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2011/10/17

シリーズ記事 【2011年秋: フランシュ・コンテ地方の旅行】 目次へ
その19
気になったもの (4の続き)



フランス東部にあるフランシュ・コンテ地方の旅行について書いた日記で「屋根についている突起物は何のため?」というクイズを出したのですが、正解を出していただいたので説明を書いておきます。

この屋根にある出っ張りは、雪が滑り落ちないようにするためのものでした。

宿泊した宿のマダムからそう教えてもらったのですが、私は全く逆に、雪が滑り落ちるようにするためなのだろうと思っていました。

つまり、屋根に降った雪が早く溶けて滑り落ちて行くために、雪に穴がくようにするためではないかとか…。

ところが、クイズに答えてくださった方々の全員が、雪が滑り落ちないようにするためだろうという答えを出しているので驚きました。 考えてみると、こんなもので雪が滑り落ちないようにする効果はないと考えるのが自然かもしれない…。


雪止めフック

これは「Crochet neige(雪フック)」あるいは「Crochet arrêt de neige(雪止めフック)」などの名前がつけられているフックなのだそうです。

形は色々ありました。画像が入っていたページをリンクしておきます:
例1 | 例2 | 例3 | 例4 

フックは屋根全面に打ち込む必要はないらしく、屋根の下の部分についていました。



この屋根の場合は、屋根の下の部分3分の2くらいにフックがあります。こうすると、確かに屋根の上の方から雪が滑ってきても止まるということでしょうか?

雨や雪の多いフランスの地方は、屋根がやたらに大きいと感じます。この家は特別高い屋根ではありませんが、屋根裏部屋は2フロワーになっている部分があるようです。

フックをけちっている家もあります。 建築業者のサイトには、瓦2枚ごとくらいに取り付けると効果があるという記述があったのですが。



雨どいに近い部分にしかありません。それと、屋根裏部屋の天窓の上にフックを少し入れている。こんな程度で雪がせき止められるのでしょうかね?…

あまり立派なお家ではありませんでした。屋根の梁が頑丈でなかったら、下手に屋根の上に雪を積もらせてしまったら問題だろうと思います。ブルゴーニュ地方には、自然石をスライスして瓦のように使った屋根が存在していますが、これを支える梁の頑丈さといったら、ものすごいものです!

ともかく、雪止めフックだと言われてから屋根を眺めてみると、確かに雪が溶けて流れるためのフックではないというのは分かりました。


それでも疑問は残る…

雪が滑り落ちないためのシステムなのだと教えてもらってから、あらためて村の家々の屋根を眺めてみました。

観察地点は小さな村にあった教会の前の広場。教会の祭壇は必ずメッカの方向を向いているので、東西南北が分かるのです。

雪が吹きつける方向の屋根にフックをつけるのかと思ったのですが、そばにある家々は同じ方向をむいた屋根にフックをつけているとは限りませんでした。それなら、雪が落ちてきたら怪我をする危険がある玄関がある面にフックをつけるのかと思ったら、そうでもない…。

家々のまわりを走り回って観察できたわけでもないので、私の観察はいい加減です。ヘリコプターに乗って上空から家々の屋根を観察検証したくなりました。

ところで、屋根にデコボコをつけているのは雪が滑り落ちるためなのだろうと私が思ったのは、新潟地方に行ったときに雪下ろしの大変さの話しを聞いた印象が強烈だったからです。

新潟は海沿いなために、雪の湿度が高いために重いのだそう。それで、家がつぶれてしまわないように雪下ろしをする。しかも、冬の間に1回すれば良いのではなくて、その年の雪の具合によって何回もする必要がある。

お話しを聞いたのは、首都圏から故郷に戻った一人住まいの熟年女性。業者に頼んでも良いけれど、1回に30万円近くかかるので自分でやるしかないと話していました。田舎暮らしは良いですが、彼女は50歳なのです。10年後にも屋根に登れるのだろうか?… と思ってしまいました。

雪を屋根から降ろしても、そこにためておくわけにはいかないのも問題なのだそう。家が埋まってしまう? 彼女の場合は幸運にも、家のすぐ近くに小川が流れているのでそこから降ろした雪を流せるので助かるとのことでした。

高齢者はどうするのかと聞いたら、「この人はもう屋根に登れない」と判断されるくらいに老体にならないと近所の人は手を貸してくれないのだとの返事。「みんな自分の家のことで手いっぱいですから」。厳しい社会ですね…。

驚いたのは、「最近は、雪がたまらないような装置にしている屋根があるんですよ」という言葉。最近の技術? 昔の人は、その土地の気候条件にあった家をつくるものだと思っていたのに...。

フランシュ・コンテ地方では屋根にフックをつけて雪が落ちてこないようにする。ミストラルが吹く南仏では、強風が吹く方向の面には完全に窓を作りません。私が住んでいる家でも、北側にはほとんど窓がありません。

新潟地方の民家にはそういう文化がなかったのだろうか?… 私の滞在は短かったので確かめてみることはできませんでした。でも、日本の豪雪というのは、フランスなんかよりずっと厳しいのかもしれない…。

ブログ内の関連記事:
★ このシリーズ記事の目次: 2011年秋 フランシュ・コンテ地方の旅行
目次: 旅行したときに書いたシリーズ日記のピックアップ

情報リンク
新潟県土木部都市局建築住宅課 屋根雪の処理方法の特徴や工夫に関する資料
L'habitat de montagne


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コメント
この記事へのコメント
ほぉ~。
答えは雪の滑り止めでしたか~。
わが町(富山県)は新潟県ほどではありませんが、雪が重く大雪のとき過去1度(中学生の頃)だけですが、大屋根に上り屋根の雪を下ろしたことがあります。
小さいときから「雪が降ったら屋根の下を歩かない。」と言われて育ちました。
一気に屋根の雪が落ちると子供1人分くらい軽く埋もれますからね。
でも子供って危ないことが好きで、屋根から落ちた雪山をわざと歩くんですよ。尾根を歩くみたいに。それでちょっと融けかかった雪に足がうずまり長靴が取れなくなり近所の家にスコップを借りに行くんです。(笑)

北陸の瓦にも雪止めが付いていますが(きっと付いているはず)、どんな形だっけ?と思うくらい、瓦をみていないかも…(汗)
それに、屋根に上るくらいだったら滑りやすい瓦のほうがいいと私も思います。
だから最初、大きなフックを見たときに屋根に上りやすくするためかな?雪止めよりも足止め?と思いました。(笑)
2011/10/19 | URL | pepe犬  [ 編集 ]
Re: ほぉ~
v-22 pepe犬さん

>小さいときから「雪が降ったら屋根の下を歩かない。」と言われて育ちました。一気に屋根の雪が落ちると子供1人分くらい軽く埋もれますからね。
⇒ わあ、そうなんですか! やっと屋根から雪が落ちないようにするというののイメージがわいてきました。

北海道の酪農家のお家に泊めていただいたとき、朝食前に庭から牧場に続くあたりを散歩していたら、家族の人たちが私が歩いているのを窓辺に立って見ていたと言われました。雪を珍しがっているのが面白くて見ていたのだろうと思ったら、いつ雪の中に埋まってしまうか監視していてくれたのでした。雪にはまったら自分では出てこれないくらい埋まってしまうこともあると聞いて、何も知らないとは怖いなと思いました。

>最初、大きなフックを見たときに屋根に上りやすくするためかな?雪止めよりも足止め?と思いました。
⇒ だいぶ前に初めて「なんだろう?」と思ったときには、私もそれも考えたような気がします。
2011/10/20 | URL | Otium  [ 編集 ]
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