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2012/10/17

シリーズ記事 【山小屋に滞在したサヴォワ地方の旅行記】 目次へ
その5 山小屋での滞在 (5)


バースデーパーティーを開くために友人がアルプスの山々を望む山荘を借りたのは、金曜日の午後から日曜日の昼まで、という利用形態。

パーティーは、土曜日の夕食に予定されていました。その前日から泊まった私たちは、結局、パーティーの準備役を担うことになりました。もともと、そういうつもりで行くべきだったのでしょうね。そう気がついたノンキな私...。

山小屋は狭すぎるため、野外でパーティーをすることが予定されていました。でも、大勢が集まって食事することになる土曜日は雨、と天気予報に出ていました。

到着したときは快晴だったのですが、夕方になると空には雲が広がっていき、翌日は雨という天気予報は正しいだろう、という雰囲気になってきました。

雨が降るかもしれない野外パーティーを開く場合、フランスでは貸しテントを調達する手配ができます。でも、経費節減か、そんなものをトラックで運び込む道なんかはないせいなのか?... 主催者は、テーブルの上に屋根を張るための大きなビニールシートと、それを立てるための杭という簡単な装置を車に乗せてやって来ていました。


どこで子豚を丸焼きにするか?

段ボール箱に入れられた子豚がご披露されて、パーティーのメイン料理は子豚の丸焼きだった、と知りました。

家畜を丸ごと焼くという趣向のパーティーには、フランスで何回も出席したことがあるのですが、準備段階から立ち会うのは今回が初めて。いつも焼きあがるのを待つばかり、というときに会場に到着していたのです。

丸焼きはかなり大変なのだろうとは思っていたのですが、本当に手間がかかるのですね...。

まず、男性たちが、どこにバーベキューを設置するかの議論をして、山小屋に近いところにバーベキューを設置することになりました。 雨が降ってきたときのためにテーブルの上にテントを作ろうというシートを、バーベキューの上で屋根にしようということになったのです。

雨が降ったときにどう食事するかは別に考えるとして、まず、食べる子豚を焼かねばならぬ!

ドラム缶を切って作った、大きなバーベキュー装置。それが水平になるように苦労して、豚を回して焼く装置をつける。モーターが棒を回せるかテストすると、OK♪

ところが、その場所だと、山小屋の壁から離れすぎていて、持ってきたシートの大きさがたりない、と判明。現地で調達できる薪のほかに、石炭も用意されてはいたのですが、雨が降っていたら火が消えてしまう!

せっかくバーベキューを設置し終えたのに、別の場所に動かすことになりました。
始めにシートの大きさを計算してから、バーベキューを設置すれば良かったのに~! ...

でも、やり直し作業は男性たちの仕事。フランス人たちは、楽しみのためには骨惜しみをせずに根気があるのだな... という認識を新たにしながら、私は見学。


もとボーイスカウトの活躍

参加者の中に、子どもの頃はボーイスカウトだったという人がいて、山小屋のバルコニーを利用してシートを張る、という案を出してきました。

森に転がっている木を持ってきて杭として立て、それと山小屋のバルコニーの間に雨よけのシートを張り、その下にバーベキューを設置する、というもの。

男性たちは、山小屋を出てすぐのところにある林に行って、適当な大きさの木を運んできました。手伝う人は多いので、ついでにバーベキューに使える薪も取ってくる。



これでは、まるで十字架を立てたみたい! と、みんなで大笑いしてしまった作品。

ボーイスカウトの経験って、貴重なものなのですね。紐の長さが足りないので、よじっている縄をほどき、必要な長さをつくる。紐を縛るテクニックも優れていて、2本の木はしっかりと固定されました。

みごとに十字架が完成♪

ところが、シートを上に張ってみようとすると、十字架の頭の部分が邪魔。それで、横木の上の部分をノコギリで切ることになりました。この山小屋には、本当に何でもある。ノコギリまであったのです。

立てた十字架の頭の部分だけ切るというのは難しいのではないか、と見学者たちは眺めていたのですが、さすが元ボーイスカウトは難なくこなしました。



手前に写っているのが、始めに設置したバーベキュー。

天気が良かったら、バーベキューはこの位置でして、雨が降っていたら、シートの屋根があるところに運び込む、という段取り。


子豚の準備

庭でバーベキューの設置が進んでいた間、山小屋の中では豚の下ごしらえの作業が行われていました。



お腹の中に野菜などを詰め込んで、縫い上げる。

左手に写っているマダムが、豚の丸焼き経験がある担当者。出身はシャンパンの産地で、アルプスに惚れ込んで移住してきてしまった(旦那さんを捨てて!)と自己紹介していた、愛らしい、元気いっぱいの高齢女性。

このパーティは、彼女がいなかったらできなかった、と思うほど活躍していました。自家製プラムの蒸留酒を持ってきていて、みんなに一気飲みをさせるという余興もしていたのです。


こんな場所でバーベキューをするのは危険なのだけれど...

