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2011/12/10

シリーズ記事 【イタリア経由 クロアチアへの旅】 目次へ
その15
イタリア: (9-1) ヴェネツィア
― ヴェネト州


今年9月にした旅行のことをシリーズで書いていたのに、途中でストップしていたので、続きを入れます。

イタリア滞在では、ヴェネツィアのある地方の観光をメインにしていました。

最終目的地がクロアチアだったので、イタリアは北の部分で横断することにしていました。


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ヴェネツィアまで電車で通える町にあるホテルを3泊予約していたのですが、これは余り良くなかった。インターネットのホテル・ディスカウントで予約したたので、1泊分は無料程度になったので文句は言えませんが...。でも、宿泊料が半額になってしまうようなディスカウントでも、素晴らしいのに当たることが多いのにな...。

世界中の7万軒以上のホテルをオンライン予約できるBooking.com(予約手数料は無料)

ホテル自体は、ヴィラと呼ばれるお屋敷の建物を利用しているので悪くなかったのです。でも、朝食が不味い! それから、町が新興地という感じで全く魅力的でなかった。


やはりヴェネツィアは真冬に行きたい

ヴェネツィアには何回行ったことがあるのか思い出しません。そのうち1週間以上滞在したときは真冬だったので、観光客が多くない静かなヴェネツィア滞在を堪能できました。

今回行ったのは9月中旬だったのですが、まだ夏の盛りの観光シーズンという雰囲気。人の多さに圧倒されました。

じっくり観光するのは諦め、特にサンマルコ広場は避ける。



いつもヴェネツィアに来ると行くところに行ってみることにしました。


ヴィットーレ・カルパッチョの美術館

ヴェネツィアで生まれて、たとえ死ぬまでそこに住んだとしても、この街にある全ての芸術作品を見て回ることは不可能ではないでしょうか? それほどの宝庫なのです。

それなのに、ヴェネツィアに来たらここには行きたい、と思うところを特定するのは無謀なことです。でも、ヴェネツィア中を歩き回った長い滞在のとき、強烈な印象を与えられたところがあったのです。

美術館になっている教会Scuola di San Giorgio degli Schiavoni。



一歩中に入って仰天してしまいました。ヴィットーレ・カルパッチョ(Vittore Carpaccio, 1455年頃~1525年頃)の絵画が壁を埋めていたのです。ほとんど見学者がいない教会では、不思議な空間に入り込んだ感動を味わったのでした。

カルパッチョという画家の名前くらいは知っていた画家だったのですが、独特の雰囲気に魅了されてしまいました。でも、本を読むような感覚で眺めたてしまうストーリーがあり、細部にいたるまで驚くほど精密に描かれていました。

 
Vittore Carpaccio, Trionfo di san Giorgio

今回は人が多すぎてダメ。もう少し眺めていようかと思ったとき、団体さんが入ってきたので退散しました。

実は、今回もここにだけは行きたいと思って探したのですが、ヴェネツィアの詳しい地図を持っていなかったので苦労してしまいました。この当たりにあったはずだと思ったとき、地元の人らしい女性に道を聞いてみたら教えてもらえたので助かりました。

建物の入り口の様子を覚えておくために写真をとりました。



ついでに、場所を示す地図も:

大きな地図で見る

内部は写真撮影が禁止なので、何も写真をとっていません。この日記の最後に、作品を見ることができるサイトへのリンクを入れておきます。


食べるカルパッチョ

カルパッチョの絵画にある赤の色は独特です。生のスライスした牛ヒレ肉にチーズやオリーブオイルで味付けした料理のカルパッチョ(Carpaccio)は、画家カルパッチョの赤の色だから名づけられたという説もあります。

カルパッチョはイタリア風お刺身という感じで好きです。でも、白身魚やサーモンのカルパッチョだと画家とは結びつかないですね。

牛肉のカルパッチョの写真を入れてみます。

 

フランスのレストランだったので、チーズのスライスの代わりにフォアグラなどを乗せていて、イタリアの本物料理からすれば邪道のカルパッチョ。イタリア人には顰蹙をかってしまうような料理ですが、写真アルバムではイタリアで食べたものが見つからなかったのであしからず!


