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2012/07/09

シリーズ記事 【わらぶき屋根のアイリスの花を見て】 目次へ
その6


伝統にはなかった木造の家がフランスで目につくようになったのは、数年前でしょうか?

木造建築は、石壁ほどもたないことは知らないのではないかな?... 少ししたら、木の壁が風雨にさらされて汚くなってしまうのに...。第一、木造の家というのはフランスの風景に溶け込まないですよ...。

と、私は否定的に見ていました。

物好きな人が建てているのかと思っていたのですが、あちこちで見かけるようになったので、どうやらブームらしい。エコロジー住宅が注目されている、ということなのでしょうね。


茅葺き屋根は環境に優しい

面白い情報を見つけました。茅葺き屋根のメリットとデメリットを比較していたページがあったのです。

茅葺き屋根の家も環境に優しい家なのですね。そう考えると、最近のフランスでは茅葺き屋根にする人が増加しているらしいのも理解できます。

でも、今のフランスには屋根ふき職人が全国で80人くらいしかいなくて、需要に追い付けないのだそう。



動画は地方テレビ局のニュースです。

ここに出ている業者さんはブルターニュの会社のようですが(こちらがサイトだと思う)、受けた注文の35%がスレート石の瓦の屋根で、65%は茅葺き屋根なのだそう。もちろん茅葺き屋根を得意としているから、というのも理由でしょうが。

この大工さんが手掛けた茅葺き家屋の数々を見せる動画:


大工さんは、茅葺き屋根は断熱効果が高いことをあげ、省エネになるのが人気の理由だと言っています。

フランスではセントラルヒーティングにするのが普通なので、寒い地方では膨大な暖房費がかかります。それを節約できるメリットは大きいのです。

それに、フランスでは、家を新築したり修復するとき、断熱材を入れたり、窓を2重ガラスにしたりして省エネになる対策を施すと、減税されたり、利息ゼロの貸付を受けたりできます。それも、かやぶき屋根にする人を多くしている理由かな?...


茅葺屋根のメリットとデメリット

フランスのサイトで、それを比較しているものがありました。もちろんデメリットもあるのですが、メリットでカバーされるとみています。

茅葺き屋根のメリット

・茅の厚さは35cmくらいあるために断縁効果が高いので、断縁材を入れる必要はない。普通の断熱材100mmに相当する。夏は涼しく、冬は暖かい家になる。茅の屋根は音を吸収するので、遮音効果も高い。

茅葺き屋根の家の中に入ると、静けさに驚くのだそう。でも、私はそれに気がついたことがありませんでした。むしろ、日本の田舎で、かやぶき屋根の旅館に泊まった時、近くにある交通量の激しい道路からの騒音で参ったことがありました。あの屋根はトタンで覆われていました。それが遮音効果をなくしていたのかな?...

・茅は軽い素材なので(1平米あたりライムギは25Kg、アシは35Kg)、屋根を支える木組みは軽いもので良いために経済的である。

・屋根を支える木組みが不規則でも、それに合わせて屋根をふくことができる。

・屋根を修復するとき、屋根を支える木組みを解体する必要がない。

・現代の茅葺屋根は、普通の瓦屋根に比べて火事に弱いわけではない。支えにしっかり取りつけられているので酸素が流れないため、火が拡大しないからである。さらに、現代の建材としての茅は火の抑制剤加工がしてある。

・軒が張り出しているので、雨どいが必要でない。

・茅葺き屋根は、凍結、雹、雪、嵐に強い。


茅葺屋根のデメリット

・雨で傷んで腐らないように、屋根の勾配を高くする必要がある(最低35度)。

・普通の瓦ぶき屋根より費用がかかる(作業時間が非常に長いため)。
330㎡の屋根ぐき替えに5万ユーロという例があがっていました(2011年)。

・専門の屋根職人の数は年々増加しているが、需要には追いつかないのが現状である。

・茅葺屋根は50年以上もつが、3年に1度くらいの割合で、傷んだ部分を取り換える必要がある。25年たつと厚みが薄くなるので、本格的な修復が必要。


ノルマンディー方式だそうです:



こちらはピカルディー地方の職人さんらしい。外国の技法なども入れた技法:


話している人は、父親が1971年に始めた仕事を引き継ぎ、今は息子さんに仕事を教えているのだと言っています。外国の技法も取り入れていると説明しています。1つ上の動画と違って、こちらはカヤを針金で止めています。


私は城などの堅固な作りの建築物が好きなのですが、こうして色々な茅葺き屋根の家を見ていたら、これもまた美しいな... と思いました。

断熱効果が良いというのは大きな魅力かもしれない。石づくりの大きな城などは、冬には家の中を完全に温かくすることなど不可能ですから。




茅葺き屋根は手間のかかる仕事なので、1日に5メートル平米しか屋根がふけないのだそうです。 でも、ブルゴーニュ地方に残る石を切り出した屋根は、1日に1メートル平米しかふけないと言っていました。

茅葺き屋根のお話しは終わりにしようと思っていたのですが、その最高に手間がかかる石の屋根のお話しを次回に書いて終わりにするつもりです。


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