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2007/04/12
数年前、日本では「豚トロ」というのが珍味として話題になっているのだと教えられたことがありました。

★過去の日記: フランスで豚トロを探す

フランスでも、どこの部分の肉がおいしいのかというのがあります。

例えば、牛肉で「araignée(アレニエ)」と呼ばれる部分。


◆牛肉の珍味「アレニエ」

アレニエは、滅多に手に入りません。

何しろ、雄牛一頭から2つしか取れない部分なのだそうです。ステーキにすれば2人分。

復活祭の子羊肉を買った店で、これを売っていたので買いました。

★過去の日記: 復活祭に食べた子羊

ここは品揃えも良い高級肉屋さんで、見ているだけでも食欲をそそられるものが売られているのですが、アレニエを見たのは初めてです。

ついでに値段にも気をつければ良かったのですが、忘れてしまいました。でも、ステーキ肉と比べて高価というのではないことは確かです。

食通の人は珍重しますが、普通の人は知らないのではないでしょうか? それで、フォアグラのように人に出して喜ばれるという食材でもないらしいと感じています。

フランスらしいな、と思うのは、こういう珍味の部分は「肉屋さんの取り分」と呼ばれていること。つまり、量が少ないので、肉屋さんが役得で食べてしまって売らないというわけです!


◆牛肉にある クモの巣?!

「アレニエ」とは「蜘蛛(くも)」のことです。

なぜクモと呼ばれるのか?... 私が買った肉の写真をご覧ください。



肉屋さんのアドバイスに従って、肉が乾燥しないようにオリーブ・オイルを塗ってある状態で撮影しています。

ご覧のように、この肉には白い筋だか脂身だか、白い筋がクモの巣のように巡っています。そこからアレニエと呼ばれるようです。

本当は、この筋を全部取り除く下ごしらえが本式らしいです。以前にアレニエを見つけた肉屋さんでは、これが欲しいと言ってから、その作業をしてくれました。

一枚のステーキの筋を取るのに15分はかかっていました。

その手間をかけるのは面倒なので、肉屋さんは売らないのだと思います。

一頭の牛から2切れしか取れないにしても、いちおう存在するのですから売っていても良さそうなものなのに、全く市場には出回っていないことから、そう考えました。

案外、つまらない肉の部分に混ぜてひき肉でも作ってしまっているのではないでしょうか?...

アレニエを売っているのは、こだわりがある昔気質の肉屋さんだけだと感じています。

これをご覧になったフランス在住の方が肉屋さんに聞かれても、手に入る可能性は非常に低いと思いますよ。「アレニエ? そんなもの!・・・ こっちの方がおいしいですよ」と冷たく返事されてしまう可能性が大です。


◆アレニエの訳語は?

牛肉の部分としての名称「アレニエ」とは、日本語ではどう言うのか?...

小さな仏和辞典では「蜘蛛(くも)」としか出てきませんでしたが、大辞典ではちゃんと「骨盤周辺の牛肉」と出ていました。

フランス人でも知っている人は少ないと思われるような意味を説明していた仏和辞典は、これです ↓

小学館ロベール仏和大辞典

フランス語を使う身としては最も頼りになる辞書。これがないと生きていけない辞書! この辞書を手に入れたときの感激は、今でも忘れられません。英語と違って、マイナーな言語を使う人には苦労があるのです!

でも、今はさらに便利になりました。

だって、「骨盤周辺の牛肉」と言われたって、ピンとこないではないですか?!

牛肉のどの部分なのかを示す図が、インターネットで見つかりました ↓

arraignée

赤く示されているのが、その部分です。


◆ アレニエの食べ方

ステーキにするのが普通らしいです。

実は、私が買った肉は筋をほとんど取ってなかいように見えたのですが、そのままステーキにしてしまいました。

フランス人は肉を食べるときに脂身の部分を切り取って残しますが、日本人が好きな牛肉は霜降りです。もしかしたら、筋だか脂身だか分からないクモの巣をとっていない肉は、霜降りみたいでおいしいかも知れないと思ったのです。

その通りでした。時間をかけて筋をとってくれたアレニエより、この方が柔らかくておいしいことを発見しました!

あるいは、このお店の肉の質が良かったせいかも知れませんが...。

普通にイメージする牛肉とは違って、まさに珍味というにふさわしい味でした♪

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コメント
この記事へのコメント
部位の名前
(◎_◎;;;

こんなにたくさんあるんですね。

日本語でもわからないのに、フランス語なんで

無理無理!



最近、心から「美味しい^^」と思う食べ物が

無いので、ちょっとアレニエ筋入り、食べてみたいです。
2007/04/16 | URL | NATASIA  [ 編集 ]
【Re】NATASIAさんへ / 部位の名前
>(◎_◎;;;

>こんなにたくさんあるんですね。

>日本語でもわからないのに、フランス語なんで

>無理無理!



⇒ ほんとうに、こんなに細かく分けて言葉が存在する! 専門用語でもなくて、どの部分の肉なのかとか、オスなのかメスなのかというのも正確に言わなければならないので不便です。日本語では魚に関する単語が豊富なのに、フランス語では乏しい。やはりフランスは肉食の国なんだな、と思います。

2007/04/16 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
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