書いておきながら、このレストランのことをすっかり忘れていました。初めて行った店だったのですが、料理も素晴らしかったうえにコストパフォーマンスも良いので気に入ったのです。

去年はまた近くまで行ったので、どこで食事をしようかとレストランを探したのですが、このレストランがあったのを思い出さなかったのは残念...。

でも、レストランの経営者が変わっておいしくなくなったとか、料金が高くなっていることもありうる。それで、調べてみたら、相変わらずミシュランのお勧めレストランになっているし、平日ランチメニューは私が行ったときより下がっていて、30ユーロになっているのでした。また近くまで行く機会があるかもしれないので、その時は思い出すことにします。




ブログ内リンク:
★ 目次: ハム・ソーセージ類、豚について
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ


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カテゴリー: 食材: 肉類 | Comment (2) | Top
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2017/03/12
ル・モンド紙のサイトに、歴史に痕跡を遺した10人の女性を選んだ記事がありました。日付が今年の3月8日になっているので、国際女性デー関連として作った記事のようです。

動画が入って、日本人らしき女性の姿が見える。誰を取り上げたのかなと興味を持ちました。


10 femmes qui ont marqué l’histoire


中野 竹子

10人の中に選ばれていたのは、幕末におこった会津戦争のときに婦女隊(じょうしたい)として武器を持って戦い、二十歳そこそこで命を落とした中野竹子(1847~68年)という人でした。

死後に描かれたという肖像画(法界寺蔵)がWikipediaに入っていました。



聡明で、かなりの美人でもあったようです。日本では、2013年に放映された大河ドラマの『八重の桜』にも登場していたそうですが、私は見ていません。

ル・モンドの動画では、主観的に10人の女性を選んだそうです。フランスだったら、まずジャンヌ・ダルクを入れるべきだと思ったのに入っていません。


中野竹子は、フランスでも知られた人物だったのでしょうか?

Wikipediaでもフランス語ページが出来ていたし、他にもフランス語の記事が幾つか出てきました。
☆ Wikipedia: 中野竹子 » Nakano Takeko


彼女にスポットを当てたドラマ仕立てのドキュメンタリー『Samurai Warrior Queens』が2015年に作られていました。


Samurai Warrior Queens TRAILER



Women Were Some of the Fiercest Samurai Warriors Ever


西洋人は「女サムライ」とか言って、気にいるお話しだろうな、と思いました。フランスでも、このドラマドキュメンタリーは『Takeko et les guerrières samuraï』という題名で放映されたようです。

50分の動画があったのですが、最近の私は「お国のために死ね」という言葉を聞くのにうんざりしているので見る気にはならなりませんでした。

12. 一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ

でも、全編が入っている動画なので埋め込んでおきます。


Takeko Et Les Guerrières Samurai

追記:
見たくないと言いながら、やはり気になったので視聴しました。日本ではこうなのだと紹介しているだけで、中野竹子の心理などについての掘り下げはなく、私には全くつまらない作品でした...。



女武芸者

Wikipediaでは、「Onna-bugeisha(女武芸者)」という項目が、英語でもフランス語でも出来ていました。もちろん、江戸時代の例として中野竹子に触れています。

こんな絵が添えられています。

Onna bugeisha
Une onna-bugeisha armée d'une naginata, l'arme de prédilection de ces femmes combattantes
Peinture de Kuniyoshi Utagawa
『誠忠義士傳』より「大星良雄内室 石女」(歌川国芳作)


女性が戦うとなったら、やはり薙刀(なぎなた)ですか...。

日本語の記事はWikipediaに作られていないようなので、日本では「女武芸者」をどう定義しているのか調べてみました。

江戸時代には「別式女(べっしきめ)」と呼ばれる女性のプロ剣術家がいた。大小(二刀)まで差し、眉を剃り、眉墨もせず、青く眉の跡が残っており、着物も対ツ丈に着て、引き摺っていない勇ましい格好をしていたらしい。

そして、武芸をたしなむ女性は「女武芸者」と呼ばれた。

Googleフランスで「onna-bugeisha」をキーワードにして画像検索すると、漫画風の絵もたくさん入っていました。フランスでは日本の漫画やアニメに人気があるそうなので、女武芸者はその当たりからも入って知られているのかな?...


