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2007/10/05
ブルゴーニュ地方にある観光名所の一つにヴェズレーがあります。

少なからず観光地化されてしまっているので、村自体の美しさは私にとっては魅力が薄れます。でも、この小高い丘の上に集落があるのを遠くから見るときには、いつも一種独特の感慨を覚えます。


◆ヴェズレーの大聖堂

丘の頂上にあるサント=マドレーヌ大聖堂(Basilique Sainte-Marie-Madeleine)は、溜息がでるほどの美しさです。

世界で一番美しい教会だと思っています。もう数え切れないほど行きましたが、何度行っても飽きません。



大聖堂の前に立ち止まって彫刻をめでる必要はありません。本ものの彫刻は内部にあるのですから!

ロマネスク彫刻の傑作の数々。眺めていると時間がたつのも忘れてしまいます。

ここを会場にして行われるコンサートも素晴らしいです。

* ちなにみ、こういう風に塔が左右対称になっていないのは意図的であることはないのだそうです。工事をしていたけれど途中でお金がなくなったとか、戦争が始まったとかで片方の塔しかできなかったというのが多い。あるいは、戦争で破壊されて片方の塔だけ残ったというのもあったような気がします。

La basilique de Vézelay vous accueille


◆突然サンティアゴ・デ・コンポステーラに行くことになった思い出

フランスにはスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで行く巡礼コースがあるのですが、このヴェズレーから出発するコースがあります。

私にとってヴェズレーは身近な存在なので、サンティアゴ・デ・コンポステーラも身近に感じていました。

そこに行くことになったのは偶然のできごとでした。

何年も前の夏のこと。スペイン国境にある人の別荘を持つ人から泊りにこないかと誘われて、友人たちと行ったときのことでした。

約束の日、別荘に到着したら、肝心の持ち主はまだ到着していない気配。携帯電話などという便利なものがない時代だったので、いつ到着するのか全く分らないのでした・・・!

ボーっと待っているのもつまらないので、スペイン側に入ってみようということになりました。行ったのはサン・セバスチャンという町。レストランで美味しいタパスを食べた私たちは、すっかりスペインが気に入ってしまいました。

食後、広場に座って、さて別荘に戻るか、もう少しスペインにいてみようかと相談。

そのときの私、「サンティアゴ・デ・コンポステーラに行きたいな」と言ったのでした。ここからスペインの北海岸を通って行けば行きつくはずなのです。

いい加減に言ってみただけなのに、友人たちはその提案が気に入ってしまったらしい。

「サンティアゴ・デ・コンポステーラに行こう~!」、ということになってしまいました。

友人が招待してくれた別荘に行ってみたら、近代的な普通のお家だったので、そこに泊めてもらったって余りおもしろくもない、というのもあったようです。

後で知ったのですが、フランス人って、やたらに遠いところに行こう! と思いついたりするのが好きみたいです。

夕飯を食べていて、突然、「エッフェル塔の足に触って帰って来よう」とか、「ジュネーブに行こう」とかいうことになって、夜中に車を飛ばして、目的を果たしたらそのまま帰ってきたという、バカみたいなことをしたのが楽しかったという話しを何回か聞いています。

18世紀の話しでも、貴族が思いつきで北フランスの海岸まで行ってしまったというのもありました。馬車で行くわけですから、もっと無茶な話しです!


◆サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路

というわけで、サンティアゴ・デ・コンポステーラに行ってしまいました。

何日もかかって到着することになったのですが、初めての北スペインの旅行を楽しみました。

巡礼者たちが歩く道も通りしました。その年、何だったかは忘れてしまったのですが、キリスト教の大切な年に当たっていて、巡礼者の数はいつもより多かったらしいです。炎天下を歩いている人たちを無数に目撃しました。

車で行くにも大変な行程なのに、歩いている人たちがたくさんいるのに驚きました。ところどころには巡礼者が歩きやすいような木陰のある道もあったのですが、普通に車が通る道なども歩いているのです。

昔の巡礼というのは長閑な田舎を通ったはずで良かったでしょうに、こんな風に排気ガスを吸いながら歩くなんて・・・ と思ったのでした。

現代は、全行程を徒歩でという人は稀なようですが、それでも全部歩いてしまう巡礼者たちもいるのです。

私たちもブルゴーニュから行ったので、ほとんど巡礼者たちと同じコースを通ったわけですが、大変な距離でした。ずいぶん前のことなので忘れてしまいましたが、この旅行に2週間はかけたと思います。


◆巡礼の道が残っていた!

お話しは、前回の日記(サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路にあったチャペル)に戻ります。

小さなチャペルを案内してくださったマドモアゼルから、帰りがけにチェペルの前にある道を見るようにと勧められました。サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路が、昔の姿で残っているとおっしゃるのです。

ほんとうでした!



