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2012/11/08

シリーズ記事 【フランス人にとっての米】 目次へ


食べるために生きていると思ってしまう人が多いブルゴーニュでも、たまには食事代の出費を惜しむ人もいます。でも、めったにない例なので、余計に目立ってしまう!

先日、友人の家で食事をしていたとき、こんな話しをしている人がいました。

城に住んでいる人が建物の歴史を調べたいというので、大学の先生たちを始め、歴史に興味ある人たちが手伝いに行ったときの話し。

夏でとても暑いので、作業は汗だくで大変だったのだそう。ボランティアで手伝う代わりに食事を出してくれることになっていたのですが、出してきた食事がひどかったという話しです。

10人くらいに発掘調査させた城の主の昼食の席では、ミネラルウオーターしか出してこなかったのだそう。でも、昼食をご馳走になるというので、私の友人を始め、ワインを手土産に持ってきた人がいたので、みんなが救われた。

問題は料理。

ライスサラダがドンっと出ただけだったのだそうです。ライスサラダは前菜のはずなのに、メイン料理はない。その後に、チーズくらいは出たのではないかと思うのですが、未確認。

お礼にご馳走すると言われたのにつられて行ったわけではないけれど、ライスサラダだけ出す人の気持ちが理解できない、金持ちはケチなんだ、と、ブーブーでした。

もう何年もたっているのだから忘れても良いのに、食べ物の恨みは根強いらしい! 笑い話で語れるエピソードができたのだから、良いではないですか?


ライスサラダは、大勢が集まるパーティーには便利な料理

炊いた米でつくったサラダはお腹にたまるので、大勢が集まるときには重宝な料理です。お米は冷たいので、よけいにお腹がいっぱいになるかもしれない。

ところが、前々回の日記から書いているように、食欲旺盛なフランス人たちは、余計なものでお腹をいっぱいにしようという魂胆がある料理を嫌うようです。

食事会にライスサラダを出す人は、ボリュームがあるから料理を選んだはず。そういう席では、かなり大きなサラダボールで出てきます。

フランスで出すライスサラダがどんなものかなのかを、お見せしないといけないですね。

ライスサラダにもバリエーションがありますが、こういう感じのサラダです ↓



サラダと言っても、サラダ菜やレタスの代わりにライスを使うというもの。

この写真は、夏のある日、久しぶりに天気がよくなったので、友人たちがバーベキューを皆で食べようということになったときの食事会で撮影しました。

突然決まったので、参加者が食べ物を持って集まりました。自家製パテ、ニワトリ2羽、自家製ケーキなど。それ以外に、このライスサラダがありました。

集まったのは10人足らず。ライスサラダが出されたときには、こんなに食べられないよ~、どうしてこんなの作っちゃったの?... というのが、その場の人たちの反応でした。

幼馴染の仲間たちは、言いたいことをいう!

「食べ物がたりないと困ると思って持ってきたのよ」と、言い訳が返りました。

ライスサラダは、たいていの家庭にはストックがあるもので作れるのですね:
・米、卵、パセリ、ピクルス
・缶詰か冷凍のグリーンピース、コーン
・缶詰のシーチキン

材料を並べてみると、食欲がわきませんね...。

案の定、このライスサラダは、ほとんど手つかずの状態で残りました。

でも、たぶん、それがライスサラダを作るメリットなのだろうと思うのです。普通にドレッシングをかけたサラダは、残ったら捨てるしかない。でも、ライスサラダは冷蔵庫に保存して、なくなるまで食べ続けられるはず!


少し前に書いたアルプスでの食事会(山小屋に滞在したサヴォワ地方の旅行記 )のオーガナイズは賢いと感心しました。

大勢で4回の食事をするというパーティーだったのですが、毎回出てきたサラダはイタリア式サラダの食べ方だったのです。

ベビーリーフのサラダがたくさん用意されていていました。

それを各人が自分の皿にとり、そこに置いてあるオリーブオイル、ビネガー、塩、コショウを、自分が好きなようにかけてドレッシングにするという方式です。

食べ残しはドレッシングがかかっていない野菜のままなので、冷蔵庫に入れて、次の食事で出せました。

フランス流にサラダボールに入れてドレッシングを合えていたら、無駄が大量にでるので、あの3倍は用意しなければならなかったはず。

ところで、フランスの普通の食事では、メイン料理の後に、あっさりとしたサラダが出てくることが多いです。特に肉料理を食べたあと、グリーンサラダは胃の中をさっぱりさせてくれるようで嬉しい料理です。

そこでお口直しをして、チーズとデザートにアタックできる!