中野竹子の写真として使われているのは、武芸者ではなくて、芸者?

他のサイトでも、歴史の流れを変えた女性の写真を並べていたので眺めてみました:
21 portraits de ces femmes, parfois méconnues, qui ont changé le monde

21人を選んだリストですが、11番目に大正・昭和期のフェミニスト木村駒子が入っていました。

もう一人、4番目に女武芸者として鎧兜姿の美しい日本女性の写真が入っていますが、名前は書かれてありません。

フランスの記事では、これを中野竹子の写真として入れているものもありました。でも、戊辰戦争のときにこんな記念写真を撮っていたとは奇妙ではないですか?

例えば、こちらは合気道クラブのブログらしきサイトに入っている女武芸者に関するPDFなのですが、スクロールして4ページ目に行くと、中野竹子として、同じ写真を入れています:
Onna Bugeisha ou femme Samuraï

この記事では、彼女は1868年に死亡とあるのですが、タイトルでは明治時代の女性サムライとされています。この写真が撮影されたのは明治時代のようなのですけれど、彼女はそこまでは生きていない!

つまり、フランス人が日本のことを書くといい加減になる? とすると、始めに入れたル・モンドの記事で使っていた写真も別人のもの?



Wikipediaに入っていた中野竹子の肖像画は、きつい性格の女性に見えるのですが、なまめかしい女性の写真もあったので奇妙だったのです。

Googleフランスで「takeko nakano」をキーワードにして画像検索すると、美しい女性の凛々しい姿が色々でてくきます。よく眺めて比較すると、眉毛や口元がかなり違うので、同じ人物には見えません。

どうやら、フランスのサイトで使っている中野竹子の写真は、芸者さんなどがポーズをとった写真のようなのでした:
☆ 写真で見る昔の日本: 鎧と女性

絵葉書らしき書き込みがある写真も多いので、日本にやって来た外国人たちのために作成していたのではないでしょうか?

絵葉書という習慣ができてからの写真だったら、江戸時代ということはありえないでしょうね。

絵葉書が好まれていたことを書いた過去の記事:☆ 洞窟で隠者のような生活した、ヨーヌ県の伝説的な男性の話し 2013/06/30


さすがに、日本で中野竹子について書いている記事では、フランスのサイトで使っているような女武芸者の写真は使っていませんでした。フランスの記事でも、下に情報リンクとして入れる真面目そうな記事ではイラストには使っていませんね。

なぜフランス人が中野竹子のことを知っているのかと思って、フランスのサイトを眺めてしまった私が悪かった! 日本のことなのだから、日本の情報だけを読めば良かったのだ...。

外部リンク:
☆ 会津物語: 戦場に咲き誇った一輪の花 中野竹子
中野竹子(なかのたけこ)と娘子隊(じょうしたい)
☆ 剣客商売の時代の剣術: 女武芸者
☆ 教えて!goo: 女性の“サムライ”は実在した?
Samurai Warrior Queens (TV Movie 2015)
☆ Le Monde: Dix femmes qui ont marqué l’histoire
Nakano Takeko, cheffe de l’ « armée des femmes «L'Histoire par les femmes
Nakano Takeko, femme samouraï
Nakano Takeko et le Jōshitai le mystère des ‘femmes samurai’

内部リンク:
★ 目次: 文学者・哲学者、映画・テレビ番組


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2017/03/10
フランスには、ニンジン色というのがあります。

日本では人参色などとは言わないのだろうと思ったのですが、存在するのでした。フランスの色と似ていますが、微妙に違いますね...。

日本の伝統色 フランス
人参色
#ec6800
carotte
F4661B
F5671B

カロチン(カロテン)というのは、人参の橙色から来た言葉なのだそう。日本語として聞くと2つの関連は連想できないのですが、フランス語や英語だと、なるほどと思います。ニンジンはフランス語ではcarotte、カロテンはcarotèneなので、始めの部分は同じなのでした。