写真の左手にあるのは、聖女の名前がついた泉でした。巡礼路の途中には、こういう泉もつくられていたのではないでしょうか?

ヴェズレーを出発してから、まだほど遠くないところの道です。

こんな道を昔の巡礼者たちは歩いたのだろうな・・・ と感慨にひたってしまいました!

でも、スペインに入ったら、土地が乾燥しているので、昔だってこんな木陰を歩くのとは違った過酷な旅だったのでしょうね・・・。


◆なぜホタテ貝?

サンティアゴ・デ・コンポステーラ: 仏語ではSaint-Jacques-de-Compostelle

サンティアゴ: 日本語では聖ヤコブ、仏語ではSaint Jacques(サンジャック)

巡礼者のシンボルはホタテ貝なのですが、ホタテ貝は仏語でCoquille Saint-Jacques(コキーユ・サンジャック)。

サンジャックだからホタテ貝。それを首から吊るしているのを見たときには全く違和感がなかったのですが、なぜホタテ貝なのだろう?・・・

疑問に答えてくれるページがありました:
★国立民族学博物館|開館30周年記念特別展「聖地・巡礼─自分探しの旅へ─」» Q&A  » 帆立貝がシンボルになった理由は?


◆ヴェズレーからサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路

ヴェズレーからサンティアゴ・デ・コンポステーラまで: 1,691Km、徒歩71日間

1日20~30Kmくらいを歩くスケジュールです。それが無理ないペースですね。むかし徒歩旅行をしてみたとき、観光なども少ししながらあるいて、1日25Kmだな、と思ったのを覚えています。

ちなみに、ヴェズレーも、この巡礼路も、世界遺産に指定されています。

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ブログ内の関連記事:
目次: サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路に関する日記

情報リンク
☆ Wikipedia: サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
☆ Wikipedia: フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
Les chemins de Saint-Jacques de Compostelle
ヴェズレーからスペインへの巡礼路の地図と距離など:Chemin de Vézelay



コメント
この記事へのコメント
Re:ヴェズレーからサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路(10/05)
こんばんは。

今 TV番組の紹介に気がつきました。・・、

明日からと再放送をみますね。



趣きのある巡礼路です。世界遺産になってもひっそりとこういう風にのこってほしいと思います。

何年か前にいったチェスキークロムノフがすごいことになっていて複雑でした・・・
2007/10/07 | URL | HappyHoppy  [ 編集 ]
おぉ~!
ホタテ貝の謎がわかりスッキリしました!

この巡礼の旅をしたい!という友達が私の周りに結構いて、私は正直「???」だったのですが、いろいろ参考になります。ありがとうございます。

まずはヴェズレー大聖堂にお目にかかりたいです。

確かに、写真で見ると正面の作りが左右対称じゃないですね。でも長い歴史の中でいろんな事を見てきた感じがしてこういうのはとても好きです。

ただ、私のカメラは教会を写したあと、液晶画面が消える…という不気味なことが多々あるので、美しい教会が撮れないのです。ぐすん。



2007/10/07 | URL | pepe犬  [ 編集 ]
【Re】HappyHoppyさんへ / ヴェズレーからサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路(10/05)
>趣きのある巡礼路です。世界遺産になってもひっそりとこういう風にのこってほしいと思います。

>何年か前にいったチェスキークロムノフがすごいことになっていて複雑でした・・・



⇒ 「すごいこと」って、どんなだったのでしょうか? 私がチェスキークロムノフに行ったのは2001年でした。観光客もまばらなお城を見学して感激したのを覚えていますが、プラハでは驚くほど観光客がいるのに仰天しました。観光で行くのが難しかった時代にチェコに行った人の話しを聞くと、雰囲気がずいぶん変わってしまったらしいと思いました。



日本では世界遺産を異常に珍重しますが、正直言うと、私は余り好きではありません。大きな補助金で修復保存を進めて欲しいと思うのですが、それほど与えないらしい。それなのに、変に観光メッカになってしまうのは、かえって問題だと思います。



白川郷が世界遺産に指定されたら、お土産屋さんばかりになってしまったのでショックを受けた、と言った方がいました。豹変したという表現でした。



フランスの場合は、みんなが土産物など買わないので土産物屋が林立することはないし、世界遺産だからと訪れる人は少ないと思うので、それほど酷くなるという危険は少ないとは思っています。

2007/10/07 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
【Re】pepe犬さんへ / おぉ~!
>ホタテ貝の謎がわかりスッキリしました!



