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2017/08/02
フランスで和食に人気が出てきてからは、私が日本料理を作ることを期待されるので作らざるを得なくなりました。

寿司よりは刺身の方を好まれると分かってからは、下手に寿司を握ることはないと結論したので気が楽です。ちらし寿司などは、何でも良いからお腹をいっぱいにしたい若者の集まりならともかく、作る必要もない!

日本料理を出す食事会では、刺身の盛り合わせをメインにした献立にするのですが、生で食べられる魚介類は高価なので、人を招待するとお金がかかりすぎるのが難点。何しろ食べる量がすごいので、切るだけで良いマグロなどは1キロくらい買うことになるからです。

少量の2人前か、簡単な前菜として刺身を作ると、こんな感じ。

  

フランスの友人から、和食レストランを開くと良いのにとよく言われます。でも、招待されているから彼らは来てくれるけれど、値段を付けたら絶対に来てくれないのは明らかです。私が料理する労働は無視して、食材の原価だけで値段を付けても、ミシュランの星を持っているレストラン並みの料金にしないと採算がとれませんから。

それで、お腹にたまる日本料理の作り方を研究しようと思いました。

でも、食べることに対する執着がフランスの中でも例外的なブルゴーニュだと問題なのです...。

上手くできれば褒めちぎってくれて、何年も後になっても「あのときの料理は忘れられない」などと言ってくれますが、出来が悪いと遠慮なく貶すか、絶対に食べないという拒否反応があるのです。

礼儀正しい人は「お腹がいっぱいだから食べられない。ごめんね」などと言いますが、チーズを出すともりもり食べるのですから、お腹がいっぱいだったはずはないと分かる!

私が作る料理は、量が少なすぎるのが難点だ、などとも言ってきます。私としては、どう評価されるか分からない実験料理は、たくさんは作りたくないのです。量が少なければ、多少まずくても食べてくれますが、たくさん残ってしまったら非常にめげるではないですか?

料理のレパートリーを増やさねば、とは思うのですが、喜んでもらえる料理を作る実験を重ねなければなりません。


豚の角煮は嫌われた

少し前、豚肉のバラ肉で角煮を作ってみました。

作ってみようと思い立ったのは、この記事を書いたとき:


角煮の味を思い出させた豚バラ肉のコンフィ 2017/03/15

肉の脂身が多いのはフランス人に嫌われるのが分かっています。それで、脂っぽくない角煮だと強調している日本のレシピを探しだし、かなり時間をかけて角煮が出来上がりました。

日本人に食べてもらったら、「おいしい」と言われそうに出来上がりました。でも、フランス人たちには全く受けなかった。実験なので、ほんの少しの量にして、1人2口程度にしておいたので、いちおうは平らげてくれましたけれど。

食べ終わったら言われてしまった。
「これは二度と作る必要はないね」

自分でもそう思いながら食べていましたから、そんなことを言ってくれる必要はなかったのに! 私はフランスにいるときに醤油味を食べるのは好きではないので、日本料理が嬉しいなどとは思わないのだし。

やはり、フランス人たちとっての日本は魚を食べる国なので、海産物を使った日本料理が喜ばれるかな?... でも、もともと私は日本でも魚料理はめったに作らないし、海産物についての知識は全くないのです...。


Barヨーロピアンシーバス

朝市に新しく入った魚屋さんに行ったら、bar(バー)という魚を特売していました。3匹買えば10ユーロという張り紙がある。養殖ものではなくて、釣り竿で釣った天然ものだということを示す「bar de ligne」というアトラクティブな文字が見えました。

生で食べる海産物を買う気にはならない魚屋でしたが、スーパーに入っている魚屋よりはマシそうに見える。特に、この特売のバーという魚の目は新鮮そうに見えました。

1人か2人で1匹という感じの小さな魚でしたが、1匹あたり400円くらいというのは安い。それで、この魚で調理の実験をすることにしました。


Bar commun

一度、日本人とフランスのレストランに入ったとき、この魚の料理が出たので「海で捕れるスズキです」と説明したら、「スズキは淡水魚ですよ」と言われてしまったことがありました。

改めてbarを仏和辞典で調べてみたら、ニシウミスズキと訳されていたのですけど...。

Wikipediaでは、仏語ページのbarから、ヨーロピアンシーバスにリンクされていました。この呼び名を覚えておいた方が良いですね。何だか分からない名前で言った方が無難です!

この魚は、フランス国内でも統一されているわけではない。南仏ではloupと呼ばれます。loup(ルー)というのは、オオカミの意味で普通は使う言葉。何でも食べる魚だからの命名なのかな?...

プロヴァンスの貸別荘に滞在したとき、大きなヨーロピアンシーバスを買って、ただ普通にバーベキューにしたら非常に美味しかったのが忘れられません。


特売で買った3匹は、まず1匹で刺身を作って、酢醤油で食べてみました。食べられるけれど、美味しいわけではない。

それで、フランスのレシピを探してオーブンで焼く料理を作ってみたのですが、これが非常に美味しかったのでした。

この時、オーブンに入れる前の状態だけ写真に撮っていました。



あり合わせの野菜やハーブを入れて、オリーブオイルで焼けば良いので、簡単に出来てしまいした。

かなり美味しい♪

フランス人は余り作らない料理やエキゾチックな料理を作ると喜ばれるので、これを私のレパートリーにしようかと思いました。

後日、また練習しておくためにヨーロピアンシーバスを買って、同じように作ってみたのですが、これは大失敗!