ニンジン色の髪の毛

フランスの作家ジュール・ルナールの小説『にんじん(1894年)』の原題は『Poil de carotte』でした。

Poil de carotte(人参の毛)というあだ名で呼ばれていた男の子のお話しです。しばらく前に「亜麻色の髪とは、淡い栗色ではなかった」を書きながら、改めてニンジンに例えられる髪の毛はどんな色なのか気になりました。

Wikipediaに入っていた画像は、これでした ↓

 
Reflets de cheveux roux

オレンジ色がかっていますが、この色をニンジンに例えますか...。

こういう赤褐色というか、赤茶色の髪の毛は、フランスではrouxあるいはrousseurと言われます。特に光を放っている場合にニンジンに例えられたようです。

rouxと言えば、小麦粉をバターで炒めて作る「ルー」がありますが、綴りは同じ。こういう色にするからなのでしょうね。

フランスには「renard roux」と呼ばれる狐もいます。日本ではアカギツネですね。



さきほど入れた髪の毛とよく似た色...。


髪の毛の色は幾つに分類する?

肌の色は大きく分けたら幾つになるかを「肌色って、どんな色?」で書いたので、髪の毛の分類方法も探してみました。Wikipediaにあった項目を並べてみます。

日本語 フランス語 英語 中国語
黒髪 noir black hair 黑髮色
栗毛 brun
châtain
brown hair 褐髮色(ブルーネット)
栗髮色
auburn auburn hair 赤褐髮色
赤毛 roux red hair 紅髮色
金髪 blond blond hair 金髮色
銀髪・白髪 blanc(白) gray & white hair 灰白髮色


フランスでrouxと呼ばれる赤毛の髪を持つ人は、フランス人の5%に過ぎないのだそう。世界的にも稀な色で、1~2%しかいないと書いてありました。それなのに、ちゃんと赤毛は大きな分類に入っているのですね。


ニンジンといっても、色々な色がある

人参と言えば鮮やかな橙色を思い浮かべるけれど、原産地のアフガニスタンには、赤や紫、黒や白など、様々な色の人参がある、と書いてありました。

色素の割合で色が変わってくるそうで、βカロテンが多ければ橙色、トマトに多いリコピンが多いなら赤、トウモロコシを黄色くするキサントフィルが多いと黄色、ブルーベリーや赤ジソに含まれるアントシアニンがあると紫色になるのだそうです。

フランスでも、最近は変わった野菜に人気があるので、人参にバリエーションがあるのは見ていました。



マルシェに出店していてパリっ子たちに人気がある直売農家だったのですが、彼は引退すると書いた記事が1年前にありました。農場はどうなったのかな?...


ニンジンは、大昔には葉を食べていた

どの色がニンジンの元祖なのかと思って、少し調べてみました。

原産地はアフガニスタンとみられる。そこから中国に渡ったのが東洋種、ヨーロッパに渡ったのが西洋種。

ヨーロッパでは、原始時代の遺跡からもニンジンの種が発見されていました。でも、大昔にはパースニップと区別されていなかったらしい。

そういえば、ニンジンに似た野菜がありましたね。人参と同じくセリ科の植物でした。

PastinakePflanzegeerntet.jpg  

ヨーロッパで食べられていたニンジンは、中世までは根の部分が細くて、スジも多いので、食べても余り美味しくなかったようです。人参は、むしろ葉を香草として使っていた、という記述がありました。

京野菜に人参の葉があるので、家庭菜園なら若いニンジンを臭覚できるので、その葉で天ぷらを作ってフランス人に出すと、ニンジンの葉を食べるのかと驚かれます。でも、美味しいと言われているのです。今はニンジンの葉を食べなくなった、というだけではありませんか?

