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2012/10/03

シリーズ記事 【ブドウ畑の中にある城で開かれた書籍展とブドウ収穫】 目次へ
その4


前回の日記(アロマ・カーヴとワインの試飲)に入れたアロマ・カーヴの動画は、これを発案したBIVBの協力を得て、プイィ・フュメのワインに使うということになった、というお披露目の場面のようでした。


プイィ・フュメ

プイィ・フュメという名のAOCワインは、私にはなじみがあるような、ないような... 少し気になっていたワインです。

プイィ・フュメはプイィ=シュル=ロワール (Pouilly-sur-Loire)という村を中心にして生産されているワイン。

この村があるのはブルゴーニュ地方(行政区分の訳語は「ブルゴーニュ地域圏」)にあるのですが、ワイン産地の区分ではロワールのワインとして分類されているのです。


さらに、ブルゴーニュ地方には「プイィ・フュッセ」という名前のAOCワインがあります。

両方ともブルゴーニュ地方で生産される白ワインなのですが、プイィ・フュメはニエーヴル県、プイィ・フュッセはソーヌ・エ・ロワール県で生産されています。

名前が、妙に似ているでしょう?

・プイィ・フュ  (Pouilly-Fu)
・プイィ・フュッセ (Pouilly-Fuissé)


「ロワール」という河川の名前が出てくるのですが、この河はフランスの河川の中で最も長く(全長1,013Km)、ブルゴーニュ地方はもちろん、お城めぐりで名高いロワール地方にも流れています。

プイィ・フュッセの方は、マコネの白ワインとしては高い評価があり、私のお気に入りにしているブルゴーニュ白ワインの1つです。なので、よく飲む機会があります。

そうでなかったら、フュメだかフュッセだかで混同してしまいそう...。

もっとも、味の方は、間違えようがないくらい異なります。

ブドウの品種が違うのです。

プイィ・フュメはソーヴィニョン・ブラン。

プイィ・フュッセの方は、ブルゴーニュの上質白ワインがどれでもそうなように、シャルドネー種です。


ワインのマーケティング戦略の結果?

フランスのワイン産地が分けれたとき、プイィ・シュル・ロワール村ではロワールの方に入ろうと決めたらしい。この地域ではソーヴィニョン・ブラン種やシャスラ種のブドウ畑なので、ロワールに入った方が自然だと思ったのかもしれない。

でも、今では「ブルゴーニュワイン」というと高級イメージがつくので、ブルゴーニュに属さなかったことを後悔しているのではないかな?...

ロワールワインといったら、城めぐりで有名なロワール河流域で生産されているというイメージが強いではないですか?

そもそも、ロワールのワインマップを見ると、ブルゴーニュの片隅にあるプイィ・シュル・ロ-ル村は地図からはみ出していることが多いのです。

たとえば...

ロワール地方のワインマップ

フランス食品振興会(SOPEXA)のロワール地方のマップ

このSOPEXAのページに入っている動画の地図では、黄色い部分が東に少し点在しているのが見えるし、ワインの銘柄リストにはプイィ・フュメやプイィ・シュル・ロ-ルの名前があります。でも、冒頭に入っている地図は、サンセール(Sancerre)のところで切れてしまっている!

かわいそうではないですか?!...

サンセールとプイィ・シュル・ロ-ル村はロワール河をはさんで西と東にあります。調べてみたら、この2つの町の距離は15キロくらいしか離れていないのでした。

Wikipediaの地図は詳しくて、プイィ・シュル・ロ-ル村はしっかりと入っていました(薄紫色の部分)。




ワインのマーケティングで優れていたのはボージョレーかな?

でも、こういうことを気にしてしまうのは、地元ブルゴーニュで旅行したりしているからなのでしょうね。

ボージョレーワインだって、ブルゴーニュワインに分類されていますが、行政区分の上からみた生産地の方は、ほとんどブルゴーニュ地方ではなくて、お隣にあるローヌ県(ローヌ・アルプ地域圏)です。

ボージョレーといえば、ローヌ県の県庁所在地であるリヨン市。

フランスでは、「リヨンには3本の川が流れている」と言われます。
ソーヌ川、ローヌ川、そして... ボージョレー。
もちろん、ボージョレーは川ではないから、これは冗談!

つい最近、パーティーでリヨン市に住んでいる人とおしゃべりをしたのですが、「そう言われているけれど、リヨンではボージョレーはそんなに飲まない」と、断言していました。

普通に飲んでいるのは、コート・ドュ・ローヌのワインなのですって。

ボージョレーの産地はリヨンからすぐのところにあるのですから、本当~?! と思ってしまいますが、地元の人が言うのだから、信じるべきなのでしょうね。

だとしたら、誰がボージョレーを消費するの?!...

日本では、もう、ボージョレー・ヌーボーの解禁が迫った、と騒ぎ出したようです。フランスでは耳にしていませんけど...。



ボージョレーは近いのでよく行くのですが、クリュにランクされているワインには非常においしいものがあります。そういうワインを作っているところは安泰なようですが、普通のボージョレーを作っている農家は売上が落ちて、暗いこと、暗いこと...。

新酒を飲ませるのはマーケティングの成功例かもしれないけれど、ボージョレーワインのイメージを下げることにもなってしまったのではないかな?...  だって、まだ熟成されていないワインが美味しいはずはないですよ...。

でも、寂しい冬に突入する時期、新酒を味わってみようよ~♪ と騒いだりする機会を与えるというのは楽しいと思う。

追記 (2014年12月):

行政区分とワイン産地の区分が違うだけのことですよ、という非公開コメントをいただきました。ブルゴーニュに住んでいる私は行政区分がワインの区分とは違うことに違和感を感じてしまうのですが、車で走って感じる土地の違いを気にしなかったら、どこで区分しようと、どうでも良い問題なのだろうな、と反省しました!

プイィ・フュメにしても、ボージョレーにしても、行政区分や歴史的に存在した地域区分は気にしないで仲良くやっていると思います。それにこだわって、そこまで仲たがいしなくても良いではないかと興味深く思って、長々とブログに書いたのは、シャンパンの産地の区分でした:
★ シリーズ記事: 百年前、なぜシャンパンの産地で暴動がおきたの? 2012年12月


― 旅行記の続きへ ―


ブログ内リンク:
★ 目次: フランスのアルコール飲料(ワインなど)関係イベント
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
ボージョレー・ヌーヴォーのアイディアはすごい! 2005/06/07
ボージョレー農家の危機 2005/11/17

情報リンク:
ピュイイ・フュメのブドウ畑地図


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