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2012/10/22

シリーズ記事 【山小屋に滞在したサヴォワ地方の旅行記】 目次へ
その14 山の中のレストラン (3)


ありあわせのもので良いなら食べさせてくれる、と言われて夕食をとった山の中のレストラン。

前回の日記に書いたように、ここでしか食べられないチーズを食べて満足したのですが、デザートもアルプスならではのものだったので感激しました。

ミルティーユのタルトです♪



「食材はすべて近くの生産物を使っている」とメニューに書いてあったので、このミルティーユも山で採れたものだったはず。

小粒で味がしまっていて、素晴らしく美味しかった!

ところで、ミルティーユ(myrtille)ブルーベリーのことだと思っていたのですが、コメントで「ビルベリー」と呼ぶのが正しいと教えていただきました。

それで、ブルーベリーと書いたところをフランス語のミルティーユに直して更新しています。後に入れる日記で書くように、ミルティーユをビルベリーに置き換えるのには少し抵抗があるからです


実は、日本でブルーベリーが目に良いとかとか言われてブームになって以来、ブルーベリーは好きではない果物になっていました。

いつもそうなのですが、「健康に良い」とか「長生きできる」とか言われると、とたんに食欲がなくなる私なのです。

山奥にあったレストランで出されたタルトを食べて、ブルーベリーが好きになった気がしていたのですが、これはブルーベリーではなくて、ビルベリーだったわけです!

似ているけれど、品種は違うのでした。


山小屋滞在中のミルティーユ探し

アルプスの山小屋で開かれるバースデーパーティーの準備も終わって、子豚を焼きだせば良いだけになった午後には、散歩をかねて、山にミルティーユ探しに出かけました。

山小屋の裏手を少しあがったところには、ミルティーユがいくらでもある、と言われたのです。

少し山を登ると、テーブルなど設置して整備された一角があって、そこにはミルティーユらしき植物がいっぱい生えていました。



こんなにびっしりと生えているのは想像していませんでした。
そこらじゅうミルティーユだかけ!

この辺りにはヒースの花も咲いているのが目に付きました。ヒースといえば、私には『嵐が丘』を読みながら想像した植物。ブルターニュ地方に行ったときに、初めてヒースの野原を見て感激しました。アルプスの山の中にもあるのは意外でした。

ミルティーユは、貧弱な土壌が向いているそうで、ヒースと同じ環境を好むと書いてあったので、納得。



庭に植えたミルティーユの木とは違って、背が低い。写真に入れた矢印が示す灌木なのですが、本当にミルティーユなのだろうか?

実がたくさんなっていたら、ミルティーユだと確信できるのですが、実が見えません。

でも、少しついていた実を見ると、フランスでは八百屋さんでもよく売っているミルティーユに見えます。

 

山小屋に戻ってから聞いてみたら、この場所で間違いなかったようでした。

その場で実を食べてみればミルティーユかどうか判別できたはずですが、ボツボツとついているだけだったので、なんとなく食べてみる気がしませんでした。

これを書きながら調べていたら、野生のミルティーユをそのまま食べるのには危険があるのだそう。キツネの排泄物がかかっていると、寄生虫エキノコックスによって肝臓障害が出るらしいです。食べてみなくて良かった...。

木の背丈が低いだけではなくて、見慣れていたふっくらとした市販のミルティーユよりも、かなり小さい実でした。

ここは標高1,500メートルくらいの高山。だから背丈も特に低くて、実も小さいのかな?...

たくさんなっているときに来たとしても、こんな小さな実をとるのは大変だろうな...。ブドウの収穫は重労働だと言われるのですが、ミルティーユを収穫する方が手間がかかるのでは?


ブルーベリーには栽培種と野生種がある?

日本でも山にあるブルーベリーは小さいのだろうかと調べてみたら、野生には生えていないように見えました。

日本には、20世紀半ばにアメリカから入ったらしい。

ブルーベリーは酸性土壌の高山に育つそうなので、日本は最適な土地があるのではないかと思ったのですが、野生はないのでしょうか?