パリで生まれ育った友達が、子どものときに夏休みを過ごしていた田舎の家での話しに、こんなエピソードがありました。

パセリを取ってくるようにと言われて、張り切って野菜畑に行った彼女。

持っていった野菜を見た大人たちは、これはニンジンの葉と言って大笑いしたのだそう。

高齢になっても覚えているくらいなので、彼女はかなり傷ついたらしい。

でも、摘んだばかりのニンジンの葉だったら、パセリの代用になるような気がするけれどな...。


さて、ヨーロッパでニンジンがどう進化したのか? フランスの情報を読んでみました。


◆ オレンジの色をしたニンジンが登場したのは16世紀のオランダ

15世紀になって、フランス、ドイツ、オランダではニンジンの栽培を始めた。

薄紫色のニンジンは、ヨーロッパの土壌では風味が失われるために、次第に栽培されなくなり、その代わりに黄色い品種は成長が良いので人気がでた。

白っぽかったり、黄色、赤、緑色、紫色、黒などの品種が登場したが、だいだい色のはない。オレンジ色のニンジンは、人間が意図的に作り出した。

16世紀、果肉が多くてオレンジ色のニンジンが品種改良から生まれ、Longue Orange種と呼ばれた。これが他の品種に取って代わり、色々な品種を生み出していった。

16世紀の絵画では、現代に見る色のニンジンが登場していました。

フランドルの画家ヨアヒム・ブーケラール(Joachim Beuckelaer 1534年頃~1574年頃)の作品です。彼は、当時の食べ物をたくさん描いているのですが、ニンジンらしきものが何枚もの絵に見えます。

ロンドンのナショナル・ギャラリーのサイトに入っている、こちらの1569年の作品では、画像を拡大してみると、左下にはっきりと橙色の人参が見えます。フランスの美術館にある作品では、こちらの絵画でも同じ位置にニンジンが描かれています。


オランダのシンボルカラー

16世紀のオランダで、オレンジ色のニンジンが登場した理由が説明されていました:

フランスのプロテスタント公国であるオランダ王家(オラニエ=ナッサウ家)に忠誠であることを示すために、ニンジンの赤と白の品種を交配して鮮やかなオレンジ色を作り上げた。


この時代には、ウィレム1世 (オラニエ公)がネーデルラント連邦共和国としてオランダ独立国家を築いています。

オラニエ」というオランダ語は、オレンジの意味がある。

つまり、オラニエ公のために、オレンジ色をしたニンジンを作ったということ?!


プリンスの旗
現在の国旗



オラニエ公という名前には、フランスが関係していたのでした。

オランダとフランスの関係で私が知っているのは、中世に栄華を極めたブルゴーニュ公国がオランダにまで領土を広げていたこと。でも、他にもあったのですね。

南フランスに、古代ローマ時代の遺跡が残るオランジュ(Orange)という世界遺産にも登録されている町があります。音楽祭が開かれるので何度も行っていながら、オランダと関係していたとは知りませんでした。

オレンジは、フランス語ではオランジュ。オランダ語でオラニエ。

オランジュ公国(Principauté d'Orange)があって、それを相続したナッサウ家の出のウィリアム1世はオラニエ公と呼ばれるようになったのでした。

オランジュ市の紋章は、オランジュ公国の紋章と同じ。



上の部分がオランジュ公国プリンスの紋章で、下の部分はオレンジの木。

でも、オレンジの果実はオレンジ色ではなくて、黄色か金色ではないですか? 丸いのでレモンではないのだろうとは分かりますが、グレープフルーツに見えてしまう...。
Blason Lamorlaye
オレンジ色は紋章で使わないような気がする。でも、使われることは少ないものの、紋章学ではorangéと呼ばれる色として存在していました。

右にいれたのは、フランス中部にあるLamorlayeという町の紋章です。なぜオレンジ色なのかは調べませんでした。


果実のオレンジは、どんな色だったか混乱してきました。


オレンジは黄色がかっていて、ニンジンは赤っぽいですよね。オラニエ公に因んだ色にするなら、もっと黄色っぽいニンジンにすれば良かったのに...。

でも、当時のニンジンは、黄色っぽい橙色だったり、今の普通のニンジンの色だったりしたのかもしれない。
17世紀の絵画です ↓

Gerard Dou - Woman Peeling Carrot - WGA06634.jpg
Maid at the Window (1660), Gerrit Dou

オランダの画家ヘラルト・ドウの作品ですが、ルーブル美術館に所蔵されているこちらにもニンジンが描かれています。


日本では、こういう細長いニンジンは無くて、寸つまりのが多いような気がします。でも、フランスで葉のついた人参を束にして売っているときは、こういう風に細くて長いニンジンが多いような気がする。

