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2007/09/08
先日の日記(フランスはブドウ収穫のシーズン♪)で、シャンパーニュ地方のブドウ畑で見かけた奇妙なものをお見せしました。

これです ↓



この右に見える大きなボトルみたいなものは何でしょう? というクイズにしてみたら、pepe犬さん(ブログ: Un cafe s.v.p.)が、みごと正解を出してくださいました!


◆霜対策なのか、雹対策の装置なのか?・・・

実を言って、クイズにしておきながら、正解を持っていませんでした。

これが何であるかをフランス人に教えてもらったことがあったのですが、私の記憶は曖昧だったのです。

この大砲のようなもので、ドカ~ンとやるものだ、というのは確かです。

シャンパンになるブドウが育つ畑で、まるでシャンパンの栓を勢いよく抜いたように爆発するのを想像して、私はすっかり気に入ってしまったのです。

でも、霜(gelée)が降りることを知らせるための装置だったのか、あるいは、雹(gêle)の降ってくることを知らせるものだったか?・・・ という肝心なところを忘れてしまっていました。

この2つの単語はGから始まるので、記憶が混乱していました。それに、霜も雹(ひょう)も、どちらもブドウ畑には大敵なので、どちらでも当てはまるように思えます。

でも、「雹が降るから気を付けろ!」と知らせても、ブドウ畑にネットを張って保護することなどできません。そういう危険が来ると分かっても、どうしようもないではありませんか?!

それで、「霜が降りるから対策をしろ~!」というための警戒装置なのだろう、と思いました。

ブルゴーニュもシャブリのような北の方にある畑だと、霜対策はかなり行っています。

小さなコンロのようなものを畑に並べて温めたり、水を散水したりしています。シャンパーニュは、もっと北にあるので同じ厳しさを抱えていて当然。シャブリと同じような装置を見たことがありました。


◆雹(ひょう)対策の装置だった!

クイズにしたら、その方面に詳しい方が教えてくださるかも知れないと期待したのですが、「それは○○ですよ」というコメントは来ませんでした。これは何だろう、と考えてくださる方々がある。

そうなったら、クイズに出した本人が正解を知らないというのは無責任! 調べることにしました。

でも、この装置の名前が分からないので、調べようがない!・・・

ワイン産地で育った友達に聞いてみると、私が見たものは「canon à grêle」というものだ、と教えてくれました。

canonとは「大砲」。雹が降ってくることを知らせるために大砲を打ったのだ、とのこと。

この人が子どものころ(つまり30年以上前)には、雹が降ったり、嵐が来る前に、けたたましく銃声が響き渡ったと言います。

「でも、そういうのを教えてくれても、どうしようもないじゃない?!」、と私。

「昔のことなので、気やすめにやっていたのだろう」、なんて、いい加減な返事が返ってきました。

気になります。これだけ大掛かりな装置を、無意味に使っていたとも思えないではないですか?!

そのすぐ後にワイン農家に行くことになっていたので、疑問をブドウ栽培のプロにぶつけることにしました。


◆なんと、雹(ひょう)を雨に変える装置だった!

答えてくれたワイン農家の人は50歳近い人。ブルゴーニュの南部でブドウを栽培しています。

子どものころは、そういうのがあった、と教えてくれました。でも、この地域にあったのは、大砲(canon)のような大掛かりなものではなくて、普通の鉄砲のようなものだったとのこと。

驚いたことに、それを打つのは、雹を雨に変えるためだった、と言います。

その後は、飛行機を飛ばすという技術になったのだそうです。

そう言われて思い出したのは、少し前に見たテレビのニュースでした。

ロシアでは大事な国家行事があるときに快晴にするため、飛行機を何台も飛ばして雲を追いやっているという映像でした。本当に快晴になって、行事は青空のもとで繰り広げられるらしいのです!

そんなのがあるなら、どんどん使って欲しいと思ってしまいますが、たぶん大変な費用がかかるのでしょうね・・・。


◆雹(ひょう)がブドウ畑を荒らすと・・・

フランスでは、雹が降ってくるのを時々見ます。日本にいたときには見たことがなかったので、初めて雹が降ってきたのを見たときにはびっくりしました。こんなものが天から降ってくるなんて!

バラバラと音を立てて降ってくるのです。地面があっという間に雹で埋まります。

ビー玉くらいの大きさが普通ですが、大きいのになると、ピンポン玉くらい。もっとすごいのになると、テニスボールくらいの大きさのがあるそうです。そうなると、外に出していた車などは凸凹になってしまうそうです。

当然ながら、雹はブドウ畑に打撃を与えます。

下の写真は、ブルゴーニュのブドウ畑で見た雹の被害です。夏に、ピンポン玉くらいの雹が降って被害を与えたときでした。



葉がかけてしまっていて、ブドウも傷ついています。可愛そうなブドウ畑だったので撮影した写真でした。

でも、テレビで雹の被害があったというニュースで見る画像は、もっと凄まじいものです!

