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2012/03/21

シリーズ記事 【トルコ旅行記】 目次へ
その23  超格安ツアーのからくり (6)


今回参加したツアーは、参加費2万円たらず。それで、カッパドキアまで行けるトルコ8日間の旅ができてしまえるというものでした。

それだけの破格値になっているのはなぜかと気になったので、そのカラクリについて書いています。ガイドさんの説明によれば、今回書くこと、つまりアウトレットショップでの買い物が収入源になっているのだそうです。

連れていかれたアウトレットショップは、全部で3カ所。カーペット、宝石、皮革製品でした。伝統工芸の工房に連れていってもらいたかったですが、そんなところでお金を落とされたくらいでは足りないのでしょうね...。


カーペットのアウトレットショップ

店では飲み物をサービスしてくれるし(お茶のほか、お酒もあった!)、それぞれにアトラクションをしてくれるので、それも観光の一つだと思うことにすれば、耐えられないものではありません。

店には流暢にフランス語で案内を話す人がいました。皮製のコートを売る店では、生粋のフランス人女性が舞台に立ってファッションショーを見せていました。

初めに行ったカーペットのアウトレットショップでは写真をとったので、入れておきます。

蚕の繭から糸を取り出すデモンストレーション ↓



デザインを見ながら絨毯を折る女性 ↓



この後は、大きな部屋に閉じ込められて、商品となったカーペットを見せるという設定になっていました。

個人で旅行したときには、「カーペットを広げないでください! 私たちは、全然、買うつもりがないのですから~!」と必死に訴える場面。でも、団体だと気が楽です♪

巻いてあるカーペットを次々に広げて見せてくれるのは、ショーでもあります。

デモンストレーションが終わると、部屋のドアが開いて、待機していたセールスマンがたくさん入ってきました。2人か3人に対して1人をアテンドさせる、という計算なのだろう、と計算。

こちらは壁にそってあるイスに座っていたので、トルコ人から襲撃を受けたような気分...。

フランスでは、がっしりとした人を形容するときに「トルコ人のような人」という表現があるのです。トルコ人の顔をしているという意味ではなくて、取っ組み合いの喧嘩をしたら、絶対に負けそうな立派な体格の人に対して使います。 オスマントルコ時代に作られたイメージなのかな?...

そういう人たちが、開いたドアからノッシ、ノッシと出てきたのです。カーペットを広げて見せるのには体力がいりますから、出てきたのは男性ばかり。威圧感がありました!


トルコに行ったら絨毯を買わなければならない?

トルコに旅行すると、いつも思うのです。
どうして、そんなに、カーペットを売りたがるの?!

トルコに来る旅行客は、みな、カーペットを買うために来ている、と思っているのではないか? と思うほど。

私は、日本にいたときには、高級カーペットといえばペルシャ絨毯しか知らなかったのですが、トルコの絨毯には定評があるようです。

でも、カーペットは高いので衝動買いできるものでもないし、部屋に1枚敷いていれば2枚目が必要なわけでもない。

お土産としてスーツケースに入れて簡単に持ち帰れるものでもない。「送ります」と言ってくるけれど、注文したもとと同じものが届くのだろうか? と心配ではないですか?

それに、アウトレットショップのセールスマンを相手にした買い物は楽しくないとも思いました。

初めてトルコに行ったのは、イスタンブール自由滞在1週間の旅でした。このときは、ものすごく色々なものを買いました。大きなスークには毎日のように散歩がてらに立ち寄っていて、お店の人たちと親しくなってしまったのが理由。

スークに通いながら、トルコ人は商売がうまいな... と感心しました。無理に売りつけるわけでもなく、お茶を勧めてきて、延々とおしゃべりをする。現地の人から色々なことを聞けるのは楽しい。親しくなると、買い物をしてあげたくなるではないですか?...

このとき、小さな女の子しか織れないというシルク100%のカーペットも買っていました。ヘレケと呼ばれる高級絨毯。私が買ったのは、壁に飾るくらいしかできない小さなものでした。

繊細な織り方は美しく、見る角度によって色が変わるのも面白い。それで惚れ込んで買ってしまったのですが、それに比べると、今回行ったアウトレットショップで見たカーペットは魅力に欠けました。

悪くないな、と思うものは、やはり高い。フランスで家が1軒買えてしまえるようなお値段のもある!

ヘレケのカーペットを楽天市場で検索


超格安ツアーの秘密は、ここにあった!

トルコで買い物してもらうことによって、旅行費用が補われるシステムになっているのだそう。今後もツアーを継続していけるために、できるだけ買い物をしてください、と、かなりしつこく、勧められました。 「リピーターも多いらしいので、ツアーを継続するため」などという表現が使えたようです。

アウトレットショップに行かなければならないかについて、ガイドさんの説明はこうでした。

この超格安ツアーは、政府が間接的に援助している。でも、政府が直接にツアーに補助金を出しているわけではない。政府はアウトレットショップを持つような工場に補助金を出しているのですが、売り上げが悪いと補助金を出さなくなる。それで、アウトレットショップでは、ツアーにお金を負担して参加者を多くし、来てくれた観光客にが特別プライスで商品を売っている。