13-08-31-wien-redaktionstreffen-EuT-by-Bi-frie-037.jpg


ともかく、オランダのシンボルカラーはオレンジ色なのですね。



オランダのサッカー・チームです。選手たちのユニホームはニンジン色に見える...。


オレンジ色と言っても色々あるわけですね...。
キャロット・オレンジ
#ED6d35
オレンジ
#EE7800
マンダリンオレンジ
#F3981d
人参色
#EC6800
オレンジ
#FFA500
carotte
F4661B


人参を品種改良してオランダ王家の色にしたというのは、単なる言い伝えというか、こじつけのような気がしてしまいます。でも、美味しい人参を作るために品種改良が進んだのはルネサンス期で、オレンジ色の美味しいニンジンを登場させたのはオランダ、というのは間違いなさそうなのでした。


ニンジンのサラダ

carotte(キャロット)という色のフランス語での説明では、ニンジンの皮をむいたときの色とか、千切りにしたとき(これも皮をむいてからのこと)の色と表現されていました。人参は、皮を剥かない状態でも橙色だと思うのですけど...。

 Carottes râpées

でも、フランスでニンジンの代表的な料理は、carottes râpéesと呼ぶ千切りサラダかもしれない。

フランス料理ではサラダが欲しいですが、レタスなどと違って、ニンジンは必ずストックがある。それで、いつでもニンジン千切りサラダは作れるので便利なわけなのでしょう。

ピクニックをするときの食べ物を探しに肉屋さんに入ると、惣菜コーナーに人参サラダだけはあることが多いです。ありふれた惣菜なので、買う気にはならないのですけど。

母親はこんな風に作っていたと言って、人参サラダの作り方を見せている動画がありました。ボールで作って、そのまま食卓に出されていたけれど、このシェフは最後の飾りつけに工夫を加えたのだそう。


carottes râpées

マスタードをかなり入れていますが、シンプルな作り方ですね。この人参サラダのレシピでは、オレンジの絞り汁を加えると美味しくなるのだと言う人がいたのを思い出しました。あぁ、ニンジンとオレンジでしたか!

ブログ内のリンク:
『にんじん』の作者ルナールの家。そして、赤毛とは? 2008/02/08
亜麻色の髪とは、淡い栗色ではなかった 2017/01/08
肌色って、どんな色? 2017/03/03
★ 目次: 色について書いた記事
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
Petite histoire de la carotte
Pourquoi les carottes ne seraient pas oranges sans l’homme
De l'Histoire de la carotte
☆ 人参の種類: Carottes
☆ Wikipedia: オランダの国旗
オランダ人にとって特別なオレンジ色
なぜオレンジがメインカラー? 対戦前に知っておきたいオランダ代表とお国事情
オランダ国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?
オレンジ色が消えたオランダ国旗
にんじんは何故オレンジ色か
我が国ニンジンの歴史
☆ Wikipedia: オレンジ色
☆ Valenciennes.fr: La Pourvoyeuse de légumes


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2017/03/03

フランスでは4人に1人は、祖父母の代にまで遡れば外国人の血が入っていると聞きましたが、そうだろうなと感じます。

私がいるような田舎にも移民の子孫はたくさんいますが、ヨーロッパ諸国から来た白人系ばかり。それ以外の出身者と出会うのは、県庁所在地のような大きな町。でも、フランスには色々な肌の人たちがいるのだと実感するのはパリですね。


絆創膏の色

だいぶ前のことですが、フランス人と話していて、想像してみたこともないことを言われました。どこかの会社が肌の色によって選べるバンソウコウを発売したのだそうで、すごいアイディアだ! と褒めていたのでした。

当時はインターネットは普及していなかったので、どんな絆創膏なのか想像してみただけだったのですが、今なら画像を探せました。なるほど...、こんなバラエティがありますか...。



色付きだと、こんなにも違うというのが、こちらの画像で効果を見ることができます。

日本では、いわゆる「肌色」以外のバンソウコウは売っていないのではないでしょうか? 探してみたら... そうそう、子ども用のキャラクター付きのがあった。面白いので、日本で買ってフランスの子どもにプレゼントしたことがあります。
  
それはお遊びで良いのだけれど、子ども用でもなさそうなのに、青やピンクの絆創膏もある!



