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2012/03/18

シリーズ記事 【トルコ旅行記】 目次へ
その18  超格安ツアーのからくり (1)


フランスの友人が非常に安いツアーがあるのを見つけたと知らせてきたので、以前から行きたかったカッパドキアを訪れることにしました。

2月上旬にトルコを旅する8日間のパッケージツア。シーズンオフだから安いとしても、薄気味悪くなるくらい安すぎる料金で売り出されていました。


フランス発、トルコ8日間で2万円を切るツアー

ツアー参加費は、一人 129ユーロでした。

こういう安いツアーでは、経験上、空港税が法外に高いのだろうと思ったのですが、30ユーロが追加されただけでした。選ぶ空港によって多少差があり、パリ発が最高で40ユーロ、ナント発だとチャージなし。

つまり、空港税込で私が旅行代理店に支払ったのは159ユーロで、18,000円くらい。

これで、飛行機代、7泊のホテル代(朝食付き)、トルコ国内で使うバスの料金が入っているのです。

信じられないくらい安いでしょう?
しかも、ホテルは4つ星、ないし5つ星を利用すると明記されていました。

旅行から帰って少したったとき、購読している雑誌から、同じツアーのダイレクトメールが届きました。読者へのプレゼントとして、割引クーポンが入っています。



大きく670ユーロと書いてあるのは、割引される料金の金額。

このクーポンを利用すると、670ユーロが割引されて、799ユーロのツアーが129ユーロで参加できる、と書いてあります。

このクーポンは、4月に開催されるツアーの案内でした。私のツアーは2月というシーズン外れだから安いのだ、と思ったのは間違い。春の旅行シーズンになっても、同じ料金なのでした。

なにも寒い2月に旅行することはなかった... と悔やまれるけれど、過ぎたことを後悔するのは愚かなので、考えないことにする!

実は、ツアー参加を決めた後、「そんなに安いなら行きたい」と言う友人カップルが現れたので、まだ席が残っているか問い合わせていました。すると、出発が迫ったための割引で、ツアー料金は80ユーロになっていたのです。

つまり、出発が迫っても参加者が足りなければ、どんどん安くなるというシステムらしい...。

80ユーロって、1万円にもならない金額です。ちょっと、異常すぎませんか?!


飛行機代はタダだった

募集パンフレットには、799ユーロのツアー料金の内訳が次のように書いてありました。
・飛行機運賃(フランス=アンタルヤ往復): 267ユーロ
・ホテル=空港の送迎(往復): 12ユーロ
・デラックスバス周遊: 100ユーロ
・ホテル(4つ星ないし5つ星、朝食付き)7泊: 420ユーロ

合計: 799ユーロ


トルコのパッケージツアーだったら、安くても、このくらいかかるだろうな、という料金です。

ところが、特別割引適用で129ユーロになったツアーの支払いを済ませて届いた領収書では、振り分けが次のようになっていました。
・飛行機運賃(フランス=アンタルヤ往復、ホテル=空港の送迎を含む): 0ユーロ
・ホテル(4つ星ないし5つ星、朝食付き)7泊+バス周遊: 129ユーロ
・空港税: 30ユーロ
・シーズン追加料金: 40ユーロ
・直前予約割引: - 40ユーロ

合計: 159ユーロ


3時間半くらい乗る飛行機の代金はタダなのでした!

フランスとトルコの距離はかなりあって、車を運転して行こうなどとは思わない距離があります。東京から台湾に行くのと同じくらいの飛行時間のようです。

日本でも格安ツアーはあって、冬にはパリやローマの自由滞在1週間ツアーが10万円を切っていることもあります。でも、台湾縦断8日間パッケージツアーが1万円とか2万円というのが存在するでしょうか?

4つ星ないし5つ星のホテル利用というのは偽りがなく、7泊のうち6泊は5つ星ランクの豪華なホテルでした。最初に泊まったホテルのフロントにルーム料金が表示されていたのが目に入ったのですが、1泊140ユーロと書かれていました。

これだけ安いのだから、何かあるのだろうと思って、何がおこっても驚かない覚悟で参加しました。

やはり、何かあったのですが、想像もしていないことだったのです。

この料金で、今まで書いてきたように色々なところを見学できたのですから、何ひとつ文句を言う気にはなりません。

でも、こういうツアーで長いこと運営していけるのだろうか、という気はします。日本にいたときは団体旅行をたくさん経験していましたが、こんなツアーは初めて! と驚くほど、変なところがあるツアーでした。

次回から、見えたカラクリについて書くつもりなのですが、それにしても、なぜ、これだけ安いツアーをつくれてしまうのかは、やっぱり解せない...。


誰が販売しているツアーなのか?