ただし、栽培されている野生種のブルーベリーも存在することを確認しました。
ブルーベリーを楽天市場で検索

アルプスの山の中で見たミルティーユの木は、花がついていないツツジに似ていると思ったのですが、ブルーベリーはツツジ科の植物なのですね。

世界中に150種類以上のブルーベリーが存在するのだそう。
☆ ブルーベリー研究室: ブルーベリーの種類

※追記: コメントで日本にどんな野生種があるか教えていただきました。


遭難者が出るかもしれなかった?

たくさんあると言われて、収穫する道具やレジ袋も用意していたのだけれど、採るほどには実がなっていませんでした。

出かける前、「もうミルティーユがとれるシーズンは終わっている」と言っていた人がいたのですが、彼女が正しかったようです。

自分では収穫できなかったので、レストランで出してくれたのは余計に嬉しかったのでした。

このミルティーユ探しでは、もっと高いところまで登ったら実がなっているのではないかと思った人たちがいました。

私は迷子になるのが怖いので一緒に行くのは止めました。

山小屋に戻ると、パーティーのメイン料理にする子豚の丸焼きが始まりました。

ところが、しばらくたっても、ちょっと上まで山に登ってみるはずの人たちが帰ってこない。

夕闇もせまって寒くなってきたので、豚の丸焼きを眺めていた人たちは上着を羽織りだします。

心配性の私と、子豚の丸焼き係だったマダムが、何人足りないか聞き込みを始めました。でも、これだけ大勢集まっていると、誰がいなくなっているか把握しきれません。

私は、上の方まで行ってみるという人の中に、ミルティーユを収穫する道具を持っていた人がいたことも気になりました。

この道具のことを「これは何でしょう?」クイズにしていたのですが、正解を出してくださった方があったので、答えを入れました。

クイズ: アルプスの山小屋にあったもの。これは何でしょう? 2012/10/16

これをリュックに入れていたのです。

崖か何かで足を踏み外した時、鋭そうな鉄の針が背中に刺さったら、動けなくなるのではないか?...

そんなことになったら、あんなものを持って行こうと言った私に責任がある...。それに、パーティーが始まる夜に、みんなで山に捜索に出る事態になったら困るではないですか?...


これ以上みんなが帰って来なかったら、なんとかする必要があるのではないかとヤキモキし始めたとき、山登り組が帰ってきました。

メンバーは5人。見晴らしの良いところに到着したまでは良かったのですが、降りるときに道を変えようということになってのがいけなかったらしい。

地図は持っていたけれど、山の中の道は分かりにくい。歩きやすいハイキングコースからは外れてしまって、降りてみたら、ここは違う、と、また登ったり... を繰り返しながら、ようやく山小屋までの道を見つけた、いうことだったらしい。

遭難しそうになったメンバーには、山登りなんかできるはずがない中年の男性が一人入っていて、彼は見るも哀れなほど汗だくの姿になっていました。

登山靴と杖で、5人の中では唯一の完全武装だったのですけど。

でも、山歩きなんかしたことがない。
今回の旅行のために買った登山用の杖に助けられたそうです。

みんなから筋肉痛の心配をされて、アスピリンなんかを飲んでいました。

山って怖いのですよね。
こんな風に、簡単に遭難してしまうこともあるのではないでしょうか?...

ともかく、私は冒険に参加しないで良かった!