何かと思ったら、工場内での作業に使うための目立つ絆創膏なのですって。剥がれて何かに紛れ込んでも見つけ出しやすいし、金属探知機で検知もできるようになっているのだそう。

便利になりすぎると、不便になることもあるのですよね。自動車が音もなく走ると、近寄ってきても分からないから轢かれてしまう。だから、ある程度は音を出して走るようにする。


肌の色は何色に分ける?

少し前に聞いたトランプ大統領の就任演説で、1つ気になる部分がありました。

Whether we are black or brown or white, we all bleed the same red blood of patriots.

肌の色に係わらず、人間なら誰でも赤い血が流れている。うまいことを言いますね。でも、彼は国籍で差別したのだから、良い演説だったとは思わないけれど。

こういう場合、血の色を持ち出さないとしたら、他に何が人間に共通と言えるだろうか思いました。

そうしたら、先日書いたフランスのチーズに関するドキュメンタリーの中で、人間が初めて体験する味覚はミルクの味だから、我々はみなミルクの兄弟なのだ、という発言がありました。なるほど...。でも、考えてみれば、それが「哺乳類」と言われる所以なのですから、うまい表現を見つけたと感心することはない...。

ところで、トランプさんが出していた肌の色は、黒、褐色、白でした。アメリカにはたくさんいるはずのアジア系の人たちは無視しているのか、この3つの中の何処かに入るからそれで良いのだろうか?...

フランス語のページでは、肌色の3色をこう表現している人がいました:
peaux mates, noires ou métissées

黒は出しているけれど、白を避けているのは良いかもしれない。

絆創膏の色は5色だったのに、単純に分けると肌の色は3色かな?...

そうすると、日本人としては、黒でも白でもないけれど、褐色と表現するには抵抗があるではないですか? ヨーロッパで子どもを育てている日本人が書いていることを読んだら、私たち黄色人種は褐色に入れられるということのようでした。

20世紀半ばに調査された肌の色の分布図がありました。



8種類に分けていますね。私に意外だったのはオーストリア。アメリカと同様に白人に占領されているようなイメージだったのですけれど...。

もっと細かく分けたのは、こちら ↓


Échelle chromatique de Von Luschan

これだけ並べるなら、濃いピンク色も入れたら良かったのに...。

アメリカに留学した韓国人の友達は、自分よりずっと色黒のインド人たちはホワイトとされていたのだ、と不満をもらしていました。インド人はコーカソイドだから白人なのでした。


フランスで家に来た人が小さな子どもを連れて来たとき、その子は私を見るなり驚いたようで、ママを突っついてこう言いました。

「彼女、黄色くない...」

アジア系の人間を見たのが初めてだったのでしょうね。それはそうですよ。レモンのように黄色い顔をしていたら病気です! ママの方は子どもが失礼なことを言ってしまったと慌てていましたが、私も含めて、全員が大笑いしました。

肌の色は何色に分類するかを調べていたら、あの時の子が思い浮かべたのは、こういうのだったのではないか、と思える漫画風の顔の絵が出てきました。


アップル iOSの絵文字で使っている肌の色

アップルの絵文字は、一部のユーザーが「絵文字は白人偏重、人種的多様性を反映していない」などと抗議していたので、肌の色を選べるようにした、という2年前のニュースでした。



左端は、極端な黄色。黄色人種をこんな色にするなんて、酷いではないですか?!