前菜でサラダを出したら、そういうメリットがないわけなので、何か目先が変わったものでないと喜ばれないのではないかな?... ライスサラダというのは、メイン料理に入る前にお腹をいっぱいにさせる目的で出してきたと思われても仕方がないのではないでしょうか?


ライスサラダを出すとケチだと思われる?

このシリーズ日記に入れた私のエピソード「ライスサラダを作るのは反対されて、すり身サラダになった」以来、ライスサラダをパーティーで出すのは避けるべきなのだろうか? という疑問を抱いていました。

でも、ライスサラダがどんな意味を持っているのか、決定的な印象を与えた出来事がありました。

友人グループの1つのメンバーに、しまり屋だと悪口を言われるカップルがいます。その家で開かれたパーティーに行ったときのことです。



ご主人の方は公認会計士なので、経済観念が発達しているのは自然かもしれない。お金を使うときには惜しまないのだけれど、些細なところで計算してけちるので、かえって損をしています。それが笑い話になるので、彼のお愛嬌になっていました。

ところが、いけないのが、彼が一緒に住むことにした女性。

友人グループのメンバー、特に男性たちから、すこぶる受けが悪いのです。彼女のおかげで、ご主人の親友だったのに、付き合いが遠のいてしまった人もいます。

私は、彼女が感じが悪い人だとは思っていませんでした。明るくて陽気という人ではないし、かなり無口。でも、前の結婚が不幸だったと聞いたので、その影響かもしれない。痩せていて、美人でもないのは不幸。ファーストネームからユダヤ系だと分かるので、ケチだと偏見を持たれているのだろう、とも感じました。

可哀そうではないですか? 悪口が出ると、私は彼女の肩を持ったりしていました。

ところが、彼らが自宅の庭で開いたパーティーのときは、あれ、あれ~っと思ってしまいました。

ウエルカムドリンクはシャンパンだったのですが、どうやら1本しか用意していないらしい。

彼女はグラスを並べてシャンパンを注ぎだしたのですが、うまく全員のグラスに分けれれるように、グラスを横から眺めて分量を調整しています。

そんなことをするのを見たのは初めて!

正式には、シャンパンをお給仕するときはグラスの6分目まで注ぐのだそうですが、ソムリエでもない人が大勢にお給仕するときは急いでいるので、グラスからあふれさせたりするものなのですから。

普通にシャンパンを用意するときには、6人から8人に1本と計算します。それでも足りないことが多いので、予備のボトルも冷やしておきます。

横から眺めて測って、どのグラスも同じ線まで注がれるようにやっている彼女の姿は異常に見えました。でも、うまく全員のグラスに注ぎ分けられるのだろうか気になって、観察してしまった!

シャンパンのお給仕に時間はかかったのですが、パーティーが始まりました。

そして、前菜が出てきたとき...

みんなが彼女に反感を持っていたのは、わぁ~、これか~! と、目から鱗がとれた思いがしました。

彼女が持ってきたのは、大きなサラダボールに入ったライスサラダだったのです。

この友達グループは美食家を自負する人が多いのに、ライスサラダはまずかった。 みんな、ほとんど食べない。

ライスサラダがちっとも減っていないのを見た彼女が言いました。

「みんな、全部食べきらなきゃダメよ~! あなたたち、そのために来ているんだから!」

その言い方って、ないでしょう?! 愛嬌のある人だったら冗談になったかもしれないけれど、彼女が言うと、きつすぎる...。

友人たちはフランス人なので、初めて彼女に会ったくらいのときから、彼女の言動の裏まで見えて、この人は感じ良くない人だ、と判断できたのだろうな...。


インターネットで見えた、ライスサラダのイメージ

パーティーでライスサラダを出しても喜ばれないと書いてきました。でも、それは私の限られた経験で感じたこと。間違ったことを書くのは悪いので、インターネットのフランス語サイトを少し覗いてみました。

まず、大勢が集まる食事会ではライスサラダを作る人が多いらしい。

料理が下手な人が、何を出して良いか困ってライスサラダを作るケースも多いように見えました。考えてみると、私の友人の中で料理自慢の人に招待されたときには、ライスサラダを出してきたことはなかったです。

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大勢が集まるときに出てくるライスサラダはボリュームがあります。どのくらい作るのか?

インターネットのフォーラムに、友達18人呼んで食べさせるので、前菜としてライスサラダを作ることにしたけれど、どのくらいの米を使ったら良いか、と相談している人がありました。感じからいって、若そうな人。

他にも前菜の料理があるなら、1人60グラムでたくさん。でも、足りないことを心配して、2キロ前後用意するべし、という返事が多かったです。

米1合は150グラム。和食のご飯は料理を食べながら食べるものなので、ライスサラダでモリモリと米を食べるのはキツイと思うけど、不足しないようにするのが大前提なのでしょうね。
***********

「今日のあなたは何した?」みたいな、若者向けらしいフォーラムがあって、ライスサラダが話題になっていました。

始めの書き込み:
20人くらい友達が集まるはずだったのに、8人しか来なかったの。作ったライスサラダがたくさん残ってしまったわ。捨てるのはもったいないので、ここ数日は、毎日それを食べているの。

そこへの書き込み:
食事に招待したのに、あなた、ライスサラダなんか作ったの? どケチ!

