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2011/10/08

シリーズ記事 【2011年秋: フランシュ・コンテ地方の旅行】 目次へ
その10
B&B民宿 (1)


今回の旅行では、久しぶりに百点満点をあげたくなるB&B民宿に出会いました。10年以上前のフランスのグリーン・ツーリズムは、こんなだったよな… と思わせるタイプ。最近は商売っ気が出ているところが多くなったのです。

利用した民宿が気に入った理由は幾つかあります。

第一にお城だったこと。古い建築物が好きなので、B&B民宿に泊まるときは極力お城を選んでいます。近代的な家というのは利用したことがないのではないかな?… 別にフランス人家庭との接触を求めたいわけではないので、建物にこだわらないならホテルに泊まった方が気楽で良いですから。

正面玄関の彫刻からいって、18世紀の城だったはず。ただし、外壁と玄関を入ったところにある階段とダイニングルームの暖炉が立派であることを除いたら、普通の大きな家という感じでした。でも、改装しすぎたシャトー・ホテルなどよりは、こういう生活を感じさせる城の方が好きなのです。

今のオーナーのお爺さんが購入したときには農家の納屋として使われていた建物だったので、かなり老朽化していて、目ぼしいものは何も残っていなかったのだそう。よくあるタイプです。

といって、やはりお城のB&B民宿は人気があるので、大したことがないのに高い宿泊料金を定めているところもあります。でも、ここは安い。

部屋を1人で使った場合の料金は45ユーロ。2人で使ったら47ユーロ(一人当たり2,500円くらいになります)。朝食付きの料金ですから、一人あたりの朝食代を2ユーロと計算しているのかな?

ひと昔前のフランスのB&B民宿は、たいていこのくらいの値段だったのですよ…。今は1泊80~150ユーロくらいで旅行の計画をしています。

お城ですから寝室は広かったです。もちろん、バス・トイレ付き。それでも、もっと広いスペースで時間を過ごしたいというなら、お客さん専用のサロンがありました。

とても静かな環境。牧場から牛の鈴の音が聞こえてくるのが心地良かった...。

建物は3つに分かれていて、1つは牛の乳搾りの作業場として使われていました。それで、乳搾りの後には牛たちが牧場に戻るために庭の前を横切っていきました。



この写真を撮影したのは、朝の7時半でした。

でも、妙に気になってしまったのです。牧場に戻っていく牛たちは、お葬式の行列のように重々しく歩いていました。牧場に戻るのが嬉しくないの? なぜ?...

私は乳牛より山羊の方が見慣れているのですが、乳搾りを終えたヤギたちは嬉しそうに牧場に戻っていくものと思っていたのです。牛は違うのかな?...

そんなことを書いた日記:
クイズ: なぜ山羊たちは走り去ったのでしょう? 2010/10/01


村の教会

今までに泊まった数えきれないほどのB&B民宿の中で考えたら、気に入った度合のランクはトップには入らないですが、値段の安さからいうと不満はゼロになります。

村も農村らしい魅力があり、民宿の近くに教会がありました。



鐘楼の屋根は、フランシュ・コンテ地方独特の形をしています。

村を散歩したとき、教会に入ってみて驚きました。



人口200人を少し上回るという程度の小さな村なのに立派な教会なのです。文化財として価値があるというレベルではなくて、しっかりと信者さんたちが集まる教会なのだろうな… という驚きです。

民宿経営者もクリスチャンではないかと感じていたので、こういう教会がそばにあることで納得しました。

クリスチャンではないかと思ったのは、子どもたちが非常に礼儀正しくて、彼らの両親がしっかり育てていると感じたからです。最近のフランスでは薄れてきた伝統なのです。

子どもが5人いたら敬虔なクリスチャン家庭だと断定していました。でも、チラチラと姿を現して挨拶する愛らしい子どもたちを数えてみたら4人だったので、断定できないでいました。

このフランシュ・コンテ地方というのは、古き良きフランスの伝統が残っているのかなと、ここでも感じました。


「シャンブル・ドット」と呼ぶべき?