この黄色は人種差別だと言って、アップルにとっては大事な顧客の中国から反発が出たのだそう。アップル側では、濃い黄色の顔はいわゆる「黄色人種」ではなく、デフォルトの肌色だと説明していたとのこと。

確かに、左端のは位置が少し離れているし、黄色を入れるなら白と褐色の間にすべきなので、アップルの説明はこじつけではなかったような気はしました。

それで、自分のiPhoneで確認してみることにしました。

私は殆ど絵文字を使っていません。iPhoneでは、予定表に書き込むときに分かりやすくするために、クローバーやワイングラスや国旗のマークを入れている程度。それで、顔のマークは気にしたことがなかったし、肌の色でバリエーションまで出来ているとは知らなかったのです。

本当に色分けがあるのでした。黄色は確かにデフォルト用ですね。初めには黄色が出ていて、その色を変えたければ選択肢がある、という風になっていました。



デフォルトは、目立つように金色にしたつもりなのではないかな。色のチョイスが出来なかったら、これが黄色だということは全く意識しなかったと思う。

iOSが肌の色を選べるようにしたのは2015年だったようです。それ以前はどうしていたのだろう? 一番薄い色にしていたのかな。

ともかく、現在のところ、黄色はデフォルト・カラーとして、残りの5つの色が肌の色ということになります。やはり、絆創膏と同じように、肌の種類は5色ですか。

欧米系の人なら、1ダースの半分で6が基本数かと思っていました。
でも、指も5本だった...。


肌色って、どんな色?

私たちには「肌色」という便利な呼び名があります。そうフランス人に言ったら、どんな色と聞かれて、はたと困った。日本人だって、肌の色には違いがありますから。

肌色のカラーコードを確認して、それに近い色をフランス語では何と呼べば良いのか調べてみました。

和色名フランスの色名
肌色
#FCE2C4

Bisque
#FFE4C4


ビスク

Jaune nankin
#F7E269


南京イエロー


の南京色は、さっきのアップルのデフォルト色のような派手さがあるのでびっくりしました。でも、これは南京で作られていたNankinと呼ばれる木綿の布地の色か、中国の皇帝の色ということから来た命名のようです。

のビスクという色が、最も肌色に近いように見えました。でも、フランスではファッションや塗料の色として存在しているものの、普通の色彩図鑑などには入っていない名前のようです。私の仏和辞典でも、bisqueに色関係の訳語はありませんでした。

ビスクはファンデーションの色にもなっていたので、肌色と呼べますね。

☆ ファンデーションとしての
  Bisque色のバリエーション
ところで、ビスク(bisque)という言葉は、ビスケット(フランス語でbiscuit)から来ている? でも、甲殻類で作るスープのビスクと同じ綴りなので、それから来ているという記述もありました。

Lobster Bisque
Bisque de homard

スープの方は色が濃すぎますよ。肌色は、ビスケット色と呼びたいな。

ところで、大発見!


◆ 文房具では「肌色」という言葉を使わなくなっていた

2000年前後から、大手文具メーカーが協議の結果として「肌色」という呼称の使用を取りやめるようになり、2005年から2006年頃には、全てのクレヨンからこの呼称が撤廃されていたのでした。

ぺんてるでは「ペールオレンジ」、サクラクレパスは「うすだいだい」と呼んでいるそうです。

サクラクレパス NO.7 うすだいだい

何色をしていても「自分の顔の色が肌色」だと言えば良いわけですが、「肌色はこれ」と決めておいたら明らかに差別ですね...。


ブログ内リンク:
★ 目次: 色について書いた記事

外部リンク:
☆ Wikipedia: 肌色 » Couleur de la peau humaine
☆ 日本人の肌色カラーイメージ
クレヨンから「はだ色」が消滅 理由は「人種差別に繋がるから」
あなたの肌の色は何色ですか? ~ 日本人が人種差別意識を持っていない証拠
人種差別・英国式「肌の色」分類
アップル、絵文字に人種と肌の色の違いを導入。iOS 8.3 - OS Xベータから
アップル「黄色い顔文字」に中国で批判噴出 「あんな黄色い奴みたことない」「アジア人への偏見だ!」
黄色は皇帝の色?黄色と中国伝統文化はどういう関係?
トランプ新大統領誕生! 就任演説全文(英語)|ロイター発


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カテゴリー: 日本 | Comment (4) | Top
この記事のURL | Rédiger
2017/03/01
ここのところずっと乳製品について書いていて、思い出しました。

