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2011/08/25

アレジア周辺の観光】 その4
アリーズ・サント・レーヌ村 (3)


このブログでは、日々あったことを忘れないようにメモしておきたいという目的が大きいのですが、書きだすと止まらない。次々と疑問はわいてくるし、いい加減なことを書くのもいけないので調べる。すると、全く前に進めなくなります。この夏にあって書き留めておきたかったことも、大半は放棄しなければならないだろうな...。

ここ2回の日記で書いたローマ帝国に対抗したガリア人の英雄ウェルキンゲトリクスのことも、調べていると、次々と出てきて際限がなくなるのですが、あと1つだけ追加しておきます。


クールベの絵画

フランス人の画家ギュスターヴ・クールベの絵画に、「フラジェの樫の木(Le Chêne de Flagey)」というのがありました。


Gustave Courbet
Le Chêne de Flagey
Chêne de Vercingétorix
Camp de César près d'Alésia, Franche-Comté
- Murauchi art Museum (Tokyo)


この手の樫の大木は時々フランスで見るのではありますが、幹の力強さが印象的です。

気になったのは、この絵画は「ウェルキンゲトリクスの樫の木(Le Chêne de Vercingétorix)」とも呼ばれること。

しかも、この作品は東京の村内美術館に所蔵されているそうなので興味をひかれました。
村内美術館収蔵作品: バルビゾン派

こういう威圧感のある木はクールベには気に入るオブジェだっただろうな...。 彼はフランシュ・コンテ地方を故郷をする画家ですので、お隣にあるブルゴーニュ地方のコートドール県にある古戦場にアレジアに行って感銘を受けたかもしれない、とまず思いました。

でも、それ以外にも背景がありそう。

このクールベの作品は「Camp de César, près d'Alesia, Franche-Comté(フランシュ・コンテ地方、アレジア近く、シーザーの陣営)」と題して発表されたらしい(出展は未確認)。「フラジェの樫の木」が正式な題名だったとしても、フラジェはフランシュ・コンテ地方にある村の名前です。

ナポレオン3世が調査して、アレシアの古戦場はここだとして建立したウェルキンゲトリクスの銅像が完成したのは1865年。クールベの樫の木を描いた作品が発表されたのは、その前年の1864年。

古戦場はクールベの故郷であるフランシュ・コンテ地方にあったとする説もあるので、クールベらしい挑発的な意図があった作品だったのではないかという気もします。つまり、ブルゴーニュ地方にあるアリーズ・サント・レーヌ村としたナポレオン3世への反逆?

クールベは好きではない画家なのですが、少し前、彼が子供時代を過ごした家に泊まったので、少し好感を感じるようになっています。

でも、調べているときりがないのでやめました!

追記(2012年3月):
「フラジェの樫の木」の絵画は、地元には特別の思い入れがある作品のようです。1898にアメリカに渡り、1987年に日本のコレクターの手に移っていたのですが、何とか金策をして地元に戻ることになったと聞きました。売値は400万ユーロとのこと。2012年秋から、オルナン市営クールベ美術館に展示されるようになるそうです。

追記(2014年3月)
オルナンに戻った「フラジェの樫の木」を見に行って書いた日記:
日本から故郷に帰ったギュスターヴ・クールベの木 2014/03/27


変わったものを教会で見つけた

アリーズ・サント・レーヌ村の観光スポットには、ディジョンの市長をつとめたキール氏の生家と墓地があることにもあります。

食前酒として日本でも知られているキールは、この人の名からとったものです。 非常に個性的な人で、ディジョン市長も死ぬまで20年以上つとめたので、いまだに地元では話題にのぼる人物です。

キール氏の生家のある通りで出会った年配の女性に「生家の中は見学できないのですよね?」と聞いてみたら、色々楽しいおしゃべりをしてくれました。

この村に住んでいた彼女のお婆さんはキール氏のお友達だったのだそう。後に市長になる人にガールフレンドがいてもどうということはないのですが、キール氏は聖職者で(司教座聖堂参事員)、市長の座にあった間もずっと聖職者の衣装で通している人ただったのです。

キール氏がこの村で生まれたと書いた文字と彫像が壁にあった教会に入ってみたら、おもしろいものを見つけました。



司祭さんがお説教するところに、ローマ時代の彫像の胴体部分が埋め込まれていたのです。

アレシアの戦いはここで行われたと推測されるような村なので、こんな遺跡がたくさん転がっていたから飾りに使ったのでしょうね…。 でも、なんだか違和感がありました!

― アリーズ・サント・レーヌ村についての続きへ ―


ブログ内の関連記事:
ゴロワの英雄ヴェルサンジェトリックス 2011/08/25
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★ 目次: 画家、彫刻家、建築家の足跡を追って
ブルゴーニュ白ワイン「アリゴテ」と食前酒キールの関係 2009/03/03

情報情報:
アレシアの戦いの場所はどこか論争:
☆ Wikipédia : Historiographie du débat sur la localisation d'Alésia

『フラジェの樫の木』について:
☆ LeJournaldesArts.fr: « Le Chêne de Flagey » pourrait bientôt rejoindre le Musée Gustave Courbet d’Ornans


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