始めの位置にバーベキューを設置してから、かれこれ2時間たっていました。



ようやく男性たちがシートをほぼ張り終えたとき、作業を確認しにやってきた女性たちが、これでは山小屋に近すぎるので危険だ! と騒ぎだしました。

確かにね...。木造の家なのですから、危ない! ...

「バーベキューは、建物から5メートル以上離れていないといけないことになっている」と、豚丸焼き担当マダムが言い張ります。

ビニールシートの下で薪を燃やしてバーベキューなんかしたら、火の粉がシートに燃えついてしまう可能性だってありうる、と言う人もいます。

確かに、動物の丸焼きをするときに雨よけに設置する屋根は、トタンを使うのを見ていました。町に住んでいる主催者は、トタンの切れ端なんか持っていなかったらしい。あるいは、誰かから借りて、山の中に運び込むことはできなかったのかも知れない...。

なんだかんだ言い合って、もう屋根付きバーベキューは設置してしまったのだから仕方がない、ということになりました。

当日、雨が降らなければ良いのですよね...。

念のために、バケツとジョウロを見つけ出して、バーベキューの傍に水を設置しました。これだけ人数がいるのだから、見張りさえしっかりしていれば火事にはならないのではないかな... と、のんきな私は考えました。


1泊目は、こじんまりと(?)夕食

バースデーパーティーを開いた友人は、誰を招待するか選別するのが面倒なので、親しい友達すべてに招待状を送ったのだそう。

すると、欠席の返事を返してきたのは、たったの1人。
それで、パーティー出席者は70人近くになってしまったのだそう。

パーティーは土曜の夜に開かれて、その日は出席者の大半が泊まることになっていました。この山小屋の収容人数は30人。寝られるところは、ソファーでも何でも使うことになっていました。庭でキャンプする人たちもいるとのこと。

前日から泊まることにした人たちは、全部で30人くらい。そのくらいの集まりだと、おしゃべりも楽しめて楽しいです。

午後8時ころ、ようやく子豚の準備が終わって、ソファーで食前酒を飲みました。自己紹介タイム。

そして、奥のテーブルに移動して、夕食が始まりました。



この日の夕食は、みんなが郷土自慢の食べ物を持ってくることになっていました。

ちなみに、私たちブルゴーニュ組が持ち込んだのは、以下の通り:
・肉屋に特別注文して作らせた大きなジャンボン・ペルシエ
・エポワス・チーズ
・エポワス・チーズ入り前菜用のパイ
・ブルゴーニュワイン1ケース

南仏から来た夫妻が、アルプスに来てからとったというキノコを調理して出してきたのですが、それが非常に美味しいので驚きました。

セップ(ポルチーニ)と呼ぶキノコ。

今がシーズンだったのを忘れていました。彼らはキノコ採りの達人らしくて、翌朝の散歩でもキノコを見つけていました。私も山小屋の周りを散歩したのに、毒キノコしか目にとまっていなかったのだけれど...。

みんなが持ち込んだものだけを食べるのかと思ったら、設置したばかりのバーベキューで焼いた肉やソーセージも出てきました。途中から雨になったので、ビニールシートの屋根が活躍。

チーズが出るころの時間、山小屋までの道を確認する電話が入りました。携帯電話は通じない可能性が高いと言われていたのですが、ちゃんと使えるのでした。

「風船を目印にして」と、誕生日パーティーの主役は電話で答えています。

あんな山道を、真っ暗な中、車で来れるのだろうか?... という心配もよそに、延着グループは夜の9時過ぎに到着しました。四輪起動者でもなかったというから、すごい! ...

ブルゴーニュからやって来た人たちでした。先に到着していた私たちブルゴーニュから来たメンバーと、すぐに意気投合。冗談をかわし、ブルゴーニュの歌を歌ったりするので(ブルゴーニュの民謡は、全部、大酒のみがテーマ!)、とてつもなく賑やかになりました。

それまでも、冗談を言って笑ったりして賑やかに過ごしていたのですが、どこか違うのです。ブルゴーニュ人が10人くらいになると、ブルゴーニュの雰囲気が支配してしまうらしい。私が慣れ親しんでいるフランスの雰囲気になったので、居心地が良くなりました。

やっぱりブルゴーニュ人たちは陽気なんだ...、という思いを新たにした夜でした。

― 山小屋滞在の続きへ ―


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