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2012/08/23
ブルゴーニュの友人から「Tragédie...(悲劇)」という件名を付けたメールが届きました。ドッキとするではないですか。誰か親しい人が事故でなくなったとか、犯罪に巻き込まれたとか…。

そういうのではなかったので安堵しましたが、やはりギクっとすることを伝えてきました。

あの美しいジュブレ・シャンベルタンの城が、2ヘクタールのブドウ畑を付けて中国人に売られてしまったのだそう。


Château de Gevrey-Chambertin

実は、夕方、友人と話していたら、ジュブレ・シャンベルタンのブドウ畑を中国人が買ったというニュースがあったと話していたのです。即座に「お城じゃないでしょう?」と聞いたら、知らないとのこと。

どこか知らない畑が売られたのだろうと思ったのですが、なんとなく不安を感じました。

そして、夜になったら友人から入ってきた城が売却されたというニュース。
まさか...。



ブルゴーニュの好きなお城だった...



壁の厚みを利用したところにあるベンチ。これが、なぜか、とても好きなのです...。

昔の城の半分も残っていないのではありますが、立派な城です。驚いたのは、2層のワインセラーがあること。普通は、地下に入るとセラーがあります。でも、この城では、そこからさらに地下にもぐって、また立派なセラーがあるのです。

ジュブレ・シャンベルタン城には、入場料を払う見学コースもあって、12世紀に建てられたお城の中を案内してもらえました。もちろん、最後はワインの試飲♪

歴史的建造物に指定されている城も素晴らしいのですが、昔ながらの生活を続けている様子が見えるので興味深い見学でした。

特に、城主のお婆さんが、若いころの話しなども交えて案内してくれていたので感動的でした。時には昔の衣装を着たりして、糸紡ぎの実演などもしてくれました。

彼女の体が弱ってからは見学はできなくなりました。でも、学生アルバイトの人が案内してくれるようになったので、また見学に行きました。調べてみたら、2009年のこと。それが最後になってしまったわけです。

何世代も同じ家系で住んでいた城なのに、手放してしまったの...。

お婆さんは最近亡くなったのだそう。最近はドメーヌがうまくいっていないのが伝わっていたそうです。ワインの質が落ちた、と友人は言っていました。

城の売却を伝えるニュースです↓



コート・ド・ニュイのワイン(550ヘクタール)の中でも、ジュブレ・シャンベルタンは人気のある銘柄です。そのシンボルとも言える城が中国人のものになってしまったら、同業者たちがジュブレ・シャンベルタンのイメージが下がるのを心配するのも無理ありません。



ブルゴーニュのワイン地図


法外な売値だった

売られた値段は800万ユーロ。それが高すぎたことも話題になったようです。何人もの専門家が査定した値段は350万ユーロだったので、関係者たちは400万ユーロくらいで売りに出して欲しかったのだそう。

私が城に与える価値からいったら、8億円というのは高すぎるとは思わないけれど...。

城の持ち主は700万ユーロを主張し、結局、800万ユーロで売れたとのこと。中国人は、ともかく手に入れたかったのでしょうね。

農地の取得で登場するSAFER(土地先買権を有する土地整備農村建設会社)も、この売却には手が出なかったのだそう。

これが相場になってしまうと、フランス人はブドウ畑が売りに出たときに買えなくて、みんな外国人に買われてしまうということにもなりかねない...。


ジュブレ・シャンベルタン

日本にはそれほどシャトーのワインは入って来ていなかったと思うのですが、楽天市場で調べてみました。

ありましたけれど、ほとんど売り切れですね。
ジュブレ・シャンベルタンのシャトーのワインを楽天市場で検索

ワインファンが、シャトーが売りに出たという噂が出た段階で買ってしまったのだろうか?...

でも、もともと、それほどたくさんはワインを生産していない規模のドメーヌでした。

下のショップでドメーヌのことを写真入りで説明しています。お婆さんの写真も入っている…。
ジュヴレ・シャンベルタン・“モノポール”クロ・デュ・シャトー[2000]年・蔵出し・ドメーヌ

シャトーのワインは昔ながらの方法でつくられていて、素晴らしく美味しくて、このあたりのワインは高価なのに比べると安いなと思っていたのでした。

残念だな…。

私のワインセラーには、シャトーのワインが3本くらいしか残っていないはず。友人には近くに行く機会があったら、私のためにヴィンテージの古いワインを買っておいてくれるように頼もうと思います。ワインは他のところでも買えるけれど、あの城が好きだったので記念に残しておきたいのです。


消え去っていく昔...

