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2008/05/02

シリーズ記事 【ロマネスク教会のヴィジット】 目次へ
その4  ロマネスク教会 (3)


前回のロマネスク教会シリーズ「入れない天井桟敷の謎」に書いたサンティレール教会のヴィジットでは、講師の人がもう一つ面白い発見をさせてくださいました。

*サンティレール教会は、ブルゴーニュ南部にあります。


ティンパヌム

カトリック教会の入り口の扉の上には、ティンパヌム(仏語ではタンパン)と呼ばれる美しい彫刻があることがあります。このサンティレール教会にも、それほど立派ではないティンパヌムがありました。



*教会の入口の写真は「入れない天井桟敷の謎」の日記に入れてあります。

この教会のティンパヌムもフランス革命のときにかなり破壊されています。切り落とされたキリストの顔は19世紀に付け替えたものだそうです。

この日に注目したのは、キリストの下にある部分の説明でした。


聖人サンティレールの伝説

教会の彫刻は、お説教のためにあります。バイブルを読めない人も、彫刻で現わされた聖書のお話しを知ることができるようにできているそうです。

そういうことは、パリのノートルダム寺院を始めて見学したときに、ガイドさんから教えてもらった記憶があります。でも、詳しく説明してもらわないと、聖書の話しを知らない私などには理解できません。

この日に私たちを案内してくださったロマネスク教会の研究者は、中世に書かれた本を読みあげてくれました。

本当にそのとおりのストーリーが彫刻に表現されているので、びっくりしました。

クリックすると拡大します
*写真をクリックすると拡大写真を表示します。

この教会は聖人サンティレールを祭ったものなのですが、サンティレールが法王に会いに行ったときのお話しが表現されていました。

漫画と同じようにストーリーが描かれている!

彫刻の左から右に見ながら、ストーリーが進みます。

(1) 法王はサンティレールに反感を持っていて、側近の者にも、彼には席を与えてはいけないと言いわたしていました。

(2) サンティレールは座ることはできましたが、他の人たちより低い位置です。

(3) そこに天使が現れて、サンティレールを引き揚げたので、みんなと同じ高さで座っています。

(4) 法王は「自然」に呼ばれて(つまり、トイレに行きたくなった!)、席をはずします。

(5) トイレに座っている法王は、悪魔に内蔵を口から引き出されて、死にます。

内蔵を口から出すというのは、かなり凄まじい死に方なのだそうです。それが、彫刻の一番右の場面です。描かれている法王は、ちゃんとトイレに座っているのですから、笑ってしまいました!


講師の先生が読んだのは、下の本でした。



*私も持っている本だったので確認すると、講師が読み上げた聖人サンティレールの伝説は第1巻 P.124~P.126(SAINT HILAIRE) に出ていました。


この日のヴィジットは、歴史に興味がある人たちがメンバーになっている研究会です。こういう集まりが楽しいのは、色々な分野で知識がある人たちがメンバーになっていること。

ブログに書くので私が聞いた話しの理解には間違いがないか確認してみたら、聖人サンティレールのお話しには、おかしなところがある、と指摘していました。

この本のお話しに出てくる法王はレオンとなっていたのですが、聖人サンティレール(正確にいうと、ポワティエのサンティレール)の時代にはレオン法王はいなかったのだそうです。三位一体説でキリスト教会が揺らいでいた時代なので、それを反映して個人を批判をした話しなのだろう、という推測でした。


たとえ中世のお話しが作り話だったとしても、教会の彫刻を読むのは、私には興味深いものでした。こういう風に、詳しく彫刻が物語っているものを説明してもらったのは、初めてのような気がします。

考えてみると、日本の鳥獣戯画なども、同じ手法で物語っていますね...。巻物は、右から左に進むという違いがありますが。

続きへ: 右は天国、左は地獄 2008-05-03

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情報リンク:
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ロマネスク美術館
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