フランスのB&B民宿は、「chambre d'hôtes」と呼ばれるのが最も一般的な呼び名です。

この単語は「シャンブル・ドート」と表記するのが最も原語の発音に近いと思うのですが、日本では「シャンブル・ドット」と表記するのが定着しているようです。

そうなると「シャンブル・ドット」と書かなければいけないのではありますが、「ドット・コム」みたいで滑稽ではないですか? 私は違和感を感じてしまいます…。

フランス人たちが発音するのを聞いている限りでは、私には全く「ドット」とは聞こえません。それで、なぜなのだろう? と考えてしまいました。

これが理由ではないかと思ったのは、南仏に住む日本人が定着させたのではないかということ。

プロヴァンスの人だったら「d’hôte」を「ドット」と読むのではないかと思うのです。マルセイユに住む友人夫妻がブルゴーニュに来たときには、「Hautes Côtes de Beaune」という銘柄のブルゴーニュワインを「オーット・コット・ド・ボーヌ」と発音していましたので。ブルゴーニュの友人たちを大いに笑わせた発音でした。

でも、こちらは、日本語では「オート・コート・ド・ボーヌ」と表記するのが定着しています

フランスの方言はかなり消えていますが(政府がそういう方針で進めたからなのだそう)、訛りが強い地方もあります。マルセイユ訛りを始めて聞いたときには、楽しくするためにイントネーションをつけて話しているのかと思ったのですが、それが普通なのでした。

マルセイユの友人夫妻は2人とも生粋のマルセイユっ子。日本でもそうですが、夫婦が同じ出身地だと、もろに訛りが維持されます。単語や文法まで違うのです。彼らがしゃべっているときには、そばにいるブルゴーニュの友人がいちいち私に通訳してくれていました。しまいに、奥さんが「私たちはフランス語をしゃべらないから」なんて笑っていました!


B&B民宿での食事のときの会話

脱線して地方の訛りのことを書いたのは、今回の民宿でとった夕食の席に、アルザスの人がいて、その人が言っていることがチンプンカンプンだったからです。必死に聞いていると何を話しているのかくらいは分かるのですが、ちっとも面白くない話題ばかりでした。

一生懸命聞いていると疲れるので、聞かないようにしたのですが、この人ばかりがしゃべっている。しかも、フレーズの最後に必ず「quoi(クワ)」と入れるのが耳障りでたまらない…。これって、ぐれた若い男の子がする癖だと思っていたのですが、アルザスの人は高齢の男性でした。

始めは会話に答える人たちがいたのですが、しまいに皆の反応はほとんどなくなりました。西部から来た夫妻はひと言もしゃべらなくなりました。それで、アルザス訛りだけが聞こえてくる。

それと、クワ、クワ…。

翌朝の朝食のとき、アルザスの人がいないので、昨夜は彼が何をしゃべっているのか分からなかったと話しをしました。フランス人たちも半分は理解できなかったと言います。ミュルーズに住んでいるので、生粋のアルザス人で、それで訛りが強いのだろう、と言われました。それはともかく、彼が言っていることは全く面白くも可笑しくもない、参った、参った… と笑っていました。

あなたたちフランス人でしょう?! 彼を黙らせて、他の人たちで話しをするように仕向けて欲しかったです。でも、こういう場合のフランス人は、たぶん日本人よりマナーが良いのです。この人を無視することはできなかったと思う。

それにしても、あれはアルザス訛りだったのだろうか? あるいは、モウロクしていたからなのだろうか?…

奥さんの方は普通のフランス語を話すし、明るくて楽しい人なのでおしゃべりしたかったのだけれど、ご主人がしゃべりまくっているときは口を全く開かないのです! お家ではどうしているのかな?…

遅れて朝食にやってきたアルザス夫婦とお話しをして、その日のスケジュールを話すと、前半は同じコースにすると言われました。それでクールベ美術館でも出会って挨拶。遅れてやってきた朝食の席では静かで、奥さんの方がしゃべっていたのですが、この時間になったらエンジンがかかってきたらしくて、大きな声を出す。普通、フランス人たちは博物館やレストランなどでは大声を出さないのですけど。

「お昼をご一緒しましょう」と言われたら、「私はお腹がすいていないので、今日はお昼は抜くことにしています」と返事しよう… などと作戦を練りましたが、そのうち彼らとはぐれたので問題はありませんでした。


利用した民宿に百点満点をあげたくなったのは、夕食が美味しくて、民宿ではこういう料理を出して欲しいというメニューだったからでもあります。その話しは次回に書きます。

― 続く ー
 

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