ほとんどブドウの木には何も残らない状態にまでなってしまうのです。来年に新芽となる部分もやられてしまうので、被害はその年だけのものではないので致命的!

どんな風になるかをお見せしようと思って探してみたら、こんなのがありました。

スイスのサイトですが、ブドウ畑に雹が降ったときの被害を見せる写真を紹介しています:
Dommages en juin '05

すごいでしょう? これではブドウ畑は壊滅です!


◆ブドウ畑を雹から守る努力

装置の名前が分かったので、インターネットで情報を検索できました。

雹を何とかしようということは、19世紀にはもう考えられていたそうです。大砲を打つと大気が動くので、雹が雨に変わるという装置。戦争をしているときに、そうなるというのを発見したのでしょうか?

あらゆる方法が試されたようです(ballons explosibles, bombes, canons, fusées)。でも、それほど成功するとは限らなかったようですが。

ワインというのは特殊なのでしょうね。ここまで努力して農作物を育てるなんて・・・。

検索を続けていたら、大砲のそばにマキが積んであって、使っていた時期の絵ハガキが出てきました。

Canons anti grêle

どうやら20世紀初めの絵葉書らしい。貴重な写真です!

今日でも、それを改良した装置があるのだそうです。上のリンクをご覧ください。こんなものにご興味を持つ方は殆どいらっしゃらないと思いますが、私は感激してしまいました!


◆今日のブドウ畑の雹対策は?

私が話しを聞いた農家の人の地域では、もう鉄砲や飛行機で大気を蹴散らすようなことはしていないと言います。

「それでは、どうするの?」、と私。

「今は、そういう装置の代わりに保険がある♪」

雹や霜で被害を受けたら、保険がカバーしてくれるのだそうです。本当に雲を追い払ってくれるかどうか分らない装置にお金をかけるより、保険金を払った方が良い、というわけなのでしょうね。

なるほど・・・! と感心してしまった私でした!

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外部リンク:
☆ Wikipédia: Canon anti-grêle


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コメント
この記事へのコメント
うおぉ~~っ
すごい装置を考えて作ったものですね~!

スイスの被害にあったサイトも見てみましたが、雹でこんなになってしまうんですね。

おいたわしや~~…って姿になっていました。(涙)

昔の絵葉書、いいですね~。大砲の形はさまざまなんですね!

それにしても、こういう被害にあったときのために保険があってよかった。ほっ(笑)

2007/09/10 | URL | pepe犬  [ 編集 ]
【Re】pepe犬さんへ / うおぉ~~っ
さっそく見てくださって、ありがとうございます。



>すごい装置を考えて作ったものですね~!



⇒ ワインをつくるために、ここまでするのかと驚きますよね。



>昔の絵葉書、いいですね~。大砲の形はさまざまなんですね!



⇒ 昔の絵葉書って面白いですよね。日本でもフランスくらい昔の写真が出回っていたら面白いと思うのですけれど。他の情報サイトを見たら、この絵葉書の大砲の形の絵だったので、この形が代表的なのかな、という印象を受けました。



>それにしても、こういう被害にあったときのために保険があってよかった。ほっ(笑)



⇒ 雹で全滅すると、来年も収穫はないとなったら、いくら高い保険料でも支払ってしまう価値があるでしょうね。



日本は地震もあるし、台風もある国なので、天災には余り保険がきかないような気がするのですが、どうなのかな?・・・ フランスでは突風で屋根瓦が飛ばされたなどというのを普通の住宅保険でカバーしてもらっていますが、日本で台風の被害を受けたときに保険金をもらえるのだろうか?・・・

2007/09/11 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
初めまして♪
北海道札幌よりオジャマします(゚ー^*)d

何かを検索していて コチラノブログに辿りつき とても心躍る内容で思わず≪お気に入り≫登録してしまいました♪

この写真の装置 ミュウモもいつか必ず観に行きたいです!!

ナゼかミュウモの周囲にはフランス帰国者が多く 憧れるお国の一つ♪

今後 度々コメントさせて頂いても宜しいでしょうか♪
2007/09/14 | URL | 亅較  [ 編集 ]
【Re】ミュウモさんへ / 初めまして♪
はじめまして♪

気に入っていただいて嬉しいです。



>今後 度々コメントさせて頂いても宜しいでしょうか♪



もちろん歓迎です!♪

2007/09/18 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
ありがとうございますε=ε=(ノ≧ω≦)ノ
また一つ楽しみが増えました♪

2007/09/18 | URL | 亅較  [ 編集 ]
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