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2009/03/25
少し前、もうすぐ春になるという気配を感じていた時期のことです。豚肉を解体してブーダンを作った人が、友人たちを招待して食べさせるから来ないかと誘われました。

断る理由はないので、即座にOK。

* 招待してくれたのは、1カ月ほど前に書いた日記に書いた豚の耳をくれた友人です。


冬に豚肉を加工する風習について書いた過去の日記

胡椒の値段をつり上がらせた豚 2006/01/08
冬に豚を殺す風習にひっかけたトランプ大会 2005/02/12
黒いブーダン (Boudin noir) 2009/01/14



なぜ?・・・

ご招待の話しを別の友人にしたら、「へえ~。ブーダンの集まりに行くの?」などと言われました。

「そうよ~♪」

学校でフランス語を習っていたころの私だったら、何を言われたのだか分からないところでしたが、この冗談の意味は分かりました。

フランス語のブーダン(Boudin)には「醜い太った女性」の意味もあるのです。

書きながら念のために仏々辞典で調べたら、スラングでは「なびき易い女性、売春婦」とある! 気になったので、フランス人をつかまえて聞いてみたら(こういうのはフランスにいるメリット!)、そんな意味はなくて、ただの太ったブスだのことだと言われました。

ところで、「ブス」という言葉で思い出すのは、ずっと昔のこと、日本で住んでいたマンションのお隣に住む幼い女の子が、ある日、私に言ったのでした。

「お姉ちゃん、○○君って、ブスなんだよ~!」

ブスという言葉を覚えたから言ったのだと思うのですが、ブスという言葉は男の子に対しては使わないですよね? 「その使い方は間違っている」と教えてあげるのに抵抗を感じたのを思い出します。

男の子が醜い顔をしているときの単語って、日本語にあるのでしょうか? フランス語には美しくない人に対して使う「モッシュ(moche)」という形容詞があるのですが、これは男の人に対しても使えるとのこと。

日本のように、女性にだけ醜いのを貶す言葉があるのは不公平です!


手作りブーダンを食べる会

家に到着すると、寒さが凍てつく夜なのに、中庭にはバーベキューの火が燃えていました。台所のガスで焼くより薪で調理するというこだわり!

台所にあったブーダンを撮影 ↓

boudin noir

午後8時過ぎにメンバーがそろって、食前酒タイム。いつものことながら、長々と続きます。翌日は土曜日なのに早朝から仕事だと言う人がいたので、2時間くらいですみましたが。

食事に招待されたときの食前酒タイムは苦手なのです。ここでオツマミが色々でるのですが、これを食べて、飲んでいると、もう食事はしないで帰れるくらいにお腹がいっぱいになってしまうからです。

レストランで食事するときは、残すのは勝手ですが、家庭で作ってくれた食事はちゃんと食べないと失礼になってしまう。食前酒タイムが長引くとお腹もすいてくるのですが、ここで食べてはいけない! と頑張らなければなりません。

いつも、早く食事を出してくれないかと思ってしまいます!


何が話題になる?

誰が集まるか分からない食事会では、どんな人たちが来るのだろうかと、いつも少し心配しまいます。主催者は気が合いそうな人を集める、特に犬猿の仲の人たちは避ける、という配慮はあるのですが。

集まったのは田舎に住んでいる人たちでした。前にも会ってよく知っている人たちが半分。後は、このお家の関係で出会ったこともある、という程度の人たち。

田舎の食事会での会話のテーマで、私が一番嫌いなのは、ご近所の噂話。日本でも田舎ではそうではないかと思うのですが、フランスの田舎でも、ご近所の人たちが何をしているかは筒抜けです。誰かが口火を切ってしまうと、噂話しが長々と続きます。

楽しい噂話なら、もちろん歓迎。でも、話しが弾む話題というのは、誰かの悪口なのですよね。そういうのが、私は大嫌い。

悪口の対象にされるのは、お店を経営している人が多いかな? 前日の売れ残りのパンも売ってしまうケチなパン屋さん。無能なのに高い修理代を請求する自動車工場の人とか、修理しても故障がなおらない左官屋さんとか…。

誰かが口火を切ると、「こういうこともあった」という具合に皆がご披露するので、話しは延々と続きます。

最近多いのは、大統領の悪口。面白いと言えばおもしろいですが、楽しくはない…。


楽しかった昔の思い出話しでスタート

でも、この日のスタートは楽しい話題で始まりました。何がきっかけだったか、子ども時代に過ごした田舎の生活がいかに幸せだったか、という話題に花が咲きました。

家の裏に小川が流れていて、毎日学校から帰るとザリガニ捕りに行ったと楽しく語る中年女性の話しが発端。結局は、家族で食べるものをとりに行っていたわけですけれど、そういう役割を昔の田舎では子どもたちも果たしていたのですよね。

