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2012/10/31

シリーズ記事 【旅行記 : ラ・モット・ティイー城のイベント】
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その2 ラ・モット・ティイー城 (2)


10月中旬、ラ・モット・ティイー城(Château de La Motte-Tilly)で開かれたイベントに行きました。

この城と関わりがあった、フランスの文芸評論家・作家・詩人、かつ過激な王党派右翼で名を残したシャルル・モーラス(Charles Maurras)がテーマの講演会が開かれたのですが、それ以外の趣向もありました。

シャルル・モーラスがこの城で開かれていたサロンに参加していた時代に、城で出された料理のレシピを再現する昼食会。これはオプションだったのですが、申し込みをしていました。

日本では、将軍や天皇の食卓で出された料理がどんなだったかというのは聞いたことがないのですが、フランスではかなり残っていて、あちこちで昔のお品書きの実物やコピーを目にします。

王様の食卓のメニューなどというのは、少しづつつまんだにしても、驚くほどの料理の数々。もっとも、暴飲暴食のおかげで、ルイ14世などは晩年は病気に苦しんだなど、色々な話しが残っています。

最近、知り合いの男性が痛風(仏語でgoutte)になったのですが、「これは貴族の病気なのだ」と自慢していました。日本では、美食が痛風をおこすとは言われないと思うのですけど。歴史上に残る痛風で苦しんだ貴族は、Louis II de Bourbon-Condé(大コンデ公: 1621~86年)なのだそう。

シャルル・モーラスをサロンに迎えたラ・モット・ティイー城の伯爵夫人も、レシピをたくさん記録して残していました。それを再現して食べようではないか、という食事会に参加したのでした。

講演会のテーマが、下手すれば右翼的な思想家と受け取られることもある文人だったので、主催者は、30人くらいしか参加申し込みがなかったのが残念そうでしたが、おしゃべりも楽しめる食事会になりました。


テーブルセッティング

城に近いところにあるグルメレストランが料理を担当。

このイベントに誘った友人が、事前にどんなレストランかをチェックしていました。サイトを見るとフランス語の間違いが余りにも多いので仰天したけれど、ミシュランを始め、グルメガイドブックで高い評価を得ているレストランなので安心した、と語っていました。

食事の会場は、城のオランジュリー(オレンジ用温室)を改修した部屋。



普通なら味気ない団体席になるところですが、テーブルセッティングがしゃれていて、美味しい料理を出すのではないかと期待を持たせます。

見えるでしょうか? テーブルに花を飾る代わりに、ジロールというキノコと枯れ葉をあしらっています。

秋だから、キノコと枯れ葉という発想。

でも、ジロールというキノコはオレンジがかった黄色が美しいので、華やかな雰囲気を出していました。

もっとも、食べ始めてしまうと、飾りなんかは気にならない。

この日の料理を最後まで食べたときには、どこにもジロールが入っていなかったので、「飾ったりしないで調理して出して欲しかった」と、皆で冗談を言いました!

テーブルについてからは、これが本物のキノコかと、手にとって、匂いを嗅いだりしている人たちもいました。

私は、キャンドルを手にとって、倒してみる。
隣の席にいた人があわてました!

でも、私はこのキャンドルのシステムをベルギーで見ていて知っていたのです。本物のロウソクが入っているキャンドルスタンドではないのです。

そのことを書いた日記:
バッテリーで充電するキャンドル 2009/05/24

ベルギーで見たものは、傾けると明りがついたり、消えたりしたのですが、これはつきっぱなし。倒しても消えないので、私はがっかり。

でも、回りの人たちは感心していました。「どう見ても本物のロウソクに見える」、「フランスで見たことがないな~」と感心しています。

「フランスでも、ネットショップでは売っている」と答えたのですが、お年寄りばかりだったせいかインターネットで探してみようという反応は見えませんでした。


前菜



ガスパチョと言っていましたが、暖かい料理だったし、かなりフランス風のアレンジ。

でも、独創的で、とても美味しいと皆も評価していました。

晩年のシャルル・モーラスは、ド・ゴール政権によって戦犯としてクレルヴォー修道院を改造した牢獄に入れられたのですが、特別待遇だったようです。1日に2度、外部から食事を運ばせる人がいたのだそう。彼にはファンが多かったのでした。

そして、クリスマスのときには、彼の故郷だった南仏のマルティーグから魚を持ち込んでブイヤベースのご馳走を作ってもらった。それにまつわった前菜にしたそうです。この食事会でブイヤベースを作るわけにはいかないので、それ風、というところ。


メイン料理

ウサギ肉の詰め物でした。



これは伯爵夫人のレシピを忠実に再現したもののように感じました。 だって、すごいボリューム!