それへの返事:
どケチですって?! 私のライスサラダは、とても美味しいのよ!

***********

「いかに節約するか」と題されたフランスのサイトに、「私の安上がりなサラダ5つ」というのがありました。

あげられていたのは、次の5つ:

・レンズ豆とソーセージのサラダ

・シーチキン入りライスサラダ

・コーンとカニカマ入りサラダ

・モザレラチーズと生ハムのトマトサラダ

・ハム入りポテトサラダ


やはり、ライスサラダが登場していますね!

ライスサラダが経済的に食べるサラダの定番だとすると、やはりお客様に食べさせる料理ではないのでしょうね。

眺めてみると、レンズ豆、ライス、ジャガイモと、お腹にたまるサラダが目立ちます。節約しても、お腹はいっぱいにする、というわけでしょうね。同じ目的からいえばマカロニサラダを思い浮かべるのですが、5つの中に選ばれていないのは意外でした。

カニカマは、「ライスサラダを作るのは反対されて、すり身サラダになった」で書いた、フランスでは「スリミ」と呼ばれる食材です。

この日記では、友人が持ち寄りパーティーに持って行くためにカニカマのサラダを作ってくれたことを書いたのですが、まだフランスでは出始めの時期だったので、初めて食べた人が多く、洒落たサラダになりました。 今では安上がりサラダでしょうね。

コーンは缶詰か冷凍が普通のはずですが、家畜の餌だという認識で嫌う人がいるのですけど...。

生ハム入りサラダは、日本では贅沢そうですが、ここのは1人当たり1枚を小さく切って入れているだけのレシピです。


なぜライスサラダはパーティーの料理に向かないのか?

ライスサラダだけの食事のことを愚痴っている友人の話しを聞いて、持ち寄りパーティーにライスサラダを持っていこうと思いついた私に、フランスでの私の教育係を担っていると自負しているらしい友人から「それは、やめなさい」と言われたことを思い出し、このシリーズ記事を書き始めました。

パーティーで出されて、珍しくも面白くもないけれど、グリーンサラダよりはボリュームのあるというメリットがあるサラダとしては、ジャガイモのサラダ、マカロニサラダもあります。これらもライスサラダと同じように受け取られるのではないかと思うのですが、私は日本人なので米に愛着があり、ライスサラダが気になったのでした。

今回のシリーズ記事を書きながら、ライスサラダをパーティーで出しても喜ばれないのは、こんな理由からではないかな、と結論しました。

ライスサラダのメリットによって生じる悪印象

ライスサラダのメリットは次の通り:
・安い材料で作れる
・米はお腹にたまるので、みんなを空腹で帰さないですむ
・たくさん作るのだけれど、残ったら自分で食べられるので無駄がない

ライスサラダを食べさせられる方としては、これらの理由から、節約料理を出されたという印象を持ってしまうのではないでしょうか?


ライスサラダを出されても喜ばれない理由

私はライスサラダを食べる機会がめったにないのですが、フランスではポピュラーな料理なのかもしれません。

好きな人が家庭で作って食べるには全く問題がないのですが、余りにも普通の料理であるために、パーティーで出されても喜ばれないのだろうと感じます。

さらに、ご馳走は肉でお腹をいっぱいにするものなのに(海産物でも同じ効果がありますが)、本来は付け合わせであるべき野菜でお腹をいっぱいにさせられるのは不愉快である、とフランス人は感じるようです。

【挙げた事例】

・野菜や穀類が伴われた料理であるシュークルート、クスクス、パエーリャは具が多いのに、ライスサラダは米が主流で、具は脇役にすぎない。
[そのことを書いた日記]

・クリスマスのご馳走として定番だった七面鳥料理では、詰め物の栗をたくさん食べさせられたために、栗が嫌いになった年配世代がある。
[そのことを書いた日記]


ひとことでいえば...

持ち寄りパーティーに持っていく料理として、ライスサラダは、珍しくもないから喜ばれないということ以外に、ケチだから出したと思われる危険性がある、ということ!

それを、ママゴンは私に教えたかったのではないかな?...

またまた、どうでも良いことを考えて、長々と日記を書いてしまいました!




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ライスサラダのレシピ


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