サラダのカゴを持ってザリガニ捕りに行ったそうです。今では下のようなサラダの水切り道具をフランス家庭では使うのですが、昔は細い鉄だかアルミだかでできたカゴを自分で振り回して水切りしていたのです。

  グッドデザイン賞受賞★片手でカンタン野菜水切り器

昔のサラダの水きり道具は、友人の家に行ったとき、お母さんに見せてもらって面白い道具だと喜んだら、「もう使わないからあげる」と言われたことがありました。そのおかげで、ああいうのを持っていったのだなと分かったので、話しについていけたことに満足。

もう一人の中年男性は、子ども時代に父親とカエルを釣りに行った話しをします。100匹くらい、簡単に釣れたそうです。

今では、ザリガニもカエルも高級食品。環境破壊されたフランスでは十分な量がとれないので、東欧などから輸入しています。

「今の子どもたちは、そういうのを知らないのよね。昔とは違った遊びがあるから良いのかも知れないけど」
ザリガニ捕りをしていた女性が言います。
田舎で貧しい家庭だったので、欲しいものを買ってもらえるような生活ではなかったけれど、楽しかった。


それから、自然の中でとった食材がいかという話しに花が咲きました。

子どものときは、近所の酪農家にミルクを買いに行くのが役割だったという人もいました。満月が出ている日、ミルク入れを持って歩いていると、歩いても歩いても月がおいかけて來る。走っても、やっぱり月が追いかけてくる。怖くなって、一目さんに家に帰ったのだとか…。

ミルクを買いに行ったときに使う容器というのは、
こんなアルミ缶です ↓


今では衛生基準が厳しくなって、ミルクの直売をしている農家が近くにない限り、絞りたてのミルクなんかを分けてもらえなくなったな~、などと言う人がいます。


古き良き時代・・・

こういう田舎生活の話しを聞くのは大好きです。

日本でも、フランスでも同じ。田舎で育った人たちは、子ども時代の楽しい思い出を持っています。

東京育ちの私は、子ども時代に何をして楽しんでいたかなどという記憶は大したものがありません。何をして遊んでいたのかと思ってしまうほど…。

でも、中年以上の人たちと話していると、きまって、昔とは違ってきていると言われます。

日本で、昔ながらの建築の農家民宿に泊まったときのこと。縁側があるのが嬉しくて、「こういうのが日本のコミュニケーションの場なのですよね。ご近所の人がふらりと来て、縁側に座って話しをするとか・・・」と言ったら、年配のご主人からギャフンとする返事が返ってきました。

「いやあ、今はふらりとは行きませんよ。電話で今から行くから、と言いますね」

そうなんですか?
フランスでは、今でも予告なく友達の家に立ち寄りますが・・・。

そういう風習の変化と言うのもあるでしょうが、フランスで大きく変わったのは、野生の食べ物が少なくなったという点。ザリガニやカエルやキノコがいくらでもとれた時期は、高度成長期のあたりボーダーラインが引かれたらしい。

田舎の生活が大きく変わったのは、フランスも日本も同じ時期だったと感じています。


ブーダンのお味見

ところで、肝心のブーダンは、とても美味しかったです。

ブーダン・ノワール

付け合わせの定番はリンゴなのですが、フライパンで炒めたものと(左)、オーブンで焼いたもの(上)が用意されていました。

ブーダンには、このように黒いのと、白いのがあります。少し前の日記でご紹介していました。

黒いブーダン (Boudin noir)
クリスマスのご馳走: 白いブーダン (boudin blanc)



デザート

デザートは、中学生の娘さんがこの時期に食べる揚げ菓子を作ってくれました。

beignet de carnaval

「おいしい♪」と褒めちぎったら、レシピを書いたメモをくれました。

手書きのレシピ

「どれ、どれ」などと言ってメモを取り上げた人がいて、「立派、立派。綴りの間違いは1つしかないよ」などと言っていました。

日本だったら、子どもが書いてくれた文章を見たとき、文法チェックなんかする人なんて、いないのではないでしょうか?!

ブログ内リンク:
★ 目次: ハム・ソーセージ類、豚について
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記


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