私は、付け合わせがニンジンなのが気に入らなかった。ここのところ、近所の人からニンジンをもらうのが重なって、頻繁に、色々と形を変えて料理にして食べているので、ちょっとニンジンにはうんざりしているのです。

ニンジンは生が一番好きなのですが、ウサギみたいにポリポリ食べるわけにもいかないので...。フランスでは、ニンジンのスティックをおつまみに出すことがないので(1度は見ましたが) 、来客があったときに出すわけにいかないのです。


デザート



これはシェフの腕のみせどころで、飾りをつけたのではないかという感じがしました。レストランの名前を、ちゃんとチョコレートに書き込んでいる!


総じて、とても質の高い料理を作るシェフでした。

レストランのあるノージャン・シュール・セーヌ町には原発があって、給料が高い技術者たちがいるので、良い料理さえ出せば客には困らないのではないかな?...

普通、料金をとって団体でする食事では、日本でも同じだけれど、ともかく安い参加費であることを一番におくことが多いです。でも、初めから費用を告げて参加をつのれば良いわけなので、私は多少高くても、美味しいものを食べさせてくれる方が嬉しいです。

参加費は30ユーロでした。感激はしないけれど、飲める白と赤のハウスワインもふんだんにあったので、団体だから良いレストランの料理を安く食べられた、という印象を残しました。


イベント参加者の大半は、城の友の会メンバーだった

特殊な文人にまつわるイベントだったので、集まって来る人は王党派とか右翼思想の人たちかと少し心配していたのですが、なんのことはなかった。

フランスの多くの城には、友の会と呼ぶ、保存会のようなNPOを作っていることが多いです。このラ・モット・ティイー城にもできていて、今回のイベント参加者も大半は友の会のメンバーの人たちのようでした。

つまり、こういうカルチャー組織のメンバーの典型である、老齢年金受給層の姿が目立ちました。




素人向けの講演会

集まる人たちが普通の人たちなので、食事会の後に行われた3つの講演の方も、ちょっと物足りないくらいに、普通。行こうと誘った友人は、「何も新しく学んだことはなかった」と、ちょっと不満げでした。

主催者は余り人が集まらなかったと残念そうでしたが、日記を書きながらインターネットを見ていたら、かってはシャルル・モラースが主宰したアクション・フランセーズ(Action française)が、この少し後に、シャルル・モーラス死後60年として、パリで討論会を開くことになっていたのでした:
COLLOQUE MAURRAS SAMEDI 27 OCTOBRE 2012

こちらは過激そう。「王党派の組織にイベント通知を出したけれど、返事がなかった」と主催者は言っていたのですが、ラ・モット・ティイー城がするシャルル・モーラスの講演会なんて子どもだましの集まりだから参加しない、と思ったのではないかな...。

大学の先生による、政治的思想についての講演、クレルヴォーの牢獄についての話しも、私にはほとんど興味がない。

城の友の会のお婆ちゃんメンバーもそうだったろうと思うのですが、私には、この城にシャルル・モーラスが来た当時の様子を語る講師の話しが興味深かったです。当時の文献をもとにして、私たちも城の招待客であるかのように想像させて、城での滞在がどんな風に繰り広げられるかを語る話し方も面白かった。

俳優になっても十分に食べていけるような講師でした。口から先に生まれたと言いたくなるフランス人たちが住む国では、話すことを仕事にすると、このレベルでないといけないのかな... とも感心。

城で数日過ごすようにと出す招待状には、細かいことまで書いてあったのだそうです。林間学校に参加する子どもの父兄にも、そんなことを言うのではないかな、と私は想像。

招待状には、誰を招待するかを明記する(会いたくない人がいたら来ないようにという配慮)。女性の場合、1日に4回洋服を代えるようにとの指示。それで荷物が多くなるわけですが、パリから電車で来た場合にはどうするか、等など。

昔は堅苦しくて、大変だったのですね...。今でも、社交界では、そういうことをやっているのかも知れないけれど。


講演会が終わると...

講演会が終わったとき、これでおしまいと思ったら、会場を出たところにある広い廊下でカクテルパーティーがありました。

シャンパンがポンポン抜かれます。

思い出せば、ここはシャンパーニュ・アルデンヌ地方。シャンパンの産地があるオーブ県なのでした!

昼食を担当したレストランが作ったらしい美味しいおつまみも、ふんだんに...。



あぁ、フランスって良い国だな~、と思ってしまう場面♪




情報リンク:
※ラ・モット・ティイー城およびシャルル・モーラスに関する情報リンクは、旅行記の目次「ラ・モット・ティイー城のイベント」のページに入れています。


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