調理する前に少し魚を塩でしめたのですが、それを洗い落とすのを忘れてしまったので、しょっぱくて食べられるものではない。しかも、野菜の入れ方を同じにしなかったせいで、味もよくない。

余りにも簡単な調理法だったので、再びレシピを確認することもなく、適当にやってしまったのがいけなかったのでした。

魚は少しだけ食べて、残りは捨てることにしました。家猫も食べてくれないので庭に皿を出しておいたら、野良猫が来たらしくて、きれいに頭の皮と骨が残っていました。フランスの猫でも、魚の食べ方を知っている子がいるのだな、と感心...。


また失敗しないように、1回目に参考にしたのだろうと思われるレシピをメモしておきます。

ヨーロピアンシーバスのオーブン焼き


材料:
  • ヨーロピアンシーバス 小さなもの2匹
  • 玉ねぎ 1個
  • ニンニク 1かけら
  • トマト 1個
  • エシャロット 1個
  • バター、オリーブオイル
  • レモン
  • パセリ、塩、コショウ
作り方:
  1. グラタン皿にオリーブオイルを塗ってから、玉ねぎの輪切りを敷き、それから魚をのせる。
  2. その上にレモンの輪切りをのせ、くし形切りにしたトマト、細かく切った残りの材料を入れ、最後に小さく切ったバターをのせる。
  3. オーブンに入れ、180度で20分くらい焼く。


失敗したときには、エシャロットやバターを入れ忘れていたようです。

レシピには忠実でない私なので、1回目に作って成功したときには、このレシピにないものも入れていました。庭にあるローズマリーとタイムを少しのせました。それから、白ワインも少々振りかけた。さらに、茹でたブロッコリーが残っていたので入れていました。


Couteauマテ貝

築地の魚市場に行くと、どうやって食べるのか想像もできない奇妙な海産物が色々売られています。魚屋さんがパリの魚市場に仕入れに行くときにトラックに乗せてもらって行ったことがあるのです、ランジスと言えば有名な市場なのに、いつも見かけている海産物しかないので驚きました。

フランスでも、たまには珍しい海産物を見かけます。

私はゲテモノが好きなのかな。気になっていた貝があります。

先日、スーパーの魚屋さんの前を通ったら売っていたので買ってみました。これで1,000円くらいだったので、実験しても良いかと思ったのです。



フランス語でCouteau(クートー)と呼ぶ貝です。どこかで見たときに名前を覚えていましたが、食べたことはなかったと思います。

名前をしっかり覚えたのは、クートーというのは「ナイフ」の意味があるからです。

棒みたいな変な貝です。



日本では見た記憶がないのですが、存在していて、マテガイと呼べば良いようです。

マテというのは「真手」で、両手のこと。殻の両側から足と水管を出しているのが、左右の手のように見えるから、とのことでした。カミソリガイ(剃刀貝)とも呼ぶようです。

売っていた魚屋の店員さんに、どうやって食べるのか聞いてみました。自分では食べたことがないけれど、お客さんが言っていたというレシピを教えてくれました。

よく洗ってから、フライパンにのせて、さっと加熱し、貝を開かせる。
それから、バターにニンニクとパセリのみじん切りを混ぜたものを貝に乗せて、オーブンで焼く。

つまり、エスカルゴの食べ方ではないですか?

刺身の具になるかと期待して買ったのですが、フランスでも生で食べるようではないし、日本でも生では食べないようでした。

マテガイは幾つかのレシピで試してみることにして、3分の1くらいの量を使い、貝の中身を取り出して、オリーブオイルで炒めて調味料を振りかけるというのをまずやってみました。

食べられるけれど、ゴムみたいで、ちっとも美味しくない!

残っている貝は、エスカルゴ風にしたり、日本のレシピを探してみようと思いました。ところが、その後の2日は、友人の家に招待されたり、レストランに行ったりしたので、貝は冷蔵庫に入ったままになってしまいました。

貝は日持ちしないでしょうから、つくだ煮にでもしておこうかと思ったのですが、美味しくなかったので、手間をかける気がしませんでした。

ようやく家で食べることになったので貝を取り出してみると、全部が開いている。つまり、死んでしまった? 臭い匂いはないので、まだ食べられたのかもしれない。

でも、フランスで生牡蠣の中毒で猛烈に苦しんだ人の話しを聞いているので、このマテガイを食べる気にはなりませんでした。まして、スーパーに入っている魚屋は全く信用していないので、始めから貝が生きていたのかどうかも怪しげですので。

貝が腐ると強烈に臭いでしょうから、ビニール袋に入れてしっかりと袋の口を閉じてからゴミ箱に捨てました。

捨てる前に眺めたら、この貝にはぎっしりと身がつまっていたので、かなりお安い食材なのだと分かりました。でも、美味しいわけではない! この貝は2度と買わないと決めたことを忘れないように、ブログにメモしておきます。

それでも気になったので、日本のサイトにあるマテガイのレシピを調べてみたら、色々ありました。加熱は短時間にすべきらしい。私の実験でゴムのような仕上がりだったのは、加熱し過ぎたからかもしれない。でも、さっと炒めただけだったと思うのだけれどな...。

マテガイは、日本の季語・歳時記では春なのだそう。春に食べるべきなのかな? ちなみに、私が買って実験したのは7月でした...。


ヨーロピアンシーバスの続き:
美味しそうに見える魚の姿は?


ブログ内リンク:
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
ブルゴーニュで刺身の材料を仕入れるのは難しい  2015/07/09
★ 目次: フランスの日本食ブーム
★ シリーズ日記目次: フランス人にとっての米 2012/11/03
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
Recette de Bar au four
☆ 市場魚貝類図鑑: ヨーロッパスズキ 魚類
☆ Wikipedia:  Bar (poisson) | Bar commun » ヨーロピアンシーバス
☆ 市場魚貝類図鑑: マテガイ 軟体
☆ 寿司図鑑: マテガイの握り
☆ Wikipedia: Solen ⇒ マテガイ科
マテ貝の調理法~美味しい食べ方~


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