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2008/02/03
素敵なお母さんを持っていた友達がいました。

そのお母さんというのは、すごいな~! ♪♪♪ と感心してしまった高齢の女性です。今生きていらしたら、百歳になられる頃だったかも知れません。

田舎育ちで、小学校しか出ていないのですが、とても頭の良い人でした。

私の友達は、たくさんいる兄弟の中で、末っ子。東京に出たのは彼だけという家庭でした。

親孝行な彼は、大学を卒業して働き出すと、山の中からほどんど出ることがなかったお母さんを、あちこち旅行に連れていきました。

その話しが面白かったのです。

京都の苔寺にいったら、ぎゃふんとしたというエピソード。

だって、彼のお母さんは、こう言ったのだそうです。
「なあんだ、ウチの裏庭と同じだ」。

でも、そういう反応って、私は好きなのです。そう言えてしまうのって、すごいと思う。

喫茶店に入ったら、男性のウエーターを見てびっくりされたそうです。男性がお給仕をするというのは異様なのでしょうね。

思いつかない反応をなさるのでした。


◆考えてみれば、確かに奇妙・・・

そういう類いの話しの中に、教会に連れていったら、これまたびっくりされた、というのがありました。

このお婆さんが驚いたのは、祭壇に飾ってあるキリストでした。

想像なさってください。キリスト教が何であるかを知らずに教会の中に入ったら、びっくりしても当然だと思います。

ほとんど衣服も身につけない人が、手足に釘か何かを打ち込まれて十字架にかかっているのです。しかも、それが一番大事そうなところにある。これは異常すぎるくらい異常なことです!

キリスト教って、なんて残酷な宗教なのだろう!・・・
それが、お婆さんの一言だったそうです。

そういう目で見られるのって、子どももできるかも知れない。でも、たいてい先に説明されてしまって、見ても驚かないようになってしまっているのではないでしょうか?


◆フランス革命は野蛮としか思えない・・・

前回の日記(フランスの教会: タンパン )を書きながら、このお婆さんのことを思い出してしまいました。



こういうのを見たら、何とおっしゃるだろう? って・・・。

フランス革命のとき、貴族と聖職者が富を独占していると標的にされました。

革命でも、戦争にしても、共通の敵をはっきり定めておくのが効果的なのだと思います。ナチスなどは、その典型だと思う。

それで、貴族はギロチンにかけられたのですから、教会の壁に彫られているキリストや聖職者たちの首も切った、というわけでしょうか。なんとも野蛮な話しです。

その当時は、いくら信仰心がなくても、神様を全く無視するのには抵抗があったと思うのです。なぜ、それができてしまったのか不思議でなりません。

無神論者だった啓蒙思想家の中でも、キリスト教は否定したけれど、墓地にちゃんと埋葬されないと考えて苦しんだという話しを聞いたことがありました。記憶が定かではありませんが、ヴォルテールとディドロだったと思います。

教会にある聖人たちの頭をハンマーか何かで叩き壊した人たちは、「地獄に落ちる」という強迫観念に悩まされた人もあったのではないでしょうか?・・・


◆ディジョンのノートル・ダム教会のタンパン

今まで見たフランスの教会のタンパンの中で、破壊で一番ひどかったのは、ここだったと思います。



雨ざらしにはならないところにあるタンパンです。
彫刻は影となっています!



一昨年の日記(なぜガーゴイルがたくさんあるのか?)でお見せしたノートル・ダム教会(ブルゴーニュ地方のディジョン市)」です。

この教会に向かって左手にあるパン屋さんのご主人が、夜になると出てきてタンパンの彫刻を壊した、という、本当か嘘か分らない話しが伝わっています。

パン屋さんは、その当時もあったとのこと。
そして、そのパン屋さんは、今でも存在しています!



古びた店のつくりのパン屋さんなので、なんだか真実味を帯びてしまいます!


この教会にはお人形さん一家が時を告げる時計台もあるので、いつもガイドさんに付き添われた観光客が立ちすくんでいます。

パン屋さんの話しも、面白おかしく話しているのかも知れません。

もう彫刻は影の程度にしか見えません。頭を切るというのも残酷ですから、こんなになってしまった方がまだショッキングではないかも知れない・・・。


◆跡形もなく破壊されてしまった所もある

彫刻が破壊されただけではなくて、教会ごと破壊されてしまったところもたくさんあります。

可哀そうだと思ったのは、ヴァンデ地方を旅行したときでした。ここはフランス革命に反対して反乱を起こした地方。革命軍に徹底的に破壊されてしまったのでした。

★参考: Wikipedia >> ヴァンデの反乱

学校時代にも「ヴァンデの反乱」という言葉は覚えた気はします。でも、子どもの頃の勉強って、単語だけ覚えるのですよね。その裏にあるものまでつっこんだら面白いのに、穴埋め問題に書けるためにしか習っていませんでした。

ヴァンデ地方を旅行して以来、反乱の歴史を勉強してみたいと思いながらしていません。始めたら魅力に取りつかれてしまうかも知れない・・・。ロマンチックなのです。私はこういう話しが好き・・・。

日本でも、興味を持つ方はあるようです。本も出版されていました。

↓ これを読みたいと思いました。

ヴァンデ戦争 ~フランス革命を問い直す 
森山 軍治郎 著 『ヴァンデ戦争 ~フランス革命を問い直す』(筑摩書房)
* フランス革命の幻想。1793年から1796年の間、フランス・ヴァンデ地方で革命の名のもとに数十万の民衆が弾圧された。反革命といわれ続けてきた「ヴァンデ戦争」の実体を初めて明らかにする画期的書下し。


↓ こちらは小説化でしょうか?