上まで登った彼らも、やはりミルティーユをたくさん見つけることはできなかったそうだし。


追記:
ミルティーユについて、続きを加えました。
ブルーベリー、ビルベリー、ミルティーユ: 違いは?  2012/10/24




9月下旬に行ったサヴォワ地方の旅行記は長くなってしまったのですが、今回で終わりにします。

私にはアルプスの山々は遠い存在。でも、帰り道、意外に早く帰ってこれてしまったので、そんなに遠くはないのだ... と、今回、認識を新たにしました。思えば、ブルゴーニュ地方でも、南の方では、晴れた日にモンブランが見える場所もあるのでした。

 

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コメント
この記事へのコメント
日本で言うところのブルーベリーは、アメリカ原産です。
ヨーロッパでのブルーベリーはおそらくビルベリーではないでしょうか?

野生のブルーベリーがたくさんあるというのは羨ましい限りです。
日本でも多少はあるらしいのですが、未だお目にかかった事はありません。
2012/10/23 | URL | albifrons  [ 編集 ]
今日は~!

うちはジュラ山に近いアン県に住んでいるのですが
ブルーベリーは残念ながら見当たりません・・・・

その代わり今年の夏はノルウェーで沢山採りました。
ここは狂犬病?の動物は居ないので
病気を心配せずにすみ 採りながら沢山食べました。
野生なのに大粒のも見つかります。

11月からノルウェー移住です。
フランスを去るのは 少々寂しいような・・・
2012/10/23 | URL | 加代子  [ 編集 ]
Re:
v-22 albifronsさんへ

博識のalbifronsさん、またご登場してくださってありがとうございます!♪

実は、リンクを入れた「ブルーベリーの種類」のページにビルベリーの文字があったのですが、聞いたことがない名前なので無視していました。私が見たのはビルベリーと呼ぶ種類で間違いないですね。

フランス語のミルティーユは、ブルーベリーとビルベリーの両方に使うということも分かりました。この日記では「ミルティーユのタルト」としておけば良かった。内容を書きかえるつもりです。

>日本でも多少はあるらしいのですが、未だお目にかかった事はありません
⇒ ビルベリーという名前が分かったので、日本のどこかに生えているかを調べだせるかと思って検索してみたのですが、つきとめることができませんでした。日本は土壌が豊かすぎるのかな、という気もしてきました。

また1つ知識が増えることができました♪ 今後もよろしくお願いします!
2012/10/23 | URL | Otium  [ 編集 ]
Re:
v-22 加代子さんへ

>ブルーベリーは残念ながら見当たりません・・・・
⇒ 私もジュラには行く機会が時々あるのですが、野生のブルーベリーは見たことがないように思います。

>その代わり今年の夏はノルウェーで沢山採りました。
>野生なのに大粒のも見つかります。

⇒ albifronsさんに「ビルベリー」と教えていただいたので、野生のそれをとっている日本人の報告がないかと探してみたら、フィンランド在住者の動画が出てきて(http://youtu.be/aw8oqvVBV60)、見ると大粒なので驚きました。北欧というと、気候のせいで農産物は豊かではないような気がするのですが、こんな山の幸もあるのは良いですね。

>11月からノルウェー移住です。
>フランスを去るのは 少々寂しいような・・・

⇒ ヨーロッパの北はデンマークまでしか行ったことがなくて、それは真冬だったので、日の短さを耐えがたく思いました。でも、どこでも住めば都だし、それを作りだす前向きな姿勢で生活するべきだと思っています。加代子さんもノルウェーの生活を楽しまれますように!!
2012/10/23 | URL | Otium  [ 編集 ]
ツツジ並み
フランスで、熊手風道具を使って採ったブルーベリーは、小さいツツジ並みの低いものでした。だから道具を使う時は腰をかがめて作業してました。固まって、うわーっと生えてました。
オーベルニュで、標高は700くらいだと現地の人が言っていました。

日本では、うちにも植えてますが、ひょろっと細い木の形をしています。うちの木は熟し方に結構バラツキがあるので、あの道具だとかなり(半分以上)無駄が出るのですが、フランスの時はわりと同じくらい熟していて、無駄になるのは1割か、それ以下くらいだった印象です。