赤い色の深み

画家が出す色の中でも、赤に特徴があることは多いのではないでしょうか? ドラクロワの赤というのもありましたね。コローも、なぜか赤い帽子を被った人を配置していることが多い。

赤という色は、なぜ人をひきつけるのでしょう? 太陽が赤いから、と思ってしまうのは、私が日本人だから。フランスでは(その他の欧米諸国でもそうではないかと思うけれど)、太陽は黄色に描くのが常識だそうです。

カルパッチョの赤のことを書きかけていたら、フランス文化のルーツを知るためにも興味深く読んでいるブログ「イタリア・絵に描ける珠玉の町・村・そしてもろもろ!」に、ポンペイの赤のお話しが登場していました。

ポンペイ遺跡 最終回 ・ 秘儀荘 その2

ポンペイの赤も大好きなのです。ところが、もともとは黄色で描かれていたのに噴火で赤く変化してできたものだ、という学説が登場したのだそう。なんだか、がっかり...。でも、後世に美しい色を残すようになったのだから良い、という見方もできますが...。

オリジナルの色が変わってしまって、それが良いということもあるし、その逆もある。

少し前、フランスの写実主義画家ギュスターヴ・クールベの絵画が暗い色合いなのは、彼がニスの代わりに使った上薬のおかげで色がくすんでしまっただけなのだと知ったのでした。

それを書いた日記:
オルナン市のクールベ美術館 2011/10/03

クールベ美術館では、ビデオを設置していて、実際はこういう色彩の絵画だったと見せていました。想像もできないほど鮮やかな色。クールベはよほど世の中を暗く見る画家だったのかと思っていたのに、とんでもないことなのでした!

ポンペイの壁画にあるバックがあの赤色ではなくて、黄色だったらどうなるのだろう? それを画像処理して見せてくれるものがインターネットにのっているのではないかと思って探したのですが、見つかりませんでした。

その代りに見つけたのが、上にリンクを入れたブログで詳しく説明してくださっていたポンペイの秘儀荘にある壁画を分析して見せる動画でした。
La Ville des Mystères - Pompéi
動画は4本に分かれているのですが、ここから入ると自動的につなげて見ることができます。よく聞くナレーターの声なので、フランスのテレビ番組のはず。

⇒ 書評
絵画は分析すると面白いのですよね。

カルパッチョの絵が好きなどというだけではとどめずに、もっと読み込んでみたいと思いました。

 
Esthétiques sur Carpaccio
 
Carpaccio : Les esclaves libérés


ブログ内の関連記事:
★ このシリーズ記事の目次: イタリア経由 クロアチアへの旅
目次: 旅行したときに書いたシリーズ日記のピックアップ

情報リンク
【ヴィットーレ・カルパッチョの作品画像のあるサイト】
☆ Venise tourisme:
La Scuola di San Giorgio degli Schiavoni - La confrérie de Saint Georges des Esclavons
☆ Web Gallery of Art:
Cycle in the San Giorgio degli Schiavoni (1502-07) by Vittore CARPACCIO
☆ Fondation Berger:
Carpaccio
☆ヴァーチャル絵画館: ヴィットーレ・カルパッチョ


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コメント
この記事へのコメント
こんにちは! 私のサイトにリンクして下さって有難うございます! 
はい、あのポンペイの赤色に対する学説は学説として、(研究されている方は、相手が大物だと異説を唱えるだけで自分の名が売れる事も大いに計算しているのではないか、とひがんで考えるほど、あれこれ出て来ますので・・!)そういう安物の赤を使った場所もあるかもしれませんが、あの秘儀荘の絵を見ると、肌色との関係とか、他に黄色もハッキリ区別できますから、あれは元々赤だったろう、と半ば確信しています。

カルパッチョのこの教会素敵ですねぇ! まるで訪問した事がありません。 次のチャンスには必ず!! 私も彼の絵が好きなのです。

ええ、油絵の場合、上から保存で塗ったニスの為に黒ずむ、というのが大いにあるようで、とりわけ肉眼では全体が真っ黒に見える物でも、カメラを通しての写真ではしっかり違いが分かるのも知って、驚いた事があります。

美術館でヴィデオを通し、絵の細部とか、あれこれ見せてくれるのは、とても良いサーヴィスだと思います。 でも、これが出来るのはこちらの美術館が空いているかもですね。
2011/12/24 | URL | shinkai  [ 編集 ]
Re:
v-22shinkaiさんへ

ポンペイの秘儀荘についてはご挨拶のコメントを入れようと思っていたのに、あれだけしっかりと書かれているので、おいそれと書き込みができないでいて失礼しました! ポンペイの赤については、私もshinkaiと同じように感じました。あの艶が出たのは噴火の熱のせいだ、と言われたら納得するのですが...。

カルパッチョ、お好きですか? ヴェネツィアには見るべきところがありすぎますが、是非いらしてくださいね。

カメラを通しての写真ではしっかり違いが分かるの、おもしろいですよね。下絵が見えてきたりして。

>美術館でヴィデオを通し、絵の細部とか、あれこれ見せてくれるのは、とても良いサーヴィスだと思います。
⇒ これも同感。天井画を見やすいように鏡を貸してくれたりとか、細密画がよく見えるように大きな虫眼鏡みたいのをとりつけていたりとかも大好きです。
2011/12/25 | URL | Otium  [ 編集 ]
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