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2012/01/16

シリーズ記事 【イタリア経由 クロアチアへの旅】 目次へ
その38
コート・ダジュール (1-3) サン・ジャン・カップ・フェラ


イタリアからフランスに戻ったとき、サン・ジャン・カップ・フェラという場所を見ておきたいと思ったのには、もう一つの理由がありました(一つ目の理由は、こちら)。


フランス人には常識なことを知っておきたい

日本でフランス系企業に勤めていたとき、上司の母親が私に言ったことが記憶に残っています。

毎年、冬はメジェーヴで過ごすのだと彼女が話したとき、どこにあるのかと聞いたら言われたのでした。

「あなた、Megève(メジェーヴ)をご存じないの?」

70歳になるのに地下鉄には一回も乗ったことがない、というパリに住むマダム。そういう階級の生活をしている、という自慢をしたのに、私に通じないのがご不満だったらしい。

田園調布に住む奥様から、「夏は、いつも軽井沢の別荘で過ごしているのでございますよ」と言われて、そっけない反応をした外国人という感じだったのだろう、と後でわかりました。

メジェーヴはアルプスの山岳地方ににある町で、ブルジョワ階級が冬を過ごす地域として知られているようです。フランス人なら誰でも知っている高級リゾート地らしい。

さすがにマダムはそうは説明せず、「メジェーヴはとても素晴らしいのだ」と私に言いました。

その後、メジェーヴの近くに行ったことがあり、「行ってみたい」と言ったのですが、一緒に旅行していたフランスの友人たちからは冷たい反応をされてしまいました。

メチャメチャに高いホテルやレストランがあるだけで、見るべきものなんか何もない、というのが理由。夏のスキー場が美しいはずもないので、どうしても行きたいとは言い張りませんでした。

たぶん、アルプスにはメジェーヴがあり、地中海にはサン・ジャン・カップ・フェラがある、という感じなのではないでしょうか?

メジェーヴには行ったことがないので、高級リゾート地であるサン・ジャン・カップ・フェラの方は見てみたいと思ったのでした。

Megèveにあるホテルの料金
Saint-Jean-Cap-Ferrat周辺にあるホテルの料金

やはりコート・ダジュールなどの方が高級なのではないかな?...


気になったピンク色の館

サン・ジャン・カップ・フェラでは酷いホテルに泊まってしまったのですが、翌朝は、この当たりの観光スポットになっているヴィラまで歩いて行ってみることにしました。

海沿いに細い散歩道があったのです。

すれ違う人は、そういうところに住むお金持ちなのでしょうが、とても感じが良い。ボンジュールと挨拶してきます。こういう太陽に恵まれたところに住んだら、イライラなんかしないのだろうな...。

この当たりには、庶民生活からはかけ離れた豪華な家があるそう。確かにね... と眺めたりしたのですが、その中で、とても気に入った家がありました。

こちら↓



黄色の矢印を入れたお家です。
気に入ったのは、庭から降りていけるプライベートの小さな港があったからです。



フランスでは、海岸線は公共の土地としているので、海をプライベートに使っているのは、その法律ができる前に建てられた家のはず。ですので、こういう邸宅は珍しいのです。

散歩がてらに海岸線を歩いているので、少し寄り道をして、近くまで行ってみました。



かなり広いお庭があるようでしたが、家の建物自体は道路に面してしまっているのが残念。どの家を買おうかと探しているわけではないのですから、そんなこと気にする必要はないのですが!

家の名前がついているのが見えました。「La Fleur du Cap(岬の花)」と書いてある。

この日記を書きながら、この名前から何か情報が出てくるかと思って検索してみました。こんなお家、誰か有名人が住んでいるのでしょうから。

あっさりと解答が出てきました。

デヴィッド・ニーヴン(David Niven: 1910~1983年)が住んでいたお家なのだそう。映画にはうとい私なのですが、ジェームズ・ボンドを演じた人ですね。

グーグルマップもあるので、上空から見た写真まで出てきました。
David Niven's House


地中海沿岸にあるヴィラ

このあたりの様子が分かる動画を入れようかと思って探してみたのですが、不動産屋がYouTubeに入れて宣伝しているらしい貸別荘ばかりが出てきました。どれもお金持ちがヴァカンスを過ごすのに喜びそうという程度のものばかり。これを入れておきたいと思うようなのは見つかりませんでした。

この後に見学したところ2つと合わせて、この当たりで見たヴィラの中で、良いなと思ったのは3つだけでした。でもね...。こんなところに住みたいな... と、憧れるレベルではありませんでした。

海沿いにある豪華なヴィラといったら、やはりイタリアの方が素晴らしいのがありますよ~。ヴィラというのは、やはりイタリア文化なのではないかな?... 古代ローマの時代からの歴史がありますから。


ローマ時代には「オティウム」があったが、これは「オプティマテス optimates (もっとも優れた政治的な派閥) 」を対象にした一種の特別休暇である。執政官のポストをめぐる争奪戦に一時的に身がはいらなくなると、「オプティマス」はこの特別休暇をもらう。各人は怠惰と倦怠をいうふたつの落とし穴におちいらないようこころがけ、この時間を思い思いに過ごす。そして公務の緊張から開放されているあいだに、知性を磨いたり、必要なら公務復帰後の方針を練ったりする。「オティウム」は、いわゆる別荘、遊び目的で建てられた別荘のことである。ローマ人のうちでも選良となると、泉のせせらぎ、木々を揺する風の息づかい、渚を洗う波のリズミックな響きなど、耳をくすぐる自然の音を好んだ。「オティウム」は海のほとりで過ごされることが多い。富裕なローマ人となれば、一軒といわず数軒の別荘を所有していたが、そのうち最低ひとつは渚に面した別荘を持つようにこころがけている。共和政末期から帝政も開始以来2世紀半が流れるころまでのあいだ、ラティウム、カンパーニアの海辺のいたるところが保養地に変貌してゆく。

― アラン・コルバン著『
浜辺の誕生 ― 海と人間の系譜学』より


それでも見学したヴィラは、フランスレベルとしては最高かと思うものではありました。

ブログ内の関連記事:
★ このシリーズ記事の目次: イタリア経由 クロアチアへの旅
目次: 旅行したときに書いたシリーズ日記のピックアップ

情報リンク
☆ INA: Saint Jean Cap Ferrat
☆ Wikipedia: デヴィッド・ニーヴン
Villa Lo Scoglietto - Place David Niven - Now 'La fleur du Cap'


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