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2012/11/10
デジカメで写真を撮るようになってから、写真は際限なく増えてしまっています。

写真アルバム・ソフトに入っている写真にキーワードを入れたりして整理していたら、あれっ! と思う写真に出会いました。

シャンパンが生産されるシャンパーニュ・アルデンヌ地方にある、Langres(ラングル)という町で撮影した写真です。


ラングルという町

ラングル市は標高458m。要塞で囲まれた町。今でも当時をしのばせるくらい残っているので実に見事です。

昔の地図 | 現在の姿

でも、ラングルの町は観光地として知られているのかな?...

啓蒙思想家ディドロが生まれた町、といってもインパクトはないでしょうね。

チーズ好きの方だったら、ラングル(Langres)という名称のウォッシュタイプのチーズを思い浮かべるかもしれない。

チーズのラングルを検索

私にとってのLangres(ラングル)は、天気予報でよく耳にする町の名前になっています。

最低気温を示すときに登場する町として有名なのです!

ブルゴーニュからシャンパーニュ地方にかけて、Plateau de Langres(ラングル高原)というのがあって、そこにあるラングル市は大きな町なために、天気予報の地図でよく登場するのです。

高原といっても、標高500メートルを少し超える程度。高い山が近くにないと、その程度でも冷たい風が吹く地域になるのかな?...


ラングルの町にオリジナル彫刻があった?

ラングルの町で撮影した写真が気になったのは、この秋に見学したChâteau de Thizy(ティジー城)で見た彫刻です。

そのときのことを書いた日記:
彫刻家が住む古城で見つけた中世風の浴室 2012/09/24

行って良かったという見学になったのですが、中でも私が気に入ったのは、昔の作品のレプリカを作る彫刻家がつくったユーモラスなトイレの建物 ↓



この右手の壁に、おもしろい彫刻があったのですが、どこかで見たことがあるような気がしていました。

写真アルバムを整理していたら、この彫刻家がモデルにしたと思われる彫刻を撮影した写真が、ラングルのフォルダに入っていたのです。

ラングルの教会の中だったかな、と思ったのですが、アルバムにはちゃんとメモを入れて登録されていました(自分で入れのですが!)。

ラングル市にあるナヴァール・エ・ドルヴァル塔Tour de Navarre et d'Orval)でした。フランソワ1世が建設させたという、16世紀初頭の建築物。

これがオリジナルだったはずだと思った部分は、この彫刻 ↓



彫刻家の城にあった彫刻は、これ ↓



同じモチーフに見えませんか?

レプリカの男性にはブーツを履かせているように見えるし、中世の彫刻の方がリアリティがあるという違いはありますが。

中世の彫刻を見るのが好きです。こういう風に大胆というか、あっけらかんとしているというか、教会の中でさえもお尻まで見せてしまう彫刻があるので面白い。


Cul-de-lampe

ラングルの塔で見た愉快な彫刻は、下の写真の矢印を入れた部分にありました。



フランス語でvoûteと呼ぶアーチ型の天井(ヴォールト)を支えるために、この彫刻をほどこした石で柱を押えているわけです。

こう部分を、フランスの建築用語で「cul-de-lampe(キュ・ド・ランプ)」と呼びます。 教会のランプを支える台の形からつけられた名称なのだそう。

「cul de lampe」とは変な言葉。そのまま読んだら「ランプの尻」。自動翻訳させたら「尻ランプ」になります。

正に、そう呼ぶのが相応しい彫刻で、この単語を教えてもらっていたのに、忘れていた...。

それにしても、なぜ尻(cul)を持ち出すの?!

他にも、cul-de-sac(袋の尻)は袋小路、cul-de-bouteille(ボトルの尻)はボトルの底、などの表現があります。だから、cul-de-lampe聞いても、尻を思い浮かべてはいけない?!...

尻もちをついたら、お尻が行き止まりという発想になるけれど、普通に考えたら、尻の先には足があるのだか、ふに落ちません...。

でも、考えてみれば、日本語でも、ドン尻、目尻などがある。万国共通の発想かな?...


ところで、cul-de-lampeという単語は、仏仏辞典には出てきますが、仏和大辞典をひいたくらいでは出てきません。

こういう場合はWikipediaに頼るしかない。

英語にしてcorbelで、そこから日本語でコーベルないし「持ち送り」と訳せるのかな?

でも、Wikipediaの「持ち送り(コーベル)」や英語のページに入っている画像を見ると、フランス語の建築用語であるconsole、corbeau、modillonを全部含めているように見えてしまいます。

フランス語でいうcul-de-lampeは、もっと特定しているように感じるのです。このページに入っているデッサンをご覧ください。

上にリンクしたWikipediaの記述では、cul-de-lampeは「釣束飾り」と訳されていました。でも、「つり束飾り」としても、この単語を使っている例がインターネットでは他には出てこない...。

ところで、このcul-de-lampeという言葉は、詩や章の最後に入れる飾り模様の意味にもつかわれます。そのデザインを見ると、やはり建築物のcul-de-lampeに似ています。


建築用語は余りにも色々とあるので、私には手におえません。日本語で何と呼んで良いのか分からないけれど、おもしろいフランス語の単語のままで覚えておこうっと...。

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教会など宗教建築物に関する記事
★ 目次:
画家、彫刻家、建築家の足跡を追って

屋根裏部屋の木組みを何と呼ぶ? 2012/07/11
※ charpenteは「小屋組」だとコメントで教えていただいた日記

情報リンク:
☆ Wikipedia:
ラングル
☆ Wikipédia:
Tour de Navarre et d'Orval
☆ Wikipédia:
Cul-de-lampe (architecture)
☆ Wikisource: Eugène Viollet-le-Duc,
Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle ⇒ CUL-DE-LAMPE


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