| Login |
2012/05/17

シリーズ記事 【フランス新大統領の誕生】 目次へ
その3


オランド新大統領の就任式の15日には、ほとんど1日中、テレビをつけていて報道番組を見てしまいました。

なかなか面白かったのです。

その1つは、エリゼ宮(大統領官邸)の就任式に集まった人たちにオランド氏が挨拶している場面。それが長々続いたので、フランス式挨拶の全てのタイプが見れました♪


フランスの挨拶の仕方は色々あるので、複雑!

抱き合ってする挨拶と、握手があります。「みなさん、こんにちわ」と全員に向かって言ってすませることができず、大勢が集まった席では一人ひとりに挨拶して回らなければなりません。

すでに挨拶していたのに2度挨拶するのは失礼にあたるので、誰と挨拶したかを記憶しておかなければなりません。人がゴチャゴチャいたり、みんなが動き回っている状況だと、誰と挨拶したかを懸命に覚えます。

でも、エリゼ宮殿での大統領就任式では、集まった人たちが並んでいるところを大統領が挨拶しながら歩いて行ったので、すでに挨拶したかどうかの心配はなかったので楽だな... と思いました。

フランス人の挨拶の基本は、次のようになっています。

1) 親しくない関係の場合は握手する。でも、初対面でもキスの挨拶をする人もいる。都会の若者はキスを好む。

2) 男性同士は握手をするのが普通。でも、たまには男性同士でも抱き合って挨拶する人たちもいる。

3) 男性と女性の場合、親しければキスの挨拶をする。でも、握手にするかどうかを選べる権利は女性にある。

4) 抱き合っての挨拶は、頬を寄せるだけの人もいるし、そうしながらキスをしたかのような「チュー」という音を口で出す人もいる。本当にチューをする人もいる。

5) 抱き合って挨拶するときに何回キスをするかは、1回、2回、3回、4回の種類がある。これは、地域の習慣による差と、好き好きがある。回数が違う人の場合には、数が多い人に従うことが多い。

フランスでは、挨拶の仕方でどういう関係にあるのかの差別ができてしまうので、そういう社会は厳しいな、と思ってしまいます。例えば、子どもが学校に行ったとき。友達がたくさんいる子は、たくさんのクラスメートと挨拶をすることになりますが、友達がいない子はそれを見て孤独になるのでは?...

誰と握手をし、誰とキスの挨拶をするかというのは、私がいつも戸惑うことです。久しぶりに会った人が、いつも抱き合って挨拶していた間柄だったのを忘れて握手してしまうと、何か原因があって気分を害しているのだと思われてしまう。

オランド氏は気楽にキスの挨拶をする人らしい。ほんとう。男性とも抱き合っての挨拶がたくさんありました。

大統領就任の日の長い動画を入れておきます。後半のところに進ませると、祝典列席者と大統領の挨拶場面の部分が出てきます。




抱き合う場合、どちらの頬を先に出すか?

これを観察しました。私はどうも逆から頬を出してしまっているらしい、と感じているからです。

相手が予期していなかった頬を突き出すと、相手は慌てて方向転換してくる。それを自分も同時にやってしまうと、真ん中でぶつかってしまう。キスの挨拶って、けっこう難しいのです!

テレビで大統領の挨拶風景を見るのは、とても良い学習になりました。私はその場にいないので、じっくりと皆がしているところを観察できたのです。

2回のキスで、右の頬同士を合わせるのから始めるのが圧倒的に多いようですね。ということは、相手の右頬に向かって、自分の顔を突き出せば良いということになる。なるほど...。

そういえば、キリスト教には「右の頬を打たれたら左の頬を向けよ」というのがあった!


キスの挨拶を拒むには?

挨拶が延々と続く中で、奇妙に見えた女性がいました。オランド氏の腕をつかんで離さないのです。

その場面が動画にあったので、じっくり観察してみたら、私が思った理由とは全く逆だった!



