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2012/10/30

シリーズ記事 【旅行記 : ラ・モット・ティイー城のイベント】
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その2 ラ・モット・ティイー城 (1)


前回の日記「話題になったノージャン・シュール・セーヌ町」に書いた講演会は、ラ・モット・ティイー城Château de La Motte-Tilly)で開かれました。



城の名前にMotte(昔の砦に与えられる名称)とついているように、ここに城が建てられたのは中世のはず。「La Motte-Tilly」という呼び名がある最も古い文献は1369年とのこと。

Tillyはtilleul(菩提樹)から来ているとみられていることから、庭園の森には「Tilletum」と名づけられた空間が作られて、様々な品種の菩提樹の木が植えられていました。

現在の建物は、18世紀に建てられた城の姿です。この地方は石が不足しているため、レンガが使われたりしているので、建物の外観としては余り美しくない...。

城はコの字型だったのですが、城主の資金が不足した時代に2辺が壊されてしまっています。とは言っても、プロポーションの上では美しい。

1972年、城の持ち主は国に寄贈し、その数年後から城は一般公開されています。
ただし、2013年の春までは、工事中のために、建物内部の見学はできません。

ここで開く講演会のテーマにシャルル・モーラスCharles Maurras: 1868年~1952年)が選ばれたは、1920年代から30年代にかけて、この城の主だったRohan-Chabot伯爵夫人が開いていた政治と文学のサロンに彼がよく来ていたからでした。

その25年後、シャルル・モーラスは投獄されてしまいます。入れられた監獄は、同じオーブ県にあるクレルヴォー修道院(Abbaye de Clairvaux)だった建物を使った監獄。

修道院を監獄にしてしまうなんて凄いと思われませんか? 世界遺産として有名な、あのモンサンミッシェルにある修道院も監獄として使われた時期があったのです。

僧侶の個室があるので便利だったのでしょうけれど...。最近の旅行で修道院をホテルにしたものが好きになっていたので、クレルヴォーの名を聞いて、はたっ... と、してしまいました!

クレルヴォーは重罪の囚人が入る監獄ですが、歴史的建造物の部分は見学ができます。一度行ってみたときは、何か理由があって、入り口の部分の建物しか見学できませんでした。また出直したいとは思うものの、身分証明書を見せたりして入る必要があるのが面倒なので、なんとなく足が遠のいています。


庭園の見学

広大な庭園があります。62ヘクタール。

こんなところにを散歩しながら優雅に滞在したはずのシャルル・モーラスは、晩年は牢獄生活...。過激な言動をしていれば、そういう運命になるとブレーキをかけられたでしょうに、あっぱれ...。



ここをずっと歩いていけば、セーヌ河にぶつかるのだそう。庭園の中だから歩いていけるわけですが、今回は時間がないのでやめました。


今頃の時期に城に行くと目につくのは、小さなシクラメンが野生のように群生していること。ここでも、あちこちにシクラメンがありました。



真似してシクラメンを庭に植えた私なのですが、芝生のように地面を埋めるほどには増えてくれません...。


ここまでは、集合時間を待つまでの散歩。

この日のイベントでは、午前中に城の庭園を案内してもらい、昼食を食べ、午後は講演会というスケジュールでした。

案内してくれたのは、この施設を管理する責任者。学芸員の資格も持っている人ではないかと思いますが、良い説明をしてくれました。

建物は大工事中なので中を案内してもらえなかったのは残念。3年くらい前にも来たことがあって、そのときは見学したのですが、どんな風だったかの記憶は薄れています。

修復して発見されたことなどについても話してくれました。実際に見ることはできないので、実感がわかないのですが...。

クイズが好きな人でした。

例えば、こんなクイズ:
城の壊してしまった建物には浴室があり、バスタブがある浴室のほかに、ひと部屋あったのですが、それは何だと思いますか?

私は「サウナの部屋」と言ったのですが、ハズレ。

答えを聞いたら、日本人の私だったら簡単に思いつくことだったのでした。悔しい!

お分かりになりますか?
この日記の最後に答えを書いておきますね


ファブリック

もうひとつのクイズは、これ ↓



土をもったようなところに、小さな入り口のドアがあります。ここは何でしょうクイズ。

これは絶対に分かったと自信を持って、「氷室(ひむろ)!」と言ったのですが、またまたハズレだと答えられました。

少し前から、城にあった昔の冷蔵庫に興味を持ってブログにも書いていたので、間違っているはずはないと思ったのだけれど...。

ドアについていた鍵をあけて、中に入れてもらいました。

ちゃんと調べていないのではないか? とまで思っていたのですが、本当に氷の貯蔵庫ではないのでした。



洞窟の奥に、狭い丸い部屋があって、天井から日の光が入ってくる薄暗い部屋でした。壁は彫刻の模様がほどこされています。

数人で秘密会議をするための場所か、あいびきの場所、という感じ...。

何のためのものだったかは、分からないのだそうです。

推定するのは、城を建てるために石を切り出してできた洞窟を利用したのだろうということ。こちらの部屋に入るところには、細い洞窟が続いていました。

唯一、フランス革命がおきたときの文献に、ここの存在が書かれているだけなのだそうです。つまり、村人たちは洞窟があるのを知っていて、貴族が隠れているかもしれないと思ったのでしょう。

これは、fabrique(ファブリック)だろう、との説明でした。昔の人がお遊びで(マジメに、でしょうけど)作った、空想上の、あるいは奇抜な建物に対する呼び名です。18世紀から19世紀に流行ったもので、フランス国内にも各地にあります。

☆ Wikipédia: Fabrique de jardin

Wikipediaに例としての写真が出ているのですが、人に見せて喜ぶものだったはずで、ここのように小さな入り口があるだけ、というのは奇妙...。

でも、案内してもらったものの中では、ここが一番気に入りました。普通に城の観光に入ったら、中には入れてもらえない場所でしたから。


氷室の方は、ここから少し先に行ったところにありました。 こちらの方が、入り口は立派です。



ファブリックを見せるとき、「氷室は別にありますから、これは氷室ではありません」と言ってくれても良かったのに...。


次は、昼食会のことを書きます。ちょっと趣向を凝らしたものだったのです。



 

答えを書くのを忘れるとことでした。

バスタブの部屋の他にあった、というのは、休憩室でした。
日本では普通にありますよね? それを私は思いつかなかった!
ガイドしてくれる人は、お風呂に入ると疲れるでしょう? だから休憩室があったのです、と説明していました。フランス人にはピンとこなかったのではないかな...。




ブログ内リンク:
モットと呼ばれる城 2007/12/17
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ ⇒ 氷室についての記事
★ 目次: 教会など宗教建築物に関する記事
菩提樹の花から作るハーブティー: リンデン 2009/07/02

情報リンク:
※ラ・モット・ティイー城およびシャルル・モーラスに関する情報リンクは、旅行記の目次「ラ・モット・ティイー城のイベント」のページに入れています。


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