友人たちと冗談で、「どのお城、買う?」などと、買えっこないからこそ言ったりするのですが、私はシャトー・ド・ジュブレ・シャンベルタンを欲しい城の5つのうちには入れていました。

中世の城が好きなことと(半分はなくなってしまっているとはいえ)、美しいブドウ畑に囲まれたところにあるのに、ブルゴーニュの古都ディジョンまで12キロという便利さもあるのです。

シャトーのオフィシャルサイトは、やはり、もうなくなっていました。

少し前にはフランスの不動産はイギリス人に買い占められるという恐怖があったのですが、イギリスの通貨価値が落ちたおかげでブームは静まっていました。今度は、中国人ですか…。

ブルゴーニュと並ぶボルドーの方は、もうすでに30カ所くらいのブドウ畑が中国人によって買われたそうです。今後はブルゴーニュのブドウ畑の買い占めも始まるのかな?...

どこを買っても良いけれど、ジュブレ・シャンベルタンの城だけは手を付けないで欲しかったな…。
今夜はかなりショックです…。

後日の追記:
私にとって気がかりなのは、城の建物がどう維持されるのか。シャトーと一緒に売られた小さなブドウ畑に関しては、良いワインが作られるだろうと、地元でも言われています:
カジノ大物、ルソーとジュブレ・シャンベルタンで栽培契約

その後に行ってみたときの日記:
ジュヴレ・シャンベルタン城はどうなった? 2012/10/04


  ☆ ブルゴーニュワイン地図

ブログ内リンク:
[ジュブレ・シャンベルタン城について]
ブルゴーニュのブドウ畑: (4) ジュヴレ・シャンベルタン 2008/09/14
ヴェロネーゼが壁画を描いたヴィラ・バルバロ 2011/12/17
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ

[ジュブレ・シャンベルタン/シャルム・シャンベルタンについて]
ジュヴレ・シャンベルタンのブドウ畑を散歩 2006/04/17
 ⇒ 恐ろしく贅沢なワインづくりに驚く! 2006/04/21
「日曜日は田舎で」をするのに適した美しいベーズ村 2010/06/28
コート・ド・ニュイのブドウ収穫を見学 2007/09/07

★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
助けて、イギリス人たちに侵略される! 2008/03/20

情報リンク:
Un Chinois rachète le château de Gevrey-Chambertin et ses vignes pour 8 millions d'euros
Château de Gevrey-Chambertin vendu à un Chinois: la Safer n'avait pas réussi à préempter
A Gevrey-Chambertin, la grande crainte sur la folie du prix de la vigne
フランスにおけるSAFERの機能・役割の再編と拡張
障壁:SAFERをお忘れなく


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コメント
この記事へのコメント
下戸で ワインは精々グラス一杯飲める程度ですが
ジュヴレ・シャンベルタンは好きなワインです。
最も たま~にしか飲みませんが(笑)
そうなんですか、中国人が買ったのねェ・・・・
今まで通りワインを作ってくれると良いのですが
でも投機が目的なら 従来通り生産は期待出来ますよね?
2012/08/27 | URL | 加代子  [ 編集 ]
Re:
v-22加代子さんへ
グラス1杯ですか...(ため息)。でも、ジュヴレ・シャンベルタンがお好きと聞けば、おいしいワインがお分かりになるのだと思いました。

ブルゴーニュはボルドーとは違って家族が働く小規模なワイン農家が多いので、ブドウ畑の持ち主みずからが畑で汗水を流してくれないドメーヌは寂しいと思ってしまいます。思い出せば、Chateau de Pommardの新しい持ち主も、フランス人ではあるものの、財産家だから城を買えたという人らしいので、ブドウ畑で働いているとは思えない。資本主義社会はそんなものかな... と、寂しく思ったり...。

リンクしたビデオで、フランスワインは中国では4倍の値段で売られると言っていたので、AOCが生産量の制限もしているので救われる、と安心しました。ごまかして、制限以上の分量のワインを作ろうとしたら、できないこともないけれど...。

ワインを買った中国人はワインに情熱を持っているだという報道もあったので、良いワインを作ってくれるのを期待します。でも、ジュヴレ・シャンベルタンはシャトーのでなくても買えるので、私が最も気になるのは、あの老朽化しているお城。財産があるのに任せて、立派に修復してくれたら嬉しいです。でも、惹かれたのはブドウ畑だったのだろうな...。
2012/08/27 | URL | Otium  [ 編集 ]
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