わたしとキスの挨拶をしてよ、という動作なのだと私は思ったのですが、一番始めに、女性がオランド氏とのキスの挨拶を拒んでいたのでした。「私は口紅をいっぱいつけているから」と言っているのが聞こえます。

フランス人の友人の中で、一人だけ、「キスの挨拶は絶対にしない」と言う女性がいました。相手が近づいてきたときに手を差し出してしまえば、相手は握手の挨拶をせざるをえなくなるので簡単、とのこと。

そういうことをすると、余り好かれないと思う。子どもの躾では、大人に会ったらキスの挨拶をさせるというのがあります。まともにベチャーとキスをしてくるので、後で顔をハンカチで顔を拭きたくなることもありますが、可愛い。人見知りする子が知らない大人にキスをするのはにかんでいたりすると、ママが怖い顔で強要することもあります。

動画に出ている女性も、キスの挨拶が嫌いな人だったのかもしれない。でも、やはりしようかと思ってオランド氏の袖をつかんでいたのかな?...

YouTubeの書き込みを見ると、女性はニコル・ブリック。新内閣では環境・持続可能開発・エネルギー大臣になっています。つまり、二人は仲が悪い間柄ではなかったと受け取るのが自然なのでしょうね...。

あるいは、大臣にはしてくれないという噂を聞いていて、このときは冷たく当たったのか?... 新内閣発表後の報道によると、大臣のポスト1つに200~300人がそれをもらうのを期待していたとか。

キスを拒まれたとしても、2人が握手もしなかったのは奇妙な場面でした...。


オランド大統領はメルケル首相と握手をした

サルコジ大統領は、就任にして間もないころに民衆に挨拶していたら、握手を拒んだ人に捨て台詞をはき、その「Casse-toi, pauvre con」というフレーズは流行語になっています。

そのことを書いた日記:
フランスで好感を与える政治家とは? 2009/02/20

日本好きと言われるシラク大統領は、パリ市長時代の汚職問題がありましたが憎めないキャラクターになっています。実際に見たときには、大柄で圧迫感があるし、テレビで見るときのようにニコニコ顔ではないので、どの程度愛想が良いのかは分かりませんでしたが。

オランド氏は国民から嫌われない大統領になろうと意識してか、新大統領を見ようと道端に集まっている人たちにも愛嬌を振りまいていました。サインを求める人がいればしてあげてしまうし、キスの挨拶も惜しみなくしていました。

護衛の人たちには、やりにくい大統領だろうな...。サルコジ大統領のときには、近づくのは同志たちばかりで固めていたのに、オランド氏はトコトコと自分から民衆に近づいていってしまうのですから。テロリストから狙われたらどうするの?

就任式の日には大雨も降って、オランド大統領はびしょ濡れ姿になったりもしていましたが(3回は洋服を着替えたはず)、儀式は事なく済んで、夜にはメルケル首相と会談するためにドイツに向かいました。

ところが、飛び立ったばかりのところで大統領の飛行機は雷にあって、別の飛行機に乗り換えたのだそう。テロリストより危険が高いのは自然の力ですか...。

メルケル首相との会談は友好的に進んだもよう。首相は、雷に打たれるのは良い前兆だ、とも言ったらしい。キリスト教にそういうのがあるのだそう。

ところで、翌日には、独仏代表の二人が並んだときに、握手の挨拶をしているのが取り上げられました。サルコジ大統領のときは、男女なのでキスの挨拶をする姿だったからです。

しっかりと、フランス人記者は「なぜキスの挨拶をしなかったのか?」とメルケルさんに聞いています。「初対面だから握手にした」と答えています。そういうのがニュースになるのも、フランスだからなのでしょうね...。

ブログ内リンク(挨拶について書いた日記):
フランス式の挨拶がしにくい帽子 2009/02/08
たんなる偶然?...  2012/03/25
カフェのご主人から「ボクの愛しい人」と呼ばれてしまったのには理由がある 2006/08/14
フランス人って... : ドルメンの上で演じられた寸劇 2009/09/17
日本の衛生観念では、フランスでは生きられない? 2009/03/09


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: フランス人 | Comment (0) | Top
この記事のURL | Rédiger
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する