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2012/09/03
前々回の日記「カエルになりたかった猫のお話し」を書きながら、聖水盤がどんなものかを説明するために写真アルバムで探してみたら、見事な聖水盤を見ていたことを思い出しました。それが前回の日記「サン・シュルピス教会のドラクロワ」で書いたパリのサン・シュルピス教会。

サン・シュルピス教会には、少し立派すぎる聖水盤が2つあります。






オオジャコ貝の聖水盤

聖水盤を作ったのはジャン=バティスト・ピガール(Jean-Baptiste Pigalle)でした。バロックからネオクラシックの転換期の作品を制作しています。

サン・シュルピス教会の聖水盤は大きな貝殻が見事なので、素晴らしい彫刻家だと思ったのですが、これは本物の貝なのだそう。なあんだ...。

この大きな貝はオオジャコ貝(仏語でtridacne)なのだそうです。

フランス語で聖水盤は「bénitier(ベニチエ)」というのですが、オオジャコ貝のことをベニチエと読んだりするのだそうです。

なるほど、「bénitier」で動画を検索してみたら、本当に巨大な貝の映像が出てきました。



思えば、大理石やアラバスターで作られた貝殻の形をしたものをよく見かけますね。

前々回の日記に登場した聖水盤(右の写真)も、大理石でできているように見えましたが、貝殻の形でした。

サン・シュルピス教会の聖水盤は、巨大な貝だけに歴史がありました。

ヴェネツィア共和国が、16世紀全般にフランス国王だったフランソワ1世に贈ったものだったそうです。

それが18世紀になってから、彫刻家ピガールの手によって聖水盤となったのでした。


ピガールという名のフランスの彫刻家

ところで、この聖水盤を作ったジャン=バティスト・ピガールJean-Baptiste Pigalle: 1714~1785年)。名前を聞いたことがない彫刻家だと思ったのですが、ピガールとは覚えやすい名前ではありませんか?

ピガール、聞いたことがありますよね?



☆ フランス語にカタカナがついたカラオケ版: Karaoke Pigalle
こちらに映っているのはピガール界隈でしょうね。

ピガール(Pigalle)は名字だし、場所の名前に使われていても不思議はありません。ところが、あのパリの歓楽街のピガールと呼ばれる地区は、彫刻家のピガールから来ていたのでした。

ジャン=バティスト・ピガールの死後、1803年に、彼のアトリエがあったところを「ピガール通り(Rue Pigalle)」と呼ぶようになったのだそうです。

1993年というので最近ですね。「Rue Pigalle(ピガール通り)」は「Rue Jean-Baptiste-Pigalle(ジャン=バィスト・ピガール通り)」と改名されたそうです。でも、この通りの先にある「ピガール広場(Place Pigalle)」はそのまま残っています。

美術に詳しい人は「ピガールといったら彫刻家」となるのでしょうけれど、普通の人が聞いたら歓楽街を思い浮かべませんか? お気の毒...。

ブログ内リンク:
★ 目次: 教会など宗教建築物に関する記事
★ 目次: 画家・彫刻家の足跡を追って
サン・シュルピス教会のドラクロワ 2012/09/02

情報リンク:
【ジャン=バティスト・ピガールについて】
☆ insecula: Jean-Baptiste Pigalle
☆ Wikipédia: Jean-Baptiste Pigalle
【夜の歓楽街ピガールについて】
☆ Pariscityvision: ピガール
☆ Wikipédia: Rue Jean-Baptiste-Pigalle
【聖水盤について】
☆ Wikipédia: Bénitier
Le bénitier dans notre histoire et notre culture
Bénitier coquille, La Courneuve
☆ Wikipédia: Tridacne géant
【サン・シュルピス教会について】
Visite de l'église - Eglise Saint-Sulpice Paris
☆ 動画: Eglise Saint-Sulpice : "une histoire très riche"
☆ Wikipedia: Église Saint-Sulpice ⇒ サン=シュルピス教会


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コメント
この記事へのコメント
ピガールといえばやはりまずあの歓楽街を思い浮かべてしまいました。とても女性がひとり歩きできないような界隈なのでまさか教会の聖水盤をデザインするような芸術家の名前からきているとは思いもよりませんでした…
2012/09/06 | URL | 元ぶるとんぬ  [ 編集 ]
Re:
v-22 元ぶるとんぬさんへ

ピガールといえば歓楽街を思い浮かべられたと聞いて、ほっとしました。この日記を書いたあと、フランス人の友達に、サン・シュルピス教会の聖水盤をつくったピガールという彫刻家はよく知られているのか聞いてみたら、有名な彫刻家だと返事され、歓楽街ピガールは彼の名前からきているのだ、と先に言われてしまったのです。知らなかったのは私だけなのかと思ったのですが、この友人が芸術に詳しすぎる人だったのだと思うことにします♪
2012/09/11 | URL | Otium  [ 編集 ]
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