だから、安い値段で買えます。だから、ぜひ買ってください、という言い分でした。

でもね、私は、そういうツアーを支援するために買い物をする義理はないと思ってしまう。私はそんなカラクリがあるとは知らずにツアーに申し込んだのだし...。

ガイドさんがアウトレットショップに向かうバスの中で、長々と宣伝しているのを聞いていると、へそ曲がりな私は全く買い物をする気はなくなってしまう...。

このくらい安いツアーなのですから、どこかからお金が出ていないとおかしいとは思います。でも、冷静に考えたら、やっぱり変ですよ...。

アウトレットショップは。客を呼び寄せるためにツアーの料金を負担している。としたら、その負担は、買い物してもらったときの利益でカバーされるわけではないですか? お釣りの利益がないと商売になりません。ということは、普通で買うのより高い料金を払わされる店になっている、と受け取るのが普通でしょう?...


お買いものタイムが長すぎますよ~!

フランス人は、旅行をしても、そんなに買い物をしません。となると、買いたくなる気にさせるには長い時間をかけないといけない、というようになっているようでした。

お土産を買うのが好きな日本人ツアーだったら、「買い物をしたい方は30分以内でお済ませください」などとせかしてしまうこともできるのではないかな?  せかされたら、考えもしないで、やたらに買ってしまう。思えば、むかし私が日本から参加したヨーロッパ旅行のツアーでは、本当にいっぱい買い物をしていました。

3軒寄ったアウトレットショップでは、それぞれ2時間を予定しているスケジュールでした。でも、買い物が長引く人がいれば、気にせずに長くなる。

結局、正味7日半のトルコ滞在では、3回の午前中がアウトレットショップ訪問で消えていました。全体的にお天気が悪かったので、からりと快晴になったときには店に閉じ込められているのが悔しかった...。

店に連れて行くというのは、かなりの強制力を持っていました。あるとき、体調をくずした女性がバスの中で寝ていることにしたのですが、ガイドさんに見つけ出されて、強制的に店に連れて行かれていました。 何人のグループかをアウトレットショップに登録しているので、行かない人がいると困るのだそう。

でも、買い物するかどうかは自由です。

案内されたアウトレットショップで、私は何一つ買いませんでした。ガイドさんから殴られることはないにしても、嫌味の一つも言われるかと覚悟していたのですが、そういうことはありませんでした。

最後に寄った皮革製品の店では、ツアー参加者のほぼ全員が買い物をした感じになって盛り上がりました。それぞれが、買ってきたものを自慢しあっていました。私は何もなし。ガイドさんは私の肩を抱いて、「あなたは何も買えなかったの~?」と同情してくれました!


異様に見えたアウトレットショップ

無事に旅行できて、観光にも満足したのですから、旅行が終わってから超格安ツアーのカラクリがどこにあったかなどを考える必要はないのですが、日記を書きながら考えています。

不思議で気になってしまうのは、お金のカラクリがどこにあったかということより、こういうツアーがフランス人の集客をできるという点です。

フランス人向けツアーが好きな理由」で4つの理由を挙げたのですが、これは、フランス人の好みに合わせてツアーを作っているからのはず。でも、今回のツアーは、その項目の1つは△、残りの2つはバツ。つまり、4分の1しかマル印が付けられないオーガナイズだったのでした。

普通に考えると、そうなのですが、よくよく考えると、フランス人の国民性も加味して、賢く考えられたツアーだったのではないかな?... と思えてきました。

アウトレットショップにしてもそう。ガイドさんは、しっかりと、なぜ連れて行く必要があったのかを説明していました。聞いているうちに、トルコにお金を落としてあげないといけない、という気持ちになってきたのではないか?

1番目に行ったカーペットの店では、私たちのグループで買い物をした人はほとんどいなかったのですが、同じスケジュールで回っていた別のバスでは、かなりの人たちが買い物をしたのだそう。私たちのグループはケチで、買い物なんかしない人たちが集まっていたのだろうと思ったのですが、その後に行った店では宝石を買った人たちもいたし、特に最後に行った皮のコートを売っていた店では、すごい勢いで買い物をしていたので驚きました。

安物の小さなカーペットを買ったカップルが1組いただけではなかったのかと感じた店を出てから、バスの中では、ガイドさんはスピーチを始めました。

部屋の大きさなどを測ってからこないとカーペットは買えない。フランスに帰ったら、トルコを旅行する人たちに、どんなカーペットが欲しいのかを考えて準備をしてから行くように教えてあげてください。トルコには素晴らしい商品があるということを、フランス人たちに伝えてください。

私欲なしに、トルコをPR。ちょっと胸がうたれます。トルコは、フランス人たちにとっては貧しい国。博愛精神が鼻をもたげたのではないかな?...

フランス人の博愛精神について書いた日記:
フランス人の博愛精神は薄れてきている? 2010/11/05


それにしても、強制的に案内されたアウトレットショップの建物が立派なのは、異常だとさえ感じてしまいました。

カーペットのアウトレットショップ ↓



連れて行かれたのは、どこも非常に大きく、がっしりとした建物でした。 ガイドさんが政府の補助金を受けていると言っていたので、そうなのでしょうけれど、少し立派すぎませんか? 私には、共産国の国営産業のように見えてしまいました...。

― 超格安ツアーだった理由の続きへ ―


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