確かに粒は、小さかったです。
そしてタルトにして食べました。
2012/10/23 | URL | すぎちゃん  [ 編集 ]
ビルベリーは主に北欧で取れるブルーベリーの仲間です。
ジュラだと暑すぎるのかもしれません。
移植の難しい植物で、商業栽培はほとんどされていません。
(北欧ではそんな事しなくても、大量に生えてるそうですが)
日本でもサプリメントとして大量に輸入されています。

日本では北海道のハスカップ、長野県のアサマクロマメなどがあります。

そういえば、あの器具も前に北欧のビルベリー狩り特集で見たことがありましたw
2012/10/24 | URL | albifrons  [ 編集 ]
Re: ツツジ並み
v-22 すぎちゃんへ

ご報告ありがとうございます。オーベルニュで出会われたのは、私がサヴォワで見たのと同じ感じだったようですね。

>日本では、うちにも植えてますが、ひょろっと細い木の形をしています。
⇒ 私も庭に1本植えてあるのですが、ひょろっと細い木で、何年たっても成長していません。酸性土でなく石灰質の土なので不愉快そうにしているのだろうと思っていたのですが、すぎちゃんのところでも同じですか...。

もう実が熟したから明日は収穫しようと思うと、そのときに必ず鳥が食べている! どうせ20個くらいしか実はならないので、実をとろうとはせずに、鳥たちに喜んでもらうことにしています。

>熊手風道具
⇒ 熊手という表現が気に入りました♪ フランスでは「くし」と呼ぶと聞いて、そう言われればそうかな... と思う程度だったので。

日本では飾りの小さな熊手もあるので、ぴんときますね。でも、さらに考えると、熊手は手が広がっているから、やっぱり櫛かな... と思ったり...。でも、さらに考えると、フランスで使われている一般的な熊手は手が広がっていないので(http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8f/Hark_%28rake%29.jpg)、この道具もrâteauと呼べば良かったのに、とも思ってしまいました!
2012/10/24 | URL | Otium  [ 編集 ]
Re:
v-22 albifronsさんへ

追加情報、どうもありがとうございます♪

>移植の難しい植物で、商業栽培はほとんどされていません。
⇒ 続きの記事を書いているところなのですが、フランスで野生ビルベリーの収穫量が最も多いのはアルデッシュ県なのだそうです(年間400トン)。あんな小さな果実でそんな量?! と思ったのですが、土を手入れしているようです。日本の竹の子も自然に生えてくるものを収穫しているだけなのだろうと思っていたら、土を耕したりしているのだと聞いたのを思い出して、なるほど... と思いました。北欧では、そんなことをしないでも十分な量のビルベリーが採れてしまうのかもしれないですね。

>日本でもサプリメントとして大量に輸入されています。
⇒ ビルベリーという名前を教えていただいたので検索してみたら、サプリメントばかりが出てきたので驚いておりました。輸入ものなのですね。

>日本では北海道のハスカップ、長野県のアサマクロマメなどがあります。
⇒ ハスカップの方は、フランスの呼び名は「青いスイカズラ」なので驚きました。そういえば、庭にあるスイカズラにも実がなっていたなと思って、いま見に行ってきました。ごく小さな粒の濃紺の実ですが、ブルーベリーに似ていなくもない...。でも、品種が異なる私のスイカズラの実は有毒なのだそう。
2012/10/24 | URL | Otium  [ 編集 ]
二本
ブルーベリーの木がなかなか実をつけないとのこと、二本一緒に植えた方が受粉に都合がいい…とかなんとか聞きます。
もし庭にあるのが一本だけなら、もう一本植えてみてはどうでしょう。
2012/10/24 | URL | すぎちゃん  [ 編集 ]
Re: 日本
v-22 すぎちゃんへ

1本しか植わっていません。2本にすると良いというのもあるのですね。ありがとうございます。
2012/10/24 | URL | Otium  [ 編集 ]
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