⇒ フランスって、やはりキリスト教文化の国なのですね。知らないと、なんだか理解できないことがたくさんありますよね。



>この巡礼の旅をしたい!という友達が私の周りに結構いて、私は正直「???」だったのですが、いろいろ参考になります。ありがとうございます。



⇒ あれ、あれ、pepe犬さんの周りでも?! 私の周りにも、巡礼の旅をしたいという人がいるのです。クリスチャンでもないのに、ただやってみたいらしいという人もいます。



レンタルしたロバに荷物を運ばせて・・・ とか。それで、ヴェズレーからの距離を調べてしまったのでした。2カ月余りと知ったら、もうパスに決めました。



>まずはヴェズレー大聖堂にお目にかかりたいです。



⇒ ここは必見ですよ。夕暮れ時がお勧め。日が沈むまで大聖堂はあいています。そのころになると、観光バスでやってきた人たちはいなくなります。それともなければ、そこに泊って、朝早く霧にかすむ丘を見てから登る。丘の麓にある質素なB&Bに泊ったのは楽しい思い出でした。



>確かに、写真で見ると正面の作りが左右対称じゃないですね。でも長い歴史の中でいろんな事を見てきた感じがしてこういうのはとても好きです。



⇒ 知らない頃の私は、何か意味があって左右対称でないのだろうと思っていました!



>ただ、私のカメラは教会を写したあと、液晶画面が消える…という不気味なことが多々あるので、美しい教会が撮れないのです。ぐすん。



⇒ あれ、あれ・・・。pepe犬さんのカメラはイスラム信者が作ったのでは?! いつかモスクを撮影する実験をなさったら、ご報告してくださいね。

2007/10/07 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
巡礼
しばらく前に「サンジャックへの道」という映画を見ました。サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼に出るグループ、寄せ集めで、最初は衝突ばかり、そのうち、という、ストーリーとしてはまあ予想のつく展開でしたが、青空のもとに続く長い長いひなびた道や、「役」と思えないほど自然な役者さんたちの上手さが、ほんとに楽しい映画でした。

日本でも、大量定年時代を迎えて、「お遍路」に出る人は多いようですね。
2007/10/08 | URL | Saule  [ 編集 ]
ヴェズレー
昨夏、パリから日帰りバスツアーで訪れたことが蘇ってきます。

http://plaza.rakuten.co.jp/nagoyajyo/diary/200609080000/



サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は、NHKの「フランス縦断世界遺産」という生中継の番組で、丁度旅行していた頃に放送していました。



今も、その巡礼路を徒歩で制覇する人々をインタビューしていた様子も思い出します。



今回のNHKブルゴーニュ特集は、ブルゴニッシモさんも現地コーディネーター等で関わっていらしているのでしょうか?



BSだけの放送後、地上波の再放送が待ち望まれます^^
2007/10/08 | URL | ひなの。  [ 編集 ]
【Re】Sauleさんへ / 巡礼
>しばらく前に「サンジャックへの道」という映画を見ました。



⇒ そういう映画があったのですか。



>サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼に出るグループ、寄せ集めで、最初は衝突ばかり、そのうち、という、ストーリーとしてはまあ予想のつく展開でしたが、青空のもとに続く長い長いひなびた道や、「役」と思えないほど自然な役者さんたちの上手さが、ほんとに楽しい映画でした。



⇒ それがフランス映画だったら、おいしいものを食べて皆が満足して、それでなごんで・・・ とかいうエピソードも入っていたのかな?・・・ と思ったりします。



>日本でも、大量定年時代を迎えて、「お遍路」に出る人は多いようですね。



⇒ 信仰心でするかどうかは別としても、こういう時間を超えた旅というのは、自分を見つめなおすのにも役立つのではないでしょうかね?

2007/10/08 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
【Re】ひなの。さんへ / ヴェズレー
>昨夏、パリから日帰りバスツアーで訪れたことが蘇ってきます。



⇒ 公共交通手段が貧弱なフランス。ヴェズレーも行きにくいのですが、お上手に観光をなさいましたね。



>今回のNHKブルゴーニュ特集は、ブルゴニッシモさんも現地コーディネーター等で関わっていらしているのでしょうか?



⇒ 世界遺産の番組のあと、もっと奥深いフランスの小さな村を扱いたいということでご相談を受けました。コーディートまではしていません。でも、ご担当者がとても熱心にブルゴーニュの田舎を紹介したいという熱意を持っていらしたので、良い番組にしてくださったのだろうなと思っています。紹介してくださる村のほとんどは、私も美しいと思う村になりました。帰国したら再放送を見るのを楽しみにしていますが、BSだけの放送というのは残念ですね。

2007/10/08 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
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