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2013/01/03
フランス語でメンヒルは「メニール」と呼びますが、綴りは英語と同じで「menhir」。

これはブルトン語で、「men(石)」と「hir(長い)」からなっている言葉なのだそう。ブルターニュ生まれの軍人Théophile-Malo de La Tour d'Auvergne-Corretが、ドルメンという言葉とともに、18世紀に初めて使ったようです。

そういわれなくても、メンヒルと聞くと私はブルターニュ地方を思います。有名なカルナック列石というのもそこにありますから。

ところが、メンヒルは我がブルゴーニュ地方にもあるのです。ブルゴーニュ(Bourgogne)とブルターニュ(Bretagne)は片仮名で書くとそっくりになりますが、場所は全然違うところにあります。


ラ・シャペル・スゥ・ブランシオン村のメンヒル

時々通る道にあるので何度も見ているわけなのですが、見るたびに奇妙な思いをします。


Menhir de la Pierre Levée, La Chapelle-sous-Brancion

たった1つ、野原にたっているだけ。



呼び名は色々あって、Pierre-Levée du champ de la Fa、Pierre de Nobles、Pierre du Christ、pierre du Bon-Dieu。

巨石の上に十字架なんか立てています。ケルト文化をキリスト教文化にしてしまったわけ。

このメンヒルは、高さ3.8m、重さ5トン。4,000年以上前のものと言われていますが、戦時中に爆撃で2回倒されたのを立て直しています。フランス革命のときにはキリスト教が目の敵にされたので、この十字架がとられたのですが、それも元に戻してあるのだそう。

ふと思うのですけど、日本で古来の宗教を神道や仏教に染めようとしたとき、こんな風に付けてしまえるシンボルはないのではないかな?...

なんでこんなところに巨石があるのかを物語る伝説を、この近くで育った人から聞きました。

ブランシオンの峠の上で、悪魔が神様に石を遠くまで投げる戦いを挑んだのだそう(マタイの福音書にそういう話しが出てきますか?)。

神様は白い石を投げたのに対して、悪魔は挑発的に赤い石を投げます。白い石の方は峠の足元、つまりメンヒルがある位置まで飛んだのに対して、赤い石の方はもっと遠く、丘を越してユクセル村まで飛びました。

でも、ここに神様が投げた石が落ちたわけなので、神に祝福された土地となった。

といって、ユクセル村にはお城もあるのですけどね。悪魔が投げた赤い石は、その城に持ち込まれたということになっているのだそうです。

結局、先に十字架を巨石の上に立てた方が勝ちだったわけではないですか?

【追記 (2013年8月)】
ユクセル村を通りかかったとき、メンヒル(Le Menhir D'Uxelles)を見に行ったので写真を入れておきます。



石は赤くはなかったです。この地域では赤っぽい色の石がとれて、ほとんど赤く見える壁の古民家もあるのですが。

この地域で育った人の話しだと、昔はなかったように記憶しているとのこと。神様と悪魔の石投げ話しを本当にするために、ユクセル村に石を立てたのではないかと言っていました。
  


クーシュ村のメンヒル

上のメンヒルがあるソーヌ・エ・ロワール県ですが、そこから60Kmくらい北には、メンヒルが7本も残っているところがあります。


L'alignement de menhirs de Couches, Couches

こちらも何でもないところに立っています。一番高いものは7.3mで、30トンの重さがあるとみなされているのだそう。

幾つもあるので貴重な遺跡なのでしょうけれど、ブランシオンのメンヒルの方に私は親しみを感じています。

見事な城(Château de couches)がある村なのでたまに行くのですが、この野原に行ったのは1回だけ。

そうそう、あの城は最近オーナーが代わって見学できるようになっていたので行こうと思っていたのに忘れていた...。


ブログ内リンク:
神秘的な森の中にあるピエール・キ・ヴィール修道院 2013/06/28
フランス人って... : ドルメンの上で演じられた寸劇 2009/09/17
★ 目次: ブルゴーニュの歴史

情報リンク:
☆ 写真: Le menhir de "la pierre levée" à Chapelle-sous-Brancion (La)
☆ 伝説:
Le mystère de la pierre levée
☆ 写真:
L'alignement de menhirs de Couches
☆ YouTube: les alignements de Carnac (Morbihan)


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カテゴリー: 建築物 | Comment (4) | Top
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コメント
この記事へのコメント
ありがとうございます!健康で描き続ける一年にしたいです。最近頚椎症で病院に通っているのですが、フランス人は肩や首の凝りはあまりないのでしょうか!?

