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2012/07/04

シリーズ記事 【硬質小麦の粗びき粉】 目次へ
その3


アラブ世界の食材に、硬質小麦の粗挽き粉があります。フランスでも普通に食べられているクスクスやタブレに使われます。私の好物。

私は「スムール(semoule)」と呼んでいる粗びき粉なのですが、日本では「クスクス」と呼ぶのが普及しているようです。

ネットショップで売られているかと「クスクス」を探してみると、この粗挽き粉がど~っと出てきます。

そんなに日本に普及している食材なのでしょうか?!
「クスクス」をキーワードにして楽天市場で検索


クスクス粉と呼べば簡単なのだけれど...

硬質小麦の粉が日本語ではクスクスと呼ぶのが一般化しているのなら、クスクス粉と呼んでしまえば良いのでしょう。

クスクスフランス語でも、この食材をクスクス(couscous)と呼んでいるようでした。

クスクスという有名な料理に使うということを分かりやすくするためなのではないかな?

でも、この食材、どうもよく分からない。

というのも、色々な単語が飛び出して、それが全部同じものと受け取って良いのかどうか分からなくなるからです。

どんな単語が出てきたのか、並べてみますね。
フランス語semoule、semoule de blé dur、blé concassé
boulghour、bourghol、boulgour、borghol、burghul
couscous、pilpil
日本語クスクス、ブルグール、ブルグル、ブルガー、ブルグア、
セモリナ、デュラムセモリナ粉、デュラム小麦、
ひき割り小麦、粗挽き小麦

こんなのを眺めていると、頭が混乱してくる!

これらがどう違うのか確かめるのは放棄したくなったのですが、少しは調べてみたのでメモしておきます。


まず、フランス語を辞書でひいて検証。

semoule (スムール)

semoule(スムール)とは?

(1) セモリナ
- 硬質小麦(特にデュラム小麦)の粗びき粉。パスタ類、クスクスの材料
- 米、ソバ,トウモロコシなどのひきわり粉。プディング、フレークの材料

(2) 粒度の粗い粉状物


主に穀物を挽いた粉がスムールなわけですね。

思い出せば、sucre semouleはグラニュー糖だった。スムールに似たような大きさになった砂糖だからなのだろうな...。

辞書の説明では不十分なので、インターネットで製造法を探してみました。

スムールの製造法
・小麦粉から作るスムールは、たいていは硬質小麦(blé dur)を使う。
・ふすまと胚芽を除いてから細かくくだき、水につける。
・生地を細い糸に整え、それを蒸し、乾燥し、顆粒状に整える(粒の大きさは大、中、小とある)


普通の小麦粉のように製粉したというのではなくて、一度火を入れているのですね。

そう言われれば、タブレは、お湯でふくらませただけで食べるというのも納得できます。前回の日記(クスクスは手間のかかる料理)で書いたように、私はクスクスという料理で使うクスクス粉をふかす、というのが頭にあったので、タブレも同じようにするのだと思っていたわけです。

でも、お湯で膨らませただけで食べられるスムールなのに、クスクスを作るときには、あんなに手間をかけてむさなければならない、というのが新たな疑問になってしまう...。


boulghour (ブルグール)

タブレを作るときと、クスクスを作るときでは、違うスムールを使うのだろうか?

Wikipédiaの「Taboulé(タブレ)」の項目を見ると、タブレの材料に使うのはboulghour(仏語)だと書いてありました。
☆ Wikipédia: Taboulé

boulghour(ブルグール)は、トルコ語のbulgurから入った単語。仏仏辞典によれば、この単語がフランスの文献に現れたのは1863年。

でも、この単語は仏和辞典には記載がありません。

Wikipédia のboulghourを見ると、日本語へのリンクがない。英語ではBulgurにリンクされているので(トルコ語なわけですね)、それを英和辞典でひくと、「ブルグア」という片仮名表記で出てきました。

でも、「ブルグア」は日本語としては一般化はされていないらしい。Wikipediaのboulghourに戻って、書いてあることを見たのですが、本当なのかどうかわからない。

詳しく製造法を書いているサイトがありました。

ブルグールの製造法
・麦を半日水につけておく。
・水切りをし、2日か3日放置して発芽させる。
・1時間半ほど煮てから、ただちに乾燥させ、砕く。


スムールと同様に、ふかして乾燥させて砕くという3段階の作業は全く同じですね。

boulghourは、boulgour、bourghol、borghol、burghulと呼ばれることもあるのだそう。だとすると、日本語で色々な呼び名が使われているのも納得。

日本語のレシピの紹介では「ブルグール」という名前がよく使われていたのですが、その名前で商品を売ることはごく少ないようです。

日本のサイトを見ていると、「ブルガー」という呼び名が目立ちました。 それから、「ブルグル」と呼んでいるのもある。



硬質小麦(デュラム小麦)

調べながら分かったのは、スムールの原料は硬質小麦で(特にデュラム小麦)、これはパスタの材料にもなっているということ。
 
スムールが好きな私なのですが、スパケッティも好きなのです。硬質小麦はおいしいのだな、と改めて感心。

ともかく、パスタを作るために硬質小麦粉を買う人もいるわけですよね。その場合は、小麦粉のような細かな粉になっている必要がある。

一方、クスクスやタブレを作るときには、ツブツブの形がなければいけない。

「デュラム小麦」ということで検索すると、パスタを作るための小麦粉が出てくる、という感じがしました。

クスクスで検索

ブルガーで検索
ブルグールで検索

デュラム小麦で検索




pilpil

スムールとブルグールの違いを調べていたら、pilpil(ピルピル)などという面白い名前のものまで出てきました。

レバノンのタブレにはこれを使うらしい。ふすま小麦を加熱して乾燥して砕いたものだけれど、粒子が細かいのだそうです。

見た目はスムールやブルグールにそっくりで、料理でも同じように使うとのこと。


タブレには何を使えば良いの?

ここまで調べたのは、前々回の日記(暑いときに食べたくなるタブレ)を書いて、タブレを自分で作ってみたいと思ったからでした。

同じように見える小麦の粗びき粉の名称が色々とあるので、どれがタブレにできるのだろうと思ったわけです。

クスクスという料理は小麦の粗びき粉を蒸して準備するのに、スムールの方はお湯でふやかせば良いだけなので(レシピによっては水でしている)、粉の固さが違っていて当然ではないですか?

フランス語で説明を読んでいると、それぞれ違うことを言っているので、どれが本当なのか分からない!
 
フランス人でも違いが分からないらしくて、「どう違うのでしょう?」とフォーラムでやっているのが幾つもありました。

答えを紹介してみると...

(1) ブルグールは色々な穀物をミックスしていることが多い。
(2) クスクスよりブルグールの方が粒が大きい。

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結局のところ、クスクスでも、スムールでも、ブルグールでも、ピルピルでも、どれでも良いように感じました。と言うのも、フランスのレシピの材料を見てみると、色々なのです。それぞれに好みがあるのかな?...

ただし、丸のままの粒だといけない。

一般的に、フランスではタブレにする定番はブルグール(boulghour)ということは言えるように感じました。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 珍しい植物の食材 (野菜、穀物、ハーブ、山菜など)

情報(外部リンク):
☆ Guide santé:  Semoule | Boulghour | Pilpil


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