旅行に申し込んだときにはFirst Voyages Franceのツアーとして募集されていたのですが、トルコ国内の旅行オーガナイザーは Mozaïque du Monde でした。

これはツアーに参加して初めて知ったことで、私たちが申し込んだツアーには、この名前は全く記載されていませんでした。ガイドさんの方は、みんな知っていて参加しているのを前提として話していましたが。

このトルコのオーガナイザーの名前も奇妙です。

「du Monde(世界の)」というのはフランス語。でも、奇妙なのは「Mozaïque」という単語です。

モザイクと読めますよね? 語尾が「que」で終わっているのはフランス語風。でも、フランス語でモザイクは「Mosaïque」と綴るのです。sがzになっています。

ひょとしてトルコ語かと思って調べてみたら、トルコ語でモザイクは「Mozaik」と綴るようです。

両方を一緒にしたのでしょうか? インターネットで検索するときには、誰でも使うような文字にはしておかないのが賢明ではあります。

今回のツアーに参加した人たちは、雑誌購読者特別企画、大手スーパーのお得意さん向けの広告(上に入れたような割引クーポンを利用して)などを通して申し込んでいるのが大半なのだろうと思います。

調べられるわけもありませんが、割引料金を利用して参加した人が100%だろうと思います。というのは、ガイドさんは、「これだけ安いツアーなのだから...」というようなことを何度も言っていましたので。

正規料金となっている799ユーロは、フランスから行くトルコ旅行としては、特別に安いというわけではありません。もしも正規料金を支払って参加している人がいたら、納得できないこともありました。

無事に帰ってきたツアーについて今さら調べても意味がないのですが、余りにも気になる! Mozaïque du Mondeのサイトを探し出して眺めました。サイトは実にシンプルで、インターネットで集客しているようには見えません。

出てきたサイトはフランス語でしか書いていない。つまりは、フランス人だけを対象にしているのかと思うのですが、これも不思議...。ドイツや日本などが狙い目のツアー企画だと思うのです。

サイトには、割引料金があることは、ひと言も書かれていませんでした。割引クーポンをもらった人が、本当に正規料金はそんなに高いのだろうかと検索するために存在しているのかな?... そう思ったのですが、私が見たツアー広告には、オーガナイザーがここであるとは一言も書いていないのですから、確認のためにサイトを検索する人もいないはず。不思議...。

そもそも、この「世界のモザイク」と訳せる名前は、旅行代理店なのか、トルコの観光振興を図るNPOなのかも分からないので気になりました。検索していたら、潜水できる場所を紹介しているらしいサイトに、この組織の管理職が質問に答えているページが見つかりました。その説明を読むと、新しい形のツーリズムを提供している旅行代理店なのだと判明しました。

Arif Akbas directeur de l'agence “Mozaique du Monde” et du site Internet www.planetaime.com nous reçoit et répond à nos questions.


今まで、こんなツアーがあるとは知れなかった、というか、こんな風なやり方でツアーが成り立つのか、と驚いた旅行になりました。

次回から、なぜ超格安のツアーになっているのかが見えた点を挙げていきたいと思います。



― 超格安ツアーだった理由の続きへ ―


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コメント
この記事へのコメント
なんだろう
気になります!
早く続きが読みたいです…。
名簿でも集めたいのでしょうか?
お金以外のメリットがあるということなんですよね。
なんだか恐ろしいですね…。
2012/03/18 | URL | すぎちゃん  [ 編集 ]
Re: なんだろう
v-22 すぎちゃんへ

この安さは、余りにも異常でしょう? 話しが長くなるので、ツアーに参加して見えたカラクリを書きだしていているのですが、原則として1日に1つの日記にすることにしているので更新が遅れています。

不思議に思ってしまうのは、いちおう経済的に成り立っているオーガナイズらしいこと。でも、そんなので採算がとれるか?...、旅行してもお金を落とさないフランス人を相手にして成り立つのか?... と、いぶかってしまう不思議なツアーでした。

フランス人たちが行くのが好きなアフリカのイスラム圏諸国は、最近は治安が悪くて旅行できなくなっているので、いまトルコが観光開発すれば成功する! という国策もバックにあるのではないかとは感じました。でも、巨額の投資をした観光開発は地元の魅力を滅ぼすとも思っているので、トルコの将来にとってはマイナスなのではないかと寂しくもなったり...。

トルコ旅行記をゴチャゴチャとたくさん書いているのですが、実は、すぎちゃんからのコメントを待っている記事があります。

★ カッパドキアの奇妙な形の石を何に例える?
http://otium.blog96.fc2.com/blog-entry-1578.html

クイスで眠れない夜を過ごさせてしまったこともあるpepe犬さんが、ずばり一発で解答を出してくださっているのですが、クイズほぼ全問正解のすぎちゃんだったら、考え過ぎたりして正解がでないかな?... などと思ったりして興味があるのです。コメントをくださったのを利用して、お願いの返事を書いてしまいました。お許しください!
2012/03/18 | URL | Otium  [ 編集 ]
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