    聖戦ヴァンデ

ヴァンデ地方を旅行すると、今でも信仰があつい地方なのだな、と感じます。

その後、大きな教会がたくさん建てられてありましたが、昔のような厳かさがある建築ではありません。

それで、よけいに痛々しく感じてしまいました・・・。

ブログ内リンク:
★ 目次: 戦争に触れて書いた日記
★ 目次: フランスで感じるキリスト教文化


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コメント
この記事へのコメント
おぉ~!
お友達のお母さんは素敵ですね~!

教会のキリストを見ての一言はなんとなくわかります!キリスト教徒じゃないと「どうして?」と思いますよね。私は始めて十字架のキリストを見たときに「成仏してください」と思いました。。。神様なのにね。(汗)だって「復活」とかするから、成仏しきれないのかも…と思ったんです。(汗)



あのガーゴイユがいっぱいの教会のタンパンがこんなすごい姿に。。。根こそぎ…無い(涙)

ここまで無くなると、もしかして、首だけ壊されるという残酷な姿になるのが嫌で、信者さんがこっそり非難させたとかって無いのかな???

どこかに、そっくりそのまま仲良く隠されていることが無いかな~???

パン屋のご主人なら知っているかも?(謎)



2008/02/06 | URL | pepe犬  [ 編集 ]
お母さん賢い…
 ある大学の教授さん両親のお話で同様の内容…父は識字…母は文盲…しかし母のほうが賢かった…お米の配給に…政治が悪いと

 日本は頭が良い悪いだけ記憶力も人間力も一緒にして…欧米では沢山の良いが
2008/02/06 | URL | ひでわくさん  [ 編集 ]
【Re】pepe犬さんへ / おぉ~!
>私は始めて十字架のキリストを見たときに「成仏してください」と思いました。。。神様なのにね。(汗)だって「復活」とかするから、成仏しきれないのかも…と思ったんです。(汗)



⇒ わあ、優しい思いやり~!



>ここまで無くなると、もしかして、首だけ壊されるという残酷な姿になるのが嫌で、信者さんがこっそり非難させたとかって無いのかな???



⇒ 本当ですね。考えてみなかった! 確かに、ここまで削る必要はないわけですよね。



>どこかに、そっくりそのまま仲良く隠されていることが無いかな~???



⇒ ありうる! 革命がおさまってから、どこかに飾られたかも知れない。修道院には解体されて石が売りに出されたりもしているので、ひそかな隠れキリシタンに売ったりしたということも考えられますね。



でも当時は、解体された建物から彫刻などが出てくるので高く売れるはずはない。やはり避難させた、というのが本当らしく思えます。



>パン屋のご主人なら知っているかも?(謎)



⇒ 誰か研究している人がいるかも知れないですね。影となった形から調べて、どこかに飾られているのを突き止めようとしたりして・・・。

2008/02/06 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
【Re】ひでわくさんさんへ / お母さん賢い…
> ある大学の教授さん両親のお話で同様の内容…父は識字…母は文盲…しかし母のほうが賢かった…



⇒ 本当の賢さって、博学だから出てくるというものではないですよね。本当のトップレベルの人は偉ぶらない。本当に頭の良い人は、おのずとそれが出てくる。むしろ中途半端なレベルが、一番愚かに見えてしまうのではないかな?・・・

2008/02/06 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
文化
人間は、どの世代でも同じことを繰り返していくのだな、で、時代が新しくなればなるほど、ツールが進化するから、もっとひどくなる・・・、と思ったのは2001年3月のバーミヤンの大破壊、もう取り返しがつきません。

で、眼に見えるものでさえそうですが、眼に見えない文化、これこそ守らないと、と考えています。文化、とは、「守る気持ち」だから。フランスの家族政策は、人々の「家族を守る気持ち」があってこそ、政策として形成され、実行可能。だけど、日本では、そもそもその「守る気持ち」が捨て去られかけているのではないか、ととても心配しています。
2008/02/06 | URL | Saule  [ 編集 ]
【Re】Sauleさんへ / 文化
>人間は、どの世代でも同じことを繰り返していくのだな、で、時代が新しくなればなるほど、ツールが進化するから、もっとひどくなる・・・



⇒ 本当にそうですね。原爆もあるし・・・。そのうち、地球は、人間の手によって壊滅してしまうのではないか、とさえ思ってしまいます。



>眼に見えるものでさえそうですが、眼に見えない文化、これこそ守らないと、と考えています。・・・



⇒ 本当にそうですね。それと、何を守る必要があるのは何か、本当の豊かさとは何なのか・・・、目先だけのことで判断しないのが大事ですね。



>日本では、そもそもその「守る気持ち」が捨て去られかけているのではないか、ととても心配しています。



⇒ いつも思ってしまうのです。日本はこれだけ経済発展をしていながら、発展開発国のやり方をしている。同じように戦争で負けたドイツとは、方向性が全然違う・・・。

2008/02/07 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
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