フランスの子どもたちに牛の絵を描かせると、紫色の牛を描く子がいると聞いたので、嘘でしょう? と友人に聞いたことがあるのです。

パリ首都圏で小学校の先生をしていた友人は、クラスに必ず1人は紫色の牛を描く子がいる、と断言したのでした。

こんな牛の絵を描くらしい...。




ミルカのチョコレート

チョコレートに「ミルカ」というのがあって、パッケージに紫色の牛の絵が描いているのが原因なのだそうです。



これは私でも知っています。チョコレートなのでスイスのかと思っていたのですが、書きながら調べてみたら、メーカーはドイツの会社なのでした。

フランスの板チョコ市場では、ミルカは27%のシェアを占めているのだそう。そうかも知れない。スーパーで10枚くらいを紐でくくったパックを山積みして売っていたのが目に浮かびます。

パリに住む子どもたちには、ミルクはパックに入っているものだと思っていて、牛の乳だと分かっていない子もいる。となれば、牛といえば、よく食べているミルカのチョコレートに結び付けるのかもしれない...。

ミルカは日本でも売られていましたが、日本では「牛=ミルカ」となるほどには有名ではないだろうと思います。Wikipediaでは、Milkaの項目がヨーロッパ言語でできていましたが、日本語へのリンクはありませんでしたので。


薄紫色のイメージ

ミルカの板チョコのパッケージは1901年発売当初から薄紫色だったものの、この色の牛が登場したのは1973年だそうです。

変化していったパッケージの画像は、こちらで見れます:
☆ milka.fr: L’histoire de la marque

ミルカのシンボルカラーは、モーブ色、紫色、ライラック色と表現されていました。メーカーのフランス語サイトではモーブ色と表現していますね。

この色はtendresse(優しさ、愛情、思いやり)のイメージがあって、このミルクチョコレートのイメージと合致するとのこと。

私は紫色は好きではありませんが、こんな風に赤味を帯びた色合いだと、ほんのりするものがあるかな...。

コマーシャルでも、優しさを強調していますね。ミルカ牛が登場すると、みんな抱き合ってしまう。


Milka la vache mauve : osez la tendresse

こういうコマーシャルなら、番組を中断して見せられても不快感はないかもしれないな...。


牛の品種は?

白黒ブチのホルシュタイン種の牛で、黒の部分を薄紫色にしているように私は思っていたのですが、ミルカのモデルはシマンタール種(Simmental)なのだそうです。

その品種の中でも、ドイツ原産のFleckvieh種がミルカ牛に似ていると思いました。

Simmentaler Kühe auf Weide.JPG

この写真で、左側に欠けて見えているのが、フランスで見かける普通のシマンタール種の乳牛です。

コマーシャルで、とんでもない子が生まれちゃった、というのは、こんな子?



可愛いですね。


ミルカという名前のオペラ歌手

ミ・ル・カという名前は、シラブル3つで、どの国の人にも覚えやすいのではないでしょうか?

このチョコレートの商標登録がされたのは1901年。

当時は、ミルカと聞いたらソプラノのオペラ歌手ミルカ・トルニナ(Milka Trnina 1863~1941年 クロアチア出身)にちなんでいると思った人たちが多かったようです。

TerninaTosca

ミルカ・トルニナは、彼女の故郷にある美しい滝の名前にもなっていました。

でも、チョコレートのミルカ(Milka)という命名は、ドイツ語で「Milch und Kakao(ミルクとカカオ)」から作ったのだそう。



あぁ、ドイツのチョコレートを宣伝しちゃった?...

それにしても、フランスであれだけ有名なチョコレートがドイツ製だったとは驚きでした。

フランス人はドイツやイギリスの食べ物は不味いと貶しますので。日本ではドイツのソーセージは美味しいと言われますが、フランスでそんなことを言う人に出会ったことはありません。フランス人が外国産で褒めるハム・ソーセージは、イタリアとスペインだけだと思う。

でも、なぜか、ドイツからフランスに入った食料品は安いのが多いです。物価がフランスより高いはずなのに、なぜなのだろう?..




ブログ内リンク:
★ 目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム)に関して書いた日記
小さな村のドイツ人歓迎パーティー 2010/11/08
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★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 色について書いた記事

外部リンク:
☆ Prodimarques La vie des Marques; Saga Milka
Bestiaire de la pub  Milka  Sa vache violette  Ses Tendres Moments


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