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2012/11/24
少し前、フランスのお医者さんたちがストライキをしていました。仕事が大変なわりに報酬が少ない、という言い分。

日本では病院がストで締まるなんて考えられないと思うけど、これが初めてではないと記憶しています。

日本でも、フランスでも、医師の所得は高いという認識がありますよね?

テレビのニュースを見ていたら、医療の専門によって差ががるという表が出ていました。意外で驚いたのは、最も収入が多いのは麻酔を専門とする医師であること。

収入ランキング月収平均
1. 麻酔科医 207万円
2. 放射線科医 162万円
3. 外科医 149万円
4. 眼科医 147万円
5. 心臓病専門医 127万円
出所: Médecins : ce qu'ils gagnent vraiment

外国為替レートは変動します。1ユーロを日本の銀行で買おうとしたら、現在のところ108円。でも、1ユーロ=130円くらいが生活実感だと感じるので、勝手にこのレートで計算してみました。

もとデータには最高報酬と最低報酬も出ていたのですが、表を作るのが面倒なので省略。でも、順位には変化を与えていないことを書いておきます。


麻酔は危険が伴うために、最も責任が思い仕事

フランスの友達の友達に、麻酔科医の人がいます。友人仲間から催眠術師みたいなあだ名をつけれている人。そのせいかもしれないけれど、麻酔の専門家は、医師というより技師だという感じを持っていました。

でも、普通の医学をマスターするには7年ですむのに、麻酔科医の資格をとるためには、さらに3年だか4年だかの勉強を要するという高度なテクニックなのだそう。

麻酔科医というのは、そんなにすごい専門職なの... と思って間もなく、手術を受けることにしたという友人がいました。

全身麻酔になるので高い危険がある、と医師から言い渡されたのだそう。手術の前の様々な検査のほか、麻酔科医との面談もあって、サインした契約書を持参していました。

かいつまんで言えば、こんな内容の契約書だったようです。

医師から十分に説明を受け疑問を解決したので、手術に失敗しても文句を言わない。死んだ場合には、臓器を提供したり、死体解剖実験に使って良いかどうか、など...。

ひゃ~、怖いんですね。日本でも、手術する前には、自分が死んだ場合のことを考えさせるような契約書があるのでしょうか?!

この友人の場合、鼻の中にあるポリーブを摘出する手術でした。下手すると、目に通じる部分を傷つけて、失明する可能性がある。全身麻酔から覚めないで、そのまま永眠になることだって想定される。さらに、手術をしても完治するわけではないので、またポリーブができてくるはずなので、何回も手術する必要があるのだそう。

そう言われたら、私だったら手術を受けないけど...。

ともかく、耳鼻咽喉科で精密検査を受けにいって親切な医師だと感激した友人が話すには、最も危険を伴うのは全身麻酔だと理解したのだそうです。私は、麻酔なんて、痛みを感じない便利な手段くらいにしか意識していなかったので驚きました。


本当に手術するべきなのかどうか?...

日本人はブログで事細かに書くので、同じような手術を体験した人の報告を読んでみたら、私の友人なんかは耐えられないだろうと思いました。鼻の中に1メートルくらいの包帯を詰め込むのだそう。全身麻酔の後遺症が出るケースもあるらしい。何でも良いから長生きしたいと努力するような人ではないので、手術の後処理が終わる前に自殺しちゃうだろうな... と思いました。

また一人、友人が消えていくか... などと、しんみりした私。フランス人って、生きていても仕方がないと思ったときに自殺してしまう確率は、日本人より高いと感じているのです。


ところで、友人が手術を受けることにした病院は、私立のクリニックでした。「大きな公立病院でしてもらった方が良いよ」と言ったら、「あなたは何も知らない」と言われました。

私立病院の方が報酬が良いので、良い医師はクリニックで働くのだそう。そういえば、ブルゴーニュの公立病院の事務長をしていた友人が、公立病院は医療費が払えなくて私立病院で拒否された人たちがたくさん受け入れなければならないので、資金繰りが大変なのだ、と話していたっけ。

思いだせば、むかし私が骨折で入院したときも、加入していた海外旅行者保険の会社の人が、パリのアメリカン・クリニックに入るように勧めていました。それを友人に話して、「アメリカン・クリニックって何?」と聞いたら、「有名人が死ぬので有名な病院」と返事されていました! まあ、つまりは、フランスで最高レベルの病院ということでしょうね。

全身麻酔から覚めないことも覚悟せよと言われた友人は、契約をした2日後に、手術をしない決心をしました。

クリニックがある町に住む人から電話があったのでしゃべっていたら、その病院は破産宣告していて、優秀な医師は病院をかえているのだから要注意だ、と教えてもらったのが大きな理由だったようです。

それに、手術の日まで飲むようにと言われてもらった薬を飲んでいたら、鼻づまりは見事に消えてしまった。

念のためにホームドクターにスキャナーの写真を見せに行って相談したら、ポリーブが余りにもたくさんできているので、それを手術するとなったらブルドーザーが必要だ、と言われたのだそう。微妙な部分を切っていったら、臭覚を完全に失う危険性がきわめて高い。

手術はしないことにしたのなら、それで良いのではないか、とホームドクターに言われたそうです。この友人は、やたらに臭覚にこだわる人で、風邪をひいたときに鼻がつまっていると、食事をする気にもならないとイライラしている人なのです。

食べ物は口で味わうものなのに...。小学生のとき、理科の実験で強い薬品を嗅がされて、完全に臭覚を失ってしまった友人もいるのですが、食欲は旺盛ですよ。

病院でもらったのは、スポーツ選手がドーピングで使うことで有名な薬なので、それではない薬で治療を試みるのだそう。病院では全く治らなかった病気を直してもらった民間療養の医師を紹介してもらって、そこにも通い始めました。

その話しで教えてもらったのですが、フランスでは漢方薬のようなものは保険でカバーされないので薬局では入手できず、この民間療法の医師に処方してもらう薬はルクセンブルクに電話して注文するのだそう(通話料は無料サービス)。陸続きの外国がある国というのは便利ですね。


書くとブログを1つ立ち上げられるほど長くなってしまうので避けますが、病院というところは、しなくても良い手術をしたがっている、と、私は不信感を持っています。日本がそうだと思っていただけなのですが、フランスも同じなのかもしれない...。



日本情報リンク:
Gooニュース: 麻酔科医の年収3500万円は高いか 担当医が語る現状とは
年収ラボ: 医師の平均年収
医療業界職種別給与表(平成20年度)
Wikipedia: 麻酔科医
☆ Wikipédia: Anesthésie générale

ブログ内リンク:
『日本人の死に時 ~あなたは、何歳まで生きるつもりですか?』を読んで 2011/11/26
お婆さんは尊厳死を選んだ... 2011/11/27


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