古代宗教に追加したものは日本では見ないですよね。探すとあるのかもしれないですが・・奈良の明日香地方は巨大石があちこちに点在していたことを思い出しました。
あと数年前に行った長野には道祖神というお地蔵さんのカップル版みたいなものがあって、微笑ましかったです。豊作や子孫繁栄を願うものらしいです。

ケルトのイメージが強かったですが、ブルゴーニュにもあるんですね。望まれた石でよかった。だからワインも豊作になるのかしら、いやそしたら赤い石の方がイメージ!?なんて。
2013/01/07 | URL | chiaki@静岡  [ 編集 ]
Re:
v-22chiaki@静岡さんへ

あら、まあ、頚椎症? 私も数年前に苦しみました。右手がしびれてきて、しまいに手を切断したくなるほど痛くなりました。病院で検査したら炎症をおこしていると分かったのですが、痛み止めの薬をくれるだけ。危険が多いはずの首の手術なんかはしたくなかったし。

仕方ないので、友達仲間から魔女と呼ばれている、現代医学とは違う治療をしている人のところに行きました。骨盤が歪んでいるのが原因だと言われ、それを真っ直ぐにしてもらったら、触っているだけの治療を3回してもらっただけで痛みはぴたりと止まってしまいました。chiakiさんも原因が特定できて良くなりますように!

>フランス人は肩や首の凝りはあまりないのでしょうか!?
⇒ これはとても不思議に思っていることなのです。フランス語には「肩がこった」という言い方がなくて、「背中が痛い」と言います。腰が痛いのも同様に表現される。外国にいる日本人なら誰でもやると思いますが、そういう人の肩をもんだり、叩いてあげたりすると、とても喜ばれるのです。つまり、肩はこるのに、肩に原因があるとは思わないらしい...。

>奈良の明日香地方は巨大石があちこちに点在していたことを思い出しました。
⇒ 知りませんでした。巨大石に対する気持ちというのは世界共通なのでしょうね。

>長野には道祖神というお地蔵さんのカップル版みたいなものがあって、微笑ましかったです。
⇒ 検索してみたら、軽井沢にあるこれ(http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8c/Dosojin01s2040.jpg)が出てきました。chiakiさんのとは違うのかもしれませんが、ケルト文化のと違って、可愛い~! こちらは十字架ならぬ、しめ縄。思えば、神道はどこにでも健在しますね...。
2013/01/07 | URL | Otium  [ 編集 ]
首はヘルニアまではいかないんですけど、椎間板がつぶれているらしく、首のクッションがなくて痛みがあるらしいです。ひどくなったら手術を勧められると思うのですが、今はリハビリで首を上から吊る治療を2,3日置きにいってます。
魔女かぁ、フランスですよね?なおってよかったです。そして骨盤てのが妙に納得です。私も首が逆に沿っていることが原因なのは間違いないのですが、根本的な原因は骨盤だと思っていたのです~。骨盤が堅く、ヨガをやっていても骨盤がらみのポーズはたいていうまくできません…。骨盤が堅い人は頑固なんですって。はぁそれも納得、言葉出ず!

確かにback painっていいますよね。こる部分が違うのでしょうか…。

道祖神は岩そのものもあるんですね。私は↓をイメージしました。
http://www.city.azumino.nagano.jp/kanko/enjoyazumino/dosojin.html
石に命が宿るという考え方は世界共通なんですかね。
2013/01/08 | URL | chiaki@静岡  [ 編集 ]
Re:
v-22chiaki@静岡

魔女はフランス人です。普通の病院で検査したときには骨盤骨折をしたことがあるとしたのですが、それとは全く関係はないと言われていました。魔女の方は、触っただけで骨盤が歪んでいるのが原因だと言ったのです。chiakiさんもそこに関係していそうですか? インターネットで検索すると、骨盤を真っ直ぐにする体操が色々でてきますよ。
http://asiasi.seesaa.net/article/8680479.html
早く痛みが消えますように!

道祖神、こういうのも検索したら出てきたのですが、現代風に見えたので岩の方に目がいっていました。安曇野のは19世紀に作られているのですね。たくさんあるところ、面白い♪
2013/01/08 | URL | Otium  [ 編集 ]
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